説明

積層ゴム支承体の製造方法および積層ゴム支承体

【課題】鉛以外の振動エネルギ吸収材料を積層体の中空部内に確実に、しかも低圧力で充填できる積層ゴム支承体の製造方法および積層ゴム支承体を提供する。
【解決手段】複数のゴム板11と複数の金属板12とを上下方向に交互に積層してなる積層体10に、少なくとも1つの中空部13を上下方向に形成し、中空部13に、プラスチック材料からなる潤滑層を介して非鉛金属プラグ20を圧入する。非鉛金属プラグとは、錫、銅、アルミニウム、亜鉛、これらの合金等の鉛以外の、振動エネルギを吸収しうる金属からなる円柱体である。潤滑層は、例えば、PTFEのようなフッ素系樹脂製のシート30を、中空部内壁又は非鉛金属プラグ外壁に沿わせたものである。非鉛金属プラグを中空部に圧入する前に、非鉛金属プラグの外周面に潤滑油又はグリースを塗布し、その上にシート30を設けてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の免震等に用いられる積層ゴム支承体の製造方法および積層ゴム支承体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築物、土木構造物、機器等を免震するために、図4に示すような鉛プラグ入り免震装置が知られている。すなわち、図4において、複数のゴム板11と複数の鋼板12とを交互に積層して積層体10を構成し、この積層体10の中心には上下方向に貫通する円柱状の中空部13を設け、この中空部13に、鉛からなる円柱体、すなわち鉛プラグ14を挿入している。この積層体10を基礎や構造物に取付けるために、積層体10の上下両端部に連結鋼板15、16が固着され、これらの連結鋼板15、16を介してそれぞれフランジ金具17、18を複数の締付ボルト19により固定している。
【0003】
このような鉛プラグ入りの免震装置は、建物等を安定に支持しながら地震発生時には水平方向に変形して地震エネルギを低減するという、従来の積層ゴムとダンパの両機能を併せ持っている。さらに、設置スペースを削減することができると共に、施工性も向上するという特色がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特公昭61−17984号公報
【特許文献2】特許第3360828号公報
【特許文献3】特開平11−190392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の技術には、次のような解決すべき課題があった。
鉛プラグ入り免震装置は、有害物質である鉛を使用していることから、環境破壊の懸念が指摘されている。製造時の鉛の取扱いのみでなく、今後、建物解体時に生じる鉛入り免震装置の廃棄方法等で問題が生じる惧れがあり、鉛に替わる材料の要求が高まっている。
【0005】
鉛の代替材料として、錫、アルミニウム等の幾つかの振動エネルギ吸収材料が挙げられるが(特許文献2参照)、実際には従来から鉛以外の材料を使って鉛と同等以上の減衰効果を奏するエネルギ吸収体を備えた免震装置が本格的に製造された例はない。したがって、鉛以外のエネルギ吸収材料を使った免震装置の製造方法も確立されていない。
【0006】
鉛プラグの場合、60MPa程度の圧力を加えれば積層体の中空部への圧入が可能であるが、それでも鉛プラグ圧入時に鉛プラグや積層体の中空部が損傷したり、鉛プラグ自体が曲がってしまうことがあった(特許文献3参照)。
【0007】
図5は各種金属の機械的性質を示すものである。図5に示すように、錫、アルミニウム等の、鉛以外の金属プラグは、鉛に比べて硬質である。このため、鉛以外の金属プラグは、鉛プラグを積層体の中空部に圧入しうる圧力では充分な圧入ができず圧入作業が困難であり、所定の位置まで充填を行うには相当の加圧力が必要である。
【0008】
図6は、錫プラグ(錫からなる円柱体)20を積層体21等の中空部22内に圧入する実験での錫プラグ20の挙動を示している。図6(a)に示すように中空部21内に置かれた錫プラグ20の上端面を油圧装置等で矢印方向に加圧したとき、図6(b)に示すように錫プラグ20の側部が曲がってその一部23が中空部22の内壁面に擦りつけられながら圧縮される。さらに錫プラグ20が加圧されると、図6(c)に示すように錫プラグ20の側部の各所24、25が中空部22の内壁面に擦りつけられながら圧縮される。このため、錫プラグ20を所望の充填状態になるまで圧縮しようとしても中空部22の一部が空隙22a、22bとして残留し易く、また錫プラグ20が不均一に変形したり亀裂が生じ易いという課題があった。
