説明

空気清浄機

【課題】空気清浄効果を向上させ、消費エネルギーが低く効率の高い空気清浄機を提供する。
【解決手段】地面に対して垂直を呈する殻体1を備え、その入風口11は殻体1底部に設置し、出風口12は殻体1の頂点部に設置し、殻体1下方に設置するファン2により、空気を下方の入風口11から吸入し、空気は縦に伸びる殻体1内部の縦方向空気通路Aを経て上方へと向かい、上方の出風口12から吹き出す。地面、テーブル面、台面近くに高い濃度で大量に漂っている粉塵や微粒子、さらには毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの雑物は、殻体1下に効果的に吸引され、殻体1内へと吸入され、さらに殻体1内に設置する交換可能なろ過ユニット21によりろ過される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気清浄機に関し、特に地面に対して垂直を呈する殻体を備え、その入風口は殻体底部に設置し、出風口は殻体の頂点部に設置し、殻体下方に設置するファンにより、空気を地面の四方八方から下方の入風口へと吸入し、空気は縦に伸びる殻体内部の縦方向空気通路を経て上方へと向かい、上方の出風口から吹き出し、こうして空気圧の高低差を呈する空気対流現象を形成し、空気は出風口から上方へと吹き出した後、一定の高度まで上方へと吹き出した時、空気は、殻体を中心として四方へと拡散して下降し、次にファンが空気を下方の入風口から吸入して形成する低気圧が作り出す気流の牽引作用により、継続的な気圧の高低差を備えた空気対流現象を形成し、この対流する空気により、重力(地球の引力)により落下、或いは地面、テーブル面、台面近くに高い濃度で大量に漂っている自動車排気中の粉塵や微粒子、さらには毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの雑物は、殻体下の低気圧により効果的に吸引され、殻体内へと吸入され、さらに殻体内に設置する交換可能なろ過ユニットによりろ過され、こうして空気清浄効果を向上させることができる空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
工商業が急速に発展し、工業生産と商業活動が大量、かつ盛んに行われている現代は、工場及び自動車などの交通機関の排気により、汚染という問題を引き起こしている。
これらは、人類の生存に欠かせない水、陽光、空気を汚染し、人々の健康に深刻な影響を及ぼしている。
空気は、人類にとって生きるために欠くべからざるものである。
しかし、空気の汚染が深刻である現在、地面、テーブル面、台面近くの空気中には自動車排気中の粉塵や微粒子、さらには毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などが大量に漂流している。
これら目には見えない存在は、有害であり、高濃度である。
しかも、無風状態では、これら有害物質は、重力(地球の引力)の作用を受け、地面、テーブル面、台面位置に落下し、或いは高濃度で大量に浮遊している。
よって一般に、地面及びテーブル面などの近くの汚染物質濃度は、最も高い。
人が動く時に生じる空気の流れ、或いは外界からの自然風は、地面、テーブル面、台面に落下し堆積している有害物質を巻き上げ、再度空気中に撒き散らすため、人はこれら有害物質を絶えず吸入することになってしまい、これが各種疾病の原因となっている。
【0003】
そのため、空気の質を改善し、付属するろ過、殺菌、除臭などの設備により、空気を清浄にする目的を達成しようと空気清浄機が開発された。
しかし、従来の空気清浄機の多くでは、その入風口と出風口は水平方向に設計されている。
縦に上、下入風口と出風口を備える設計もあるにはあるが、それらも空気清浄機の片側にしか設置されていない。
従来の空気清浄機でも、空気を吸入してろ過し、排出する空気循環を生じることはできる。
しかし、その入風口と出風口の位置は、四方八方の地面、テーブル面、台面近くに落下し、堆積し、或いは空気中に漂流している自動車排気中の粉塵や微粒子、さらには毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などを、効果的にろ過、除去することはできない。
よって、現在市販されている各種空気清浄機はろ過効果が低いため、そのフィルターの洗浄は、多くは数ヶ月に一度で十分である。
すなわちこれは、ろ過後の空気の質が良くないことを示している。
つまり、従来の空気清浄機の設計では、地面、テーブル面、台面近くに堆積し、或いは空気中に漂流している粉塵や微粒子、さらには花粉、毛髪、繊維などを効果的にろ過できていない。
しかも、それが使用するイオン発生装置は、空気中の粉塵、微粒子、花粉、工業排気などに電荷(静電)を帯びさせているため、粉塵、微粒子、花粉、工業排気などは地面に吸引され易くなり、すなわち沈殿し易くなってしまう。
