説明

積層セラミックコンデンサ

【課題】ショート時に流れる電流を遮断することができ、しかも、ショート状態の再発を防止することができる、積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、直方体状のセラミック素体12を含む。セラミック素体12の第1の端面20a上には、第1の内部電極26aと電気的に接続される第1の外部電極34aの導電性高分子膜36が、第1の内部電極26aの第1の露出部32aを被覆するようにして形成される。導電性高分子膜36は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含む。第1の内部電極26aと第2の内部電極26bとの間でショートが発生した場合、導電性高分子膜36においてショートした第1の内部電極26aと接触する部分37が絶縁化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、積層セラミックコンデンサに関し、特に、積層された複数のセラミック層からなるセラッミック素体と、セラミック素体の内部に配置された内部電極と、セラミック素体の外表面に配置され、内部電極に電気的に接続された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化・高機能化が急速に進んでおり、電子機器に搭載される積層セラミックコンデンサについて、小型化・大容量化が要求されている。
積層セラミックコンデンサを小型化・大容量化するためには、積層セラミックコンデンサの内部において、異なる電位に接続される一対の内部電極の間に挟まれたセラミック層を薄層化することが有効である。なぜなら、コンデンサの静電容量は、電極板間の距離に反比例するからである。
しかしながら、セラミック層を薄層化すると、例えば、半田付け時の熱衝撃により実装基板にたわみが生じた場合、セラミック層に微小なクラックが生じることがある。そして、このクラックが生じた箇所において絶縁抵抗が低下し、ショートが起こるおそれがある。
これを受けて、特開平11−176695号公報では、積層セラミックコンデンサにおいて外部電極にPTC特性を有する保護素子を直列接続することにより、ショート時に流れる電流を遮断することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−176695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開平11−176695号公報において提案されている技術では、発熱が収まった後に保護素子が導体化し、再び電流が流れてショート状態が再発してしまうおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ショート時に流れる電流を遮断することができ、しかも、ショート状態の再発を防止することができる、積層セラミックコンデンサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかる積層セラミックコンデンサは、積層された複数のセラミック層からなり、第1の端面および第2の端面を有するセラミック素体と、セラミック素体の内部に配置され、第1の端面に露出する第1の露出部を有する第1の内部電極と、セラミック素体の内部に配置され、第2の端面に露出する第2の露出部を有する第2の内部電極と、セラミック素体の外表面に配置され、第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、セラミック素体の外表面に配置され、第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサにおいて、第1の外部電極は、第1の露出部を被覆するようにして、セラミック素体の外表面上に形成された導電性高分子膜と、導電性高分子膜を被覆するようにして形成された導電膜とを含み、導電性高分子膜は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含み、第1の内部電極と第2の内部電極との間でショートが発生した場合、導電性高分子膜においてショートした第1の内部電極と接触する部分が絶縁化することを特徴とする、積層セラミックコンデンサである。
また、この発明にかかる他の積層セラミックコンデンサは、積層された複数のセラミック層からなり、第1の端面および第2の端面を有するセラミック素体と、セラミック素体の内部に配置され、第1の端面に露出する第1の露出部を有する第1の内部電極と、セラミック素体の内部に配置され、第2の端面に露出する第2の露出部を有する第2の内部電極と、セラミック素体の外表面に配置され、第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、セラミック素体の外表面に配置され、第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサにおいて、第1の外部電極は、第1の露出部を被覆するようにして、セラミック素体の外表面上に形成された第1の導電性高分子膜と、第1の導電性高分子膜を被覆するようにして形成された第1の導電膜とを含み、第1の導電性高分子膜は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含み、第2の外部電極は、第2の露出部を被覆するようにして、セラミック素体の外表面上に形成された第2の導電性高分子膜と、第2の導電性高分子膜を被覆するようにして形成された第2の導電膜とを含み、第2の導電性高分子膜は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含み、第1の内部電極と第2の内部電極との間でショートが発生した場合、第1の導電性高分子膜においてショートした第1の内部電極と接触する部分および第2の導電性高分子膜においてショートした第2の内部電極と接触する部分のうちの少なくとも一方の部分が絶縁化することを特徴とする、積層セラミックコンデンサである。
【0007】
この発明にかかる積層セラミックコンデンサでは、第1の内部電極と第2の内部電極との間でショートが発生した場合、導電性高分子膜においてショートした第1の内部電極と接触する部分が絶縁化する。
