説明

空気除菌装置

【課題】電極の極性を反転した場合に、生成される電解水濃度のムラを抑制できる空気除菌装置を提供すること。
【解決手段】電極47,48の極性を反転させ、水の導電率を検出し、電極の極性を反転させた場合、この反転時から電極間に流れる電流値が安定するのに十分な測定待機時間T2の経過後の導電率に応じて水を電気分解する条件を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌、ウィルス、真菌等の空中浮遊微生物(以下、単に「ウィルス等」という)の除去が可能な空気除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極間に電流を流すことにより水を電気分解して電解水を生成し、この電解水を用いて空気中に浮遊するウィルス等の除去を図った除菌装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この除菌装置は、不織布等からなる加湿エレメントに電解水を供給して、加湿エレメント上で空気中のウィルス等を電解水に接触させることにより、ウィルス等を不活化することにより、空気を除菌しようとするものである。
【特許文献1】特開2002−181358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、この種の除菌装置では、電解水を生成するために用いる水に含まれるカルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)が電気分解用の電極にスケールとして堆積されることにより、長時間運転すると電解性能及び耐久性が低下し、ひいては、除菌性能が低下する。
これを解消するために、電極への通電時間すなわち電解時間が所定時間を経過すると、電極の極性を反転(転極)させて、当該電極の表面からスケールの除去を行っていた。
しかしながら、電極の転極を行った場合には、電極の表面からスケールが除去されることにより、この電極に同一の電圧を印加していたとしても、当該電極間に流れる電流値は大きく変動する。このため、電解水に含まれる活性酸素種濃度(電解水濃度)が転極の前後で変動し、電解水濃度にムラが生じるといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、電極の極性を反転した場合に、生成される電解水濃度のムラを抑制できる空気除菌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明は、電解槽内の電極に電圧を印加して電解槽内の水を電気分解して電解水を生成し、この電解水を気液接触部材に供給するとともに、この気液接触部材に空気を送ることによって空気を除菌する空気除菌装置であって、前記電極の極性を反転させる転極制御手段と、前記水の導電率を検出する導電率検出手段と、前記電極の極性を反転させた場合、この反転時から前記電極間に流れる電流値が安定するのに十分な待機時間の経過後の導電率に応じて前記水を電気分解する条件を決定する電解条件決定手段とを備えることを特徴とする。
【0005】
この場合において、前記導電率検出手段は、前記待機時間の経過後に前記水の導電率の検出を行う構成としても良い。また、前記導電率検出手段は、前記電極間に所定の計測用電流を流した場合の当該電極間に印加される電圧値に基づいて前記導電率を検出する構成としても良い。
【0006】
また、前記電解槽内の水温を計測する水温計測手段を備え、前記導電率検出手段は、前記水温に基づいて前記導電率を補正する導電率補正手段を備える構成としても良い。また、前記電解条件決定手段は、前記電気分解の条件として、電気分解後の電解水濃度が所定値となるように、前記電極間に流す電解電流及び電解時間を決定する構成としても良い。さらに、この場合、前記転極制御手段は、前記電解時間が所定の転極基準時間に至るごと前記電極の極性を反転し、前記転極基準時間は、前記水の硬度によって変更可能に構成される構成としても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電極の極性を反転させた場合、この反転時から電極間に流れる電流値が安定するのに十分な待機時間の経過後の導電率に応じて電解条件を決定するため、正確に検出された水の導電率に基づいて電解条件が決定することができ、電解水濃度のムラを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施の形態に係る空気除菌装置1の外観斜視図である。
図1に示すように、空気除菌装置1は縦長に形成された箱形の筐体11を有し、例えば床置き設置される。筐体11には、この筐体11の両側面の下部に吸込グリル12が形成されるとともに、この筐体11の前面の下端部に吸込口15が形成されている。
また、筐体11の上面には吹出口13が形成され、この吹出口13には空気を吹き出す方向を変化させるためのルーバー20が設けられている。このルーバー20は、ルーバー駆動モータ68(図6)によって回動自在に駆動され、空気除菌装置1の運転停止時には上記吹出口13を閉塞するように構成されている。
