説明

移動通信装置

【課題】予約対象の番組の放送時間が繰り下げられて放送されても確実に対象の番組を記録するとともに、この処理動作の際の消費電力を低く抑える移動通信装置を提供する。
【解決手段】デジタル放送において放送される番組を受信する受信部101と、受信部101により受信される番組を記録するメモリ112と、放送予定の番組の記録予約をする入力部106と、入力部106で設定した番組の記録開始時刻に予約番組と異なる番組を受信部101が受信した場合は、予約番組の変更された放送開始時刻を取得して当該記録予約の記録開始時刻を新たに設定する制御部113とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタル放送を受信する移動通信装置に関し、特にデジタル放送の予約録画(記録)を行う移動通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機にテレビチューナを内蔵する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、地上波デジタル放送または衛星デジタル放送では、主に携帯性の高い小型受信機向けに、1または3セグメントの伝送帯域を使用した放送が予定されている。
ところで、従来からテレビやラジオ放送を録画/録音できる装置では、録画/録音しようとする番組の開始時刻、終了時刻およびチャンネル情報をユーザが設定することで、録画/録音のタイマ予約を行い、予約した開始時刻になると自動的に放送波を受信して記録媒体に記録し、終了時刻になると記録を終了するといった機能を持っている。
【特許文献1】特開2002−9920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、開始時刻や終了時刻を設定してタイマ予約を行った場合、録画/録音対象の番組が実際の放送時刻よりも繰り下げられて放送されてしまい、ユーザが録画/録音したいと望んだ番組が最後まで記録媒体に記録されないという問題があった。
そこで、デジタル放送などでは番組毎に個別のIDが付与されているため、この番組毎に割り振られている個別のIDを検出してユーザが録画予約した番組のIDと比較することで、実際の番組を記録媒体に記録できる。
【0004】
ところが、上記方法では、実際に放送している番組IDと予約対象の番組IDとのズレを認識してから実際に放送している番組IDと予約対象の番組IDとが一致するまで、常に定期的に放送波を受信して実際に放送にしている番組のIDを検出し続けなければならない。一般に、商用電源により駆動される固定装置の場合は、定期的に放送波を受信する動作を行っても常に電力が供給されているため問題ないが、携帯電話機に代表されるバッテリ駆動の移動通信装置に上記動作を行わせると、実際の記録処理以外に予定外の電力が消費されてしまうために予約対象の番組が記録できないという問題が起こってしまう。また、前記問題以外にも通話時間や待受時間など装置の使用時間が短くなってしまうという問題もある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、予約対象の番組の放送時間が繰り下げられて放送されても確実に対象の番組を記録するとともに、この処理動作の際の消費電力を低く抑える移動通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の移動通信装置は、デジタル放送において放送される番組を受信する受信手段と、該受信手段により受信される番組を記録する記録手段と、放送予定の番組の記録予約をする予約手段と、該予約手段で設定した番組の記録開始時刻に前記予約番組と異なる番組を前記受信手段が受信した場合は、前記予約番組の変更され
た放送開始時刻を取得して当該記録予約の記録開始時刻を新たに設定する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、予約対象の番組の放送時間が繰り下げられて放送されても確実に対象の番組を記録するとともに、この処理動作の際の消費電力を低く抑えることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明に係る移動通信装置の一実施形態の機能ブロック図である。図2は、図1に示した移動体通信装置(携帯電話)の一具体例の全体図である。
【0009】
本実施形態に係る移動通信装置100は、例えばデジタル放送やデジタルラジオの放送波を受信する機能、デコード機能、視聴機能、放送局による予め規定された放送スケジュール変更に伴う番組(コンテンツデータ)の放送開始時刻の繰下げに対応する録画予約機能を有する、携帯電話、PDA(Personal digital assistant)、専用受信機、カーナビゲーション装置等のバッテリで駆動する移動通信装置である。
