説明

積層セラミック電子部品及びその製造方法

【課題】電圧が印加された際に、外部電極の回り込み部端縁を起点とするクラックが生じても、短絡が生じ難い、高信頼性の積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】第1,第2の端面2a,2bを覆うように、セラミック積層体2に第1,第2の外部電極5,6が形成され、セラミック積層体2に第1,第2のマーク7,8が、少なくとも1つの側面に露出するように形成され、第1,第2のマーク7,8の内側端部7a,8aと、第1,第2の端面2a,2bとの間の距離をd1,d2、第1,第2の回り込み部5a,6aの先端5a,6aと第1,第2の端面2a,2bとの間の距離をそれぞれe1,e2、第2の内部電極4の先端4aと、第1の端面2aとの間のギャップの寸法をg2、第1の内部電極3の先端3aと、第2の端面2bとの間のギャップの寸法をg1としたときに、g2 >d1≧e1かつg1>d2≧e2とされる、積層セラミック電子部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品及びその製造方法に関し、より詳細には、例えば積層セラミックコンデンサのように、複数の内部電極を有するセラミック積層体の外表面に複数の外部電極が形成されている積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品が、様々な電子機器に広く用いられている。下記の特許文献1には、この種の積層セラミックコンデンサの一例が開示されている。
【0003】
図7は、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサの実装構造を示す部分切欠正面断面図である。積層セラミックコンデンサ101が、実装基板102上に表面実装されている。実装基板102は、上面に電極ランド103,104を有する。
【0004】
積層セラミックコンデンサ101は、複数のセラミックグリーンシートを内部電極とともに積層し、焼成して得られたセラミック積層体105を有する。セラミック積層体105内には、複数の第1の内部電極106と、複数の第2の内部電極107とが、厚み方向において交互に配置されている。セラミック積層体105の一方の端面を覆うように、第1の外部電極108が形成されている。第1の外部電極108は、複数の第1の内部電極106に電気的に接続されている。また、セラミック積層体105の他方端面には、第2の外部電極109が形成されている。外部電極109は、複数の第2の内部電極107に電気的に接続されている。外部電極108,109が、半田110,111により電極ランド103,104に接合されている。
【0005】
ところで、使用に際しては、外部電極108,109間に異なる電位が印加され、それによって、複数の第1の内部電極106と、複数の第2の内部電極107とが積層されている部分から静電容量が取り出される。しかしながら、電圧が印加された際に、図7に矢印Aで示すように、セラミック積層体105にクラックが生じることがあった。このクラックは、図7に示すように、例えば第1の外部電極108の回り込み部108aの先端108bを起点として生じがちであった。これは、電圧が印加された場合、電極の外周縁に電界が集中しがちであることによる。
【0006】
そして、図7に示すように、回り込み部108aの先端108bが、他方の電位に接続される内部電極107の先端107aよりも積層体102の中央側に位置している場合、クラックAが外部電極108aの先端から異なる電位に接続される第2の内部電極107に至り、さらに、第2の内部電極107から第1の内部電極106の一部に至り、下方の回り込み部108aの先端に至ることがあった。このような場合、第1の内部電極106や電極回り込み部108aと、第2の内部電極107との間で短絡が生じるおそれがあった。
【0007】
そこで、短絡を防止するために、外部電極回り込み部の先端と、他方の電位に接続される内部電極とがセラミック積層体において厚み方向に重なり合わない構造が提案されている。より具体的には、図7に示す積層セラミックコンデンサ101において、例えば、第1の外部電極108の回り込み部108aの先端よりも、第2の内部電極107の先端107aの位置をセラミック積層体105において第2の外部電極109側すなわち中央側に位置させることにより、上記のような短絡を防止することが可能とされる。
【0008】
ところで、積層セラミック電子部品の製造に際しては、通常、複数の内部電極を有するセラミック積層体を一体焼成技術により得る。しかる後、セラミック積層体の端面に、導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより、外部電極が形成されている。この場合、上記のように、外部電極回り込み部と、異なる電位に接続される内部電極の先端と厚み方向に重ならないように外部電極を形成するには、内部電極の先端の位置を確認しなければならない。ところが、内部電極はセラミック積層体内に埋設されており、端面においてのみ露出している。従って、外部からセラミック積層体を観察したとしても、内部電極の先端の位置を把握することはできない。
【0009】
