説明

空気入りラジアルタイヤ

【課題】本発明の目的は、乗り心地性能および操縦安定性を向上させることが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【解決手段】本発明の空気入りラジアルタイヤは、クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方を備える空気入りラジアルタイヤであって、該クリンチ部および該ブレーカークッション部の少なくとも一方は、ゴム成分と、このゴム成分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の紙繊維と、を含むゴム組成物により形成され、かつ、該クリンチ部および該ブレーカークッション部の少なくとも一方は、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%で測定されるタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.5以上に設定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タイヤの操縦安定性を向上させることを目的として、タイヤのクリンチ部やブレーカークッション部の剛性を向上させることが試みられてきた。しかし、これらの部位の剛性を単に向上させただけでは乗り心地が悪化し、タイヤの商品価値は低下する。
【0003】
そこで、この点を改良するべくタイヤのトレッド部の複素弾性率を規定したり(特許文献1)、トレッドゴムやサイドウォールゴムに紙繊維を配合する(特許文献2)ことが提案されているが、乗り心地性能と操縦安定性とをさらに向上させることが要求されている。
【特許文献1】特開2006−213193号公報
【特許文献2】特開2006−306955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、乗り心地性能および操縦安定性をさらに向上させることが可能な空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方を備える空気入りラジアルタイヤであって、該クリンチ部および該ブレーカークッション部の少なくとも一方は、ゴム成分と、このゴム成分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の紙繊維と、を含むゴム組成物により形成され、かつ、該クリンチ部および該ブレーカークッション部の少なくとも一方は、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%で測定されるタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.5以上に設定されていることを特徴とする。
【0006】
また、該クリンチ部および該ブレーカークッション部の少なくとも一方は、タイヤ周方向の引張強度が10MPa以上であることが好ましく、該クリンチ部を形成する該ゴム組成物に含まれる上記ゴム成分は、天然ゴムと合成ゴムとを含み、天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率が20質量%以上900質量%以下であることが好ましく、該ブレーカークッション部を形成する該ゴム組成物に含まれる上記ゴム成分は、天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率が0質量%以上200質量%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記の構成を有することにより、優れた乗り心地性能と優れた操縦安定性とを高度に両立させたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<空気入りラジアルタイヤ>
本発明の空気入りラジアルタイヤは、クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方(すなわち、クリンチ部およびブレーカークッション部のいずれか一方または両方)を備えたものである。すなわち、本発明の空気入りラジアルタイヤは、このようなクリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方を備える限り、従来公知のいかなる構造を有する空気入りラジアルタイヤをも含むものである。
【0009】
ここでクリンチ部とは、トレッド部に対してタイヤ半径方向内方に延びるサイドウォール部の内方端に位置するビード部の一部であって、リムに接する部位をいう。また、ブレーカークッション部とは、トレッド部の内側に設けられたブレーカーのタイヤ軸方向外方端に隣接し、このブレーカーの外方端とカーカスとの間に位置する部位または該ブレーカーとカーカスとの間であって、該ブレーカーの内側全体に亘って配置される部位をいう。以下、図1を例示しつつ、このようなクリンチ部およびブレーカークッション部を備える空気入りラジアルタイヤについてさらに説明する。
【0010】
すなわち、このような空気入りラジアルタイヤ1は、図1に例示されるように、トレッド部2と、そのトレッド部2に接してタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを備える構造を有するのが一般的である。そして、それらのビード部4間にはカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部2の内側にはタガ効果を有してトレッド部2を補強するブレーカー7が配される。
【0011】
上記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば70〜90°の角度で配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、上記トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。
