積み付け装置およびこれを備える搬送設備
【課題】従来より簡易かつ安価な積み付け装置およびこれを備える搬送設備を提供すること。
【解決手段】搬送路3から搬送される荷物WをパレットPに積み付ける積み付け装置2であって、前記荷物Wを把持および解放する把持部9と、前記搬送路3と前記パレットPとの間で前記把持部9を移動させるとともに、前記パレットPに対する前記把持部9の高さを調整する移動機構4,8と、前記把持部9に取り付けられ、前記把持部9の下方に配された前記荷物Wに対する距離を検出する検出部10とを備え、前記把持部9は、前記検出部10の検出結果に応じて、前記移動機構4,8によって前記パレットPに対する高さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【解決手段】搬送路3から搬送される荷物WをパレットPに積み付ける積み付け装置2であって、前記荷物Wを把持および解放する把持部9と、前記搬送路3と前記パレットPとの間で前記把持部9を移動させるとともに、前記パレットPに対する前記把持部9の高さを調整する移動機構4,8と、前記把持部9に取り付けられ、前記把持部9の下方に配された前記荷物Wに対する距離を検出する検出部10とを備え、前記把持部9は、前記検出部10の検出結果に応じて、前記移動機構4,8によって前記パレットPに対する高さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物をパレットに積み付ける積み付け装置およびこれを備える搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送路から連続して搬送される荷物をパレットに連続して積み付け、パレットごと荷物を搬出する作業は、積み付け装置などを利用して行われている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、図8に示すように、搬送設備100は、積み付け装置101と、フィードコンベア102と、高さ検出装置107とを備えている。
積み付け装置101は、装置本体部103と、荷物Wを把持・解放する把持部105と、これら装置本体部103と把持部105とを連結する連結アーム104とを備えている。
装置本体部103は、鉛直方向に延びる回転軸線を中心として旋回動作するようになっている。
連結アーム104は、折り畳み動作や展開動作などにより、装置本体部103の旋回動作と合わせて、把持部105の位置や高さを調整するようになっている。
把持部105は、荷物Wを挟んで支持する把持爪部105aを備えている。
フィードコンベア102は、荷物Wを連続的に搬送するようになっている。
【0003】
このような構成のもと、荷物Wの積み付け動作が以下のようにして行われる。
まず、フィードコンベア102によって搬送されてきた荷物Wの上方に、把持部105が配される。そして、連結アーム104が折り畳まれることにより、把持部105が下方に移動し、把持爪部105aが荷物Wを把持する。この状態で、把持部105が上方に移動して装置本体部103が旋回することにより、把持部105が、荷物Wを把持したままパレットPの所定の積み付けエリアの上方に配される。そして、把持爪部105aが荷物Wを解放することにより、荷物Wが自重により落下しパレットPに積み付けられる。それから、装置本体部103が再び元の方向に旋回すると、把持部105が、フィードコンベア102によって新たに搬送されてきた荷物Wの上方に配される。これら一連の動作を繰り返すことにより、図9に示すように、複数の荷物WがパレットPに積み付けられる。なお、パレットPの上方に配される把持部105の位置や高さは、積み付けごとにあらかじめ決められている。例えば一段に対して荷物Wが5個積み付けられ、これら5個の荷物Wが15段の高さに積み付けられるように、装置本体部103や連結アーム104により、各積み付け時の把持部105の位置や高さが調整されるようになっている。そして、所定数の荷物Wが積み付けられると、不図示のフォークリフトによって、荷物WがパレットPごと搬出される。
【0004】
さて、図9に示すように、荷物Wを複数段積み付けていくと、荷物Wが自重によって沈み込んで下方に圧縮されたり、または気温差(温度差)により複数の荷物Wの内容物の充填率がそれぞれ変化したりするため、荷物Wの理論上の高さと実際の高さが異なる場合がある。
例えば、荷物Wを6段積み付けるとき、以下のようにして、床面からの荷物Wの高さ寸法h1が算出される。すなわち、積み付け前の荷物Wの高さ寸法に6を乗じて、この値にパレットPの高さ寸法P1を足すことにより、高さ寸法h1が算出される。この高さ寸法h1を理論上の荷物高さ寸法h1とする。
つまり、
理論上の荷物高さ寸法h1=積み付け前の荷物Wの高さ寸法×段数+パレットの高さ寸法P1
となる。
【0005】
一方、荷物Wが複数段積み付けられ自重によって下方に圧縮されたり、内容物の充填率が変化したりすると、圧縮されたり変化した分だけ、床面からの実際の高さ寸法が理論上の荷物高さ寸法h1よりも小さくなる。この高さ寸法を実際の荷物高さ寸法h2とする。
なお、把持部105が積み付けごとに配される高さ寸法は、理論上の荷物高さ寸法h1に合わせられている。すなわち、把持部105は、理論上の荷物高さ寸法h1から一定の間隔寸法L1だけ上方に離された高さ寸法H1の高さに配されるようにあらかじめ教示されている。この間隔寸法L1を理論上の間隔寸法L1とし、高さ寸法H1を理論上の把持高さ寸法H1とする。
つまり、
理論上の把持高さ寸法H1=理論上の荷物高さ寸法h1+理論上の間隔寸法L1
となる。
また、理論上の把持高さ寸法H1に配された把持部105の高さと、実際の荷物高さ寸法h2との間の間隔寸法L2を実際の間隔寸法L2とする。
【0006】
ここで、荷物Wが複数段積み付けられ自重によって下方に圧縮されると、把持部105が理論上の把持高さ寸法H1に配されるため、実際の間隔寸法L2が、理論上の間隔寸法L1よりも大きくなってしまう。
そのため、理論上の把持高さ寸法H1に配された把持部105が、実際の荷物高さ寸法h2の高さに積み付けられた下方の荷物Wに対して、把持している荷物Wを解放すると、解放された荷物Wが自重により下方の荷物Wに到達したときの運動エネルギーが、理論上の間隔寸法L1のときよりも増大してしまう。そのため、下方の荷物Wに到達した荷物Wが、その反動で、理論上の間隔寸法L1のときよりも横方向に大きくズレてしまう場合がある。この場合、荷物Wを精度よく積み付けることができなくなってしまう。
【0007】
そこで、高さ検出装置107を用いて実際の荷物高さ寸法h2を検出することにより、把持部105の高さを実際の荷物高さ寸法h2に合わせて調整することが行われる。
高さ検出装置107は、図10に示すように、検出部107bと、反射部107aとを備えている。
検出部107bは、床面から鉛直方向上方に延びる支柱部107b1と、光電センサ107b3と、モータやエンコーダなどを備える駆動部107b2と、これら光電センサ107b3と駆動部107b2とを連結する連結チェーン107b4とを備えている。
また、反射部107aは、床面から鉛直方向上方に延びる支柱部107a1と、この支柱部107a1の長さ方向の全長にわたって所定の間隔を空けて複数設けられた反射板107a2とを備えている。
【0008】
そして、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配されていない状態で、かつ駆動部107b2が光電センサ107b3を最下方に配した状態で、光電センサ107b3が反射部107aに対して光を照射する。その光は、最下方に配された反射板107a2に到達し、そこで反射され、再び光電センサ107b3に到達する。光電センサ107b3は、この到達した光を検出する。
一方、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配されていると、光の進行が遮られることから、光電センサ107b3によって照射された光は光電センサ107b3に再び戻ることはなく、光電センサ107b3は、光を検出しない。すなわち、光電センサ107b3は、光の検出をオンとし、光の非検出をオフとすることにより、荷物Wの有無を検出するようになっている。
【0009】
そして、光電センサ107b3が下方から上方に段階的に移動して、光のオンオフを検出することにより、以下のようにして荷物Wの床面からの高さが検出される。
すなわち、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配された状態で、光の検出をオフとすると、光電センサ107b3は、駆動部107b2によって上方に一段階移動され、光のオンオフの検出を行う。光電センサ107b3は、光の検出がオンになるまでこれら動作を繰り返す。光の検出がオンになると、光電センサ107b3から照射された光が遮られることなく戻ってきたことになるため、当該段階においては、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配されていないことを意味する。そこで、光電センサ107b3は、光の検出がオンになると、現段階よりも一段階前の位置に基づいて、荷物Wの床面からの高さを算出する。この高さが実際の荷物高さ寸法h2となる。そして、この実際の荷物高さ寸法h2に理論上の間隔寸法L1が足されることにより、把持部105の高さが調整される。すなわち、高さ検出装置107は、荷物Wが一段階積み付けられるごとに荷物Wの実際の荷物高さ寸法h2を検出し、把持部105は、実際の荷物高さ寸法h2と理論上の間隔寸法L1とを足した高さに配されるようになる。つまり、把持部105は、実際の荷物高さ寸法h2に対して、常に理論上の間隔寸法L1の高さに配されることになり、荷物Wが解放されて下方の荷物Wに到達したときに横にズレることが抑制される。
【0010】
しかしながら、高さ検出装置107は、光電センサ107b3を移動させる駆動部107b2や反射板107a2などが必要となるため、構成が複雑になりコストが増大してしまうという問題がある。
また、高さ検出装置107に代えて、エリアスキャナなどを設けることが考えられるが、エリアスキャナの場合、光学系や制御などさらに複雑な構成が必要となり、やはりコストが増大してしまうという問題があることに変わりはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−345755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、従来より簡易かつ安価な積み付け装置およびこれを備える搬送設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、搬送路から搬送される荷物をパレットに積み付ける積み付け装置であって、前記荷物を把持および解放する把持部と、前記搬送路と前記パレットとの間で前記把持部を移動させるとともに、前記パレットに対する前記把持部の高さを調整する移動機構と、前記把持部に取り付けられ、前記把持部の下方に配された前記荷物に対する距離を検出する検出部とを備え、前記把持部は、前記検出部の検出結果に応じて、前記移動機構によって前記パレットに対する高さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、従来のように複雑な高さ検出装置やエリアスキャナなどを不要としつつも、把持部の高さを荷物に合わせて調整することができることから、従来よりも簡易かつ安価に構成することができる。
【0015】
