説明

空気調和機

【課題】空気調和機において、荷電部に流れる電流値を抑えて、省エネでオゾンの発生を抑制した空気調和機を提供することを目的としている。
【解決手段】機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路1と、粉塵に帯電させる荷電部2と、粉塵を集塵する集塵部と、粉塵を荷電部2から集塵部へ送る送風手段と、電流値を検知する電流検知回路6と、粉塵濃度を検出する埃センサー7と、粉塵濃度に応じて電流値を調節するマイコン8を備え、マイコン8で電流値を調節して、集塵が必要となるタイミングを自動で判別し、粉塵濃度に応じた集塵効率を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気集塵機能搭載の空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の電気集塵機搭載の空気調和機は、荷電部に流れる電流値を基準値になるように電流値を一定な値に制御する手段が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
以下、その電気集塵機能搭載の空気調和機について、図100を参照しながら説明する。
【0004】
機器内に、粉塵粒子を帯電させる荷電部101と、荷電部101より後流側に位置して、帯電された粉塵粒子を捕集する集塵部102と、荷電部101の電流値を検出する検出手段103と、この検出手段103で検出された電流値を基準値と比較する比較手段104と、検出手段103で検出された電流値を基準値からずれた場合に荷電部の電流値が基準値と一致するように印加電圧を調整する電圧制御部105を設けて構成する。
【0005】
上記構成によれば、荷電部101に流れる電流値を比較手段104で基準値と比較し、基準値からずれた場合は電圧制御部105で印加電圧を調整し、電流を基準値合わせるように制御して集塵効率を一定に保つものである。
【特許文献1】特開平06−143998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の電気集塵機能搭載の空気調和機は、空気調和機の動作中は常に高い集塵効率になるように電気集塵機能を働かせているため、省エネにならず、気中放電によるオゾンの発生量が抑制できないという課題があった。
【0007】
また、集塵の対象となる粉塵の量が不明であり、必要となる集塵効率が定まらないという課題があった。
【0008】
また、花粉や埃の多い時期に合わせて集塵効率を上げることができないという課題があった。
【0009】
また、排気ガスが室内に入り込んでしまうことが多いケースでは、排気ガスの量に応じて集塵効率を上げることができないという課題があった。
【0010】
また、室内に入り込んでくる粉塵の量に対して、集塵効率が充分であるかが不明であるという課題があった。
【0011】
また、室内が長時間不在であるときにも、高い集塵効率となるように電気集塵を行っている為、省エネにならず、気中放電によるオゾンの発生量が抑制できないという課題があった。
【0012】
また、風量が少なく室内に入り込む粉塵が少ないときにも高い集塵効率になるように電気集塵を行っているため、省エネにならず、気中放電によるオゾンの発生量が抑制できないという課題があった。
【0013】
また、外気を室内に取り込む際には、集塵部を通る回数が1度きりの為、1度の集塵にいよって集塵できるだけの集塵効率が必要となり、電気集塵においては荷電部に流れる電流値が高くなってしまう為、省エネにならず、気中放電によるオゾンの発生量が抑制できないという課題があった。
【0014】
また、外気を室内に取り込む際の集塵と、室内側の循環の集塵を共に電気集塵を行うと、荷電部に流れる電流が2倍となってしまう為、省エネにならず、気中放電によるオゾンの発生量が抑制できないという課題があった。
【0015】
また、外気から室内に取り込む機構と、循環の集塵の機構に各々モーターと集塵部を備えると、モーターおよび集塵部が2つ必要となるという課題があった。
【0016】
また、外気から室内に取り込む機構と、循環集塵の機構の、各々のモーターと集塵部を備えると、外気から室内に取り込む機構と、循環の集塵の機構を同時に動かすことしかできないという課題があった。
【0017】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、省エネであり、また、オゾンの発生量を抑制でき、また、荷電部を通過する粉塵の検知ができ、また、花粉や埃の多い時期に合わせて集塵効率を上げることができ、また、排気ガスの検知に合わせて集塵効率を上げることができ、かつ、室内に人が長時間不在の時には集塵効率を下げ、また、風量が少なく室内に入る粉塵の量が少ないときは集塵効率を下げ、また、集塵効率を下げずに放電電流を下げ、また、モーターと集塵部を1つで室内への給気と循環を実践でき、また、1つのモーターと集塵部で室内への給気と循環の集塵を個々に行うことができる、電気集塵機能搭載の空気調和機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の電気集塵機能搭載の空気調和機は上記目的を達成するために、機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路と、粉塵に帯電させる荷電部と、前記帯電した粉塵を集塵する集塵部と、前記帯電した粉塵を荷電部から集塵部へ送る送風手段と、荷電部に流れる電流値を検知する電流検知手段と、粉塵濃度を検出する検出手段と、粉塵濃度に応じて電流値を調節する制御手段を備え、制御手段で電流値を調節して、必要な集塵効率を得られるようにしたものである。
【0019】
この手段により、集塵が必要となるタイミングを自動で判別し、集塵が必要とならないと判別した場合は、集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0020】
また、他の手段は、検出手段が荷電部の上流に位置するようにしたものである。
【0021】