本実施形態では移動通信装置として携帯電話100を説明する。
【0010】
携帯電話100は、詳細には図1に示すように、受信部101、スピーカ102、表示部103、計時部104、バイブレータ105、入力部106、送話器107、受話器108、通信部109、電池110、電源制御部111、メモリ112、および制御部113を有する。
【0011】
受信部101は、例えば制御部113の制御により、オン状態で、予め規定された時刻に放送される番組(コンテンツデータ)および当該番組(コンテンツデータ)を識別するための指標となる識別情報IDを含む放送波を受信し、受信した放送波に基づく信号をスピーカ102、表示部103、および制御部113等に出力する。
また、放送番組のデータの中には、番組(コンテンツデータ)の識別情報IDが含まれている。
【0012】
本実施形態において、受信部101は、例えば電子番組ガイド情報(EPG:Electronic Program Guide)等が含まれる放送波を受信する。
EPGは、デジタル放送波だけではなく、通信ネットワーク網(WWW:world wide web)を介してサーバ装置(情報処理装置)から取得することもできる。このため、サーバ装置からEPGを取得してもよい。
【0013】
EPGには、個々の番組(コンテンツデータ)を識別するための指標となる識別情報IDが含まれている。
識別情報IDは、例えばARIB STD−B10の番組配列情報についての規定されており、番組特定情報(PSI:Program Specific Information)と呼ばれる放送番組関連テーブル(PAT:Program Association Table)、放送番組マップテーブル(PMT:Program Map Table)、ネットワーク情報テーブル(NIT:Network Information Table)、限定受信テーブル(CAT:Conditional Access Table)の4つのテーブルから構成される。
本実施形態では、例えばこれらに含まれる放送番組番号識別と呼ばれる要素を使用する。
【0014】
これらの情報は、番組を識別するIDも含めてMPEG-2 Systems(ITU−T H.222.0、ISO/IEC 13818-1)で規定されるセクション形式のデータ構造を用いて伝送され放送信号に含められる。
【0015】
図3は、図1に示した携帯電話100の受信部101が受信する放送波に含まれるデータのフォーマットの一具体例を説明するための図である。
【0016】
例えば図3に示すように、データDは、テーブル識別子D1、セクションシンタクス指示D2、パディングD3、パディングD4、セクション長D5、トランスポートストリーム識別D6、パディングD7、バージョン番号D8、カレントネクスト指示D9、セクション番号D10、最終セクション番号D11、放送番組番号識別D12、パディングD13、ネットワークPID(Packet Identification)D14、PMT_PID D141、およびCRC(Cyclic Redundancy Check )D15を有する。
【0017】
放送番組番号識別D12は、本発明に係る識別情報IDの一例に相当する。
【0018】
テーブル識別子D1は、セクションが属するテーブルの識別のための情報である。
セクションシンタクス指示D2は、通常形式および拡張形式を識別するための情報であり、通常形式の場合には”1”、拡張形式の場合には”0”とする。
パディングD3およびパディングD4は、付加情報である。
【0019】
セクション長D5は、セクション長D5より後に続くデータバイト数を示す情報である。
トランスポートストリーム識別D6は、トランスポートストリームの識別情報を示す情報である。
パディングD7は付加情報である。
バージョン番号D8は、テーブルのバージョンを示す情報である。
カレントネクスト指示D9は、テーブルが現在使用可能である場合には”1”を示し、テーブルが使用不可であり次に有効となることを示す場合には”0”を示す。
【0020】
セクション番号D10は、テーブルを構成するセクション番号を示す情報である。
最終セクション番号D11は、テーブルを構成する最終セクション番号を示す情報である。
放送番組番号識別D1は、本発明に係る番組(コンテンツデータ)を識別するための指標となる識別情報であり、番組(コンテンツデータ)それぞれには異なる識別情報IDが割り当てられる。
【0021】
パディングD13は付加情報である。
ネットワークPID D14、およびPMT_PID D141は、放送番組番号が”0”のときNIT PIDを示す値0x0010であり、放送番組番号が”0”と異なるときはPMT PIDを示す。
CRC D15は、データDのチェック情報であり、データの欠損、誤り等の検出時に用いられる。
【0022】