また、本発明は、前記検出部が、複数の検出ポイントにおいて前記距離を検出し、前記把持部が、前記検出部の複数の検出結果のうち前記距離が最も短い最短点を基準として前記移動機構によって所定の高さに配されるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、把持部の高さを高精度に調整することができる。
【0017】
また、本発明は、前記検出部が、前記把持部のうち前記荷物が把持される把持領域の外に設けられており、前記把持部が前記荷物を把持したまま前記搬送路から前記パレットに移動する一連の動作において前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、検出部の検出と荷物の積み付けを効率よく行うことができる。
【0019】
また、本発明は、前記把持部が、前記移動機構によって前記パレットを斜めに横切って移動するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、効率よく高精度に距離の検出を行うことができる。
【0021】
また、本発明は、前記把持部が前記荷物を前記パレットに積み付けるごとに前記検出部が前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、積み付けるごとに検出部が検出を行うことから、迅速かつ容易に積み付け動作を行うことができる
【0023】
また、本発明は、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に前記検出部が配されるように、前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記検出部が前記距離を検出し、前記把持部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも大きい場合に、対応する積み付け領域にあらかじめ前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、荷物の積み付け状態を意識しなくても、荷物を安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に再開することができる。
【0025】
また、本発明は、前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部を備え、前記検出部が、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、前記把持部が、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、対応する積み付け領域以外の積み付け領域から前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、荷物の積み付け状態を意識しなくても、荷物を安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に開始することができる。
【0027】
また、本発明は、前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部と、前記パレットに前記荷物が積み付けられていることを警告する警告部とを備え、前記検出部が、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、前記警告部が、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、前記警告するように構成されていることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、積み付け動作を開始するときに、パレット上に荷物がすでに積み付けられていることを周りの作業員などに知らしめることができる。
【0029】
また、本発明は、前記搬送路と、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積み付け装置とを備えることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積み付け装置と同様の効果を奏することができるだけでなく、迅速かつ容易に積み付け動作を行うことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、従来よりも簡易かつ安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態における積み付け装置および搬送設備を示す平面図である。
【図2】パレット上に荷物を複数段積み付ける様子を示す説明図である。
【図3】図1の把持部が搬送位置から突出位置に移動する様子を示す説明図である。
【図4】パレット上に荷物を複数段積み付ける際に、把持部の高さを調整した様子を示す説明図である。
【図5】パレット上に荷物が複数段積み付けられた状態で、積み付け動作を再開する様子を示す説明図である。
【図6】積み付け再開時において、把持部がパレット上を移動する移動奇跡を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における積み付け装置および搬送設備を示す平面図である。
【図8】従来の積み付け装置および搬送設備を示す平面図である。
【図9】従来において、パレット上に荷物を複数段積み付ける様子を示す説明図である。
【図10】従来の高さ検出装置を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における積み付け装置およびこれを備える搬送設備について、図面を参照して説明する。
図1は、搬送設備の全体構成の概略を示す平面図である。
搬送設備1は、パレットPに荷物Wを積み付ける積み付け装置2と、荷物Wを搬送するフィードコンベア(搬送路)3とを備えている。
積み付け装置2は、本体部としての装置本体部(移動機構)4と、荷物Wを把持・解放する把持部9と、これら装置本体部4と把持部9とを連結する連結アーム(移動機構)8とを備えている。また、積み付け装置2は、装置本体部4および連結アーム8を操作する操作部(入力部)12と、警報音などによって警報を発する警報部(警告部)13とを備えている。
【0034】
装置本体部4は、駆動部4aと、この駆動部4aを制御する制御部4bとを備えている。そして、装置本体部4は、駆動部4aにより、鉛直方向に延びる回転軸線を中心として旋回動作するようになっている。制御部4bは、操作部12、警報部13、駆動部4aおよび後述する検出部10に接続されている。
連結アーム8は、装置本体部4に連結された基アーム部5と、把持部9に連結された先端アーム部7と、これら基アーム部5と先端アーム部7とを回転可能に連結する回転軸部6とを備えている。基アーム部5の基端部は、水平方向に延びる回転軸線を中心として回転可能になるように装置本体部4に連結されている。先端アーム部7の先端部は、水平方向に延びる回転軸線を中心として回転可能になるように把持部9に連結されている。そして、駆動部4aによって、基アーム部5と先端アーム部7とが回転軸部6を中心として互いに回転するようになっている。すなわち、基アーム部5と先端アーム部7との折り畳み動作および展開動作と、装置本体部4の旋回動作とにより、把持部9の位置や高さを調整するようになっている。
【0035】
把持部9は、矩形板状の把持本体部9bと、この把持本体部9bの対向する二辺の長辺部にそれぞれ設けられた複数の把持爪部9aとを備えている。把持本体部9bの一方の長辺部に設けられた把持爪部9aと、把持本体部9bの他方の長辺部に設けられた把持爪部9aとは、互いに接近・離隔するように移動可能に構成されている。そして、把持爪部9aが互いに接近したときに荷物Wを把持し、それから把持爪部9aが互いに離隔したときに、把持していた荷物Wを解放するようになっている。また、把持爪部9aが荷物Wを把持すると、荷物Wは、把持本体部9bの対向する長辺部内の領域に収まるようになっている。すなわち、把持本体部9bの下面は、荷物Wが把持されることにより覆われる把持領域Mとなる。
また、把持本体部9bには、把持本体部9bの下方に配された面(床面や荷物Wの上面など)と把持本体部9bの下面との距離を検出する検出部10が設けられている。検出部10は、把持本体部9bの側面に設けられている。すなわち、検出部10は、把持本体部9bのうち把持領域Mの外に設けられており、把持爪部9aが荷物Wを把持した状態でも、上記距離を検出することができるようになっている。また、検出部10は、把持本体部9bの下方に配された面と把持本体部9bの下面との距離を検出すると、検出結果を制御部4bに出力する。
【0036】
操作部12は、例えば教示ペンダントからなり、装置本体部4および連結アーム8が所定の動作をするようにあらかじめプログラミングするようになっている。また、操作部12は、積み付け完了ボタンを備えており、ユーザの操作によって、積み付け完了ボタンが押圧されると、積み付けが完了したことを示す完了情報を制御部4bに出力する。
警報部13は、制御部4bから出力された警報信号を入力することにより、警報を発する。
フィードコンベア3は、不図示の駆動部によって駆動されて、荷物Wを搬送路上において連続して搬送するようになっている。
【0037】
次いで、図2を参照して、各寸法について説明する。なお、ここでの寸法はあくまでも一例であって、それぞれ自由に変更できることは言うまでもない。なお、図2では、荷物Wを4段積み付けた様子を一例として示している。
パレットPの高さ寸法P1は、15cmとなっている。また、積み付け前の荷物Wの高さ寸法は、10cmとなっている。
荷物Wが積み付けられたときの理論上の荷物高さ寸法(床面から荷物Wの上面までの高さ寸法)h3は、以下の式によって算出される。
つまり、
理論上の荷物高さ寸法h3=積み付け前の荷物Wの高さ寸法×段数+パレットの高さ寸法P1
となる。
したがって、図2において、理論上の荷物高さ寸法h3は、積み付け前の荷物Wの高さ寸法(10cm)×段数(4段)+パレットの高さ寸法P1(15cm)となり、55cmとなる。
【0038】
さらに、把持部9の理論上の把持高さ寸法(床面から把持部9の下面までの高さ寸法)H2は、以下の式で算出される。
つまり、
理論上の把持高さ寸法H2=理論上の荷物高さ寸法h3+理論上の間隔寸法L4
となる。
なお、理論上の間隔寸法L4は、15cmに設定されている。
また、荷物Wが積み付けられたときの実際の高さ寸法を実際の荷物高さ寸法h4とし、理論上の把持高さ寸法H2に配された把持部9の下面と、実際の荷物高さ寸法h4との間の間隔寸法L3を実際の間隔寸法L3とする。
【0039】
次に、このように構成された本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1の動作について説明する。
まずは、積み付け動作の前の積み付け準備について説明する。
ユーザが把持部9を手動によって動かすことにより、操作部12が把持部9の動作をあらかじめプログラミングする。例えば、ユーザが、パレットP上の5つの積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5(図1に示す)の上方に把持部9を手動で順に移動させることにより、操作部12が把持部9をパレットP上の5つの積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に順番に移動させるようにあらかじめプログラミングする。さらに、ユーザが操作部12を操作して、積み付け前の荷物Wの高さ寸法と積み付け段数とを入力する。例えば、積み付け前の荷物Wの高さ寸法を上記の通り10cmとし、積み付け段数を15段とする。これにより、操作部12は、各段数ごとの理論上の把持高さ寸法H2を算出し、把持部9が各段数ごとに理論上の把持高さ寸法H2の高さに配されるように、あらかじめプログラミングする。
