説明

空調制御装置

【課題】ユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することが可能な空調制御装置の提供。
【解決手段】空調制御装置60は、外気温度値および外気絶対湿度値を特定する特定部と、ユーザの設定から決定される目標温湿度範囲内に室内空間の環境が導かれるように、外調機30及び空調機20の自動制御を行う空調制御部と、を備えている。空調制御部は、自動制御において、特定部によって特定される外気温度値及び外気絶対湿度値のみに基づいて、外調機30及び空調機20の制御内容を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の屋内の空調制御を行う空調制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ビル等の建物においては、建物内の室内空間の空気を建物外部へ排出し、建物外部の空気(外気)を建物内に取り入れる換気が行われる。例えば、特許文献1(特開2005−49059号公報)に開示されている空気調和システムでは、ビルの機械室に設置されている外気供給ユニットによって、室内空間の換気が行われている。また、この外気供給ユニットは、外気の絶対湿度が室内空間の絶対湿度よりも低くなるように潜熱処理を行った後の外気を、室内空間に供給するように制御されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、外気を取り入れる換気が行われる室内空間の環境が、所定の温度範囲及び所定の相対湿度範囲によって決定される所定の温湿度範囲に入るように、室内空間の温度及び湿度を調整可能な空調機を制御することが考えられる。そして、このような空調機の制御方法としては、温度調整可能な空調機については、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の上限値よりも高い場合には冷房運転を行い、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の下限値よりも低い場合には暖房運転を行い、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の上限値から下限値の間にある場合には送風運転を行うことが考えられる。また、湿度調整可能な空調機については、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値よりも高い場合には除湿換気運転を行い、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値よりも低い場合には加湿換気運転を行い、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値又は所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値に到達した場合には換気運転を行うことが考えられる。しかしながら、建物外の環境や室内空間の環境によっては、室内空間の環境を所定の温湿度範囲内に導くことができないことがあり、室内空間に居るユーザに不快感を与えるおそれがある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、ユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することが可能な空調制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る空調制御装置は、外気を取り入れる換気が行われる室内空間の環境を、温度調整部と湿度調整部とを有する空調機を制御することで調整する空調制御装置であって、外気温度特定部と、外気湿度特定部と、制御部と、を備えている。外気温度特定部は、現在の外気温度を特定する。外気湿度特定部は、現在の外気絶対湿度を特定する。制御部は、ユーザの設定から決定される目標温湿度範囲内に室内空間の環境が導かれるように、空調機の自動制御を行う。また、制御部は、自動制御において、外気温度特定部によって特定される外気温度値及び外気湿度特定部によって特定される外気絶対湿度値のみに基づいて、空調機の制御内容を決定する。
【0006】
本発明の第1観点に係る空調制御装置では、外気温度値及び外気絶対湿度値のみに基づいて、空調機の制御内容が決定される。この結果、換気によって室内空間に取り入れられる外気の温度や湿度の環境に応じた制御を行うことができる。したがって、外気の温度及び湿度に基づいて空調機の制御内容が決定されることで、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0007】
これによって、ユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空調制御装置は、第1観点の空調制御装置において、制御部は、自動制御において、外気温度値と外気絶対湿度値とが、目標温湿度範囲内にあるか否かを把握する。そして、制御部は、外気温度値及び外気絶対湿度値の少なくともいずれか一方が目標温湿度範囲内にないときは、外気温度値及び外気絶対湿度値に基づいて、温度目標値及び絶対湿度目標値の少なくともいずれか一方を決定する。この空調制御装置では、外気温度値及び外気絶対湿度値が、目標温湿度範囲という所定の温湿度範囲内にあるか否かを把握することができる。
【0009】
