説明

空港灯火制御システム及び空港灯火確認方法

【課題】フィールドから灯火の操作を行うことにある。
【解決手段】灯火断芯交換時にフィールド内で灯火の点灯・消灯操作を行うシステムであって、携帯端末7から作業エリア名を含む灯火操作要求信号を受けると、作業エリア名から特定される電源ユニットNOに対応する電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理を実行する要求受付処理部31と、ロック回路322と制御連携回路部321−iが直列接続され、空港運用以外の時間帯にロック解除指令を受けてロック解除し、電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理に関する信号を連携する不正アクセス処理部32と、ロック解除時に制御連携回路部から出力される灯火点灯・消灯に関する信号を受け、前記特定されたNOの電源ユニットに連なる多数の灯火の点灯・消灯制御を実施する中継制御部33とを備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港内のフィールド(滑走路,誘導路等)に設置される各種灯火の点灯・消灯操作を実施するための空港灯火制御システム及び空港灯火確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港内のフィールドには各種の灯火(誘導路中心線灯,誘導路灯,停止線灯及び誘導案内灯灯)が設置され、フィールドに存在する航空機ごとに、予め設定された走行経路に従って必要な灯火を点灯・消灯等の操作を実施し、航空機の安全、かつ、円滑な地上走行を実現している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、従来、航空機最終便の離着陸終了後、フィールドに設置される灯火の断芯有無等の確認作業を実施している。
【0004】
この灯火断芯の有無確認作業は、空港内を複数の作業エリアに分け、航空機の最終便の離着陸終了後、点検要員が自動車に乗って作業日ごとに決められた作業エリア内を移動し、灯火の断芯の有無を目視により確認する。ここで、該当作業エリア内に設置された灯火の断芯を発見すると、用意した同種の新しい灯火に交換するために、トランシーバなどの無線機を用いて、前述した作業エリア名(番号を含む)のもとに空港建物内の監視室に連絡し、該当作業エリア内の灯火の点灯・消灯操作を要請する方法をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−60808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、以上のように点検要員が作業エリア内の灯火の断芯を発見したとき、無線機により監視室に連絡し、灯火の点灯・消灯操作を要請することから、交換後の灯火の確認作業には、監視室要員1名とフィールド内点検要員1名の計2名の人員が必要となり、空港内における灯火の維持管理業務の省力化・効率化を実現できない問題がある。
【0007】
ところで、省力化・効率化を考えた場合、点検要員がフィールドから直接灯火の点灯・消灯操作を行えるようにした方が望ましいが、現段階ではフィールドから灯火の点灯・消灯操作は行われていない。その理由は、空港運用中に不正にアクセスして灯火の点灯・消灯操作を行われてしまう危険がある為である。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、フィールド内から灯火の点灯・消灯操作を実施可能にして空港内灯火の維持管理業務の省力化・効率化を実現し、かつ、空港運用中に不正アクセスが及ばないようにしてセキュリティ性を高める空港灯火制御システム及び空港灯火確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、空港のフィールド内の灯火の点灯・消灯操作を行う空港灯火制御システムであって、
