説明

空気清浄機

【課題】
電動駆動による吸口では、床用や寝具用などが考案されているが、いずれも専用の掃除機本体が必要であった。
【解決手段】
本発明は、掃除機本体に、電動送風機及び集塵部を備え、被掃除面への開口を有する吸口と、掃除機本体の前記集塵部とを結ぶ管路とを備え、前記電動送風機によって、前記吸口から前記集塵部に前記吸口付近の外気とともに被掃除面の掃除対象を吸引する電気掃除機において、前記吸口は、電動機を備えた、異なる種類の吸口を2つ以上設け、これらの吸口を掃除機に着脱自在に接続して兼用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿機能を有する空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気清浄機には、特許文献1のように空気流路の上流側に空気清浄フィルターを有する空気清浄部、その下流側に加湿ユニットを有する加湿部を配置し、吸込口から本体ケース内に取り込んだ空気を空気清浄フィルターにより浄化した後、加湿ユニットにより加湿して吹出口から本体ケース外に排出するものが開示されている。
【0003】
また特許文献2には、フィルターにより浄化された空気の吹出す吹出口流路とは別に、浄化された空気の一部を選択的に取り込む加湿流路と、加湿流路に配置された加湿手段と、加湿手段により加湿された空気を本体ケース外に吹出す吹出口とを備えるものが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2007−10230号公報
【特許文献2】特開2005−61655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、加湿する空気の量は、空気清浄フィルターの流通風量に依存するので室内空気が汚れて浄化風量を増やすと、加湿の要否に係わらず加湿量が増加してしまう欠点や、室内空気がきれいであっても加湿量を増加するためには、浄化風量を増やすので運転音が増加する欠点があった。
【0006】
また、特許文献2では、浄化空気の吹出口と異なった位置に浄化空気された加湿空気の吹出口を設けるために、設置場所の制限や、送風効率の変化による騒音の増加,浄化性能の低下の欠点があった。
【0007】
本発明の目的は上記課題を解決し、必要に応じて加湿量の増減を行うことができる加湿機能付空気清浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の特徴とするところは、気化フィルターに水を供給するカートリッジ給水タンクとを有する空気清浄機において、ファンモータは、ターボファンを含む遠心ファンと、遠心ファンを駆動し、かつ遠心ファン中央部内側の入り込むように置かれる電動機と、遠心ファンの吸い込み流を導く吸い込み板と、遠心ファンの周り囲い、かつ吐出口に向かって遠心ファン外周との間隙が拡がる渦巻状のケーシングとを有し、フィルターユニットとファンモータとの間に置くカートリッジ給水タンクは、遠心ファン外周との間隙が狭い方側に来るように配置される、浄化フィルターユニットの下流側のファンモータ吸い込み板への空気流路は気化フィルターユニットを通過する流路と、シャッターにより開閉が可能な流路とを備えたことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、浄化フィルターユニットの下流側のファンモータ吸い込み板への空気流路は気化フィルターユニットを通過する流路による加湿と、開閉可能なシャッターを設けた流路のシャッターの開閉による流量調節により、必要に応じて加湿量の増減を行うことができる加湿機能付空気清浄機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例について、図を用いて説明する。
【0011】
まず、図1〜図5を引用して空気清浄機の概要から述べる。
【0012】
図1,図2に示すように、本体枠体1は主部枠体2と前部枠体3を有する。本体枠体1の前面には、前面パネル4が取り付けられる。
【0013】
本体枠体1は、内部にフィルターユニット5,気化フィルター6,ファンモータ7を備える。フィルターユニット5は、前部枠体3側に位置する。気化フィルター6は、ファンモータ7下部に位置する。ファンモータ7は、主部枠体2側に位置する。ファンモータ7は、ターボファン7a,電動機7bを有する。
【0014】