【0009】
本発明は、振動エネルギ吸収材料を積層体の中空部内に確実に、しかも低圧力で充填できる積層ゴム支承体の製造方法および積層ゴム支承体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
【0011】
〈構成1〉
複数のゴム板と複数の金属板とを上下方向に交互に積層してなる積層体に、少なくとも1つの中空部を上下方向に形成し、上記中空部に、潤滑層を介して金属プラグを圧入することを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0012】
上記構成は、積層ゴム支承体の製造方法において、潤滑層を介して金属プラグを圧入することを特徴とする。この潤滑層は、積層ゴム支承体の製造時に金属プラグを積層体の中空部に圧入する際に摩擦抵抗を低減して圧入を容易にするだけではなく、中空部に空隙を残すことなく充填が確実に行われる。また、金属プラグの不均一な圧縮変形や同プラグに亀裂が発生することを防止し振動エネルギ吸収効果の低減、すなわち免震特性の品質保持を図ることができる。
【0013】
〈構成2〉
構成1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、上記潤滑層は、プラスチック材料からなることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0014】
〈構成3〉
構成1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、上記潤滑層は、潤滑油又はグリースからなることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0015】
潤滑層に適したものとして、プラスチック材料のシートやコーティングを介在させたり、潤滑油又はグリースを良好に用いることができる。ここで使用される潤滑油は、一般機械類の潤滑に常用されている油でよい。また、所望により黒鉛粉末、モリブデン粉末などの固体潤滑剤を使用することもできる。
【0016】
〈構成4〉
構成1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、上記潤滑層は、フッ素系樹脂シートを、上記中空部内壁又は上記金属プラグ外壁に沿わせたものであることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0017】
潤滑層を構成するプラスチック材料としてフッ素系樹脂シートが良好に使用できる。フッ素系樹脂シートとしては、摩擦係数が小さく、入手容易なPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のシートを用いることが好ましい。
【0018】
〈構成5〉
構成1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、上記潤滑層は、上記金属プラグを上記中空部に圧入する前に、上記金属プラグの外周面に潤滑油又はグリースを塗布し、その上にフッ素系樹脂シートを沿わせたものであることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0019】
潤滑油又はグリースと、フッ素系樹脂シートを組み合わせて用いることも可能である。金属プラグを中空部に圧入する際に摩擦抵抗を低減でき、金属プラグをより均一に圧縮変形できる。
【0020】
〈構成6〉
構成1ないし5のいずれかに記載の積層ゴム支承体の製造方法において、上記金属プラグが鉛以外の常温で塑性変形可能な金属からなる非鉛金属プラグであることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0021】
〈構成7〉
構成1ないし5のいずれかに記載の積層ゴム支承体の製造方法において、上記金属プラグが錫、銅、アルミニウム、亜鉛、これらを基とする合金から選択された少なくとも1つからなることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【0022】
