説明

空調システム

【課題】保守などの各種作業時の作業性を損なうこと無しに、複数の電子装置搭載ラックを冷却する際の冷却効率を向上させる。
【解決手段】空調システム10では、サーバラック11とラック型空調機12とが一体に連結されて1つのラック構造体13が形成され、4つのラック構造体13,…,13は、4つの辺からなる正方形の各辺上に配置されている。正方形の各頂点毎に、各頂点に接続される2つの辺上の2つのラック構造体13,13のうち、一方のラック構造体13は空調機側排気部32を頂点に向けて配置され、他方のラック構造体13は吸気部21を頂点に向けて配置されている。4つのラック構造体13,…,13により形成される正方形状の流路で循環する空気は、各ラック構造体13のサーバラック11での温度上昇とラック型空調機12での温度低下とを繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば前面側から吸気するとともに背面側から排気するサーバラックの背面側に、ラジエータユニットおよびファンユニットが一体的に接続されて成る冷却ユニットを配置して、ファンユニットによってサーバラックから高温の空気を強制的に排出させてラジエータユニットに導き、ラジエータユニットでの除熱後の低温の空気を冷却ユニットから排出する冷却システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この冷却システムでは、サーバラックの背面側に設けられた排気部および冷却ユニットの前面側に設けられた吸気部が接続されて1組の構造体とされ、複数の構造体は、互いの吸気部(つまり、サーバラックの前面側に設けられた吸気部)からの吸気および排気部(つまり、冷却ユニットの背面側に設けられた排気部)からの排気が直接的に干渉しないようにして、いわば並列に配列されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−267841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る冷却システムによれば、各構造体の冷却ユニットによって除熱された低温の空気は、複数台の構造体が収容される室内の雰囲気中に排出され、各構造体の吸気部周辺の雰囲気がサーバラック内に取り込まれるようになっている。
このため、各サーバラックを冷却するためには、複数台の構造体が収容される室内全体の雰囲気温度を低下させる必要が生じ、冷却効率を向上させることが困難であるという問題が生じる。
また、例えば各構造体の吸気部周辺に熱源となる他の機器が配置されている場合には、冷却ユニットの運転が継続されたとしても、他の機器から排気される高温の空気がサーバラック内に取り込まれ続けることになり、サーバラックを冷却することができない虞がある。
【0005】
これらの問題に対して、例えば各構造体の排気部と吸気部とを風洞体などによって接続して、冷却ユニットの排気部から排出された低温の空気をサーバラックの吸気部に循環させる循環路を形成する場合には、風洞体を各構造体の背面側から前面側へと配置する必要が有り、冷却システムの構成が複雑化かつ大型化してしまうという新たな問題が生じる。
【0006】
また、例えば複数の構造体を、隣り合う構造体の一方の排気部と他方の吸気部とを対向させて、いわば1直線上に直列に配列して接続する場合には、各サーバラックおよび冷却ユニットに対して前面側および背面側から各種の保守や操作や修理などの作業を行なうことができず、利便性が損なわれてしまうという新たな問題が生じる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、保守などの各種作業時の作業性を損なうこと無しに、複数の電子装置搭載ラックを冷却する際の冷却効率を向上させることが可能な空調システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の空調システムは、電子装置を搭載した電子装置搭載ラックと、該電子装置搭載ラックに連結可能かつ前記電子装置搭載ラックから排出される空気を冷却可能なラック型空調機とを備える空調システムであって、前記電子装置搭載ラックは、外部から内部に冷却用の空気を吸気する吸気部と、該吸気部の吸気方向に平行な排気方向で前記内部の空気を外部に排気する排気部とを備え、前記ラック型空調機は、外部から内部に空気を吸気する空調機側吸気部と、前記内部の空気を冷却する冷却部と、前記空調機側吸気部の吸気方向に平行な排気方向で前記内部の空気を外部に排気する空調機側排気部とを備え、前記電子装置搭載ラックおよび前記ラック型空調機は、前記排気部と前記空調機側吸気部とが対向配置された状態で一体に