空気清浄装置
【課題】工場、倉庫、温室、ホール、ショッピングモールまたはショッピングルームのごとき限られた空間内のエアゾール濃度を減少するための空気清浄装置を提供する。
【解決手段】ガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈澱装置において、ガス流が比較的自由に通過し得る通路配列体を備え、通路をエレクトレット特性を有するプラスチック壁間に設け、ガス流を前記配列体を通して押圧するための手段を設け、それによって粒子が前記ガス流から前記通路に集められることを特徴とする。
【解決手段】ガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈澱装置において、ガス流が比較的自由に通過し得る通路配列体を備え、通路をエレクトレット特性を有するプラスチック壁間に設け、ガス流を前記配列体を通して押圧するための手段を設け、それによって粒子が前記ガス流から前記通路に集められることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、倉庫、温室、ホール、ショッピングモールまたはショッピングルームのごとき限られた空間内のエアゾール濃度を減少するための空気清浄装置に関するものである。
【発明の背景】
【0002】
高いエアゾール濃度は懸濁された粒子を吸い込むことによって健康上の危険を有する。
【0003】
農場において、高いエアゾール濃度は家禽小屋および集約的な養豚小屋等のごとき状況において認められ、作業者および動物の両方が危険に曝されている。
【0004】
工業において、制限された空間内での溶接、研磨、精錬および内燃機関の使用のごとき種々の工程はすべて取り囲まれた空間内に高い汚染エアゾール濃度を発生している。
【0005】
社会および家庭の状況において、エアゾール汚染は喫煙によって発生されている。くしゃみはバクテリアおよびウイルスのエアゾールを発生する。アレルギー発生花粉はその年の種々の期間において高濃度において認められる。ダニ埃アレルゲン粒子はベッドを整えるとき発生されかつエアゾールとして空気に入り込む。
【0006】
通常の空気清浄器は、フィルタ内に粒子を落とし込む(濾過空気清浄器(FAC’s))かまたは粒子をプレート上に集める(静電沈澱空気清浄器(ESPAC’s))ことにより空気から粒子を除去している。フィルタまたはプレートは次いで処理され、洗浄されかつ交換され得る。
【0007】
FAC’sに関連付けられる欠点は:
1.フィルタの効率がしばしば時間がたつにつれて著しく降下する、
2.フィルタを横切る圧力がしばしば高くかつ強力なファンを必要とする、
3.強力なファンはしばしば雑音が多くかつかなりの動力を消費する、
4.フィルタは規則的に交換される必要がある、
ということである。
【0008】
ESPAC’sに関連付けられる利点は:
1.より低い圧力降下、
2.低い雑音および低い動力、
3.洗浄可能な収集プレート、
である。
【0009】
ESPAC’sに関連付けられる欠点は以下の通りである。すなわち、
1.高電圧金属収集プレートの出費が嵩む遮蔽。使用者は高電圧電源(代表的には、数キロボルト)からの電気ショックの可能性から保護される必要がある。電源が切られるときも同様に、プレート上に蓄えられた電荷からのショックの危険がある。プレートは清浄にするために取り外される必要がありかつそこで安全なインターロックがプレートに接近する前にこのプレートを自動的に放出するように通常設けられている。
【0010】
2.効率の損失および電気的故障(空気が絶縁状態を保てずに、いわゆる絶縁破壊が起こること)によって発生されるオゾンの発生および金属プレート間の漏洩。
【0011】
3.プレートはプレート間の空気中での電気的故障(空気が絶縁状態を保てずに、いわゆる絶縁破壊が起こること)を減少するように比較的広く間隔が置かれる必要がある。これは効率を減少する。
【発明の開示】
【0012】
本発明の目的は、実質上、ESPAC’sに関連付けられる欠点なしに空気またはガス流から粒子を除去するのに使用するための実用的な装置を提供することにある。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、ガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈殿装置はガス流が比較的自由に通過し得る一連の通路配列体を備え、通路をプラスチツク壁間に設け、ガス流を前記通路を通して押圧するための手段を設け、プラスチック壁にはそれと接触してかつ前記通路の外部に導電性材料の区域を設け前記ガス流から粒子を集めるために前記通路に帯電された場所を設けるために前記導電性材料の絶縁された区域に高いおよび低い電位を交互に印加するための手段を備えている。
【0014】
第2の態様によれば、この発明は、ガス流が比較的自由に通過し得る通路配列体を含み、通路をエレクトレット特性を有するプラスチツク壁間に設け、ガス流を前記配列を通して押圧するための手段を備え、それによって粒子が前記ガス流から前記通路に集められるガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈殿装置を提供することにある。
【0015】
通路は、好ましくは、その反対面上に好ましくは導電性材料を有している溝付きのプラスチツクシート材料によって設けられる。溝付きプラスチツクシートは、例えば、一方が他方の頂部上に置かれ、アコーディオン(コンサーティナ)の方法で折り曲げられ、螺旋に形成されるか、または同中心配列からなることも可能である。
【0016】
変形例において、通路は並んで配置されたプラスチツクチューブによって設けられる。前記プラスチツクチューブは長方形の断面からまたは円形の断面からなることもできる。
【0017】
さらに再び、通路は波形プラスチツクシートの壁間にまたは平らなプラスチツクシートと波形の導電性材料との間に形成されることができる。
【0018】
本発明において使用されるプラスチツク材料は、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはその共重合体からなっている。だが、ポリ塩化ビニル、PET,PTFEまたはポリカーボネートのごとき他のプラスチツク材料も、また、適する。
【0019】
本発明の第1の態様の実施例に関して、導電性材料の区域は、好ましくは、高いインピーダンス材料からなるが、低いインピーダンス材料からなることも可能である。交互のプラスチツクシートは高いインピーダンスおよびその上の低いインピーダンスの区域を有することができる。
【0020】
高いインピーダンス材料は、好ましくは、紙のごとき、セルロースを基礎にした材料である。変形例において、高いインピーダンス材料は塗料またはインクまたは帯電防止コーーティングを包含している。
【0021】
低いインピータンス材料は金属シート、金属フィルム、カーボンを基礎にしたフィルムおよびカーボンを基礎にした塗料から選択され得る。
【0022】
導電性材料は、好ましくは、それに電位を印加するための手段が接続されるのを除いてプラスチツク壁の縁部から内方に間隔が置かれている。
【0023】
本発明の好適な実施例は、さらに、通路の配列の前にガス流中の粒子を電気的に帯電するための手段からなっている。かかる手段はコロナ放電手段または放射性イオン化手段であってもよい。
【0024】
本発明の第1の態様の好適な実施例は、高いおよび低い電位において溝付きプラスチツクシート導電性材料の交互の層からなっており、そのさい前記導電性材料が高い電圧の漏洩かつそれゆえ装置に入っている粒子を帯電するためのイオン漏洩を誘起するように前記プラスチツクシートの縁部から内方に間隔が置かれている。低い電位の区域は、好ましくは、アース電位にある。
【0025】
本発明に使用される高いインピーダンスの材料は109 ないし1011オーム/スクエアの範囲の薄いフィルム固有抵抗を有している。
【0026】
本発明の第1の態様の装置は、好ましくは、高い電位区域に電力を供給するための高電圧電源および絶縁された高いインピーダンス材料から作られたそれらの区域との間の接続リード線からなっている。
【0027】
本発明の好適な実施例の装置は、さらに、ガス流が配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための手段からなっている。ガス流が配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための前記手段が一次コロナ放電エミッタおよび一次エミッタに対してより低い電位での二次コロナ放電エミッタからなっている。前記一次エミッタは、好ましくは、高い負の電位に接続される一方前記二次エミッタは、好ましくは、アースされる。前記一次エミッタは、好ましくは、鋭い先端を有する針でありかつ前記二次エミッタは、好ましくは、比較的鈍い先端を有する針である。この発明の第2の態様の好適な実施例において、プラスチツク壁は装置内に参入の前に電気的に帯電されている。前記プラスチツク壁はそれに印加された高い電位差により前記壁の反対側に印加された電極によって帯電される。変形例において、前記プラスチツク壁はより高い温度で電界を印加しかつ次いで電界の存在においてより低い温度に冷却することによって帯電され得る。前記プラスチツク壁は、また、一方の側で高い電位のコロナ放電と他方の側でアースされた導電性板との間で前記プラスチツク壁を動かすことによって帯電され得る。
【0028】
本発明の第2の態様の他の好適な実施例において、プラスチツク壁は溝付きプラスチツクシート材料の面によって設けられかつ帯電は溝内部をアース電位にかつ前記シート材料の外面をそれぞれ高い負のかつ正の電位に接続する導電性液体で前記面を充填することによって可能である。
【0029】
プラスチツク壁を帯電する他の手段はプラスチツク壁ををそれぞれ高いおよび低い電位に維持される導電性または半導電性材料からなるローラ間に送給することによって可能である。
【0030】
また好適であるのは、壁の反対側が導電性にされかつともに電気的に接続されるということである。前記プラスチツク壁は導電性コーティングまたは導電性シート材料の塗布によって導電性にされる。
【0031】
本発明の装置は、一般に、高いおよび低い電位に交互にある一連の間隔が置かれたプレートからなっている。高い電位のプレートは低い電位のプレートから電気的に絶縁されている。高い電位のプレートは低い電位のプレートに関連して正または負にすることができる。低い電位のプレートは直線的に間隔が置かれたプレートの配列または円形に間隔が置かれたプレートの配列または螺旋状に間隔が置かれたプレートの配列または他の好都合に間隔が置かれた配列を形成することができる。高い電位のプレートは特別な高いインピーダンスの材料からかつ金属(低いインピーダンス材料(LIM)である)からでなく製造される。高い電位のプレートの高いインピーダンス材料(HIM)はプレートをそれらの完全な作動電位に上昇させるがそれらをショックの危険に曝さない。高いインピーダンス(HIM)の高い電位のプレートが人間、例えば、使用者によって触れられるとき、電流の流れはショックおよび健康への危険を生じない低い値に制限される。結果として、一連の間隔が置かれたコレクタプレートはもはや空気清浄器内で保護のために隠される必要はなく、しかも代わりに、必要ならば、プレートの洗浄のために容易に接近しかつ取り外すのに外部に取り付けられることができる。
【0032】
高い電位のプレートは高電圧電源から電力を供給する必要がある。本発明によれば、また、高いインピーダンス材料(HIM)から作られた高い電位のプレートへの接続のために特殊なリード線が設けられる。HIMリード線は通常の方法においてプラスチツクで絶縁されるが、絶縁が破壊される場合に、リード線はリード線内からの低い電流の流れの制限によりショックの危険が存在しない。
【0033】
一連の間隔が置かれたプレートに入っている空気は代表的には電気的に駆動されるファンの使用によってプレートの配列(アレイ)を通って吹き出されるかまたは引き出される。それらがプレートを通過するとき、帯電された粒子(正または負に帯電される)および電気的に中立の粒子はプレート上に引き出されかつその上に集められている粒子を結果として生じる強力な電界に従わされる。プレートは使い捨て可能にまたは洗浄可能に設計され得る。
【0034】
好適な実施例において、高い電位および低い電位のプレートセットの両方がHIMから作られている。
【0035】
本発明の他の好適な実施例において、高い電位のHIMプレートは絶縁フィルムで被覆されている。
【0036】
本発明のさらに他の好適な実施例において、高い電位のHIMプレートおよび低い電位のプレートの両方が絶縁フィルムによって被覆されている。
【0037】
変形例において、高い電位のかつ低い電位のプレート間のギヤツプが空気を通す絶縁二重壁の溝付きシート材料によって占有されている。
【0038】
他の好適な実施例において、絶縁プラスチツク二重壁の溝付きシート材料を挟んでいる高電位のかつ低い電位のプレートが最初に高電圧電源に接続されかつ次いで接続解除される。
【0039】
本発明の粒子収集装置は長く持続する電荷を呈している1枚の誘電体材料であるエレクトレットに基づくことも可能である。エレクトレットの電荷は表面電荷層、誘電体内の電荷、分極電荷またはこれらの組み合わせからなっている。
【0040】
