説明

積層体及び包装材料

【課題】アルミニウム箔等の金属箔上に、シーラント層を備えた積層体であって、特に、優れた初期強度を有し、かつ揮発性物質や各種強浸透性内容物が作用してもアルミニウム基材とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、さらには高度なガスバリア性を備えた積層体を提供する。
【解決手段】金属箔2上にプライマー層3、接着層4、シーラント層5をこの順で備え、前記プライマー層3は金属アルコキシドを含み、前記接着層4はイソシアネート化合物を含むことを特徴とする積層体とする。また、前記金属アルコキシドは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムのいずれかを含むこととする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム箔などの金属箔上に、接着層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体に関するものであって、特に、優れたラミネート強度を有し、かつ当該積層体を包装袋に成形し、この中に揮発性物質や各種強浸透性内容物を封入しても金属箔とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、さらには高度なガスバリア性を有することを特徴とする積層体及びこれを用いた包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や医薬品など外気と遮断し密閉する必要がある物品は、金属缶やガラス瓶に保存されていた。近年、環境に対する配慮やコスト意識の高まりにより、プラスチックフィルムからなる包装容器への代替が進められてきた。このような包装容器の材料としては、例えば、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/ポリエステル層/シーラント層のような各層が積層されてなる積層体が広く使用されてきた。この積層体のポリエステル層(プラスチック基材)へのシーラント層の積層(貼り合わせ)は、例えばポリエステルフィルムのポリエステル層積層面に層間接着のために二液硬化型ポリウレタン系などのアンカーコート剤を塗布してから、シーラント層となる樹脂を押出ラミネートすることにより行っていた。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性などを有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
【0003】
しかしながら、包装材料により包装される物品(被包装物)には、例えば香料や有機溶剤などの揮発性物質や、酸性物質、アルカリ性物質、界面活性剤、などの他の物質に影響を与えやすい物質(強浸透性物質)が含まれていることがある。強浸透性物質を含む物品のための包装材料として前述した積層体を使用した場合、ポリエステルフィルムとシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすことがあった。
【0004】
このようなデラミネーションの原因としては、上記した積層体のラミネート加工に際して使用されるアンカーコート剤(例えばポリエステルポリオールなどの主剤とイソシアネート化合物からなる硬化剤を配合した二液硬化型ポリウレタン系からなる接着層)に上記強浸透性内容物が悪影響を及ぼし、接着層の主剤樹脂成分の膨潤や分子量低下を招き、接着層の凝集力が低下したような時に起きるものと考えられる。
【0005】
このような状況の下、プラスチックフィルムを基材とする積層体において、揮発性物質や各種強浸透性内容物を含む物品を包装しても基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体の開発が強く望まれていた。
【0006】
そこで、ラミネート加工に際して接着層として使用されるアンカーコート剤の検討が種々行われている。例えば、特許文献1には、ポリエステル、ナイロンまたはポリプロピレンなどのプラスチック基材上に接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層がイソシアネート化合物からなる積層体が開示されている。
特許文献1に開示された積層体の接着層は、プラスチック基材に対して優れたラミネート強度を備えているので、これを包装袋として使用した場合、被包装物品に揮発性物質や各種強浸透性内容物が含まれていても、プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しないことが記載されている。
【0007】
このように、プラスチック基材とシーラント層との接着においては十分な強度を発現するイソシアネート化合物だが、アルミニウム箔等の金属箔とシーラント層との貼り合わせにおいてはラミネート強度が弱く、十分な初期強度が得られなかった。そのため、高いバリア性を必要とするためにアルミニウム箔を使用した積層体の構成においては、アルミニウム箔上にプラスチックフィルムの層を設け、これとシーラント層とを接着することになり、工程が煩雑になり、材料も必要になるためコストアップにつながっていた。