これにより、積み付け準備が完了する。
【0040】
以下では、積み付け動作について説明する。
なお、把持部9はフィードコンベア3の先端部の上方の搬送位置A1に配され、かつ当該先端部に荷物Wが搬送されているものとする。さらに、パレットPには荷物Wが積み付けられていないものとし、荷物Wの一段目の積み付け動作であるものとする。
操作部12があらかじめ生成したプログラムによって、装置本体部4、連結アーム8および把持爪部9aが駆動される。すなわち、把持部9が、搬送位置A1において下方に移動し、把持爪部9aが荷物Wを把持する。この状態で、把持部9が上方に移動し、さらに搬送位置A1から荷物Wを把持したまま左側のパレットP(図1の紙面に対して左側のパレットP)に移動していく。そして、あらかじめプログラミングされた通りに、検出部10が駆動されることなく、積み付け領域a1の上方に移動し停止する。なお、このときの把持部9は、理論上の把持高さ寸法H2が30cmに設定されている。すなわち、パレットPの高さ寸法P1(15cm)と理論上の間隔寸法L4(15cm)とが加算されて、把持部9が30cmの高さになるようにあらかじめプログラミングされている。そして、荷物Wが解放されて自重により落下することによって積み付け領域a1に積み付けられる。それから、把持部9は、搬送位置A1に戻されて、新たに搬送された荷物Wを把持する。これらの積み付け動作が5回繰り返されることにより、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に一段目の荷物Wが積み付けられる。
【0041】
さらに、2段目以降の積み付け動作について説明する。2段目以降の積み付け動作は、15段目まで同じであり、ここでは、図3および図4を参照して、5段目の積み付け動作について説明する。
なお、把持部9はフィードコンベア3の先端部の上方の搬送位置A1に配され、かつ当該先端部に荷物Wが搬送されているものとする。
把持部9が、搬送位置A1において下方に移動し、把持爪部9aが荷物Wを把持する。この状態で、把持部9が上方に移動し、図3に示すように、搬送位置A1から荷物Wを把持したまま左のパレットPの上方を通ってパレットPを飛び出した突出位置A2まで移動していく。このときの検出部10の移動奇跡Kは、矩形状のパレットPの対角線上に近接する。すなわち、移動奇跡Kは、パレットPを斜めに横切るように描かれる。また、このときの把持部9の高さは、理論上の把持高さ寸法H2に設定される。すなわち、理論上の荷物高さ寸法h3が、積み付け前の荷物Wの高さ寸法(10cm)×段数(4段)+パレットの高さ寸法P1(15cm)で、55cmとなり、理論上の把持高さ寸法H2が、理論上の荷物高さ寸法h3(55cm)+理論上の間隔寸法L4(15cm)で、70cmとなる。
そして、搬送位置A1から突出位置A2までの把持部9の移動の間、検出部10は、一定の間隔おきに複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6において、距離の検出を行う。すなわち、検出部10は、把持部9が荷物Wを把持した状態で搬送位置A1から突出位置A2まで移動する一連の動作において、複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6における距離の検出を行う。さらに、検出部10は、各検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6における検出結果を順次制御部4bに出力する。
【0042】
このときの検出結果は、検出ポイントS1,S6が床面上であるからともに等しくなり一番大きくなる。ただし、これら検出ポイントS1,S6は、床面上であって積み付け領域ではないため、そこでの検出結果は、ともに無視される。具体的には、所定の閾値が決められ、この閾値よりも検出結果が大きい場合は、制御部4bが当該検出結果を抽出しない。
また、パレットP上の検出ポイントS2,S3,S4,S5における距離は、実際の間隔寸法L3となる。なお、パレットP上の検出ポイントS2,S3,S4,S5においては、荷物Wが自重により下方に圧縮されるものの、荷物Wの面方向において不均一に圧縮されることから、それぞれ検出結果が異なることになる。例えば、検出ポイントS3が検出結果の一番小さい最短点とし、実際の間隔寸法L3が20cmだったとする。
【0043】
ここで、把持本体部9bの下面と積み付けられた荷物Wとの間の距離が一番小さいということは、その検出ポイントが床面から一番高いことになる。そのため、制御部4bは、最短点(検出ポイントS3)における検出結果を抽出すると、実際の間隔寸法L3(20cm)が、理論上の間隔寸法L4(15cm)になるように、把持部9の理論上の把持高さ寸法H2(70cm)から5cm低く設定する。すなわち、制御部4bは、最短点(検出ポイントS3)における実際の間隔寸法L3(20cm)から、理論上の間隔寸法L4(15cm)を負算して、調整値D1(5cm)を算出することにより、把持部9の理論上の把持高さ寸法H2(70cm)から調整値D1(5cm)を負算して、把持部9の実際の把持高さ寸法H3(65cm)を算出する。そして、制御部4bは、把持部9が実際の把持高さ寸法H3(65cm)の高さに配されるように連結アーム8を介して高さを調整する。これにより、検出ポイントS3においては、把持本体部9bの下面と荷物Wとの実際の間隔寸法が理論上の間隔寸法L4(15cm)となる。さらに、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5の順に荷物Wが積み付けられていき、これら積み付け動作が15段目まで繰り返される。
15段目まで積み付けが終了すると、積み付け装置2は、右側に配されたパレットP(図1の紙面に対して右側のパレットP)に対して、上記と同様に積み付け動作を行う。その間、不図示のフォークリフト(搬出装置)によって、左側のパレットPごと荷物Wが搬出され、新たなパレットPが左側に設置される。
【0044】
次いで、パレットPに途中まで荷物Wが積み付けられた状態から、改めて積み付け作業を再開する場合について説明する。
図5は、パレットPに3段目の途中まで荷物Wが積み付けられた様子を示す説明図である。
まず、把持部9は、検出部10がすべての積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5の上方に配されるように移動する。図6に示すように、このときの移動奇跡K2は、すべての積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5を通ってパレットPの縦横方向に沿って描かれる。そして、検出部10は、それら積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5において、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5ごとに検出を行う。例えば、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5ごとに、それぞれ検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5が設定される。
【0045】
また、3段目の積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5のうち積み付け領域a3にのみ荷物Wが積み付けられていなかったとする。すなわち、積み付け領域a1,a2,a4,a5には、荷物Wが3段積み付けられ、積み付け領域a3には、荷物Wが2段のみ積み付けられていたとする。
制御部4bは、検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5における検出結果が、あらかじめ入力された閾値よりも大きいか否かを判定する。制御部4bは、すべての検出結果が閾値よりも小さいと判定すると、あらかじめ決められたプログラムによって、上記と同様にして、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wを順次積み付けていく。一方、制御部4bは、例えば検出ポイントSA1においてのみ、検出結果が、閾値よりも大きいと判定すると、当該検出ポイントSA1に対応する積み付け領域a3に荷物Wを積み付ける。すなわち、検出結果が閾値よりも大きい場合、その積み付け領域には、荷物Wが積み付けられていないことを意味するから、積み付け動作が再開されたときに、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に同じ段数分荷物Wが積み付けられているかを最初に検出し、当該段数において荷物Wが積み付けられていない積み付け領域があった場合、その積み付け領域に荷物Wを最初に積み付ける。
【0046】
次いで、左側のパレットPごと荷物Wが搬出されたのち、ユーザによって、操作部12が操作されて積み付け完了ボタンが押圧される場合の動作について説明する。
左側のパレットPごと荷物Wを搬出すると、ユーザは、操作部12の積み付け完了ボタンを押圧する。これにより、操作部12は、積み付けが完了したことを示す完了情報を制御部4bに出力する。制御部4bは、操作部12から出力された完了情報を入力すると、次の積み付け動作の前に、新たなパレットPの積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5において、荷物Wが搬出されているか否かを判定するために、駆動部4aを介して把持部9を移動させる。すなわち、図6に示す移動奇跡K2と同様に、把持部9が移動し、検出部10が、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5ごとに、検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5において検出を行う。
【0047】
また、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5のうち積み付け領域a3にのみ荷物Wが一段積み付けられていたとする。
制御部4bは、検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5における検出結果が、あらかじめ入力された閾値よりも小さいか否かを判定する。制御部4bは、すべての検出結果が閾値よりも大きいと判定すると、あらかじめ決められたプログラムによって、上記と同様にして、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wを順次積み付けていく。一方、制御部4bは、例えば検出ポイントSA1においてのみ、検出結果が、閾値よりも小さいと判定すると、当該検出ポイントSA1に対応する積み付け領域a3以外の積み付け領域a1,a2,a4,a5から荷物Wを積み付ける。すなわち、検出結果が閾値よりも小さい場合、その積み付け領域には、荷物Wが積み付けられていることを意味するから、積み付け動作を開始する前に、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wが積み付けられていないことを最初に検出し、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、その積み付け領域以外の積み付け領域から荷物Wを積み付ける。
【0048】