空気除菌装置1は、吸込グリル12及び吸込口15を介して設置室内の空気を吸い込んで除菌し、この除菌された空気を吹出口13から排出することで、室内空気を清浄化させる装置である。
【0009】
筐体11の上面には、吹出口13の前面側に配置された操作蓋16Aと、この操作蓋16Aに横並びに配置されたタンク用開閉蓋14Aとが形成されている。操作蓋16Aを開くと、空気除菌装置1の各種操作を行う操作パネル16(図2)が露出し、タンク用開閉蓋14Aを開くと、タンク取出口14を介して後述する給水タンク41(図2)を出し入れ可能となっている。
また、筐体11の両側面の上部にはそれぞれ把持部17が形成されている。これら把持部17は筐体11を手持ちする際に手を掛けるための凹部であり、運搬時に空気除菌装置1を一人で持ち上げて移動できるようになっている。
また、筐体11の前面には、上下方向に並べられた上側カバー部材18及び下側カバー部材19がそれぞれ着脱自在に配置されており、これら上側カバー部材18及び下側カバー部材19を取り外すと筐体11の内部構成が露出するようになっている。また、下側カバー部材19は、この下側カバー部材19の下端部に、筐体11の背面側に向けて湾曲した円弧部19Aを備え、この円弧部19Aに上記吸込口15が形成されている。
【0010】
次に、空気除菌装置1の内部構成を説明する。
筐体11には、図2に示すように、この筐体11の内部を上下に仕切る支持板21が設けられ、上側の室22と下側の室23とに区分けされている。この下側の室23には、送風ファン31及びファンモータ32が配置されるとともに、仕切板24を介して、把手部57Aを有する排水タンク57が筐体11の前面側に引き出し可能に収容されている。これら送風ファン31及びファンモータ32と排水タンク57とは横並びに配置されている。
また、送風ファン31と吸込口15との間、すなわち、下側の室23における下側カバー部材19(図1)との対向する位置にプレフィルタ34が着脱自在に配置されている。このプレフィルタ34は、吸込グリル12及び吸込口15を通じて吸い込まれた空気中の塵埃など粒径の大きなものを捕集する第1フィルタ25と、この第1フィルタ25を通過する、例えば粒径10(μm)以上の物を捕集する第2フィルタ26とを備えて構成される。このプレフィルタ34によって空気中に浮遊する花粉や塵埃等が除去され、この除去された空気が送風ファン31を介して上側の室22に供給される。
【0011】
一方、上側の室22には、送風ファン31及びファンモータ32の上方に電装ボックス39が配置され、この電装ボックス39の上方に気液接触部材53が配置されている。この気液接触部材53と電装ボックス39との間には、気液接触部材53から滴下した水を受ける水受皿42が配置されている。この水受皿42は、深底に形成された貯留部42Aを備え、この貯留部42Aは上記排水タンク57の上方に延在している。電装ボックス39には、空気除菌装置1を制御する制御部60(図6)を構成する各種デバイスが実装された制御基板や、ファンモータ32の回転数を変化可能に電源電圧を供給する電源回路等の各種電装部品が収容されている。本実施形態では、ファンモータ32の回転数は、送風ファン31から吹き出される風量が強風、中風、弱風の3段階に変更できるように制御される。
【0012】
貯留部42Aの上には給水タンク41が配設され、給水タンク41から貯留部42Aに水を供給可能な構成となっている。詳細には、給水タンク41の下端に形成された給水口にはフロートバルブが設けられ、貯留部42Aの水面が給水口よりも下になると、このフロートバルブが開放されることにより、給水タンク41から必要量の水が供給され、貯留部42Aの水位が一定に保たれる仕組みとなっている。
また、貯留部42Aの上には、図3に示すように、気液接触部材53に供給する電解水を生成する電解水生成ユニット45が配置されている。この電解水生成ユニット45は、循環ポンプ44と電解槽46とを備えて構成され、循環ポンプ44は、制御部60の制御に従って回転数を変更することにより、循環量を変更可能となっている。循環ポンプ44の吐出口には、貯留部42Aに貯留された水を汲み上げて気液接触部材53に供給する供給管71が接続され、この供給管71には循環ポンプ44と気液接触部材53との間で分岐する分岐管72を介して電解槽46が接続されている。この電解槽46は、後述するように複数の電極を内蔵し、これら電極間に、制御部60から供給される電圧を印加することにより、水を電解して電解水を生成する。電解槽46の上面には、この電解槽46で生成した電解水を排出する排出口46Aが形成され、この排出口46Aには電解水を貯留部42Aに返送する返送管73が接続されている。
【0013】
また、貯留部42Aの上には、この貯留部42Aの入口部分に当該貯留部42Aに流れ込む水に混入する固形物を捕集するフィルタ部材74が配置されている。本構成では、返送管73の出口73Aは、このフィルタ部材74の上方に配置され、水とともに電解槽46から排出された固形物(例えば、電極表面から剥離されたスケール成分)を捕集可能となっている。このフィルタ部材74によって、水受皿42を介して気液接触部材53と電解水生成ユニット45とを循環される水に含まれる固形物が捕集されるため、この固形物が気液接触部材53に流入し、この気液接触部材53の目詰まりの発生が防止される。