携帯端末から灯火エリアを含む灯火点灯・消灯操作の要求信号を受付けると、前記灯火エリアから特定される電源ユニットに対応する電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理を実行する要求受付処理部と、前記電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理に応動して動作する接点回路を含む各電源ユニットに対応する制御連携回路部と当該制御連携回路部の動作を封じるロック回路とが設けられ、外部から入力されるロック解除指令により前記ロック回路のロック状態が解除され、かつ、前記接点回路が動作したとき、前記制御連携回路部から灯火点灯・消灯に関する信号を出力する不正アクセス処理部と、前記制御連携回路部から出力される灯火点灯・消灯に関する信号を受け、前記特定された電源ユニットに連なる多数の灯火の点灯・消灯制御を実施する中継制御部とを備えた構成である。
【0010】
また、本発明は、空港のフィールド内の灯火の点灯・消灯操作を行う空港灯火制御システムにおいて、携帯端末から灯火エリアを含む灯火点灯・消灯操作の要求信号を送信する操作要求ステップと、前記要求信号を受信したとき、予め灯火エリアと電源ユニットとの対応関係が規定され、前記要求信号を受信したとき、電源ユニットに対応する電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理を実行する要求受付処理ステップと、電源ラインにロック回路と制御連携回路部が直列接続され、上位のシステムから送られてくるロック指令を受けて前記ロック回路が開放され、前記上位システムからのロック解除指令を受けてロック解除し、前記電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理に関する信号を連携する不正アクセス処理ステップと、前記制御連携回路部から連携される灯火点灯・消灯に関する信号を受け、前記特定された電源ユニットに連なる多数の灯火の点灯・消灯制御を実施する中継制御ステップとを有する空港灯火確認方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フィールド内から灯火の点灯・消灯操作を実施することにより空港内灯火の維持管理業務の省力化・効率化を実現でき、また、空港運用中に不正アクセスを完全に防止してセキュリティ性を高めることができる空港灯火制御システム及び空港灯火確認方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る空港灯火制御システムの一実施形態を概略的に示す全体構成図。
【図2】本発明に係る空港灯火制御システムに用いる携帯端末の構成図。
【図3】携帯端末の記憶部に形成される灯火確認作業テーブルのデータ配列例図。
【図4】被監視制御装置を構成する要求受付処理部の概略構成図。
【図5】要求受付処理部の記憶部に形成される電源ユニット管理テーブルのデータ配列例図。
【図6】本発明に係る空港灯火制御システムを構成する被監視制御装置の具体的な構成図。
【図7】本発明に係る空港灯火制御システムにおける空港灯火確認方法の一実施の携帯を説明する処理の流れ図。
【図8】携帯端末における一連の処理の流れを説明する図。
【図9】要求受付処理部における一連の処理の流れを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る空港灯火制御システムの一実施形態を概略的に示す全体構成図である。
【0014】
空港灯火制御システムは、中央監視センタに設置される監視室操作装置1と、この監視室操作装置1とは通信回線2を介して接続される複数の被監視制御装置3−i(i=1,2,…n)と、これら被監視制御装置3−iにそれぞれ接続され、フィールド内に設置される所定個数の灯火を点灯・消灯する電源ユニット(電源装置とも呼ぶ)ES1,ES2,…,ES(n−1),ESn(以下、ESi(i=1,2,…,n)と呼ぶ)を備えた変電所4−1,…,4−nと、電源ユニットESiごとに接続され、各電源ユニットESiから空港内フィールドの予め決められた作業エリアに敷設される電力線5に接続される必要個数の灯火L1,L2,…と、各被監視制御装置3−iに無線LANや基地局を有する無線電話回線網等の無線通信回線6を介して接続され、点検要員が所持する携帯端末7とで構成される。
【0015】
監視室操作装置1は、例えば空港のフィールド内に設置される各種の灯火L1,L2,…や航空機センサ(図示せず)の動作状態を表示監視し、また、灯火L1,L2,…に関する点灯・消灯制御指令を出力するオペレータコンソールと、このオペレータコンソールとの間で相互に信号の授受を行う監視制御盤等とからなる。
【0016】