また、制御部4bは、例えば検出ポイントSA1においてのみ、検出結果が、閾値よりも小さいと判定すると、警報部13に警報信号を出力する。そして、警報部13は、制御部4bから出力された警報信号を入力すると、サイレン音や光などの警報を発する。すなわち、積み付け動作を開始する前に、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wが積み付けられていないことを最初に検出部10が検出し、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、警報部13が警報を発する。
【0049】
以上より、本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1によれば、従来のように複雑な高さ検出装置やエリアスキャナなどを不要としつつも、把持部9の高さを荷物Wの高さに合わせて調整することができることから、従来よりも簡易かつ安価に構成することができる。
また、床面に高さ検出装置やエリアスキャナなどを設置する必要がないことから、床面のスペースの利用効率を向上させることができる。
また、検出部10が複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6を検出し、制御部4bが最短点を抽出することから、把持部9の高さを高精度に調整することができるだけでなく、把持部9と荷物Wとの干渉を防止することができる。
また、把持部9が荷物Wを把持した状態で搬送位置A1から突出位置A2へと移動する一連の動作において、検出部10が複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6を検出することから、検出部10の検出と荷物Wの積み付けを効率よく行うことができる。
また、把持部9が、パレットPを斜めに横切って移動する間に、検出部10が複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6を検出することから、効率よく高精度に検出を行うことができる。
【0050】
また、パレットPに途中まで荷物Wが積み付けられた状態から、改めて積み付け作業を再開する場合において、同一段数において荷物Wが積み付けられていない積み付け領域があると、プログラムによって動作があらかじめ決められた把持部9が、その積み付け領域に荷物Wが積み付けられているものとして動作してしまうことから、荷物Wを安定的に積み付けることができない。しかし、本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1によれば、同一段数において荷物Wが積み付けられていない積み付け領域があったときでも、その積み付け領域に荷物Wを最初に積み付けるようになっていることから、荷物Wの積み付け状態を意識しなくても、荷物Wを安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に再開することができる。
【0051】
また、積み付け動作を最初から行う場合、パレットPに少しでも荷物Wが積み付けられていると、プログラムによって動作があらかじめ決められた把持部9が、パレットPに荷物Wが積み付けられていないものとして動作してしまうことから、荷物Wを安定的に積み付けることができない。しかし、本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1によれば、ユーザによって、操作部12が操作されて積み付け完了ボタンが押圧されると、積み付け動作を開始する前に、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、その積み付け領域以外の積み付け領域から荷物Wを積み付けることから、荷物Wの積み付け状態を意識しなくても、荷物Wを安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に開始することができる。
【0052】
また、積み付け動作を開始する前に、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wが積み付けられていないことを最初に検出部10が検出し、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、警報部13が警報を発することから、積み付け動作を開始するときに、パレットP上に荷物Wがすでに積み付けられていることを周りの作業員などに知らしめることができる。そのため、すでに積み付けられている荷物Wと、把持部9とが接触するような事態を抑制することができる。
【0053】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
本実施形態における検出部20は、把持本体部9bの下面のうち中央部に設けられている。すなわち、検出部20は、把持本体部9bの把持領域M内に設けられている。
【0054】
そして、把持部9は、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に順次荷物Wを積み付けるとき、荷物Wを積み付けるごとに、検出部10が、積み付けられた荷物Wと把持本体部9bの下面との間の距離を検出する。すなわち、検出部10は、同一段数において、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5のそれぞれの領域において、一回ずつ計5回検出を行う。そして、制御部4bは、これら計5回の検出結果から、最も小さい最短点を抽出して、上記第1の実施形態と同様にして2段目以降の把持部9の高さ位置を調整する。
【0055】
以上より、本実施形態における積み付け装置2aおよび搬送設備1aによれば、第1の実施形態と同様の効果奏することができるだけでなく、検出部10によるスキャン動作を不要にすることができ、迅速かつ容易に積み付け動作を行うことができる。
【0056】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、警報部13や積み付け完了ボタンを設けるとしたが、これら警報部13や積み付け完了ボタンは、省略してもよい。その場合、積み付け完了ボタンを押圧することによる積み付け開始前の検出は行わない。
また、把持部9がパレットPを斜めに横切って移動するとしたが、これに限ることはなく、その移動奇跡は適宜変更可能である。
また、把持部9が荷物Wを把持したまま移動するときの一連の動作において、検出部10が、検出を行うとしているが、これに限ることはなく、荷物Wを把持しない状態で、検出のためだけに把持部9を移動させてもよい。
また、検出部10が複数の検出ポイントにおいて検出を行うとしているが、これに限ることはなく、一点だけを検出してもよい。
また、検出部10が複数の検出ポイントにおいて検出を行う場合、最短点を抽出するとしたが、これに限ることはなく、抽出する検出ポイントは適宜変更可能である。例えば、最長点や、最短点と最長点との中間点などであってもいいし、任意の点であってもよい。さらに、複数の任意の点の平均値などとしてもよい。
また、警報部13は、音や光により警報を発するとしているが、これに限ることはなく、文字や振動などにより警告するようにしてもよい。
また、積み付け完了ボタンが操作部12に設けられているとしたが、これに限ることはなく、その取付位置は適宜変更可能である。例えば、別個の制御盤や安全柵に取り付けてもよい。
また、積み付け動作を複数パレットPに対して行う場合、1回目のパレットPの積み付け時において、一連の動作情報や高さ情報をメモリに記憶しておき、2回目のパレットPへの積み付け動作からは、検出部10による検出を行うことなく、メモリに記憶した情報を元に一連の積み付け動作を行うことができる。
また、各実施形態や各変形例を自由に組み合わせることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1,1a 搬送設備
2,2a 積み付け装置
3 フィードコンベア(搬送路)
4 装置本体部(移動機構)
8 連結アーム(移動機構)
9 把持部
10,20 検出部
12 操作部(入力部)
13 警報部(警告部)
P パレット
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物をパレットに積み付ける積み付け装置およびこれを備える搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送路から連続して搬送される荷物をパレットに連続して積み付け、パレットごと荷物を搬出する作業は、積み付け装置などを利用して行われている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、図8に示すように、搬送設備100は、積み付け装置101と、フィードコンベア102と、高さ検出装置107とを備えている。
積み付け装置101は、装置本体部103と、荷物Wを把持・解放する把持部105と、これら装置本体部103と把持部105とを連結する連結アーム104とを備えている。
装置本体部103は、鉛直方向に延びる回転軸線を中心として旋回動作するようになっている。
連結アーム104は、折り畳み動作や展開動作などにより、装置本体部103の旋回動作と合わせて、把持部105の位置や高さを調整するようになっている。
把持部105は、荷物Wを挟んで支持する把持爪部105aを備えている。
フィードコンベア102は、荷物Wを連続的に搬送するようになっている。
【0003】
このような構成のもと、荷物Wの積み付け動作が以下のようにして行われる。
まず、フィードコンベア102によって搬送されてきた荷物Wの上方に、把持部105が配される。そして、連結アーム104が折り畳まれることにより、把持部105が下方に移動し、把持爪部105aが荷物Wを把持する。この状態で、把持部105が上方に移動して装置本体部103が旋回することにより、把持部105が、荷物Wを把持したままパレットPの所定の積み付けエリアの上方に配される。そして、把持爪部105aが荷物Wを解放することにより、荷物Wが自重により落下しパレットPに積み付けられる。それから、装置本体部103が再び元の方向に旋回すると、把持部105が、フィードコンベア102によって新たに搬送されてきた荷物Wの上方に配される。これら一連の動作を繰り返すことにより、図9に示すように、複数の荷物WがパレットPに積み付けられる。なお、パレットPの上方に配される把持部105の位置や高さは、積み付けごとにあらかじめ決められている。例えば一段に対して荷物Wが5個積み付けられ、これら5個の荷物Wが15段の高さに積み付けられるように、装置本体部103や連結アーム104により、各積み付け時の把持部105の位置や高さが調整されるようになっている。そして、所定数の荷物Wが積み付けられると、不図示のフォークリフトによって、荷物WがパレットPごと搬出される。
【0004】
さて、図9に示すように、荷物Wを複数段積み付けていくと、荷物Wが自重によって沈み込んで下方に圧縮されたり、または気温差(温度差)により複数の荷物Wの内容物の充填率がそれぞれ変化したりするため、荷物Wの理論上の高さと実際の高さが異なる場合がある。
例えば、荷物Wを6段積み付けるとき、以下のようにして、床面からの荷物Wの高さ寸法h1が算出される。すなわち、積み付け前の荷物Wの高さ寸法に6を乗じて、この値にパレットPの高さ寸法P1を足すことにより、高さ寸法h1が算出される。この高さ寸法h1を理論上の荷物高さ寸法h1とする。
つまり、
理論上の荷物高さ寸法h1=積み付け前の荷物Wの高さ寸法×段数+パレットの高さ寸法P1
となる。
【0005】