また、フィルタ部材74は、上部が開放した状態で水受皿42の貯留部42Aに配置されているため、フィルタ部材74の交換時期を目視で簡単に判断することができる。さらに、このフィルタ部材74を交換する場合、貯留部42Aの入口部分に配置されたフィルタ部材74を手指で取り外して交換すればよいため、工具等を使用することなく、メンテナンスを簡単に行うことができる。
【0014】
また、本実施形態では水受皿42に貯留された水を適宜排出可能に構成されている。具体的には、貯留部42Aの下部には排水管55(図5A)が連結されるとともに、この排水管55を開閉させる排水バルブ56(図5A)が設けられている。そして、排水管55の先端は、上記排水タンク57の上方に延びており、排水バルブ56を開放することにより、水受皿42上の水が排水タンク57に排出される。
【0015】
気液接触部材53の上部には、この気液接触部材53上に均一に電解水を分散させるための散水ボックス51が組み付けられている。この散水ボックス51は、電解水を一時的に貯留するトレー部材(図示略)を備え、このトレー部材の側面に複数の散水孔(図示略)が開口し、この散水孔から気液接触部材53に対して電解水を滴下するようになっている。
また、気液接触部材53は、ハニカム構造を持ったフィルタ部材である。詳細には、気液接触部材53は、気体に接触するエレメント部をフレームにより支持する構造を有する。エレメント部は、波板状の波板部材と平板状の平板部材とが積層されて構成され、これら波板部材と平板部材との間に略三角状の多数の開口が形成されている。従って、エレメント部に空気を通過させる際の気体接触面積が広く確保され、電解水滴下が可能で、目詰まりしにくい構造になっている。
【0016】
また、気液接触部材53の上面には、散水ボックス51から滴下される電解水をエレメント部に効率よく分散させるため、分流シート(図示略)が配設されている。この分流シートは、液体の浸透性を有する繊維材料からなるシート(織物、不織布等)であり、気液接触部材53の厚み方向断面に沿って一または複数設けられる。
ここで、気液接触部材53の各部(フレーム、エレメント部、及び分流シートを含む)には、電解水による劣化が少ない素材、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、PFA、ETFE等)又はセラミックス系材料等の素材が使用され、本構成では、PET樹脂を用いるものとする。
また、気液接触部材53の各部には親水性処理が施され、電解水に対する親和性が高められており、これによって、気液接触部材53の電解水の保水性(湿潤性)が保たれ、後述する活性酸素種(活性酸素物質)と室内空気との接触が長時間持続される。さらに、気液接触部材53には防かび作用を持つ電解水が滴下されるため、気液接触部材53に防かび対策(防かび剤の塗布等)を施さなくても、かびの繁殖等を避けることができる。
【0017】
次に、空気除菌装置1における空気の流れを説明する。
上述のように、筐体11の下側の室23には送風ファン31が設けられている。この送風ファンの送風口31Aは、図4に示すように、筐体11の背面側部分において上向きに設けられ、支持板21には、送風口31Aに重なる位置において開口が設けられている。この支持板21の開口は、上側の室22の背面側において上下に延びる空間1Aに連通する。このため、送風ファン31の送風口31Aから吹き出された空気は、図4中に矢印で示すように空間1Aを通り、気液接触部材53の背面に吹き付けられる。
本構成では、この空間1Aには、筐体11の背面側に配置される第1導風部材81を備える。この第1導風部材81の上部には、分流板82が配置されており、空間1Aを流れる空気を均一に気液接触部材53の背面に吹き付け可能となっている。
また、気液接触部材53を介して、筐体11の前面側の空間1Bには、この気液接触部材53を通過した空気を吹出口13に導く第2導風部材83が配置されている。この第2導風部材83は、空間1B内の空気を吹出口13に導く機能と、気液接触部材53から空気とともにこの空間1Bに吹き出された水(いわゆる飛び水)を受ける機能とを有する。具体的には、第2導風部材83は、この第2導風部材83の内側の底面83Aが気液接触部材53に向けて下り勾配に形成されており、この底面83Aの先端部が水受皿42の上方に延在する。このため、空間1Bに吹き出された水は、第2導風部材83の内側の底面83Aを通じて水受皿42に戻される。
気液接触部材53を通過した空気は、上記第2導風部材83に導かれて吹出口13の下方に配設された吹出口フィルタ36を通って排気される。この吹出口フィルタ36は、吹出口13から筐体11内部への異物の進入を防止するためのフィルタである。吹出口フィルタ36は、網や織物または不織布等(図示略)を備えており、これらの材料としては、合成樹脂、好ましくは気液接触部材53を構成する材料が好ましい。また、吹出口フィルタ36は、気液接触部材53を通過した空気の通風抵抗を著しく増加させないよう、適度に目の粗いものであることが好ましい。