受信部101は、例えば図1に示すように、放送無線部1011、復調部1012、および復号部1013を有する。
放送無線部1011は、例えば高周波回路、同調回路、周波数変換回路等により構成され、アンテナANT1で受信した放送波を中間周波信号に変換して復調部1012に出力する。
【0023】
復調部1012は、例えば復調回路等により構成され、放送無線部1011から出力された信号に、予め規定された復調処理を施して、復号部1013に出力する。
【0024】
復号部1013は、例えばデコーダ回路等により構成され、復調部1012から出力された信号に、予め規定されたデコード処理を施して、音声信号、画像信号、データ信号等を生成し、スピーカ102、表示部103、制御部113等に出力する。
【0025】
スピーカ102は、例えば制御部113の制御により、所定の音声信号、例えば受信部101から出力された音声信号やその他の音声信号を基に発音を行う。
【0026】
表示部103は、例えば制御部113の制御により、所定の画像信号、例えば受信部101から出力された画像信号やその他の画像信号を基に表示を行う。例えば表示部103は、液晶ディスプレイ装置(LCD)等の表示装置により構成される。
【0027】
携帯電話100の装置本体部1は、例えば図2に示すように、第1筐体部11、および第2筐体部12を有する。第1筐体部11と第2筐体部12は、折曲部13により折り曲げ可能に接続されている。
表示部103は、例えば図2に示すように、装置本体部1の第1筐体部11の中央部に設けられている。
【0028】
計時部104は、例えば発振子による振動を基に計時を行い、計時する現時刻情報を制御部113に出力する。
バイブレータ105は、例えば制御部113の制御により、マナーモード時に装置を振動させることにより報知を行う。
【0029】
入力部106は、番組(コンテンツデータ)の開始時刻および当該番組(コンテンツデータ)の識別情報を含む記録予約情報を設定する。
例えば、入力部106は、テンキーや、キーボードやポインティングデバイス等により構成され、ユーザの操作に応じた信号を制御部113に出力する。
入力部106は、例えば図2に示すように、装置本体部1の第2筐体部12の中央部に設けられている。
【0030】
送話器107は、例えばマイクロフォン等により構成され、ユーザの音声に応じた電気信号を通信部109や制御部113に出力する。送話器107は、例えば図2に示すように、第2筐体部12の下部に設けられている。
受話器108は、例えばスピーカ等により構成され、制御部113の制御により、通信部109から出力された音声信号や受信部101から出力された音声信号に応じた発音を行う。受話器108は、例えば図2に示すように、第1筐体部11の上部に設けられている。
【0031】
通信部109は、例えば制御部113の制御により、無線信号により携帯電話の通話網(電話通信網)の装置である基地局や通信機能を有する他の移動通信装置と通信を行う。
通信部109は、例えば送話器107から入力された電気信号を予め規定された方式で無線信号に変換し、アンテナANT2を介して出力する。また、通信部109は、アンテナANT2で受信した無線信号に予め規定された方式で復調して音声信号、データ信号等を生成する。
【0032】
通信部109は、例えば図1に示すように、分配・混合部1091、受信無線部1092、復調部1093、復号部1094、デジタル/アナログ(D/A)変換部1095、アナログ/デジタル(A/D)変換部1096、符号化部1097、変調部1098、および送信無線部1099を有する。
【0033】
分配・混合部1091は、アンテナANT2で受信した無線信号を高周波信号に変換して受信無線部1092に出力する。また、分配・混合部1091は、送信無線部1099から出力された高周波信号をアンテナANT2に出力する。
【0034】
受信無線部1092は、例えば同調回路等により構成され、分配・混合部1091から出力された高周波信号を中間周波信号に変換して復調部1093に出力する。
【0035】
復調部1093は、例えば制御部113の制御により、受信無線部1092から出力された信号に、予め規定された復調処理を施し、生成したデータ列を復号部1094や制御部113に出力する。
【0036】
復号部1094は、例えば復調部1093から出力されたデータ列に、予め規定された復号処理を施し、生成したデジタル信号をD/A変換部1095に出力する。
【0037】
D/A変換部1095は、復号部1094から出力されたデジタル信号にデジタル/アナログ変換処理を施して音声信号を受話器108に出力する。
【0038】
アナログ/デジタル(A/D)変換部1096は、例えば送話器107から出力されたアナログ音声信号に、アナログ/デジタル信号変換処理を施し、生成したデジタル信号を符号化部1097に出力する。
【0039】