連結されて1つのラック構造体を形成し、少なくとも3つ以上の所定数の前記ラック構造体は、前記所定数の辺からなる多辺形の各辺上に配置され、前記多辺形の各頂点毎に、前記頂点に接続される2つの前記辺上の2つの前記ラック構造体の一方は前記空調機側排気部を前記頂点に向けて配置され、他方は前記吸気部を前記頂点に向けて配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の空調システムによれば、多辺形の辺上に配置されて隣り合うラック構造体では、一方のラック構造体のラック型空調機から排気された空気が他方のラック構造体の電子装置搭載ラックに吸気されることから、多辺形状に配置された全てのラック構造体内を冷却用の空気が循環しており、例えばラック構造体が収容される室内の雰囲気や他の機器から排気される高温の空気が新たに電子装置搭載ラックに吸気されることを抑制して、冷却効率を向上させることができる。
しかも、多辺形の辺上に配置されて隣り合うラック構造体は、互いの吸排気方向が多辺形に起因する所定角度で交差することになり、一方のラック構造体の電子装置搭載ラックの吸気部と他方のラック構造体のラック型空調機の空調機側排気部とが一直線上で対向しないように配置されている。
これにより、電子装置搭載ラックの吸気部側から、あるいは、ラック型空調機の空調機側排気部側から、各種の保守や操作や修理などの作業を容易に行なうことができ、利便性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る空調システムの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る空調システムの構成を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る空調システムのラック構造体を分解して示す斜視図および平面図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例に係る空調システムの補助送風機を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の第1変形例に係る空調システムの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態の第2変形例に係る空調システムの構成図である。
【図7】本発明の実施の形態の第3変形例に係る空調システムのラック構造体の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の第4変形例に係る空調システムの構成を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態の第4変形例に係る空調システムの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る空調システムについて添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による空調システム10は、例えばサーバ装置を搭載したサーバラックをラック型空調機により空冷するサーバラック空調システムであって、例えば図1および図2に示すように、サーバラック11とラック型空調機12とが一体に連結されて1つのラック構造体13が形成され、少なくとも3つ以上の所定数、例えば4つのラック構造体13,…,13を備えて構成されている。
【0012】
サーバラック11は、例えば図3(A),(B)に示すように、少なくとも1つ以上のサーバ装置11aを搭載しており、外部から内部に冷却用の空気を吸気する吸気部21と、該吸気部21の吸気方向INAに平行な排気方向EXAで内部の空気を外部に排気する排気部22とを備えている。
【0013】
ラック型空調機12は、サーバラック11に連結可能かつサーバラック11から排出される空気を冷却可能であって、例えば図3(A),(B)に示すように、外部から内部に空気を吸気する空調機側吸気部31と、例えばラジエータ(図示略)およびファン(図示略)などを具備して、内部の空気を冷却および送風する冷却部12aと、空調機側吸気部31の吸気方向INBに平行な排気方向EXBで内部の空気を外部に排気する空調機側排気部32とを備えている。
【0014】
サーバラック11およびラック型空調機12は、例えば図1および図2に示すように、サーバラック11の排気部22とラック型空調機12の空調機側吸気部31とが対向配置された状態で一体に連結されて1つのラック構造体13を形成している。
そして、例えば図2に示すように、4つのラック構造体13,…,13は、4つの辺L1〜L4からなる正方形Sの各辺L1〜L4上に配置されている。
