説明

空調システム

【課題】電力料金の低廉化が図れると共に電力負荷の平準化に寄与し、CO排出量が削減されて環境保護に貢献することができる空調システムを提供する。
【解決手段】第一熱源機VBと蓄熱槽ITを有して蓄熱槽ITに蓄えた熱量を昼間に放熱する蓄熱熱源ユニットIUと非蓄熱熱源ユニットCUとを並列に配管接続して、熱使用機器RC1,RC2との間で第二伝熱媒体を循環して放熱する空調システムCであって、蓄熱槽IT及び非蓄熱熱源ユニットCUによる放熱運転を行う第一運転モード(Bモード)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建屋内を冷房する空調システムであって、夜間は電気料金の割安な夜間電力で熱源機を蓄熱モードで運転して蓄冷し、昼間の空調時間帯は、午前中は熱源機を冷房モードで運転して冷房し、電力需要の集中するピーク時間帯に、熱源機は停止し蓄冷熱の放熱により冷房するようにした空調システムに関する。
即ち冷房費を、夜間電力を使った蓄熱利用による割引制度(蓄熱割引)と、ピーク時間帯に動力をカット(例えば冷房機を強制的に運転停止)する使い方に対する割引制度(ピークカット割引)とによるコスト削減を図った空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、省エネ化や割安な夜間電力利用によるコスト削減、負荷平準化を成せる空調システムとして、ヒートポンプが開発され、省エネやオール電化の一環として、電力会社が普及促進に力を入れている。背景にはエコロジー意識の向上やCO2排出に対する意識の変化などがある。
【0003】
冷房を対象とした空調システムでは、従来から氷蓄熱システム及び非蓄熱システムが知られている。
図1は一般的な非蓄熱システム(チラーシステム)であって、図1(a)は非蓄熱チラーシステムの概略構成図を示し、(b)はこの非蓄熱チラーシステムによる冷房運転結果の一例であり、年間の冷房負荷と、年間の冷房負荷に対する非蓄熱チラーシステムの運転割合を示す図である。
【0004】
図1(a)において、CUは後述する熱源機となるチリングユニット(非蓄熱チラー)であって、このチリングユニットCUで7℃に冷やされた水は、循環ポンプWPによって水回路WCを循環する過程で室内機RC1,RC2を通過し、これら室内機RC1,RC2を通過する際に室内から熱を奪い室内を26℃に冷房するとともに、奪った熱で12℃に昇温した水がチリングユニットCUに再び戻ってくる。
【0005】
年間の冷房運転は、150日程度であって、5月後半頃から冷房運転が開始され、7月初旬から8月上旬頃に負荷が最大(100%)となり、10月前半頃に冷房運転が終了する。
【0006】
1日分の冷房負荷を降順配列,即ち1日分の負荷を大きい順に冷房期間の日数分並べたものが、図1(b)である。この非蓄熱システムでは、非蓄熱チラー冷房運転が負荷の全て(100%)を負担している。なお、図1に示す非蓄熱システムを、以下空調システムAとも言う。
【0007】
また、図2には従来の氷蓄熱システムが示されており、図2の(a)は氷蓄熱の回路構成図、(b)は前出の図1(b)と同一の冷房負荷図を、氷蓄熱システムの各機器が分担する運転割合に分けて表した図である。
【0008】
従来の氷蓄熱システムは、ブラインチラーVBによってブラインを冷却する氷蓄熱ユニットIUと、熱交換器HCを介して熱交換する水回路WCとから構成されている。例えば特許文献1参照。
【0009】
氷蓄熱ユニットIUは、室内の冷房が不要となる夜間に、ブラインチラーVBが安価な夜間電力で蓄冷運転される。この蓄冷運転時には、比例制御三方弁PVがバイパス回路SP1を遮断し氷蓄熱槽IT側を開放することでブラインが氷蓄熱槽ITを通過する。
そこで、ブラインチラーVBで冷却されたブラインにより、氷蓄熱槽IT内の水が熱交換されて凍結され氷が生成されこれが成長する。その後、三方切替弁TVのバイパス回路SP2側の開放により氷蓄熱槽ITを出たブラインは、ブライン循環ポンプBPを介してブラインチラーVBに戻る。
【0010】
一方、利用冷房運転時には、氷蓄熱槽ITに蓄熱された冷熱を利用し、主として昼間に室内を冷房する。代表的な氷蓄熱利用のピークカット運転形の利用冷房運転として、13時〜16時の間で強制的にブラインチラーを運転停止させ蓄冷熱だけで冷房運転するピークカット運転が行われる。すなわち、比例制御三方弁PVによりバイパス回路SP1を遮断するとともに氷蓄熱槽IT側を開放し、且つ三方切替弁TVのバイパス回路SP2側を遮断するとともにブライン水熱交換器HC側を開放する。
これにより、氷蓄熱槽ITから出た冷えたブラインがブライン水熱交換器HCを通過する過程で、循環ポンプWPによって水回路WC内を循環する水と熱交換し、冷やされた水が室内機RC1,RC2を通過する際に放冷し、これを繰り返す。
【0011】
なお、13時までは蓄冷熱をできるだけ消費せずに冷房するため、ブラインチラー主導で冷房する。すなわち、三方切替弁TVは上記と同様にて、比例制御三方弁PVによりバイパス回路SP1を開放するとともに氷蓄熱槽IT側を遮断もしくは補助的に開く。
これにより、上記と同様循環ポンプWPを運転するとともに、ブラインチラーでブラインを冷却し、冷却仕切れないときは補助的に氷蓄熱槽ITからの冷えたブラインを混合し、熱交換器HCを通過する過程で、上記同様の運転をする。
また16時以降は、氷蓄熱槽に氷が残っている限りは上記ピークカット運転を継続し、氷が消費された時点で、13時以前と同様のブラインチラー単独運転による冷房に切換える。
【0012】
また、図2(b)は、この氷蓄熱システムによる年間の冷房運転結果の一例であり、年間冷房負荷を、ブラインチラーの冷房運転(追掛冷房)が概略45%、氷蓄熱放冷冷房運転が概略55%の割合で分担している。年間の冷房負荷は、図1(b)と同じである。なお、図2に示す氷蓄熱システムを、以下、空調システムBとも言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−21184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このように、前述した一般の非蓄熱システムでは、蓄熱不要なため製氷運転のような効率で劣る運転がなく、冷房時に直接冷水をつくるため、消費電力が小さくて済むとともに、CO排出量も少なくて済む。
その反面、電力設備容量が大きいため基本料金が高くなり、また昼間電力のみ使用されるので電気料金の割引きが無いため従量料金も高く、ランニングコストが高くなる問題を有している。
【0015】
また、特許文献1等の氷蓄熱システムでは、1次エネルギー消費量が少なく割安の夜間電力中心ではあるが、製氷運転は昼間の冷房運転より効率悪く、昼間では効率で劣るブラインチラー冷房のため、1日の電力使用量は前出の空調システムAよりは増大し、従ってエネルギー消費量が多くなる問題を有している。
さらに、CO排出量が少ない夜間電力中心ではあるが、エネルギー消費量が多いため、空調システムAよりは、ランニングコストが安く抑えられる割には、大形の氷蓄熱槽設置などによるコスト高ばかりでなく、結果的にはCO排出量が増大する問題を有している。また夜間蓄熱運転中は冷房運転ができないという問題を有している。