金属プラグとして、常温で塑性変形可能で振動エネルギを効率良く吸収しうる非鉛金属プラグを用いることができる。具体的には、錫、銅、アルミニウム、亜鉛や、これらを基とする合金が良好に使用できる。これら非鉛金属プラグは鉛に比べて硬質であることから、積層体の中空部に圧入するには、鉛プラグを圧入するときと比べ大きな圧力が必要となり、中空部内壁との摩擦の影響も大きくなる。そこで、構成1ないし5のような潤滑層を用いることで摩擦の影響を低減する。非鉛金属プラグを用いた積層ゴム支承体の製造方法を実用化レベルにおいて確立する上で、重要な意味を持つ。
【0023】
〈構成8〉
複数のゴム板と複数の金属板とを上下方向に交互に積層してなる積層体と、上記積層体の上下方向に形成された、少なくとも1つの中空部と、上記中空部に圧入された金属プラグと、上記中空部と上記金属プラグとの間に配設された潤滑層とを備えたことを特徴とする積層ゴム支承体。
【0024】
〈構成9〉
構成8に記載の積層ゴム支承体において、上記金属プラグは、錫、銅、アルミニウム、亜鉛、これらを基とする合金から選択された少なくとも1つからなる非鉛金属プラグであることを特徴とする積層ゴム支承体。
【0025】
〈構成10〉
構成8に記載の積層ゴム支承体において、上記潤滑層は、フッ素系樹脂シートであることを特徴とする積層ゴム支承体。
【0026】
上述の積層ゴム支承体の製造方法の発明に対応する、物としての積層ゴム支承体を規定する。本願に係る積層ゴム支承体は、物としてもその特徴を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
【実施例1】
【0028】
この実施例では、図1に示すようにして積層ゴム支承体を製造する。図1に示すように、先ず、複数のゴム板11と複数の金属板12とが上下方向に交互に積層され、上下方向に貫通する円柱状の中空部13を有する積層体10を形成する。この積層体10を、図示のように中空部13が上下方向に向くように配置し、中空部13の上開口の周りに、抑え筒32を介してガイド筒33を配設する。
【0029】
次に、中空部13に錫プラグ20を圧入するが、この錫プラグ圧入前に、錫プラグ20の外周面に、プラスチック材料からなる潤滑層を設ける。このために、次の処理を行っておく。すなわち、錫プラグ20外周面に、例えば、PTFEシート30を巻き付けておく。あるいは、錫プラグ20の外周面に、潤滑油又はグリースを塗布して、この上にPTFEシート30を巻き付けておくようにする。
【0030】
このようにされた錫プラグ20の上端面を、プレス機のピストン35により加圧する。ピストン35は油圧機構により上下方向に往復駆動されるものである。
錫プラグ20を、その上端面が中空部13の上開口面とほぼ同一面になるまで圧縮したとき、ピストン35による加圧を停止し、抑え筒32、ガイド筒33を取り外す。錫プラグ20は中空部13内に隙間なく圧入され、径方向に膨張して中空部13の内壁に密着している。そして、連結鋼板15の上に、図4に示すようなフランジ金具17を複数の締付ボルト19により固定することにより、積層ゴム支承体を製造するものである。
【0031】
錫プラグ20の他に、銅、アルミニウム、亜鉛、又はこれらを基とする合金、すなわち錫合金、銅合金、アルミニウム合金、亜鉛合金のいずれかからなるプラグが使用されてもよい。
また、プラスチック材料からなる潤滑層を設けるものとして、PTFEシート30を用いたが、その他のフッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の摩擦係数の小さいプラスチック材料からなるシートが使用されてもよい。
【0032】
〔検討〕
ここで、本発明者等は、鉛プラグの代替材料として、錫プラグについて適切な性能が得られる製造条件を、予備試験と本試験により検討したので、その説明をする。
【0033】
〔予備試験〕
初めに、図2に示すように鉛プラグ14と錫プラグ20の2種類の金属プラグ(純度99.99%)の試験体を用意し、これらの試験体を、これより内径の大きな有底鋼管40内に圧入する予備試験を実施した。
【0034】
金属プラグを有底鋼管40内に入れた状態では図示のように金属プラグと有底鋼管40との間に大きな空隙43が存在するが、金属プラグをプレス機のピストン41で圧縮していくと、この空隙43が次第に減少する。
ここで、金属プラグを有底鋼管40内に入れて圧縮し金属プラグと鋼管40との空隙43が殆どなくなったときを充填率100%と定義し、また、圧縮荷重を、鋼管40内径の断面積で除した値を圧力(MPa)と定義した。
【0035】