この手段により、荷電部を通過する粉塵を検知し、集塵効率を調節することができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0022】
また、他の手段は、検出手段が集塵部の下流に位置するようにしたものである。
【0023】
この手段により、集塵効率が充分でなく、室内に粉塵や花粉が入り込んで来た場合には、電流値を上げ、通常時の電流を抑えるようにフィードバックをかけることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0024】
また、他の手段は、検出手段として、埃センサーを備えるようにしたものである。
【0025】
この手段により、粉塵や花粉が多いときに集塵効率を上げ、通常時は集塵効率を下げて集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0026】
また、他の手段は、検出手段として、NOxセンサーを備えるようにしたものである。
【0027】
この手段により、排気ガスが多いときに集塵効率を上げ、通常時は集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0028】
また、他の手段は、検出手段として、COセンサーを備えるようにしたものである。
【0029】
この手段により、排気ガスが多いときに集塵効率を上げ、通常時は集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0030】
また、他の手段は、検出手段として、室内側に人感センサーを備えるようにしたものである。
【0031】
この手段により、室内に人が在室しているときには集塵効率を上げ、室内に一定時間人が不在のときは集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0032】
また、他の手段は、室内から室外に空気を取り入れる給気の風量を検出する風量検出手段を備え、検出手段として風量検出手段を用いるようにしたものである。
【0033】
この手段により、室内から室外に空気を取り入れる給気の風量が多いときに集塵効率を上げ、風量が少ないときは集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0034】
また、他の手段は、機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路と、室内の空気を機器内に取り入れて再び室内に戻すための循環風路とを備え、風路上に、粉塵に帯電させる荷電部と、帯電した粉塵を集塵する集塵部と、帯電した粉塵を荷電部から集塵部へ送る送風手段を有し、かつ、循環風路上に、粉塵を集塵する循環集塵部と、粉塵を循環集塵部へ送る循環送風手段を有するようにしたものである。
【0035】
この手段により、室外から室内に空気を取り入れたときに集塵できなかった粉塵や花粉などを、再度機器内に取り込んで、室内の空気を循環しながら集塵することができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0036】
また、他の手段は、循環集塵部として機械式フィルターを備えるようにしたものである。
【0037】
この手段により、室外から室内に空気を取り入れるための風路の荷電部および集塵部以外に、電流が必要でない電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0038】
また、他の手段は、風路上に、粉塵濃度を検出する検出手段と、粉塵濃度に応じて電流値および循環送風手段の風量を調節する制御手段を備え、制御手段で電流値および循環送風手段の風量を調節して、必要な集塵効率を得られるようにしたものである。
【0039】
この手段により、集塵が必要となるタイミングを自動で判別し、集塵が必要とならないと判別した場合は、集塵効率を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0040】
また、他の手段は、風路と循環風路からの空気を荷電部の上流で混在することで、風路と循環風路上の集塵部と送風手段を共有化するようにしたものである。
【0041】
この手段により、給気の風路と、循環の風路の粉塵を、1個の集塵部と送風手段で集塵することができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【0042】
また、他の手段は、風路と循環風路の混在する箇所に、前記風路と前記循環風路からのそれぞれの風量を調節する風量調節手段を備えるようにしたものである。
【0043】
この手段により、給気の集塵と循環の集塵を選択することができる電気集塵機能搭載の空気調和機を得られる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、省エネであり、かつオゾンの発生量を抑制することができる電気集塵機能搭載の空気調和機を提供することができる。
【0045】
また、室外から室内に空気を取り入れた粉塵の侵入量をフィードバックして、集塵効率を調整できる電気集塵機能搭載の空気調和機を提供することができる。
【0046】
また、集塵効率を下げずに、電気集塵機能の電流値を下げることができる電気集塵機能搭載の空気調和機を提供することができる。
【0047】
また、室外から室内に空気を取り入れる風路と循環風路の集塵がコンパクトにできる電気集塵機能搭載の空気調和機を提供することができる。
【0048】
また、室外から室内に空気を取り入れる風路の集塵と、循環風路の集塵を状況に応じて選択できる電気集塵機能搭載の空気調和機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の請求項1記載の発明は、機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路と、粉塵に帯電させる荷電部と、帯電した粉塵を集塵する集塵部と、前記帯電した粉塵を荷電部から集塵部へ送る送風手段と、荷電部に流れる電流値を検知する電流検知手段と、粉塵濃度を検出する検出手段と、粉塵濃度に応じて電流値を調節する制御手段を備え、制御手段で電流値を調節して、必要な集塵効率を得られるようにしたものであり、集塵が必要となるタイミングを自動で判別し、集塵を必要としないと判別した場合は、集塵効率に下げ、あるいは必要最小限の集塵効率とし、あるいは集塵を停止し、また、粉塵濃度が減少し、集塵効率の維持を必要としないと判別した場合は、集塵効率を下げることができるなど、粉塵濃度に応じての集塵効率を得ることができる空気調和機を提供できるという作用を有する。
