説明

積層体

【課題】樹脂フィルムに薄膜を積層した積層体であって、酸素透過率が低い積層体を提供することにある。
【解決手段】樹脂フィルムの少なくとも一方の面に3層以上の層を有してなり、該3層のそれぞれが樹脂フィルムに近い側から順に、無機層、数平均粒径が5μm以下でありアスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物を含有した樹脂からなる層、樹脂からなる層であることを特徴とする積層体。該無機層が金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物または金属酸窒化物からなる無機層である前記の積層体。前記いずれかに記載の積層体を有することを特徴とするディスプレイ用基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルムに薄膜を積層した積層体は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイの前面側および背面側のディスプレイ用基板として用いられている。ディスプレイ用基板としては、従来からガラス板からなる基板が実用化されているが、より軽量で破損しにくい樹脂板からなる基板が望まれている。しかしながら、樹脂は酸素の遮断性が十分ではなく、樹脂板からなる基板を透過してディスプレイ内部に入り込んだ酸素により、ディスプレイが劣化するという問題点があった。そこで、樹脂フィルムに酸素遮断性を有する層として金属酸化物層を積層してなる積層体をディスプレイ用基板として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−119171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この積層体の酸素遮断性は十分ではなく、酸素透過率は0.2cc/atm・m2・day程度であり、さらに低い酸素透過率を有する積層体が求められていた。
本発明の目的は、樹脂フィルムに薄膜を積層した積層体であって、酸素透過率が低い積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者らは、上記課題を検討すべく、積層体について鋭意検討した結果、積層体が、樹脂フィルムと、その少なくとも一方の面に3層以上の層を有し、その3層が特定の3層である場合に、該積層体の酸素透過率が低くなることを見出し、本発明を完成させるに到った。
【0006】
すなわち本発明は、下記の積層体、ディスプレイ用基板、ディスプレイを提供するものである。
<1>樹脂フィルムの少なくとも一方の面に3層以上の層を有してなり、該3層のそれぞれが樹脂フィルムに近い側から順に、金属窒化物からなる無機層、数平均粒径が5μm以下でありアスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物を含有した樹脂からなる層、樹脂からなる層であることを特徴とする積層体。
<2>前記無機層はスパッタリングにより形成された層である前記の積層体。
<3>無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の樹脂層を構成する樹脂が、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂および液晶樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である前記の積層体。
<4>樹脂からなる層を構成する樹脂が、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂および液晶樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である前記いずれかに記載の積層体。
<5>無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の樹脂層を構成する樹脂と樹脂からなる層を構成する樹脂とが同じ樹脂である前記いずれかに記載の積層体。
<6>前記樹脂からなる層は、前記無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の上に接して形成されることを特徴とする、請求項請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
<7>無機層状化合物がスメクタイト、カオリナイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライトおよびタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機層状化合物である前記いずれかに記載の積層体。
<8>無機層状化合物が、実質的に面方向に配向して含有されている前記いずれかに記載の積層体。
<9>可視光の透過率が80%以上である前記いずれかに記載の積層体。
<10>樹脂フィルムの厚さが20μm以上1000μm以下であり、無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の厚さが1nm以上10μm以下である前記いずれかに記載の積層体。
<11>前記いずれかに記載の積層体を有することを特徴とするディスプレイ用基板。
<12>前記のディスプレイ用基板を有することを特徴とするディスプレイ。
【発明の効果】
【0007】
本発明の積層体は酸素透過率が低くかつ軽量であり、さらにその表面が平坦性に優れているため、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に用いられるディスプレイ用基板に有用であり、本発明の積層体を有するディスプレイ用基板は、劣化が少なく耐久性があり、しかも軽量なディスプレイを与えるので、本発明は工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の積層体は、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に3層以上の層を有して構成される樹脂板からなり、該3層が樹脂フィルムに近い側から順に、無機層、数平均粒径が5μm以下でありアスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物を含有した樹脂からなる層、樹脂からなる層であることを特徴とし、理由は明らかではないが、このような構成を有する積層体は、酸素透過率が低いのである。