そのため、分解、除臭、殺菌の付加機能を設置していたとしても、地面、テーブル面、台面近くに大量かつ高濃度で落下し、堆積し、或いは空気中に漂流している粉塵や微粒子、さらには花粉、毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの問題を、解決することはできない。
本発明は、従来の空気清浄機の上記した欠点に鑑みてなされたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、空気清浄効果を向上させ、消費エネルギーが低く効率の高い空気清浄機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は下記の空気清浄機を提供する。
空気清浄機は、地面に対して垂直を呈する殻体を備え、その中央には縦方向の空気通路を形成し、その入風口は該殻体底部に設置し、出風口は該殻体の頂点部に設置し、
該殻体下方に設置するファンにより、空気を下方の該入風口から吸入し、その位置には低圧区を形成し、四方八方の汚染空気を吸引し、それに沿って流動させ、
空気は該殻体内部の縦に伸びる空気通路を経て上方へと向かい、上方の該出風口から吹き出し、こうして空気圧の高低差を呈する空気対流現象を形成し、
空気は該出風口から上方へと吹き出した後、一定の高度まで上方へと吹き出した時、空気は、該殻体を中心として四方へと拡散して下降し、次に該ファンが空気を下方の該入風口から吸入して形成する低気圧が作り出す気流の牽引作用により、継続的な気圧の高低差を備えた空気対流現象を形成し、
この対流する空気により、重力(地球の引力)により落下、或いは地面、テーブル面、台面近くに高い濃度で大量に漂っている自動車排気中の粉塵や微粒子、さらには毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの雑物は、該殻体下の低気圧により効果的に吸引され、該殻体内へと吸入され、
さらに、該殻体内に設置する交換可能なろ過ユニットによりろ過され、こうして空気清浄効果を向上させ、消費エネルギーが低く効率の高い空気清浄機を形成することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明空気清浄機は、既にサンプルを製造して、実際の使用試験を行っている。そのろ過ユニットは、48時間の使用で、粉塵、微粒子、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの雑物で完全に満たされ、そのろ過効果が極めて優れていることが証明されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第一実施例の立体分解図である。
【図2】本発明の組合せ断面図である。
【図3】本発明の立体図である。
【図4】本発明が周囲に形成する、気圧差を備える空気対流の模式図である。
【図5】本発明第一実施例において、殻体上、下にファンを設置する様子を示す断面図である。
【図6】本発明第一実施例において、ファンを取り外し可能式にし殻体頂点部の出風口に組み立てる状態を示す立体分解図である。
【図7】本発明第一実施例において、ファンを取り外し可能式にし殻体頂点部の出風口に組み立てる状態を示す断面図である。
【図8】本発明第二実施例において、殻体軸線と地面が斜め状態を呈しても、その入風口が依然として殻体底部に設置され、地面に面する状態を示す立体図である。
【図9】本発明第三実施例において、殻体外部の四周下方に複数の通気孔を設置し、入風口を構成する状態を示す立体図である。
【図10】本発明第二実施例において、殻体外部の四周下方に複数の細長い形状の通気孔を設置し、入風口を構成する状態を示す立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0009】
図1、2、3に示すように、本発明第一実施例の空気清浄機は、地面と垂直を呈する殻体1を備える。
殻体1は凡そ筒状で、その中央には、縦方向の空気通路Aを形成する。
入風口11は、殻体1の底部に設置し、地面に面する。
出風口12は、殻体1の頂点部に設置する。
殻体1の底部周縁には、スタンド13を設置し、これにより、入風口11と地面とは一定の距離を隔てる。
出風口12位置には、頂点網状蓋14を配置する。
殻体1下方に設置するファン2により、空気を下方の入風口11から吸入し、殻体1下方に、低気圧状態を形成する。
これにより、地球の引力の影響を受け、地面、テーブル面、台面近くに大量かつ高濃度で落下し、堆積し、或いは空気中に漂流している粉塵や微粒子、さらには花粉、毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などを、四方八方から吸引し続けることができる。