【0050】
また、請求項2記載の発明は、検出手段が荷電部の上流に位置するようにしたものであり、荷電部を通過する粉塵を検知し、集塵効率を調節することができるという作用を有する。
【0051】
また、請求項3記載の発明は、検出手段が集塵部の下流に位置するようにしたものであり、集塵効率が充分でなく、室内に粉塵や花粉が入り込んで来た場合には、電流値を上げ、通常時の電流を抑えるようにフィードバックをかけることができるという作用を有する。
【0052】
また、請求項4記載の発明は、検出手段として、埃センサーを備えるようにしたものであり、粉塵や花粉が多いときに集塵効率を上げ、通常時は集塵効率を下げて集塵効率を下げるという作用を有する。
【0053】
また、請求項5記載の発明は、検出手段として、NOxセンサーを備えるようにしたものであり、排気ガスが多いときに集塵効率を上げ、通常時は集塵効率を下げることができるという作用を有する。
【0054】
また、請求項6記載の発明は、検出手段として、COセンサーを備えるようにしたものであり、排気ガスが多いときに集塵効率を上げ、通常時は集塵効率を下げることができるという作用を有する。

また、請求項7記載の発明は、検出手段として、室内側に人感センサーを備えるようにしたものであり、室内に人が在室しているときには集塵効率を上げ、室内に一定時間人が不在のときは集塵効率を下げることができるという作用を有する。
【0055】
また、請求項8記載の発明は、室内から室外に空気を取り入れる給気の風量を検出する風量検出手段を備え、検出手段として風量検出手段を用いるようにしたものであり、室内から室外に空気を取り入れる給気の風量が多いときに集塵効率を上げ、風量が少ないときは集塵効率を下げることができるという作用を有する。
【0056】
また、請求項9記載の発明は、機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路と、室内の空気を機器内に取り入れて再び室内に戻すための循環風路とを備え、風路上に、粉塵に帯電させる荷電部と、帯電した粉塵を集塵する集塵部と、帯電した粉塵を荷電部から集塵部へ送る送風手段を有し、かつ、循環風路上に、粉塵を集塵する循環集塵部と、粉塵を循環集塵部へ送る循環送風手段を有するようにしたものであり、室外から室内に空気を取り入れたときに集塵できなかった粉塵や花粉などを、再度機器内に取り込んで、室内の空気を循環しながら集塵することができるという作用を有する。
【0057】
また、請求項10記載の発明は、循環集塵部として機械式フィルターを備えるようにしたものであり、室外から室内に空気を取り入れるための風路の荷電部および集塵部以外に、電流が必要でないという作用を有する。
【0058】
また、請求項11記載の発明は、風路上に、粉塵濃度を検出する検出手段と、粉塵濃度に応じて電流値および循環送風手段の風量を調節する制御手段を備え、制御手段で電流値および循環送風手段の風量を調節して、必要な集塵効率を得られるようにしたものであり、集塵が必要となるタイミングを自動で判別し、集塵が必要とならないと判別した場合は、集塵効率を下げることができるという作用を有する。
【0059】
また、請求項12記載の発明は、風路と循環風路からの空気を荷電部の上流で混在することで、風路と循環風路上の集塵部と送風手段を共有化するようにしたものであり、給気の風路と、循環の風路の粉塵を、1個の集塵部と送風手段で集塵することができるという作用を有する。
【0060】
また、請求項13記載の発明は、風路と循環風路の混在する箇所に、風路と循環風路からのそれぞれの風量を調節する風量調節手段を備えるようにしたものであり、給気の集塵と循環の集塵を選択することができるという作用を有する。
【0061】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0062】
(実施の形態1)
図1に示すように、機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路1と、粉塵に帯電させる荷電部2と、帯電した粉塵を集塵する集塵部としてのフィルター3と、荷電部2とフィルター3に電圧を供給する電源装置4と、帯電した粉塵を荷電部2からフィルター3へ送る送風手段としてのファンモーター5と、荷電部2に流れる電流値を検知する電流検知手段としての電流検知回路6と、粉塵濃度を検出する検出手段としての埃センサー7と、粉塵濃度に応じて電流値を調節する制御手段としてのマイコン8を備え、マイコン8によって荷電部2に流れる電流値を調節する構成とした電気集塵機能搭載の空気調和機9を構成する。
【0063】
上記構成にて、電源装置4によって荷電部2の電極間に電圧が印加されることで電極間に電界が生じ、その荷電部2の電極間に向かってファンモーター5により粉塵を含んだ空気を送り込んで、荷電部2によって帯電された粉塵を含んだ空気は荷電部2の後にあるフィルター3によって集塵される。荷電部2は、例えば、針状電極によりコロナ放電を発生させ、そのコロナ放電による粉塵の荷電などがある。
【0064】
荷電部2に流れる電流値は電流検知回路6で検知して、マイコン8へ伝達され、マイコン8から電源装置4へ信号を送り、荷電部2にかかる電圧を調節することで電流値を調節する。
【0065】
荷電部2に流れる電流値は、形状に依存し、電流値が大きいと集塵効率が高くなる傾向にあるため、決まった形状で電流値と集塵効率との関係を測定しておき、目標集塵効率に対する電流値を決定する。
【0066】