薄膜エレクトレットは、その分極および空間電荷が誘電体内のあらゆる所で互いに埋め合わせしないならば、外部の静電電界を示している。この外部静電電界は薄膜ポリマエレクトレットから製造される空気清浄フィルタ材料において利用される。薄膜ポリマは不織フィルタ織物を製造するように充電される。懸濁された粒子を含有している空気が織物に通されるとき粒子は電界がエレクトレット織物に近づくので強力な電界を受ける。これらの力は結果として織物上への粒子の堆積を生じる。この繊維状エレクトレットポリマフィルタ材料は、高い効率が比較的低い圧力降下において達成され得るために通常の繊維状フィルタ媒体(微細ガラス繊維のごとき)を超える利点を有している。
【0041】
しかしながら、同様に低い圧力降下において高い効率を設けることができるフィルタ媒体に関してさらに他の要求が存在している。
【0042】
プラスチツクシート材料、とくにプラスチツク二重壁溝付きプラスチツクシート材料はそれにエレクトレット特性を付与するように予め処理させることができ、そしてその材料が空気清浄収集装置において使用される。シート材料の製造に適するプラスチツク材料は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンおよびプロピレンの共重合体、PVC,PET,PTFE、ポリカーボネート等を含んでいる。使用されるプラスチツク材料は、好ましくは、空気が溝を通って容易に通過する通路を好ましくは備えそしてそこでかかる空気清浄配列による圧力降下は小さい。通過している空気流れ中の粒子は通路内で強力な電界を受けている。帯電された粒子は、それらが付着しかつしたがって捕捉される通路壁に向かって電界内で動く(電気泳動と呼ばれる方法によって)。
【0043】
通路中の電界が非直線であるため、帯電されないまたは中立の粒子は、また、壁に向かって動き(電気泳動と呼ばれる方法によって)かつ捕捉される。
【0044】
多くのエレクトレット空気清浄材料がポリマフィルムの表面上に外部展開を示すように製造されるが、この発明においてはプラスチツク材料の通路内の空気空間の内部で電界強度を最大にするように注意が払われている。
【0045】
本発明を添付図面に示した実施例について以下にさらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1ないし図8の以下の説明において、同様な部分は簡単化のために同一の符号が付与されそして実施例間の主要な差異を簡単に説明する。
【0047】
図1を参照すると、粒子沈澱装置はプレート間に空気またはガスの実質上自由な流れを許容するように分離された少なくとも2枚のプレート1および2(簡単化のために2枚のプレートのみが示されている)からなっている。
【0048】
高い電位にあるプレート1は高いインピーダンスの材料(HIM)から構成されるかまたはそれにより被覆されている。プレートは厚くする必要はなく、1mmまたはそれ以下でほとんどの目的に役立つ。適宜な高いインピーダンスの材料はカード、ボール紙、紙接着セルローステープおよび他の材料の範囲を包含している。変形例において、プレート1はHIMフィルムで被覆されたれ絶縁プラスチツク材料からなることもできる。かかるコーティング材料は幾つかのプラスチツク、幾つかの特殊な塗料および幾つかの帯電防止コーティングを含んでいる。適宜な高いインピーダンスの材料(HIM)は、好ましくは、106 および1011オーム/スクエアの範囲の薄膜抵抗性を有している。比較により、低いインピーダンスの材料(LIM)は、代表的には、ほぼ50ミクロンの厚さの金属に関して0.1ないし1.0オーム/スクエアかつ50ミクロンの厚さのカーボン塗料フィルムに関して10ないし1000オーム/スクエアの薄膜抵抗性を有している。絶縁体および絶縁材料の表面抵抗性は、代表的には、1013ないし1016オーム/スクエアの範囲にある。
【0049】
高電圧電源4は特別なリード線5によって高電圧プレート1に接続されている。リード線5は絶縁材料の覆いによって取り囲まれているHIMの導電コアから構成されている。HIMリード線5は高い電位を維持するのに十分な電流をプレート配列に供給するために十分に導電性であることが必要であるが、絶縁材料が破壊される場合に使用者にショックを生じるのに十分な導電性ではない。多数の材料がリード線5のコアを構成するのに使用されることができ、それはセルロース糸またはプレートの高いインピーダンス材料に使用されると同様な材料を含んでいる。
【0050】
プレート2は低い電圧のプレートでありかつHIMから構成されている。プレート2は通常の絶縁された金属導体コアのリード線6を介して電源4に接続されている。プレート2は低いまたはアース電位にあり、電気ショックの危険を持たずかつそこで、また、金属、金属箔またはカーボン被覆粒子のごとき導電性の材料から構成され得る。
【0051】
例として、13枚のHIMプレートの配列が4mmのプレート間の分離距離により0.4mmの厚さのセルロースカードから構成された。配列体はこの配列体を通る空気流に関して100mmの深さだった。空気は2.0m/sで配列体に通された。高い電位のHIMプレートは低い電位のプレートに関連して−13キロボルトd.c.に保持された。配列体を通っている空気は平均直径0.5ミクロンの負に帯電された塩粒子のほぼ500ミリグラム/立方メートルを含有した。捕捉の効率は93%であるように測定された。
【0052】
図2の実施例(明瞭のために、電源および接続を示してない)において、高い電位のHIMプレート1は絶縁体8で覆われるかまたは被覆されている。これは高いおよび低い電位のプレートが埃または異物によって橋絡される場合にプレート上の電位の漏洩および損失を減少する。
【0053】
絶縁体8は非導電塗料の1つまたは複数のフィルム、プラスチツクテープフィルム、熱密封プラスチツクフィルムまたは他の適宜な絶縁にすることができる。
【0054】
低い電位のプレート7は、高いインピーダンスの材料または金属導電材料、導電性カーボン塗料で被覆された材料、導電性カーボン負荷のプラスチツクまたは他の同様な適宜な材料から構成され得る。
【0055】
図3の実施例において、上方の高い電位のプレート1および下方の低い電位のプレート7は絶縁体8で覆われるかまたは被覆されている。
【0056】
高い電位のプレートは絶縁体8で覆われた高いインピーダンスの材料から構成されている。
【0057】
低い電位のプレートは適宜な高いまたは低いインピーダンスの材料から構成されかつプレートが絶縁体8で覆われている。
【0058】
絶縁されたプレートのセットを有する利点は、プレートがともに接触したとしても高い電位の損失かつそれゆえ機能の損失がないということである。
【0059】
図4aおよび図4bの実施例において、高いおよび低い電位の両方のプレートは絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料9によって分離されている。シート材料9はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、P.T.F.E.または他の適宜な絶縁材料から作ることもできる。図4aは溝を通る空気の流れを示している。図4bは空気があたかも紙面に流れているように図4aと直角である図を示している。空気はプラスチツクシート材料9の溝を通って自由に流れることができる。溝壁10はシート材料9と一体の部分である。溝付きプラスチツクシート材料9は構造が堅固でありかつそれ自体多重プレート配列の簡単な建造物に力を貸している。
【0060】
高いおよび低い電位のプレートの好適な材料は高いインピーダンスの材料(HIM)であるが、二重壁のプラスチツク溝付きシート材料9が良好な絶縁体であるとき、その場合に低いインピーダンスの材料が適するかもしれない。
【0061】
図4の実施例において、粒子の沈澱は高い電位のプレート1と低い電位のプレート2との間に連続する高い電位を印加することによって行われる。
【0062】
例として、直径410mmおよび深さ100mmの円形の配列が、HIMから作られた高いおよび低い電位のプレートによって分離された絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料(IPTFSM)からなる積み重ねを使用して構成された。ポリプロピレンから構成されたIPTFSMは4mmの開放空気間隙を有した。IPTFSMの壁厚は0.4mmであった。使用されたHIMは0.13mmの厚さの接着セルローステープてあった。高い電位のHIMプレートは低い電位のプレートに関連して−10キロボルトd.c.で保持された。空気(平均直径0.5ミクロンの塩粒子のおよそ500ミリグラム/立方メートルの負に帯電されたエアゾールを含んでいる)は1.8m/sの平均速度で配列に通された。清浄な空気供給量(CADR)が717立方メートル/時間として測定された。
【0063】
さらに他の実施例(再び図4に言及する)において、最初の高い電位は2枚のプレート間に印加されかつ次いで高い電圧供給が接続解除される。粒子捕捉での効率は降下するように期待されるかもしれないが、これがその場合であるようには認められない。プレート間に発生された最初の高い電界強度は溝付きプラスチツクシート材料9内に不動にされた電荷を蓄えるエレクトレット材料を形成させると思われる。不動にされて蓄えられた電荷によって発生された電界強度は材料9の溝の壁上に粒子を沈澱するように十分に強い。
【0064】
さらに他の実施例は溝付きシート材料9の前処理なしに空気清浄収集装置として積み重ねられた配列体11を使用することを含んでいる。これらのシート材料はしばしば溶融されたプラスチツクの押し出し成形によって製造されそして本来の純粋さを保っている材料は通常或る程度のエレクトレット特性を有しかつさらに他の処理なしに空気清浄特性を示している。
【0065】
図6、図7および図8は、それぞれ、直線、円形、および螺旋の間隔が置かれたプレートの配列体を示している。各場合において、高い電位のプレートは13でかつ低い電位のプレートは12で示されている。空気の流れはあたかも紙面に向かっている。
【0066】
図9は、空気フィルタが二重壁付きの溝付きのプラスチツクシート10からどのように作られるかを示している。シートの外面30aおよびbは導電性または高い抵抗の電極材料で被覆されるかまたは覆われている。シート材料はその場合に空気通路の重なり合い配列を形成するようにアコーディオン(コンサーティナ)方法において折り曲げられる。一方の外面30aは高い電位の側としてかつ他方の外面30bが低い電位の側として示されている。面30aおよび30bは高いおよび低い電位源にちょうど良い時期に接続されてエアゾール粒子が溝を通って通過している空気流から引き付けられ得る溝内に帯電された場所を誘起するのに必要な電界を設ける。図示されないのは、ファンまたは配列を通って空気を引き出すかまたは吹き出すため他の手段である。
【0067】
本発明の実施例において、粒子がフィルタ配列に入る前に粒子を予め帯電するのが望ましいかもしれない。これは本発明の空気フィルタのプラスチツク空気流出口導管内に配置された2つのイオンエミッタ36,38によって達成されることが可能である。エミッタの一方36は、高い負の電位において、代表的には、0.1mmより小さい先端の曲率半径を有する、鋭い点を備えそして鈍い先端(代表的には0.5mmないし2.0mmである先端の曲率半径)を有しているイオンエミッタ38から距離zに位置決めされている。
【0068】
エミッタ間の高い電界強度の結果として、両方のエミッタはコロナ放出に使われる。鋭いエミッタ36は多量の負のイオンを放出する。負のイオンの流れは正のイオンの流れを本質的に中和する。両方のエミッタを横切っている吹き出している空気の最終的な作用は負のイオンの出発雲を結果として生じる。
【0069】
これらのイオンは空気清浄機を出てかつ部屋内の粒子の拡散帯電に進む。イオンエミッタによって発生された空気イオンは、拡散帯電によりそれらが部屋内の粒子へ少量の電荷を付与する場合に部屋内に吹き出される。帯電された粒子が空気清浄機に引き出されるとき、それらはシート材料の溝内の静電電界によって捕捉される。局部堆積を減少しかつ静電気ショックの可能性を減少するために空気清浄機の内部にイオンエミッタを配置するのが望ましい。外部のイオンエミッタはエミッタの近傍に局部的な汚物の堆積を発生しかつまた空気清浄器の使用者に対して静電気の迷惑を有するかもしれない。これは2つの鋭いエミッタの使用に対比している。2つの鋭いエミッタが使用されるならば、より多くの量の正のイオンが存在する。出口空気流中の正のイオンは負に帯電された粒子を効果的に中立化しかつしたがって溝内の粒子捕捉の効率を減少する。負のイオン化(かつしたがって単極帯電)の最適化はエミッタの電位、エミッタ先端の曲率半径、距離zおよび空気流れの方向および速度を調整することによって達成される。
【0070】
図11は本発明の実施例を略示しており、そのさい絶縁二重壁プラスチツクシート材料は電極材料層42,44間に挟まれた正方形のプラスチツク絶縁チューブ40の配列によって置き換えられる。
【0071】
空気は、空気がシート材料の溝を通って流れるのと同一の方法において正方形のチューブ40の長さを流れ落ちる。正方形の溝は好都合には連続するプラスチツク押し出し成形方法によって製造されかつチューブは種々の空気清浄用途に適するような適宜の長さに切断する。個々のチューブは正方形チューブを挟むように高いおよび低い電位の電極材料42,44と示されるように一直線に整列されている。
【0072】
変形例において、図12に示されるように、円形断面のプラスチツクチューブが、再び、電極材料42,44間に挟まれて使用され得る。
【0073】
図面の図13に留意すると、本発明の粒子収集装置は、それぞれ、高いおよび低い電位において電極材料62,64のシート間に挟まれた波形または波状のプラスチツクシート60の折り目間に設けられる空気流れ通路を有することができる。