また、この発明にかかる他の積層セラミックコンデンサでは、第1の内部電極と第2の内部電極との間でショートが発生した場合、第1の導電性高分子膜においてショートした第1の内部電極と接触する部分および第2の導電性高分子膜においてショートした第2の内部電極と接触する部分のうちの少なくとも一方の部分が絶縁化する。
そのため、この発明にかかる積層セラミックコンデンサおよびこの発明にかかる他の積層セラミックコンデンサでは、それぞれ、ショート時に流れる電流を遮断することができ、しかも、ショート状態の再発を防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ショート時に流れる電流を遮断することができ、しかも、ショート状態の再発を防止することができる、積層セラミックコンデンサが得られる。そのため、この発明によれば、積層セラミックコンデンサのショートによる外部への影響を抑えることができる。
【0009】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の線II−IIにおける断面図解図である。
【図3】図1に示す積層セラミックコンデンサにおいてショート状態の再発を防止する原理を示す図解図である。
【図4】この発明にかかる積層セラミックコンデンサの他の例を示す断面図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す斜視図であり、図2は、図1の線II−IIにおける断面図解図である。図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、例えば直方体状のセラミック素体12を含む。
【0012】
セラミック素体12は、積層された複数のセラミック層14からなり、互いに対向する第1の主面16aおよび第2の主面16bと、互いに対向する第1の側面18aおよび第2の側面18bと、互いに対向する第1の端面20aおよび第2の端面20bとを有する。セラミック素体12は、角部22および稜部24にそれぞれ丸みがつけられていることが好ましい。
【0013】
セラミック素体12を形成するためのセラミック層14のセラミック材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、セラミック層14のセラミック材料としては、それらの主成分にMn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの副成分を添加したものが用いられてもよい。セラミック素体12の各セラミック層14の厚みは、0.5μm〜10μmであることが好ましい。
【0014】
セラミック素体12の内部には、セラミック層14間に、複数の第1の内部電極26aおよび複数の内部電極26bが交互に配置される。第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26bの材料としては、それぞれ、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Auなどを用いることができる。各第1の内部電極26aの厚みまたは各第2の内部電極26bの厚みは、それぞれ、0.3μm〜2.0μmであることが好ましい。
【0015】
第1の内部電極26aは、第1の対向部28aと、第1の引出し部30aと、第1の露出部32aとを有する。第1の対向部28aは、第2の内部電極26bと対向する。第1の引出し部30aは、第1の対向部28aからセラミック素体12の第1の端面20aに引出される。第1の露出部32aは、セラミック素体12の第1の端面20aに露出する。
【0016】
第2の内部電極26bは、第1の内部電極26aと同様に、第1の内部電極26aと対向する第2の対向部28bと、第2の対向部28bからセラミック素体12の第2の端面20bに引出された第2の引出し部30bと、セラミック素体12の第2の端面20bに露出する第2の露出面32bとを有する。
【0017】
セラミック素体12の外表面には、第1の外部電極34aおよび第2の外部電極34bが配置される。
【0018】
第1の外部電極34aは、導電性高分子膜36および第1の導電膜38aを含む。導電性高分子膜36は、第1の内部電極26aの第1の露出部32aを被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である特に第1の端面20a上に形成される。また、第1の導電膜38aは、導電性高分子膜36を被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面18aおよび第2の側面18bのそれぞれの一端部分上にも形成される。
【0019】
また、第2の外部電極34bは、第2の導電膜38bを含む。第2の導電膜38bは、第2の内部電極26bの第2の露出部30bを被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である第2の端面20b上と第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面18aおよび第2の側面18bのそれぞれの他端部分上とに形成される。
【0020】
第1の外部電極34aの導電性高分子膜36は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含む。導電性高分子膜36中の導電性高分子は、比較的大きな電流が流れた場合、自己発熱を生じ、分子構造が変化して部分的に絶縁化する。この導電性高分子の絶縁抵抗は、常温(例えば20℃)を基準として、およそ250℃で1桁上がり、およそ300℃で3桁以上上がる。このような導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどを用いることができる。導電性高分子膜36の厚みは、0.01μm〜20μmであることが好ましい。
【0021】
第1の導電膜38aおよび第2の導電膜38bは、それぞれ、絶縁性樹脂および金属フィラーを含む導電性樹脂、または、めっきによって構成され得る。
上述の絶縁性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
また、上述の金属フィラーとしては、例えば、Ag、Cu、AuおよびSnからなる群から選ばれる1種の金属、または、当該金属を含む合金を用いることができる。
さらに、上述のめっきの材料としては、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Al、BiおよびZnからなる群から選ばれる1種の金属、または、当該金属を含む合金を用いることができる。