【0012】
上記ブレーカー7は、ベルトコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配列した2枚以上のベルトプライからなり、各ベルトコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置されており、そのタイヤ軸方向外方端とカーカス6との間にはブレーカークッション部10が形成されている(なお、図示しないがこのようなブレーカークッション部10は、ブレーカー7の内側全体に亘って形成される場合もある)。
【0013】
またビード部4には、ビードコア5から半径方向外方に延びるビードエイペックスゴム8が配されるとともに、カーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム9が隣設され、カーカス6の外側は、リムと接するクリンチ部11およびサイドウォールゴム3Gで保護される。
【0014】
このような本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の用途に適用され得る。
【0015】
<クリンチ部/ブレーカークッション部>
本発明のクリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方は、ゴム成分と、このゴム成分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の紙繊維と、を含むゴム組成物により形成され、かつ、このクリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方は、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%で測定されるタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.5以上に設定されている。なお、タイヤラジアル方向とは、タイヤ周方向に対して直角となる方向をいう。
【0016】
一般に自動車の操縦安定性を向上させるためにはタイヤを高剛性化することが有効であるが、単に高剛性化するのみでは乗り心地性能を低下させてしまう。そこで本発明は、当該クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方においてタイヤ周方向の高剛性化を行なって操縦安定性を確保するとともに、タイヤラジアル方向においてはタイヤ周方向に比べて比較的低剛性とすることにより乗り心地性能を向上させようとするものである。そして、このような諸特性の向上を単に複素弾性率の制御のみにより達成するのではなく当該部位を構成するゴム組成物の組成を選択することにより、これら両者の相乗作用によって達成したものである。これにより、路面の凹凸による振動を効果的に吸収し極めて良好な乗り心地性能を確保することができ、以って本発明の空気入りラジアルタイヤにおいては乗り心地性能を維持しつつ操縦安定性を向上させることに成功したものである。
【0017】
複素弾性率の比E*a/E*bが1.5以上である場合、乗り心地性能と操縦安定性とがいずれも良好であり、かつ性能のバランスも良好となる。このE*a/E*bは、さらに1.6以上とされることが特に好ましく、また10以下、さらに9以下とされることが特に好ましい。E*a/E*bが10以下であれば、タイヤ周方向とタイヤラジアル方向とが極端に高剛性または低剛性になることがなく、乗り心地性能および操縦安定性が両立できるとともに耐摩耗性等の耐久性能の極端な低下が回避される。
【0018】
本発明においては、上記の複素弾性率E*aが5MPa以上30MPa以下であることが好ましい。E*aが5MPa以上である場合当該部位は十分な剛性を有するために操縦安定性が良好となり、30MPa以下である場合乗り心地性能および耐久性能を損なうおそれが少ない。また本発明においては、上記の複素弾性率E*bが3MPa以上11MPa以下であることが好ましい。E*bが3MPa以上である場合、操縦安定性が良好であり、E*bが11MPa以下である場合、乗り心地性能および耐久性能を損なうおそれが少ない。
【0019】
一方、本発明においては、クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方のタイヤ周方向における引張強度が10MPa以上、さらに12MPa以上、特に13MPa以上であることが好ましい。タイヤ周方向における引張強度が10MPa以上であれば操縦安定性および耐久性が特に良好となる。また、当該引張強度は30MPa以下であることが好ましく、より好ましくは25MPa以下である。引張強度を30MPa以下とすれば乗り心地性能を損なうというデメリットを防止することができる。なお、引張強度は、たとえばJIS−K6251に従って測定することができる。
【0020】
上記のような優れた各特性は、上記のように規定されるクリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方を備えることにより示されるものであるが、クリンチ部およびブレーカークッション部の双方において上記のような規定を備えることがより好ましい。なお、上記のようなタイヤ周方向とタイヤラジアル方向との複素弾性率の異方性は、たとえば上記のようなゴム組成物の押出し条件の調整により当該ゴム組成物中の紙繊維の配向状態を制御する方法等によって任意に設定することができる。具体的には、たとえば上記紙繊維をタイヤ周方向に配向させることにより、タイヤ周方向がタイヤラジアル方向に比べてより高剛性となるように異方性を制御することができる。
【0021】
<ゴム組成物>
上記クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方を形成するゴム組成物は、ゴム成分と、このゴム成分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の紙繊維とを含む。このようなゴム組成物は、ゴム成分と紙繊維とを含む限り他の成分を含んでいても差し支えない。
【0022】
なお、クリンチ部およびブレーカークッション部の双方がこのようなゴム組成物により形成されていることがより好ましい。
【0023】
<ゴム成分>
上記ゴム組成物に含まれるゴム成分は、天然ゴムと合成ゴムとを各単独であるいは両者を混合して含むことができる。そして、特にクリンチ部を形成するゴム組成物に含まれるゴム成分は、天然ゴムと合成ゴムとを含み、天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率を20質量%以上900質量%以下とすることが好ましく、ブレーカークッション部を形成するゴム組成物に含まれるゴム成分は、天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率を0質量%以上200質量%以下とすることが好ましい。このような配合比率を採用することにより、操縦安定性と乗り心地性能とを両立させかつ耐久性能をも向上させるという本発明の特性の発現に極めて効果的に寄与することができる。合成ゴムの配合比率が、上記の規定外となるとこのような特性の発現が困難となる場合がある。
【0024】
クリンチ部における天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率は、より好ましくはその上限が600質量%、さらに好ましくは400質量%であり、その下限が25質量%、さらに好ましくは30質量%である。また、ブレーカークッション部における天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率は、より好ましくはその上限が180質量%、さらに好ましくは150質量%であり、その下限が10質量%、さらに好ましくは20質量%である。
【0025】
ここで、上記天然ゴムとしては、従来天然ゴムとして知られるものであればいずれのものも含まれ、原産地等は限定されない。このような天然ゴムは、シス1,4ポリイソプレンを主体として含むが、トランス1,4ポリイソプレンを含むこともできる。したがって、上記天然ゴムには、シス1,4ポリイソプレンを主体として含む天然ゴムの他、たとえば南米産アカテツ科のゴムの一種であるバラタ等、トランス1,4イソプレンを主体として含む天然ゴムも含まれる。このような天然ゴムを1種または2種以上含むことができる。
【0026】
なお、このような天然ゴムには、上記のような天然ゴムを変性または精製した変性天然ゴムも含まれる。たとえば、エポキシ化天然ゴム(ENR)、脱蛋白天然ゴム(DPNR)等が含まれる。
【0027】
一方、上記合成ゴムとしては、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレン共重合体ゴム、イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などを挙げることができる。このような合成ゴムを1種または2種以上含むことができる。
【0028】
なお、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第三ジエン成分を含むものである。ここで第三ジエン成分としては、たとえば炭素数5〜20の非共役ジエンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンおよび1,4−オクタジエンや、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が好ましく例示できる。特に、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等は好ましく使用され得る。
【0029】
<紙繊維>
本発明のゴム組成物に含まれる紙繊維は、上記ゴム成分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の配合比率で含まれる。紙繊維の配合比率が2質量部以上であれば補強効果が十分に得られ、20質量部以下であれば硬くなり過ぎることによる乗り心地性能の悪化、および引張強度の低下等による耐久性能の低下を防止できる。紙繊維の配合比率はより好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは4質量部以上とされ、また15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下とされることが好適である。
【0030】
このようにゴム組成物に紙繊維を含有させることにより、主としてそれが用いられる部位のタイヤ周方向の剛性を有効に向上させることにより上記のような諸特性の発現に寄与することができる。そして、紙繊維の種類および配合量を適宜設定することにより、それが用いられる部位のタイヤ周方向の剛性を簡便かつ任意に制御できる。しかも、紙繊維は安価であるため、上記の特性を極めて低コストで実現することができる。
【0031】
ここで、本発明で用いられる紙繊維とは、紙を粉砕等により短繊維化したものをいい、たとえば以下のような形状を有していることが好ましい。すなわち、平均長さLが10μm以上であり、かつ平均長さLと平均径Dの比L/Dが10以上であるものが好ましい。
【0032】
また、平均長さLは、さらに50〜1000μmの範囲内であることが好ましい。該平均長さLが10μm以上である場合、上記のような優れた諸特性の発現に寄与することができる。また該平均長さLが1000μm以下である場合、ゴム組成物中における紙繊維の分散不良やゴム組成物の物性の不均一が良好に防止される。
【0033】