【0074】
粒子を勧誘している空気は波形に沿って引き出されるか吹き出される。この型の装置は折り曲げられた長方形の空気清浄配列または円形の空気清浄配列の形成に容易に力を貸している。
【0075】
本発明の好適な実施例は、粒子の外部帯電が必要とされないようにプラスチツク、とくに溝付きプラスチツク、シート配列それ自体によって粒子帯電を設けるように電極または電極材料の位置決めを利用することができる。
【0076】
図14はシート材料72(配列において1枚のシートのみを示している)に関連して電極材料70の配置を示している。距離x,yおよびzは電極のサンドイッチにおいて一方の電極(高い電位)から次の電極(それ以上またはそれ以下の低い電位)への適切な絶縁を許容するように設けられたゆるやかな動きの距離である。
【0077】
距離yが減少されるならば、その場合に高い電圧電流の漏洩が増大する。距離および電圧の適宜な選択によりイオン化がイオン漏洩によって配列の面上に達成され得る。イオン化が空気清浄配列の空気入口面上に発生されるように配置されるならば、その場合に中立の粒子がそれらが配列に入る直前に帯電させられる。イオン化が空気清浄配列の空気出口面上に発生されるように配置されるならば、その場合に、これらのイオンはこれらが引き出されかつ空気清浄配列に落ち込まされる前に部屋内の粒子を帯電させる部屋内に吹き出される。
【0078】
本発明の粒子収集装置の空気清浄配列を取り扱うことによって発生される静電気ショックの可能性を減少するために、図15は、アルミニウム箔接続細片82で被覆された紙80、2枚の紙の層(電流サージブロック)84およびアルミニウム箔端子耳片86からなっている。紙層は電流の流れを数マイクロアンペアに制限するような高い抵抗性の材料からなっている。他の方法は高いおよび低い電圧電極間に直接接続される高い抵抗性の材料を使用する。抵抗性は電源を不正に負荷しない(かつ電圧を減少する)値に調整されるが、動力が切られるとまもなく数秒間空気清浄配列から放電する。この方法において配列は取り扱うのに迅速に安全にされる。
【0079】
図16は部屋環境に使用するための代表的な完成した空気清浄装置100を示しそして図17は粒子帯電および収集を示している部屋環境内の空気清浄装置100を示している。装置100は溝付きプラスチツクシートおよび高いおよび低い電位の電極(図4Bにおけるような)の配列の形のコレクタ102および矢印の方向に配列を通って空気を引き出すためのファン104を備えている。配列およびファンは入口グリル106および出口グリル108との間に封入されている。ファン近傍のコロナエミッタ110はコレクタを出ている空気をイオン化している。
【0080】
通常の静電気空気清浄器においては2枚の平行な導電(通常金属)プレートまたは電極112,114(図18)の間に実質上均一な非直線電界が存在している。
【0081】
2枚のプレート間に通っている帯電された粒子は力を受けかつ帯電された粒子が付着するプレートの一方に動く(電気泳動と呼ばれる方向を介して)。2枚のプレート間を通過している中立の粒子は僅かな力を受けるかまたは力を受けずそして実質上捕捉されることなく通過する。
【0082】
絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料が高いおよび低い転移のプレートまたは電極間に挟まれる本発明の実施例において、(図4B)溝の内部の電界は実質上非直線である。
【0083】
導電または半導電プレート上の電位が均一であるのに反して、溝内部の電界は非直線である。電界の非直線性は多分プラスチツク材料内の電荷の不均一な移動および溝壁の作用によっている。
【0084】
溝を通っている帯電された粒子は電界を受けかつ電気泳動によって堆積される。溝を通過している中立の粒子は非直線の電界を受けかつ動き(電気泳動と呼ばれる方法によって)そして同様に堆積される。
【0085】
力が粒子の分極化および電界の非直線性の両方によって中立の粒子に作用している。その結果は中立の粒子の運動および堆積である。
【0086】
したがって、この実施例において、帯電されたおよび中立の両方の粒子が堆積される。帯電された粒子の堆積効率は中立の粒子の堆積効率より大きい。しかしながら、中立の粒子の堆積効率は顕著である。
【0087】
他の実施例において、電極は水の進入を防止するためにプラスチツクシート材料の内部で密封されてもよい。これは、乾燥されかつ再び使用され得るように複合コレクタ配列が水または洗剤を使用して周期的にきれいに洗浄されることを許容する。
【0088】
図19に示されるように、溝付きシート配列を波形または波状電極に形成された電極120を有することにより置き換えることができそして電極はプラスチツク材料の薄膜122を使用して分離される。
【0089】
空気は波形およびプラスチツクフィルムによって形成されたサンドイッチを通して吹き付けられるかまたは引き出される。
【0090】
説明のために、半導電性材料は約109 〜1011オーム/スクエアの程度の薄膜抵抗性を有しているあらゆる材料である。
【0091】
この発明を、次に、添付図面の図4Bに関連して低い電圧降下における高い効率を示すように、例として、さらに説明する。
【0092】
シート厚さ2.1ミリメートル、溝間隔2.7ミリメートルおよび壁厚150ミクロンを有する300グラム/平方メートルの1枚のプラスチツク二重壁溝付きシート材料が選択された。シートは切断されかつ80g.s.m.紙転居区を使用して空気清浄配列に組み立てられた。
【0093】
配列は70mmの空気流通過深さを付与するように寸法付けられた。一方の組の電極がアースに接続されかつ他方の組の電極がマイナス12,000ボルトに
維持された。
【0094】
約1ミリグラム/立方メートルの0.5ミクロン塩エアゾールが試験室に発生された。粒子帯電は図10において説明されたように2つの電極(一方がアース、他方が12kv)を超えて室空気に吹き付けることにより拡散帯電によって達成された。
【0095】
一連の実験が配列を通る種々の空気速度において塩粒子の捕捉効率を測定するためにエアゾールモニタを使用して導かれた。結果は以下の通りである。
空気速度 捕捉効率 圧力降下
(m/s) (%) (パスカル)
0.5 99.99 3
1.0 99.97 7
2.0 99.95 14
3.0 99.23 27
さらに他の実施例において、プラスチツク二重壁溝付きシート材料はあらゆる処理により空気清浄配列に簡単に作られる。
【0096】
図5に関連して、プラスチツク二重壁溝付きシート材料10のエレクトレット帯電に適する好適な実施例を以下で説明する。
【0097】
これは絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料9の配列11からなっている。この実施例において高いおよび低い電位のプレートがある。代わりに、各個々のシート9は高いおよび低い電圧の電極間で「帯電」され、除去されかつ次いで配列11を形成するように積み重ねられる。それを通って流れる粒子を沈澱させるようなこの配列の有効性はシート材料9内に蓄えられたエレクトレット電荷に依存している。大きな電荷がシート材料9を除去しかつ配列11に積み重ねる前に非常に大きな電位差を印加することにより蓄えられ得る。
【0098】
除去可能な平らな金属または半導電性電極がシート材料10の頂部および底部に用いられる。高い電位差が2つの電極間に印加される。高い電圧を充電するのに十分な時間後次いで接続解除されそして電極は新たに形成されたエレクトレットシート材料から除去される。
【0099】
エレクトレットシート材料は次に切断されかつ材料を空気清浄配列200(図5参照)に積み重ねることによって簡単に形成され得る。溝内部の電界は溝を通して流れている空気の流れへの粒子の落ち込みを結果としてもたらす。外部電源は、プラスチツク材料内のエレクトレット電荷が時間に関連して安定している(寿命を多年にすることが可能である)ため溝内の電界を維持するのに必要とされない。
【0100】
図20の実施例において、(シート材料のエレクトレット帯電後)各シート10の両側(空気清浄配列のすべてのシートのすべての側)をともに電気的に接続するのが好都合と認められた。これは溝の内部の電界を最大にしかつそれゆえ濾過の効率を最大にするようになされる。
【0101】
各シートの各側をともに電気的に接続するために、すべてのプラスチツクシート表面は導電性または半導電性にされることが必要である。これは導電性塗料フィルムまたは帯電防止コーティングを用いるか、またはシートの各側に紙または金属フィルム198を取着することによってなされ得る。
【0102】
配列中のすべてのシートの導電性面は次いでワイヤ202、導電性テープ、半導電性テープ、導電性コーティング、半導電性または同様な手段の使用によってともに接続される。
【0103】
これと同様にともに接続されるとき溝空気空間内の電界は最大にされることができかつそれゆえ粒子の捕捉効率は最大にされ得る。
【0104】
図20の実施例を、次に、以下の例として、さらに説明する。
【0105】
エチレンおよびプロピレンの共重合体から作られたプラスチツク二重壁付き溝付きシート材料10のシートが選択された。シートは2.1ミリメートルのシート厚さ、2.7ミリメートルの溝間隔および約150ミクロンの壁厚さを有する約300グラム/平方メートルの重さがあった。
【0106】
紙電極がシート材料を挟むように配置された。一方の電極はアースに電気的に接続されかつ他方の電極は15分の周期にわたってマイナス33,000ボルトの電位に接続された。電極は接続解除され、取り除かれそしてエレクトレット帯電プラスチツクシート材料は切断されかつ図20に示されるように配列にサンドイッチにされた。
【0107】
エレクトレットシートは70ミリメートルの空気流通過深さを付与するように切断された。一連の実験は配列を通る種々の空気速度において0.5ミクロン塩粒子の捕捉の効率を測定するためにエアゾールモニタを使用して導かれた。
【0108】
約1ミリグラム/立方メートルの濃度での帯電されないエアゾール塩粒子を使用する結果は以下の通りであった。
空気速度 捕捉効率 圧力降下
(m/s) (%) (パスカル)
1 93 6
2 88 13
3 84 26
4 79 37
5 74 52
約1ミリグラム/立方メートルの濃度において負に帯電されたエアゾール粒子を使用する結果は以下の通りであった。
空気速度 捕捉効率 圧力降下
(m/s) (%) (パスカル)
1 99 6
2 99 13
3 99 26
4 98 37
5 96 52
プラスチツク二重壁溝付きシート材料10のエレクトレット帯電はより高い温度で材料に電界を印加しかつ次いで電界の存在においてより低い温度に冷却することによって達成され得る。
【0109】
図21はシートの下でアースされた導電性または半導電性プレート212を有するシートの上方に配置された高い電位のコロナワイヤ210を使用しているプラスチツク二重壁シート材料のエレクトレット帯電の他の手段を示している。プラスチツクシートはプラスチツクシートの長さに沿って帯電を行うためにゆっくり動かされる。
【0110】
図22において、プラスチツク二重壁の溝付きシート材料10はシートの下にアースされた導電性または半導電性プレート216を備えたシートの上方に配置された高い電位のコロナ点エミッタ214を使用して達成される。プラスチツクシートはこのプラスチツクシートの長さに沿って帯電を行うためにゆっくり動かされる。エレクトレット材料に最大の電荷貯蔵を達成するために、通常、エレクトレット材料を横切って非常に高い電位差を印加することが好都合である。付与された電位差が高ければ高いほど、付与された電位が除去された後利用し得る蓄えられた電荷は益々高い。しかしながら、電位差は、余りにも高い誘電体破壊があるならば結果としてエレクトレット電荷の減少を生じるため制御されねばならない。
【0111】
プラスチツク二重壁シート材料10の溝付き構造は図23に示されるように代替の好適な手段によってエクトレット帯電に力を貸している。溝の内部は、適宜に導電性にされた、水または他の液体220によつて洗浄されるかまたはそれによって充填されている。今、一時的に導電性である、溝の内部はアース電位に接続されかつプラスチツクシートの頂部および底部面は伝導性または半伝導性の電極222,224で覆われている。頂部電極222は適宜に高い負の電位に接続されている。底部電極224は適宜に高い正の電位に接続されている。この方法においてエレクトレット電荷はシート材料の頂部および底部面の誘電体に形成されている。
【0112】
適宜な時間後、電極は接続解除され、導電性の液体が溝から排出されそして溝が空気乾燥される。溝内部の空隙の非常に高い電界強度がこの方法において達成される。
【0113】
この新たに形成されたエレクトレット溝材料が切断されかつかつ以前に示されたように空気清浄配列に配置される。
【0114】
図24に示されるように、プラスチツク二重壁溝付きシート材料10のエレクトレット帯電は導電性または半導電性材料から作られたローラ230,232を介してシート材料をゆっくり送給することによって達成される。ローラはそれぞれ適宜な高いおよび低い電位に維持される。ローラは電荷転送を高めるために適宜な導電性液体で湿されるかまたは処理されることができる。
【0115】
プラスチツク二重壁溝付きシート材料のエレクトレット帯電は、除去し得る電極の一方または両方が電荷転送を高めるために適宜な導電性液体で湿されるかまたは処理されること除いて、図5に関連して述べられた方法と同様な方法において達成され得る。
【0116】