一方、荷物Wが複数段積み付けられ自重によって下方に圧縮されたり、内容物の充填率が変化したりすると、圧縮されたり変化した分だけ、床面からの実際の高さ寸法が理論上の荷物高さ寸法h1よりも小さくなる。この高さ寸法を実際の荷物高さ寸法h2とする。
なお、把持部105が積み付けごとに配される高さ寸法は、理論上の荷物高さ寸法h1に合わせられている。すなわち、把持部105は、理論上の荷物高さ寸法h1から一定の間隔寸法L1だけ上方に離された高さ寸法H1の高さに配されるようにあらかじめ教示されている。この間隔寸法L1を理論上の間隔寸法L1とし、高さ寸法H1を理論上の把持高さ寸法H1とする。
つまり、
理論上の把持高さ寸法H1=理論上の荷物高さ寸法h1+理論上の間隔寸法L1
となる。
また、理論上の把持高さ寸法H1に配された把持部105の高さと、実際の荷物高さ寸法h2との間の間隔寸法L2を実際の間隔寸法L2とする。
【0006】
ここで、荷物Wが複数段積み付けられ自重によって下方に圧縮されると、把持部105が理論上の把持高さ寸法H1に配されるため、実際の間隔寸法L2が、理論上の間隔寸法L1よりも大きくなってしまう。
そのため、理論上の把持高さ寸法H1に配された把持部105が、実際の荷物高さ寸法h2の高さに積み付けられた下方の荷物Wに対して、把持している荷物Wを解放すると、解放された荷物Wが自重により下方の荷物Wに到達したときの運動エネルギーが、理論上の間隔寸法L1のときよりも増大してしまう。そのため、下方の荷物Wに到達した荷物Wが、その反動で、理論上の間隔寸法L1のときよりも横方向に大きくズレてしまう場合がある。この場合、荷物Wを精度よく積み付けることができなくなってしまう。
【0007】
そこで、高さ検出装置107を用いて実際の荷物高さ寸法h2を検出することにより、把持部105の高さを実際の荷物高さ寸法h2に合わせて調整することが行われる。
高さ検出装置107は、図10に示すように、検出部107bと、反射部107aとを備えている。
検出部107bは、床面から鉛直方向上方に延びる支柱部107b1と、光電センサ107b3と、モータやエンコーダなどを備える駆動部107b2と、これら光電センサ107b3と駆動部107b2とを連結する連結チェーン107b4とを備えている。
また、反射部107aは、床面から鉛直方向上方に延びる支柱部107a1と、この支柱部107a1の長さ方向の全長にわたって所定の間隔を空けて複数設けられた反射板107a2とを備えている。
【0008】
そして、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配されていない状態で、かつ駆動部107b2が光電センサ107b3を最下方に配した状態で、光電センサ107b3が反射部107aに対して光を照射する。その光は、最下方に配された反射板107a2に到達し、そこで反射され、再び光電センサ107b3に到達する。光電センサ107b3は、この到達した光を検出する。
一方、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配されていると、光の進行が遮られることから、光電センサ107b3によって照射された光は光電センサ107b3に再び戻ることはなく、光電センサ107b3は、光を検出しない。すなわち、光電センサ107b3は、光の検出をオンとし、光の非検出をオフとすることにより、荷物Wの有無を検出するようになっている。
【0009】
そして、光電センサ107b3が下方から上方に段階的に移動して、光のオンオフを検出することにより、以下のようにして荷物Wの床面からの高さが検出される。
すなわち、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配された状態で、光の検出をオフとすると、光電センサ107b3は、駆動部107b2によって上方に一段階移動され、光のオンオフの検出を行う。光電センサ107b3は、光の検出がオンになるまでこれら動作を繰り返す。光の検出がオンになると、光電センサ107b3から照射された光が遮られることなく戻ってきたことになるため、当該段階においては、検出部107bと反射部107aとに間に荷物Wが配されていないことを意味する。そこで、光電センサ107b3は、光の検出がオンになると、現段階よりも一段階前の位置に基づいて、荷物Wの床面からの高さを算出する。この高さが実際の荷物高さ寸法h2となる。そして、この実際の荷物高さ寸法h2に理論上の間隔寸法L1が足されることにより、把持部105の高さが調整される。すなわち、高さ検出装置107は、荷物Wが一段階積み付けられるごとに荷物Wの実際の荷物高さ寸法h2を検出し、把持部105は、実際の荷物高さ寸法h2と理論上の間隔寸法L1とを足した高さに配されるようになる。つまり、把持部105は、実際の荷物高さ寸法h2に対して、常に理論上の間隔寸法L1の高さに配されることになり、荷物Wが解放されて下方の荷物Wに到達したときに横にズレることが抑制される。
【0010】
しかしながら、高さ検出装置107は、光電センサ107b3を移動させる駆動部107b2や反射板107a2などが必要となるため、構成が複雑になりコストが増大してしまうという問題がある。
また、高さ検出装置107に代えて、エリアスキャナなどを設けることが考えられるが、エリアスキャナの場合、光学系や制御などさらに複雑な構成が必要となり、やはりコストが増大してしまうという問題があることに変わりはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−345755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、従来より簡易かつ安価な積み付け装置およびこれを備える搬送設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、搬送路から搬送される荷物をパレットに積み付ける積み付け装置であって、前記荷物を把持および解放する把持部と、前記搬送路と前記パレットとの間で前記把持部を移動させるとともに、前記パレットに対する前記把持部の高さを調整する移動機構と、前記把持部に取り付けられ、前記把持部の下方に配された前記荷物に対する距離を検出する検出部とを備え、前記把持部は、前記検出部の検出結果に応じて、前記移動機構によって前記パレットに対する高さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、従来のように複雑な高さ検出装置やエリアスキャナなどを不要としつつも、把持部の高さを荷物に合わせて調整することができることから、従来よりも簡易かつ安価に構成することができる。
【0015】
また、本発明は、前記検出部が、複数の検出ポイントにおいて前記距離を検出し、前記把持部が、前記検出部の複数の検出結果のうち前記距離が最も短い最短点を基準として前記移動機構によって所定の高さに配されるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、把持部の高さを高精度に調整することができる。
【0017】
また、本発明は、前記検出部が、前記把持部のうち前記荷物が把持される把持領域の外に設けられており、前記把持部が前記荷物を把持したまま前記搬送路から前記パレットに移動する一連の動作において前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、検出部の検出と荷物の積み付けを効率よく行うことができる。
【0019】
また、本発明は、前記把持部が、前記移動機構によって前記パレットを斜めに横切って移動するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、効率よく高精度に距離の検出を行うことができる。
【0021】
また、本発明は、前記把持部が前記荷物を前記パレットに積み付けるごとに前記検出部が前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、積み付けるごとに検出部が検出を行うことから、迅速かつ容易に積み付け動作を行うことができる
【0023】
また、本発明は、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に前記検出部が配されるように、前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記検出部が前記距離を検出し、前記把持部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも大きい場合に、対応する積み付け領域にあらかじめ前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、荷物の積み付け状態を意識しなくても、荷物を安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に再開することができる。
【0025】
また、本発明は、前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部を備え、前記検出部が、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、前記把持部が、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、対応する積み付け領域以外の積み付け領域から前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、荷物の積み付け状態を意識しなくても、荷物を安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に開始することができる。
【0027】
また、本発明は、前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部と、前記パレットに前記荷物が積み付けられていることを警告する警告部とを備え、前記検出部が、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、前記警告部が、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、前記警告するように構成されていることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、積み付け動作を開始するときに、パレット上に荷物がすでに積み付けられていることを周りの作業員などに知らしめることができる。
【0029】
また、本発明は、前記搬送路と、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積み付け装置とを備えることを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積み付け装置と同様の効果を奏することができるだけでなく、迅速かつ容易に積み付け動作を行うことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、従来よりも簡易かつ安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態における積み付け装置および搬送設備を示す平面図である。
【図2】パレット上に荷物を複数段積み付ける様子を示す説明図である。
【図3】図1の把持部が搬送位置から突出位置に移動する様子を示す説明図である。
【図4】パレット上に荷物を複数段積み付ける際に、把持部の高さを調整した様子を示す説明図である。
【図5】パレット上に荷物が複数段積み付けられた状態で、積み付け動作を再開する様子を示す説明図である。
