説明

空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置

【課題】運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ること。
【解決手段】ケース内に、エバポレータ、ヒータコア、ヒータコアを迂回して、エバポレータを通過した空気をヒータコアの下流側に導く第1のダクト、およびエバポレータを通過した空気をヒータコアへ導く第2のダクトを備え、第1のダクトを通過した空気と、第2のダクトおよびヒータコアを通過した空気とを、エバポレータおよびヒータコアの下流側のエアミックス領域で混合し、各吹出口から車室内に流出させる空気調和ユニットであって、エアミックス領域の上流側に位置する第1のダクトに設けられて、第2のダクトに流入する空気量を調整するエアミックスダンパ14に、板厚方向に貫通する多数の貫通穴54,55,56または複数の開口が設けられているとともに、貫通穴54,55,56または開口が吸音材(多孔質体)61により閉塞されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和ユニットとしては、本体カバー内にエバポレータ、ヒータコア等が配置された、いわゆるHVAC(Heating Ventilation Air-Conditioning)モジュールが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−182195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、近年の車両においてはさらなる低騒音化が求められており、これに伴って、車両用空気調和装置においても、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減が求められている。
また、近年実用化されているEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド自動車)では、エンジン音が無くなったため、走行中のロードノイズ(タイヤの走行音)および車両に搭載された車両用空気調和装置からの音が、車内における騒音の主な原因となっている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができる空気調和ユニットおよび車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る空気調和ユニットは、ケース内に、該ケースの一端部から導入された空気を冷却するエバポレータ、該エバポレータを通過した空気を加熱するヒータコア、該ヒータコアを迂回して、前記エバポレータを通過した空気を前記ヒータコアの下流側に導く第1のダクト、および前記エバポレータを通過した空気を前記ヒータコアへ導く第2のダクトを備え、前記第1のダクトを通過した空気と、前記第2のダクトおよび前記ヒータコアを通過した空気とを、前記エバポレータおよび前記ヒータコアの下流側のエアミックス領域で混合し、各吹出口から車室内に流出させる車両用空気調和装置であって、前記エアミックス領域の上流側に位置する第1のダクトに設けられて、前記第2のダクトに流入する空気量を調整するエアミックスダンパに、板厚方向に貫通する多数の貫通穴または複数の開口が設けられているとともに、前記貫通穴または前記開口が多孔質体により閉塞されている。
【0007】
本発明に係る空気調和ユニットによれば、エバポレータ内を流れる冷媒の流動音が、エアミックスダンパに設けられた多数の貫通穴または複数の開口、および多孔質体を通って第2のダクト内および/またはエアミックス領域内に導かれ、第2のダクト内および/またはエアミックス領域内で減衰されることになる。
これにより、エアミックスダンパで反射される上記冷媒の流動音を低減させることができて、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができる。
なお、エアミックスダンパに設けられた多数の貫通穴または複数の開口、および多孔質体は、上記冷媒の流動音は通過するが、第1のダクトおよび/または第2のダクトを流れる空気は通過しないようになっている。
【0008】
上記空気調和ユニットにおいて、前記多孔質体は、平面視矩形状を呈する板状の部材とされ、前記貫通穴の一側開口のみを塞ぐようにして設けられているとさらに好適である。
【0009】
このような空気調和ユニットによれば、貫通穴の一側開口のみが平面視矩形状を呈する板状の多孔質体によって閉塞されるようになっている。
これにより、当該空気調和ユニットのさらなる軽量化を図ることができる。
【0010】