次に図2に示すように、マイコン8は、給気を開始して荷電部2に電流が流れ始めると、電流検知回路6より電流値を検知し、マイコン8へ伝達されて現時点での集塵効率を検知した電流値から決定する。例えば荷電部2にかかる電圧値をセンター値の5kVにして、荷電部2に流れる電流値を検出し、予め実験などにより定めておいた電流値と集塵効率の関係に基づき、集塵効率を決定する。例えば、電流値が100μAの場合には、集塵効率を70%と決定する。
【0067】
荷電部2より上流に位置する埃センサー7によって、荷電部2に進入する粉塵が検出された場合は、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出して、集塵効率を上げて、埃センサー7によって検出された粉塵の量によって決定した目標集塵効率となるまで電流値を調節する。粉塵の量と目標集塵効率の関係は、予め実験などにより定めておくものとする。
【0068】
粉塵の量は、埃センサー7によって常時検出されて、その検出された粉塵の量によって、予め定めておいた埃センサー7によって検出された粉塵の量と目標集塵効率の関係に基づき、荷電部2に流れる電流値を調節する。もちろん、粉塵量に基づいた目標集塵効率を、使用者の好みに応じて、その時々に可変できるようにすることは、差し支えない。
【0069】
埃センサー7によって粉塵が検出されない場合は、マイコン8から電源装置4へ電圧値を落とすように信号を出して、集塵効率を下げて必要最小限度の電流値で運転を行うようにする。
【0070】
例えば、荷電部2にかかる電圧値が5kVをセンター値にして、4kV〜6kVまで可変でき、その時に荷電部2に流れる電流値が100μAをセンター値として、70μA〜130μAまで可変されるとする。
【0071】
通常、給気を開始時には、荷電部2にかかる電圧値はセンター値の5kVとし、荷電部2に流れる電流値が100μAであるとしたとき、給気を開始してから常時マイコン8は電流検知回路6より電流値を検知し電流値が100μAであるように調整する。
【0072】
荷電部2より前に位置する埃センサー7が荷電部2に進入する粉塵を検出すると、荷電部2にかかる電圧値を、6kVを限度値として、徐々に上げるようにマイコン8から電源装置4へ信号が行き、電流検知回路6で目標となる集塵効率になるように電流値を調節する。
【0073】
例えば、電流値が100μAで集塵効率70%、電流値が105μAで集塵効率80%と、前もって測定したデータがあるとき、埃センサー7によって粉塵を検出し、集塵効率を70%から80%へ変更する場合、電流検出回路6で検出される電流値が105μAになるように、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出し、電流検知回路6で検知した電流値が105μAとなるまで上げ続ける。
【0074】
逆に、埃センサー7で粉塵が検出されなかった場合、荷電部2にかかる電圧値を4kVを限度値として、徐々に下げるようにマイコン8から電源装置4へ信号が行き、電流検知回路6で目標となる集塵効率になるように電流値を調節する。
【0075】
例えば、電流値が100μAで集塵効率70%、電流値が95μAで集塵効率60%と、前もって測定したデータがあるとき、埃センサー7によって粉塵を検出されず、集塵効率を70%から60%へ変更する場合、電流検出回路6で検出される電流値が95μAになるように、マイコン8から電源装置4へ電圧値を下げるように信号を出し、電流検知回路6で検知した電流値が95μAとなるまで下げ続ける。
【0076】
上記のように、外気から進入する粉塵の量に従って集塵効率を変更し、粉塵の量が少なく集塵効率が必要とされないときは、集塵効率を下げて電流値を抑えることで、省エネやオゾンの発生の抑制ができる。
【0077】
なお、集塵部としてフィルター3、送風手段としてファンモーター5、電流検知手段として電流検知回路6、電流計、検出手段としての埃センサー7、制御手段としてマイコン8を用いたが、同様の効果が得られるのであればこれに限るものではない。
【0078】
なお、荷電部2にかかる電圧値として4kVから6kV、センター値として5kV、荷電部2に流れる電流値として70μAから130μA、センター値として100μA、集塵効率60%、70%、80%における電流値をそれぞれ、95μA、100μA、105μAとしたが、荷電部2の形状など様々な条件で変わるものであるため、これに限るものではない。
【0079】
次に、図3に示すように、検出手段としてNOxセンサー7aを備える構成とした電気集塵機能搭載の空気調和機9を構成する。
【0080】
外気が排気ガスで汚染されている地域において、給気することで排気ガスに含まれている粉塵を同時に室内に取り入れてしまうことを避ける為、排気ガスに含まれている粉塵を電気集塵によって集塵している。
【0081】
排気ガスに含まれる粉塵は、排気ガスの量に依存するため、排気ガスに含まれているNOxに反応するNOxセンサー7aを荷電部2の上流に備えて、NOxセンサー7aがNOxを検知した時に、集塵効率を上げて、排気ガスに含まれる粉塵を集塵するようにする。
【0082】
例えば、NOxセンサー7aが検出したNOXの量が30ppm未満の時は、集塵効率を下げて、省エネおよびオゾンの発生を抑制する。
【0083】
そして、NOXセンサー7aが検知したNOxの量が、30ppm以上100ppm未満、100ppm以上200ppm未満、200ppm以上とレベルを設定し、30ppm以上100ppm未満のときは荷電部2に流れる電流値が100μAとなるように制御し、100ppm以上200ppm未満のときは110μAとなるように集塵効率を上げて、さらに200ppm以上のときは120μAとなるように集塵効率を上げて、NOxに含まれる粉塵を集塵できるようにする。
【0084】
なお、NOxの量の閾値を30ppm、100ppm、200ppmとし、閾値ごとの荷電部2に流れる電流値を100μA、110μA、120μAとしたが、荷電部2の形状など様々な条件で変わるものであるため、これに限るものではない。
【0085】
次に、図4に示すように、検出手段としてCOセンサー7bを備える構成とした電気集塵機能搭載の空気調和機9を構成する。