【0018】
図5は、電解水の供給の様子を説明する図であり、図5(A)は、空気除菌機構の構成を示す模式図であり、図5(B)は電解槽46の構成を詳細に示す図である。
この図5を参照して、気液接触部材53に対する電解水の供給について説明する。なお、本実施の形態では、給水タンク41に水道水を入れて空気除菌装置1を動作させる場合について説明する。
【0019】
水道水を入れた給水タンク41が空気除菌装置1にセットされると、上述のように、給水タンク41から水受皿42に水道水が供給され、水受皿42の水位が所定のレベルに達する。水受皿42内の水は循環ポンプ44によって汲み上げられて、その一部が電解槽46に供給される。この電解槽46には、図5Bに示すように、一方が正、他方が負となる対の電極47,48を備え、これら電極47,48間に電圧を印加することにより、電解槽46に流入した水道水が電気分解されて活性酸素種を含む電解水が生成される。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素と、その関連物質のことであり、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシルラジカル、或いは過酸化水素といった、いわゆる狭義の活性酸素に、オゾン、次亜ハロゲン酸等といった、いわゆる広義の活性酸素を含めたものとする。
【0020】
電極47,48は、例えばベースがチタン(Ti)で皮膜層がイリジウム(Ir)、白金(Pt)から構成された電極板であり、この電極47,48に流れる電流値は、電流密度で数mA(ミリアンペア)/cm2(平方センチメートル)〜数十mA/cm2になるように設定され、所定の遊離残留塩素濃度(例えば1mg(ミリグラム)/l(リットル))を発生させる。
【0021】
詳述すると、上記電極47,48により水道水に通電すると、カソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
の反応が起こり、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応が起こると同時に、
水に含まれる塩化物イオン(Cl-:水道水に予め添加されているもの)が、
2Cl-→Cl2+2e-
のように反応し、塩素(Cl2)が発生する。さらにこの塩素は水と反応し、
Cl2+H2O→HClO+HCl
次亜塩素酸(HClO)と塩化水素(HCl)が発生する。
【0022】
アノード電極で発生した次亜塩素酸は広義の活性酸素種に含まれるもので、強力な酸化作用や漂白作用を有する。次亜塩素酸が溶解した水溶液、すなわち空気除菌装置1により生成される電解水は、ウィルス等の不活化、殺菌、有機化合物の分解等、種々の空気清浄効果を発揮する。このように、次亜塩素酸を含む電解水が散水ボックス51から気液接触部材53に滴下されると、送風ファン31により吹き出された空気が気液接触部材53において次亜塩素酸と接触する。これにより、空気中に浮遊するウィルス等が不活化されるとともに、当該空気に含まれる臭気物質が次亜塩素酸と反応して分解され、或いはイオン化して溶解する。従って、空気の除菌及び脱臭がなされ、清浄化された空気が気液接触部材53から排出される。
【0023】
活性酸素種によるウィルス等の不活化の作用機序として、インフルエンザウィルスの例を挙げる。上述した活性酸素種は、インフルエンザの感染に必須とされるインフルエンザウィルスの表面蛋白(スパイク)を破壊、消失(除去)する作用を有する。この表面蛋白が破壊された場合、インフルエンザウィルスと、インフルエンザウィルスが感染するのに必要な受容体(レセプタ)とが結合しなくなり、感染が阻止される。このため、空気中に浮遊するインフルエンザウィルスは、気液接触部材53において活性酸素種を含む電解水に接触することにより、いわば感染力を失うこととなり、感染が阻止される。
【0024】
従って、この空気除菌装置1が、例えば幼稚園や小・中・高等学校、介護保険施設、病院等のいわゆる大空間に設置された場合であっても、電解水により清浄化(除菌、脱臭等)された空気を大空間内で広く行き渡らせることが可能になり、大空間での空気除菌及び脱臭を効率よく行うことができる。
【0025】
また、散水ボックス51から気液接触部材53に滴下された電解水は気液接触部材53を伝って下方に移動し、水受皿42に落ちる。水受皿42に落ちた電解水は再び循環ポンプ44によって汲み上げられ、電解槽46を経て気液接触部材53に供給される。このように、本実施形態における構成では水が循環式となっており、少量の水を有効に利用することで、長時間にわたって効率よく空気の除菌を行える。また、蒸発等により電解水循環部2を循環する水量が減った場合には、給水タンク41内の水が水受皿42に適量供給される。
【0026】
図6は、空気除菌装置1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