空気は、殻体1内部の縦方向を呈する空気通路Aを経由し、上方へと向かい、上方の出風口12から吹き出される。
こうして、気圧の高低差を備える空気対流現象を形成することができる。
空気は、出風口12から上方へと吹き出された後、一定の高度まで上方へと吹き出される。
この空気はさらに、殻体を中心として四方へと拡散して下降し、次にファン2が空気を下方の入風口11から吸入して形成する気流の牽引作用により、継続的な気圧の高低差を備えた空気対流現象を形成する(図4参照)。
この対流する空気により、重力(地球の引力)により落下、或いは地面、テーブル面、台面近くに高い濃度で大量に漂っている粉塵や微粒子、毛髪、繊維などは、殻体1内に吸入される。
さらに、殻体1内に設置する交換可能なろ過ユニット21によりろ過され、こうして空気清浄効果を向上させることができる。
交換可能なろ過ユニット21は、各種フィルター材により製造する。
本発明は、殻体1内において、別に他の空気処理ユニットを設置することができ、これにより、空気通路Aの空気に対して、浄化、殺菌、除臭などの処理を行う。
空気処理ユニットは、イオン発生器3、交換可能な静電集塵板31、紫外線ライト(UVライト)5、光触媒板4を含む。
イオン発生器3は、通過する空気を電離させマイナスイオンとし、空気中の粉塵や微粒子、花粉、排気などに電荷(静電)を帯びさせ、静電集塵板31の吸着、収集を容易にする。
静電集塵板31が汚れた時には、取り外して洗浄することができる。
光触媒板4中の二酸化チタンは、空気中の有害物質及び細菌を殺菌及び分解して、出風口12から送出する。
【0010】
本発明のファン2は、殻体1下方の入風口11近くに設置することができる他に、殻体1上方の出風口12に近い位置、或いは殻体1内の任意の位置に設置することができる。
また、ファン2は、必要に応じて、入風口11及び出風口12位置に共に設置することができ、これにより、空気の流速を加速することができる(図5参照)。
さらに、本発明のファン2は、取り外し可能な形式で、殻体1頂点部の出風口12位置に設置することができる。
その際には、ファン2をファンカバー22内に設置し、次に、ファンカバー22を殻体1頂点部の出風口12位置に設置する(図6、7参照)。
【0011】
本発明第二実施例において、殻体軸線と地面が斜め状態を呈しても、その入風口が依然として殻体底部に設置され、地面に面する状態を示す立体図である図8に示すように、本発明の殻体1の中軸線は地面と垂直を呈する形態の他に、地面と斜めを呈する状態とすることができる。
その場合でも、その入風口11はやはり殻体1の底部に設置し、地面に面する。
【0012】
本発明第三実施例において、殻体外部の四周下方に複数の通気孔を設置し、入風口を構成する状態を示す立体図である図9に示すように、本発明殻体1外部の下方の四周面上には、複数の通気孔15を設置し、入風口を構成することができる。
しかも、各通気孔15は、各種形状を呈する孔である。
【0013】
本発明第四実施例において、殻体外部の四周下方に複数の細長い形状の通気孔を設置し、入風口を構成する状態を示す立体図である図10に示すように、本発明殻体1外部の下方の四周面上には、細長い形状を呈する複数の通気孔16を設置し、入風口を構成することができる。
各細長い形状を呈する通気孔16は、縦向き、横向き、或いは斜め向きを呈して排列する。
各通気孔15、16は、重力(地球の引力)により地面、テーブル面、台面近くに落下、或いは高い濃度で大量に漂っている自動車排気中の粉塵や微粒子、さらには毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの雑物を、四方八方から吸入することができる。
【0014】
上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【符号の説明】
【0015】
1 殻体
11 入風口
12 出風口
13 スタンド
14 頂点網状蓋
15、16 通気孔
2 ファン
21 ろ過ユニット
22 ファンカバー
3 イオン発生器
31 静電集塵板
4 光触媒板
5 紫外線ライト
A 空気通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殻体を備え、
前記殻体は、地面と垂直を呈し、凡そ筒状で、その中央には、地面と垂直を呈する縦方向の空気通路を形成し、入風口は、前記殻体の底部に設置し、地面に面し、出風口は、前記殻体の頂点部に設置し、前記出風口位置には、頂点網状蓋を配置し、前記殻体内には、ファン、及び交換可能なろ過ユニットを設置し、
前記殻体内に設置するファンにより、上方へと吹き上げ、機体下方に形成する低気圧において、地球の引力の影響を受け、地面、テーブル面、台面近くに大量かつ高濃度で落下し、堆積し、或いは空気中に漂流している粉塵や微粒子、さらには花粉、毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などを、四方八方から吸引し、下方の前記入風口から吸入し、