【0016】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、電力料金の低廉化が図れると共に電力負荷の平準化に寄与し、CO排出量が削減されて環境保護に貢献することができる空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る空調システムでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、夜間に第一熱源機と蓄熱槽の間で第一伝熱媒体を循環して生成熱を蓄熱し、前記蓄熱槽に蓄えた熱量を昼間に熱交換器を介して放熱する蓄熱熱源ユニットと非蓄熱熱源ユニットとを並列に配管接続して、熱使用機器との間で第二伝熱媒体を循環して放熱する空調システムであって、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットによる放熱運転を行う第一運転モードを有することを特徴とする。
【0018】
前記第一運転モードでは、熱負荷に応じて、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットから同時に放熱する併用運転と前記蓄熱槽のみから放熱する単独運転とを切り替えることを特徴とする。
【0019】
前記併用運転が適用される際の熱負荷は、前記単独運転が適用される際の熱負荷よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
前記第一運転モードは、ピークカット割引時間帯に適用されることを特徴とする。
【0021】
ピークカット割引対象外の月には、空調開始時から蓄熱が無くなるまで前記第一運転モードで運転することを特徴とする。
【0022】
前記第一熱源機、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットによる放熱運転を行う第二運転モードを有することを特徴とする。
【0023】
前記第二運転モードでは、熱負荷に応じて、前記第一熱源機、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットから同時に放熱する第一併用運転と、前記第一熱源機及び前記非蓄熱熱源ユニットから同時に放熱する第二併用運転と、前記非蓄熱熱源ユニットのみから放熱する単独運転とを切り替えることを特徴とする。
【0024】
前記第一併用運転が適用される際の熱負荷は、前記第二併用運転が適用される際の熱負荷及び前記単独運転が適用される際の熱負荷よりも大きく、前記第二併用運転が適用される際の熱負荷は、前記単独運転が適用される際の熱負荷よりも大きいことを特徴とする。
【0025】
前記第二運転モードは、ピークカット割引時間帯を除く時間帯に適用されることを特徴とする。
【0026】
ピークカット割引対象外の月には、空調開始時から前記蓄熱槽から放熱し、蓄熱が無くなったら前記第二運転モードで運転する。
【0027】
蓄熱熱源ユニットと非蓄熱熱源ユニットの冷房能力の比が0.5〜2の範囲内であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、電力料金の低廉化、電力負荷の平準化、CO排出量の削減、環境保護に貢献等が可能な空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】一般的な非蓄熱システム(空調システムA)を示す図である。
【図2】従来の氷蓄熱システム(空調システムB)を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る空調システムCを建築物に使用した例を示した概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る空調システムCを示す図である。
【図5】空調システムCにおける蓄熱モードの説明図である。
【図6】空調システムCにおける冷房運転Aモードの説明図である。
【図7】空調システムCにおける冷房運転Bモードの説明図である。
【図8】ピークカット割引対象月(例えば6月〜9月)における空調システムCの運転制御を示すフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】ピークカット割引対象外の月(例えば5月、10月)における空調システムCの運転制御を示すフローチャートである。
【図11】図10に続くフローチャートである。
【図12】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が最大負荷日(負荷100%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図13】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が中負荷日(最大負荷日の70%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図14】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が小負荷日(最大負荷日の50%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図15】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が軽微負荷日(最大負荷日の20%)おける空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図16】ピークカット割引対象外の月における、空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図17】空調システムAの、1日の負荷量が最大負荷日(負荷100%)の、1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図18】空調システムAの、1日の負荷量が最大負荷日の70%の中負荷日の、1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図19】空調システムAの、1日の負荷量が最大負荷日の50%の小負荷日の、1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図20】空調システムAの、1日の負荷量が最大負荷日の20%の軽微負荷日の、1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図21】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が最大負荷日(負荷100%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図22】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が中負荷日(最大負荷日の70%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図23】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が小負荷日(最大負荷日の50%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図24】ピークカット割引対象月の、1日の負荷量が軽微負荷日(最大負荷日の20%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【図25】ピークカット割引対象外の月における、空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る空調システムCについて図を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る空調システムCを建築物(例えば高層ビル)に使用した例を示した概略構成図である。