符号化部1097は、A/D変換部1096から出力されたデジタル信号に、例えば圧縮符号化処理を施して、変調部1098に出力する。
【0040】
変調部1098は、例えば制御部113の制御により、符号化部1097から出力された信号や、制御部113から出力されたデータ信号に、予め規定された電波伝送に適した変調処理を施して、送信無線部1099に出力する。
【0041】
送信無線部1099は、例えば周波数変換回路や高周波回路、増幅回路等により構成され、変調部1098から出力された信号を分配・混合部1091を介して、アンテナANT2から無線信号として送信する。
【0042】
電池(バッテリ)110は、例えば充電および放電可能な2次電源や、バックアップ用電池により構成され、電源制御部111および制御部113の制御により装置全体に電力を供給する。
【0043】
電源制御部111は、例えば制御部113の制御により、各構成要素の電力の供給を制御する。
電源制御部111は、例えば制御部113から、受信部101をオフ状態からオン状態に切り換えさせる制御信号が出力されると、その制御信号に応じて電池110の電力を受信部101に供給して、受信部101をオン状態に切り換える。
また、電源制御部111は、制御部113から、受信部101をオン状態からオフ状態に切り換えさせる制御信号が出力されると、その制御信号に応じて受信部101への電力供給を抑制して、受信部101をオフ状態に切り換える。
【0044】
また、通信部109への電力供給も同様である。
例えば、電源制御部111は、制御部113から、通信部109をオフ状態からオン状態に切り換えさせる制御信号が出力されると、その制御信号に応じて電池110の電力を通信部109に供給して、通信部109をオン状態に切り換える。
また、電源制御部111は、制御部113から、通信部109をオン状態からオフ状態に切り換えさせる制御信号が出力されると、その制御信号に応じて通信部109への電力供給を抑制して、通信部109をオフ状態に切り換える。
【0045】
メモリ112は、制御部113の制御により、番組(コンテンツデータ)や、電話帳データ、着信音データ、メールデータ、画像データ、初期データ、プログラム(PRG)等を記録する。メモリ112は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)や、ハードディスク等の記録装置により構成される。
プログラム(PRG)は、本発明に係る機能を有し、制御部113により実行されることで本発明の機能を実現する。
【0046】
制御部113は、装置全体を統括的に制御する。例えば制御部113は、メモリ112をワークスペースとして、プログラム(PRG)を実行することにより、本発明の機能を実現する。
【0047】
制御部113は、例えば、計時部104が計時する現時刻情報が、入力部106により設定された記録予約情報に含まれる開始時刻になると、受信部101をオン状態に切り換え、当該受信部101が受信した番組(コンテンツデータ)の識別情報IDと、入力部106により設定された予約対象の番組の識別情報IDとを比較し、当該比較の結果一致していない場合には、入力部106により設定された予約対象の番組の識別情報IDに相当する番組(コンテンツデータ)の新たな開始時刻を取得して記録予約情報を更新し、新たな開始時刻まで受信部101をオフ状態に切り換える。
【0048】
また、制御部113は、比較の結果、識別情報IDが一致している場合には、受信部101が受信した番組(コンテンツデータ)をメモリ112に記録する。
【0049】
尚、制御部113は、受信部101が受信する放送波に含まれる予約対象の番組(コンテンツデータ)の新たな開始時刻を示す情報に基づいて、記録予約情報を更新する。例えば、放送波に含まれるEPG情報などがあげられる。
【0050】
また、制御部113は、通信部109を介して、番組(コンテンツデータ)の識別情報と当該番組(コンテンツデータ)の新たな開始時刻を示す情報とを提供する情報処理装置(番組情報配信サーバ)200とデータ通信を行い、予約対象の番組の識別情報IDに相当する番組(コンテンツデータ)の新たな開始時刻を示す情報に基づいて、記録予約情報を更新してもよい。
【0051】
図4は、図1に示した携帯電話100の制御部の動作の一具体例を説明するための図である。
制御部113は、図4に示すように、番組ID抽出部1131、中央制御部1132、および記録制御部1133を有する。
【0052】
番組ID抽出部1131は、受信部101が受信した放送波に含まれる番組の識別情報IDを抽出する。
【0053】
また、入力部106から入力された記録予約情報が予約情報保持部1121に保持される。予約情報保持部1121はメモリ112内に構成されてもよいし、独立した記録部により構成されてもよい。
【0054】
ここで、予約情報保持部1121に保存される記録予約情報の一例を説明する。