上記空気調和ユニットにおいて、前記多孔質体は、平面視円形状を呈する板状の部材とされ、前記貫通穴の一側開口のみを塞ぐようにして設けられているとさらに好適である。
【0011】
このような空気調和ユニットによれば、貫通穴の一側開口のみが平面視円形状を呈する板状の多孔質体によって閉塞されるようになっている。
これにより、多孔質体の重量を、平面視矩形状を呈する板状のものよりも軽量にすることができ、当該空気調和ユニットのさらなる軽量化を図ることができる。
【0012】
本発明に係る車両用空気調和装置は、上記いずれかの空気調和ユニットを具備している。
【0013】
本発明に係る車両用空気調和装置によれば、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができる空気調和ユニットを具備している。
これにより、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができ、車内における騒音のさらなる低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る空気調和ユニットによれば、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気調和ユニットの縦断面図である。
【図2】図1に示すエアミックスダンパの斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るエアミックスダンパの斜視図である。
【図4】図3のIV−IV矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和ユニットを、図1および図2を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る空気調和ユニットの縦断面図、図2は図1に示すエアミックスダンパの斜視図である。
【0017】
図1に示すように、空気調和ユニット10は、ケース11と、エバポレータ12と、ヒータコア13と、エアミックスダンパ(A/Mダンパ)14とを主たる要素として構成された、いわゆるHVAC(Heating Ventilation Air-Conditioning)モジュールである。
【0018】
図1において符号Aは導入口(一端部)であり、図示しないブロアにより車室内または車室外より取り入れられた空気が導入される部分である。また、図1において左側が車両の前方側、右側が車両の後方側である。
【0019】
ケース11は、導入口Aと、車両のフロントガラス等に向けて吹き出させるデフロスタ吹出口21、乗員の顔、手、胸といった部位に向けて吹き出させるフェース吹出口22、および乗員の足下に向けて吹き出させるフット吹出口23とを連通するものである。
【0020】
エバポレータ12は、冷凍サイクル中の膨張弁等で減圧された低温低圧冷媒が内部を流通し、その外部を通過する空気を冷媒との熱交換により冷却するものであり、導入口Aの下流側近傍に配置されている。
【0021】
また、このエバポレータ12の下流側に位置するヒータコア13は、エンジンやPTCヒーター等で温められた高温の水が内部を流通し、その外部を通過する空気をこの高温の水との熱交換により加熱するものである。
【0022】
デフロスタ吹出口21は、ケース11の上部中央に設けられており、フェース吹出口22は、ケース11の上部後方に設けられているとともに、フット吹出口23は、ヒータコア13の後方、すなわち、ケース11の後部中央に設けられている。
デフロスタ吹出口21およびフェース吹出口22の入口側(上流側)には、これら吹出口21,22に共通のダンパ31が設けられており、このダンパ31の移動により、空気がデフロスタ吹出口21および/またはフェース吹出口22から吹き出されるようになっている。すなわち、ダンパ31が図1に示す位置にあるときには、空気がフェース吹出口22のみから吹き出されることになる。
【0023】
また、フェース吹出口22およびフット吹出口23の入口側には、これら吹出口22,23に共通のダンパ32が設けられており、このダンパ32の移動により、空気がフェース吹出口22および/またはフット吹出口23から吹き出されるようになっている。すなわち、ダンパ32が図1に示す位置にあるときには、空気がフェース吹出口22のみから吹き出されることになる。
【0024】