【0086】
外気が排気ガスで汚染されている地域において、給気することで排気ガスに含まれている粉塵を同時に室内に取り入れてしまうことを避ける為、排気ガスに含まれている粉塵を
電気集塵によって集塵している。
【0087】
排気ガスに含まれる粉塵は、排気ガスの量に依存するため、排気ガスに含まれているNOxに反応するCOセンサー7bを荷電部2の上流に備えて、COセンサー7bがCOを検出した時に、集塵効率を上げて、排気ガスに含まれる粉塵を集塵するようにする。
【0088】
例えば、COセンサー7bが検出したCOの量が30ppm未満の時は、集塵効率を下げて、省エネおよびオゾンの発生を抑制する。
【0089】
そして、COセンサー7bが検知したCOの量が、30ppm以上100ppm未満、100ppm以上200ppm未満、200ppm以上とレベルを設定し、30ppm以上100ppm未満のときは荷電部2に流れる電流値が100μAとなるように制御し、100ppm以上200ppm未満のときは110μAとなるように集塵効率を上げて、さらに200ppm以上のときは120μAとなるように集塵効率を上げて、COに含まれる粉塵を集塵できるようにする。
【0090】
なお、COの量の閾値を30ppm、100ppm、200ppmとし、閾値ごとの荷電部2に流れる電流値を100μA、110μA、120μAとしたが、荷電部2の形状など様々な条件で変わるものであるため、これに限るものではない。
【0091】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0092】
図5に示すように、フィルター3の下流に埃センサー7cを備えた空気調和機9を構成する。
【0093】
上記構成にて、現状の集塵効率に対して、室外から荷電部2に進入する粉塵が多い場合、フィルター3で充分に集塵することができず、室内に入り込む粉塵がフィルター3の下流に位置する埃センサー7cで検出される。
【0094】
フィルター3より下流に位置する埃センサー7cによって、室内に進入する粉塵が検出された場合は、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出して、集塵効率を上げて、埃センサー7cによって検出された粉塵の量によって決定した目標集塵効率となるまで電流値を調節する。
【0095】
粉塵の量は、埃センサー7cによって常時検出されて、検出された粉塵の量によって荷電部2に流れる電流値を調節する。
【0096】
埃センサー7cによって粉塵が検出されない場合は、マイコン8から電源装置4へ電圧値を落とすように信号を出して、集塵効率を下げて必要最小限度の電流値で運転を行うようにする。
【0097】
例えば、荷電部2にかかる電圧値が5kVをセンター値にして、4kV〜6kVまで可変でき、その時に荷電部2に流れる電流値が100μAをセンター値として、70μA〜130μAまで可変されるとする。
【0098】
通常、給気を開始時には、荷電部2にかかる電圧値はセンター値の5kVとし、荷電部2に流れる電流値が100μAであるとしたとき、給気を開始してから常時マイコン8は電流検知回路6より電流値を検知し電流値が100μAであるように調整する。
【0099】
フィルター3より下流に位置する埃センサー7cが室内に進入する粉塵を検知すると、荷電部2にかかる電圧値を、6kVを限度値として、徐々に上げるようにマイコン8から電源装置4へ信号が行き、電流検出回路6で目標となる集塵効率になるように電流値を調節する。
【0100】
例えば、電流値が100μAで集塵効率70%、電流値が105μAで集塵効率80%と、前もって測定したデータがあるとき、埃センサー7cによって粉塵を検出し、集塵効率を70%から80%へ変更する場合、電流検出回路6で検出される電流値が105μAになるように、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出し、電流検知回路6で検知した電流値が105μAとなるまで上げ続ける。
【0101】
逆に、埃センサー7cで粉塵が検出されなかった場合、荷電部2にかかる電圧値を4kVを限度値として、徐々に下げるようにマイコン8から電源装置4へ信号が行き、電流検知回路6で目標となる集塵効率になるように電流値を調節する。
【0102】
例えば、電流値が100μAで集塵効率70%、電流値が95μAで集塵効率60%と、前もって測定したデータがあるとき、埃センサー7cによって粉塵を検出されず、集塵効率を70%から60%へ変更する場合、電流検知回路6で検知される電流値が95μAになるように、マイコン8から電源装置4へ電圧値を下げるように信号を出し、電流検知回路6で検知した電流値が95μAとなるまで下げ続ける。
【0103】
上記のように、外気から進入する粉塵の量に従って集塵効率を変更し、粉塵の量が少なく集塵効率が必要とされないときは、集塵効率を下げて電流値を抑えることで、省エネやオゾンの発生の抑制ができる。
【0104】
なお、検出手段としての埃センサー7を用いたが、同様の効果が得られるのであればこれに限るものではない。NOxセンサー、あるいはCOセンサーをフィルター3の下流側に備えて、埃センサー制御と同様に電流値制御、集塵効率制御を行うことは、もちろん差し支えない。
【0105】
なお、荷電部2にかかる電圧値として4kVから6kV、センター値として5kV、荷電部2に流れる電流値として70μAから130μA、センター値として100μA、集塵効率60%、70%、80%における電流値をそれぞれ、95μA、100μA、105μAとしたが、荷電部2の形状など様々な条件で変わるものであるため、これに限るものではない。
【0106】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0107】
図6に示すように、室内側に人感センサー10を備えた空気調和機9を構成する。
【0108】
人感センサー10によって室内に在室する人の有無を検知し、室内が長時間人が不在であるときは、マイコン8から電源装置4へ電圧値を下げるように信号を出して、集塵効率を下げて、最小限の集塵効率となるまで電流値を調節する。