よって、上記のように、外部電極回り込み部の先端と、異なる電位に接続される内部電極の先端とが厚み方向に重ならないように外部電極を形成する場合、設計寸法に従って、内部電極先端位置を予め見込んで、導電ペーストを塗布していた。しかしながら、導電ペーストのにじみ等により、外部電極回り込み部の端縁の位置がばらつき、外部電極回り込み部端縁と、当該外部電極と異なる電位に接続される内部電極先端とが厚み方向において重なり合うことがあった。
【0010】
他方、下記の特許文献2には、図8(a),(b)に斜視図及び平面断面図で示すセラミック積層体111が開示されている。セラミック積層体111は、積層コンデンサを得るためのセラミック積層体である。そして、セラミック積層体111内においては、複数の内部電極112が積層されており、かつセラミック積層体111のコーナー部分に位置決めマーク113が配置されている。位置決めマーク113は、内部電極112と同じ高さ位置に形成されている。
【0011】
位置決めマーク113は、セラミックグリーンシート上に内部電極112を形成するための導電パターンを形成するに際し、同じ工程において形成されている。そして、位置決めマーク113を設けておくことにより、内部電極112の積層ずれを防止することが可能とされている。すなわち、位置決めマーク113を形成しておくことにより、得られたセラミック積層体111における内部電極の積層ずれを容易に検出することが可能とされている。
【特許文献1】特開平6−163311号公報
【特許文献2】特開平6−314630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のように、従来の積層コンデンサ等の積層セラミック電子部品では、外部電極は、セラミック積層体の端面だけでなく、側面に至る回り込み部を有するが、この回り込み部先端と、当該外部電極とは異なる電位に接続される内部電極との間に至るクラックが生じがちであった。そして、このようなクラックにより、短絡が生じ、積層セラミック電子部品が破壊することがあった。
【0013】
これに対して、外部電極回り込み部と、異なる電位に接続される内部電極の先端とを厚み方向において重なり合わないように構成すれば、上記短絡を防止することは可能となる。しかしながら、上記のように、従来の積層セラミックコンデンサの製造方法では、得られたセラミック積層体を観察しただけで、内部電極の先端の位置を把握することはできないため、外部電極回り込み部と、異なる電位に接続される内部電極先端と厚み方向に確実に重なり合わないように外部電極を形成することは非常に困難であった。
【0014】
なお、特許文献2に記載の積層体111では、上記のように、セラミック積層体111の外表面に位置決めマーク113が露出しているが、この位置決めマーク113は、内部電極112自体の積層ずれを検出するために設けられているものに過ぎなかった。
【0015】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、外部電極が回り込み部を有する積層セラミック電子部品において、外部電極回り込み部と、当該外部電極とは異なる電位に接続される内部電極先端とがセラミック層を介して重なり合わないように配置されており、それによってクラックに起因する短絡を確実に防止することができ、しかも容易にかつ確実に高い歩留りで製造することが可能な積層セラミック電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願の第1の発明によれば、複数のセラミック層を積層してなり、対向し合う第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ複数の側面とを有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の第1の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第1の回り込み部を有する第1の外部電極と、前記セラミック積層体の第2の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第2の回り込み部を有する第2の外部電極と、前記セラミック積層体内に配置されており、前記第1の端面に引き出されて前記第1の外部電極に電気的に接続されている第1の内部電極と、前記セラミック積層体内に配置されており、前記第2の端面に引き出されて前記第2の外部電極に電気的に接続されている第2の内部電極と、前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第1の端面とのなす端縁から第2の端面側に向かって延ばされている第1の引き出し部を有する第1のマークと、前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第2の端面とのなす端縁から第1の端面側に向かって延ばされている第2の引き出し部を有する第2のマークとを備え、前記第1のマークの前記第1の引き出し部の第2の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をd1、前記第2のマークの前記第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をd2、前記第1の内部電極の前記第2の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をg1、前記第2の内部電極の前記第1の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をg2、前記第1の外部電極の第1の回り込み部の第2の端面側の端部と、第1の端面との間の距離をe1、前記第2の外部電極の前記第2の回り込み部の前記第1の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をe2としたときに、e1≦d1≦g2かつe2≦d2≦g1とされていることを特徴とする、積層セラミック電子部品が提供される。