また紙繊維の平均径Dは、たとえば0.05〜800μmの範囲内、さらに1〜400μmの範囲内、さらに10〜200μmの範囲内とされることが好ましい。該平均径Dが0.05μm以上である場合、上記のような優れた諸特性の発現に寄与することができ、また800μm以下である場合、ゴム組成物中における紙繊維の分散不良やゴム組成物の物性の不均一が良好に防止される。
【0034】
そして、本発明においては、該平均長さLと該平均径Dとの比L/Dが10以上、さらに20〜2000の範囲内であることが好ましい。上記の比L/Dが10以上である場合、上記のような優れた諸特性の発現に寄与することができ、2000以下である場合、ゴム組成物中における紙繊維の分散不良やゴム組成物の物性の不均一が良好に防止される。
【0035】
なお、本発明における紙繊維の平均長さLおよび平均径Dは、たとえば走査型電子顕微鏡を用いて撮影された画像から画像解析によって測定される値より算出する方法で評価される。
【0036】
このような紙繊維としては、クラフトパルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプ等のパルプ化法で得られるパルプ、ケナフ、バガス、竹、コットン、海藻等を由来とする非木材パルプ、使用済コピー用紙、古新聞紙、古段ボール紙等の古紙を脱墨して得られる古紙パルプ、等から得られる原料紙の1種または2種以上の混合物を用いて調製されたものを挙げることができる。たとえばクラフト紙粉砕品等の物理的強度が比較的大きい紙繊維が好ましく用いられる。クラフト紙とは、クラフトパルプ(KP)を抄紙して得られる紙の全般を指し、未晒クラフト紙および晒クラフト紙を含む。クラフトパルプは、化学パルプに分類されるものの主流であり、一般に比較的長い繊維長を有することから、クラフト紙は強度に優れる紙として包装用途等に広く使用される。クラフトパルプとしては針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプのいずれも使用できるが、針葉樹クラフトパルプは繊維長が比較的長いため好ましい。
【0037】
このようなクラフトパルプは、一般に以下のような方法で製造される。まず原料となるチップの不純物を除去するとともに、厚みや長さ等を一定範囲内に均一化する。次にチップを苛性ソーダ、硫化ソーダ等の薬品で、たとえば150〜160℃程度の高温で蒸煮し、チップ中の主にリグニンを溶出させ、パルプ化する。溶出リグニンおよび薬品をパルプと分離するための洗浄工程を経た後、該パルプをたとえば酸素およびアルカリで処理すること等により、パルプ中の残存リグニンをさらに溶出させる。最後に異物除去、洗浄を行ない、未晒クラフトパルプを得ることができる。未晒クラフトパルプはさらに漂白工程を経ることによって晒クラフトパルプとされることができる。未晒クラフトパルプを抄紙することにより未晒クラフト紙、晒クラフトパルプを抄紙することにより晒クラフト紙をそれぞれ製造することができる。
【0038】
<その他の成分>
本発明の上記ゴム組成物は、上記の各成分以外に他の成分を含んでいても差し支えない。このような他の成分としては、たとえばカーボンブラック、白色充填剤、シランカップリング剤、加硫剤(硫黄)、加硫促進剤、加硫助剤、架橋剤、架橋促進剤、老化防止剤、充填剤、ワックス、オイル、軟化剤、可塑剤、カップリング剤等、タイヤ用または一般のゴム組成物用に配合される従来公知の各種配合剤または添加剤を本発明の上記効果が示される範囲内の任意の配合量で配合することができる。
【0039】
本発明においては、上記の各種配合剤の中でも特にシランカップリング剤を配合することが好ましい。このようなシランカップリング剤は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部配合されることが好ましい。これにより、上記紙繊維の多糖に含まれる水酸基とシランカップリング剤とが反応することにより、ゴム組成物に良好な補強効果がもたらされる。よって、本発明のゴム組成物にシランカップリング剤を配合した場合、タイヤの耐摩耗性(すなわち耐久性能)および操縦安定性を顕著に向上させることができる。ゴム成分100質量部に対してシランカップリング剤の配合量が0.1質量部以上である場合、耐摩耗性および操縦安定性の向上効果が良好に得られる。またシランカップリング剤の配合量が5質量部以下である場合、ゴムの混練、押出工程での焼け(スコーチ)が生じる危険性が少ない。シランカップリング剤としては、反応効率、加工時の分散性等の点で特に含硫黄シランカップリング剤が好ましく用いられる。好ましい含硫黄シランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリエトキシシリルプロピル−メタクリレート−モノスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイル−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が例示される。
【0040】
その他のシランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を使用することができる。
【0041】
本発明では、用途に応じてその他のカップリング剤、例えばアルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤を単独またはシランカップリング剤と併用して使用することも可能である。
【0042】
<製造方法>
本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記のゴム組成物を用いて、従来公知の方法により極めて良好な加工性で製造される。すなわち、上記構成のゴム組成物を混練りし、未加硫の段階でタイヤのクリンチ部および/またはブレーカークッション部の形状に合わせて押出し加工し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明の空気入りラジアルタイヤを極めて加工性良く得ることができる。