本発明の第3観点に係る空調制御装置は、第2観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、かつ、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、絶対湿度目標値を、外気温度値に対する目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち外気絶対湿度値に近い方の値に決定する。そして、制御部は、決定した絶対湿度目標値に室内空間の環境が導かれるように、温度調整部及び湿度調整部の制御内容を決定する。
【0010】
本発明の第3観点に係る空調制御装置では、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きい場合、又は、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さい場合は、絶対湿度目標値が、外気温度値に対する目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち外気絶対湿度値に近い値に決定されている。このため、例えば、絶対湿度目標値が、外気温度値又は外気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0011】
本発明の第4観点に係る空調制御装置は、第2観点又は第3観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、外気温度値に基づいて温度目標値を決定し、かつ、外気絶対湿度値に基づいて絶対湿度目標値を決定する。そして、制御部は、決定した温度目標値及び絶対湿度目標値に室内空間の環境が導かれるように、温度調整部及び湿度調整部の制御内容を決定する。
【0012】
本発明の第4観点に係る空調制御装置では、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の上限値よりも大きい場合、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の上限値よりも大きい場合、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値よりも小さい場合、又は、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値よりも小さい場合は、外気温度値に基づいて温度目標値が決定され、かつ、外気絶対湿度値に基づいて絶対湿度目標値が決定されている。この空調制御装置では、外気温度値及び外気湿度値に基づいて温度目標値及び絶対湿度目標値が決定されるため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0013】
本発明の第5観点に係る空調制御装置は、第4観点の空調制御装置において、制御部は、自動制御において、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、温度目標値を、目標温湿度範囲の温度の上限値或いは下限値のうち外気温度値に近い方の値に決定する。また、制御部は、自動制御において、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、絶対湿度目標値を、決定した温度目標値に対する目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち外気絶対湿度値に近い方の値に決定する。
【0014】
本発明の第5観点に係る空調制御装置では、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の上限値よりも大きい場合、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の上限値よりも大きい場合、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値よりも小さい場合、又は、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値よりも小さい場合は、温度目標値が、目標温湿度範囲の温度の上限値或いは下限値のうち外気温度値に近い方の値に決定され、絶対湿度目標値が、決定された温度目標値に対する目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち外気絶対湿度値に近い方の値に決定される。このため、例えば、温度目標値や絶対湿度目標値が、外気温度値又は外気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る空調制御装置は、第2観点から第5観点のいずれかの空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるとき、或いは、外気絶対湿度が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるときは、温度目標値を、目標温湿度範囲の温度の上限値或いは下限値のうち外気温度値に近い方の値に決定する。そして、制御部は、決定した温度目標値に室内空間の環境が導かれるように、温度調整部及び湿度調整部の制御内容を決定する。
【0016】
本発明の第6観点に係る空調制御装置では、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値から上限値の間にある場合、又は、外気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、外気絶対湿度が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値から上限値の間にある場合には、温度目標値が、目標温湿度範囲の温度の上限値或いは下限値のうち外気温度値に近い方の値に決定される。このため、例えば、温度目標値が、外気温度値又は外気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0017】