【0017】
本発明のある特定の局面では、e1<d1かつe2<d2であり、前記第1のマークの前記第1の引き出し部の一部が、前記第1の外部電極の前記第1の回り込み部に被覆されずに露出されており、前記第2のマークの前記第2の引き出し部の一部が、前記第2の外部電極の前記第2の回り込み部に被覆されずに露出されている。
【0018】
本発明に係る積層セラミック電子部品の他の特定の局面では、前記第1のマーク及び前記第2のマークの内の少なくとも一方が、導電性材料からなる。
【0019】
本発明に係る積層セラミック電子部品のさらに他の特定の局面では、前記第1,第2のマークが、それぞれ、第1,第2の内部電極とセラミック積層体内において、同じ平面内に形成されている。
【0020】
本発明に係る積層セラミック電子部品のさらに別の特定の局面では、前記第1の外部電極、第2の外部電極、第1のマーク及び第2のマークの内少なくとも1つの表面にめっき被膜が形成されている。
【0021】
本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、複数のセラミック層を積層してなり、対向し合う第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ複数の側面とを有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の第1の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第1の回り込み部を有する第1の外部電極と、前記セラミック積層体の第2の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第2の回り込み部を有する第2の外部電極と、前記セラミック積層体内に配置されており、前記第1の端面に引き出されて前記第1の外部電極に電気的に接続されている第1の内部電極と、前記セラミック積層体内に配置されており、前記第2の端面に引き出されて前記第2の外部電極に電気的に接続されている第2の内部電極と、前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第1の端面とのなす端縁から第2の端面側に向かって延ばされている第1の引き出し部を有する第1のマークと、前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第2の端面とのなす端縁から第1の端面側に向かって延ばされている第2の引き出し部を有する第2のマークとを備え、前記セラミック積層体の側面に引き出された第1の引き出し部を有する第1のマークと、前記第1のマークの前記第1の引き出し部の前記第2の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をd1、前記第2のマークの前記第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をd2、前記第1の内部電極の前記第2の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をg1、前記第2の内部電極の前記第1の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をg2としたときに、d1≦g2かつd2≦g1を満足するセラミック積層体を準備する工程と、前記第1の端面から前記側面の一部に回り込むように、及び、前記第2の端面から前記側面の一部に回り込むように、それぞれ導電性ペーストを付与し、焼き付けることにより、前記第1の端面及び前記第2の端面をそれぞれ覆い、かつ側面の一部に至る第1,第2の回り込み部をそれぞれ有する、第1の外部電極及び第2の外部電極を形成する工程とを備える積層型セラミック電子部品の製造方法であって、前記導電性ペーストが、前記第1のマークの第1の引き出し部及び前記第2のマークの第2の引き出し部の前記各端部が露出するように、または前記導電ペーストの端部が前記第1のマークの第1の引き出し部の前記第2の端面側の端部及び前記第2のマークの第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と等しい位置に至るように、付与されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る積層セラミック電子部品では、セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と第1の端面とのなす端縁から第2の端面側に向かって延ばされている第1の引き出し部を有する第1のマークと、セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と第2の端面とのなす端縁から第1の端面側に向かって延ばされている第2の引き出し部を有する第2のマークとが設けられており、第1のマークの第1の引き出し部の第2の端面側の端部と、第1の端面との間の距離をd1、第2のマークの第2の引き出し部の第1の端面側の端部と、第2の端面との間の距離をd2、第1,第2の内部電極の第2,第1の端面側端部と、第2,第1の端面との間の距離をg1,g2、第1の外部電極の第1の回り込み部の長さ方向寸法をe1、第2の外部電極の回り込み部の長さ方向寸法をe2としたときに、e1≦d1≦g2かつe2≦d2≦g1とされているため、第1,第2の外部電極の第1,第2の回り込み部の先端と、第2の内部電極または第1の内部電極とが厚み方向に確実に重なり合わないようにされている。しかも、上記第1,第2のマークがセラミック積層体内に設けられているので、第1,第2の外部電極を形成するあたり、確実に、第1,第2の外部電極の第1,第2の回り込み部の先端と、第2,第1の内部電極とが厚み方向に重なり合わないように第1,第2の外部電極を容易に勝つ確実に形成することが可能となる。
【0023】
従って、クラックによる短絡が生じ難い、信頼性に優れた積層セラミック電子部品を提供することができる。
【0024】
本発明の製造方法では、d1≦g2かつd2≦g1とされているセラミック積層体を用意した後、導電性ペーストを塗布して第1,第2の外部電極を形成するにあたり、セラミック積層体の側面に露出している第1のマーク及び第2のマークの第1,第2の引き出し部の端部を露出させるように、あるいは、前記導電ペーストの端部が前記第1のマークの第1の引き出し部の前記第2の端面側の端部及び前記第2のマークの第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と等しい位置に至るように導電ペーストを塗布することにより、第1,第2の外部電極の回り込み部の先端を、異なる電位に接続される第2または第1の内部電極と厚み方向に重なり合わないように第1,第2の外部電極を確実に形成することができる。よって、クラックによる短絡が生じ難い、本発明の積層セラミック電子部品を容易にかつ確実に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0026】
図1(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの正面断面図及び正面図である。
【0027】
積層セラミックコンデンサ1は、直方体状のセラミック積層体2を有する。セラミック積層体2は、チタン酸バリウム系セラミックスからなる複数のセラミックグリーンシートを積層し、後述する内部電極とともに一体焼成することにより得られている。上記セラミックスは、チタン酸バリウム系セラミックスに限らず、CaTiO、SrTiOまたはCaZrOなどの様々な誘電体セラミックスを用いて構成され得る。
【0028】
セラミック積層体2は、対向し合う第1,第2の端面2a,2bと、第1,第2の端面2a,2bを結ぶ4つの側面を有する。ここでは、4つの側面の内、図1(a)において図示されている2つの側面を、上面2c及び下面2dとする。
【0029】
セラミック積層体2内には、複数の第1の内部電極3と、複数の第2の内部電極4とが形成されている。セラミック積層体2の端面2a,2bを結ぶ方向を、以下、長さ方向とする。第1の内部電極3と第2の内部電極4は、セラミック積層体2の長さ方向中央部分においてセラミック層を介して重なり合うように配置されている。
【0030】
複数の内部電極3は、第1の端面2aに引き出されており、他方、複数の第2の内部電極4は、第2の端面2bに引き出されている。
【0031】
内部電極3,4は、Ag−Pdなどの適宜の金属もしくは合金からなる。内部電極3,4は、Ag−Pdの他、Ni、Cu、Ag、PdまたはAuなどにより形成されてもよい。
【0032】
セラミック積層体2の第1の端面2aを覆うように、第1の外部電極5が形成されている。第1の外部電極5は、端面2aを覆っており、かつ前述した4つの側面に至る第1の回り込み部5aを有する。図1(b)では、4つの側面の内、上述した上面2c及び下面2dに至っている第1の回り込み部5aが図示されているが、本実施形態では、残りの側面2eにも至るように第1の回り込み部5aが形成されている。
【0033】
第2の外部電極6が、端面2bを覆うように形成されている。第2の外部電極6は、第2の回り込み部6aを有する。第2の回り込み部6aもまた、上面2c、下面2d及び他の2つの側面2eに至るように形成されている。
【0034】
本実施形態では、外部電極5,6は、導電ペーストの塗布・焼付により形成されている。このような導電ペーストを構成する導電性材料としては特に限定されず、Cu、Ni、Ag、Au、Pd、Ag−Pdなどを挙げることができる。本実施形態では、より具体的には、Cuからなる電極膜11上に、Niメッキ膜12及びSnメッキ膜13が積層されている。外部電極6も、同様に、Cuからなる電極膜11上に、Niメッキ膜12及びSiメッキ膜13を積層した構造を有する。外表面にSnメッキ膜13が形成されているので、積層セラミックコンデンサ1は、半田を用いて容易に表面実装され得る。