図5は、図1に示した携帯電話100の入力部106から入力される記録予約情報の一具体例を説明するための図である。
入力部106から入力される記録予約情報DRは、例えば図5に示すように、放送日情報DR1、開始時刻情報DR2、終了時刻情報DR3、チャンネル情報DR4、および番組ID等を有する。
【0055】
放送日情報DR1は、番組(コンテンツデータ)が送信される日付情報である。
開始時刻情報DR2は、番組(コンテンツデータ)を記録する開始時刻を示す情報である。
終了時刻情報DR3は、番組(コンテンツデータ)の記録を終了する時刻を示す情報である。
チャンネル情報DR4は、番組(コンテンツデータ)が放送されるチャンネルを示す情報である。
番組IDは、番組(コンテンツデータ)の識別情報である。
【0056】
記録予約情報DRは、入力部106を介してユーザが情報の全てを入力してもよい。
また、EPGを放送波や通信ネットワーク網より受信しそれを表示し、ユーザがその中から記録したい番組を選択することで記録予約情報DRを生成してもよい。こうすることで、ユーザは操作の手間を減らすことができる。
【0057】
次に、図4に示す中央制御部1132は、予約情報保持部1121が保持する記録予約情報に基づいて、番組(コンテンツデータ)の放送開始時刻になったとき受信部101をオン状態に切り換えさせる制御信号CTL113を出力する。
【0058】
中央制御部1132は、受信した番組の識別情報IDと予約対象の番組の識別情報IDとを比較することで、放送開始時刻が繰り下げれているかどうかを判断する。そして、中央制御部1132は、当該比較・判断の結果一致していない場合には、予約対象の番組の識別情報IDに基づいて、当該番組(コンテンツデータ)の新たな開始時刻を取得して記録予約情報を更新(設定)し、新たな開始時刻まで受信部101をオフ状態に切り換えさせる制御信号CTL1を出力する。
電源制御部111は、制御信号CTL1に基づいて受信部101への電力供給(オン/オフ状態)を制御する。
【0059】
また、中央制御部1132は、受信した識別情報IDと予約対象の番組の識別情報IDが一致した場合には、記録制御部1133を起動させる。
記録制御部1133は、受信部101が受信した予約対象の番組(コンテンツデータ)をメモリ112に記録する。
【0060】
また、取得部114は、例えば中央制御部1132の制御により、EPG情報を取得する。
詳細には、取得部114は、例えば中央制御部1132の制御により、番組(コンテンツデータ)の放送開始時刻が繰り下げられていると判断した場合に、新たな放送開始時刻、および終了時刻等の放送情報を取得し、中央制御部1132に出力する。
この取得部114は、番組情報配信サーバとのデータ通信を行う通信部109であってもよいし、EPG情報を含む放送波を受信する受信部101であってもよい。
本実施形態では取得部114は、通信部109として説明する。
【0061】
図6は、図1に示した携帯電話の動作の一具体例を説明するためのフローチャートである。図6を参照しながら、携帯電話100の動作を、制御部113の動作を中心に説明する。
【0062】
ステップST1において、まず、ユーザは、予め規定された時刻に放送される、視聴したい番組(コンテンツデータ)の放送情報、例えば開始時刻情報、終了時刻情報、チャンネル情報、番組ID等を、EPG、新聞、雑誌、ニュース等を参照しながら、入力部106を操作して、記録予約情報を設定する。
詳細には、制御部113は、入力部106から、開始時刻情報、終了時刻情報、チャンネル情報、識別情報等を含む記録予約情報を示す設定信号を基に、記録予約情報を設定し、メモリ112や予約情報保持部1121に記録する。
【0063】
例えば、制御部113は、番組IDが入力部106から入力されていない場合には、ステップST2において、取得部114にEPG情報を取得させ番組IDを得る。この際、上述したように通信部109により、番組情報配信サーバ200にアクセスしてEPG情報を取得してもよいし、受信部101に放送波に含まれるEPG情報を取得させ番組IDを得るようにしてもよい。
【0064】
ステップST3において、制御部113は、取得した識別情報ID(番組IDともいう)を、予約情報保持部1121やメモリ112に記録する。
【0065】
ステップST4において、制御部113は、計時部104が計時する現時刻情報が、予約情報保持部1121やメモリ112が記録する記録予約情報に含まれる開始時刻になったか否かが判定され、開始時刻であると判定された場合には、記録予約情報DRに含まれる、識別情報(番組)ID(A)を読み出す(ステップST5)。
【0066】
ステップST6において、制御部113は、受信部101をオン状態に切り換える。詳細には、制御部113はオン状態に切り換えさせる制御信号CTL1を電源制御部111に出力する。電源制御部111はその制御信号CTL1を受けて、受信部101に電力を供給する。