ヒータコア13の上流側で、かつ、エバポレータ12を通過した空気を、ヒータコア13を通過させずに直接ヒータコア13の下流側に導いた後、デフロスタ吹出口21の入口、フェース吹出口22の入口、フット吹出口23の入口まで導くダクト(以下、「第1のダクト」という)41と、エバポレータ12を通過した空気をヒータコア13に導いた後、ヒータコア13を通過した空気を第1のダクト41の途中(より詳しくは、エアミックスダンパ14の下流側で、かつ、デフロスタ吹出口21の入口、フェース吹出口22の入口、フット吹出口23の入口の上流側に位置する第1のダクト41)に導くダクト(以下、「第2のダクト」という)42との分岐点には、開度調整可能なエアミックスダンパ14が設けられている。このエアミックスダンパ14は、冷房モードの時には回動軸15まわりに回動して図1に示すように全閉状態にされることによりエバポレータ12を通過した空気がすべてヒータコア13をバイパスするようにするとともに、暖房モードの時には回動軸15まわりに回動して図示しない全開状態にされることによりエバポレータ12を通過した空気がすべてヒータコア13を通過するようにするものである。
【0025】
図1および図2に示すように、本実施形態に係るエアミックスダンパ14は、第2のダクト42の入口を開閉する第1の板状部材51と、第2のダクト42の出口を開閉する第2の板状部材52と、これら第1の板状部材51と第2の板状部材52との接合部(境界部)53に設けられて左右方向(横方向:幅方向)外側に延びる回動軸15とを備えている。
【0026】
図2に示すように、第1の板状部材51は、平面視矩形状を呈するとともに合成樹脂からなる板状の部材であり、この第1の板状部材51には、板厚方向に貫通する貫通穴(丸穴)54が多数(本実施形態では4行×22列=88個)形成されている。
第2の板状部材52は、平面視矩形状を呈するとともに合成樹脂からなる板状の部材であり、この第2の板状部材52には、板厚方向に貫通するとともに貫通穴54の内径よりも小さい内径を有する貫通穴(丸穴)55が多数(本実施形態では3行×30列=90個)形成されている。
【0027】
回動軸15は、合成樹脂からなる円柱状の部材であり、接合部53の両端部に設けられている。
接合部53は、第1の板状部材51、第2の板状部材52、および回動軸15が一体物となるように、第1の板状部材51、第2の板状部材52、および回動軸15を接合(結合)するとともに合成樹脂からなる板状の部材であり、この接合部53には、板厚方向に貫通する貫通穴(長穴:平面視略楕円形状を呈する穴)56が多数(本実施形態では1行×17列=17個)形成されている。
【0028】
第1の板状部材51、第2の板状部材52、および接合部53の一面(エアミックスダンパ14が全閉状態にされたときに、第1のダクト41を形成する面(他面)と反対の側に位置する面)全体には、例えば、板厚5mmの板状に成形された吸音材(例えば、ウレタン等の発砲材(多孔質体))61が、すべての貫通穴54,55,56の一側開口を塞ぐようにして貼り付けられている(固定されている)。
なお、第1の板状部材51、第2の板状部材52、および接合部53の他面(エアミックスダンパ14が全閉状態にされたときに、第1のダクト41を形成する面)に、吸音材61は貼り付けられておらず、すべての貫通穴54,55,56の他側開口は露出した状態になっている。
【0029】
第1の板状部材51の周縁部(より詳しくは、左右方向における両端部、および上下方向(縦方向:長手方向)における一端部(接合部53と反対の側に位置する端部)には、エアミックスダンパ14が全開状態にされたときに、当該第1の板状部材51の周縁部と対向する部材62(図1参照)に密着して(当接して)、第2のダクト42の出口から流出した空気がすべてデフロスタ吹出口21の入口、フェース吹出口22の入口、フット吹出口23の入口に導かれるようにするシール部材63が貼り付けられている(固定されている)。
【0030】
また、第2の板状部材52の周縁部(より詳しくは、上下方向(縦方向:長手方向)における一端部(接合部53と反対の側に位置する端部)には、エアミックスダンパ14が全閉状態にされたときに、当該第2の板状部材52の周縁部と対向する部材(図示せず)に密着して(当接して)、第1のダクト41を流れる空気がすべてデフロスタ吹出口21の入口、フェース吹出口22の入口、フット吹出口23の入口に導かれるようにするシール部材64が貼り付けられている(固定されている)。
【0031】
本実施形態に係る空気調和ユニット10によれば、エバポレータ12内を流れる冷媒の流動音が、エアミックスダンパ14に設けられた多数の貫通穴54,55,56、および吸音材61を通って第2のダクト42内および/またはエアミックス領域91(図1参照)内に導かれ、第2のダクト42内および/またはエアミックス領域91内で減衰されることになる。
これにより、エアミックスダンパ14で反射される上記冷媒の流動音を低減させることができて、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができる。
なお、エアミックスダンパ14に設けられた多数の貫通穴54,55,56、および吸音材61は、上記冷媒の流動音は通過するが、第1のダクト41および/または第2のダクト42を流れる空気は通過しないようになっている。