【特許文献1】特開2005−335374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、アルミニウム箔等の金属箔上に、シーラント層を備えた積層体であって、特に、優れた初期強度を有し、かつ揮発性物質や各種強浸透性内容物が作用してもアルミニウム基材とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、さらには高度なガスバリア性を備えた積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題点を解決するためになされた第1の発明は、金属箔上にプライマー層、接着層、シーラント層をこの順で備え、前記プライマー層は金属アルコキシドを含み、前記接着層はイソシアネート化合物を含むことを特徴とする積層体である。
【0010】
さらに、前記金属アルコキシドは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムのいずれかを含むことが好ましく、最も好ましくは前記金属アルコキシドが、シランカップリング剤であることである。
【0011】
また、前記イソシアネート化合物が、2官能イソシアネートモノマーあるいは2官能イソシアネートモノマーのアダクト(付加生成物)、ビウレット化合物、イソシアヌレートであることが好ましい。
さらに、前記接着層の厚みが1μm以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の積層体は、金属箔上にプライマー層、接着層、シーラント層をこの順で備え、前記プライマー層は金属アルコキシドを含み、前記接着層はイソシアネート化合物を含むため、プライマー層と接着層とで非常に薄くて緻密な層を形成することができ、金属箔とシーラント層とを強固に接着する。さらに、この積層体を包装材料として用いて内容物に強浸透性物質を含む物品を包装しても、接着層が強浸透性物質の影響をうけないので長期にわたり使用してもデラミネーションを起こすことがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の積層体の一実施例を示す断面図である。
【0014】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に本発明に係る積層体の模式的な断面図を示す。
本発明の積層体10は金属箔2上にプライマー層3、接着層4、シーラント層5をこの順で備えている。前記プライマー層3は金属アルコキシドを含み、前記接着層4はイソシアネート化合物を含むものである。ここでは、金属箔2は基材1上に積層されている。基材1と金属箔2との間には、図示しない他の接着層を備えていてもよい。
【0015】
本発明の積層体は金属箔2、プライマー層3、接着層4、シーラント層5を必須の層構成とし、金属箔2が積層体自体を支えるのに十分な強度を備えていればこの層構成でもよいが、金属箔2のプライマー層等形成面と反対側(他方の面)に、基材1が積層されていてもよい。
基材1としては、積層体を支持することができればよく、例えば厚み12μmのポリエステルフィルムを用いることができる。基材1と金属箔2の積層には、例えば接着剤を解して貼り合わせることができる。金属箔2の他方の面上に基材1を設けることで、積層体に適度な強度と可撓性を与えるとともに、金属箔2の傷つきや腐食を防ぐことができる。
【0016】
金属箔2としては例えばアルミニウム箔を用いることができる。
金属箔2は塗工液のぬれ性を向上させるため前処理としてコロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理などの表面処理を施しておいてもよく、さらに薬品処理、溶剤処理などの表面処理を施してもかまわない。
【0017】
金属箔2上にはプライマー層3が例えば塗布によって積層される。好ましい厚みは1μm以下である。プライマー層3の形成材料としては、金属アルコキシドを含むものが選択される。
【0018】
プライマー層3に含まれる金属アルコキシドは金属を含む。金属アルコキシドに含まれる金属としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムを使用することが可能である。このような金属アルコキシドとして、具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドなどが挙げられる。以上のように金属アルコキシドには種々あるが、取り扱い性、コストなどを考えればケイ素のアルコキシドがより好ましく使用可能であり、シランカップリング剤が最も好ましい。シランカップリング剤としてはテトラアルコキシドに限定されることはなく、イソシアネート基、エポキシ基、またはアミノ基などを含有するシランカップリング剤を適宜選定して使用するのがより好ましい。
【0019】
プライマー層3として使用される金属アルコキシドは、その分子中に金属箔2側のアルミニウムなど金属との結合をする部位と、接着層4やシーラント層5として積層される樹脂と反応する官能基とを有している。そのため、金属箔2と接着層4との間に強固な結合を形成することが可能である。
【0020】
金属箔2と接着層4との間に金属アルコキシドを含むプライマー層3を備えることで得られる強固な結合により、香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性の物品が本発明の積層体に作用しても、接着層4の凝集力が低下することはなく、金属箔2とシーラント層5との間のラミネート強度が低下することなく、十分な初期強度と強浸透性の物品に対する耐性をともに備えるようになる。