【0031】
図3において、建築物としての高層ビルBLに空調システムCを設置するに際し、高層ビルBL内の階別の各部屋R1,R2,R3には冷房を行うための室内機RC1,RC2,RC3が設置される。これら室内機RC1,RC2,RC3には、循環ポンプWP1,WP2(図3では不図示、図4参照)によって例えば媒体となる水を循環する水回路WCがそれぞれ接続されている。
【0032】
一方、高層ビルBLの屋上には、氷蓄熱ユニットIUとチリングユニットCUが設置される。
氷蓄熱ユニット(蓄熱熱源ユニット)IUは、例えばヒートポンプ等のブラインチラー(第一熱源機)VB、氷蓄熱槽(蓄熱槽)IT、熱交換器(熱交換器)HC、ブライン循環回路BC等から構成されている(図3ではいずれも不図示、図4参照)。
【0033】
ブライン循環回路BCは、夜間の時間帯にブラインチラーVBによって冷却されたブラインが氷蓄熱槽ITを通過して蓄冷し、熱交換器HCを通過せずにブラインチラーVBに戻る循環回路を構成する。また、昼間の時間帯には、夜間に蓄冷された冷熱により冷却されたブライン、またはブラインチラーVBにより冷却されたブラインが熱交換器HCを通過する循環回路を構成する。
これにより、熱交換器HCによって冷却された水は、循環ポンプWP1によって熱交換器HCと各室内機RC1,RC2,RC3を通る水回路WC2を循環しつつこれら室内機RC1,RC2,RC3を介して各部屋R1,R2,R3に放冷する。
【0034】
また、例えばヒートポンプ等チリングユニット(非蓄熱熱源ユニット)CUによって冷却された水は、循環ポンプWP2によって各室内機RC1,RC2,RC3を通る水回路WC2を循環しつつこれら室内機RC1,RC2,RC3を介して各部屋R1,R2,R3に放冷する。
【0035】
図4は、本発明の実施形態に係る空調システムCを示す図であって、(a)は概略構成図、(b)は前出の図1(b)と同一の冷房負荷図を、空調システムCの各機器が分担する運転割合に分けて表した図である。
【0036】
空調システムCは、従来の氷蓄熱システム(空調システムB)と同様に、夜間の蓄冷運転時はブライン循環回路BCに組込まれたブラインチラーVBが安価な夜間電力で運転される。
空調システムCは、熱源機となるブラインチラーVBによってブラインを冷却する氷蓄熱ユニットIUと、非蓄熱熱源ユニットとしてのチリングユニットCUを併用、すなわち並列に配管接続した構成から成っている。
【0037】
氷蓄熱ユニットIUは、ブラインを冷却する圧縮機で構成されるブラインチラーVBと、このブラインチラーVBで冷却されたブラインの冷熱を夜間の時間帯に蓄熱する氷蓄熱槽ITと、この氷蓄熱槽IT並びにブラインチラーVBで冷却されたブラインによって後述する水回路WC内の水と熱交換する熱交換器HCと、ブラインチラーVB、氷蓄熱槽ITおよび熱交換器HCとの間でブラインをブライン循環ポンプBPによって循環移動させるブライン循環回路BCと、から構成されている。
【0038】
また、ブライン循環回路BCには、比例制御三方弁PVの切替えによって氷蓄熱槽ITをバイパスするバイパス回路SP1と、三方切替弁TVの切替えによって熱交換器HCをバイパスするバイパス回路SP2と、が設けられる。
また、ブライン循環回路BCには、ブラインチラーVB及び/又は氷蓄熱槽ITを経由したブラインの温度を検出するブライン温度センサBSが設けられる(比例制御三方弁PVの下流側、バイパス回路SP2の分岐より上流側)。
【0039】
水回路WCは、熱使用機器としての室内機RC1,RC2にそれぞれ接続される水回路WC2と、水回路WC2の上流及び下流にそれぞれ設けられた一対のヘッダHを介して循環ポンプWP1,WP2により冷却した水を循環させるように接続された水回路WC1と、から構成される。
水回路WC1は一対のヘッダH間に並列に接続された回路からなり、その一方は、循環ポンプWP1を介して熱交換器HCに接続される。他方は、循環ポンプWP2を介してチリングユニットCUに接続される。すなわち、空調システムCは、室内機RC1,RC2に対して、氷蓄熱ユニットIUとチリングユニットCUが並列に接続される。
また、水回路WC2の最下流には、水回路WCを流れる水の温度を検出する水温度センサWSが設けられる。なお、水温度センサWSによる検出温度を戻り水温WSともいう。
【0040】
また、図4(b)は、空調システムCによる年間の冷房運転結果の一例であり、年間冷房負荷を、ブラインチラーの冷房運転(追掛冷房)が概略4%、非蓄チラーの冷房運転が概略54%、並びに氷蓄熱放冷冷房運転が概略42%の割合で分担している。年間の冷房負荷は、図1(b)と同じである。
【0041】
次に、空調システムCにおける3つの運転モードについて、図5、図6及び図7を参照して説明する。
図5は蓄冷モード、図6は冷房運転Aモード、図7は冷房運転Bモードをそれぞれ説明する図であり、図6(b),図7(b)はそれぞれ負荷に対する出力の関係を示すグラフである。
なお、図5,図6(a),図7(a)においては、ハッチング処理等が施された機器・ユニットが運転状態であることを示す。また、太線で示した回路(ブライン回路、水回路)がブライン又は水が循環移動していることを示す。
【0042】
蓄冷モード運転は、夜間(夜間電力を使用)において、氷蓄熱ユニットIUの氷蓄熱槽ITに蓄熱するための運転モードである。すなわち、蓄冷モード運転では、22時から蓄冷(製氷)が開始され、氷蓄熱槽IT内の製氷量が満蓄(満蓄を水位などで検知)になるまで、または8時まで運転し終了となる。
【0043】
図5に示すように、後述のシステム制御により蓄冷モードでの運転指令を受けると、氷蓄熱ユニットIUは、比例制御三方弁PVによりバイパス回路SP1を遮断するとともに氷蓄熱槽IT側回路を開き、一方三方切替弁TVにより熱交換器HC側回路を遮断するとともにバイパス回路SP2を開く。ブラインチラーVBの運転で冷却されたブラインが氷蓄熱槽ITに移動して製氷蓄冷する。氷蓄熱槽ITを出たブラインは、バイパス回路SP2を通過して再びブラインチラーVBに戻る。
【0044】
一方、チリングユニット(非蓄チラー)CUは、図4で説明した構成と同一構成なので説明を省略するが、この蓄冷モードでは運転停止となる。但し、夜間空調要求があれば冷房運転を行い、出口水温が7℃一定となるよう出力制御しながら運転する。
【0045】
次に8時になると、システム制御より冷房運転Aモード(第二運転モード)での運転指令を受ける。
冷房運転Aモードは、後述の冷房運転Bモードを午後のピークカット時間帯に実現させるために、蓄冷した熱をできるだけ消費せずに冷房する運転モードであり、氷蓄熱ユニットIU内のブラインチラーVBと非蓄チラーのチリングユニットCUを併用して冷房を行う。
冷房運転Aモードは、ピークカット割引対象月(東京電力の場合6月〜9月)では8時〜13時の間、及び15時以降の蓄熱切れ後22時まで適用される。ピークカット割引対象月以外では、8時からの、後述する冷房運転Bモードでの運転で、蓄熱切れが生じたときのみ、蓄熱切れ後22時まで適用される。
【0046】