空気除菌装置1は、上述したファンモータ32、循環ポンプ44と、排水バルブ56と、ルーバー20を開閉させるルーバー駆動モータ68と、上記各部に電源を供給する電源部67とが接続される制御部60を備え、これらは制御部60の制御に従って動作する。
また、制御部60には、操作パネル16に配設された各種スイッチやインジケータランプ等が接続されると共に、水受皿フロートスイッチ43、電極47,48、電解槽46内の水位を検出する電解槽フロートスイッチ66及び当該電解槽46内の水温を計測する水温センサ69(水温計測手段)が接続されている。
【0027】
制御部60は、電装ボックス39に収容された制御基板に実装された各種電気部品により構成され、具体的には、マイコン61と、マイコン61により実行される制御プログラムや制御パラメータ等の各種データを記憶する記憶部62と、マイコン61の制御に基づいて計時動作を行うタイマカウンタ63と、操作パネル16における操作を検出して操作内容をマイコン61に出力する入力部64と、マイコン61の処理結果を操作パネル16のインジケータランプ(図示略)の点灯を制御する等して出力する出力部65と、マイコン61の制御に基づいて電極47,48間の電圧値および電流値を検知する電圧・電流検知回路70とを備えている。
【0028】
上記マイコン61は、記憶部62に記憶された制御プログラムを読み込んで実行することにより、空気除菌装置1全体の制御を行う。具体的には、マイコン61は、操作パネル16において動作開始を指示する操作が行われ、この操作を示す情報が入力部64から入力されると、マイコン61は循環ポンプ44を動作させて水の循環を開始させると共に、電源部67からの電力を電極47,48間に供給して電極47,48間に電流を流し、電解水を生成させる電解運転を行う。その後、マイコン61はファンモータ32の動作を開始させて、送風ファン31による送風を開始させる。以上の一連の動作により、空気除菌装置1の空気除菌運転が開始される。
この空気除菌運転の開始に伴って、マイコン61は、出力部65によって運転中であることを示す表示を行わせると共に、操作パネル16における操作に従ってルーバー駆動モータ68を駆動させてルーバー20の角度を調整する。また、マイコン61は、空気除菌装置1の空気除菌運転の実行中に、電解槽フロートスイッチ66によって電解槽46内の水位が低水位となったことが検出された場合、及び、水受皿フロートスイッチ43によって水受皿42の水位が低水位となったことが検出された場合には、電極47,48への電圧の印加を停止するとともに循環ポンプ44及びファンモータ32の運転を停止させ、出力部65によって警告を表示させる。
【0029】
また、マイコン61は、電圧・電流検知回路70に電解運転中の電極47,48間に流れる電流値及び当該電極47,48に印加される電圧値を計測させ、これら電流値及び電圧値に基づいて導電率を検出する。この場合、マイコン61は、水温センサ69で計測された水温に基づいて導電率を補正する。本構成では、マイコン61及び電圧・電流検知回路70が導電率検出手段として機能し、また、マイコン61は導電率を補正する導電率補正手段として機能する。
また、マイコン61は、空気除菌運転が開始されるとタイマカウンタ63によって電解時間を計測させる。このタイマカウンタ63は、複数の時間を並行して計測することが可能に構成されており、上記電解時間のほか、電気運転が実行されていない時間である電解停止時間、後述する転極制御用電解時間、測定待機時間及び導電率測定時間を計測する。
【0030】
マイコン61は、タイマカウンタ63で計測された転極制御用電解時間が所定の転極基準時間に至った場合には、電極47,48の極性を反転させる制御を行う転極制御手段として機能する。ここで、転極制御用電解時間は前回の転極からの電解時間の累積値であり、転極が実行されると転極制御用電解時間がリセットされる。また、転極基準時間は、転極が必要か否かの判定に用いられるものであり、予め記憶部62に記憶されている。
一般に、電気分解を実行する場合には、水に含まれる硬度成分に由来するスケール(例えば、炭酸カルシウム等のカルシウム系スケール、炭酸マグネシウム等のマグネシウム系スケール)が、特にカソード側電極表面に堆積する。スケールが電極に堆積すると、電気伝導性が低下し、継続的な電気分解が困難となり、電解性能が低下する。
このスケールが堆積するまでの時間は、水の硬度が高いほど短くなる傾向があり、水の硬度は世界各国、あるいは日本国内においても地域によって異なる。従って、本実施形態では、上記した転極基準時間は、空気除菌装置1が設置された地域の水の硬度に応じて変更可能に構成されている。具体的には、記憶部62には、水の硬度が低い(例えば、100ppmより小さい)場合に設定される第1転極基準時間(例えば30分)と、水の硬度が高い(例えば、100ppm以上)場合に設定される第2転極基準時間(例えば15分)とが記憶されている。空気除菌装置1を設置した場合、この設置した地域の水の硬度に応じて、サービスマンによって上記第1転極基準時間もしくは第2転極基準時間が選択されて設定される。