【0015】
そして、正方形Sの各頂点P1〜P4毎に、各頂点P1〜P4に接続される2つの辺上の2つのラック構造体13,13のうち、一方のラック構造体13は空調機側排気部32を正方形Sの頂点に向けて、他方のラック構造体13は吸気部21を正方形Sの頂点に向けて、これらの空調機側排気部32と吸気部21とを正方形Sの頂点に近接させて配置している。
【0016】
例えば図2に示す正方形Sの頂点P1には、2つの辺L1,L2が接続されており、一方の辺L1上に配置されたラック構造体13はラック型空調機12の空調機側排気部32を頂点P1に向けて配置され、他方の辺L2上に配置されたラック構造体13はサーバラック11の吸気部21を頂点P1に向けて配置されている。そして、これらの空調機側排気部32と吸気部21とは、頂点P1に近接して配置されている。
【0017】
すなわち、正方形Sの各辺L1〜L4上に配置された各ラック構造体13は、各吸気方向および排気方向を正方形Sの辺上の所定周り方向(例えば図2に示す時計回り方向など)に一致させた状態で配置されている。
【0018】
そして、正方形Sの4つの辺L1〜L4上に配置されたラック構造体13,…,13において、各頂点P1〜P4毎に隣り合う2つのラック構造体13,13は、互いの各吸気方向および排気方向が正方形Sに起因する角度90°で交差している。
つまり、一方のラック構造体13のラック型空調機12の空調機側排気部32と、他方のラック構造体13のサーバラック11の吸気部21とが、一直線上で対向しないように配置されている。
【0019】
本実施の形態による空調システム10は上記構成を備えており、次に、この空調システム10の動作について説明する。
【0020】
サーバラック11とラック型空調機12とが一体に連結された各ラック構造体13では、先ず、サーバラック11の吸気部21によってサーバラック11の外部から内部に吸気された空気は、サーバラック11の内部に搭載されたサーバ装置11aを冷却した後に、排気部22によってサーバラック11の内部から外部に排気される。
【0021】
次に、サーバラック11の排気部22からサーバラック11の外部に排気された空気は、ラック型空調機12の空調機側吸気部31によってラック型空調機12の外部から内部に吸気される。
そして、ラック型空調機12の外部から内部に吸気された空気は、ラック型空調機12の内部に設けられた冷却部12aにおいて冷却された後に、空調機側排気部32によってラック型空調機12の内部から外部に排気される。
【0022】
そして、正方形Sの各辺L1〜L4上に配置された4つのラック構造体13,…,13から成る空調システム10では、隣り合うラック構造体13,13の一方のラック構造体13のラック型空調機12の空調機側排気部32から排気された空気は、流通方向を角度90°だけ変化させるようにして、この空調機側排気部32の排気方向EXBに対して角度90°を成す吸気方向INAを有する他方のラック構造体13のサーバラック11の吸気部21によって吸気される。
【0023】
したがって、4つのラック構造体13,…,13により形成される正方形状の流路で循環する空気は、各ラック構造体13のサーバラック11での温度上昇とラック型空調機12での温度低下とを繰り返す。
【0024】
上述したように、本実施の形態による空調システム10によれば、各ラック構造体13はサーバラック11とラック型空調機12とが一体に連結されていることから、他のサーバラック11や他の電子機器の有無にかかわらずに効率よくサーバラック11の排気を冷却することができる。
【0025】
さらに、正方形Sの各辺L1〜L4上に配置された4つのラック構造体13,…,13において、隣り合う2つのラック構造体13,13の一方のラック構造体13のラック型空調機12から排気された空気は、この排気方向EXBに対して角度90°を成す吸気方向INAを有する他方のラック構造体13のサーバラック11によって吸気される。
これにより、例えば他のサーバラック11や他の電子機器から排気された高温の空気が、各ラック構造体13のサーバラック11に吸気されてしまうことを抑制することができ、サーバラック11の冷却効率を向上させることができる。
したがって、例えば複数のラック構造体13が収容される室内全体の雰囲気温度を低下させる必要は無く、例えばラック型空調機12によって冷却された空気を長い距離で搬送する必要は無く、システム構成が複雑化かつ大型化してしまうことを防止して、サーバラック11を効率よく冷却することができる。
【0026】