【0009】
ここで、本発明の積層体に用いられる樹脂フィルムとして特に限定は無く、透明なものが好ましい。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、具体的には、ポリエチレン(低密度、高密度)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体;ポリメチルメタクリルイミドなどのアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリルなどのスチレン−アクリロニトリル系樹脂;トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロースなどの疎水化セルロース系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのハロゲン含有樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース誘導体などの水素結合性樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、液晶樹脂などのエンジニアリングプラスチック系樹脂のフィルムが挙げられる。
【0010】
そして、本発明の積層体に用いられる樹脂フィルムの樹脂のTgは、150℃以上が好ましく、より好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上である。
【0011】
この樹脂フィルムの厚さは、通常は20μm以上1000μm(1mm)以下の範囲であり、20μm以上500μm以下の範囲がより好ましく、20μm以上300μm以下の範囲がさらに好ましい。
【0012】
本発明の積層体は、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、無機層を有してなる。
【0013】
本発明に用いられる無機層としては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物または金属酸窒化物からなる無機層で、薄膜層であって空気中で安定なものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化インジウム、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム錫酸化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、及びそれらの組合せの薄膜層が挙げられる。より好ましくは、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、さらに好ましくは、より酸素透過率を低くする意味で、酸窒化ケイ素の薄膜層である。
【0014】
本発明に用いられる無機層の厚みは、1nm以上1000nm(1μm)以下が好ましく、さらに好ましくは10nm以上500nm以下である。1nm未満であると酸素透過率が高くなる傾向があり、1000nmより厚いと、本発明の積層体を透明なディスプレイ用基板として用いる場合における光の透過率が低下する傾向がある。
【0015】
そして、本発明の積層体は、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、前記無機層の上にさらに、数平均粒径が5μm以下でありアスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物を含有した樹脂からなる層(以下、「無機含有層」ということがある。)を有してなる。
【0016】
本発明における無機含有層に用いられる無機層状化合物は、後述する方法により測定したアスペクト比が50以上5000以下であり、数平均粒径が5μm以下である。上記アスペクト比が50未満では、酸素透過率が上昇する傾向がある。一方アスペクト比が5000を越える無機層状化合物を得ることは技術的に難しい。製造容易性の点からは、アスペクト比は50以上2000以下がより好ましく、100〜1000の範囲がさらに好ましい。
【0017】
ここで、本発明で用いられる無機層状化合物のアスペクト比(Z)は、Z=L/aなる関係で示される。Lは、溶媒中、動的光散乱法により求めた数平均粒径であり、例えば「粒子径計測技術」(1994年、粉体工学会編)の第169頁〜第179頁を参照することで求めることができ、具体的な測定装置としては、動的光散乱式粒径分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LB−550型)を挙げることができる。aは、無機層状化合物の単位厚みである。単位厚みaは、粉末X線回折法によって無機層状化合物の回折ピークを測定して算出することができる値である。
【0018】
さらに、得られる積層体の酸素透過率をより低くする観点から、無機層状化合物の数平均粒径は50nm以上2μm以下の範囲が好ましく、200nm以上1μm以下の範囲がより好ましく、400nm以上800nm以下の範囲がさらにより好ましい。
【0019】
無機層状化合物とは、単位結晶層が互いに積み重なった層状構造を有している無機化合物をいい、溶媒に膨潤・へき開性を有する粘土鉱物が好ましく用いることができる。具体的には、モンモリロナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、サポナイト、バイデライト等のスメクタイト、あるいは、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石を挙げることができる。好ましくは、後述の分散の観点から、スメクタイト、カオリナイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライトおよびタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機層状化合物である。
【0020】