【図6】積み付け再開時において、把持部がパレット上を移動する移動奇跡を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における積み付け装置および搬送設備を示す平面図である。
【図8】従来の積み付け装置および搬送設備を示す平面図である。
【図9】従来において、パレット上に荷物を複数段積み付ける様子を示す説明図である。
【図10】従来の高さ検出装置を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態における積み付け装置およびこれを備える搬送設備について、図面を参照して説明する。
図1は、搬送設備の全体構成の概略を示す平面図である。
搬送設備1は、パレットPに荷物Wを積み付ける積み付け装置2と、荷物Wを搬送するフィードコンベア(搬送路)3とを備えている。
積み付け装置2は、本体部としての装置本体部(移動機構)4と、荷物Wを把持・解放する把持部9と、これら装置本体部4と把持部9とを連結する連結アーム(移動機構)8とを備えている。また、積み付け装置2は、装置本体部4および連結アーム8を操作する操作部(入力部)12と、警報音などによって警報を発する警報部(警告部)13とを備えている。
【0034】
装置本体部4は、駆動部4aと、この駆動部4aを制御する制御部4bとを備えている。そして、装置本体部4は、駆動部4aにより、鉛直方向に延びる回転軸線を中心として旋回動作するようになっている。制御部4bは、操作部12、警報部13、駆動部4aおよび後述する検出部10に接続されている。
連結アーム8は、装置本体部4に連結された基アーム部5と、把持部9に連結された先端アーム部7と、これら基アーム部5と先端アーム部7とを回転可能に連結する回転軸部6とを備えている。基アーム部5の基端部は、水平方向に延びる回転軸線を中心として回転可能になるように装置本体部4に連結されている。先端アーム部7の先端部は、水平方向に延びる回転軸線を中心として回転可能になるように把持部9に連結されている。そして、駆動部4aによって、基アーム部5と先端アーム部7とが回転軸部6を中心として互いに回転するようになっている。すなわち、基アーム部5と先端アーム部7との折り畳み動作および展開動作と、装置本体部4の旋回動作とにより、把持部9の位置や高さを調整するようになっている。
【0035】
把持部9は、矩形板状の把持本体部9bと、この把持本体部9bの対向する二辺の長辺部にそれぞれ設けられた複数の把持爪部9aとを備えている。把持本体部9bの一方の長辺部に設けられた把持爪部9aと、把持本体部9bの他方の長辺部に設けられた把持爪部9aとは、互いに接近・離隔するように移動可能に構成されている。そして、把持爪部9aが互いに接近したときに荷物Wを把持し、それから把持爪部9aが互いに離隔したときに、把持していた荷物Wを解放するようになっている。また、把持爪部9aが荷物Wを把持すると、荷物Wは、把持本体部9bの対向する長辺部内の領域に収まるようになっている。すなわち、把持本体部9bの下面は、荷物Wが把持されることにより覆われる把持領域Mとなる。
また、把持本体部9bには、把持本体部9bの下方に配された面(床面や荷物Wの上面など)と把持本体部9bの下面との距離を検出する検出部10が設けられている。検出部10は、把持本体部9bの側面に設けられている。すなわち、検出部10は、把持本体部9bのうち把持領域Mの外に設けられており、把持爪部9aが荷物Wを把持した状態でも、上記距離を検出することができるようになっている。また、検出部10は、把持本体部9bの下方に配された面と把持本体部9bの下面との距離を検出すると、検出結果を制御部4bに出力する。
【0036】
操作部12は、例えば教示ペンダントからなり、装置本体部4および連結アーム8が所定の動作をするようにあらかじめプログラミングするようになっている。また、操作部12は、積み付け完了ボタンを備えており、ユーザの操作によって、積み付け完了ボタンが押圧されると、積み付けが完了したことを示す完了情報を制御部4bに出力する。
警報部13は、制御部4bから出力された警報信号を入力することにより、警報を発する。
フィードコンベア3は、不図示の駆動部によって駆動されて、荷物Wを搬送路上において連続して搬送するようになっている。
【0037】
次いで、図2を参照して、各寸法について説明する。なお、ここでの寸法はあくまでも一例であって、それぞれ自由に変更できることは言うまでもない。なお、図2では、荷物Wを4段積み付けた様子を一例として示している。
パレットPの高さ寸法P1は、15cmとなっている。また、積み付け前の荷物Wの高さ寸法は、10cmとなっている。
荷物Wが積み付けられたときの理論上の荷物高さ寸法(床面から荷物Wの上面までの高さ寸法)h3は、以下の式によって算出される。
つまり、
理論上の荷物高さ寸法h3=積み付け前の荷物Wの高さ寸法×段数+パレットの高さ寸法P1
となる。
したがって、図2において、理論上の荷物高さ寸法h3は、積み付け前の荷物Wの高さ寸法(10cm)×段数(4段)+パレットの高さ寸法P1(15cm)となり、55cmとなる。
【0038】
さらに、把持部9の理論上の把持高さ寸法(床面から把持部9の下面までの高さ寸法)H2は、以下の式で算出される。
つまり、
理論上の把持高さ寸法H2=理論上の荷物高さ寸法h3+理論上の間隔寸法L4
となる。
なお、理論上の間隔寸法L4は、15cmに設定されている。
また、荷物Wが積み付けられたときの実際の高さ寸法を実際の荷物高さ寸法h4とし、理論上の把持高さ寸法H2に配された把持部9の下面と、実際の荷物高さ寸法h4との間の間隔寸法L3を実際の間隔寸法L3とする。
【0039】
次に、このように構成された本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1の動作について説明する。
まずは、積み付け動作の前の積み付け準備について説明する。
ユーザが把持部9を手動によって動かすことにより、操作部12が把持部9の動作をあらかじめプログラミングする。例えば、ユーザが、パレットP上の5つの積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5(図1に示す)の上方に把持部9を手動で順に移動させることにより、操作部12が把持部9をパレットP上の5つの積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に順番に移動させるようにあらかじめプログラミングする。さらに、ユーザが操作部12を操作して、積み付け前の荷物Wの高さ寸法と積み付け段数とを入力する。例えば、積み付け前の荷物Wの高さ寸法を上記の通り10cmとし、積み付け段数を15段とする。これにより、操作部12は、各段数ごとの理論上の把持高さ寸法H2を算出し、把持部9が各段数ごとに理論上の把持高さ寸法H2の高さに配されるように、あらかじめプログラミングする。
これにより、積み付け準備が完了する。
【0040】
以下では、積み付け動作について説明する。
なお、把持部9はフィードコンベア3の先端部の上方の搬送位置A1に配され、かつ当該先端部に荷物Wが搬送されているものとする。さらに、パレットPには荷物Wが積み付けられていないものとし、荷物Wの一段目の積み付け動作であるものとする。
操作部12があらかじめ生成したプログラムによって、装置本体部4、連結アーム8および把持爪部9aが駆動される。すなわち、把持部9が、搬送位置A1において下方に移動し、把持爪部9aが荷物Wを把持する。この状態で、把持部9が上方に移動し、さらに搬送位置A1から荷物Wを把持したまま左側のパレットP(図1の紙面に対して左側のパレットP)に移動していく。そして、あらかじめプログラミングされた通りに、検出部10が駆動されることなく、積み付け領域a1の上方に移動し停止する。なお、このときの把持部9は、理論上の把持高さ寸法H2が30cmに設定されている。すなわち、パレットPの高さ寸法P1(15cm)と理論上の間隔寸法L4(15cm)とが加算されて、把持部9が30cmの高さになるようにあらかじめプログラミングされている。そして、荷物Wが解放されて自重により落下することによって積み付け領域a1に積み付けられる。それから、把持部9は、搬送位置A1に戻されて、新たに搬送された荷物Wを把持する。これらの積み付け動作が5回繰り返されることにより、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に一段目の荷物Wが積み付けられる。
【0041】
さらに、2段目以降の積み付け動作について説明する。2段目以降の積み付け動作は、15段目まで同じであり、ここでは、図3および図4を参照して、5段目の積み付け動作について説明する。
なお、把持部9はフィードコンベア3の先端部の上方の搬送位置A1に配され、かつ当該先端部に荷物Wが搬送されているものとする。
把持部9が、搬送位置A1において下方に移動し、把持爪部9aが荷物Wを把持する。この状態で、把持部9が上方に移動し、図3に示すように、搬送位置A1から荷物Wを把持したまま左のパレットPの上方を通ってパレットPを飛び出した突出位置A2まで移動していく。このときの検出部10の移動奇跡Kは、矩形状のパレットPの対角線上に近接する。すなわち、移動奇跡Kは、パレットPを斜めに横切るように描かれる。また、このときの把持部9の高さは、理論上の把持高さ寸法H2に設定される。すなわち、理論上の荷物高さ寸法h3が、積み付け前の荷物Wの高さ寸法(10cm)×段数(4段)+パレットの高さ寸法P1(15cm)で、55cmとなり、理論上の把持高さ寸法H2が、理論上の荷物高さ寸法h3(55cm)+理論上の間隔寸法L4(15cm)で、70cmとなる。
そして、搬送位置A1から突出位置A2までの把持部9の移動の間、検出部10は、一定の間隔おきに複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6において、距離の検出を行う。すなわち、検出部10は、把持部9が荷物Wを把持した状態で搬送位置A1から突出位置A2まで移動する一連の動作において、複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6における距離の検出を行う。さらに、検出部10は、各検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6における検出結果を順次制御部4bに出力する。
【0042】
このときの検出結果は、検出ポイントS1,S6が床面上であるからともに等しくなり一番大きくなる。ただし、これら検出ポイントS1,S6は、床面上であって積み付け領域ではないため、そこでの検出結果は、ともに無視される。具体的には、所定の閾値が決められ、この閾値よりも検出結果が大きい場合は、制御部4bが当該検出結果を抽出しない。
また、パレットP上の検出ポイントS2,S3,S4,S5における距離は、実際の間隔寸法L3となる。なお、パレットP上の検出ポイントS2,S3,S4,S5においては、荷物Wが自重により下方に圧縮されるものの、荷物Wの面方向において不均一に圧縮されることから、それぞれ検出結果が異なることになる。例えば、検出ポイントS3が検出結果の一番小さい最短点とし、実際の間隔寸法L3が20cmだったとする。
【0043】