第1の導電膜38aの厚みおよび第2の導電膜38bの厚みは、それぞれ、5μm〜200μmであることが好ましい。
【0022】
次に、図1に示す積層セラミックコンデンサ10の製造方法の一例について説明する。
【0023】
まず、セラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペーストおよび外部電極用導電性ペーストを準備する。セラミックグリーンシートや各種導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
【0024】
次に、セラミックグリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷などにより所定のパターンで内部電極用導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。
【0025】
そして、内部電極パターンが印刷されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に内部電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを順次積層し、その上に外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層することによって、マザー積層体を作製する。
【0026】
それから、マザー積層体を静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスする。
【0027】
そして、プレスしたマザー積層体を所定のサイズにカットし、生のセラミック積層体を切り出す。このとき、バレル研磨などにより生のセラミック積層体の角部や稜部に丸みをつけてもよい。
【0028】
それから、生のセラミック積層体を焼成する。この場合、焼成温度は、セラミック素体や内部電極の材料にもよるが、900℃〜1300℃であることが好ましい。焼成後のセラミック積層体は、積層セラミックコンデンサ10のセラミック素体12、第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26bとなる。
【0029】
焼成後のセラミック積層体の第1の端面上に導電性高分子膜36を付与する。具体的には、導電性高分子を有機溶剤に溶かしたペーストを浸漬法により、セラミック積層体の第1の端面に塗布する。その後、導電性高分子が絶縁化しない温度、例えば150℃でそのペーストを乾燥させる。
【0030】
そして、金属フィラーを含む導電性樹脂をセラミック積層体の第1の端面(第1の導電性高分子膜36の表面)および第2の端面に塗布し、150〜200℃で硬化させる。これにより、セラミック積層体の第1の端面上の第1の導電性高分子膜36上に第1の導電膜38aを形成するとともに、セラミック積層体の第2の端面上に第2の導電膜38bを形成する。
【0031】
なお、第1の導電膜38aおよび第2の導電膜38bをめっきにより形成する場合、めっき後、めっきの材料に対して200℃以下の温度で焼き付けを行ってもよい。
【0032】
上述のようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
【0033】
図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、特に、第1の内部電極26aの第1の露出部32aを被覆するようにして、導電性高分子膜36が配置されている。そのため、図3に示すように、特定の第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間でショートが発生して電流が集中した場合、ショートした第1の内部電極26aと接触する部分37において、導電性高分子膜36が自己発熱を起こして絶縁化する。この場合、導電性高分子膜36中の特に導電性高分子が絶縁化する。これにより、積層セラミックコンデンサ10の第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間のショートによる外部への影響を抑えることができる。
【0034】
さらに、図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、複数の第1の内部電極26aおよび複数の第2の内部電極26bを有するので、1組の第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間でショートが発生して導電性高分子膜36の1つの部分37が絶縁化しても、他の組の第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間において静電容量が有効に維持され得る。
【0035】
図4は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの他の例を示す断面図解図である。図4に示す積層セラミックコンデンサ10は、図1に示す積層セラミックコンデンサ10と比べて、導電性高分子膜36と同じ構造の第1の導電性高分子膜36aのほかに、第2の導電性高分子膜36bも形成される。
【0036】
すなわち、図4に示す積層セラミックコンデンサ10において、第2の外部電極34bは、第2の導電性高分子膜36bおよび第2の導電膜38bを含む。第2の導電性高分子膜36bは、第2の内部電極26bの第2の露出部32bを被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である特に第2の端面20b上に形成される。また、第2の導電膜38bは、第2の導電性高分子膜36bを被覆するようにして、セラミック素体12の外表面上である第1の主面16a、第2の主面16b、第1の側面18aおよび第2の側面18bのそれぞれの他端部分上にも形成される。
【0037】
第2の導電性高分子膜36bの構成は、第1の導電性高分子膜36a(導電性高分子膜36)の構成と同じである。そのため、第2の導電性高分子膜36bは、第1の導電性高分子膜36a(導電性高分子膜36)と同様に作用する。
【0038】