本発明の無機含有層を構成する樹脂としては、前記樹脂フィルムを構成する樹脂と同様の樹脂を挙げることができ、好ましくは、耐熱性の観点で、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂および液晶樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、さらに好ましくは、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂である。さらにより好ましくは、さらに水蒸気透過率も低くする意味で、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体である。
【0021】
この無機含有層において、無機層状化合物と樹脂との組成比(体積比)は、通常は、無機層状化合物/樹脂の体積比が5/95〜90/10の範囲であり、体積比が5/95〜50/50の範囲であることが好ましい。また、5/95〜30/70の範囲では膜の柔軟性がよくなり、7/93〜17/83の範囲では折れ曲げによる酸素透過率の上昇が小さくなるか、あるいは剥離強度が強くなるなどの利点が現れることがある。無機層状化合物の体積分率が5/95より小さい場合には、酸素透過率が上昇する傾向があり、90/10より大きい場合には製膜性が良好ではないおそれがある。
【0022】
本発明の積層体の可視光の透過率が80%以上となるので、この無機含有層の厚さは、10μm以下が好ましく、さらに1μm以下がより好ましい。酸素透過率が高くなる傾向があるので、この厚さは10nm以上であることが好ましい。なお、ここでいう可視光とは、波長が400〜800nmの範囲の光をいう。
【0023】
本発明の積層体は、樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、樹脂フィルムに近い側から順に、無機層と、無機含有層と、さらに樹脂からなる層を有してなる。
【0024】
この樹脂からなる層を構成する樹脂としては、透明なものが好ましく、具体的には、前記樹脂フィルムを構成する樹脂と同様の樹脂からなる層がより好ましいものとして挙げることができ、さらに好ましくは耐熱性の観点から、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂および液晶樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、さらにより好ましくは、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂である。特に好ましくは、さらに水蒸気透過率も低くする意味で、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体である。
【0025】
また、本発明の積層体において、前記の無機含有層を構成する樹脂と前記の樹脂からなる層を構成する樹脂とは、同じ樹脂であることが好ましい。
【0026】
この樹脂からなる層の厚さは、通常は1nm以上500μm以下の範囲であり、100nm以上10μm以下の範囲がより好ましい。
【0027】
このように構成される本発明の積層体としては、可視光線の透過率が80%以上であれば、ディスプレイ用基板として用いる場合に、ディスプレイの背面側基板としてのみならず、前面側(視認される表示側)基板として用いることができるので、好ましい。
【0028】
また、本発明の積層体はその表面が平坦性に優れているため、該積層体をディスプレイ用基板として用いる場合には、該積層体の表面に透明導電膜、反射防止膜、耐磨耗性膜等の膜を容易に積層して用いることができる。ここで表面とは、本発明の積層体における樹脂からなる層側の表面である。
【0029】
なお、本発明の積層体を構成する各層および樹脂フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤等が含有されてもよい。
【0030】
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。
本発明の積層体は、樹脂フィルムの上に、無機層と、無機含有層と、樹脂からなる層とをこの順で順次形成して製造することができる。
【0031】
まず、前記物質からなる無機層の形成方法としては、特に限定されず、工業的に通常用いられる真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法およびゾル−ゲル法などが挙げられる。
【0032】
次に、無機含有層を形成する方法としては、工業的に通常用いられる方法により形成することができ、例えば、無機層を形成した樹脂フィルムに、無機層状化合物と樹脂と溶媒との混合物を塗布し、乾燥し、熱処理を行うコーティング方法や、無機層状化合物を含む層をラミネートする方法により形成することができる。コーティング方法としては、ダイレクトグラビア法;リバースグラビア法;マイクログラビア法;2本ロールビートコート法やボトムフィード3本リバースコート法等のロールコーティング法;ドクターナイフ法;ダイコート法;ディップコート法;バーコーティング法;およびこれらを組み合わせたコーティング法などの方法が挙げられる。ラミネートする場合は、無機層を形成した樹脂フィルムと無機含有層の両者のこれから接合する表面には、コロナ処理やアンカーコート剤などの処理を行ってもよい。
【0033】
ここで、無機層状化合物は、そのそれぞれの粒子の多くが、その最大の面を積層体の面と略平行になるように配向(これを「面方向に配向」という。)していることが好ましい。無機層状化合物が配向している場合には、積層体の酸素透過率がさらに低くなる傾向がある。そこで、塗布の方法としては、無機層状化合物の粒子を面方向に配向させるよう、フレキシブルディスプレイ用基板の面と平行方向に働く力(シェア)をかける方法であるロールコーティング法およびドクターナイフ法が好ましい。
【0034】
無機層状化合物と樹脂と溶剤の混合物は、無機層状化合物および樹脂としては前記のものを用いて、例えば、樹脂を溶媒に溶解させた液と、無機層状化合物を溶媒により膨潤・へき開させて得られる分散液とを混合する方法、無機層状化合物を溶媒により膨潤・へき開させて得られる分散液を樹脂に添加して溶解させる方法、樹脂を溶媒に溶解させた液に無機層状化合物を加え膨潤・へき開させる方法、また樹脂と無機層状化合物を加熱混練して得られた混練物を溶媒に溶解および分散させる方法により製造することができ、前三者が好ましい。