これによれば、硬度の高い地域で使用する場合には、より短い時間で転極を行うことにより、電極表面に生成したスケールを定期的に除去・剥離することができるため、この電極で安定して電解水を生成できる。このため、電解性能が低下することなく、空気除菌を安定して実行することができる。
【0031】
また、電解停止時間T1(図9)は、前回の電解運転の停止から次回の電解運転が開始するまでの時間である。この電解停止時間T1は、所定の第1電解水濃度α(例えば、5ppm)に生成された電解水を気液接触部材53に循環させることにより、この電解水濃度が所定の第2電解水濃度β(例えば2ppm)に低下するまでの時間であり、実験等によって予め設定されている。マイコン61は、上記電解停止時間T1が経過すると、電極47,48に電圧を印加し、電解運転を再開する。
また、マイコン61は、送風ファン31から吹き出される風速に応じて上記電解停止時間T1を変更する。これは、風速によって、電解水に含まれる活性酸素種の消費時間が変更するからである。従って、本実施形態では、風速が中風に設定されている場合の電解停止時間T1を基準停止時間とし、この風速が強風に設定された場合には、電解停止時間T1を基準停止時間に比べて短縮し、弱風に設定されている場合には、上記基準停止時間よりも延長するようになっている。
【0032】
次に、転極時の動作について説明する。図7は、電極を転極させる際の制御を示すフローチャートであり、図8は、転極後の電解条件を決定する際の制御を示すフローチャートである。
まず、マイコン61は、電気分解が実行中であるか否かを判別する(ステップS1)。この判別において、電気分解が実行されていない(ステップS1:No)場合には、マイコン61は、タイマカウンタ63に転極制御用電解時間の計測を停止させ(ステップS)、処理をステップ1に戻す。
一方、電気分解が実行されている(ステップS1:Yes)場合には、マイコン61は、転極フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS3)。この転極フラグは、転極要求があった場合にオンとなるものである。
この判別において、転極フラグがオンでない(ステップS3:No)場合には、マイコン61は、タイマカウンタ63に転極制御用電解時間の計測を開始させ(ステップS4)、この転極制御用電解時間が転極の判断基準となる転極基準時間よりも大きいか否かを判別する(ステップS5)。この転極基準時間は、上述のように、電気分解を実行する場合に電極47,48にスケールが堆積すると想定される時間であり、スケールによって電気分解が損なわれない程度の時間に設定される。
【0033】
この判別において、転極制御用電解時間が転極基準時間よりも小さい(ステップS5:No)場合には、処理をステップS1に戻す。一方、転極制御用電解時間が転極基準時間よりも大きい(ステップS5:Yes)場合には、マイコン61は、これ以上電解運転を継続すると、電解性能が低下すると判断し、転極フラグをオンにして(ステップS6)、処理をステップS1に戻す。
一方、ステップS3の判別において、転極フラグがオンである(ステップS3:Yes)場合には、マイコン61は、電極47,48を転極する(ステップS7)とともに、転極後の電解条件を決定する(ステップS8)。
続いて、マイコン61は、転極制御用電解時間をクリア(リセット)する(ステップS9)とともに、転極フラグをオフにして(ステップS10)、処理をステップ1に戻す。
【0034】
次に、転極後の電解条件を決定する際の制御について説明する。
まず、上記ステップS7にて電極の転極を行った後、マイコン61は、電極47,48に所定の測定用電流を流す(ステップS21)。この測定用電流は、後述する導電率を測定する際に基準となる電流値であり、通常の電解運転で電極47,48間に流される電解電流に比べて十分に小さな値に設定されている。
続いて、マイコン61は、転極時から所定の測定待機時間T2が経過したか否かを判別する(ステップS22)。この測定待機時間T2は、電極47,48間に流れる電流値が安定するのに十分な時間(本実施形態では2分)に設定されている。一般に、転極直後は、電極47,48表面からスケールが剥離されるため、これら電極47,48間に流れる電流値が安定しない。よって、安定しない電流値に基づいて水の導電率を検出しても、正確な導電率を検出することはできない。このため、本実施形態では、転極後に所定の測定待機時間T2を設けることにより、電極47,48間に流す測定用電流の電流値を安定させることができ、この測定用電流に基づいて水の導電率を正確に検出することができる。
特に、水の硬度が高い地域にあっては、転極基準時間が短く設定されるため、転極が頻繁に実行される。従って、転極後に所定の測定待機時間T2を設けることは、水の硬度が高い地域において、正確な導電率を検出するためにより一層有効となる。
【0035】
この判別において、上記測定待機時間T2が経過した(ステップS22:Yes)場合、マイコン61は、電圧・電流検知回路70によって、測定用電流を流した際の電極47,48に印加された電圧値を検知し、この検知された電圧値及び測定用電流の電流値に基づいて水の導電率を算出する(ステップS23)。