以下、図6(a)に沿って冷房運転Aモードを説明する。
冷房運転開始時刻(8:00)になりシステム制御より冷房運転Aモードでの運転指令を受けると、13:00まで、循環ポンプWP2が運転を開始し、チリングユニットCUが、出口水温が7℃を維持するよう出力を調整しながら運転する。
【0047】
負荷が小さいときは、氷蓄熱ユニットIUはシステム制御から運転指令はなく、循環ポンプWP1, 氷蓄熱ユニットIUは運転しない。
負荷が増大するとシステム制御より運転指令を受け、循環ポンプWP1と氷蓄熱ユニットIUが運転を開始し、出口水温が7℃を維持するよう出力を調整しながら運転する。このとき氷蓄熱ユニットIU内は、比例制御三方弁PVは氷蓄熱槽IT側を遮断しバイパス回路SP1側を開放し、三方切替弁TVはバイパス回路SP2側を遮断しブライン−水熱交換器HC側を開放させて、ブラインポンプBPとブラインチラーVBを運転し、氷蓄熱ユニットIUの出口水温即ちブライン−水熱交換器HCの冷水出口側が7℃を維持するようブラインチラーVBの出力を調整する。
【0048】
負荷が更に増大し、年間に数日或いは十数日の過大負荷のとき、ブラインチラーVBの出力が最大で尚も氷蓄熱ユニットIUの出口水温が7℃より高いときは、比例制御三方弁PVの氷蓄熱槽IT側を開き、PVの開度調節により氷蓄熱槽ITの放冷で冷却されたブラインを混流してブライン回路BCの温度を下げることにより水回路の出口水温を7℃程度に冷却する。
【0049】
図6(b)は、冷房運転Aモードでの、負荷の大きさに対する機器の運転による出力の程度を表す図で、冷房負荷が軽いときは非蓄チラーCUのみ運転し、負荷大のときは非蓄チラーCUと氷蓄熱ユニットIUのブラインチラーVBが併列運転し、過大負荷時はこれに加え、氷蓄熱ユニットIUの氷蓄熱槽ITに蓄冷してある蓄冷熱の放冷を使って運転することを示している。
【0050】
最後に、冷房運転Bモード(第一運転モード)は、ピークカット割引時間帯及び同時間帯以降蓄冷熱が消化されるまで冷房する運転モードであり、氷蓄熱ユニットIUの氷蓄熱槽ITに蓄熱された冷熱の放冷による冷房と、チリングユニットCUを併用して冷房を行う運転モードである。
【0051】
冷房運転Bモードは、可能な限り蓄冷熱の放冷で冷房することと、氷蓄熱ユニットIUのブラインチラーVBを強制的に運転させないようにしている点で、冷房運転Aモードとは異なる。
冷房運転Bモードは、ピークカット割引対象月(東京電力の場合6月〜9月)では13時〜15時、及び15時以降から蓄熱切れまたは22時まで適用される。ピークカット割引対象月以外では、8時以降から蓄熱切れまたは22時まで適用される。
【0052】
以下図7(a)に沿って冷房運転Bモードを説明する。
ピークカット割引対象月の割引開始時刻即ち13:00になると、システム制御より冷房運転Bモードでの運転指令を受け、循環ポンプWP2とチリングユニットCUの運転は停止し、循環ポンプWP1と氷蓄熱ユニットIUが運転開始(運転中なら運転継続)する。
【0053】
負荷が小さいときは氷蓄熱ユニットIUのみが運転指令を受ける。氷蓄熱ユニットIU内は、ブラインチラーVBを強制的に運転させないようにし、且つ三方切替弁TVをAモード時と同様バイパス回路SP2側を遮断しブライン−水熱交換器HC側を開放し、ブラインポンプBPを運転する。そして比例制御三方弁PVにより、氷蓄熱ユニットIUの冷水出口即ちブライン−水熱交換器HCの出口水温が7℃となるよう、氷蓄熱槽IT側とバイパス回路SP1側のブライン流量を比例的に制御する。
【0054】
負荷が増大し、氷蓄熱ユニットIU内で比例制御三方弁PVが、氷蓄熱槽IT側を全開にし、バイパスSP1側を全閉にしても氷蓄熱ユニットIUの冷水出口が7℃より高いときは、循環ポンプWP2とチリングユニットCUを運転開始する。チリングユニットCUは、出口水温が7℃を維持するよう出力を制御しながら運転する。
【0055】
図7(b)は、冷房運転Bモードでの、負荷の大きさに対する機器の運転による出力の程度を示す図で、冷房負荷が軽いときは氷蓄熱ユニットIUの蓄冷熱の放冷のみで冷房運転し、負荷大のときはこれに加え、非蓄チラーのチリングユニットCUを運転することを示している。
【0056】
次に、空調システムCのシステム制御について、図8〜図11を参照して説明する。
図8,図9は、ピークカット割引対象月(例えば6月〜9月)における空調システムCの運転制御を示すフローチャートである。
【0057】
図8に示すように、前日の22時に空調システムCの運転制御が開始される。そして、氷蓄熱ユニットIUとチリングユニットCUが並行して制御される。
なお、氷蓄熱ユニットIUの運転制御は、ステップST11〜ステップST17に示される。チリングユニットCUの運転制御は、ステップST21〜ステップST25に示される。
【0058】
先ず、氷蓄熱ユニットIUについては、ステップST11において、翌日(冷房の当日)が休日か否かを判断する。休日でない場合は、次のステップST12に移動し、休日の場合は、運転させない。
【0059】
ステップST12では、氷蓄熱ユニットIUには蓄冷モードの運転指令を出す。氷蓄熱ユニットは蓄冷運転を開始し、氷蓄熱ユニットIU自身が満蓄(製氷完了)を感知した時運転を停止する。満蓄の如何は槽の水位で感知する。
ステップST13では、蓄冷の完了如何にかかわらず8時になると氷蓄熱ユニットIUの運転を停止させる。(時刻により蓄熱運転は強制停止となる。)
【0060】
ステップST11〜ST13と並行して、チリングユニットCUは、ステップST21において、前日の22時を過ぎると運転を停止させる。
なお、夜間冷房要求を受ける場合は、チリングユニットCUを循環ポンプWP2と同時に運転させ、チリングユニットCU自身は、出口水温が7℃一定になるよう出力を制御しながら運転する。チリングユニットCUの夜間冷房要求の受付は8:00で打ち切る。
【0061】
当日の8時になると、チリングユニットCUには、ステップST22において、循環ポンプWP2と同時にAモードでの運転指令を出し、運転を開始させる。
夜間冷房要求を受けて運転中の場合は、運転を継続させる。チリングユニットCUは、13時まで、出口水温が7℃一定になるよう出力を制御しながら運転する。
【0062】
8時以降、負荷が大きくチリングユニットCUが最大出力で運転しても戻り水温WSが12℃より高いとき、氷蓄熱ユニットIUには、ステップST14においてAモードでの運転指令を出し、循環ポンプWP1と同時に運転を開始させる。氷蓄熱ユニットIUは、戻り水温WSが12℃を超えている間、13時まで、出口水温が7℃に一定になるよう出力を制御しながら運転する。
【0063】
ピークカット運転の対象時刻である13時になると、ステップST15において、氷蓄熱ユニットIUにはBモードでの運転指令を出し、氷蓄熱ユニットIUは、ブラインチラーVBを強制的に運転停止(運転ロック)させるとともに、氷ユニット用の循環ポンプWP1とともに、氷蓄熱槽ITの放冷だけで運転を開始させる。氷蓄熱ユニットIUは、出口水温が7℃に一定になるよう出力を制御しながら運転する。
【0064】
13時以降、負荷が大きく氷蓄熱ユニットIUが最大出力で運転しても戻り水温WSが12℃より高いとき、ステップST23において、チリングユニットCUにはBモードでの運転指令を出し、循環ポンプWP2とともに運転を開始させ、チリングユニットCUは、出口水温が7℃に一定になるよう出力を制御しながら運転する。
【0065】