【0035】
溶媒は、無機層状化合物を膨潤させることができるものが好ましく、例えば、水、メタノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、アセトン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0036】
無機層状化合物を膨潤・へき開させた分散液を製造するに際し、無機層状化合物の分散性を向上するために、無機層状化合物の表面処理を行うことが好ましい。表面処理剤としては、4級アンモニウム塩などが用いられる。
【0037】
次に、無機層と、無機含有層とを形成した樹脂フィルムに、さらに樹脂からなる層を形成する。
樹脂からなる層を形成する方法としては、前記の無機含有層を形成する方法と同様に、無機層と無機含有層とを形成した樹脂フィルムの無機含有層の上に、樹脂を含む塗工液を塗布し、乾燥し、熱処理を行うコーティング方法や、樹脂からなる層を後からラミネートする方法により形成することができる。具体的なコーティング方法としては、無機含有層を形成する場合と同様の方法が挙げられる。無機含有層上に樹脂からなる層をラミネートする場合は、両者の界面はコロナ処理やアンカーコート剤などの処理を行ってもよい。
【0038】
このような本発明の積層体をディスプレイ用基板として用いてなるディスプレイの例として、フレキシブル有機ELディスプレイの製造方法を説明する。
フレキシブル有機EL素子は、少なくとも一方が透明である一対の陽極および陰極からなる電極間に発光層を有する。陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた有機EL素子(陽極/発光層/電子輸送層/陰極)(ここで、「/」は各層が隣接して積層されていることを示す。)、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた有機EL素子(陽極/正孔輸送層/発光層/陰極)、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた有機EL素子等が挙げられる(陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極)。例えば透明または不透明のディスプレイ用基板上に陽極を、透明または不透明のディスプレイ用基板に陰極を形成し(ただしいずれか一方は透明)、陽極を形成したディスプレイ用基板上に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順次成膜し、最後に陰極を形成したディスプレイ用基板を上記各層を挟むように電極が上記各側に向くようにして重ね、端部を封止してディスプレイを製造することができる。
【0039】
発光層に用いる有機EL材料としては、低分子化合物でも高分子化合物を用いることができ、塗布の容易性の点では、高分子化合物が好ましく用いられる。低分子化合物では、例えば特開昭57−51781号公報、同59−194393号公報に記載されているように、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などが用いられ、発光層は、粉末からの真空蒸着法により、または溶液を塗布し乾燥して形成する。
【0040】
有機EL材料となる高分化合物としては、上記ポリ(p−フェニレンビニレン)以外にも、ポリフルオレン(ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Jpn.J.Appl.Phys.)第30巻、L1941頁(1991年))、ポリパラフェニレン誘導体(アドバンスト・マテリアルズ(Adv.Mater.)第4巻、36頁(1992年))などが用いられている。
【0041】
正孔輸送層に用いる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等が用いられ、正孔輸送層の膜は、高分子バインダーとの混合溶液を塗布し、乾燥して形成する。
【0042】
電子輸送層に用いる電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が用いられ、電子輸送層は、粉末からの真空蒸着法、または溶液を塗布し、乾燥して形成することができる。
【0043】
さらに陽極と陰極が必要であり、陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド、金、白金、銀、銅等が用いられ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法により陽極を作製する。また、陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0044】
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられ、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法により陰極膜を作製することができる。
【0045】
これらの陽極と陰極の配置により、さまざまなパターンで発光させることができる。面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、特定のパターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にその特定のパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極を特定のパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。さらに、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。発光色の異なる複数の蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いれば、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動してもよく、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。