本発明の第7観点に係る空調制御装置は、第1観点から第6観点のいずれかの空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値が決まっている。また、空調機は、第1空調機と第2空調機とを含む。第1空調機は、湿度調整部を有する。第2空調機は、温度調整部を有する。また、第1空調機は、室内空間の換気を行う換気部を更に有する。さらに、制御部は、自動制御において、外気絶対湿度値が、目標温湿度範囲内の湿度の上限値よりも大きいときは、室内空間の除湿及び換気が行われるように、第1空調機を制御する。
【0018】
本発明の第7観点に係る空調制御装置では、第1空調機は、湿度調整部と換気部とを有している。このため、例えば、室内空間を換気する換気機能を有する空調機を更に設置しなくても、第1空調機を設置することで室内空間の湿度調整と換気とを行うことができる。また、この空気調和機では、外気絶対湿度値が目標温湿度範囲内の湿度の上限値よりも大きいときは、室内空間の除湿及び換気が行われるため、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0019】
本発明の第8観点に係る空調制御装置は、第7観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、外気絶対湿度値が、目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、室内空間の加湿及び換気が行われるように、第1空調機を制御する。このため、この空調制御装置では、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0020】
本発明の第9観点に係る空調制御装置は、外気を取り入れる換気が行われる室内空間の環境を、温度調整部と湿度調整部とを有する空調機を制御することで調整する空調制御装置であって、外気温度特定部と、内気温度特定部と、外気湿度特定部と、内気湿度特定部と、制御部と、を備えている。外気温度特定部は、現在の外気温度を特定する。内気温度特定部は、室内空間の現在の空気の温度である内気温度を特定する。外気湿度特定部は、現在の外気絶対湿度を特定する。内気湿度特定部は、室内空間の現在の空気の絶対湿度である内気絶対湿度を特定する。制御部は、ユーザの設定から決定される目標温湿度範囲内に室内空間の環境が導かれるように、空調機の自動制御を行う。また、制御部は、自動制御において、内気温度特定部によって特定される内気温度値と、内気湿度特定部によって特定される内気絶対湿度値とが、目標温湿度範囲内にあるか否かを把握する。そして、制御部は、内気温度値及び内気絶対湿度値のいずれか一方が目標温湿度範囲内にないときは、外気温度特定部によって特定される外気温度値又は外気湿度特定部によって特定される外気絶対湿度値に基づいて、空調機の制御内容を決定する。
【0021】
本発明の第9観点に係る空調制御装置では、内気温度値及び内気絶対湿度値のいずれか一方が目標温湿度範囲内にないときは、外気温度値又は外気絶対湿度値に基づいて空調機の制御内容が決定される。この結果、室内空間の環境が目標温湿度範囲以外の所定の温湿度範囲内にある場合には、換気によって室内空間に取り入れられる外気の温度や湿度の環境に応じた制御を行うことができる。したがって、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0022】
これによって、ユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することができる。
【0023】
本発明の第10観点に係る空調制御装置は、第9観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるとき、或いは、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるときは、内気絶対湿度値が維持されるように、外気絶対湿度値及び内気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容を決定する。
【0024】
本発明の第10観点に係る空調制御装置では、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値から上限値の間にある場合、又は、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値から上限値の間にある場合は、内気絶対湿度値が維持されるように外気絶対湿度値及び内気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容が決定される。この空調制御装置では、外気絶対湿度値及び内気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容が決定されるため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0025】