しかも、隣り合う2つのラック構造体13,13は、互いの各吸気方向および排気方向が角度90°で交差し、一方のラック構造体13のラック型空調機12の空調機側排気部32と、他方のラック構造体13のサーバラック11の吸気部21とが、一直線上で対向しないように配置されている。
これにより、正方形Sの各頂点P1〜P4の周辺に空間が設けられ、サーバラック11の吸気部21側から、あるいは、ラック型空調機12の空調機側排気部32側から、各種の保守や操作や修理などの作業を容易に行なうことができ、利便性を確保することができる。
【0027】
また、各ラック構造体13においては、ラック型空調機12による吸気および排気動作を用いることで、例えばサーバラック11のファン(図示略)を作動させる必要無しに、サーバラック11の吸気および排気動作を行なうことができ、サーバラック11のファン(図示略)の駆動に要するエネルギーを削減することができる。
【0028】
なお、上述した実施の形態においては、例えば図4に示すような補助送風機41を備えてもよい。
この補助送風機41は、例えばサーバラック11およびラック型空調機12に連結可能に構成されている。
【0029】
例えば図5に示す上述した実施の形態の第1変形例に係る空調システム10では、サーバラック11とラック型空調機12と補助送風機41とが一体に連結されて1つのラック構造体13が形成され、正方形Sの各辺L1〜L4上に4つのラック構造体13,…,13が配置されている。
【0030】
そして、各ラック構造体13においては、サーバラック11の排気部22とラック型空調機12の空調機側吸気部31とが対向配置された状態で一体に連結され、ラック型空調機12の空調機側排気部32と補助送風機41とが対向配置された状態で一体に連結されている。
【0031】
この第1変形例によれば、例えばラック型空調機12の静圧が低下した場合であっても補助送風機41によってサーバラック11の吸気および排気動作を補助することができ、さらには、サーバラック11のファン(図示略)を作動させる必要無しにサーバラック11の吸気および排気動作を行なうこともできる。
【0032】
また、例えば図6に示す上述した実施の形態の第2変形例に係る空調システム10では、サーバラック11と補助送風機41とラック型空調機12とが一体に連結されて1つのラック構造体13が形成され、正方形Sの各辺L1〜L4上に4つのラック構造体13,…,13が配置されている。
【0033】
そして、各ラック構造体13においては、サーバラック11の排気部22とラック型空調機12の空調機側吸気部31とが補助送風機41を両側から挟み込むようにして対向配置された状態で一体に連結されている。
【0034】
この第2変形例によれば、例えばラック型空調機12の静圧が低下した場合であっても補助送風機41によってサーバラック11の吸気および排気動作を補助することができ、さらには、サーバラック11のファン(図示略)を作動させる必要無しにサーバラック11の吸気および排気動作を行なうこともできる。
【0035】
なお、上述した実施の形態の第2変形例に係る空調システム10においては、例えば図7(A),(B)に示す第3変形例に係るラック構造体13のように、サーバラック11での空気の流れ(つまり、吸気および排気に加えて、サーバラック11の内部での空気の流れ)を整流する整流部材として、例えばダクト41aなどを備えてもよい。
【0036】
ダクト41aは、例えば、サーバラック11と補助送風機41との間で補助送風機41に設けられ、サーバラック11から補助送風機41に向かうことに伴い拡径するテーパー状の周面を有する筒状などに形成されている。
そして、ダクト41aは、例えば、サーバラック11に搭載されるサーバ装置11a毎に設けられ、サーバラック11の吸気部21によって外部から吸気された空気のサーバラック11の内部での流れが各サーバ装置11aに集中するように設定されている。
【0037】
この第3変形例によれば、サーバラック11の内部での気流が各サーバ装置11aに集中しており、例えば隣り合うサーバ装置11a,11a間やサーバラック11の外周面を成すカバー(図示略)とサーバ装置11aとの間などに気流が集中してしまうことを防止し、サーバラック11の冷却効率を向上させることができる。
【0038】
なお、上述した実施の形態および第1〜第3変形例に係る空調システム10においては、例えば図8および図9に示す上述した実施の形態の第4変形例に係る空調システム10のように、正方形Sの各頂点P1〜P4毎に、各頂点P1〜P4の周辺を覆うようにして、各頂点P1〜P4に向かう空調機側排気部32および吸気部21の間の空気の流路を全体的あるいは部分的に囲う部材51を備えてもよい。
【0039】