【0046】
これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【実施例】
【0047】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
酸素透過率は、酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/20型)により測定した。
水蒸気透過率は、水蒸気透過度測定装置(Lyssy L80−5000)により測定した。
また、積層体の表面の平坦性は、表面平均粗さ(Ra)の値により評価した。ここで、表面平均粗さとは、日本規格協会発行のJIS B 0601(平成13年1月20日改正)の段落[4.2.1]に記載の算術平均粗さに相当する値であり、樹脂層表面の断面曲線の平均線から求める値であり、セイコーインスツルメント社製の原子間力顕微鏡(装置名:Nanopics)を用いて測定した。
可視光の透過率は、大塚電子株式会社製の膜厚測定システム(装置名:MCPD−100)を用いて測定した。
【0048】
比較例1
<第1バリア層成膜>
厚み200μmのポリエーテルサルホン(PES)基板に、SiOxyを(シリコンの酸窒化物)スパッタリングにより120℃で厚さが30nmとなるように成膜し(酸素流量:窒素流量は3:2)、これを第1バリア層(酸素遮断性の層)とした。
【0049】
<塗工液(1)調製>
イオン交換水1000gにポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117H(商品名))100gを入れ、低速攪拌下(1500rpm、周速度約4m/秒)で95℃に昇温し、1時間攪拌して溶解させることにより、塗工液(1)を得た。
【0050】
<第2バリア層成膜>
第1バリア層の上に、塗工液(1)をバーコーター(テスター産業製、SA−203型)を用いて、乾燥後の厚さが150nmとなるように塗工し、ポリビニルアルコール層を成膜した。乾燥はホットプレートを用いて190℃で1分間保持して行った。
【0051】
<積層体の評価>
得られた基板の酸素透過率を23.5℃、60%RH(相対湿度)下で測定した結果、2.9cc/atm・m2・dayと高い値を示し、さらにSiOxy層とポリビニルアルコールの間で容易に剥離を生じた。
【0052】
実施例1
<第1バリア層成膜>
厚み200μmのポリエーテルサルホン(PES)基板に、SiOxyをスパッタリングにより120℃で厚さが30nmとなるように成膜し(酸素流量:窒素流量は3:2)、これを第1バリア層とした。
【0053】
<塗工液(2)調製>
イオン交換水1000gにポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117H(商品名))100gを入れ、低速攪拌下(1500rpm、周速度約4m/秒)で95℃に昇温し、1時間攪拌して溶解させることにより、溶液(2)を得た。続いて、該溶液(2)を攪拌したまま65℃まで温度を下げた後、該溶液(2)に、イオン交換水400gと1−ブタノール94gとを予め混合してなるアルコール水溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、65℃でさらに無機層状化合物として高純度の天然モンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアG(商品名)、数平均粒径500nm、アスペクト比は200以上)を粉末のまま50g添加し、撹拌条件を高速攪拌(3000rpm、周速度約8m/秒)に切替えて90分間撹拌、分散させることにより、樹脂組成物混合液(2)を得た。次に、超高圧ホモジナイサー(Microfluidics Corporation製、M110−E/H型)に樹脂組成物混合液(2)を通し、1.750kgf/cm2で1回処理することで、分散性が良好で均一な塗工液(2)を得た。塗工液(2)の固形分濃度は約7.6重量%であった。
【0054】
<第2バリア層成膜>
第1バリア層の上に、塗工液(2)をバーコーター(テスター産業製、SA−203型)を用いて無機層状化合物を含有したポリビニルアルコールからなる層を厚さ150nmになるように成膜した。乾燥はホットプレートにより190℃で1分間保持して行った。
【0055】
<塗工液(1)調製>
イオン交換水1000gにポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA117H(商品名))100gを入れ、低速攪拌下(1500rpm、周速度約4m/秒)で95℃に昇温し、1時間攪拌して溶解させることにより、塗工液(1)を得た。
【0056】
<第3バリア層成膜>
第2バリア層の上に、塗工液(1)をバーコーター(テスター産業製、SA−203型)を用いて厚さが150nmとなるように塗工し、ポリビニルアルコール層を成膜した。
乾燥はホットプレートを用い、190℃で1分間保持して行った。
【0057】
<積層体の評価>
得られた樹脂板からなる積層体の酸素透過率を23.5℃、60%RH下で測定した結果、1×10-3cc/atm・m2・day以下と低い値を示した。また水蒸気透過率は40℃で2.0g/atm・m2・dayと低い値を示した。可視光の透過率は、400〜800nmの範囲のいずれの波長においても80%以上であり、例えば、波長550nmの光の透過率は90.6%であった。また、SiOxy層とポリビニルアルコールの間の剥がれは生じなかった。得られた樹脂板からなる積層体の断面をSEMにより観察し、第2バリア層の中の層状化合物が配向していることを確認した。また積層体の表面平均粗さ(Ra)の値は0.2nmであり、表面が平坦性に優れていることがわかった。
【0058】
実施例2
<第1バリア層成膜>
厚み200μmのポリエーテルサルホン(PES)基板に、SiOxyをスパッタリングにより120℃で厚さが30nmとなるように成膜し(酸素流量:窒素流量は3:2)、これを第1バリア層とした。
【0059】
<塗工液(3)調製>