本発明の第11観点に係る空調制御装置は、第9観点又は第10観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、かつ、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、内気温度値が維持されるように、外気温度値及び内気温度値に基づいて温度調整部の制御内容を決定する。
【0026】
本発明の第11観点に係る空調制御装置では、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きい場合、又は、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さい場合には、外気温度値及び内気温度値に基づいて温度調整部の制御内容が決定されている。この空調制御装置では、外気温度値及び内気温度値に基づいて温度調整部の制御内容が決定されているため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0027】
本発明の第12観点に係る空調制御装置は、第9観点から第11観点のいずれかの空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、かつ、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、絶対湿度目標値を、内気温度値に対する目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち内気絶対湿度値に近い方の値に決定する。そして、制御部は、決定した絶対湿度目標値に室内空間の環境が導かれるように、湿度調整部の制御内容を決定する。
【0028】
本発明の第12観点に係る空調制御装置では、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きい場合、又は、内気温度値が目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さい場合には、絶対湿度目標値が、内気温度値に対する目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち内気絶対湿度値に近い方の値に決定される。このため、例えば、絶対湿度目標値が、内気温度値又は内気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0029】
本発明の第13観点に係る空調制御装置は、第9観点から第12観点のいずれかの空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値が決まっている。また、空調機は、第1空調機と第2空調機とを含む。第1空調機は、湿度調整部を有する。第2空調機は、温度調整部を有する。また、第1空調機は、室内空間の換気を行う換気部を更に有する。制御部は、自動制御において、内気絶対湿度値が、目標温湿度範囲内の湿度の上限値よりも大きいときは、室内空間の除湿及び換気が行われるように、第1空調機を制御する。
【0030】
本発明の第13観点に係る空調制御装置では、第1空調機は、湿度調整部と換気部とを有している。このため、例えば、室内空間を換気する換気機能を有する空調機を更に設置しなくても、第1空調機を設置することで室内空間の湿度調整と換気とを行うことができる。また、この空気調和機では、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲内の湿度の上限値よりも大きいときは、室内空間の除湿及び換気が行われるため、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0031】
本発明の第14観点に係る空調制御装置は、第13観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、内気絶対湿度値が、目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、室内空間の加湿及び換気が行われるように、第1空調機を制御する。このため、この空調制御装置では、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0032】
本発明の第15観点に係る空調制御装置は、第9観点又は第10観点の空調制御装置において、目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっている。また、制御部は、自動制御において、内気温度値が目標温湿度範囲の下限値から上限値の間になく、かつ、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、外気絶対湿度値に基づいて、湿度調整部の制御内容を決定する。
【0033】
本発明の第15観点に係る空調制御装置では、内気温度値が目標温湿度範囲の下限値から上限値の間になく、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の上限値よりも大きい場合、又は、内気温度値が目標温湿度範囲の下限値から上限値の間になく、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値よりも小さい場合には、外気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容が決定される。この空調制御装置では、外気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容が決定されているため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0034】