そして氷蓄熱ユニットの蓄熱切れ時(蓄熱の残量が無くなった時)、ステップST16及びステップST24において氷蓄熱ユニットIU及びチリングユニットCUのBモード運転を終了させ、Aモード運転に切換える。蓄熱切れは槽水温で感知する。
【0066】
そして、22時になると、氷蓄熱ユニットIUとチリングユニットCUの運転を停止する。
このようにして、ピークカット割引対象月(例えば6月〜9月)における空調システムCの運転制御が終了する。
【0067】
図10,図11は、ピークカット割引対象外の月(例えば5月まで或いは10月から)における空調システムCの運転制御を示すフローチャートである。
【0068】
図10に示すように、前日の22時に空調システムCの運転制御が開始される。そして、氷蓄熱ユニットIUとチリングユニットCUが並行して制御される。
なお、氷蓄熱ユニットIUの運転制御は、ステップST31〜ステップST36に示される。チリングユニットCUの運転制御は、ステップST41〜ステップST44に示される。
【0069】
先ず、氷蓄熱ユニットIUについては、ステップST31において、翌日(冷房の当日)が休日か否かを判断する。休日でない場合は、次のステップST32に移動し、休日の場合は、運転させない。
【0070】
ステップST32では、氷蓄熱ユニットIUには蓄冷モードの運転指令をだす。氷蓄熱ユニットは蓄冷運転を開始し、氷蓄熱ユニットIU自身が満蓄(製氷完了)を感知した時運転を停止する。満蓄の如何は槽の水位で感知する。
【0071】
ステップST33では、蓄冷の完了如何にかかわらず8時になると氷蓄熱ユニットIUの運転を停止させる。(時刻により蓄熱運転は強制停止となる。)
【0072】
ステップST31〜ST33と並行して、チリングユニットCUは、ステップST41において、前日の22時を過ぎると運転を停止させる。
なお、夜間冷房要求を受ける場合は、チリングユニットCUを循環ポンプWP2と同時に運転させ、チリングユニットCU自身は、出口水温が7℃一定になるよう出力を制御しながら運転する。チリングユニットCUの夜間冷房の受付は8:00で打ち切る。
【0073】
当日の8時になると、ステップST34において、氷蓄熱ユニットIUにはBモードでの運転指令を出し、氷蓄熱ユニットIUは、ブラインチラーVBを強制的に運転停止(運転ロック)させるとともに、氷ユニット用の循環ポンプWP1とともに氷蓄熱槽ITの放冷だけで運転を開始させる。氷蓄熱ユニットIUは、出口水温が7℃一定になるよう出力を制御しながら運転する。
【0074】
負荷が大きく氷蓄熱ユニットIUが最大出力で運転しても戻り水温WSが12℃より高いとき、ステップST42において、チリングユニットCUにはBモードでの運転指令を出し、循環ポンプWP2とともに運転を開始させ、チリングユニットCUは、出口水温が7℃一定になるよう出力を制御しながら運転する。
【0075】
そして、氷蓄熱ユニットの蓄熱切れ時(蓄熱の残量が無くなった時)、ステップST35及びステップST43において氷蓄熱ユニットIU及びチリングユニットCUのBモード運転を終了させ、Aモード運転に切り替える。蓄熱切れは槽水温で感知する。
【0076】
そして、22時になると、氷蓄熱ユニットIUとチリングユニットCUの運転を停止する。
このようにして、ピークカット割引対象外の月における空調システムCの運転制御が終了する。
【0077】
次に、各冷房負荷日における空調システムCの運転制御の適用例について説明する。グラフは冷房負荷量をプラス側、蓄熱量をマイナス側に表示している。尚簡単のため、夜間の冷房負荷のない日にて比較する。
比較として、一般の非蓄熱チラーシステム(空調システムA)と従来の氷蓄熱システム(空調システムB)における各冷房負荷日の運転制御の例も説明する。
なお、ピークカット割引対象月及びピークカット割引対象外の月における運転制御についてそれぞれ対比して説明する。
【0078】
図12〜図16は、各冷房負荷日における空調システムCの運転制御を示す図である。
図17〜図20は、各冷房負荷日における空調システムAの運転制御を示す図である。
図21〜図25は、各冷房負荷日における空調システムBの運転制御を示す図である。
【0079】
まず、空調システムCの各冷房負荷日における負荷と運転パターンに付き説明する。
図12は、ピークカット割引対象月の、負荷が最大の日(ピーク負荷100%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0080】
図12において、
(1)22時以降、前日消化した蓄冷熱を補充すべく当日用の蓄熱運転(製氷運転)を行う。本事例の場合、前日蓄冷熱を完全に消費しているため、蓄熱運転は朝8時までフルに稼動している。
(2)8時〜13時は、非蓄チラーのチリングユニットCUが冷房負荷のベースロードを賄い、負荷増に伴い氷蓄熱ユニットIUのブラインチラーVBが補い、更に負荷大の時氷蓄熱の放冷が補っている。
(3)13時以降は、氷蓄熱ユニットIUが氷蓄熱の放冷で冷房負荷のベースロードを賄い(このときブラインチラーVBは運転せず)、足らずの負荷をチリングユニットCUが補っている。
(4)16時以降、蓄冷熱の残熱がなくなった時点で、13時以前と同様の、チリングユニットCUがベースロードを賄いブラインチラーVBが補う運転となっている。
(5)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量100%の最大負荷日)は、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放熱冷房が21%を分担(非蓄チラーのチリングユニットCUは65%、ブラインチラーVBは14%を分担)しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約30%(ピークカット時間帯前後のチリングユニットCU,ブラインチラーVBの冷房負荷の差“80%−50%”)となっている。
【0081】
図13は、ピークカット割引対象月の中負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の70%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0082】
図13において、
(1)22時以降の蓄熱運転は、前日蓄冷熱を完全に消費しているため、図12の最大負荷日と同様朝8時までフルに稼動している。
(2)8時〜13時は、非蓄チラーのチリングユニットCUが冷房負荷のベースロードを賄い、負荷増に伴い氷蓄熱ユニットIUのブラインチラーVBが補っている。
(3)13時以降は、氷蓄熱ユニットIUが氷蓄熱の放冷で冷房負荷のベースロードを賄い(このときブラインチラーVBは運転せず)、足らずの負荷をチリングユニットCUが補っている。
(4)17時を過ぎた時点で蓄冷熱の残熱はなくなり、13時以前と同様のチリングユニットCUのみでの冷房運転となっている。
(5)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の70%)は、昼間の冷凍機用電力を使わない蓄冷熱の放熱冷房が、70%の中の21%を分担(非蓄チラーのチリングユニットCUは44%、ブラインチラーVBは5%を分担)しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約45%(ピークカット時間帯前後のチリングユニットCU,ブラインチラーVBの冷房負荷の差“65%−20%”)となっている。