トルエン80gにエチレン―ノルボルネン共重合体((株)JSR製、ARTON F5023(商品名))20gを入れ、低速攪拌下、室温で4時間攪拌して溶解させ、樹脂溶液(3)を得た。また、トルエン47.5gに有機修飾天然モンモリロナイト((株)ホージュン製、エスベン(商品名)、数平均粒径560nm、アスペクト比は200以上)を粉末のまま2.5gを入れ、低速攪拌下、氷水で冷却しながらホモジナイザーで分散し(10000rpm、10min)、分散液(3)を得た。該樹脂溶液(3)と分散液(3)を10:17の重量比で混合し、攪拌3min脱泡2min行い、分散性が良好で均一な塗工液(3)を得た。塗工液(3)の固形分濃度は約10.6重量%であった。
【0060】
<第2バリア層成膜>
第1バリア層の上に、塗工液(3)をバーコーター(テスター産業製、SA−203型)を用いて無機層状化合物を含有したエチレン―ノルボルネン共重合体からなる層を厚さ150nmになるように成膜した。乾燥はホットプレートにより60℃で10分間保持して行った。
【0061】
<塗工液(4)調製>
トルエン80gにエチレン―ノルボルネン共重合体((株)JSR製、ARTONF5023(商品名))20gを入れ、低速攪拌下、室温で4時間攪拌して溶解させ、塗工液(4)を得た。
【0062】
<第3バリア層成膜>
第2バリア層の上に、塗工液(4)をバーコーター(テスター産業製、SA−203型)を用いて厚さが150nmとなるように塗工し、エチレン―ノルボルネン共重合体層を成膜した。乾燥はホットプレートを用い、60℃で10分間保持して行った。
【0063】
<積層体の評価>
得られた樹脂板からなる積層体の酸素透過率を23.5℃、60%RH下で測定した結果、1×10-3cc/atm・m2・day以下と低い値を示した。また水蒸気透過率は40℃で0.6g/atm・m2・dayと低い値を示した。可視光の透過率は、400〜800nmの範囲のいずれの波長においても80%以上であり、例えば、波長550nmの光の透過率は82.6%であった。また、SiOxy層とエチレン―ノルボルネン共重合体層間の剥がれは生じなかった。得られた樹脂板からなる積層体の断面をSEMにより観察し、第2バリア層の中の層状化合物が配向していることを確認した。また積層体の表面平均粗さ(Ra)の値は0.7nmであり、表面が平坦性に優れていることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムの少なくとも一方の面に3層以上の層を有してなり、該3層のそれぞれが樹脂フィルムに近い側から順に、金属窒化物からなる無機層、数平均粒径が5μm以下でありアスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物を含有した樹脂からなる層、樹脂からなる層であることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記無機層はスパッタリングにより形成された層であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
【請求項3】
無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の樹脂層を構成する樹脂が、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂および液晶樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1または2記載の積層体。
【請求項4】
樹脂からなる層を構成する樹脂が、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチレン−ドモン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂および液晶樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の樹脂層を構成する樹脂と樹脂からなる層を構成する樹脂とが同じ樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
【請求項6】
前記樹脂からなる層は、前記無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の上に接して形成されることを特徴とする、請求項請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
【請求項7】
無機層状化合物がスメクタイト、カオリナイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライトおよびタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機層状化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の積層体。
【請求項8】
無機層状化合物が、実質的に面方向に配向して含有されている請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
【請求項9】
可視光の透過率が80%以上である請求項1〜8のいずれかに記載の積層体。
【請求項10】
樹脂フィルムの厚さが20μm以上1000μm以下であり、無機層状化合物を含有した樹脂からなる層の厚さが1nm以上10μm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の積層体。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の積層体を有することを特徴とするディスプレイ用基板。
【請求項12】
請求項11に記載のディスプレイ用基板を有することを特徴とするディスプレイ。

【公開番号】特開2011−16370(P2011−16370A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209072(P2010−209072)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【分割の表示】特願2005−215435(P2005−215435)の分割
【原出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】