【0032】
また、本実施形態に係る空気調和ユニット10によれば、貫通穴54,55,56の一側開口のみが平面視矩形状を呈する板状の吸音材61によって閉塞されるようになっている。
これにより、当該空気調和ユニット10のさらなる軽量化を図ることができる。
【0033】
さらに、本実施形態に係る空気調和ユニット10を具備した車両用空気調和装置(図示せず)によれば、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができ、車内における騒音のさらなる低減を図ることができる。
【0034】
本発明の他の実施形態に係る空気調和ユニットについて、図3および図4を参照しながら説明する。
図3は本実施形態に係るエアミックスダンパの斜視図、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。
本実施形態に係る空気調和ユニットは、エアミックスダンパ14の代わりに図3および図4に示すエアミックスダンパ70が設けられているという点で上述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
【0035】
図3および図4に示すように、本実施形態に係るエアミックスダンパ70は、第2のダクト42の入口を開閉する第1の板状部材71と、第2のダクト42の出口を開閉する第2の板状部材72と、これら第1の板状部材71と第2の板状部材72との接合部(境界部)73に設けられて左右方向(横方向:幅方向)外側に延びる回動軸74とを備えている。
【0036】
図3に示すように、第1の板状部材71は、平面視矩形状を呈するとともに合成樹脂からなる板状の部材であり、この第1の板状部材71の左右方向における中央部は、階段状に形成されている。そして、階段の蹴込み板に対応する部分は、平面視矩形状を呈するとともに板厚方向に貫通する開口75とされ、階段の踏板に対応する部分は、平面視矩形状を呈する板状の部材76とされている。また、開口75は、例えば、板厚5mmの板状に成形された吸音材(例えば、ウレタン等の発砲材(多孔質体))81により閉塞されている。
【0037】
第2の板状部材72は、平面視矩形状を呈するとともに合成樹脂からなる板状の部材であり、この第2の板状部材72の左右方向における中央部は、階段状に形成されている。そして、階段の蹴込み板に対応する部分は、平面視矩形状を呈するとともに板厚方向に貫通する開口77とされ、階段の踏板に対応する部分は、平面視矩形状を呈する板状の部材78とされている。また、開口77は、例えば、板厚5mmの板状に成形された吸音材(例えば、ウレタン等の発砲材(多孔質体))81により閉塞されている。
【0038】
回動軸74は、合成樹脂からなる円柱状の部材であり、接合部73の両端部に設けられている。
接合部73は、第1の板状部材71、第2の板状部材72、および回動軸74が一体物となるように、第1の板状部材71、第2の板状部材72、および回動軸74を接合(結合)するとともに合成樹脂からなる丸棒状の部材である。
【0039】
なお、第1の板状部材71の周縁部(より詳しくは、左右方向における両端部、および上下方向(縦方向:長手方向)における一端部(接合部73と反対の側に位置する端部)には、エアミックスダンパ70が全開状態にされたときに、当該第1の板状部材71の周縁部と対向する部材62(図1参照)に密着して(当接して)、第2のダクト42の出口から流出した空気がすべてデフロスタ吹出口21の入口、フェース吹出口22の入口、フット吹出口23の入口に導かれるようにするシール部材63(図2参照)が貼り付けられている(固定されている)。
【0040】
また、第2の板状部材72の周縁部(より詳しくは、上下方向(縦方向:長手方向)における一端部(接合部73と反対の側に位置する端部)には、エアミックスダンパ70が全閉状態にされたときに、当該第2の板状部材72の周縁部と対向する部材(図示せず)に密着して(当接して)、第1のダクト41を流れる空気がすべてデフロスタ吹出口21の入口、フェース吹出口22の入口、フット吹出口23の入口に導かれるようにするシール部材64(図2参照)が貼り付けられている(固定されている)。
【0041】
本実施形態に係る空気調和ユニットによれば、エバポレータ12内を流れる冷媒の流動音が、エアミックスダンパ70に設けられた複数の開口75,77、および吸音材81を通って第2のダクト42内および/またはエアミックス領域91(図1参照)内に導かれ、第2のダクト42内および/またはエアミックス領域91内で減衰されることになる。
これにより、エアミックスダンパ70で反射される上記冷媒の流動音を低減させることができて、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができる。