続いて、マイコン61は、水温センサ69によって計測される電解槽46内の水温に基づいて、上記ステップ23にて算出された導電率を補正する(ステップS24)。具体的には、水温センサ69にて計測された水温TAが所定の基準温度T(本実施形態では21.5℃)に比べて低い場合には、マイコン61は、この温度差に所定の補正係数(本実施形態では+2%)を、算出された導電率に乗じて補正する。一方、水温センサ69にて計測された水温TAが所定の基準温度Tに比べて高い場合には、マイコン61は、この温度差に所定の補正係数(本実施形態では−2%)を、算出された導電率に乗じて補正する。これによれば、温度を考慮した正確な導電率を検出することができる。
【0036】
続いて、マイコン61は、検出された導電率に基づいて電解条件を決定する(ステップS25)。本実施形態では、電解条件として、電気分解後の電解水濃度が目標濃度である第1電解水濃度α(例えば5ppm)となるように、電極間に流す電解電流値及び電解時間T4(図9)が決定される。記憶部62には、導電率と目標電解水濃度に対応する電解電流値及び電解時間がテーブルデータとして記憶されている。このため、マイコン61は、記憶部62から検出された導電率及び目標電解水濃度に対応する電解電流値及び電解時間を読み出し、これら電解電流値及び電解時間を電解条件として決定する。ここで、上記ステップS23乃至ステップS25の処理は、図9に示すように、導電率測定時間T3にて実行される。
そして、マイコン61は、決定された電解条件に基づいて電解運転を開始し(ステップS26)、処理を終了する。具体的には、マイコン61は、決定された電解電流を電源部67を介して電極47,48間に流すとともに、タイマカウンタ63によって電解時間T4の計測を開始する。
【0037】
本実施形態によれば、電解槽46内の電極47,48に電圧を印加して電解槽46内の水を電気分解して電解水を生成し、この電解水を気液接触部材53に供給するとともに、この気液接触部材53に空気を送ることによって空気を除菌する空気除菌装置であって、マイコン61が、電極47,48の極性を反転させ、水の導電率を検出し、電極の極性を反転させた場合、この反転時から電極間に流れる電流値が安定するのに十分な測定待機時間T2の経過後の導電率に応じて水を電気分解する条件を決定するため、正確に検出された水の導電率に基づいて電解条件が決定できることにより、生成される電解水濃度のムラを抑制できる。
【0038】
また、本実施形態によれば、マイコン61は、測定待機時間T2の経過後に水の導電率の検出を行うため、正確な導電率を検出することができる。また、本実施形態によれば、マイコン61は、電極47,48間に所定の計測用電流を流した場合の当該電極47,48間に印加される電圧値に基づいて導電率を検出するため、簡素な構成で導電率を正確に検出することができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、電解槽46内の水温を計測する水温センサ69を備え、マイコン61は、測定された水温に基づいて導電率を補正するため、水温を考慮した導電率を正確に検出することができる。また、本実施形態によれば、マイコン61は、電気分解の条件として、電気分解後の電解水濃度が所定の目標濃度となるように、電極47,48間に流す電解電流値及び電解時間T4を決定するため、この電解条件で電解運転された場合の電解水濃度を略一定に制御することができる。このため、電解性能を維持することができ、ひいては除菌性能を維持することができる。さらに、電極47,48への負担が低減されるため、電極47,48の長寿命化を図ることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、マイコン61は、電解時間T4が所定の転極基準時間に至るごと電極47,48の極性を反転し、この転極基準時間は、水の硬度によって変更可能に構成されているため、例えば、硬度の高い地域で使用する場合には、より短い時間で転極を行うことにより、電極47,48の表面に生成したスケールを定期的に除去・剥離することができる。このため、この電極47,48で安定して電解水を生成でき、電解性能が低下することなく、空気除菌を安定して実行することができる。
【0041】
本実施の形態に係る空気除菌装置1は、本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能なのは勿論である。
例えば、活性酸素種としてオゾン(O3)や過酸化水素(H22)を発生させる構成としても良い。この場合、電極として白金タンタル電極を用いると、イオン種が希薄な水であても、電気分解により高効率に安定して活性酸素種を生成できる。
このとき、アノード電極では、
2H2O→4H++O2+4e-
の反応と同時に、
3H2O→O3+6H++6e-
2H2O→O3+4H++4e-
の反応が起こりオゾン(O3)が生成される。またカソード電極では、