【0021】
プライマー層3の上には接着層4が例えば塗布によって積層される。接着層4の厚みは1μm以下が好ましい。接着層4の形成材料としてはイソシアネート化合物を含むものが選択される。
【0022】
接着層4に含まれるイソシアネート化合物は、その分子中にイソシアネート基を有する化合物である。このような化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーが具体的に挙げられる。なかでも分子中にイソシアネート基を2つ備えた2官能イソシアネートモノマー(ジイソシアネート)が好ましい。
また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクト(付加生成物)タイプや、水と反応させたビウレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど、3官能性のジイソシアネート誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体も好ましい。
【0023】
接着層4の上にはシーラント層5が例えばTダイ押出しによって積層される。シーラント層5を構成する材料としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などからなる層である。具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが具体的に挙げられる。これらの構成材料には、必要に応じて各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加しても構わない。
【0024】
以上、本発明に係る積層体について説明したが、本発明の積層体は上記のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であってもよい。特に、本発明の積層体は、その外層に他の層を介在させ、一例としてポリエステル層/(他の)接着層/金属箔/プライマー層/接着層/シーラント層のような構成例で使用できる。
【0025】
次に、上記構成の積層体の製造方法の一例について述べる。
はじめに、最外層となる基材1としてポリエステルフィルム(PET)、金属箔2としてアルミ箔を用い、この基材1と金属箔2とを、二液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネーターによりラミネートを行う。
このようにして得られた基材/(他の)接着層/金属箔の金属箔上に、IPA(イソプロパノール)を希釈溶剤として用いた金属アルコキシドを含む塗工液をコーターで塗工してプライマー層を形成する。プライマー層形成用溶液中に占める金属アルコキシドの固形分割合は好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。
次いで、プライマー層の上に、酢酸エチルを希釈溶剤として用いたイソシアネート化合物を含む塗工液を押出しラミネーターのアンカーコート剤塗工部によって塗工し、オーブンにて乾燥して接着層を形成する。このとき接着層の厚みは1μm以下が好ましい。接着層形成用溶液中に占めるイソシアネート化合物の固形分割合は好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。
このようにして得られた基材/金属箔/プライマー層/接着層の接着層上に、例えばTダイからの押出しによってポリエチレンを積層し、シーラント層を形成する。
以上のようにして、基材/金属箔/プライマー層/接着層/シーラント層からなる本発明の積層体を得ることができる。
【0026】
以上のような作製方法によれば、金属箔2と接着層4間、および接着層4とシーラント層5間の初期強度が良好で、かつシーラント層側から強浸透性物質に暴露されても金属箔2とシーラント層5間のラミネート強度の低下のない積層体を得ることが可能となった。以下、本発明の実施例を述べる。
【実施例1】
【0027】
基材と金属箔を接着剤で張り合わせ、金属箔上にプライマー層を0.5μmの厚みで塗工後、プライマー層上に接着層を1μmの厚みで塗工し、接着層上に押出ラミネーションによってシーラント層を20μmの厚みで積層して実施例1乃至3の積層体を得た。
使用した材料は以下の通りである。
[実施例1]
基材:ポリエステルフィルム(12μm)
金属箔:アルミニウム箔(7μm)
プライマー層形成用材料:イソシアネート系シランカップリング剤 0.5質量部
酢酸 1質量部
IPA 98.5質量部
接着層形成用材料:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビュレット 5質量部
酢酸エチル 95質量部
シーラント層:低密度ポリエチレン
【0028】
[実施例2]
基材:ポリエステルフィルム(12μm)
金属箔:アルミニウム箔(7μm)
プライマー層形成用材料:エポキシ系シランカップリング剤 0.5質量部
酢酸 1質量部
IPA 98.5質量部
接着層形成用材料:トリレンジイソシアネート(TDI)アダクト 5質量部
酢酸エチル 95質量部