【0109】
例えば、荷電部2にかかる電圧値が5kVをセンター値にして、4kV〜6kVまで可変でき、その時に荷電部2に流れる電流値が100μAをセンター値として、70μA〜130μAまで可変されるとする。
【0110】
通常、給気を開始時には、荷電部2にかかる電圧値はセンター値の5kVとし、荷電部2に流れる電流値が100μAであるとしたとき、給気を開始してから常時マイコン8は電流検知回路6より電流値を検知し電流値が100μAであるように調整する。
【0111】
人感センサー10によって室内に人が在室していると検知したときは、埃センサー7によって検出される粉塵の量に依存して、目標の集塵効率を決定し、荷電部2に流れる電流値を調節している。
【0112】
人感センサー10によって1時間以上室内に不在であると検出したときは、埃センサー7によって検出される粉塵の量に依存して、決定した目標の集塵効率より10%集塵効率を下げた目標の集塵効率になるように、荷電部2に流れる電流値を調節する。
【0113】
人感センサー10によって1時間以上室内に不在であると検出したときにおいても、埃センサー7によって多量の粉塵が荷電部2に進入していると検出された場合は、目標集塵効率を上げて、室内への粉塵の侵入を防ぐようにする。
【0114】
再び人感センサー10によって室内に人が在室していると検知したときは、通常の集塵効率に戻して運転を行う。
【0115】
なお、人感センサーで不在と認識する時間を1時間、不在を認識後に下げる目標集塵効率を10%としたが、同様の効果が得られるのであればこれに限るものではない。
【0116】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0117】
図7に示すように、室内から室外に空気を取り入れる給気の風量を検知する風量検知手段として、ファンモーター5の回転数を検知するファン回転数検知回路11を備えた、空気調和機9を構成する。
【0118】
室外からの風量による影響、もしくは意図的に風量を上げたとき、室外から荷電部2に進入する粉塵の量も多くなる。
【0119】
逆に、室外からの風量の影響がなく、また意図的に風量を下げた時などは、荷電部2に進入する粉塵の量は少なくなる。
【0120】
そのため、回転数が意図的に少ない回転数に設定されて、かつ、ファン回転数検知回路11によって検知した回転数が、設定された回転数とほぼ同等であるときは、室外からの風量が少ないと認識し、マイコン8から電源装置4へ電圧値を下げるように信号を出して、集塵効率を下げて、目標集塵効率となるまで電流値を調節する。
【0121】
また、回転数が意図的に高い回転数に設定されているか、ファン回転数検出回路11によって検出した回転数が、設定された回転数より高いときは、室外からの風量が高いと認識し、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出して、集塵効率を上げて、目標集塵効率となるまで電流値を調節する。
【0122】
例えば、荷電部2にかかる電圧値が5kVをセンター値にして、4kV〜6kVまで可変でき、その時に荷電部2に流れる電流値が100μAをセンター値として、70μA〜130μAまで可変されるとする。
【0123】
標準の風量に設定したときのファン回転数を1000rms、荷電部2にかかる電圧値はセンター値の5kVとし、荷電部2に流れる電流値が100μAであるとしたとき、給気を開始してから常時マイコン8は電流検知回路6より電流値を検知し電流値が100μAであるように調整する。
【0124】
ファン回転数検知手段11によって検知された回転数と設定された回転数を比較して、同等と認識する回転数のばらつきは50rmsであるとし、これより外れた場合は風量が高いと認識するものとする。
【0125】
ファン回転数検出手段11によって検出された回転数が1020rmsであるとすると、標準の風量に設定したときのファン回転数と比較して、50rms以下のばらつきであるため、現状の集塵効率で運転を継続し、ファン回転数検知手段11によって検知された回転数が1080rmsであるとすると、標準の風量に設定したときのファン回転数と比較して、50rms以上のばらつきであるため、室外からの風量が高いと認識されて、目標の集塵効率より10%集塵効率を上げた目標の集塵効率になるように、荷電部2に流れる電流値を調節する。
【0126】
また、弱ノッチの設定として700rmsとしたとき、標準の風量のノッチの1000rmsより少なく設定されているため、標準の風量の目標の集塵効率より10%集塵効率を下げた目標の集塵効率になるように、荷電部2に流れる電流値を調節する。
【0127】
なお、荷電部2にかかる電圧値として4kVから6kV、センター値として5kV、荷電部2に流れる電流値として70μAから130μA、センター値として100μA、標準の風量の回転数を1000rms、弱ノッチの風量の回転数を700rms、閾値の回転数を50rms、調整する目標集塵効率を±10%としたが、荷電部2の形状など様々な条件で変わるものであるため、これに限るものではない。
【0128】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について図面を参照しながら説明する。
【0129】
図8に示すように、機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路1と、室内の空気を機器内に取り入れて再び室内に戻すための循環風路12とを備え、風路1上に、粉塵に帯電させる荷電部2と、帯電した粉塵を集塵する集塵部としてのフィルター3と、荷電部2とフィルター3に電圧を供給する電源装置4と、帯電した粉塵を荷電部2からフィルター3へ送る送風手段としてのファンモーター5を有し、かつ、循環風路12上に、粉塵を集塵する循環集塵部としてのプリーツフィルター13と、粉塵を循環集塵部へ送る循環送風手段としての循環ファンモーター14を有することを特徴とした空気調和機9を構成する。
【0130】