この予備試験では、充填率100%の値は金属プラグの体積が圧縮によっても変化しないものとして、充填率100%までの圧縮を行った。また、金属プラグの、有底鋼管40との摩擦の影響を把握するため、金属プラグの外周面に、潤滑油やグリースを塗布したり、PTFEシートを巻き付ける処理(摩擦低減処理)を施した金属プラグと、摩擦低減処理を全く施さない金属プラグを用いた。
【0036】
図3に上記予備試験により得られた、6種類の試験体の各充填率100%時の圧力(MPa)を示す。図3の横軸はA〜Fの6種類の試験体を示している。Aは摩擦低減処理を施さない鉛プラグ、Bは外周面上に潤滑油を塗布しPTFEシートを巻き付けた鉛プラグ、Cは摩擦低減処理を施さない錫プラグ、Dは外周面上にグリースを塗した錫プラグ、Eは外周面上に潤滑油を塗布しPTFEシートを巻き付けた錫プラグ、Fは外周面上にPTFEシートを巻き付けた錫プラグをそれぞれ示している。
図3において同一金属で充填率100%時の圧力が大きいのは、金属プラグと有底鋼管40との摩擦が大きいためである。効率的な充填を考えると、摩擦が小さいほどよい。
【0037】
予備試験の結果、無処理の錫プラグを鉛プラグと同様な圧力で圧入するのは不可能であること、錫プラグの外周面にグリースを塗布すれば圧力低減の効果がみられるが、鉛プラグと同様な圧力で圧入するのは不可能であること、錫プラグと鋼管40内との間にPTFEシートを配置すると摩擦力が低減し押圧力を低く抑えながら圧入できること等が分った。
【0038】
〔本試験〕
次に、図1に示したと同様の状態で、潤滑層としてPTFEシートを使用して実際の積層ゴムへの錫プラグの圧入を試みた。
使用した錫プラグは、99.99%の純錫で、外径98mm、長さ300mmである。
使用したPTFEシートの厚さは0.1mmである。
使用した積層ゴムの仕様は、次の通りである。
ゴム板外径;φ500mm
ゴム板内径;φ100mm
ゴム板厚さ;3.75mm
ゴム板積層数;33層
ゴム板材質;せん断弾性率0.44N/mm2
【0039】
錫プラグの外周面に潤滑油を塗布し、PTFEシートを錫プラグと積層ゴムの中空部との間に配置した状態で、200MPaの圧力で錫プラグを押圧して積層ゴムの中空部内に充填した。
この後、積層ゴムの両端部に、図4に示すような連結鋼板15、16、フランジ金具17、18を複数の締付ボルト19により固定して積層ゴム支承体を製造した。
【0040】
このようにして得られた積層ゴム支承体を、有効受圧面積に対して20MPa相当の鉛直荷重を加えた状態で、せん断力を加えてゴム板の総肉厚の±100%のせん断ひずみを生じさせた。これを4サイクル実施した。このときの荷重・変位の関係を図7に示す。
【0041】
図7から分るように、従来の鉛プラグ入り積層ゴム支承体の履歴特性(参考例として図8に示す)と遜色ない履歴特性が得られた。なお、図8は、鉛プラグ入り積層ゴム支承体に、その両端部の受圧面に10MPaの鉛直荷重を加えた状態で、せん断力を加えてゴム板の総肉厚の±100%のせん断ひずみを生じさせ、これを4サイクル実施したときの荷重・変位の関係を示すものである。
【0042】
図7、図8に示される各荷重・変位関係は、変位ゼロ点付近でも荷重が低下せず、直線状の形状を示している。荷重・変位関係が変位ゼロ点付近でも荷重が低下せず、直線状の形状を示すということは、安定した免震特性を備えていることと考えられる。
【0043】
本試験により、鉛プラグ入り積層ゴム支承体の鉛の代替材料として錫をプラグとして使用するためには、プラグの適正な充填が必要であり、そのためには錫プラグの側面の摩擦を下げる施策が必要であることが分った。
また、鉛プラグ入り積層ゴム支承体において複数回のせん断ひずみを与えた場合、ときに鉛プラグのくびれなどの異常変形や破断が生じることがある。これは、鉛プラグの側面と積層ゴム支承体の中空部内壁との摩擦による鉛プラグの不均一変形が、主な原因であると考えられている。
【0044】
本発明の副次的効果として、プラグ側面の摩擦が軽減されることにより、プラグの異常変形や破断のおそれが軽減される。鉛の代替材料として錫をプラグに用いる場合、錫は鉛より弾性率、引張力が大きいため、プラグをより細いものとすることができる。このようにプラグを細くした場合、体積に対する側面積の割合が大きくなりプラグ側面の摩擦による影響が増すことから、本発明による摩擦低減はより大きな意義を持つ。
【0045】