【0043】
なお、上記で説明した通り、このようなクリンチ部および/またはブレーカークッション部におけるタイヤ周方向とタイヤラジアル方向との複素弾性率の異方性は、たとえば上記のゴム組成物の押出し条件の調整により当該ゴム組成物中の紙繊維の配向状態を制御する方法等によって任意に設定することができる。具体的には、たとえばクリンチ部および/またはブレーカークッション部中の紙繊維をタイヤ周方向に配向させることにより、タイヤ周方向がタイヤラジアル方向に比べてより高剛性となるように異方性を制御することができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
<実施例1〜7および比較例1〜5>
<クリンチ部形成用ゴム組成物の作製>
表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株)製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤を除く配合成分を充填率が58%になるように充填し、回転数80rpmで150℃で5分間混練りした。ついで、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を表1に示す配合量で加えた後、2軸オープンロールを用いて、80℃で5分間混練りし、実施例1〜7および比較例1〜5の混練り状態のクリンチ部形成用のゴム組成物を得た。
【0046】
【表1】

【0047】
表1中、実施例および比較例で使用した各種配合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)NR:天然ゴム(タイ製の「RSS#3」)。
(2)BR:ポリブタジエンゴム(宇部興産社製の「BR130B」)。なお、これらのNRとBRとがゴム成分である。
(3)紙繊維:クラフト紙粉砕品である三共精粉社製の「ミルファイブ100」(平均長さL:10μm、L/D:100)。
(4)ビニロン繊維:クラレ社製の「PVA(ポリビニルアルコール)短繊維」(平均長さL:5mm、L/D:100)。
(5)カーボンブラック:三菱化学社製の「ダイヤブラックH(N330)」。
(6)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si266」。
(7)老化防止剤:精工化学社製の「オゾノン6C」。
(8)ワックス:大内新興化学工業社製の「サンノックワックス」。
(9)アロマオイル:プロセスオイルとして出光興産社製の「ダイアナプロセスAH40」。
(10)ステアリン酸:日本油脂社製の「桐」。加硫助剤として作用する。
(11)酸化亜鉛:東邦亜鉛社製の「銀嶺R」。加硫助剤として作用する。
(12)硫黄:鶴見化学社製の粉末硫黄。
(13)加硫促進剤:大内新興化学工業社製の「ノクセラーNS」(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)。
【0048】
<空気入りラジアルタイヤの作製>
上記で得られた各ゴム組成物を用いて各ゴムシートをクリンチ部の形状となるように作製後、これを他の部材とともに張り合わせ、150℃で35分間、25kgfでプレス加硫することにより、実施例1〜7および比較例1〜5の空気入りラジアルタイヤ(サイズ:195/65R15)を作製した。
【0049】
このような空気入りラジアルタイヤは、クリンチ部が上記のゴム組成物により形成された図1に示したような構造を有しており、その詳細は以下の通りである。
【0050】
<空気入りラジアルタイヤの構造>
カーカス:材料 ポリエステル(1500デニール)
構成 1500デニール/2(1670dtex/2)
エンズ 50コード/50mm
ブレーカー:材料 スチールコード、
構造 1×4×0.27、エンズ 40コード/50mm
角度 22°×22°
<性能評価>
以下の性能評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0051】
<複素弾性率>
上記で得られた空気入りラジアルタイヤのクリンチ部から短冊状試料(幅4mm×長さ30mm×厚み1.5mm)を作製し、この試料を用いて岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターにより、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件でタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとを測定し、これらの比E*a/E*bを求めた。その結果を表1に示す。
【0052】
<引張強度>
JIS−K6251に従って、上記で得られた空気入りラジアルタイヤのクリンチ部から引張り方向がタイヤ周方向に対して平行となるように3号ダンベルを用いてサンプルを打ち抜き、引張り試験を実施して破断時の引張強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0053】
<操縦安定性および乗り心地性能>
上記で得られた空気入りラジアルタイヤを車に装着し、テストコースにて40〜100km/hで走行し、操縦安定性(ハンドル応答性、剛性感、グリップ性)および乗り心地性能についてテストドライバーによるフィーリング試験を実施した。その試験の評価は10点満点法で行ない、3人のドライバーの平均値を、比較例1の空気入りラジアルタイヤを「100」とする指数により表わした。それぞれの数値が大きいほど操縦安定性および乗り心地性能が良いことを表わす。その結果を表1に示す。
【0054】
<評価結果>