被監視制御装置3−iは、外部からの要求を受付け処理する要求受付処理部31と、不正アクセスを防止する不正アクセス処理部32と、各変電所4−iの電源ユニットESiから導出される電力線5に変成器を介して接続され、各種灯火L1,L2,…の動作状態である監視信号を収集し上位の監視室操作装置1に通知したり、また監視室操作装置1からの制御指令及び前記外部の要求受付け内容に応じて灯火L1,L2,…の点灯・消灯を行う中継制御部33とが設けられている。
【0017】
各変電所4−1,…,4−nは、図示しない商用交流電源から定電流を生成し出力する電源装置であるCCR/CCTなどの定電流発生装置,つまり少なくとも1つ以上の電源ユニットESiが設けられている。
【0018】
携帯端末7は、灯火確認用アプリケーションソフトを搭載した携帯用情報端末や携帯電話に相当するものであって、点検要員が空港内の灯火断芯確認作業時に所持し、フィールドの予め決められた灯火確認作業エリア内の灯火の断芯を発見した時、該当作業エリアに対応する電源ユニットに連なる灯火L1,L2,…の点灯・消灯操作を要求する機能を持っている。
【0019】
次に、本発明に係る空港灯火制御システムの各構成部について具体的に説明する。
【0020】
先ず、携帯端末7は、図2に示すように、入力部71と、少なくとも灯火確認用アプリケーションソフト72a及び灯火確認作業テーブル72bを記憶する記憶部72と、CPUで構成された端末処理部73と、表示部74とからなる。灯火確認作業テーブル72bは、図3に示すように少なくとも作業月日ごとに予め決められた灯火確認作業エリアが格納されている。
【0021】
端末処理部73は、機能的には,作業当日に割り当てられた灯火確認作業エリアが存在するか否かを判断する作業エリア有無確認手段73A及び作業エリア有りの場合に作業エリア名を伴う灯火操作要求を送信する灯火操作要求送信手段73B等が設けられている。
【0022】
被監視制御装置3−iの要求受付処理部31は、図4に示すように構成されている。すなわち、要求受付処理部31としては、電源ユニット管理テーブル311aを有する記憶部311と、CPUで構成された要求処理本体部312と、各電源ユニットNOに対応する複数の電源ユニット選択回路部313−1,313−2,…とが設けられている。
【0023】
電源ユニット管理テーブル311aは、例えば図5に示すように、少なくとも空港内の灯火確認作業エリア名と電源ユニットNOと電源ユニット選択回路部313−i(i=1,2,…,n)の点灯用接点,消灯用接点の各操作出力リレーSC,RCとが対応付けられている。
【0024】
要求処理本体部312は、作業エリア名に基づいて電源ユニット管理テーブル311aを参照して電源ユニットNOを特定する電源ユニット特定手段312A及び特定された電源ユニットNO(例えば電源ユニットES1)に基づいて、該当する電源ユニット選択回路部313−iの操作出力リレーSC,RCを交互にオン・オフ通電する灯火点灯・消灯選択手段312Bが設けられている。
【0025】
さらに、図6を参照して、要求受付処理部31、不正アクセス処理部32及び中継制御部33について説明する。但し、説明の便宜上、要求受付処理部31は、既に図4にて具体的に説明したので、ここでは要求受付処理部31の電源ユニットNO1,2(前述する電源ユニットES1,ES2に相当する)のみを表し、それに伴って不正アクセス処理部32及び中継制御部33も簡略化したものである。
【0026】
不正アクセス処理部32は、直流電源ラインN−P間に電源ユニット選択回路部313−1の点灯用接点に対応する操作出力リレーSCの接点SCaと制御リレーR1との直列回路、消灯用接点に対応する操作出力リレーRCの接点RCaと制御リレーR2との直列回路が並列接続され、前記電源ユニットES1,ES2に対応する制御連携回路部321−1,321−2,…の他、これら制御連携回路部321−1,321−2,…に直列に接続されるロック回路322が接続されている。
【0027】
中継制御部33は、少なくとも電源ユニットNO1,NO2に対応する灯火指令出力部331−1,331−2,…と、監視室操作装置1から空港運用中の不正アクセスを防止するためのロック指令を受けると、ロック回路322をオフとしてロック状態とし、かつ、制御リレーR1,R2の接点R1a,R2aがオンしたとき、該当電源ユニットES1,ES2,…に連なる多数の灯火L1,L2,…を点灯・消灯する中継制御部本体332とが設けられている。
【0028】
次に、以上のように構成された空港灯火制御システムにおける動作及び本発明に係る空港灯火確認方法の処理の流れについて、図7を参照して説明する。