なお、エアミックスダンパ70に設けられた複数の開口75,77、および吸音材81は、上記冷媒の流動音は通過するが、第1のダクト41および/または第2のダクト42を流れる空気は通過しないようになっている。
【0042】
また、本実施形態に係る空気調和ユニットによれば、上述した実施形態における貫通穴54,55,56のすべてが形成する開口の割合よりも、本実施形態における開口75,77のすべてが形成する開口の割合の方が大きくなる。すなわち、エバポレータ12内を流れる冷媒の流動音が、エアミックスダンパ70に設けられた複数の開口75,77、および吸音材81を通って第2のダクト42内および/またはエアミックス領域91(図1参照)内により多く導かれ、第2のダクト42内および/またはエアミックス領域91内でより多く減衰されることになる。
これにより、エアミックスダンパ70で反射される上記冷媒の流動音を上述した実施形態のものよりも低減させることができて、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができる。
【0043】
さらに、本実施形態に係る空気調和ユニットを具備した車両用空気調和装置(図示せず)によれば、運転音(運転中の騒音)のさらなる低減を図ることができ、車内における騒音のさらなる低減を図ることができる。
【0044】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更実施可能である。
例えば、上述した実施形態では、貫通穴54,55,56の一側開口のみを、平面視矩形状を呈する板状の吸音材(図示せず)によって閉塞されるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、吸音材を平面視円形状を呈する板状の部材とし、各貫通穴54,55,56の一側開口を、対応する吸音材でそれぞれ塞ぐようにしてもよい。
これにより、吸音材の重量を、平面視矩形状を呈する板状のものよりも軽量にすることができ、当該空気調和ユニットのさらなる軽量化を図ることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 空気調和ユニット
11 ケース
12 エバポレータ
13 ヒータコア
14 エアミックスダンパ
21 デフロスタ吹出口
22 フェース吹出口
23 フット吹出口
41 第1のダクト
42 第2のダクト
54 貫通穴
55 貫通穴
56 貫通穴
61 吸音材(多孔質体)
70 エアミックスダンパ
75 開口
77 開口
81 吸音材(多孔質体)
91 エアミックス領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に、該ケースの一端部から導入された空気を冷却するエバポレータ、該エバポレータを通過した空気を加熱するヒータコア、該ヒータコアを迂回して、前記エバポレータを通過した空気を前記ヒータコアの下流側に導く第1のダクト、および前記エバポレータを通過した空気を前記ヒータコアへ導く第2のダクトを備え、
前記第1のダクトを通過した空気と、前記第2のダクトおよび前記ヒータコアを通過した空気とを、前記エバポレータおよび前記ヒータコアの下流側のエアミックス領域で混合し、各吹出口から車室内に流出させる空気調和ユニットであって、
前記エアミックス領域の上流側に位置する第1のダクトに設けられて、前記第2のダクトに流入する空気量を調整するエアミックスダンパに、板厚方向に貫通する多数の貫通穴または複数の開口が設けられているとともに、前記貫通穴または前記開口が多孔質体により閉塞されていることを特徴とする空気調和ユニット。
【請求項2】
前記多孔質体は、平面視矩形状を呈する板状の部材とされ、前記貫通穴の一側開口のみを塞ぐようにして設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和ユニット。
【請求項3】
前記多孔質体は、平面視円形状を呈する板状の部材とされ、前記貫通穴の一側開口のみを塞ぐようにして設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和ユニットを具備していることを特徴とする車両用空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−232662(P2012−232662A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102151(P2011−102151)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】