【0083】
図14は、ピークカット割引対象月の小負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の50%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0084】
図14において、
(1)22時以降の蓄熱運転は、前日蓄冷熱を完全に消費しているため、図12の最大負荷日と同様朝8時までフルに稼動している。
(2)8時〜13時は、非蓄チラーのチリングユニットCUが全冷房負荷を賄っている。
(3)13時以降は、氷蓄熱ユニットIUが氷蓄熱の放冷のみで全冷房負荷を賄っている(このときブラインチラーVBは運転せず)。
(4)17時を過ぎた時点で蓄冷熱の残熱はなくなり、13時以前と同様のチリングユニットCUのみでの冷房運転となっている。
(5)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の50%)は、昼間の冷凍機用電力を使わない蓄冷熱の放熱冷房が、50%の中の21%を分担(非蓄チラーのチリングユニットCUは29%、ブラインチラーVBは0%を分担)しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約45%(ピークカット時間帯前後のチリングユニットCUの冷房負荷の差“45%−0%”)となっている。
【0085】
図15は、ピークカット割引対象月の軽微負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)における空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0086】
図15において、
(1)22時以降の蓄熱運転は、前日の蓄冷熱が余っているため必用蓄熱量が少なく、午前3時前後に満蓄となり蓄熱運転を終了している。
(2)8時〜13時は、非蓄チラーのチリングユニットCUが全冷房負荷を賄っている。(3)13以降は、22時まで氷蓄熱ユニットIUが氷蓄熱の放冷のみで全冷房負荷を賄っている(このときブラインチラーVBは運転せず)。
(4)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)は、昼間の冷凍機用電力を使わない蓄冷熱の放熱冷房が、20%の中の12%を分担(非蓄チラーのチリングユニットCUは8%、ブラインチラーVBは0%を分担)しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約19%(ピークカット時間帯前後のチリングユニットCUの冷房負荷の差“19%−0%”)となっている。
【0087】
図16は、ピークカット割引対象外の月における1日の、空調システムCの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
この対象月における運転は、8時の冷房開始時より前述のBモードで運転、即ち氷蓄熱槽ITの蓄冷熱の放冷運転により冷房が行なわれる。
【0088】
図16において、
(1)22時以降、前日消化した蓄冷熱を補充すべく当日用の蓄熱運転(製氷運転)を行う。前日蓄冷熱の消費状況に応じて蓄熱運転するが、本図の例は若干の残蓄熱がある場合の例で、8時になる前に満蓄になっている。
(2)8時以降、氷蓄熱槽ITの蓄冷熱の放冷のみにより冷房する。蓄冷熱を使い切った時点でチリングユニットCUの運転に切り替わるが、本図の例では蓄冷熱量が十分のため、22時まで蓄冷熱の放冷のみで冷房を行っている。
(3)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)は、昼間の冷凍機用電力を使わない蓄冷熱の放熱冷房が、20%の中の20%を賄っている。
【0089】
電力の従量料金とCO2の排出量を決定する電力消費量に関し、図12から図16の結果を年間の冷房負荷の降順配列図に反映させた結果が、図4の(b)となる。
図4の(b)において、年間約150日間の冷房中、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放熱冷房(電力料金は割安であるが冷凍機の運転効率低いためCO2排出量は大)が全負荷の42%、非蓄チラーのチリングユニットCUによる冷房(電力料金は割高であるが冷凍機の運転効率よくCO2排出量は小)が全負荷の54%、効率で劣るブラインチラーVBによる冷房(電力料金は非蓄チラー以上に割高で冷凍機の運転効率低くCO2排出量は非蓄チラーよりは大)は全負荷の4%となっている。
電力の基本料金を決定する契約電力量の空調熱源設備の電力量は、図12に示されるように、最大負荷日のピークカット前の電力量が該当し、最大冷房負荷の約80%(非蓄チラー50%+ブラインチラー30%)であり、後述の空調システムAより20%割安となる。
ピークカット割引への空調熱源設備の貢献度は、図12から図15の、ピークカット対象冷房負荷減に相当する電力量が、毎月適用される。
【0090】
次に、空調システムAの各冷房負荷日における負荷と運転パターンに付き説明する。
この空調システムAは、すべてチリングユニットCUにより冷房運転され、ピークカット割引の対象とはならないため、ピークカット割引対象月如何の区別なく説明する。
【0091】
図17は、負荷が最大の日(ピーク負荷100%)における空調システムAの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
この負荷パターン例の1日(1日の負荷量100%の最大負荷日)は、容量100%以上のチリングユニットCUにより、1日の冷房負荷100%の全てを賄っている。
【0092】
図18は、中負荷日(1日の冷房負荷が最大負荷日の70%)における空調システムAの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
この負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の70%)は、容量100%以上のチリングユニットCUにより、1日の冷房負荷70%の全てを賄っている。
【0093】
図19は、小負荷日(1日の冷房負荷が最大負荷日の50%)における空調システムAの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
この負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の50%)は、容量100%以上のチリングユニットCUにより、1日の冷房負荷50%の全てを賄っている。
【0094】
図20は、軽微負荷日(1日の冷房負荷が最大負荷日の20%)における空調システムAの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
この負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)は、容量100%以上のチリングユニットCUにより、1日の冷房負荷20%の全てを賄っている。
【0095】
電力の従量料金とCO2の排出量を決定する電力消費量に関し、図17から図20の結果を年間の冷房負荷の降順配列図に反映させた結果が、図1の(b)となる。