主部枠体2は、内部にファンケーシング8を有する。ファンケーシング8内にファンモータ7が置かれる。ターボファン7aに吸い込み流を導く吸い込み板9は、ファンケーシング8と共にターボファン7aを囲んで形成される。
【0015】
主部枠体3には、フィルターユニット5が、図4に示すように前部枠体3の前側の空間に収まるように置かれる。その奥側空間の上部には、図5に示すように開口すき間を備えたシャッター板21と、シャッター板21のすき間に対応して流路の開閉可能なシャッター22を設けた流路を、下部には気化フィルター6が置かれる流路を備える。その空間の奥側に、吸い込み板9が存在する。
【0016】
シャッター22には、ガイドピン23が設けられて上下方向に摺動が可能に、前部枠体3に取り付けられる。また、シャッター22の上部には横長の長円状の切欠き穴部24が設けられている。
【0017】
吸い込み板9の上部には、シャッター22の長円状の切欠き穴部24に対応するカム板25を備えたシャッター動作用の電動機26が置かれる。このシャッター動作用の電動機24は、前面を出力軸用の穴を備えたカバー(図示せず)と背面を吸い込み板9で囲み塵埃から保護される。
【0018】
制御装置10は、本体枠体1の前側上部に備えられる。この制御装置10により、空気清浄機の運転が制御される。表示装置(図示せず)は、制御装置10の近くに設けられる。
【0019】
空気は、前面パネル4の周囲吸気口11から吸い込まれ、フィルターユニット5内を流通して塵埃の除去が行われる。また、空気に含まれる臭いやホルムアルデヒド等の成分物質を除去する。
【0020】
気化フィルター6は、塵埃や臭いやホルムアルデヒド等の成分物質が除去された空気に水分を加湿する。そして、ファンモータ7に吸い込まれた空気は、送風口12から空気清浄機の外部に送風される。
【0021】
図1,図3,図4に示す、カートリッジ給水タンク13は、気化フィルター6に水分を浸み込ませる貯溜水タンク14に水を補充する。このカートリッジ給水タンク13は、本体枠体1の側面に取り外し自在に備わる。
【0022】
図示されていないが、カートリッジ給水タンク13の底部に設けたキャップは、水の出口を塞ぐ弁体を有する。カートリッジ給水タンク13を本体枠体1からは外すと、弁体は出口を塞ぎ、貯溜水タンク14に装着すると、弁体は出口を開くように作動する。
【0023】
本体枠体1は、主部枠体2と前部枠体3の突合せ接合部16を側面前側部に有する。前部枠体3は、前側からねじ込むネジ(図示せず)で、主部枠体2に締め付けられる。
【0024】
ファンモータ7のターボファン7aは、前部枠体3が主部枠体2に取り付けられる前に、前部枠体3の前側からファンケーシング8内に組み込まれる。電動機7bは主部枠体2に設けられる電動機支持カバー17に嵌め込み支持される。
【0025】
電動機7bが嵌め込まれる電動機支持カバー17は、遠心ファンの中央部内側に入り込むように構成になっているので、電動機7bが本体枠体1の後側に突き出すことがなく、空気清浄機の奥行きを薄くコンパクトにまとめることができる。
【0026】
貯溜水タンク14を含む気化フィルターユニット15は、図2,図4に示すように、主部枠体2の下部に側部から、カートリッジ給水タンク13を外した後に取り外し自在に備わる。また、主部枠体2の下部に一体で形成された支持ベース29上に置かれる。
【0027】
前面パネル4は、上側に設けた掛け部(図示せず)を前部枠体3の上側に引っ掛け、下側に設けた係止突起(図示せず)を前部枠体3の下側の係止孔30に係止して固定する。このような固定になっているので、フィルターユニット5のメンテナンスに際しては、前面パネル4は、容易に外すことができる。
【0028】
図2,図3,図4に示すように、ファンモータ7は、ターボファン7aを含む遠心ファンと、遠心ファンを駆動し、かつ遠心ファン中央部内側の入り込むように置かれる電動機7bとを有する。前部枠体3は、遠心ファンに吸い込み流れを導く吸い込み板9を有する。
【0029】
主部枠体2は、遠心ファンの周りを囲い、かつ吐出口に向かって遠心ファン外周との間隙が拡がる渦巻状のケーシング8を有する。フィルターユニット5とファンモータ7との間にカートリッジ給水タンク13が置かれる。そして、カートリッジ給水タンク13は、遠心ファン外周との間隙が狭い方側に来るように配置し、気化フィルター6をカートリッジ給水タンク13の反対側に寄せて配置した。
【0030】