プラスチツク溝付きシート材料以外の材料は好都合にエレクトレット帯電されかつ本発明の空気清浄配列を構成するのに使用され得る。図25はこれを示している。長方形の断面配管300が示されるように2つの平らな電極302,304によってエレクトレット帯電される。エレクトレット帯電はバッチ処理を使用してまたは好ましくは連続的に達成され得る。
【0117】
変形例において、図26に示されるように、長方形断面のプラスチツク配管300は2つのL−断面形状の電極306によってエレクトレット帯電される。
【0118】
図27は、円形または楕円形断面のプラスチツク配管310が2つの適宜に成形された電極312,314によってエレクトレット帯電され得る。
【0119】
いったんエレクトレット帯電されると、長方形300または円形310のプラスチツクチューブは切断されかつ図28にそれそれ示されるように空気清浄配列に組み立てられることかできる。
【0120】
図29はエレクトレット帯電された溝付き配列(図20に示された配列と同様な)が空気清浄装置としてでなくしかも帯電された粒子検出器として使用されることを示している。溝10に入っている帯電された粒子は溝を横切る電界を受ける。粒子はそれらが付着しかつそれらの電荷を向ける壁に動いている。電荷は電極198に移動する。正に帯電された粒子またはイオンは溝の1側に動きかつ負に帯電された粒子またはイオンは他の側に移動する。
【0121】
分極化されたエレクトレット帯電されたシートの正しい方法を保証することによりかつ交互の電極をともに接続することにより、2つの電流、すなわち、集められた正の電荷(A1)に起因する電流および集められた負の電荷(A2)に起因する電流を測定することが可能である。
【0122】
かかる配列の帯電された粒子の収集可能性は高感度の粒子汚染測定装置400(図30参照)を構成するのに利用させることができる。かかる装置の簡単な説明を次いで行う。等電性チューブ402は入口グリル404を有しそして図20に示される型のエレクトレット配列406に至っている。導電性チューブ402はアースに接続されている。チューブ402内にはコロナエミッタ針408がある。配列406を超えて、ファン410および出口グリル412がある。配列406は捕捉された粒子から配列上に集められた電荷から結果として生じる電流を測定するために電流計Aを介してアースに接続されている。
【0123】
空気はファン410によって装置に引き出される。空気の流れのすべてが単極コロナ帯電(技術的に、フィールド帯電と呼ばれる)を受ける。粒子がコロナ帯電器を通過するので、すべての粒子が帯電される。コロナ電荷が負であるならば、その場合にすべての粒子が、入っている粒子の電荷の状態に関係なく負に帯電される。すなわち、コロナ帯電器に入っている正、中立および負の粒子は負の電荷で出る。
【0124】
これらの負の粒子のすべてが次にエレクトレット帯電された配列406に捕捉されるならば、配列から流れている電流は装置に入っている粒子の密度に比例しかつ装置を通る空気の流れに比例する。
【0125】
かかる装置は、高い感度(低い圧力降下が高い空気流量を許容する)、安定ゼロ状態(粒子がない、電流がない)、漏洩または干渉の問題なし(集合配列が高い電圧に接続されない)を含んでいる、他の粒子汚染測定装置を超える多数の利点を有している。
【0126】
次に、図30の実施例は、以下の例として、さらに説明される。すなわち、
煙エアゾールが部屋内に発生されかつ100mmの直径の円形断面の導電性チューブに引き出された。(空気速度1.5メートル/秒)。エアゾールは約マイナス6000ボルトの電位で保持された中心に置かれた絶縁された針上に通された。針からのコロナ放電が到来する粒子を電気的に帯電するように4.5マイクロアンペアのイオン電流を発生した。非常に動きやすい過剰な負のイオンのすべてが取り囲んでいる導電性チューブによって捕捉された。それらの低い移動性によって帯電された粒子は70ミリメートルの深さの正方形のエレクトレット帯電された配列に空気流に沿って運ばれた。流れ中の負の粒子は配列に捕捉されかつ電流計によって測定される電流を生起した。
【0127】
実験の結果は以下の通りである。
エアゾール濃度 配列からの電流
(μg/m3 ) (ナノアンペア)
1000 6.2
800 5.0
600 3.7
400 2.5
200 1.3
0 0.0
図はエアゾール濃度と配列(アレイ)によって集められた電流との間の直線関係を示している。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す概略図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す概略図である。
【図4】図4Aは本発明の第4実施例を示す概略図である。図4Bは本発明の第4実施例を示す概略図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す概略図である。
【図6】直線的に間隔が置かれたプレートの配列を示す第6実施例の概略図である。
【図7】円形に間隔が置かれたプレートの配列を示す第7実施例の概略図である。
【図8】螺旋状に間隔が置かれたプレートの配列を示す第8実施例の概略図である。
【図9】本発明の第9実施例を示す概略図である。
【図10】空気流れ中の粒子を帯電するための装置を示す概略図である。
【図11】本発明の第10実施例を示す概略図である。
【図12】本発明の第11実施例を示す概略図である。
【図13】本発明の第12実施例を示す概略図である。
【図14】空気流れ中の粒子を帯電するためにイオン漏洩を発生するための装置を示す概略図である。
【図15】本発明の装置からの静電気ショックの危険を減少するための装置を略示する概略図である。
【図16】本発明の粒子沈澱装置の作動を示す概略図である。
【図17】本発明の粒子沈澱装置の作動を示す概略図である。
【図18】従来技術の静電空気清浄器を示す概略図である。
【図19】本発明の第13実施例を示す概略図である。
【図20】本発明の第14実施例を示す概略図である。
【図21】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第1手段を示す概略図である。
【図22】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第2手段を示す概略図である。
【図23】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第3手段を示す概略図である。
【図24】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第4手段を示す概略図である。
【図25】本発明の第15実施例を示す概略図である。
【図26】本発明の第16実施例を示す概略図である。
【図27】本発明の第17実施例を示す概略図である。
【図28】本発明の第18実施例を示す概略図である。
【図29】本発明による帯電された粒子検出器を示す概略図である。
【図30】本発明による粒子汚染測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0129】
1,2,7,9,12,13 プレート
4 電源
5 リード線
8 絶縁体
11 通路配列体
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場、倉庫、温室、ホール、ショッピングモールまたはショッピングルームのごとき限られた空間内のエアゾール濃度を減少するための空気清浄装置に関するものである。
【発明の背景】
【0002】
高いエアゾール濃度は懸濁された粒子を吸い込むことによって健康上の危険を有する。
【0003】
農場において、高いエアゾール濃度は家禽小屋および集約的な養豚小屋等のごとき状況において認められ、作業者および動物の両方が危険に曝されている。
【0004】
工業において、制限された空間内での溶接、研磨、精錬および内燃機関の使用のごとき種々の工程はすべて取り囲まれた空間内に高い汚染エアゾール濃度を発生している。
【0005】
社会および家庭の状況において、エアゾール汚染は喫煙によって発生されている。くしゃみはバクテリアおよびウイルスのエアゾールを発生する。アレルギー発生花粉はその年の種々の期間において高濃度において認められる。ダニ埃アレルゲン粒子はベッドを整えるとき発生されかつエアゾールとして空気に入り込む。
【0006】
通常の空気清浄器は、フィルタ内に粒子を落とし込む(濾過空気清浄器(FAC’s))かまたは粒子をプレート上に集める(静電沈澱空気清浄器(ESPAC’s))ことにより空気から粒子を除去している。フィルタまたはプレートは次いで処理され、洗浄されかつ交換され得る。
【0007】
FAC’sに関連付けられる欠点は:
1.フィルタの効率がしばしば時間がたつにつれて著しく降下する、
2.フィルタを横切る圧力がしばしば高くかつ強力なファンを必要とする、
3.強力なファンはしばしば雑音が多くかつかなりの動力を消費する、
4.フィルタは規則的に交換される必要がある、
ということである。
【0008】
ESPAC’sに関連付けられる利点は:
1.より低い圧力降下、
2.低い雑音および低い動力、
3.洗浄可能な収集プレート、
である。
【0009】
ESPAC’sに関連付けられる欠点は以下の通りである。すなわち、
1.高電圧金属収集プレートの出費が嵩む遮蔽。使用者は高電圧電源(代表的には、数キロボルト)からの電気ショックの可能性から保護される必要がある。電源が切られるときも同様に、プレート上に蓄えられた電荷からのショックの危険がある。プレートは清浄にするために取り外される必要がありかつそこで安全なインターロックがプレートに接近する前にこのプレートを自動的に放出するように通常設けられている。
【0010】
2.効率の損失および電気的故障(空気が絶縁状態を保てずに、いわゆる絶縁破壊が起こること)によって発生されるオゾンの発生および金属プレート間の漏洩。
【0011】
3.プレートはプレート間の空気中での電気的故障(空気が絶縁状態を保てずに、いわゆる絶縁破壊が起こること)を減少するように比較的広く間隔が置かれる必要がある。これは効率を減少する。
【発明の開示】
【0012】
本発明の目的は、実質上、ESPAC’sに関連付けられる欠点なしに空気またはガス流から粒子を除去するのに使用するための実用的な装置を提供することにある。
【0013】
本発明の第1の態様によれば、ガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈殿装置はガス流が比較的自由に通過し得る一連の通路配列体を備え、通路をプラスチツク壁間に設け、ガス流を前記通路を通して押圧するための手段を設け、プラスチック壁にはそれと接触してかつ前記通路の外部に導電性材料の区域を設け前記ガス流から粒子を集めるために前記通路に帯電された場所を設けるために前記導電性材料の絶縁された区域に高いおよび低い電位を交互に印加するための手段を備えている。
【0014】
第2の態様によれば、この発明は、ガス流が比較的自由に通過し得る通路配列体を含み、通路をエレクトレット特性を有するプラスチツク壁間に設け、ガス流を前記配列を通して押圧するための手段を備え、それによって粒子が前記ガス流から前記通路に集められるガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈殿装置を提供することにある。
【0015】
通路は、好ましくは、その反対面上に好ましくは導電性材料を有している溝付きのプラスチツクシート材料によって設けられる。溝付きプラスチツクシートは、例えば、一方が他方の頂部上に置かれ、アコーディオン(コンサーティナ)の方法で折り曲げられ、螺旋に形成されるか、または同中心配列からなることも可能である。
【0016】
変形例において、通路は並んで配置されたプラスチツクチューブによって設けられる。前記プラスチツクチューブは長方形の断面からまたは円形の断面からなることもできる。
【0017】
さらに再び、通路は波形プラスチツクシートの壁間にまたは平らなプラスチツクシートと波形の導電性材料との間に形成されることができる。
【0018】
本発明において使用されるプラスチツク材料は、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはその共重合体からなっている。だが、ポリ塩化ビニル、PET,PTFEまたはポリカーボネートのごとき他のプラスチツク材料も、また、適する。
【0019】
本発明の第1の態様の実施例に関して、導電性材料の区域は、好ましくは、高いインピーダンス材料からなるが、低いインピーダンス材料からなることも可能である。交互のプラスチツクシートは高いインピーダンスおよびその上の低いインピーダンスの区域を有することができる。
【0020】
高いインピーダンス材料は、好ましくは、紙のごとき、セルロースを基礎にした材料である。変形例において、高いインピーダンス材料は塗料またはインクまたは帯電防止コーーティングを包含している。
【0021】
低いインピータンス材料は金属シート、金属フィルム、カーボンを基礎にしたフィルムおよびカーボンを基礎にした塗料から選択され得る。
【0022】
導電性材料は、好ましくは、それに電位を印加するための手段が接続されるのを除いてプラスチツク壁の縁部から内方に間隔が置かれている。
【0023】
本発明の好適な実施例は、さらに、通路の配列の前にガス流中の粒子を電気的に帯電するための手段からなっている。かかる手段はコロナ放電手段または放射性イオン化手段であってもよい。
【0024】