【0035】
なお、導電性接着剤を用いて表面実装する場合には、外部電極の最も外側の面は、Ag、PdまたはAg−Pdなどにより形成されていることが望ましく、ワイヤーボンディングにより実装する場合には、外部電極5,6の最も外側の表面はAuからなることが望ましい。
【0036】
図1(b)に示されているように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1では、セラミック積層体2の側面2eに第1,第2の引き出し部を有する第1,第2のマーク7,8が設けられている。第1の引き出し部は、セラミック積層体2の第1の端面2aと側面2eのなす端縁から第2の端面2b側に向かって延ばされている。第2の引き出し部は、側面2eと第2の端面2bとのなす端縁から第1の端面2a側に向かって延ばされている。本実施形態では、第1のマーク7は、第1の内部電極3と同じ高さ位置に形成されており、第2のマーク8は、第2の内部電極4と同じ高さ位置に形成されている。
【0037】
なお、第1,第2のマーク7,8は、第1,第2の内部電極3,4と同じ高さ位置に形成されておらずともよい。もっとも、第1,第2の内部電極3,4は、セラミックグリーンシートに導電ペーストを塗布する工程を得て形成されている。従って、上記導電ペーストの印刷と統一工程において、同じ導電ペーストあるいは他のペーストを用いて第1,第2のマーク7,8をそれぞれ形成することが、好ましい。それによって、製造工程の簡略化を図ることができる。より好ましくは、第1,第2の内部電極3,4と同じ材料を用いて第1,第2のマーク7,8を用いることにより、製造工程のより一層の簡略化を図ることができる。
【0038】
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の特徴は、第1の外部電極5の第1の回り込み部5aと、第1の外部電極5とは異なる電位に接続される第2の内部電極4とが厚み方向に重なり合っておらず、かつ第2の外部電極6の第2の回り込み部6aと、第1の内部電極3とがセラミック積層体2内において厚み方向において重なっていないことにある。それによって、前述したクラックに起因する短絡を確実に防止することが可能とされている。そして、このような構造を、本実施形態によれば、確実にかつ容易に提供することができる。これを、より具体的に説明する。
【0039】
いま、第1の外部電極5の第1の回り込み部5aの先端5aと第1の端面2aとの間の距離をe1とする。同様に、第1の回り込み部6aの先端6aと、第2の端面2bとの間の距離をe21とする。
【0040】
他方、第2の外部電極4の先端4aと、第1の端面2aとの間のギャップの距離をg2とし、第1の内部電極3の先端3aと第2の端面2bとの間のギャップの距離をg1とする。そして、位置決めマーク7の引き出し部の先端7a、すなわち引き出し部の第2の端面2b側の端部である先端7aと、第1の端面2aとの間の距離をd1とする。また、第2のマーク8の引き出し部が露出されている部分は第2の端面2bと側面2eとのなす端縁から、第1の端面2a側に向かって延びる部分であり、第2のマーク8の第2の引き出し部の先端8a、すなわち第2の引き出し部の第1の端面2a側の端部である先端8aと、第2の端面2bとの間の距離をd2とする。
【0041】
本実施形態の積層セラミックコンデンサでは、e1≦d1≦g2かつe2≦d2≦g1とされている。従って、g2>e1かつg1>e2とされているため、第1,第2の回り込み部5a,6aが、異なる電位に接続される内部電極4または内部電極3と厚み方向において重なり合っていない。よって、回り込み部5a,6aの先端5a,6aからセラミック積層体内にクラックが延びたとしても、クラックにより異なる電位に接続される電極同士が短絡するのを防止することができる。よって、信頼性に優れた積層セラミックコンデンサ1を提供することができる。
【0042】
しかも、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1では、e1≦d1<g2かつe2≦d2<g1とされているため、上記積層セラミックコンデンサ1を容易に製造することができる。これを、製造方法を参照しつつより具体的に説明する。
【0043】
積層セラミックコンデンサ1の製造に際しては、図2(a)に示すように、複数の内部電極パターン21,22を交互に積層する。図2(b)に示すように、内部電極パターン21の側方には、第1の切断前マーク23,23が配置されている。第2の内部電極パターン22の側方にも同様に第2の切断前マーク24,24が形成されている。図2(a)では、セラミックグリーンシートの図示は省略しているが、複数の内部電極パターン21及び第1の切断前マーク23,23が、1枚のマザーのセラミックグリーンシート上に所定の間隔を隔てて整列形成されている。同様に、他のセラミックグリーンシート上に、複数の第2の内部電極パターン22及び第2の切断前マーク24,24が所定の距離を隔てて整列形成されている。
【0044】
図2(a)では、複数の内部電極パターン21が積層されているセラミックグリーンシート上に、内部電極パターン22及び第2の切断前マーク24が形成されているセラミックグリーンシートが積層されている状態において、セラミックグリーンシートの図示を省略して電極の積層構造が模式的に示されている。