上記構成にて、電源装置4によって荷電部2の電極間に電圧が印加されることで電極間に電界が生じ、その荷電部2の電極間に向かってファンモーター5により粉塵を含んだ空気を送り込んで、荷電部2によって帯電された粉塵を含んだ空気は荷電部2の後にあるフィルター3によって集塵される。
【0131】
荷電部2に流れる電流値は電流検知回路6で検出して、マイコン8へ伝達され、マイコン8から電源装置4へ信号を送り、荷電部2にかかる電圧を調節することで電流値を調節する。
【0132】
荷電部2に流れる電流値は、形状に依存し、電流値が大きいと集塵効率が高くなる傾向にあるため、決まった形状で電流値と集塵効率との関係を測定しておき、目標集塵効率に対する電流値を決定する。
【0133】
フィルター3で集塵しきれなかった粉塵は、室内へと進入してしまうが、循環風路12上の循環ファンモーター14によって、再度機器内に強制的に戻して、循環風路12上のプリーツフィルター13によって集塵される。
【0134】
プリーツフィルター13で再度集塵を行うことにより、一度室内に入り込んだ粉塵も集塵が可能になり、風路1における集塵効率を下げても、循環風路12での集塵によって最終的な集塵効率は現状以上となる。
【0135】
つまり、荷電部2とフィルター3によって行う集塵は、室内に入れるべきではない最低限の粉塵の集塵を行うものとし、さらに高い集塵効率の実現は、循環風路12の集塵によって行うものとなる。
【0136】
なお、集塵部としてフィルター3、送風手段としてファンモーター5、電流検出手段として電流検知回路6、検出手段としての埃センサー7、制御手段としてのマイコン8、循環送風手段として循環ファンモーター14と、循環集塵部としてのプリーツフィルター13を用いたが、同様の効果が得られるのであればこれに限るものではない。
【0137】
また、図9に示すように、荷電部2よりも上流に、検出手段として埃センサー7dを備える構成とした電気集塵機能搭載の空気調和機9を構成する。
【0138】
図2に示すように、マイコン8は、給気を開始して荷電部2に電流が流れ始めると、電流検知回路6より電流値を検知し、マイコン8へ伝達されて現時点での集塵効率を検知した電流値から決定する。
【0139】
荷電部2より上流に位置する埃センサー7dによって、荷電部2に進入する粉塵が検出された場合は、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出して、集塵効率を上げて、埃センサー7dによって検出された粉塵の量によって決定した目標集塵効率となるまで電流値を調節する。
【0140】
粉塵の量は、埃センサー7dによって常時検出されて、検出された粉塵の量によって荷電部2に流れる電流値を調節する。
【0141】
埃センサー7dによって粉塵が検出されない場合は、マイコン8から電源装置4へ電圧値を落とすように信号を出して、集塵効率を下げて必要最小限度の電流値で運転を行うようにする。
【0142】
例えば、荷電部2にかかる電圧値が5kVをセンター値にして、4kV〜6kVまで可変でき、その時に荷電部2に流れる電流値が100μAをセンター値として、70μA〜130μAまで可変されるとする。
【0143】
通常、給気を開始時には、荷電部2にかかる電圧値はセンター値の5kVとし、荷電部2に流れる電流値が100μAであるとしたとき、給気を開始してから常時マイコン8は電流検知回路6より電流値を検知し電流値が100μAであるように調整する。
【0144】
荷電部2より前に位置する埃センサー7dが荷電部2に進入する粉塵を検出すると、荷電部2にかかる電圧値を、6kVを限度値として、徐々に上げるようにマイコン8から電源装置4へ信号が行き、電流検知回路6で目標となる集塵効率になるように電流値を調節する。
【0145】
例えば、電流値が100μAで集塵効率70%、電流値が105μAで集塵効率80%と、前もって測定したデータがあるとき、埃センサー7dによって粉塵を検出し、集塵効率を70%から80%へ変更する場合、電流検知回路6で検出される電流値が105μAになるように、マイコン8から電源装置4へ電圧値を上げるように信号を出し、電流検知回路6で検出した電流値が105μAとなるまで上げ続ける。
【0146】
逆に、埃センサー7dで粉塵が検出されなかった場合、荷電部2にかかる電圧値を4kVを限度値として、徐々に下げるようにマイコン8から電源装置4へ信号が行き、電流検知回路6で目標となる集塵効率になるように電流値を調節する。
【0147】
例えば、電流値が100μAで集塵効率70%、電流値が95μAで集塵効率60%と、前もって測定したデータがあるとき、埃センサー7dによって粉塵を検出されず、集塵効率を70%から60%へ変更する場合、電流検知回路6で検出される電流値が95μAになるように、マイコン8から電源装置4へ電圧値を下げるように信号を出し、電流検知回路6で検出した電流値が95μAとなるまで下げ続ける。
【0148】
上記のように、外気から進入する粉塵の量に従って集塵効率を変更し、粉塵の量が少なく集塵効率が必要とされないときは、集塵効率を下げて電流値を抑えることで、省エネやオゾンの発生の抑制ができる。
【0149】
なお、荷電部2にかかる電圧値として4kVから6kV、センター値として5kV、荷電部2に流れる電流値として70μAから130μA、センター値として100μA、集塵効率60%、70%、80%における電流値をそれぞれ、95μA、100μA、105μAとしたが、荷電部2の形状など様々な条件で変わるものであるため、これに限るものではない。
【0150】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態5と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0151】
図10に示すように、荷電部2の上流で、風路1と循環風路12が合流し、ファンモーター5によって、室外の空気と室内の循環空気の両方を荷電部2へ送り込む構成とした空気調和機9を構成する。
【0152】