本発明の第1の態様の好適な実施例は、高いおよび低い電位において溝付きプラスチツクシート導電性材料の交互の層からなっており、そのさい前記導電性材料が高い電圧の漏洩かつそれゆえ装置に入っている粒子を帯電するためのイオン漏洩を誘起するように前記プラスチツクシートの縁部から内方に間隔が置かれている。低い電位の区域は、好ましくは、アース電位にある。
【0025】
本発明に使用される高いインピーダンスの材料は109 ないし1011オーム/スクエアの範囲の薄いフィルム固有抵抗を有している。
【0026】
本発明の第1の態様の装置は、好ましくは、高い電位区域に電力を供給するための高電圧電源および絶縁された高いインピーダンス材料から作られたそれらの区域との間の接続リード線からなっている。
【0027】
本発明の好適な実施例の装置は、さらに、ガス流が配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための手段からなっている。ガス流が配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための前記手段が一次コロナ放電エミッタおよび一次エミッタに対してより低い電位での二次コロナ放電エミッタからなっている。前記一次エミッタは、好ましくは、高い負の電位に接続される一方前記二次エミッタは、好ましくは、アースされる。前記一次エミッタは、好ましくは、鋭い先端を有する針でありかつ前記二次エミッタは、好ましくは、比較的鈍い先端を有する針である。この発明の第2の態様の好適な実施例において、プラスチツク壁は装置内に参入の前に電気的に帯電されている。前記プラスチツク壁はそれに印加された高い電位差により前記壁の反対側に印加された電極によって帯電される。変形例において、前記プラスチツク壁はより高い温度で電界を印加しかつ次いで電界の存在においてより低い温度に冷却することによって帯電され得る。前記プラスチツク壁は、また、一方の側で高い電位のコロナ放電と他方の側でアースされた導電性板との間で前記プラスチツク壁を動かすことによって帯電され得る。
【0028】
本発明の第2の態様の他の好適な実施例において、プラスチツク壁は溝付きプラスチツクシート材料の面によって設けられかつ帯電は溝内部をアース電位にかつ前記シート材料の外面をそれぞれ高い負のかつ正の電位に接続する導電性液体で前記面を充填することによって可能である。
【0029】
プラスチツク壁を帯電する他の手段はプラスチツク壁ををそれぞれ高いおよび低い電位に維持される導電性または半導電性材料からなるローラ間に送給することによって可能である。
【0030】
また好適であるのは、壁の反対側が導電性にされかつともに電気的に接続されるということである。前記プラスチツク壁は導電性コーティングまたは導電性シート材料の塗布によって導電性にされる。
【0031】
本発明の装置は、一般に、高いおよび低い電位に交互にある一連の間隔が置かれたプレートからなっている。高い電位のプレートは低い電位のプレートから電気的に絶縁されている。高い電位のプレートは低い電位のプレートに関連して正または負にすることができる。低い電位のプレートは直線的に間隔が置かれたプレートの配列または円形に間隔が置かれたプレートの配列または螺旋状に間隔が置かれたプレートの配列または他の好都合に間隔が置かれた配列を形成することができる。高い電位のプレートは特別な高いインピーダンスの材料からかつ金属(低いインピーダンス材料(LIM)である)からでなく製造される。高い電位のプレートの高いインピーダンス材料(HIM)はプレートをそれらの完全な作動電位に上昇させるがそれらをショックの危険に曝さない。高いインピーダンス(HIM)の高い電位のプレートが人間、例えば、使用者によって触れられるとき、電流の流れはショックおよび健康への危険を生じない低い値に制限される。結果として、一連の間隔が置かれたコレクタプレートはもはや空気清浄器内で保護のために隠される必要はなく、しかも代わりに、必要ならば、プレートの洗浄のために容易に接近しかつ取り外すのに外部に取り付けられることができる。
【0032】
高い電位のプレートは高電圧電源から電力を供給する必要がある。本発明によれば、また、高いインピーダンス材料(HIM)から作られた高い電位のプレートへの接続のために特殊なリード線が設けられる。HIMリード線は通常の方法においてプラスチツクで絶縁されるが、絶縁が破壊される場合に、リード線はリード線内からの低い電流の流れの制限によりショックの危険が存在しない。
【0033】
一連の間隔が置かれたプレートに入っている空気は代表的には電気的に駆動されるファンの使用によってプレートの配列(アレイ)を通って吹き出されるかまたは引き出される。それらがプレートを通過するとき、帯電された粒子(正または負に帯電される)および電気的に中立の粒子はプレート上に引き出されかつその上に集められている粒子を結果として生じる強力な電界に従わされる。プレートは使い捨て可能にまたは洗浄可能に設計され得る。
【0034】
好適な実施例において、高い電位および低い電位のプレートセットの両方がHIMから作られている。
【0035】
本発明の他の好適な実施例において、高い電位のHIMプレートは絶縁フィルムで被覆されている。
【0036】
本発明のさらに他の好適な実施例において、高い電位のHIMプレートおよび低い電位のプレートの両方が絶縁フィルムによって被覆されている。
【0037】
変形例において、高い電位のかつ低い電位のプレート間のギヤツプが空気を通す絶縁二重壁の溝付きシート材料によって占有されている。
【0038】
他の好適な実施例において、絶縁プラスチツク二重壁の溝付きシート材料を挟んでいる高電位のかつ低い電位のプレートが最初に高電圧電源に接続されかつ次いで接続解除される。
【0039】
本発明の粒子収集装置は長く持続する電荷を呈している1枚の誘電体材料であるエレクトレットに基づくことも可能である。エレクトレットの電荷は表面電荷層、誘電体内の電荷、分極電荷またはこれらの組み合わせからなっている。
【0040】
薄膜エレクトレットは、その分極および空間電荷が誘電体内のあらゆる所で互いに埋め合わせしないならば、外部の静電電界を示している。この外部静電電界は薄膜ポリマエレクトレットから製造される空気清浄フィルタ材料において利用される。薄膜ポリマは不織フィルタ織物を製造するように充電される。懸濁された粒子を含有している空気が織物に通されるとき粒子は電界がエレクトレット織物に近づくので強力な電界を受ける。これらの力は結果として織物上への粒子の堆積を生じる。この繊維状エレクトレットポリマフィルタ材料は、高い効率が比較的低い圧力降下において達成され得るために通常の繊維状フィルタ媒体(微細ガラス繊維のごとき)を超える利点を有している。
【0041】
しかしながら、同様に低い圧力降下において高い効率を設けることができるフィルタ媒体に関してさらに他の要求が存在している。
【0042】
プラスチツクシート材料、とくにプラスチツク二重壁溝付きプラスチツクシート材料はそれにエレクトレット特性を付与するように予め処理させることができ、そしてその材料が空気清浄収集装置において使用される。シート材料の製造に適するプラスチツク材料は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンおよびプロピレンの共重合体、PVC,PET,PTFE、ポリカーボネート等を含んでいる。使用されるプラスチツク材料は、好ましくは、空気が溝を通って容易に通過する通路を好ましくは備えそしてそこでかかる空気清浄配列による圧力降下は小さい。通過している空気流れ中の粒子は通路内で強力な電界を受けている。帯電された粒子は、それらが付着しかつしたがって捕捉される通路壁に向かって電界内で動く(電気泳動と呼ばれる方法によって)。
【0043】
通路中の電界が非直線であるため、帯電されないまたは中立の粒子は、また、壁に向かって動き(電気泳動と呼ばれる方法によって)かつ捕捉される。
【0044】
多くのエレクトレット空気清浄材料がポリマフィルムの表面上に外部展開を示すように製造されるが、この発明においてはプラスチツク材料の通路内の空気空間の内部で電界強度を最大にするように注意が払われている。
【0045】
本発明を添付図面に示した実施例について以下にさらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1ないし図8の以下の説明において、同様な部分は簡単化のために同一の符号が付与されそして実施例間の主要な差異を簡単に説明する。
【0047】
図1を参照すると、粒子沈澱装置はプレート間に空気またはガスの実質上自由な流れを許容するように分離された少なくとも2枚のプレート1および2(簡単化のために2枚のプレートのみが示されている)からなっている。
【0048】
高い電位にあるプレート1は高いインピーダンスの材料(HIM)から構成されるかまたはそれにより被覆されている。プレートは厚くする必要はなく、1mmまたはそれ以下でほとんどの目的に役立つ。適宜な高いインピーダンスの材料はカード、ボール紙、紙接着セルローステープおよび他の材料の範囲を包含している。変形例において、プレート1はHIMフィルムで被覆されたれ絶縁プラスチツク材料からなることもできる。かかるコーティング材料は幾つかのプラスチツク、幾つかの特殊な塗料および幾つかの帯電防止コーティングを含んでいる。適宜な高いインピーダンスの材料(HIM)は、好ましくは、106 および1011オーム/スクエアの範囲の薄膜抵抗性を有している。比較により、低いインピーダンスの材料(LIM)は、代表的には、ほぼ50ミクロンの厚さの金属に関して0.1ないし1.0オーム/スクエアかつ50ミクロンの厚さのカーボン塗料フィルムに関して10ないし1000オーム/スクエアの薄膜抵抗性を有している。絶縁体および絶縁材料の表面抵抗性は、代表的には、1013ないし1016オーム/スクエアの範囲にある。
【0049】
高電圧電源4は特別なリード線5によって高電圧プレート1に接続されている。リード線5は絶縁材料の覆いによって取り囲まれているHIMの導電コアから構成されている。HIMリード線5は高い電位を維持するのに十分な電流をプレート配列に供給するために十分に導電性であることが必要であるが、絶縁材料が破壊される場合に使用者にショックを生じるのに十分な導電性ではない。多数の材料がリード線5のコアを構成するのに使用されることができ、それはセルロース糸またはプレートの高いインピーダンス材料に使用されると同様な材料を含んでいる。
【0050】
プレート2は低い電圧のプレートでありかつHIMから構成されている。プレート2は通常の絶縁された金属導体コアのリード線6を介して電源4に接続されている。プレート2は低いまたはアース電位にあり、電気ショックの危険を持たずかつそこで、また、金属、金属箔またはカーボン被覆粒子のごとき導電性の材料から構成され得る。
【0051】
例として、13枚のHIMプレートの配列が4mmのプレート間の分離距離により0.4mmの厚さのセルロースカードから構成された。配列体はこの配列体を通る空気流に関して100mmの深さだった。空気は2.0m/sで配列体に通された。高い電位のHIMプレートは低い電位のプレートに関連して−13キロボルトd.c.に保持された。配列体を通っている空気は平均直径0.5ミクロンの負に帯電された塩粒子のほぼ500ミリグラム/立方メートルを含有した。捕捉の効率は93%であるように測定された。
【0052】
図2の実施例(明瞭のために、電源および接続を示してない)において、高い電位のHIMプレート1は絶縁体8で覆われるかまたは被覆されている。これは高いおよび低い電位のプレートが埃または異物によって橋絡される場合にプレート上の電位の漏洩および損失を減少する。
【0053】
絶縁体8は非導電塗料の1つまたは複数のフィルム、プラスチツクテープフィルム、熱密封プラスチツクフィルムまたは他の適宜な絶縁にすることができる。
【0054】
低い電位のプレート7は、高いインピーダンスの材料または金属導電材料、導電性カーボン塗料で被覆された材料、導電性カーボン負荷のプラスチツクまたは他の同様な適宜な材料から構成され得る。
【0055】
図3の実施例において、上方の高い電位のプレート1および下方の低い電位のプレート7は絶縁体8で覆われるかまたは被覆されている。
【0056】
高い電位のプレートは絶縁体8で覆われた高いインピーダンスの材料から構成されている。
【0057】
低い電位のプレートは適宜な高いまたは低いインピーダンスの材料から構成されかつプレートが絶縁体8で覆われている。
【0058】
絶縁されたプレートのセットを有する利点は、プレートがともに接触したとしても高い電位の損失かつそれゆえ機能の損失がないということである。
【0059】
図4aおよび図4bの実施例において、高いおよび低い電位の両方のプレートは絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料9によって分離されている。シート材料9はポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、P.T.F.E.または他の適宜な絶縁材料から作ることもできる。図4aは溝を通る空気の流れを示している。図4bは空気があたかも紙面に流れているように図4aと直角である図を示している。空気はプラスチツクシート材料9の溝を通って自由に流れることができる。溝壁10はシート材料9と一体の部分である。溝付きプラスチツクシート材料9は構造が堅固でありかつそれ自体多重プレート配列の簡単な建造物に力を貸している。
【0060】
高いおよび低い電位のプレートの好適な材料は高いインピーダンスの材料(HIM)であるが、二重壁のプラスチツク溝付きシート材料9が良好な絶縁体であるとき、その場合に低いインピーダンスの材料が適するかもしれない。