この第4変形例によれば、空調システム10の内部を遮蔽することができ、外部の雰囲気が空調システム10の内部に流入することを防止あるいは抑制することができるとともに、空調システム10の内部を循環する空気が外部に流出することを防止あるいは抑制することができ、サーバラック11の冷却効率を向上させることができる。
しかも、空調システム10の内部で空気を循環させるために要する電力を削減することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
さらに、空調システム10の作動に起因する外部における騒音を低減することができる。
【0040】
なお、上述した実施の形態および第1〜第4変形例に係る空調システム10においては、4つのラック構造体13,…,13を正方形Sの4つの辺L1〜L4上に配置するとしたが、これに限定されず、少なくとも3つ以上の所定数Nのラック構造体13,…,13を所定数Nの辺からなる多辺形(例えば、N=3,…)の各辺上に配置してもよい。
【0041】
この場合においても、多辺形の各頂点毎に、各頂点に接続される2つの辺上の2つのラック構造体13,13のうち、一方のラック構造体13は空調機側排気部32を頂点に向けて配置され、他方のラック構造体13は吸気部21を頂点に向けて配置される。
これにより、所定数Nのラック構造体13,…,13により形成される多辺形状の流路で循環する空気は、各ラック構造体13のサーバラック11での温度上昇とラック型空調機12での温度低下とを繰り返す。
【0042】
なお、上述した実施の形態および第1〜第4変形例に係る空調システム10においては、サーバラック11とラック型空調機12とが一体に連結されて1つのラック構造体13が形成されるとしたが、これに限定されず、サーバ装置11aを搭載したサーバラック11の代わりに、他の電子装置を搭載する電子装置搭載ラックであってもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 空調システム
11 サーバラック
12 ラック型空調機
13 ラック構造体
21 吸気部
22 排気部
31 空調機側吸気部
32 空調機側排気部
41 補助送風機
51 部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置を搭載した電子装置搭載ラックと、該電子装置搭載ラックに連結可能かつ前記電子装置搭載ラックから排出される空気を冷却可能なラック型空調機とを備える空調システムであって、
前記電子装置搭載ラックは、外部から内部に冷却用の空気を吸気する吸気部と、該吸気部の吸気方向に平行な排気方向で前記内部の空気を外部に排気する排気部とを備え、
前記ラック型空調機は、外部から内部に空気を吸気する空調機側吸気部と、前記内部の空気を冷却する冷却部と、前記空調機側吸気部の吸気方向に平行な排気方向で前記内部の空気を外部に排気する空調機側排気部とを備え、
前記電子装置搭載ラックおよび前記ラック型空調機は、前記排気部と前記空調機側吸気部とが対向配置された状態で一体に連結されて1つのラック構造体を形成し、
少なくとも3つ以上の所定数の前記ラック構造体は、前記所定数の辺からなる多辺形の各辺上に配置され、
前記多辺形の各頂点毎に、前記頂点に接続される2つの前記辺上の2つの前記ラック構造体の一方は前記空調機側排気部を前記頂点に向けて配置され、他方は前記吸気部を前記頂点に向けて配置されていることを特徴とする空調システム。
【請求項2】
前記所定数は4つであり、前記多辺形は正方形であることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記ラック構造体は、前記空調機側吸気部に連結される空調機側送風機を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空調システム。
【請求項4】
前記ラック構造体は、前記排気部と前記空調機側吸気部との間に連結される送風機を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の空調システム。
【請求項5】
前記ラック構造体は、前記送風機と前記排気部との間における前記空気の流れを整流する整流部材を備えることを特徴とする請求項4に記載の空調システム。
【請求項6】
前記多辺形の各頂点毎に、前記頂点に向かう前記空調機側排気部および前記吸気部の間の前記空気の流路を囲う部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1つに記載の空調システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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