【0045】
第1の内部電極パターン21と第2の内部電極パターン22とは、図2の長さ方向Lにおいて部分的に重なり合っている。第2の内部電極パターン22上に、さらに第1の内部電極パターン21及び第2の内部電極パターン22を交互に積層していき、マザーの積層体を得る。このようにして得られたマザーの積層体を、図2(a)の一点鎖線B,Cで沿う部分に相当する部分で切断し、焼成することにより、図3(a)及び(b)に示すセラミック積層体2を得ることができる。
【0046】
図3(a)及び(b)に示すように、得られたセラミック積層体2では、セラミック層を介して、第1の内部電極3と、第2の内部電極4とが積層されている。この第1の内部電極3は、上記内部電極パターン21を一点鎖線Bで切断することにより形成されており、第2の内部電極4は、内部電極パターンを一点鎖線Cに沿って切断することにより形成されている部分である。
【0047】
また、第1のマーク7及び第2のマーク8は、上記第1の切断前マーク23及び第2の切断前マーク24を、それぞれ、一点鎖線B,Cで切断することにより形成されている部分である。
【0048】
ここで、第1のマーク7,8の引き出し部の上記長さ方向寸法d1,d2は、上記ギャップの長さ方向寸法g2,g1よりもそれぞれ短くされている。
【0049】
従って、上記セラミック積層体2を用意すれば、側面に露出している第1のマーク7及び第2のマーク8の引き出し部を手がかりに導電ペーストを、導電ペーストの第1,第2の回り込み部を形成する部分の上記セラミック積層体2の長さ方向に沿う寸法e1,e2が第1,第2のマーク7,8の引き出し部の長さ方向寸法d1,d2よりも短くなるように導電ペーストを塗布すればよい。
【0050】
そして、このように導電ペーストを塗布する工程は、図4に示すように、セラミック積層体2を端面2a側から導電ペースト25に部分的に浸漬するに際し、浸漬深さを第1のマーク7の引き出し部7の先端7aが導電ペーストに覆われないような深さ、すなわち先端7aが露出するまでの深さとすればよい。第2の外部電極6の形成に際しても、同様に、導電ペーストにセラミック積層体2を第2の端面2bから部分的に浸漬する際に、浸漬深さを、第2のマーク8の引き出し部の先端8aが露出している深さとすればよい。
【0051】
従って、第1,第2のマーク7,8の引き出し部の先端7a,8aが露出するように導電ペーストを付与し、該導電ペーストを焼き付けるだけで、第1,第2の外部電極5,6の電極膜11を容易にかつ確実に形成することができる。図5は、このようにして形成された電極膜11上に、Niメッキ膜12及びSnメッキ膜13を順次形成した構造を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
【0052】
従って、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1では、上記製造方法において、セラミック積層体2の外観を観察しつつ、導電ペーストをセラミック積層体2の第1,第2の端面2a,2b側から第1,第2のマーク7,8の引き出し部の先端7a,8aが露出するように付与するだけで、容易にかつ確実に得ることができる。なお、上記実施形態では、d1>e1かつd2>e2とされていたが、本発明においては、d1=e1かつd2=e2とされていてもよい。このような変形例を図6(a)及び(b)に示す。積層セラミックコンデンサ31では、e1=d1かつe2=d2とされている。この場合、上記導電ペーストを付与し外部電極を形成するに際し、第1,第2のマーク7,8の先端7a,8aを確認しつつこの先端7a,8aに導電ペースト付与部分の端線が一致するように導電ペーストを付与すればよい。第1の外部電極5を形成するために導電ペーストを付与するにあたり、例えば第1の端面2a側においては、導電ペーストを第1の端面2aを被覆するように、かつ、第1の回り込み部を形成するために、少なくとも1つの側面に至るように導電ペースト塗布部分を拡げる。この場合、第1の回り込み部を形成するために導電ペーストが付与する部分の、セラミック積層体の上記長さ方向に沿う内側端縁が、第1のマーク7の第1の引き出し部の先端7aと等しい位置となるように、導電ペーストを塗布すればよい。同様に、第2の外部電極6を形成するための導電ペーストの付与に際しても、第2の回り込み部を形成するための導電ペースト付与部分のセラミック積層体2の長さ方向内側端縁を、第2のマーク8の引き出し部の先端8aと等しい位置とすればよい。この場合においても、e1<g2かつe2<g1とされているため、確実に、第1,第2の外部電極5,6の回り込み部5a,6aの先端と異なる電位に接続される内部電極4または内部電極3とが厚み方向に重なり合わない構造を得ることができる。
【0053】
なお、上記実施形態では、外部電極5,6の形成に際しては、導電ペーストの塗布・焼付法を用いたが、外部電極は蒸着、メッキもしくはスパッタリングなどの薄膜形成法により形成されていてもよい。その場合においても、第1,第2のマーク7,8の引き出し部の先端7a,8aを基準として、外部電極形成材料の付与範囲を限定すれば、本発明に従って、容易に、短絡が生じ難い信頼性に優れた積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【0054】