図1の(b)において、年間約150日間の冷房中、全ての冷房負荷を非蓄チラーのチリングユニットCUにより冷房している。従って高効率運転を維持できるためCO2排出量は小さいが、100%昼間の電力料金が適用されるため、電力料金(従量料金)は割高となる。
電力の基本料金を決定する契約電力量の空調熱源設備の電力量は、図17に示されるように最大負荷日のピーク時の電力量が該当し、最大冷房負荷と同じ最大の電力(100%)が適用されるためコスト高となる。
電力のピークカットはないため、ピークカット割引は適用されない。
【0096】
最後に、空調システムBの各冷房負荷日における負荷と運転パターンに付き説明する。
図21は、ピークカット割引対象月の、負荷が最大の日(ピーク負荷100%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0097】
図21において、
(1)22時以降、前日消化した蓄冷熱を補充すべく、当日用の蓄熱運転(製氷運転)を行う。最大負荷日であり蓄冷熱を完全に消化するため、蓄熱運転は朝8時までフルに稼働している。
(2)8時〜13時は、ブラインチラーVBで冷房運転を行い、負荷大でチラー能力が足りない時に不足分を蓄冷熱の放冷で補う。
(3)13時以降は、ブラインチラーVBの運転は強制的にロックし、氷蓄熱放冷冷房運転のみで冷房運転を行う。
(4)16時以降、蓄冷熱の残熱がなくなった時点で、ブラインチラーVBで冷房運転を行う。
(5)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量100%の最大負荷日)は、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放熱冷房が43%を分担、ブラインチラーVBが57%を分担しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約60%(ピークカット時間帯前後の,ブラインチラーVBの冷房負荷の差“60%−0%”)となっている。
【0098】
図22は、ピークカット割引対象月の中負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の70%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0099】
図22において、
(1)22時以降の蓄熱運転は、前日蓄冷熱を完全に消費しているため、図21の最大負荷日と同様朝8時までフルに稼働している。
(2)8時〜13時は、最大負荷日と同様ブラインチラーVBで冷房運転を行い、負荷大でチラー能力が足りない時に不足分を蓄冷熱の放冷で補う。
(3)13時以降は、ブラインチラーVBの運転は強制的にロックし、氷蓄熱放冷冷房運転のみで冷房運転を行う。
(4)16時以降、蓄冷熱の残熱がなくなった時点で、ブラインチラーVBで冷房運転を行う。
(5)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の70%)は、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放冷冷房が、70%中の43%を分担、ブラインチラーVBが27%を分担しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約55%(ピークカット時間帯前後の,ブラインチラーVBの冷房負荷の差“55%−0%”)となっている。
【0100】
図23は、ピークカット割引対象月の小負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の50%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0101】
図23において、
(1)22時以降の蓄熱運転は、前日の蓄冷熱が余っているため必用蓄熱量が少なく、午前5時前後で満蓄となり蓄熱運転を終了している。
(2)8時〜13時は、ブラインチラーVBで冷房運転を行う。
(3)13時以降は、ブラインチラーVBの運転は強制的にロックし、氷蓄熱放冷冷房運転のみで冷房運転を行う。
(4)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の50%)は、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放冷冷房が、50%中の29%を分担、ブラインチラーVBが21%を分担しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約50%(ピークカット時間帯前後の,ブラインチラーVBの冷房負荷の差“50%−0%”)となっている。
【0102】
図24は、ピークカット割引対象月の軽微負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)における空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
【0103】
図24において、
(1)22時以降の蓄熱運転は、前日の蓄冷熱が余っているため必用蓄熱量が少なく、午前1時前後で満蓄となり蓄熱運転を終了している。
(2)8時〜13時は、ブラインチラーVBで冷房運転を行う。
(3)13時以降は、ブラインチラーVBの運転は強制的にロックし、氷蓄熱放冷冷房運転のみで冷房運転を行う。
(4)結果としてかかる負荷パターン例の1日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)は、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放冷冷房が、20%中の12%を分担、ブラインチラーVBが8%を分担しており、またピークカット割引対象の電力相当の空調負荷が約20%(ピークカット時間帯前後の,ブラインチラーVBの冷房負荷の差“20%−0%”)となっている。
【0104】
図25は、ピークカット割引対象外の月における1日の、空調システムBの1時間毎の冷房負荷と運転パターンを示すグラフである。
本事例のシステムの場合、ピークカット割引対象外の月であっても対象月と同様の制御となっているため、この対象月における運転も、図21から図24と同様の運転を行う。
図25の例は、軽微負荷日(1日の負荷量が最大負荷日の20%)における運転パターンを示しており、図24と同様の結果となっている。
【0105】
電力の従量料金とCO2の排出量を決定する電力消費量に関し、図21から図25の結果を年間の冷房負荷の降順配列図に反映させた結果が、図2の(b)となる。
図2の(b)において、年間約150日間の冷房中、夜間の電力により蓄熱した蓄冷熱の放熱冷房(電力料金は割安であるが冷凍機の運転効率低いためCO2排出量は大)が全負荷の55%、効率で劣るブラインチラーVBによる冷房(電力料金は非蓄チラー以上に割高で冷凍機の運転効率低くCO2排出量は非蓄チラーよりは大)は全負荷の45%となっている。
電力の基本料金を決定する契約電力量の空調熱源設備の電力量は、図21に示されるように最大負荷日のピークカット前の電力量が該当し、最大冷房負荷の約60%であり、前述の空調システムAより40%割安となる。
ピークカット割引への空調熱源設備の貢献度は、図21から図24の、ピークカット対象冷房負荷減に相当する電力量が、毎月適用される。
【0106】
次に、空調システムA、空調システムB及び空調システムCに関し、個々の性能の比較を行う。