シーラント層:低密度ポリエチレン
【0029】
[実施例3]
基材:ポリエステルフィルム(12μm)
金属箔:アルミニウム箔(7μm)
プライマー層形成用材料:アミノ系シランカップリング剤 0.5質量部
酢酸 1質量部
IPA 98.5質量部
接着層形成用材料:イソホロンジイソシアネート(IPDI)アダクト 5質量部
酢酸エチル 95質量部
シーラント層:低密度ポリエチレン
【0030】
[比較例1]
プライマー層を設けない他は、実施例1と同様にして比較例1の積層体を製造した。
基材:ポリエステルフィルム(12μm)
金属箔:アルミニウム箔(7μm)
接着層形成用材料:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ビュレット 5質量部
酢酸エチル 95質量部
シーラント層:低密度ポリエチレン
【0031】
[比較例2]
プライマー層を設けない他は、実施例2と同様にして比較例2の積層体を製造した。
基材:ポリエステルフィルム(12μm)
金属箔:アルミニウム箔(7μm)
接着層形成用材料:トリレンジイソシアネート(TDI)アダクト 5質量部
酢酸エチル 95質量部
シーラント層:低密度ポリエチレン
【0032】
[比較例3]
プライマー層を設けない他は、実施例3と同様にして比較例3の積層体を製造した。
基材:ポリエステルフィルム(12μm)
金属箔:アルミニウム箔(7μm)
接着層形成用材料:イソホロンジイソシアネート(IPDI)アダクト 5質量部
酢酸エチル 95質量部
シーラント層:低密度ポリエチレン
【0033】
実施例1乃至3及び比較例1乃至3で得られた積層体について、それぞれ、金属箔とラミネート層との間の層間ラミネート強度[N/15mm]を測定した。結果を[ラミネート強度 初期]として表1に示す。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。
【0034】
また、実施例1乃至3及び比較例1乃至3で得られた積層体について、それぞれ、50℃において3日間エージングを経た後にこれを用いてシーラント層を内側にして包装袋(パウチ)を作製し、固形入浴剤を充填して密封し、40℃の恒温室に静置した。固形入浴剤は強浸透性物質として揮発性の香料成分を含有している。
恒温室で1ヶ月経過の後、これらの包装袋を恒温室から取り出し、それぞれの包装袋を構成する積層体について金属箔とラミネート層との間の層間ラミネート強度[N/15mm]を測定した。結果を[ラミネート強度 試験後]として表1に示す。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示したとおり、実施例1乃至3に係る積層体は、初期の層間ラミネート強度が充分に高かった。また、試験後においても層間ラミネート強度の低下はほとんどみられなかった。
【0037】
比較例1乃至3に係る積層体も、初期の層間ラミネート強度は充分に高かった。しかし、試験後においては層間ラミネート強度の著しい低下がみられた。
これらの結果から、本発明の積層体は、強浸透性物質、特に揮発性の香料成分を含む物品の包装に適していることが示された。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・・・・基材
2・・・・・・・金属箔
3・・・・・・・プライマー層
4・・・・・・・接着層
5・・・・・・・シーラント層
10・・・・・・積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔上にプライマー層、接着層、シーラント層をこの順で備え、前記プライマー層は金属アルコキシドを含み、前記接着層はイソシアネート化合物を含むことを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記金属アルコキシドは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムのいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記金属アルコキシドが、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記イソシアネート化合物が、2官能イソシアネートモノマーあるいは2官能イソシアネートモノマーのアダクト、ビウレット化合物、イソシアヌレートであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の積層体。
【請求項5】
前記接着層の厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の積層体。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の積層体を用いた包装材料。

【図1】
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【公開番号】特開2012−121151(P2012−121151A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271345(P2010−271345)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】