ここで、把持本体部9bの下面と積み付けられた荷物Wとの間の距離が一番小さいということは、その検出ポイントが床面から一番高いことになる。そのため、制御部4bは、最短点(検出ポイントS3)における検出結果を抽出すると、実際の間隔寸法L3(20cm)が、理論上の間隔寸法L4(15cm)になるように、把持部9の理論上の把持高さ寸法H2(70cm)から5cm低く設定する。すなわち、制御部4bは、最短点(検出ポイントS3)における実際の間隔寸法L3(20cm)から、理論上の間隔寸法L4(15cm)を負算して、調整値D1(5cm)を算出することにより、把持部9の理論上の把持高さ寸法H2(70cm)から調整値D1(5cm)を負算して、把持部9の実際の把持高さ寸法H3(65cm)を算出する。そして、制御部4bは、把持部9が実際の把持高さ寸法H3(65cm)の高さに配されるように連結アーム8を介して高さを調整する。これにより、検出ポイントS3においては、把持本体部9bの下面と荷物Wとの実際の間隔寸法が理論上の間隔寸法L4(15cm)となる。さらに、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5の順に荷物Wが積み付けられていき、これら積み付け動作が15段目まで繰り返される。
15段目まで積み付けが終了すると、積み付け装置2は、右側に配されたパレットP(図1の紙面に対して右側のパレットP)に対して、上記と同様に積み付け動作を行う。その間、不図示のフォークリフト(搬出装置)によって、左側のパレットPごと荷物Wが搬出され、新たなパレットPが左側に設置される。
【0044】
次いで、パレットPに途中まで荷物Wが積み付けられた状態から、改めて積み付け作業を再開する場合について説明する。
図5は、パレットPに3段目の途中まで荷物Wが積み付けられた様子を示す説明図である。
まず、把持部9は、検出部10がすべての積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5の上方に配されるように移動する。図6に示すように、このときの移動奇跡K2は、すべての積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5を通ってパレットPの縦横方向に沿って描かれる。そして、検出部10は、それら積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5において、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5ごとに検出を行う。例えば、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5ごとに、それぞれ検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5が設定される。
【0045】
また、3段目の積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5のうち積み付け領域a3にのみ荷物Wが積み付けられていなかったとする。すなわち、積み付け領域a1,a2,a4,a5には、荷物Wが3段積み付けられ、積み付け領域a3には、荷物Wが2段のみ積み付けられていたとする。
制御部4bは、検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5における検出結果が、あらかじめ入力された閾値よりも大きいか否かを判定する。制御部4bは、すべての検出結果が閾値よりも小さいと判定すると、あらかじめ決められたプログラムによって、上記と同様にして、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wを順次積み付けていく。一方、制御部4bは、例えば検出ポイントSA1においてのみ、検出結果が、閾値よりも大きいと判定すると、当該検出ポイントSA1に対応する積み付け領域a3に荷物Wを積み付ける。すなわち、検出結果が閾値よりも大きい場合、その積み付け領域には、荷物Wが積み付けられていないことを意味するから、積み付け動作が再開されたときに、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に同じ段数分荷物Wが積み付けられているかを最初に検出し、当該段数において荷物Wが積み付けられていない積み付け領域があった場合、その積み付け領域に荷物Wを最初に積み付ける。
【0046】
次いで、左側のパレットPごと荷物Wが搬出されたのち、ユーザによって、操作部12が操作されて積み付け完了ボタンが押圧される場合の動作について説明する。
左側のパレットPごと荷物Wを搬出すると、ユーザは、操作部12の積み付け完了ボタンを押圧する。これにより、操作部12は、積み付けが完了したことを示す完了情報を制御部4bに出力する。制御部4bは、操作部12から出力された完了情報を入力すると、次の積み付け動作の前に、新たなパレットPの積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5において、荷物Wが搬出されているか否かを判定するために、駆動部4aを介して把持部9を移動させる。すなわち、図6に示す移動奇跡K2と同様に、把持部9が移動し、検出部10が、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5ごとに、検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5において検出を行う。
【0047】
また、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5のうち積み付け領域a3にのみ荷物Wが一段積み付けられていたとする。
制御部4bは、検出ポイントSA1,SA2,SA3,SA4,SA5における検出結果が、あらかじめ入力された閾値よりも小さいか否かを判定する。制御部4bは、すべての検出結果が閾値よりも大きいと判定すると、あらかじめ決められたプログラムによって、上記と同様にして、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wを順次積み付けていく。一方、制御部4bは、例えば検出ポイントSA1においてのみ、検出結果が、閾値よりも小さいと判定すると、当該検出ポイントSA1に対応する積み付け領域a3以外の積み付け領域a1,a2,a4,a5から荷物Wを積み付ける。すなわち、検出結果が閾値よりも小さい場合、その積み付け領域には、荷物Wが積み付けられていることを意味するから、積み付け動作を開始する前に、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wが積み付けられていないことを最初に検出し、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、その積み付け領域以外の積み付け領域から荷物Wを積み付ける。
【0048】
また、制御部4bは、例えば検出ポイントSA1においてのみ、検出結果が、閾値よりも小さいと判定すると、警報部13に警報信号を出力する。そして、警報部13は、制御部4bから出力された警報信号を入力すると、サイレン音や光などの警報を発する。すなわち、積み付け動作を開始する前に、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wが積み付けられていないことを最初に検出部10が検出し、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、警報部13が警報を発する。
【0049】
以上より、本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1によれば、従来のように複雑な高さ検出装置やエリアスキャナなどを不要としつつも、把持部9の高さを荷物Wの高さに合わせて調整することができることから、従来よりも簡易かつ安価に構成することができる。
また、床面に高さ検出装置やエリアスキャナなどを設置する必要がないことから、床面のスペースの利用効率を向上させることができる。
また、検出部10が複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6を検出し、制御部4bが最短点を抽出することから、把持部9の高さを高精度に調整することができるだけでなく、把持部9と荷物Wとの干渉を防止することができる。
また、把持部9が荷物Wを把持した状態で搬送位置A1から突出位置A2へと移動する一連の動作において、検出部10が複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6を検出することから、検出部10の検出と荷物Wの積み付けを効率よく行うことができる。
また、把持部9が、パレットPを斜めに横切って移動する間に、検出部10が複数の検出ポイントS1,S2,S3,S4,S5,S6を検出することから、効率よく高精度に検出を行うことができる。
【0050】
また、パレットPに途中まで荷物Wが積み付けられた状態から、改めて積み付け作業を再開する場合において、同一段数において荷物Wが積み付けられていない積み付け領域があると、プログラムによって動作があらかじめ決められた把持部9が、その積み付け領域に荷物Wが積み付けられているものとして動作してしまうことから、荷物Wを安定的に積み付けることができない。しかし、本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1によれば、同一段数において荷物Wが積み付けられていない積み付け領域があったときでも、その積み付け領域に荷物Wを最初に積み付けるようになっていることから、荷物Wの積み付け状態を意識しなくても、荷物Wを安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に再開することができる。
【0051】
また、積み付け動作を最初から行う場合、パレットPに少しでも荷物Wが積み付けられていると、プログラムによって動作があらかじめ決められた把持部9が、パレットPに荷物Wが積み付けられていないものとして動作してしまうことから、荷物Wを安定的に積み付けることができない。しかし、本実施形態における積み付け装置2および搬送設備1によれば、ユーザによって、操作部12が操作されて積み付け完了ボタンが押圧されると、積み付け動作を開始する前に、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、その積み付け領域以外の積み付け領域から荷物Wを積み付けることから、荷物Wの積み付け状態を意識しなくても、荷物Wを安定的に積み付けることができ、積み付け作業を容易に開始することができる。
【0052】
また、積み付け動作を開始する前に、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に荷物Wが積み付けられていないことを最初に検出部10が検出し、すでに荷物Wが積み付けられている積み付け領域があった場合、警報部13が警報を発することから、積み付け動作を開始するときに、パレットP上に荷物Wがすでに積み付けられていることを周りの作業員などに知らしめることができる。そのため、すでに積み付けられている荷物Wと、把持部9とが接触するような事態を抑制することができる。
【0053】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
本実施形態における検出部20は、把持本体部9bの下面のうち中央部に設けられている。すなわち、検出部20は、把持本体部9bの把持領域M内に設けられている。
【0054】