室外からファンモーター5によって荷電部2へ送り込まれた粉塵は、荷電部2によって帯電され、フィルター3で集塵され、フィルター3で集塵しきれなかった粉塵は、ファンモーター5によって再度循環風路12から荷電部2へ強制的に送り込まれる。
【0153】
循環風路12から入ってきた粉塵は、室外からの粉塵と混ざり、再度荷電部2によって帯電され、フィルター3によって集塵される。
【0154】
その結果、室外から給気された粉塵は、荷電部2およびフィルター3を循環して通ることになり、複数回の集塵を繰り返すことになるため、荷電部2に流れる電流値を抑えて集塵効率を抑えても、2回以上の集塵を行うことによって、結果的には高い集塵効率を実現することになる。
【0155】
また、上記構成において、風路1と循環風路12の合流する箇所に、風路1と循環風路12からのそれぞれの風量を調節する風量調節手段としてのダンパー15を備えるようにした空気調和機9を構成する。
【0156】
ダンパー15の角度を可変することにより、風路1と循環風路12からの風量を調整することができ、室外からの給気量を増やして室内の循環集塵を減らすときには、ダンパー15を循環風路12の方へ倒して、室外からの給気と室内の循環の割合を変える。
【0157】
逆に、室外からの粉塵の量が多いときなど、室外からの給気の量を減らして、室内の循環集塵を多く行いたいときには、ダンパー15を風路1側に倒して、室外からの給気と室内の循環の割合を変える。
【0158】
なお、風量調節手段としてダンパーを用いたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【産業上の利用可能性】
【0159】
高圧電圧を用いて電気集塵を行う機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施の形態1の空気調和機の構成を示す概略図
【図2】同実施の形態1のフローチャート
【図3】同実施の形態1の空気調和機の構成を示す概略図
【図4】同実施の形態1の空気調和機の構成を示す概略図
【図5】同実施の形態2の空気調和機の構成を示す概略図
【図6】同実施の形態3の空気調和機の構成を示す概略図
【図7】同実施の形態4の空気調和機の構成を示す概略図
【図8】同実施の形態5の空気調和機の構成を示す概略図
【図9】同実施の形態5の空気調和機の構成を示す概略図
【図10】同実施の形態6の空気調和機の構成を示す概略図
【図11】従来の空気調和機の構成を示す概略図
【符号の説明】
【0161】
1 風路
2 荷電部
3 フィルター
4 電源装置
5 ファンモーター
6 電流検知回路
7 埃センサー
7a NOxセンサー
7b COセンサー
8 マイコン
9 空気調和機
10 人感センサー
11 ファン回転数検出回路
12 循環風路
13 プリーツフィルター
14 循環ファンモーター
15 ダンパー
101 荷電部
102 集塵部
103 検出手段
104 比較手段
105 電圧制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路と、粉塵に帯電させる荷電部と、前記帯電した粉塵を集塵する集塵部と、前記帯電した粉塵を荷電部から集塵部へ送る送風手段と、前記荷電部に流れる電流値を検知する電流検知手段と、粉塵濃度を検出する検出手段と、前記粉塵濃度に応じて電流値を調節する制御手段を備え、前記制御手段で電流値を調節して、必要な集塵効率を得られることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
検出手段が荷電部の上流に位置することを特徴とする、請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
検出手段が集塵部の下流に位置することを特徴とする、請求項1記載の空気調和機。
【請求項4】
検出手段として、埃センサーを備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項5】
検出手段として、NOxセンサーを備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項6】
検出手段として、COセンサーを備えることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項7】
検出手段として、室内側に人感センサーを備えることを特徴とする、請求項1記載の空気調和機。
【請求項8】
室内から室外に空気を取り入れる給気の風量を検知する風量検出手段を備え、検出手段として前記風量検出手段を用いることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項9】
機器内に、室外から室内に空気を取り入れるための風路と、室内の空気を機器内に取り入れて再び室内に戻すための循環風路とを備え、前記風路上に、粉塵に帯電させる荷電部と、前記帯電した粉塵を集塵する集塵部と、前記帯電した粉塵を荷電部から集塵部へ送る送風手段を有し、かつ、前記循環風路上に、粉塵を集塵する循環集塵部と、粉塵を循環集塵部へ送る循環送風手段を有することを特徴とした空気調和機。
【請求項10】
循環集塵部として機械式フィルターを備えることを特徴とする、請求項9記載の空気調和機。
【請求項11】
風路上に、粉塵濃度を検出する検出手段と、前記粉塵濃度に応じて電流値および循環送風手段の風量を調節する制御手段を備え、前記制御手段で電流値および前記循環送風手段の風量を調節して、必要な集塵効率を得られることを特徴とした、請求項9記載の空気調和機。
【請求項12】
風路と循環風路からの空気を荷電部の上流で混在することで、前記風路と前記循環風路上の集塵部と送風手段を共有化することを特徴とした、請求項9記載の空気調和機。
【請求項13】
風路と循環風路の混在する箇所に、前記風路と前記循環風路からのそれぞれの風量を調節する風量調節手段を備えることを特徴とした、請求項12記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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