空気は、前記殻体内部の縦方向を呈する空気通路を経由し、上方へと向かい、上方の前記出風口から吹き出され、こうして、気圧の高低差を備える空気対流現象を形成し、
空気は、前記出風口から上方へと吹き出された後、一定の高度まで上方へと吹き出され、この空気はさらに、前記殻体を中心として四方へと拡散して下降し、次に前記ファンが空気を下方の前記入風口から吸入して形成する気流の牽引作用により、継続的な気圧の高低差を備えた空気対流現象を形成し、
この対流する空気により、重力(地球の引力)により地面、テーブル面、台面近くに落下、或いは高い濃度で大量に漂っている粉塵や微粒子、毛髪、繊維などは、前記殻体内に吸入され、
前記殻体内に設置する交換可能なろ過ユニットによりろ過され、こうして地面、テーブル面、台面近くに大量かつ高濃度で落下し、堆積し、或いは空気中に漂流している粉塵や微粒子、さらには花粉、毛髪、繊維、及び工業生産により排出された各種の有害排気などの雑物を効果的に除去し、空気清浄効果を向上させられることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記殻体の底部周縁には、スタンドを設置し、これにより、前記入風口と地面とは一定の距離を隔てることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記交換可能なろ過ユニットは、各種フィルター材により製造することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記殻体内には、別に他の空気処理ユニットを設置することができ、これにより空気に対して、浄化、殺菌、除臭などの処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記空気処理ユニットは、イオン発生器、交換可能な静電集塵板を含み、
前記イオン発生器は、通過する空気を電離させマイナスイオンとし、空気中の粉塵や微粒子、花粉、排気などに電荷(静電)を帯びさせ、前記静電集塵板の吸着、収集を容易にすることを特徴とする請求項4に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記空気処理ユニットは、紫外線ライト(UVライト) を含み、
前記紫外線ライトは、空気中の細菌を殺菌できることを特徴とする請求項4に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記空気処理ユニットは、光触媒板を含み、
前記光触媒板中の二酸化チタンは、空気中の有害物質及び細菌を殺菌及び分解できることを特徴とする請求項4に記載の空気清浄機。
【請求項8】
前記殻体内の上、下には共に、ファンを設置可能であることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項9】
前記ファンは、前記殻体内の任意の位置に設置可能であることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項10】
前記ファンは、取り外し可能な形態で、前記ファン頂点部の出風口端に設置可能であることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項11】
前記ファンは、ファンカバー内に設置し、次に、前記ファンカバーを前記殻体頂点部の出風口位置に設置可能であることを特徴とする請求項10に記載の空気清浄機。
【請求項12】
前記殻体の中軸線は、地面と斜めを呈する状態とすることができ、その入風口は前記殻体の底部に設置し、地面に面することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項13】
前記殻体外部の下方の四周面上には、複数の通気孔を設置し、入風口を構成することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項14】
前記殻体外部の下方の四周面上には、細長い形状を呈する複数の通気孔を設置し、入風口を構成することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−78937(P2011−78937A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234843(P2009−234843)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(509270247)
【氏名又は名称原語表記】Fu−Chi WU
【住所又は居所原語表記】19740 Eagle Ridge Lane, Northridge, CA. 91326,U.S.A.
【Fターム(参考)】