【0067】
ステップST7において、制御部113は、受信部101を、記録予約情報DRに基づいて、記録すべき番組(コンテンツデータ)が放送されるチャンネルにチューニングする。
【0068】
ステップST8において、制御部113の番組ID抽出部1131は、受信部101が受信した現在放送されている放送波から、番組(コンテンツデータ)の識別情報ID(B)を抽出する。
【0069】
ステップST9において、制御部113は、受信部101が受信した現在放送中の番組(コンテンツデータ)の識別情報ID(B)と、入力部106により設定された予約対象の番組の識別情報ID(A)とを比較する。
比較の結果一致している場合には、制御部113は、受信部101が受信した番組(コンテンツデータ)をメモリ112に記録する。
詳細には、記録制御部1133は受信部101が受信した番組(コンテンツデータ)をメモリ112に記録させ(ST10)、終了時刻になると記録を終了し、ステップST12の処理に進む。
【0070】
一方、ステップST9において、当該比較の結果一致していない場合には、制御部113は、後述する予約情報補正処理を行い(ST11)、ステップST12の処理に進む。
【0071】
ステップST12では、制御部113は、終了時刻になると受信部101をオフ状態に切り換え、ステップST4の処理に戻る。
ここで、オフ状態とは、受信部101による放送波の受信処理を休止すること、テレビアプリケーションにかかる各デバイスの電源をオフにすることなど消費電力を抑えるスタンバイ状態に移行するものである。
制御部113は、受信部101をオフ状態にさせる制御信号CTL1を電源制御部111に出力する。電源制御部111はその制御信号CTL1を受信すると、受信部101に供給する電力を抑制する。
【0072】
図7は、図1に示した携帯電話の記録予約情報の補正処理の一具体例を説明するためのフローチャートである。図7を参照しながら補正処理を、制御部113の動作を中心に説明する。
【0073】
ステップST111において、制御部113の中央制御部1132は、比較の結果一致していない場合には、取得部114に、変更になった番組の放送スケジュールをサーバ200に問い合わせる。または、サーバ200からEPGを取得する。または中央制御部1132は、受信部101を介して放送波に含まれるEPG情報を受信させる。
【0074】
ステップST112において、制御部113は、取得部114に、入力部106により設定された予約対象の番組の識別情報ID(A)に相当する番組(コンテンツデータ)の新たな開始時刻情報や、終了時刻情報を取得させる。
【0075】
ステップST113において、制御部113は、取得した新たな開始時刻情報や終了時刻情報等に基づいて、メモリ112や予約情報保持部1121が記録する記録予約情報DRを更新(設定)する。
【0076】
そして、ステップST12の処理に進み、制御部113は、新たな開始時刻まで受信部101をスタンバイ状態に切り換え、次の番組の開始時刻になるまで待機する。
【0077】
以上、説明したように、デジタル放送において放送される番組を受信する受信部101と、受信部101により受信される番組を記録するメモリ112と、放送予定の番組の記録予約をする入力部106と、入力部106で設定した番組の記録開始時刻に予約番組と異なる番組を受信部101が受信した場合は、予約番組の変更された放送開始時刻を取得して当該記録予約の記録開始時刻を新たに設定する制御部113とを設けたので、例えば、予約対象の番組の放送時間が繰り下げられて放送されても確実に対象の番組を記録する。
また、制御部113は、記録予約の記録開始時刻を新たに設定するとともに、次の記録開始処理を行うまで受信部101の受信処理を休止して消費電力を抑えるスタンバイ状態に移行するので、この処理動作の際の消費電力を低く抑えることができる。
つまり、定期的に変更状態をチェックする装置と比べて、消費電力が小さい。
このため、本発明を採用した携帯電話等の移動通信装置では、予約対象の番組の放送時間が繰り下げられて放送されても簡単に且つ確実に記録出来、電池(バッテリ)による限られた電力を有効に活用することができる。
【0078】
また、制御部113は、比較の結果一致していない場合に、受信部101が受信するEPG情報により放送スケジュールの変更情報、詳細には新たな開始時刻情報を取得して、記録予約情報DRを更新(設定)することで、所望の番組を記録でき、かつ消費電力が一般的な固定装置と比べて小さい。
【0079】
また、制御部113は、比較の結果一致していない場合に、通信部109によりサーバ200にアクセスし、放送スケジュールの変更情報、詳細には新たな開始時刻情報をEPG等から取得して、記録予約情報DRを更新(設定)することで、所望の番組を記録でき、かつ消費電力が一般的な装置と比べて小さい。