本発明の第16観点に係る空調制御装置は、第1観点から第15観点のいずれかの空調制御装置において、制御部は、自動制御を所定時間毎に行う。このため、換気によって室内空間に取り入れられる外気の温度や湿度の変化に応じて空調機を制御することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の第1観点に係る空調制御装置では、ユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することができる。
【0036】
本発明の第2観点に係る空調制御装置では、外気温度値及び外気絶対湿度値が、目標温湿度範囲という所定の温湿度範囲内にあるか否かを把握することができる。
【0037】
本発明の第3観点に係る空調制御装置では、絶対湿度目標値が、外気温度値又は外気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0038】
本発明の第4観点に係る空調制御装置では、外気温度値及び外気湿度値に基づいて温度目標値及び絶対湿度目標値が決定されるため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0039】
本発明の第5観点に係る空調制御装置では、温度目標値や絶対湿度目標値が、外気温度値又は外気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0040】
本発明の第6観点に係る空調制御装置では、温度目標値が、外気温度値又は外気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0041】
本発明の第7観点に係る空調制御装置では、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0042】
本発明の第8観点に係る空調制御装置では、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0043】
本発明の第9観点に係る空調制御装置では、ユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することができる。
【0044】
本発明の第10観点に係る空調制御装置では、外気絶対湿度値及び内気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容が決定されるため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0045】
本発明の第11観点に係る空調制御装置では、外気温度値及び内気温度値に基づいて温度調整部の制御内容が決定されているため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0046】
本発明の第12観点に係る空調制御装置では、絶対湿度目標値が、内気温度値又は内気絶対湿度値に関係なく決定される場合と比較して、省エネルギーを実現し、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0047】
本発明の第13観点に係る空調制御装置では、内気絶対湿度値が目標温湿度範囲内の湿度の上限値よりも大きいときは、室内空間の除湿及び換気が行われるため、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0048】
本発明の第14観点に係る空調制御装置では、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0049】
本発明の第15観点に係る空調制御装置では、外気絶対湿度値に基づいて湿度調整部の制御内容が決定されているため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0050】
本発明の第16観点に係る空調制御装置では、換気によって室内空間に取り入れられる外気の温度や湿度の変化に応じて空調機を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空調制御装置が適用される空気調和システムの概略図。
【図2】外調機の備える概略冷媒回路図であって、(a)除湿換気運転の第1動作が行われている状態を示す図、(b)除湿換気運転の第2動作が行われている状態を示す図。
【図3】外調機の備える概略冷媒回路図であって、(a)加湿換気運転の第1動作が行われている状態を示す図、(b)加湿換気運転の第2動作が行われている状態を示す図。
【図4】空調機の備える概略冷媒回路図。
【図5】空調制御装置の備える制御部の制御ブロック図。
【図6】温度及び絶対湿度と目標温湿度範囲との関係を示す図。
【図7】各温湿度の範囲と空調機及び外調機の運転内容との対応関係を示す図。
【図8】従来の空気調和装置の制御方法を説明するための図。
【図9】本発明の第2実施形態に係る空調制御装置の備える制御部の制御ブロック図。
【図10】温度及び絶対湿度と目標温湿度範囲との関係を示す図。
【図11】各温湿度の範囲と空調機及び外調機の運転内容との対応関係を示す図。
【図12】変形例2Aに係る空調制御装置の備える記憶部に記憶されているテーブルであって、各温湿度の範囲と空調機及び外調機の運転内容との対応関係を示す図。
【図13】変形例2Bに係る空調制御装置の備える記憶部に記憶されているテーブルであって、各温湿度の範囲と空調機及び外調機の運転内容との対応関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る空調制御装置60は、換気が行われるビル等の屋内(室内空間)の環境(温度及び湿度)を調整するために設置された空気調和装置10の動作を制御する。また、空気調和装置10は、湿度調整機能及び換気機能を有する外調機30と、温度調整機能を有する空調機20とを備えている。
【0053】
(1)外調機
図2及び図3は、外調機30の備える冷媒回路36図である。また、図2(a)は、外調機30において除湿換気運転における第1動作が行われている状態を示している。図2(b)は、外調機30において除湿換気運転における第2動作が行われている状態を示している。さらに、図3(a)は、外調機30において加湿換気運転における第1動作が行われている状態を示している。図3(b)は、外調機30において加湿換気運転における第2動作が行われている状態を示している。
【0054】
外調機30は、ビルの機械室等に設置されており、室内空間に外気(以下にいう屋外空気OA及び供給空気SAに相当)を供給することで室内空間の換気を行う。また、外調機30は、熱交換器の表面にシリカゲル等の吸着剤を担持したデシカント式外調機であって、室内空間に供給する外気(以下にいう屋外空気OAに相当)に対して除湿又は加湿を行う。
【0055】
また、外調機30は、圧縮機31、四路切換弁32、膨張弁33、第1熱交換器34及び第2熱交換器35を備えている。なお、本実施形態における外調機30では、圧縮機31、四路切換弁32、第1熱交換器34、膨張弁33及び第2熱交換器35が冷媒配管を介して接続されて冷媒回路36が形成されている。
【0056】
圧縮機31は、インバータ制御により運転容量を変更することが可能な容積式圧縮機である。四路切換弁32は、冷媒回路36内を流れる冷媒の流路を切り換えるための弁である。四路切換弁32は、圧縮機31の吐出側と第1熱交換器34とを接続するとともに圧縮機31の吸入側と第2熱交換器35とを接続(図2及び図3の四路切換弁32の実線を参照)したり、圧縮機31の吐出側と第2熱交換器35とを接続するとともに圧縮機31の吸入側と第1熱交換器34を接続(図2及び図3の四路切換弁32の破線を参照)したりする切り換えを行うことが可能である。
【0057】
第1熱交換器34及び第2熱交換器35は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型の熱交換器であって、多数のフィンと、フィンを貫通する伝熱管とを備えている。各フィン及び伝熱管の外表面には、第1熱交換器34及び第2熱交換器35を通過する空気に含まれる水分が吸着される吸着剤(例えば、ゼオライトやシリカゲル等)がディップ成形(浸漬成形)等によって担持されている。
【0058】
第1熱交換器34及び第2熱交換器35は、その外側に空気を通過させながら冷媒の蒸発器として機能することで、その表面に担持された吸着剤に空気中の水分を吸着させることができる。また、第1熱交換器34及び第2熱交換器35は、その外側に空気を通過させながら冷媒の凝縮器として機能することで、その表面に担持された吸着剤に吸着された水分を脱離させることができる。
【0059】
膨張弁33は、第1熱交換器34と第2熱交換器35との間に接続された電動膨張弁であり、凝縮器として機能する第1熱交換器34及び第2熱交換器35の一方から蒸発器として機能する第1熱交換器34及び第2熱交換器35の他方に送られる冷媒を減圧することができる。
【0060】
また、外調機30は、図示しないが、屋外の空気(以下、屋外空気OAという)を外調機30内に吸入するための外気吸入口と、外調機30内から屋外に空気を排出するための排気口と、室内空間の空気(以下、屋内空気RAという)を外調機30内に吸入するための内気吸入口と、外調機30内から室内空間に吹き出される空気(以下、供給空気SAという)を供給するための給気口と、排気口に連通するように外調機30内に配置された排気ファンと、給気口に連通するように外調機30内に配置された給気ファンと、空気流路を切り換えるためのダンパ等からなる切換機構と、を備えている。これにより、第1熱交換器34及び第2熱交換器35は、屋外空気OAを外気吸入口から外調機30内に吸入して第1熱交換器34又は第2熱交換器35を通過させた後に、給気口から室内空間に供給空気SAとして供給したり、屋内空気RAを内気吸入口から外調機30内に吸入して第1熱交換器34及び第2熱交換器35を通過させた後に排気口から屋外に排気空気EAとして排出したりすることができる。
【0061】
さらに、外調機30は、温度センサ37と、湿度センサ38と、外調機制御部39と備えている(図1及び図5参照)。温度センサ37は、外調機30内に吸入される屋外空気OAの温度を検出する。湿度センサ38は、外調機30内に吸入される屋外空気OAの絶対湿度を検出する。外調機制御部39は、マイクロコンピュータやメモリを有しており、外調機30の有する各種機器の動作を制御する。また、外調機制御部39は、温度センサ37によって検出される屋外空気OAの温度値(以下、外気温度値という)及び湿度センサ38によって検出される屋外空気OAの絶対湿度値(以下、外気絶対湿度値という)を空調制御装置60に送信したり、空調制御装置60から送信される絶対湿度目標値や運転モードに関する制御信号を受信したりすることができる。なお、本実施形態では、外調機30の備える湿度センサ38は、屋外空気OAの絶対湿度を検出するセンサであるが、これに限定されず、湿度センサが屋外空気OAの相対湿度を検出するセンサであってもよい。
【0062】
(2)空調機