4H++4e-+(4OH-)→2H2+(4OH-
2-+e-+2H+→H22
のように、電極反応により生成したO2-と溶液中のH+とが結合して、過酸化水素(H22)が生成される。
【0042】
また、本実施形態では、給水タンク41により水道水を供給する例について説明している。水道水には殺菌を目的として塩素化合物が添加されているため、塩化物イオンが含まれており、この塩化物イオンが反応して次亜塩素酸及び塩酸が生成される。これは水道水を用いた場合に限定されるものではなく、電解槽46に供給された水が、ハロゲン化合物の添加または混入によりハロゲン化物イオンを含む水となっていれば、同様の反応によりハロゲンを含む活性酸素種が生成される。
また、空気除菌装置1において、イオン種が希薄な水(純水、精製水、井戸水、一部の水道水等を含む)を用いた場合も同様の反応を起こさせることが可能である。すなわち、イオン種が希薄な水にハロゲン化合物(食塩等)を添加すれば、同様の反応が起こり、活性酸素種を得ることができる。また、本実施形態では、出し入れ自在な給水タンク41による給水方式としたが、この給水タンク41の代わりに、例えば水道管を接続して、市水を直接導く水配管給水方式としてもよいことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施の形態に係る空気除菌装置の外観を示す斜視図である。
【図2】空気除菌装置の内部構成を示す斜視図である。
【図3】気液接触部材と電解水生成ユニットとを示す斜視図である。
【図4】空気除菌装置の内部構成を示す右側断面視図である。
【図5】電解水の供給の様子を説明する図であり、(A)は空気除菌機構の構成を示す模式図であり、(B)は電解槽の構成を詳細に示す図である。
【図6】空気除菌装置1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】電極を転極させる際の制御を示すフローチャートである。
【図8】転極後の電解条件を決定する際の制御を示すフローチャートである。
【図9】時間と電解水濃度との関係を示し、電極を転極時の制御を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
1 空気除菌装置
31 送風ファン
32 ファンモータ
46 電解槽
47,48 電極
53 気液接触部材
60 制御部
61 マイコン(転極制御手段、導電率検出手段、電解条件決定手段、導電率補正手段)
62 記憶部
69 水温センサ(水温計測手段)
70 電圧・電流検知回路(導電率検出手段)
T2 測定待機時間(待機時間)
T4 電解時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解槽内の電極に電圧を印加して電解槽内の水を電気分解して電解水を生成し、この電解水を気液接触部材に供給するとともに、この気液接触部材に空気を送ることによって空気を除菌する空気除菌装置であって、
前記電極の極性を反転させる転極制御手段と、前記水の導電率を検出する導電率検出手段と、前記電極の極性を反転させた場合、この反転時から前記電極間に流れる電流値が安定するのに十分な待機時間の経過後の導電率に応じて前記水を電気分解する条件を決定する電解条件決定手段とを備えることを特徴とする空気除菌装置。
【請求項2】
前記導電率検出手段は、前記待機時間の経過後に前記水の導電率の検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の空気除菌装置。
【請求項3】
前記導電率検出手段は、前記電極間に所定の計測用電流を流した場合の当該電極間に印加される電圧値に基づいて前記導電率を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の空気除菌装置。
【請求項4】
前記電解槽内の水温を計測する水温計測手段を備え、
前記導電率検出手段は、前記水温に基づいて前記導電率を補正する導電率補正手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気除菌装置。
【請求項5】
前記電解条件決定手段は、前記電気分解の条件として、電気分解後の電解水濃度が所定値となるように、前記電極間に流す電解電流及び電解時間を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気除菌装置。
【請求項6】
前記転極制御手段は、前記電解時間が所定の転極基準時間に至るごと前記電極の極性を反転し、前記転極基準時間は、前記水の硬度によって変更可能に構成されたことを特徴とする請求項5に記載の空気除菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−167963(P2008−167963A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4221(P2007−4221)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】