本試験では錫について試験を行っているが、これと同様に、鉛よりも弾性率、引張力の大きな銅、アルミニウム、亜鉛、これらの合金から選択された少なくとも1つからなる非鉛金属プラグについても、本発明の製造条件を適用することで安定した特性を有する製品が製造可能となる。
【0046】
なお、本発明は、錫、銅、アルミニウム、亜鉛等に限定されるものではなく、上記条件で挿入可能なあらゆる材料に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例1の積層ゴム支承体の製造方法の説明図である。
【図2】実施例1の予備試験の説明図である。
【図3】同予備試験の結果を示す線図である。
【図4】従来の金属プラグ入り積層ゴム支承体を示す断面図である。
【図5】各種金属の諸特性を示す図である。
【図6】錫プラグを、従来法により積層体等の中空部内に圧入したときの錫プラグの挙動を示す説明図である。
【図7】錫プラグ入り積層ゴム支承体の荷重・変位関係を示す特性図である。
【図8】鉛プラグ入り積層ゴム支承体の荷重・変位関係を示す特性図である。
【符号の説明】
【0048】
10 積層体
11 ゴム板
12 金属板
13 中空部
14 金属プラグ
15、16 連結鋼板
17、18 フランジ金具
20 錫プラグ
30 PTFEシート
32 抑え筒
33 ガイド筒
35 押圧棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゴム板と複数の金属板とを上下方向に交互に積層してなる積層体に、少なくとも1つの中空部を上下方向に形成し、
前記中空部に、潤滑層を介して金属プラグを圧入することを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、
前記潤滑層は、プラスチック材料からなることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、
前記潤滑層は、潤滑油又はグリースからなることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、
前記潤滑層は、フッ素系樹脂シートを、前記中空部内壁又は前記金属プラグ外壁に沿わせたものであることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の積層ゴム支承体の製造方法において、
前記潤滑層は、前記金属プラグを前記中空部に圧入する前に、前記金属プラグの外周面に潤滑油又はグリースを塗布し、その上にフッ素系樹脂シートを沿わせたものであることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の積層ゴム支承体の製造方法において、
前記金属プラグが鉛以外の常温で塑性変形可能な金属からなる非鉛金属プラグであることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の積層ゴム支承体の製造方法において、
前記金属プラグが錫、銅、アルミニウム、亜鉛、これらを基とする合金から選択された少なくとも1つからなることを特徴とする積層ゴム支承体の製造方法。
【請求項8】
複数のゴム板と複数の金属板とを上下方向に交互に積層してなる積層体と、
前記積層体の上下方向に形成された、少なくとも1つの中空部と、
前記中空部に圧入された金属プラグと、
前記中空部と前記金属プラグとの間に配設された潤滑層とを備えたことを特徴とする積層ゴム支承体。
【請求項9】
請求項8に記載の積層ゴム支承体において、
前記金属プラグは、錫、銅、アルミニウム、亜鉛、これらを基とする合金から選択された少なくとも1つからなる非鉛金属プラグであることを特徴とする積層ゴム支承体。
【請求項10】
請求項8に記載の積層ゴム支承体において、
前記潤滑層は、フッ素系樹脂シートであることを特徴とする積層ゴム支承体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−9852(P2006−9852A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184787(P2004−184787)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【出願人】(504242342)株式会社免制震ディバイス (16)
【出願人】(000002255)昭和電線電纜株式会社 (71)
【Fターム(参考)】