図4に示す積層セラミックコンデンサ10を製造するための製造方法は、図1に示す積層セラミックコンデンサ10を製造するための上述の製造方法とほぼ同じであり、セラミック積層体の第2の端面にも、導電性高分子を有機溶剤に溶かしたペーストを塗布する点が異なる。
【0039】
図4に示す積層セラミックコンデンサ10では、第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間でショートが発生した場合、第1の導電性高分子膜36aにおいてショートした第1の内部電極26aに接触する部分および第2の導電性高分子膜36bにおいてショートした第2の内部電極26bに接触する部分のうちの少なくとも一方の部分が絶縁化し、どちらか一方の部分が絶縁化した段階で双方の部分の自己発熱が収まる。
【0040】
そのため、図4に示す積層セラミックコンデンサ10でも、図1に示す積層セラミックコンデンサ10と同様に、第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間のショートによる外部への影響を抑えることができるとともに、1組の第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間でショートが発生して導電性高分子膜36の1つの部分37が絶縁化しても、他の組の第1の内部電極26aおよび第2の内部電極26b間において静電容量が有効に維持され得る。
【0041】
上述の各積層セラミックコンデンサ10では、導電性高分子膜36、第1の導電性高分子膜36aおよび第2の導電性高分子膜36bが、それぞれ、セラミック素体12の1つの端面20aまたは20bに全面に形成されているが、それらの導電性高分子膜は、それぞれ、内部電極の露出部を覆うようにして、セラミック素体12の端面に部分的に形成されてもよく、または、セラミック素体12の端面以外にセラミック素体12の主面や側面にも形成されてもよい。
【0042】
また、上述の各積層セラミックコンデンサ10では、各外部電極34aおよび34bがそれぞれ1層の導電膜38aまたは38bを含むが、各外部電極は、それぞれ、複数層の導電膜を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明にかかる積層セラミックコンデンサは、特に小型化・高性能化が急速に進んでいる電子機器に好適に搭載され得る。
【符号の説明】
【0044】
10 積層セラミックコンデンサ
12 セラミック素体
14 セラミック層
16a 第1の主面
16b 第2の主面
18a 第1の側面
18b 第2の側面
20a 第1の端面
20b 第2の端面
22 隅部
24 稜部
26a 第1の内部電極
26b 第2の内部電極
28a 第1の対向部
28b 第2の対向部
30a 第1の引出し部
30b 第2の引出し部
32a 第1の露出部
32b 第2の露出部
34a 第1の外部電極
34b 第2の外部電極
36 導電性高分子膜
36a 第1の導電性高分子膜
36b 第2の導電性高分子膜
37 導電性高分子膜の絶縁化した部分
38a 第1の導電膜
38b 第2の導電膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数のセラミック層からなり、第1の端面および第2の端面を有するセラミック素体と、
前記セラミック素体の内部に配置され、前記第1の端面に露出する第1の露出部を有する第1の内部電極と、
前記セラミック素体の内部に配置され、前記第2の端面に露出する第2の露出部を有する第2の内部電極と、
前記セラミック素体の外表面に配置され、前記第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、
前記セラミック素体の外表面に配置され、前記第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサにおいて、
前記第1の外部電極は、
前記第1の露出部を被覆するようにして、前記セラミック素体の外表面上に形成された導電性高分子膜と、
前記導電性高分子膜を被覆するようにして形成された導電膜とを含み、
前記導電性高分子膜は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含み、
前記第1の内部電極と前記第2の内部電極との間でショートが発生した場合、前記導電性高分子膜においてショートした前記第1の内部電極と接触する部分が絶縁化することを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
積層された複数のセラミック層からなり、第1の端面および第2の端面を有するセラミック素体と、
前記セラミック素体の内部に配置され、前記第1の端面に露出する第1の露出部を有する第1の内部電極と、
前記セラミック素体の内部に配置され、前記第2の端面に露出する第2の露出部を有する第2の内部電極と、
前記セラミック素体の外表面に配置され、前記第1の内部電極と電気的に接続された第1の外部電極と、
前記セラミック素体の外表面に配置され、前記第2の内部電極と電気的に接続された第2の外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサにおいて、
前記第1の外部電極は、
前記第1の露出部を被覆するようにして、前記セラミック素体の外表面上に形成された第1の導電性高分子膜と、
前記第1の導電性高分子膜を被覆するようにして形成された第1の導電膜とを含み、
前記第1の導電性高分子膜は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含み、
前記第2の外部電極は、
前記第2の露出部を被覆するようにして、前記セラミック素体の外表面上に形成された第2の導電性高分子膜と、
前記第2の導電性高分子膜を被覆するようにして形成された第2の導電膜とを含み、
前記第2の導電性高分子膜は、それ自体で導電性を有する導電性高分子を含み、
前記第1の内部電極と前記第2の内部電極との間でショートが発生した場合、前記第1の導電性高分子膜においてショートした前記第1の内部電極と接触する部分および前記第2の導電性高分子膜においてショートした前記第2の内部電極と接触する部分のうちの少なくとも一方の部分が絶縁化することを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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