【0029】
(1) 携帯端末7によるフィールドからの灯火操作要求処理について(T1,図8参照)。
【0030】
先ず、点検要員は、予め決められた作業日程に基づき、灯火確認作業テーブル72bに少なくとも作業当日の灯火確認作業エリアW01(またはW02,…)を書き込むか、あるいは監視室操作装置1や保守センタなどで作成された近々の作業日に対する空港内の予め決められた灯火確認作業エリアW01,W02,…を読取り、携帯端末7の灯火確認作業テーブル72bに格納する。
【0031】
以上のような状態において、点検要員は、航空機の最終便の離着陸終了後、自動車に乗って作業当日に決められた灯火確認作業エリア内を移動し、エリア内灯火L1,L2,…の状態を目視し、各灯火L1,L2,…の中に断芯のある灯火があるか確認する。
【0032】
点検要員は、断芯のある灯火を発見すると、所持している携帯端末7を用いて、フィールドから図8に示す灯火操作要求に関する一連の処理を実行する。
【0033】
すなわち、点検要員は、携帯端末7に格納される灯火確認用アプリケーションソフト72aを起動し、作業エリア有無確認手段73Aを実行する。作業エリア有無確認手段73Aは、入力部71から灯火確認指示が入力されたか否かを判断する(S1)。灯火確認指示有りと判断したとき、作業日の入力有無を判断する(S2)。
【0034】
通常は、表示部74に作業日の入力を促すメッセージを表示し、そのメッセージに従って作業日を入力するが、あるいは点検要員自らがメッセージなしに作業日を入力することもある。ステップS2において、作業日入力有りと判断すると、灯火確認作業テーブル72bを参照し、該当作業日に対する灯火確認作業エリアが有るか判断する(S3)。灯火確作業エリアが無ければ終了する。灯火確認作業エリア名例えばW01が有れば、入力作業日及び灯火確認作業エリア名W01を表示部74に表示する(S4)。
【0035】
なお、作業エリア有無確認手段73Aとしては、監視室操作装置1から灯火確認作業エリア分けした空港モデル情報を要求し、得られた空港モデル情報を表示部74に表示し、この表示されたフィールド内作業エリア名と確認された灯火確認作業エリア名W01とを目視確認し、フィールド内の実際の灯火確認作業エリアが灯火確認作業エリア名W01と一致する場合に灯火確認作業エリア名をクリックするかOK信号を入力し、灯火確認作業エリアW01を決定してもよい。
【0036】
点検要員は、灯火確認作業エリア名W01を取得した後、灯火操作要求送信手段73Bを実行する。灯火操作要求送信手段73Bは、予め登録されているアドレスに基づき、要求受付処理部31に対して作業エリア名W01のもとに灯火点灯・消灯操作を要求する(S5)。
【0037】
(2) 要求受付処理部31による灯火点灯・消灯の受付処理について(T2,図9参照)。
【0038】
要求受付処理部31は、動作の開始に伴い、電源ユニット特定手段312Aを実行する。電源ユニット特定手段312Aは、常時は図9に示すように灯火操作要求を受信したか否かを判断し(S11)、灯火操作要求受信有りと判断したとき、灯火操作要求信号に含む灯火確認作業エリア名W01を記憶部311に一時的に記憶した後(S12)、図5に示す電源ユニット管理テーブル311aから作業エリア名W01に対応する電源ユニットNO,例えばNO1(電源ユニット名ES1に対応する)を特定する(S13)。
【0039】
しかる後、要求受付処理部31は灯火点灯・消灯選択手段312Bを実行する。灯火点灯・消灯選択手段312Bは、特定された電源ユニットNO1に基づき管理テーブル311aから電源ユニット選択回路部313−1を特定し、点灯するときは当該電源ユニット選択回路部313−1の点灯用接点に対してオン指令を送出し(S14)、消灯するときは消灯用接点に対してオン指令を送出する(S15,S16)。
【0040】
要求受付処理部31による灯火点灯・消灯選択手段312Bの実行により、操作出力リレーSCまたはRCが動作し、それに伴って不正アクセス処理部32の点灯用接点SCaまたは消灯用接点RCaをオンする。
【0041】
(3) 不正アクセス処理部32によるロック・ロック解除処理について(T3)。
【0042】