また、上記Niメッキ膜やSnメッキ膜は、第1,第2の外部電極5,6を形成している電極膜11上だけでなく、第1,第2のマーク7,8の外表面にも被覆されていてもよい。その場合には、外部電極5,6の形成に際し、第1,第2のマーク7,8の引き出し部にメッキ膜を形成しないための工夫を必要としない、すなわち煩雑な製造工程を追加する必要がない。
【0055】
また、第1のマーク7及び第2のマーク8は、導電性材料により形成される必要は必ずしもなく、セラミック積層体2と目視により区別し得る適宜の材料、例えば色が異なるセラミック材料、あるいは顔料を含むセラミック材料等により形成されていてもよい。もっとも、第1,第2の内部電極3,4と同じ導電性材料を用いて形成することにより、工程の簡略化及び材料の種類の低減を果たすことができ、望ましい。
【0056】
上記実施形態では、積層セラミックコンデンサにつき説明したが、本発明は、積層セラミックサーミスタ、あるいは積層型圧電セラミック部品にも適用することができる。そして、サーミスタの場合には、セラミック積層体2として、適宜の半導体セラミックス、例えばMn−Co−Ni系、Mn−Co−Zn系のようなスピネル型セラミックスやBaTiOにYを添加してなるセラミックスなどを用いることができる。また、積層型圧電セラミック部品の場合には、上記セラミック積層体2は、PZT系セラミックスなどの適宜の圧電セラミックスを用いて構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサの正面断面図及び正面図。
【図2】(a),(b)は、図1に示した積層セラミックコンデンサを得るのに用いられる内部電極パターン及び第1,第2の切断前マークの積層工程を説明するための模式的部分切欠平面図及び1つの内部電極パターン及び両側の第1のマークの位置関係を示す模式的平面図。
【図3】(a),(b)は、図1に示した実施形態の積層セラミックコンデンサの製造工程において得られるセラミック積層体を示す正面断面図及び正面図。
【図4】図3に示した積層体に導電ペーストを付与し、外部電極を形成する工程を説明するための模式的正面断面図。
【図5】図1に示した実施形態の積層セラミックコンデンサの製造に際し、電極膜上にNiメッキ層及びSnメッキ層を積層して得られた第1の外部電極を説明するための部分切欠正面断面図。
【図6】(a),(b)は、図1に示した実施形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの模式的部分断面正面図及び正面断面図。
【図7】従来の積層セラミックコンデンサを実装基板に実装した構造の一例を示す部分切欠正面断面図。
【図8】(a),(b)は、従来の積層セラミックコンデンサの他の例を説明するための斜視図及び平面図。
【符号の説明】
【0058】
1…積層セラミックコンデンサ
2…セラミック積層体
2a…第1の端面
2b…第2の端面
2c…上面(側面)
2d…下面(側面)
2e…側面
3,4…第1,第2の内部電極
3a,4a…先端
5…第1の外部電極
5a…第1の回り込み部
5a…先端
6…第2の外部電極
6a…第2の回り込み部
6a…先端
7…第1のマーク
7a…端部
8…第2のマーク
8a…先端
11…電極膜
12…Niメッキ膜
13…Snメッキ膜
21…内部電極パターン
22…内部電極パターン
23…第1の切断前マーク
24…第2の切断前マーク
25…導電ペースト
31…積層セラミックコンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセラミック層を積層してなり、対向し合う第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ複数の側面とを有するセラミック積層体と、
前記セラミック積層体の第1の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第1の回り込み部を有する第1の外部電極と、
前記セラミック積層体の第2の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第2の回り込み部を有する第2の外部電極と、
前記セラミック積層体内に配置されており、前記第1の端面に引き出されて前記第1の外部電極に電気的に接続されている第1の内部電極と、
前記セラミック積層体内に配置されており、前記第2の端面に引き出されて前記第2の外部電極に電気的に接続されている第2の内部電極と、
前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第1の端面とのなす端縁から第2の端面側に向かって延ばされている第1の引き出し部を有する第1のマークと、
前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第2の端面とのなす端縁から第1の端面側に向かって延ばされている第2の引き出し部を有する第2のマークとを備え、