【0061】
図4の実施例において、粒子の沈澱は高い電位のプレート1と低い電位のプレート2との間に連続する高い電位を印加することによって行われる。
【0062】
例として、直径410mmおよび深さ100mmの円形の配列が、HIMから作られた高いおよび低い電位のプレートによって分離された絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料(IPTFSM)からなる積み重ねを使用して構成された。ポリプロピレンから構成されたIPTFSMは4mmの開放空気間隙を有した。IPTFSMの壁厚は0.4mmであった。使用されたHIMは0.13mmの厚さの接着セルローステープてあった。高い電位のHIMプレートは低い電位のプレートに関連して−10キロボルトd.c.で保持された。空気(平均直径0.5ミクロンの塩粒子のおよそ500ミリグラム/立方メートルの負に帯電されたエアゾールを含んでいる)は1.8m/sの平均速度で配列に通された。清浄な空気供給量(CADR)が717立方メートル/時間として測定された。
【0063】
さらに他の実施例(再び図4に言及する)において、最初の高い電位は2枚のプレート間に印加されかつ次いで高い電圧供給が接続解除される。粒子捕捉での効率は降下するように期待されるかもしれないが、これがその場合であるようには認められない。プレート間に発生された最初の高い電界強度は溝付きプラスチツクシート材料9内に不動にされた電荷を蓄えるエレクトレット材料を形成させると思われる。不動にされて蓄えられた電荷によって発生された電界強度は材料9の溝の壁上に粒子を沈澱するように十分に強い。
【0064】
さらに他の実施例は溝付きシート材料9の前処理なしに空気清浄収集装置として積み重ねられた配列体11を使用することを含んでいる。これらのシート材料はしばしば溶融されたプラスチツクの押し出し成形によって製造されそして本来の純粋さを保っている材料は通常或る程度のエレクトレット特性を有しかつさらに他の処理なしに空気清浄特性を示している。
【0065】
図6、図7および図8は、それぞれ、直線、円形、および螺旋の間隔が置かれたプレートの配列体を示している。各場合において、高い電位のプレートは13でかつ低い電位のプレートは12で示されている。空気の流れはあたかも紙面に向かっている。
【0066】
図9は、空気フィルタが二重壁付きの溝付きのプラスチツクシート10からどのように作られるかを示している。シートの外面30aおよびbは導電性または高い抵抗の電極材料で被覆されるかまたは覆われている。シート材料はその場合に空気通路の重なり合い配列を形成するようにアコーディオン(コンサーティナ)方法において折り曲げられる。一方の外面30aは高い電位の側としてかつ他方の外面30bが低い電位の側として示されている。面30aおよび30bは高いおよび低い電位源にちょうど良い時期に接続されてエアゾール粒子が溝を通って通過している空気流から引き付けられ得る溝内に帯電された場所を誘起するのに必要な電界を設ける。図示されないのは、ファンまたは配列を通って空気を引き出すかまたは吹き出すため他の手段である。
【0067】
本発明の実施例において、粒子がフィルタ配列に入る前に粒子を予め帯電するのが望ましいかもしれない。これは本発明の空気フィルタのプラスチツク空気流出口導管内に配置された2つのイオンエミッタ36,38によって達成されることが可能である。エミッタの一方36は、高い負の電位において、代表的には、0.1mmより小さい先端の曲率半径を有する、鋭い点を備えそして鈍い先端(代表的には0.5mmないし2.0mmである先端の曲率半径)を有しているイオンエミッタ38から距離zに位置決めされている。
【0068】
エミッタ間の高い電界強度の結果として、両方のエミッタはコロナ放出に使われる。鋭いエミッタ36は多量の負のイオンを放出する。負のイオンの流れは正のイオンの流れを本質的に中和する。両方のエミッタを横切っている吹き出している空気の最終的な作用は負のイオンの出発雲を結果として生じる。
【0069】
これらのイオンは空気清浄機を出てかつ部屋内の粒子の拡散帯電に進む。イオンエミッタによって発生された空気イオンは、拡散帯電によりそれらが部屋内の粒子へ少量の電荷を付与する場合に部屋内に吹き出される。帯電された粒子が空気清浄機に引き出されるとき、それらはシート材料の溝内の静電電界によって捕捉される。局部堆積を減少しかつ静電気ショックの可能性を減少するために空気清浄機の内部にイオンエミッタを配置するのが望ましい。外部のイオンエミッタはエミッタの近傍に局部的な汚物の堆積を発生しかつまた空気清浄器の使用者に対して静電気の迷惑を有するかもしれない。これは2つの鋭いエミッタの使用に対比している。2つの鋭いエミッタが使用されるならば、より多くの量の正のイオンが存在する。出口空気流中の正のイオンは負に帯電された粒子を効果的に中立化しかつしたがって溝内の粒子捕捉の効率を減少する。負のイオン化(かつしたがって単極帯電)の最適化はエミッタの電位、エミッタ先端の曲率半径、距離zおよび空気流れの方向および速度を調整することによって達成される。
【0070】
図11は本発明の実施例を略示しており、そのさい絶縁二重壁プラスチツクシート材料は電極材料層42,44間に挟まれた正方形のプラスチツク絶縁チューブ40の配列によって置き換えられる。
【0071】
空気は、空気がシート材料の溝を通って流れるのと同一の方法において正方形のチューブ40の長さを流れ落ちる。正方形の溝は好都合には連続するプラスチツク押し出し成形方法によって製造されかつチューブは種々の空気清浄用途に適するような適宜の長さに切断する。個々のチューブは正方形チューブを挟むように高いおよび低い電位の電極材料42,44と示されるように一直線に整列されている。
【0072】
変形例において、図12に示されるように、円形断面のプラスチツクチューブが、再び、電極材料42,44間に挟まれて使用され得る。
【0073】
図面の図13に留意すると、本発明の粒子収集装置は、それぞれ、高いおよび低い電位において電極材料62,64のシート間に挟まれた波形または波状のプラスチツクシート60の折り目間に設けられる空気流れ通路を有することができる。
【0074】
粒子を勧誘している空気は波形に沿って引き出されるか吹き出される。この型の装置は折り曲げられた長方形の空気清浄配列または円形の空気清浄配列の形成に容易に力を貸している。
【0075】
本発明の好適な実施例は、粒子の外部帯電が必要とされないようにプラスチツク、とくに溝付きプラスチツク、シート配列それ自体によって粒子帯電を設けるように電極または電極材料の位置決めを利用することができる。
【0076】
図14はシート材料72(配列において1枚のシートのみを示している)に関連して電極材料70の配置を示している。距離x,yおよびzは電極のサンドイッチにおいて一方の電極(高い電位)から次の電極(それ以上またはそれ以下の低い電位)への適切な絶縁を許容するように設けられたゆるやかな動きの距離である。
【0077】
距離yが減少されるならば、その場合に高い電圧電流の漏洩が増大する。距離および電圧の適宜な選択によりイオン化がイオン漏洩によって配列の面上に達成され得る。イオン化が空気清浄配列の空気入口面上に発生されるように配置されるならば、その場合に中立の粒子がそれらが配列に入る直前に帯電させられる。イオン化が空気清浄配列の空気出口面上に発生されるように配置されるならば、その場合に、これらのイオンはこれらが引き出されかつ空気清浄配列に落ち込まされる前に部屋内の粒子を帯電させる部屋内に吹き出される。
【0078】
本発明の粒子収集装置の空気清浄配列を取り扱うことによって発生される静電気ショックの可能性を減少するために、図15は、アルミニウム箔接続細片82で被覆された紙80、2枚の紙の層(電流サージブロック)84およびアルミニウム箔端子耳片86からなっている。紙層は電流の流れを数マイクロアンペアに制限するような高い抵抗性の材料からなっている。他の方法は高いおよび低い電圧電極間に直接接続される高い抵抗性の材料を使用する。抵抗性は電源を不正に負荷しない(かつ電圧を減少する)値に調整されるが、動力が切られるとまもなく数秒間空気清浄配列から放電する。この方法において配列は取り扱うのに迅速に安全にされる。
【0079】
図16は部屋環境に使用するための代表的な完成した空気清浄装置100を示しそして図17は粒子帯電および収集を示している部屋環境内の空気清浄装置100を示している。装置100は溝付きプラスチツクシートおよび高いおよび低い電位の電極(図4Bにおけるような)の配列の形のコレクタ102および矢印の方向に配列を通って空気を引き出すためのファン104を備えている。配列およびファンは入口グリル106および出口グリル108との間に封入されている。ファン近傍のコロナエミッタ110はコレクタを出ている空気をイオン化している。
【0080】
通常の静電気空気清浄器においては2枚の平行な導電(通常金属)プレートまたは電極112,114(図18)の間に実質上均一な非直線電界が存在している。
【0081】
2枚のプレート間に通っている帯電された粒子は力を受けかつ帯電された粒子が付着するプレートの一方に動く(電気泳動と呼ばれる方向を介して)。2枚のプレート間を通過している中立の粒子は僅かな力を受けるかまたは力を受けずそして実質上捕捉されることなく通過する。
【0082】
絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料が高いおよび低い転移のプレートまたは電極間に挟まれる本発明の実施例において、(図4B)溝の内部の電界は実質上非直線である。
【0083】
導電または半導電プレート上の電位が均一であるのに反して、溝内部の電界は非直線である。電界の非直線性は多分プラスチツク材料内の電荷の不均一な移動および溝壁の作用によっている。
【0084】
溝を通っている帯電された粒子は電界を受けかつ電気泳動によって堆積される。溝を通過している中立の粒子は非直線の電界を受けかつ動き(電気泳動と呼ばれる方法によって)そして同様に堆積される。
【0085】
力が粒子の分極化および電界の非直線性の両方によって中立の粒子に作用している。その結果は中立の粒子の運動および堆積である。
【0086】
したがって、この実施例において、帯電されたおよび中立の両方の粒子が堆積される。帯電された粒子の堆積効率は中立の粒子の堆積効率より大きい。しかしながら、中立の粒子の堆積効率は顕著である。
【0087】
他の実施例において、電極は水の進入を防止するためにプラスチツクシート材料の内部で密封されてもよい。これは、乾燥されかつ再び使用され得るように複合コレクタ配列が水または洗剤を使用して周期的にきれいに洗浄されることを許容する。
【0088】
図19に示されるように、溝付きシート配列を波形または波状電極に形成された電極120を有することにより置き換えることができそして電極はプラスチツク材料の薄膜122を使用して分離される。
【0089】
空気は波形およびプラスチツクフィルムによって形成されたサンドイッチを通して吹き付けられるかまたは引き出される。
【0090】
説明のために、半導電性材料は約109 〜1011オーム/スクエアの程度の薄膜抵抗性を有しているあらゆる材料である。
【0091】
この発明を、次に、添付図面の図4Bに関連して低い電圧降下における高い効率を示すように、例として、さらに説明する。
【0092】
シート厚さ2.1ミリメートル、溝間隔2.7ミリメートルおよび壁厚150ミクロンを有する300グラム/平方メートルの1枚のプラスチツク二重壁溝付きシート材料が選択された。シートは切断されかつ80g.s.m.紙転居区を使用して空気清浄配列に組み立てられた。
【0093】
配列は70mmの空気流通過深さを付与するように寸法付けられた。一方の組の電極がアースに接続されかつ他方の組の電極がマイナス12,000ボルトに
維持された。
【0094】
約1ミリグラム/立方メートルの0.5ミクロン塩エアゾールが試験室に発生された。粒子帯電は図10において説明されたように2つの電極(一方がアース、他方が12kv)を超えて室空気に吹き付けることにより拡散帯電によって達成された。
【0095】
一連の実験が配列を通る種々の空気速度において塩粒子の捕捉効率を測定するためにエアゾールモニタを使用して導かれた。結果は以下の通りである。
空気速度 捕捉効率 圧力降下
(m/s) (%) (パスカル)
0.5 99.99 3
1.0 99.97 7
2.0 99.95 14
3.0 99.23 27
さらに他の実施例において、プラスチツク二重壁溝付きシート材料はあらゆる処理により空気清浄配列に簡単に作られる。
【0096】
図5に関連して、プラスチツク二重壁溝付きシート材料10のエレクトレット帯電に適する好適な実施例を以下で説明する。
【0097】
これは絶縁プラスチツク二重壁溝付きシート材料9の配列11からなっている。この実施例において高いおよび低い電位のプレートがある。代わりに、各個々のシート9は高いおよび低い電圧の電極間で「帯電」され、除去されかつ次いで配列11を形成するように積み重ねられる。それを通って流れる粒子を沈澱させるようなこの配列の有効性はシート材料9内に蓄えられたエレクトレット電荷に依存している。大きな電荷がシート材料9を除去しかつ配列11に積み重ねる前に非常に大きな電位差を印加することにより蓄えられ得る。
【0098】
除去可能な平らな金属または半導電性電極がシート材料10の頂部および底部に用いられる。高い電位差が2つの電極間に印加される。高い電圧を充電するのに十分な時間後次いで接続解除されそして電極は新たに形成されたエレクトレットシート材料から除去される。