要求受付処理部31の灯火点灯・消灯選択手段312Bの実行により、不正アクセス処理部32の点灯用接点SCa及び消灯用接点RCaを交互にオンするが、電源ラインにロック回路322が挿入されていることから、ロック状態,すなわちロック回路322が開放状態にあれば電源ラインが手段されといるので、電源ユニットNO1(電源ユニット名ES1)に対応する制御連携回路部321−1の制御リレーR1,R2は動作しない。つまり、不正アクセス処理部32は、ロックされた状態となり、制御リレーR1,R2は不正アクセス処理部32の点灯用接点SCa及び消灯用接点RCaの動作に全く応動しない。
【0043】
なお、ロック回路322のロック動作またはロック解除は監視室操作装置1から自動的に発生されるロック指令またはロック解除指令に基づく。すなわち、監視室操作装置1は、空港運用開始時に自動的にロック指令を送出し、中継制御部33を介して不正アクセス処理部3のロック回路322を開放しロック状態とし、また、航空機最終便の離着陸終了後に自動的にロック解除指令を送出し、中継制御部33を介して不正アクセス処理部3のロック回路322を閉放しロック状態を解除する。また、ロック指令またはロック解除指令は、監視員が監視室操作装置から手動で操作を行ってもよい。
【0044】
従って、航空機最終便の離着陸終了後、点検要員がフィールドで灯火確認作業を行うとき、ロック回路322がロック状態を解除されている。
【0045】
その結果、不正アクセス処理部32の点灯用接点SCaまたは消灯用接点RCaをオンし、それに伴って対応する制御リレーR1,R2が動作する。
【0046】
(4) 中継制御部33による灯火点灯・消灯指令出力について(T4)。
【0047】
不正アクセス処理部32の電源ユニットNO1(ES1)に対応する制御リレーR1,R2が交互に動作すると、中継制御部33の電源ユニットNO1(ES1)に対応する灯火指令出力部331−1の点灯用接点R1a及び消灯用接点R2aを交互にオンする。
【0048】
そこで、中継制御部本体332は、点灯用接点R1a及び消灯用接点R2aのオン状態を検出すると、電源ユニットES1に連なる灯火L1,L2、…の点灯・消灯と判断し、当該電源ユニットES1に連なる灯火L1,L2、…の点灯・消灯指令を出力する。
【0049】
(5) 灯火L1,L2、…の点灯・消灯について(T5)。
【0050】
中継制御部本体332から点灯・消灯指令を受けると、フィールド内の該当灯火確認作業エリアW01に設置される多数の灯火L1,L2,…が交互に点灯・消灯を繰り返すことになり、これにより新たに交換した例えば灯火L2が他の灯火L1,L3,…と同様に点灯・消灯したとき、復旧したと確認するこことができる。
【0051】
従って、以上のような実施形態によれば、フィールド内の該当灯火確認作業エリアで灯火の断芯を発見したとき、新たな灯火に交換する際に、点検要員が携帯端末7を用いて、被監視制御装置3−iの要求受付処理部31に要求すると、交換する灯火と接続される電源ユニットNOを特定し、当該特定したNOの電源ユニットに連なる交換する灯火を含む複数の灯火を点灯・消灯するので、フィールドから1人の点検要員により灯火の状態を操作できる。これにより、灯火の維持管理業務の省力化・効率化を実現できる。
【0052】
また、要求受付処理部31と中継制御部33との間に不正アクセス処理部32を介在させ、この不正アクセス処理部32は、電源ラインにロック回路322と制御連携回路部321−iとをシリアルに接続し、空港運用時に上位システムからのロック指令に基づいてロック回路322をロックし、かつ、制御連携回路部321−iがリレー回路で構成したことにより、外部から不正に進入し、中継制御部33を操作することができなくなる。よって、不正アクセスが不可能となり、セキュリティ性を高めることができる。
【0053】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【符号の説明】
【0054】
1…監視室操作装置、2…通信回線、3−1,…,3−n…被監視制御装置、4−1,…,4−n…変電所、ESO1〜ESO5,…,ES(n−5)〜ESn…電源ユニット、5…電力線、6…無線通信回線、7…携帯端末、L1,L2,… …灯火、31…要求受付処理部、32…不正アクセス処理部、33…中継制御部、72…記憶部、72b…灯火確認作業テーブル、73…端末処理部、73A…作業エリア有無確認手段、73B…灯火操作要求送信手段、311…記憶部、311a…電源ユニット管理テーブル、312…要求処理本体部、313−1,313−2,…、313−n…電源ユニット選択回路部、312A…電源ユニット特定手段、312B…灯火点灯・消灯選択手段、322…ロック回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港のフィールド内の灯火の点灯・消灯操作を行う空港灯火制御システムにおいて、