前記第1のマークの前記第1の引き出し部の第2の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をd1、前記第2のマークの前記第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をd2、前記第1の内部電極の前記第2の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をg1、前記第2の内部電極の前記第1の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をg2、前記第1の外部電極の第1の回り込み部の第2の端面側の端部と、第1の端面との間の距離をe1、前記第2の外部電極の前記第2の回り込み部の前記第1の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をe2としたときに、e1≦d1≦g2かつe2≦d2≦g1とされていることを特徴とする、積層セラミック電子部品。
【請求項2】
e1<d1かつe2<d2であり、前記第1のマークの前記第1の引き出し部の一部が、前記第1の外部電極の前記第1の回り込み部に被覆されずに露出されており、前記第2のマークの前記第2の引き出し部の一部が、前記第2の外部電極の前記第2の回り込み部に被覆されずに露出されている、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項3】
前記第1のマーク及び前記第2のマークの内の少なくとも一方が、導電性材料からなる、請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項4】
前記第1,第2のマークが、それぞれ、第1,第2の内部電極とセラミック積層体内において、同じ平面内に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項5】
前記第1の外部電極、第2の外部電極、第1のマーク及び第2のマークの内少なくとも1つの表面にめっき被膜が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
【請求項6】
複数のセラミック層を積層してなり、対向し合う第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ複数の側面とを有するセラミック積層体と、
前記セラミック積層体の第1の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第1の回り込み部を有する第1の外部電極と、
前記セラミック積層体の第2の端面を覆うように形成されており、かつ少なくとも1つの前記側面の一部に回り込む第2の回り込み部を有する第2の外部電極と、
前記セラミック積層体内に配置されており、前記第1の端面に引き出されて前記第1の外部電極に電気的に接続されている第1の内部電極と、
前記セラミック積層体内に配置されており、前記第2の端面に引き出されて前記第2の外部電極に電気的に接続されている第2の内部電極と、
前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第1の端面とのなす端縁から第2の端面側に向かって延ばされている第1の引き出し部を有する第1のマークと、
前記セラミック積層体の少なくとも1つの側面において、該側面と前記第2の端面とのなす端縁から第1の端面側に向かって延ばされている第2の引き出し部を有する第2のマークとを備え、
前記セラミック積層体の側面に引き出された第1の引き出し部を有する第1のマークと、
前記第1のマークの前記第1の引き出し部の前記第2の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をd1、
前記第2のマークの前記第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をd2、
前記第1の内部電極の前記第2の端面側の端部と、前記第2の端面との間の距離をg1、
前記第2の内部電極の前記第1の端面側の端部と、前記第1の端面との間の距離をg2としたときに、
d1≦g2かつd2≦g1
を満足するセラミック積層体を準備する工程と、
前記第1の端面から前記側面の一部に回り込むように、及び、前記第2の端面から前記側面の一部に回り込むように、それぞれ導電性ペーストを付与し、焼き付けることにより、前記第1の端面及び前記第2の端面をそれぞれ覆い、かつ側面の一部に至る第1,第2の回り込み部をそれぞれ有する、第1の外部電極及び第2の外部電極を形成する工程とを備える積層型セラミック電子部品の製造方法であって、
前記導電性ペーストが、前記第1のマークの第1の引き出し部及び前記第2のマークの第2の引き出し部の前記各端部が露出するように、または前記導電ペーストの端部が前記第1のマークの第1の引き出し部の前記第2の端面側の端部及び前記第2のマークの第2の引き出し部の前記第1の端面側の端部と等しい位置に至るように、付与されることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−273728(P2007−273728A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97574(P2006−97574)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】