図1(b)、図2(b)及び図4(b)について、同一の空調負荷における個々の性能を比較した結果を説明する。
【0107】
(1)省エネルギー性比較
消費電力量を比較すると、空調システムAと空調システムCはほぼ同等だが、空調システムBは多い。従って、省エネルギー性は、空調システムAと空調システムCはほぼ同等で優れているが、空調システムBは劣る。
【0108】
(2)環境性比較
CO2の排出量は、空調システムAと空調システムCはほぼ同等で小さいが、空調システムBは多い。従って、環境性は、空調システムAと空調システムCはほぼ同等で優れているが、空調システムBは劣る。
【0109】
(3)電力の負荷平準化
電力の夜間移行率は、空調システムB及び空調システムCは年間で50%前後となっているが、空調システムAは0%。従って、電力の負荷平準化は、空調システムB及び空調システムCは優れているが、空調システムAは平準化に寄与せず。
【0110】
(4)電気料金比較
電力量料金は、消費電力量は(1)のとおりで割引前の電力量料金は(1)の順位のとおりであるが、電力の夜間移行割引及び電力のピークカット割引は、空調システムBが最も大きく、空調システムCがこれに続き、空調システムAは割引がない。従って、電気料金は、空調システムBが最も安く、空調システムCがこれに続き、空調システムAは電力量料金が割高となる。
空調熱源設備の容量は、空調システムBが最も小さく、空調システムCがこれに続き、空調システムAが最も大。従って契約電力量及び基本料金は、これに準ずる。従って、電気料金は、空調システムBが最も安く、空調システムCがこれに続き、空調システムAが最もコスト高となる。
【0111】
その他
(5)夜間冷房の対応性
夜間冷房要求に対し、空調システムA及び空調システムCは対応可能であるが、空調システムBは対応困難である。
【0112】
(6)据付性・工事性
製品重量・据付スペースは、空調システムAが最も優れ、空調システムCがこれに続き、大形の蓄熱槽を必要とする空調システムBは、重量,据付スペースともに大きいため劣る。
【0113】
(7)イニシャルコスト
チラー容量は、空調システムBが最も小さく、空調システムCがこれに続き、空調システムAが最も大きい。然しながら、蓄熱槽及び付属機器のため、システムのイニシャルコストは、空調システムAが最も安く、空調システムCがこれに続き、空調システムBが最もコスト高となる。
【0114】
以上説明したように、空調システムCでは、空調システムA,Bと同様な利点を有する。その一方で、空調システムA,Bのそれぞれの短所が解消され、バランスのよい空調システムが実現されている。
【0115】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0116】
例えば、氷蓄越ユニットIUとチリングユニットCUの熱負荷能力が略等しい場合について説明したが、これに限らない。例えば、氷蓄越ユニットIUとチリングユニットCUの熱負荷能力の比が0.5〜2の範囲内であれは、本発明を好適に適用することができる。
【0117】
また、例えば、前述した実施形態では夏季に運転される氷蓄熱システムを対象とした空調システムとして説明したが、これに限らない。つまり、この空調システムを冬季に運転される温熱システムとして使用しても良い。
【符号の説明】
【0118】
C…空調システム
IU…氷蓄越ユニット(蓄熱熱源ユニット)
IT…氷蓄熱槽(蓄熱槽)
VB…ブラインチラー(第一熱源機)
HC…熱交換器
BC…ブライン循環回路
BP…ブライン循環ポンプ
BS…ブライン温度センサ
CU…チリングユニット(非蓄熱熱源ユニット)
WC(WC1、WC2)…水回路
WP(WP1,WP2)…循環ポンプ
WS…水温度センサ、戻り水温
RC1,RC2…室内機(熱使用機器)
R…ブライン(第一伝熱媒体)
W…水(第二伝熱媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
夜間に第一熱源機と蓄熱槽の間で第一伝熱媒体を循環して生成熱を蓄熱し、前記蓄熱槽に蓄えた熱量を昼間に熱交換器を介して放熱する蓄熱熱源ユニットと非蓄熱熱源ユニットとを並列に配管接続して、熱使用機器との間で第二伝熱媒体を循環して放熱する空調システムであって、
前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットによる放熱運転を行う第一運転モードを有することを特徴とする空調システム。
【請求項2】
前記第一運転モードでは、熱負荷に応じて、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットから同時に放熱する併用運転と前記蓄熱槽のみから放熱する単独運転とを切り替えることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記併用運転が適用される際の熱負荷は、前記単独運転が適用される際の熱負荷よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記第一運転モードは、ピークカット割引時間帯に適用されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項5】
ピークカット割引対象外の月には、空調開始時から蓄熱が無くなるまで前記第一運転モードで運転することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項6】
前記第一熱源機、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットによる放熱運転を行う第二運転モードを有することを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項7】
前記第二運転モードでは、熱負荷に応じて、前記第一熱源機、前記蓄熱槽及び前記非蓄熱熱源ユニットから同時に放熱する第一併用運転と、前記第一熱源機及び前記非蓄熱熱源ユニットから同時に放熱する第二併用運転と、前記非蓄熱熱源ユニットのみから放熱する単独運転とを切り替えることを特徴とする請求項6に記載の空調システム。
【請求項8】
前記第一併用運転が適用される際の熱負荷は、前記第二併用運転が適用される際の熱負荷及び前記単独運転が適用される際の熱負荷よりも大きく、
前記第二併用運転が適用される際の熱負荷は、前記単独運転が適用される際の熱負荷よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の空調システム。
【請求項9】
前記第二運転モードは、ピークカット割引時間帯を除く時間帯に適用されることを特徴とする請求項6から請求項8のうちいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項10】
ピークカット割引対象外の月には、空調開始時から前記蓄熱槽から放熱し、蓄熱が無くなったら前記第二運転モードで運転することを特徴とする請求項6から請求項8のうちいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項11】
蓄熱熱源ユニットと非蓄熱熱源ユニットの冷房能力の比が0.5〜2の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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