表1より明らかなように、実施例の空気入りラジアルタイヤは比較例の空気入りラジアルタイヤに比べ、乗り心地性能および操縦安定性が優れていた。すなわち、クリンチ部が紙繊維を含有しないゴム組成物により形成された比較例1の空気入りラジアルタイヤは、E*a/E*bが1であり、操縦安定性が実施例のものに比し劣っていた。また、比較例2の空気入りラジアルタイヤは、クリンチ部を形成するゴム組成物がゴム成分100質量部に対して30質量部以上の紙繊維を含有していたことから、乗り心地性能に劣るとともに引張強度の低下に起因して耐久性能が劣っていた。紙繊維に代えてビニロン繊維を配合したゴム組成物によりクリンチ部を形成した比較例3の空気入りラジアルタイヤは、ビニロン繊維による補強効果が紙繊維による補強効果に劣ることから操縦安定性が劣っていた。なお、この特性はビニロン繊維に対してさらにシランカップリング剤を配合した比較例4の空気入りラジアルタイヤによっても改善することはできず破断強度も劣っていた。また、紙繊維を含まずゴム成分として天然ゴムのみを用いた比較例5は、比較例1に比しさらに劣っていた。
【0055】
以上より、本発明で規定する特定のゴム組成物により形成され、かつ、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%で測定されるタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.5以上に設定されているクリンチ部を備える空気入りラジアルタイヤは、優れた乗り心地性能と優れた操縦安定性が両立されることを確認した。
【0056】
<実施例11〜17および比較例11〜15>
<ブレーカークッション部形成用ゴム組成物の作製>
表2に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株)製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤を除く配合成分を充填率が58%になるように充填し、回転数80rpmで150℃で5分間混練りした。ついで、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を表2に示す配合量で加えた後、2軸オープンロールを用いて、80℃で5分間混練りし、実施例11〜17および比較例11〜15の混練り状態のブレーカークッション部形成用ゴム組成物を得た。
【0057】
【表2】

【0058】
表2中、実施例および比較例で使用した各種配合成分の詳細は以下のとおりである。
(1)NR:天然ゴム(タイ製の「RSS#3」)。
(2)BR:ポリブタジエンゴム(宇部興産社製の「BR130B」)。なお、これらのNRとBRとがゴム成分である。
(3)紙繊維:クラフト紙粉砕品である三共精粉社製の「ミルファイブ100」(平均長さL:10μm、L/D:100)。
(4)ビニロン繊維:クラレ社製の「PVA(ポリビニルアルコール)短繊維」(平均長さL:5mm、L/D:100)。
(5)カーボンブラック:昭和キャボット社製の「ショウブラックN220」。
(6)シランカップリング剤:デグッサ社製の「Si266」。
(7)老化防止剤:大内新興化学工業社製の「ノクラック6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)。
(8)ワックス:大内新興化学工業社製の「サンノックワックス」。
(9)アロマオイル:プロセスオイルとしてジャパンエナジー社製の「JOMOプロセスX140」。
(10)ステアリン酸:日本油脂社製。加硫助剤として作用する。
(11)酸化亜鉛:三井金属鉱業社製の「亜鉛華1号」。加硫助剤として作用する。
(12)硫黄:鶴見化学社製の粉末硫黄。
(13)加硫促進剤:大内新興化学工業社製の「ノクセラーNS」(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)。
【0059】
なお、上記アロマオイルとしては、上記のようにプロセスオイルが使用できるが、これに代えて植物油脂、またはプロセスオイルと植物油脂との混合物を使用することもできる。プロセスオイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系、等いずれのものも使用し得る。また、植物油脂としては、たとえばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油等を挙げることができる。
【0060】
<空気入りラジアルタイヤの作製>
上記で得られた各ブレーカークッション部形成用ゴム組成物を用いて各ゴムシートをブレーカークッション部の形状となるように作製後、これを他の部材とともに張り合わせ、150℃で35分間、25kgfでプレス加硫することにより、実施例11〜17および比較例11〜15の空気入りラジアルタイヤ(サイズ:195/65R15)を作製した。
【0061】
このような空気入りラジアルタイヤは、ブレーカークッション部が上記のゴム組成物により形成された図1に示したような構造を有しており、その詳細は以下の通りである。
【0062】
<空気入りラジアルタイヤの構造>
カーカス:材料 ポリエステル(1500デニール)
構成 1500デニール/2(1670dtex/2)
エンズ 50コード/50mm
ブレーカー:材料 スチールコード、
構造 1×4×0.27、エンズ 40コード/50mm
角度 22°×22°
<性能評価>
以下の性能評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0063】
<複素弾性率>
上記で得られた空気入りラジアルタイヤのブレーカークッション部から短冊状試料(幅4mm×長さ30mm×厚み1.5mm)を作製し、この試料を用いて岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターにより、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%の条件でタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとを測定し、これらの比E*a/E*bを求めた。その結果を表2に示す。