このように、吐出口に向かって遠心ファン外周との間隙が拡がる渦巻状のケーシング8と、フィルターユニット5とファンモータ7との間にカートリッジ給水タンク13が置かれるカートリッジ給水タンク13を遠心ファン外周との間隙が狭い方側に来るように配置することにより、空気清浄機の本体枠体1内にカートリッジ給水タンク13を略半分埋没して収めることができる。
【0031】
このため、空気清浄機の本体枠体1を大きくすることなく、カートリッジ給水タンク13が空気清浄機の本体枠体1に略半分埋没して収まるので、コンパクトで体裁が良の良い空気清浄機を提供できる。
【0032】
カートリッジ給水タンク13の収納について更に詳しく述べる。
【0033】
図3,図4に示すように、本体枠体1の主部枠体2は、側面にカートリッジ給水タンク13が収まるタンク収納凹部20を有する。カートリッジ給水タンク13は、タンク収納凹部20に着脱自在に取り付けられる。カートリッジ給水タンク13は、上側に止め具(図示せず)を備える。カートリッジ給水タンク13は、本体枠体1から外れないように止め具で、係止される。
【0034】
カートリッジ給水タンク13は、透明な材料を用いて形成される。これにより、カートリッジ給水タンク13内に溜まる水量を見ることができる。
【0035】
タンク収納凹部20は、フィルターユニット5の奥側に位置する。しかも、タンク収納凹部20は、遠心ファン外周とケーシング8との間隙が狭い方側に来るように配置する。そして、気化フィルター6をタンク収納凹部20の反対側に寄せる。このような配置構成にすることにより、タンク収納凹部20を設けても本体枠体1を大きくすることなく、コンパクトにまとめることができる。
【0036】
図6に示すように、気化フィルターユニット15は、気化フィルター6と気化フィルター6を保持する気化フィルターケース18と貯溜水タンク14に気化フィルターケース18を保持する貯溜水タンクカバー19と貯溜水タンク14によりに形成される。気化フィルターケース18は二分割が可能で内部の清掃が容易になっている。また、貯溜水タンクカバー19は貯溜水タンク14より取り外しが可能で内部の清掃が容易になっている。
【0037】
本発明の実施例について、第2実施形態を図7,図8に沿って説明する。第1実施形態と同一部品ついては同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
第1実施形態では、主部枠体3前部枠体3の前側の空間に収まるフィルターユニット5の奥側空間の上部には、開口すき間を備えたシャッター板21と、シャッター板のすき間に対応して流路の開閉可能なシャッター22を設けた流路を、同奥側空間下部には気化フィルター6を形成したが、第2実施形態では、下部気化フィルター6の奥部にも、上部と同様に開口すき間を備えたシャッター板21aを備える。この気化フィルター6の奥部シャッター板21aのすき間に対応する流路の開閉可能なシャッター22aは、上部のシャッターと一体で形成され、一方の流路を開口時には、もう一方の流路を閉口するように構成される。
【0039】
図7に示すように、この構成により加湿も空気清浄も必要な場合には、気化フィルターへの流路のみを開口して、フィルターユニット5を通過した空気に加湿をする送風流路27により空気清浄を行うことができる。
【0040】
図8に示すように、この構成により加湿の不要な場合には、気化フィルターへの流路のみを閉口して、フィルターユニット5のみを通過した加湿をしない送風流路28により空気清浄を行うことができる。
【0041】
本体枠体1を構成する主部枠体2,前部枠体3,支持ベース29,前面パネル4,ターボファン7a,ファンケーシング8,吸い込み板9,貯溜水タンク14,カートリッジ給水タンク13,フィルター支持台15,シャッター板21,シャッター22は合成樹脂で形成される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、カートリッジ給水タンクが備わる方から空気清浄機を見た外観側斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例を示すもので、空気清浄機を側面方向から見た縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すもので、図2の電動機軸中心での断面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示すもので、図3を斜め上方から見た図である。