携帯端末から灯火エリアを含む灯火点灯・消灯操作の要求信号を受付けると、前記灯火エリアから特定される電源ユニットに対応する電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理を実行する要求受付処理部と、
前記電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理に応動して動作する接点回路を含む各電源ユニットに対応する制御連携回路部と当該制御連携回路部の動作を封じるロック回路とが設けられ、外部から入力されるロック解除指令により前記ロック回路のロック状態が解除され、かつ、前記接点回路が動作したとき、前記制御連携回路部から灯火点灯・消灯に関する信号を出力する不正アクセス処理部と、
前記制御連携回路部から出力される灯火点灯・消灯に関する信号を受け、前記特定された電源ユニットに連なる多数の灯火の点灯・消灯制御を実施する中継制御部と
を備えたことを特徴とする空港灯火制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の空港灯火制御システムにおいて、
前記携帯端末は、少なくとも灯火確認作業日の灯火エリアを記憶する記憶手段と、灯火確認作業日が入力されたとき、前記記憶手段に当該作業日に対応する灯火エリアが存在するか確認する作業エリア有無確認手段と、この確認手段で灯火エリアが存在すれば、灯火エリアを含む灯火点灯・消灯操作の要求信号を送信する灯火操作要求送信手段とを設けたことを特徴とする空港灯火制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の空港灯火制御システムにおいて、
前記要求受付処理部は、前記灯火エリアと電源ユニットと前記電源ユニット選択回路部の点灯・消灯接点回路とを対応付けして記憶する電源ユニット管理テーブルを備えたことを特徴とする空港灯火制御システム。
【請求項4】
請求項1または請求項3に記載の空港灯火制御システムにおいて、
前記要求受付処理部は、前記灯火エリアに基づいて前記電源ユニット管理テーブルを参照して電源ユニットを特定する電源ユニット特定手段と、この電源ユニット特定手段で特定された電源ユニットに対応する電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理を実行する灯火点灯・消灯選択手段とを設けたことを特徴とする空港灯火制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の空港灯火制御システムにおいて、
前記ロック回路は、電源ラインに接続される前記制御連携回路部に直列に接続され、空港運用時に前記ロック指令を受けてロック状態に設定され、空港運用以外の時間帯に前記ロック解除指令を受けてロック状態が解除されることを特徴とする空港灯火制御システム。
【請求項6】
空港のフィールド内の灯火の点灯・消灯操作を行う空港灯火制御システムにおいて、
携帯端末から灯火エリアを含む灯火点灯・消灯操作の要求信号を送信する操作要求ステップと、
前記要求信号を受信したとき、予め灯火エリアと電源ユニットとの対応関係が規定され、前記要求信号を受信したとき、電源ユニットに対応する電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理を実行する要求受付処理ステップと、
電源ラインにロック回路と制御連携回路部が直列接続され、上位のシステムから送られてくるロック指令を受けて前記ロック回路が開放され、前記上位システムからのロック解除指令を受けてロック解除し、前記電源ユニット選択回路部の点灯・消灯処理に関する信号を連携する不正アクセス処理ステップと、
前記制御連携回路部から連携される灯火点灯・消灯に関する信号を受け、前記特定された電源ユニットに連なる多数の灯火の点灯・消灯制御を実施する中継制御ステップとを有することを特徴とする空港灯火確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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