【0064】
<引張り強度>
JIS−K6251に従って、上記で得られた空気入りラジアルタイヤのブレーカークッション部から引張り方向がタイヤ周方向に対して平行となるように3号ダンベルを用いてサンプルを打ち抜き、引張り試験を実施して破断時の引張強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0065】
<操縦安定性および乗り心地性能>
上記で得られた空気入りラジアルタイヤを車に装着し、テストコースにて40〜100km/hで走行し、操縦安定性(ハンドル応答性、剛性感、グリップ性)および乗り心地性能についてテストドライバーによるフィーリング試験を実施した。その試験の評価は10点満点法で行ない、3人のドライバーの平均値を、比較例11の空気入りラジアルタイヤを「100」とする指数により表わした。それぞれの数値が大きいほど操縦安定性および乗り心地性能が良いことを表わす。その結果を表2に示す。
【0066】
<評価結果>
表2より明らかなように、実施例の空気入りラジアルタイヤは比較例の空気入りラジアルタイヤに比べ、乗り心地性能および操縦安定性が優れていた。すなわち、ブレーカークッション部が紙繊維を含有しないゴム組成物により形成された比較例11の空気入りラジアルタイヤは、E*a/E*bが1であり、操縦安定性が実施例のものに比し劣っていた。また、比較例12の空気入りラジアルタイヤは、ブレーカークッション部を形成するゴム組成物がゴム成分100質量部に対して30質量部以上の紙繊維を含有していたことから、乗り心地性能に劣るとともに引張強度の低下に起因して耐久性能が劣っていた。紙繊維に代えてビニロン繊維を配合したゴム組成物によりブレーカークッション部を形成した比較例13の空気入りラジアルタイヤは、ビニロン繊維による補強効果が紙繊維による補強効果に劣ることから操縦安定性が劣っていた。なお、この特性はビニロン繊維に対してさらにシランカップリング剤を配合した比較例14の空気入りラジアルタイヤによっても改善することはできず破断強度も劣っていた。また、紙繊維を含まずゴム成分として天然ゴムのみを含む比較例11は、紙繊維を含まずゴム成分として天然ゴムと合成ゴムとを含む比較例15に比し劣っていた。
【0067】
以上より、本発明で規定する特定のゴム組成物により形成され、かつ、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%で測定されるタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.5以上に設定されているブレーカークッション部を備える空気入りラジアルタイヤは、優れた乗り心地性能と優れた操縦安定性が両立されることを確認した。
【0068】
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0069】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の空気入りラジアルタイヤの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0071】
1 空気入りラジアルタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカス、7 ブレーカー、8 ビードエイペックスゴム、9 インナーライナゴム、10 ブレーカークッション部、11 クリンチ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリンチ部およびブレーカークッション部の少なくとも一方を備える空気入りラジアルタイヤであって、
前記クリンチ部および前記ブレーカークッション部の少なくとも一方は、ゴム成分と、このゴム成分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下の紙繊維と、を含むゴム組成物により形成され、かつ、
前記クリンチ部および前記ブレーカークッション部の少なくとも一方は、温度70℃、周波数10Hz、動歪±2%で測定されるタイヤ周方向の複素弾性率E*aとタイヤラジアル方向の複素弾性率E*bとの比E*a/E*bが1.5以上に設定されている、空気入りラジアルタイヤ。
【請求項2】
前記クリンチ部および前記ブレーカークッション部の少なくとも一方は、タイヤ周方向の引張強度が10MPa以上である請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。
【請求項3】
前記クリンチ部を形成する前記ゴム組成物に含まれる前記ゴム成分は、天然ゴムと合成ゴムとを含み、天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率が20質量%以上900質量%以下である請求項1または2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
【請求項4】
前記ブレーカークッション部を形成する前記ゴム組成物に含まれる前記ゴム成分は、天然ゴムに対する合成ゴムの配合比率が0質量%以上200質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。

【図1】
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【公開番号】特開2009−137438(P2009−137438A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315879(P2007−315879)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】