【図5】本発明の第1実施例を示すもので、前部枠体とのシャッターとの組み合わせを示す図である。
【図6】本発明の第1実施例を示すもので、気化フィルターと貯溜水タンクの組み合わせを斜め前側から見た斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例を示すもので、加湿流路を開口時の空気清浄機を側面方向から見た縦断面図である。
【図8】本発明の第2実施例を示すもので、加湿流路を閉口時の空気清浄機を側面方向から見た縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 本体枠体
2 主部枠体
3 前部枠体
4 前面パネル
5 フィルターユニット
6 気化フィルター
7 ファンモータ
7a ターボファン
7b 電動機
8 ファンケーシング
9 吸い込み板
10 制御装置
11 周囲吸気口
12 送風口
13 カートリッジ給水タンク
14 貯溜水タンク
15 気化フィルターユニット
16 突合せ接合部
17 電動機支持カバー
18 気化フィルターケース
19 貯溜水タンクカバー
20 タンク収納凹部
21 シャッター板
22 シャッター
23 ガイドピン
24 長円状の切欠き穴部
25 カム板
26 シャッター動作用の電動機
27 加湿をする送風流路
28 加湿をしない送風流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流通する浄化フィルターユニットと、この浄化フィルターユニットの下流側に設けられたファンモータと、前記浄化フィルターユニットと前記ファンモータとの間に配置され、前記空気に加湿する気化フィルターユニットと、前記気化フィルターユニットに水を供給するカートリッジ給水タンクとを有する空気清浄機において、
前記ファンモータは、ターボファンを含む遠心ファンと、前記遠心ファンを駆動し、かつ遠心ファン中央部内側の入り込むように置かれる電動機と、前記遠心ファンの吸い込み流を導く吸い込み板と、前記遠心ファンの周りを囲い、かつ吐出口に向かって遠心ファン外周との間隙が拡がる渦巻状のケーシングとを有し、
前記浄化フィルターユニットの下流側の前記ファンモータ吸い込み板への空気流路は、前記気化フィルターユニットを通過する流路と、シャッターにより開閉が可能な流路とを備えたことを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
空気が流通する浄化フィルターユニットと、この浄化フィルターユニットの下流側に設けられたファンモータと、前記浄化フィルターユニットと前記ファンモータとの間に配置され、前記空気に加湿する気化フィルターユニットと、前記気化フィルターユニットに水を供給するカートリッジ給水タンクとを有する空気清浄機において、
前記ファンモータは、ターボファンを含む遠心ファンと、前記遠心ファンを駆動し、かつ遠心ファン中央部内側の入り込むように置かれる電動機と、前記遠心ファンの吸い込み流を導く吸い込み板と、前記遠心ファンの周りを囲い、かつ吐出口に向かって遠心ファン外周との間隙が拡がる渦巻状のケーシングとを有し、
前記浄化フィルターユニットの下流側の前記ファンモータ吸い込み板への空気流路は、開閉が可能なシャッターを設けた前記気化フィルターユニットを通過する流路と、開閉が可能なシャッターを設けた流路の2つの流路を備え、各流路の開閉に用いるシャッター機構のシャッターは一体で形成されており、一方の流路を開口時には、もう一方の流路を閉口することを特徴とする空気清浄機。
【請求項3】
請求項1または2において、
空気清浄機は、前記浄化フィルターユニット,気化フィルターユニット、及び前記ファンモータを内置する本体枠体と、前記シャッターを開閉動作されるためのシャッター動作用電動機をと有し、該シャッター動作用電動機を本体の上方に配置したことを特徴とする空気清浄機。
【請求項4】
請求項3において、
前記シャッター動作用電動機は、同期電動機としたを特徴とする空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−68810(P2009−68810A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240385(P2007−240385)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】