そして、把持部9は、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5に順次荷物Wを積み付けるとき、荷物Wを積み付けるごとに、検出部10が、積み付けられた荷物Wと把持本体部9bの下面との間の距離を検出する。すなわち、検出部10は、同一段数において、積み付け領域a1,a2,a3,a4,a5のそれぞれの領域において、一回ずつ計5回検出を行う。そして、制御部4bは、これら計5回の検出結果から、最も小さい最短点を抽出して、上記第1の実施形態と同様にして2段目以降の把持部9の高さ位置を調整する。
【0055】
以上より、本実施形態における積み付け装置2aおよび搬送設備1aによれば、第1の実施形態と同様の効果奏することができるだけでなく、検出部10によるスキャン動作を不要にすることができ、迅速かつ容易に積み付け動作を行うことができる。
【0056】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、警報部13や積み付け完了ボタンを設けるとしたが、これら警報部13や積み付け完了ボタンは、省略してもよい。その場合、積み付け完了ボタンを押圧することによる積み付け開始前の検出は行わない。
また、把持部9がパレットPを斜めに横切って移動するとしたが、これに限ることはなく、その移動奇跡は適宜変更可能である。
また、把持部9が荷物Wを把持したまま移動するときの一連の動作において、検出部10が、検出を行うとしているが、これに限ることはなく、荷物Wを把持しない状態で、検出のためだけに把持部9を移動させてもよい。
また、検出部10が複数の検出ポイントにおいて検出を行うとしているが、これに限ることはなく、一点だけを検出してもよい。
また、検出部10が複数の検出ポイントにおいて検出を行う場合、最短点を抽出するとしたが、これに限ることはなく、抽出する検出ポイントは適宜変更可能である。例えば、最長点や、最短点と最長点との中間点などであってもいいし、任意の点であってもよい。さらに、複数の任意の点の平均値などとしてもよい。
また、警報部13は、音や光により警報を発するとしているが、これに限ることはなく、文字や振動などにより警告するようにしてもよい。
また、積み付け完了ボタンが操作部12に設けられているとしたが、これに限ることはなく、その取付位置は適宜変更可能である。例えば、別個の制御盤や安全柵に取り付けてもよい。
また、積み付け動作を複数パレットPに対して行う場合、1回目のパレットPの積み付け時において、一連の動作情報や高さ情報をメモリに記憶しておき、2回目のパレットPへの積み付け動作からは、検出部10による検出を行うことなく、メモリに記憶した情報を元に一連の積み付け動作を行うことができる。
また、各実施形態や各変形例を自由に組み合わせることができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1,1a 搬送設備
2,2a 積み付け装置
3 フィードコンベア(搬送路)
4 装置本体部(移動機構)
8 連結アーム(移動機構)
9 把持部
10,20 検出部
12 操作部(入力部)
13 警報部(警告部)
P パレット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路から搬送される荷物をパレットに積み付ける積み付け装置であって、
前記荷物を把持および解放する把持部と、
前記搬送路と前記パレットとの間で前記把持部を移動させるとともに、前記パレットに対する前記把持部の高さを調整する移動機構と、
前記把持部に取り付けられ、前記把持部の下方に配された前記荷物に対する距離を検出する検出部と
を備え、
前記把持部は、前記検出部の検出結果に応じて、前記移動機構によって前記パレットに対する高さが調整されるように構成されていることを特徴とする積み付け装置。
【請求項2】
前記検出部は、複数の検出ポイントにおいて前記距離を検出し、
前記把持部は、前記検出部の複数の検出結果のうち前記距離が最も短い最短点を基準として前記移動機構によって所定の高さに配されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積み付け装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記把持部のうち前記荷物が把持される把持領域の外に設けられており、前記把持部が前記荷物を把持したまま前記搬送路から前記パレットに移動する一連の動作において前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積み付け装置。
【請求項4】
前記把持部は、前記移動機構によって前記パレットを斜めに横切って移動するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の積み付け装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記把持部が前記荷物を前記パレットに積み付けるごとに前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、
前記把持部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも大きい場合に、対応する積み付け領域にあらかじめ前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項7】
前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部を備え、
前記検出部は、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、
前記把持部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、対応する積み付け領域以外の積み付け領域から前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項8】
前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部と、
前記パレットに前記荷物が積み付けられていることを警告する警告部と
を備え、
前記検出部は、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、
前記警告部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、前記警告するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項9】
前記搬送路と、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積み付け装置と
を備えることを特徴とする搬送設備。
【請求項1】
搬送路から搬送される荷物をパレットに積み付ける積み付け装置であって、
前記荷物を把持および解放する把持部と、
前記搬送路と前記パレットとの間で前記把持部を移動させるとともに、前記パレットに対する前記把持部の高さを調整する移動機構と、
前記把持部に取り付けられ、前記把持部の下方に配された前記荷物に対する距離を検出する検出部と
を備え、
前記把持部は、前記検出部の検出結果に応じて、前記移動機構によって前記パレットに対する高さが調整されるように構成されていることを特徴とする積み付け装置。
【請求項2】
前記検出部は、複数の検出ポイントにおいて前記距離を検出し、
前記把持部は、前記検出部の複数の検出結果のうち前記距離が最も短い最短点を基準として前記移動機構によって所定の高さに配されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積み付け装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記把持部のうち前記荷物が把持される把持領域の外に設けられており、前記把持部が前記荷物を把持したまま前記搬送路から前記パレットに移動する一連の動作において前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積み付け装置。
【請求項4】
前記把持部は、前記移動機構によって前記パレットを斜めに横切って移動するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の積み付け装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記把持部が前記荷物を前記パレットに積み付けるごとに前記距離を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項6】
前記検出部は、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、
前記把持部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも大きい場合に、対応する積み付け領域にあらかじめ前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項7】
前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部を備え、
前記検出部は、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、
前記把持部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、対応する積み付け領域以外の積み付け領域から前記荷物を積み付けるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項8】
前記パレットへの前記荷物の積み付けが完了したことを示す完了情報を入力する入力部と、
前記パレットに前記荷物が積み付けられていることを警告する警告部と
を備え、
前記検出部は、前記入力部によって完了情報が入力されると、前記荷物が積み付けられる前記パレット上のすべての積み付け領域の上方に配されるように前記移動機構によって前記把持部とともに移動している間に、前記積み付け領域ごとに前記距離を検出し、
前記警告部は、前記検出部によって検出された距離が閾値よりも小さい場合に、前記警告するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積み付け装置。
【請求項9】
前記搬送路と、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の積み付け装置と
を備えることを特徴とする搬送設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−236714(P2012−236714A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236692(P2011−236692)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3169215号
【原出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(591213623)不二輸送機工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3169215号
【原出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(591213623)不二輸送機工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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