【0099】
エレクトレットシート材料は次に切断されかつ材料を空気清浄配列200(図5参照)に積み重ねることによって簡単に形成され得る。溝内部の電界は溝を通して流れている空気の流れへの粒子の落ち込みを結果としてもたらす。外部電源は、プラスチツク材料内のエレクトレット電荷が時間に関連して安定している(寿命を多年にすることが可能である)ため溝内の電界を維持するのに必要とされない。
【0100】
図20の実施例において、(シート材料のエレクトレット帯電後)各シート10の両側(空気清浄配列のすべてのシートのすべての側)をともに電気的に接続するのが好都合と認められた。これは溝の内部の電界を最大にしかつそれゆえ濾過の効率を最大にするようになされる。
【0101】
各シートの各側をともに電気的に接続するために、すべてのプラスチツクシート表面は導電性または半導電性にされることが必要である。これは導電性塗料フィルムまたは帯電防止コーティングを用いるか、またはシートの各側に紙または金属フィルム198を取着することによってなされ得る。
【0102】
配列中のすべてのシートの導電性面は次いでワイヤ202、導電性テープ、半導電性テープ、導電性コーティング、半導電性または同様な手段の使用によってともに接続される。
【0103】
これと同様にともに接続されるとき溝空気空間内の電界は最大にされることができかつそれゆえ粒子の捕捉効率は最大にされ得る。
【0104】
図20の実施例を、次に、以下の例として、さらに説明する。
【0105】
エチレンおよびプロピレンの共重合体から作られたプラスチツク二重壁付き溝付きシート材料10のシートが選択された。シートは2.1ミリメートルのシート厚さ、2.7ミリメートルの溝間隔および約150ミクロンの壁厚さを有する約300グラム/平方メートルの重さがあった。
【0106】
紙電極がシート材料を挟むように配置された。一方の電極はアースに電気的に接続されかつ他方の電極は15分の周期にわたってマイナス33,000ボルトの電位に接続された。電極は接続解除され、取り除かれそしてエレクトレット帯電プラスチツクシート材料は切断されかつ図20に示されるように配列にサンドイッチにされた。
【0107】
エレクトレットシートは70ミリメートルの空気流通過深さを付与するように切断された。一連の実験は配列を通る種々の空気速度において0.5ミクロン塩粒子の捕捉の効率を測定するためにエアゾールモニタを使用して導かれた。
【0108】
約1ミリグラム/立方メートルの濃度での帯電されないエアゾール塩粒子を使用する結果は以下の通りであった。
空気速度 捕捉効率 圧力降下
(m/s) (%) (パスカル)
1 93 6
2 88 13
3 84 26
4 79 37
5 74 52
約1ミリグラム/立方メートルの濃度において負に帯電されたエアゾール粒子を使用する結果は以下の通りであった。
空気速度 捕捉効率 圧力降下
(m/s) (%) (パスカル)
1 99 6
2 99 13
3 99 26
4 98 37
5 96 52
プラスチツク二重壁溝付きシート材料10のエレクトレット帯電はより高い温度で材料に電界を印加しかつ次いで電界の存在においてより低い温度に冷却することによって達成され得る。
【0109】
図21はシートの下でアースされた導電性または半導電性プレート212を有するシートの上方に配置された高い電位のコロナワイヤ210を使用しているプラスチツク二重壁シート材料のエレクトレット帯電の他の手段を示している。プラスチツクシートはプラスチツクシートの長さに沿って帯電を行うためにゆっくり動かされる。
【0110】
図22において、プラスチツク二重壁の溝付きシート材料10はシートの下にアースされた導電性または半導電性プレート216を備えたシートの上方に配置された高い電位のコロナ点エミッタ214を使用して達成される。プラスチツクシートはこのプラスチツクシートの長さに沿って帯電を行うためにゆっくり動かされる。エレクトレット材料に最大の電荷貯蔵を達成するために、通常、エレクトレット材料を横切って非常に高い電位差を印加することが好都合である。付与された電位差が高ければ高いほど、付与された電位が除去された後利用し得る蓄えられた電荷は益々高い。しかしながら、電位差は、余りにも高い誘電体破壊があるならば結果としてエレクトレット電荷の減少を生じるため制御されねばならない。
【0111】
プラスチツク二重壁シート材料10の溝付き構造は図23に示されるように代替の好適な手段によってエクトレット帯電に力を貸している。溝の内部は、適宜に導電性にされた、水または他の液体220によつて洗浄されるかまたはそれによって充填されている。今、一時的に導電性である、溝の内部はアース電位に接続されかつプラスチツクシートの頂部および底部面は伝導性または半伝導性の電極222,224で覆われている。頂部電極222は適宜に高い負の電位に接続されている。底部電極224は適宜に高い正の電位に接続されている。この方法においてエレクトレット電荷はシート材料の頂部および底部面の誘電体に形成されている。
【0112】
適宜な時間後、電極は接続解除され、導電性の液体が溝から排出されそして溝が空気乾燥される。溝内部の空隙の非常に高い電界強度がこの方法において達成される。
【0113】
この新たに形成されたエレクトレット溝材料が切断されかつかつ以前に示されたように空気清浄配列に配置される。
【0114】
図24に示されるように、プラスチツク二重壁溝付きシート材料10のエレクトレット帯電は導電性または半導電性材料から作られたローラ230,232を介してシート材料をゆっくり送給することによって達成される。ローラはそれぞれ適宜な高いおよび低い電位に維持される。ローラは電荷転送を高めるために適宜な導電性液体で湿されるかまたは処理されることができる。
【0115】
プラスチツク二重壁溝付きシート材料のエレクトレット帯電は、除去し得る電極の一方または両方が電荷転送を高めるために適宜な導電性液体で湿されるかまたは処理されること除いて、図5に関連して述べられた方法と同様な方法において達成され得る。
【0116】
プラスチツク溝付きシート材料以外の材料は好都合にエレクトレット帯電されかつ本発明の空気清浄配列を構成するのに使用され得る。図25はこれを示している。長方形の断面配管300が示されるように2つの平らな電極302,304によってエレクトレット帯電される。エレクトレット帯電はバッチ処理を使用してまたは好ましくは連続的に達成され得る。
【0117】
変形例において、図26に示されるように、長方形断面のプラスチツク配管300は2つのL−断面形状の電極306によってエレクトレット帯電される。
【0118】
図27は、円形または楕円形断面のプラスチツク配管310が2つの適宜に成形された電極312,314によってエレクトレット帯電され得る。
【0119】
いったんエレクトレット帯電されると、長方形300または円形310のプラスチツクチューブは切断されかつ図28にそれそれ示されるように空気清浄配列に組み立てられることかできる。
【0120】
図29はエレクトレット帯電された溝付き配列(図20に示された配列と同様な)が空気清浄装置としてでなくしかも帯電された粒子検出器として使用されることを示している。溝10に入っている帯電された粒子は溝を横切る電界を受ける。粒子はそれらが付着しかつそれらの電荷を向ける壁に動いている。電荷は電極198に移動する。正に帯電された粒子またはイオンは溝の1側に動きかつ負に帯電された粒子またはイオンは他の側に移動する。
【0121】
分極化されたエレクトレット帯電されたシートの正しい方法を保証することによりかつ交互の電極をともに接続することにより、2つの電流、すなわち、集められた正の電荷(A1)に起因する電流および集められた負の電荷(A2)に起因する電流を測定することが可能である。
【0122】
かかる配列の帯電された粒子の収集可能性は高感度の粒子汚染測定装置400(図30参照)を構成するのに利用させることができる。かかる装置の簡単な説明を次いで行う。等電性チューブ402は入口グリル404を有しそして図20に示される型のエレクトレット配列406に至っている。導電性チューブ402はアースに接続されている。チューブ402内にはコロナエミッタ針408がある。配列406を超えて、ファン410および出口グリル412がある。配列406は捕捉された粒子から配列上に集められた電荷から結果として生じる電流を測定するために電流計Aを介してアースに接続されている。
【0123】
空気はファン410によって装置に引き出される。空気の流れのすべてが単極コロナ帯電(技術的に、フィールド帯電と呼ばれる)を受ける。粒子がコロナ帯電器を通過するので、すべての粒子が帯電される。コロナ電荷が負であるならば、その場合にすべての粒子が、入っている粒子の電荷の状態に関係なく負に帯電される。すなわち、コロナ帯電器に入っている正、中立および負の粒子は負の電荷で出る。
【0124】
これらの負の粒子のすべてが次にエレクトレット帯電された配列406に捕捉されるならば、配列から流れている電流は装置に入っている粒子の密度に比例しかつ装置を通る空気の流れに比例する。
【0125】
かかる装置は、高い感度(低い圧力降下が高い空気流量を許容する)、安定ゼロ状態(粒子がない、電流がない)、漏洩または干渉の問題なし(集合配列が高い電圧に接続されない)を含んでいる、他の粒子汚染測定装置を超える多数の利点を有している。
【0126】
次に、図30の実施例は、以下の例として、さらに説明される。すなわち、
煙エアゾールが部屋内に発生されかつ100mmの直径の円形断面の導電性チューブに引き出された。(空気速度1.5メートル/秒)。エアゾールは約マイナス6000ボルトの電位で保持された中心に置かれた絶縁された針上に通された。針からのコロナ放電が到来する粒子を電気的に帯電するように4.5マイクロアンペアのイオン電流を発生した。非常に動きやすい過剰な負のイオンのすべてが取り囲んでいる導電性チューブによって捕捉された。それらの低い移動性によって帯電された粒子は70ミリメートルの深さの正方形のエレクトレット帯電された配列に空気流に沿って運ばれた。流れ中の負の粒子は配列に捕捉されかつ電流計によって測定される電流を生起した。
【0127】
実験の結果は以下の通りである。
エアゾール濃度 配列からの電流
(μg/m3 ) (ナノアンペア)
1000 6.2
800 5.0
600 3.7
400 2.5
200 1.3
0 0.0
図はエアゾール濃度と配列(アレイ)によって集められた電流との間の直線関係を示している。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す概略図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す概略図である。
【図4】図4Aは本発明の第4実施例を示す概略図である。図4Bは本発明の第4実施例を示す概略図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す概略図である。
【図6】直線的に間隔が置かれたプレートの配列を示す第6実施例の概略図である。
【図7】円形に間隔が置かれたプレートの配列を示す第7実施例の概略図である。
【図8】螺旋状に間隔が置かれたプレートの配列を示す第8実施例の概略図である。
【図9】本発明の第9実施例を示す概略図である。
【図10】空気流れ中の粒子を帯電するための装置を示す概略図である。
【図11】本発明の第10実施例を示す概略図である。
【図12】本発明の第11実施例を示す概略図である。
【図13】本発明の第12実施例を示す概略図である。
【図14】空気流れ中の粒子を帯電するためにイオン漏洩を発生するための装置を示す概略図である。
【図15】本発明の装置からの静電気ショックの危険を減少するための装置を略示する概略図である。
【図16】本発明の粒子沈澱装置の作動を示す概略図である。
【図17】本発明の粒子沈澱装置の作動を示す概略図である。
【図18】従来技術の静電空気清浄器を示す概略図である。
【図19】本発明の第13実施例を示す概略図である。
【図20】本発明の第14実施例を示す概略図である。
【図21】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第1手段を示す概略図である。
【図22】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第2手段を示す概略図である。
【図23】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第3手段を示す概略図である。
【図24】本発明の装置用のコレクタプレートのエレクトレット帯電の第4手段を示す概略図である。
【図25】本発明の第15実施例を示す概略図である。
【図26】本発明の第16実施例を示す概略図である。
【図27】本発明の第17実施例を示す概略図である。
【図28】本発明の第18実施例を示す概略図である。
【図29】本発明による帯電された粒子検出器を示す概略図である。
【図30】本発明による粒子汚染測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0129】
1,2,7,9,12,13 プレート
4 電源
5 リード線
8 絶縁体