尚、放送波のEPGを用いるほうが、通信費がかからない点で好ましい。一方、サーバにアクセスする場合は放送波より早く、且つ詳細な情報を得ることが出来る場合がある点で好ましい。また、異なる種類(内容)のEPGを提供する複数のサーバにアクセスする場合は、それらを総合してより詳細な情報を得ることが出来る場合がある点で好ましい。
【0080】
本発明によれば、実際の記録開始までに、受信部101や通信部109など、予約記録に必要な箇所(部)を常に動作させておく必要がないために消費電力が一般的な装置と比べて小さい。
【0081】
なお、本発明は本実施形態に限られるものではなく、任意好適な改変が可能である。
例えば、上述した制御部113の構成は上述した構成に限られるものではない。
また、開始時刻情報が変更されるに伴い、終了時刻情報も同時に変更して記録予約情報を更新してもよい。
【0082】
また、プログラム(PRG)は、通信ネットワークを介してダウンロードされてもよい。
また、制御部は、本発明に係る機能を有するハードウェアの回路により実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る移動通信装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図2】図1に示した移動体通信装置(携帯電話)の一具体例の全体図である。
【図3】図1に示した携帯電話100の受信部101が受信する放送波に含まれるデータのフォーマットの一具体例を説明するための図である。
【図4】図1に示した携帯電話100の制御部の動作の一具体例を説明するための図である。
【図5】図1に示した携帯電話100の入力部106から入力される記録予約情報の一具体例を説明するための図である。
【図6】図1に示した携帯電話の動作の一具体例を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1に示した携帯電話の記録予約情報の補正処理の一具体例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
100…移動通信装置(携帯電話)、101…受信部、102…スピーカ、103…表示部、104…計時部、105…バイブレータ、106…入力部、107…送話器、108…受話器、109…通信部、110…電池、111…電源制御部、112…メモリ、113…制御部、1131…番組ID抽出部、1132…中央制御部、1133…記録制御部、PRG…プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送において放送される番組を受信する受信手段と、
該受信手段により受信される番組を記録する記録手段と、
放送予定の番組の記録予約をする予約手段と、
該予約手段で設定した番組の記録開始時刻に前記予約番組と異なる番組を前記受信手段が受信した場合は、前記予約番組の変更された放送開始時刻を取得して当該記録予約の記録開始時刻を新たに設定する制御手段と、
を備えたことを特徴とする移動通信装置。
【請求項2】
前記予約手段は、番組を識別する識別情報とともに記録予約を行い、
前記制御手段は、前記予約手段で設定した番組の識別情報と前記受信手段が受信する番組の識別情報とを比較することで、前記予約番組と前記受信手段が受信する番組とが異なる番組であることを判定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記予約番組の変更された放送開始時刻を前記受信手段が受信する電子番組情報に基づいて取得し、当該記録予約の記録開始時刻を新たに設定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項4】
電話通信網と通信を行う通信手段を有し、
前記制御手段は、前記予約番組の変更された放送開始時刻を前記通信手段を介してアクセスした電子番組情報に基づいて取得し、当該記録予約の記録開始時刻を新たに設定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記記録予約の記録開始時刻を新たに設定するとともに、次の記録開始処理を行うまで前記受信手段の受信処理を休止して消費電力を抑えるスタンバイ状態に移行することを特徴とする移動通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−42244(P2006−42244A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223146(P2004−223146)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】