11 通路配列体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈殿装置において、ガス流が比較的自由に通過し得る通路配列体を備え、通路をエレクトレット特性を有するプラスチツク壁間に設け、ガス流を前記配列体を通して押圧するための手段を設け、それによって粒子が前記ガス流から前記通路に集められることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記通路が溝付きのプラスチツクシート材料によって設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記溝付きプラスチツクシートが一方が他方の頂部上に置かれることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記溝付きプラスチツクシート材料がアコーディオンの方法で折り曲げられることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記溝付きプラスチツクシート材料が螺旋に形成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記プラスチツクシート材料が同中心配列にあることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記通路が並んで配置されたプラスチツクチューブによって設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プラスチツクチューブが長方形の断面からなっていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記チューブが円形の断面からなっていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記通路が波形プラスチツクシートの壁間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記通路が波形の電極と平らなプラスチツクシートとの間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プラスチツク材料がポリプロピレン、ポリエチレンまたはその共重合体、ポリ塩化ビニル、PET,PTFEまたはポリカーボネートからなることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
さらに、通路の前記配列の前に前記ガス流中の粒子を電気的に帯電するための手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記ガス流中の粒子を電気的に帯電するためのコロナ放電手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ガス流中の粒子を電気的に帯電するための放射性イオン化手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
さらに、前記ガス流が前記配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記ガス流が前記配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための前記手段が一次コロナ放電エミッタと、一次エミッタに対してより低い電位での二次コロナ放電エミッタとからなっていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記一次エミッタが高い負の電位に接続されかつ前記二次エミッタがアースされることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記一次エミッタが鋭い先端を有する針でありかつ前記二次エミッタが比較的鈍い先端を有する針であることを特徴とする請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記プラスチツク壁が前記装置内に参入の前に電気的に帯電されることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記プラスチツク壁がそれに印加された高い電位差により前記壁の反対側に印加された電極によって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記プラスチツク壁がより高い温度で電界を印加しかつ次いで電界の存在においてより低い温度に冷却することによって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記プラスチツク壁が一方の側で高い電位のコロナ放電と他方の側でアースされた導電性板との間で前記プラスチツク壁を動かすことによって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記プラスチツク壁が溝付きプラスチツクシート材料の面によって設けられかつ充電が溝内部をアース電位にかつ前記シート材料の外面をそれぞれ高い負のかつ正の電位に接続する導電性液体で前記面を充填することによることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記プラスチツク壁がこれらをそれぞれ高いおよび低い電位に維持される導電性または半導電性材料からなるローラ間に送給することによって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記壁の反対側が導電性にされかつ電気的に接続されることを特徴とする請求項21ないし25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記壁の反対側がアースに接続されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プラスチツク壁が導電性コーティングまたは導電性シート材料の塗布によって導電性にされることを特徴とする請求項26または27に記載の装置。
【請求項29】
汚染モニタの形において、前記プラスチツク壁が集められた粒子から生じる電流を測定するための電流計を介してアースに電気的に接続されことを特徴とする請求項1ないし28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項1】
ガス流中に運ばれる粒子を除去するための粒子沈殿装置において、ガス流が比較的自由に通過し得る通路配列体を備え、通路をエレクトレット特性を有するプラスチツク壁間に設け、ガス流を前記配列体を通して押圧するための手段を設け、それによって粒子が前記ガス流から前記通路に集められることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記通路が溝付きのプラスチツクシート材料によって設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記溝付きプラスチツクシートが一方が他方の頂部上に置かれることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記溝付きプラスチツクシート材料がアコーディオンの方法で折り曲げられることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記溝付きプラスチツクシート材料が螺旋に形成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記プラスチツクシート材料が同中心配列にあることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記通路が並んで配置されたプラスチツクチューブによって設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プラスチツクチューブが長方形の断面からなっていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記チューブが円形の断面からなっていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記通路が波形プラスチツクシートの壁間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記通路が波形の電極と平らなプラスチツクシートとの間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記プラスチツク材料がポリプロピレン、ポリエチレンまたはその共重合体、ポリ塩化ビニル、PET,PTFEまたはポリカーボネートからなることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
さらに、通路の前記配列の前に前記ガス流中の粒子を電気的に帯電するための手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記ガス流中の粒子を電気的に帯電するためのコロナ放電手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ガス流中の粒子を電気的に帯電するための放射性イオン化手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
さらに、前記ガス流が前記配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記ガス流が前記配列を出るとき前記ガス流をイオン化するための前記手段が一次コロナ放電エミッタと、一次エミッタに対してより低い電位での二次コロナ放電エミッタとからなっていることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記一次エミッタが高い負の電位に接続されかつ前記二次エミッタがアースされることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記一次エミッタが鋭い先端を有する針でありかつ前記二次エミッタが比較的鈍い先端を有する針であることを特徴とする請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記プラスチツク壁が前記装置内に参入の前に電気的に帯電されることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記プラスチツク壁がそれに印加された高い電位差により前記壁の反対側に印加された電極によって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記プラスチツク壁がより高い温度で電界を印加しかつ次いで電界の存在においてより低い温度に冷却することによって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記プラスチツク壁が一方の側で高い電位のコロナ放電と他方の側でアースされた導電性板との間で前記プラスチツク壁を動かすことによって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記プラスチツク壁が溝付きプラスチツクシート材料の面によって設けられかつ充電が溝内部をアース電位にかつ前記シート材料の外面をそれぞれ高い負のかつ正の電位に接続する導電性液体で前記面を充填することによることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記プラスチツク壁がこれらをそれぞれ高いおよび低い電位に維持される導電性または半導電性材料からなるローラ間に送給することによって帯電されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記壁の反対側が導電性にされかつ電気的に接続されることを特徴とする請求項21ないし25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記壁の反対側がアースに接続されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プラスチツク壁が導電性コーティングまたは導電性シート材料の塗布によって導電性にされることを特徴とする請求項26または27に記載の装置。
【請求項29】
汚染モニタの形において、前記プラスチツク壁が集められた粒子から生じる電流を測定するための電流計を介してアースに電気的に接続されことを特徴とする請求項1ないし28のいずれか1項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−99657(P2010−99657A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267254(P2009−267254)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【分割の表示】特願2000−610614(P2000−610614)の分割
【原出願日】平成12年4月12日(2000.4.12)
【出願人】(501399131)ダーウイン テクノロジー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【分割の表示】特願2000−610614(P2000−610614)の分割
【原出願日】平成12年4月12日(2000.4.12)
【出願人】(501399131)ダーウイン テクノロジー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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