空調機20は、室内空間の空気の温度調整を行うために、暖房運転や冷房運転を行う。また、空調機20は、ビル等の天井裏の空間に設置される室内ユニット21と、ビル等の屋上等に設置される室外ユニット22とを備えている。なお、本実施形態では、空調機20は1台の室外ユニット22と2台の室内ユニット21とを備えているが、室外ユニットや室内ユニットの台数はこれに限定されず、例えば、空調機が、2台以上の室外ユニットを備えていてもよく、また、3台以上の室内ユニットを備えていてもよい。
【0063】
室内ユニット21は、連絡配管を介して室外ユニット22と接続されており、室外ユニット22との間で冷媒回路23を構成している。室内ユニット21は、この冷媒回路23内において、冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことで、屋内空気RAの温度を下降させたり、あるいは、上昇させたりすることができる。
【0064】
また、室内ユニット21は、室内熱交換器24と、室内膨張弁25aと、を備えている。室内熱交換器24は、伝熱管と多数のフィンから構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、冷媒と屋内空気RAとの熱交換を行うための機器である。室内膨張弁25aは、冷媒流量の調整等を行うために、室内熱交換器24の液側に接続された電動膨張弁である。また、室内ユニット21は、室内ユニット21内に屋内空気RAを吸入して、熱交換した後に、室内空間に供給するための室内ファン(図示せず)を備えている。室内ファンが駆動することで、屋内空気RAと室内熱交換器24を流れる冷媒とを熱交換させることができる。
【0065】
また、室内ユニット21は、室内ユニット21に吸入される屋内空気RAの温度や湿度を検出する各種センサ(図示せず)を有している。さらに、室内ユニット21は、室内ユニット21の有する各種機器の動作を制御する室内制御部25を有している。室内制御部25は、マイクロコンピュータやメモリを有しており、各種センサによって検出される検出結果を空調制御装置60に送信したり、空調制御装置60から送信される温度目標値や運転モードに関する制御信号を受信したりすることができる。
【0066】
室外ユニット22は、連絡配管を介して室内ユニット21に接続されており、主として、圧縮機26と、四路切換弁27と、室外熱交換器28と、室外膨張弁25bと、を備えている。
【0067】
圧縮機26は、インバータ制御により運転容量を変更することが可能な容積式圧縮機である。四路切換弁27は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁である。四路切換弁27は、冷房運転時には、圧縮機26の吐出側と室外熱交換器28のガス側とを接続するとともに、室内熱交換器24と圧縮機26の吸入側とを接続することが可能である(図4における四路切換弁27の実線を参照)。また、四路切換弁27は、暖房運転時には、圧縮機26の吐出側と室内熱交換器24とを接続するとともに室外熱交換器28のガス側と圧縮機26の吸入側とを接続することが可能である(図4における四路切換弁27の破線を参照)。
【0068】
室外熱交換器28は、伝熱管と多数のフィンから構成されるクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、空気を熱源として冷媒と熱交換するための機器である。また、室外ユニット22は、室外ユニット22内に屋外の空気を取り込み、送り出すための室外ファン(図示せず)を備えており、屋外の空気と室外熱交換器28を流れる冷媒との間で熱交換させることができる。さらに、室外熱交換器28は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。
【0069】
室外膨張弁25bは、室外熱交換器28と室内熱交換器24との間を流れる冷媒の流量の調整等を行うことが可能な電動膨張弁である。室外膨張弁25bは、室外熱交換器28が凝縮器として機能する場合には、ほぼ全開状態で使用され、室外熱交換器28が蒸発器として機能する場合には開度が調整されて室内熱交換器24から室外熱交換器28に流入する冷媒を減圧するのに使用される。
【0070】
また、室外ユニット22は、圧縮機26の吸入圧力や吐出圧力を検出する圧力センサ等の各種センサ(図示せず)を有している。また、室外ユニット22は、室外制御部29を有している。室外制御部29は、マイクロコンピュータやメモリを有しており、室外ユニット22の有する各種機器の動作を制御する。また、室外制御部29は、室内制御部25との間で制御信号のやりとりを行うことができる。さらに、室外制御部29は、空調制御装置60からの制御信号等を受信することができる。
【0071】
(3)空調制御装置
空調制御装置60は、制御部65と、入力部62とを備えている(図1参照)。入力部62は、ユーザが快適温度範囲及び快適湿度範囲を設定するために操作される部分であって、スイッチ等の入力装置から構成されている。具体的には、ユーザは、入力部62を操作して上限温度値Bと下限温度値Aとを入力することで、快適温度範囲(下限温度値Aから上限温度値Bまでの範囲)を設定することができる。また、ユーザは、入力部62を操作して上限相対湿度値Dと下限相対湿度値Cとを入力することで、快適湿度範囲(下限相対湿度値Cから上限相対湿度値Dまでの範囲)を設定することができる。
【0072】
また、制御部65は、図5に示すように、通信部61と、特定部66と、空調制御部63と、記憶部64とを有している。
【0073】
通信部61は、外調機制御部39、室内制御部25及び室外制御部29から送信される各種信号を受信して、特定部66や空調制御部63に送信する。また、通信部61は、空調制御部63から受信した制御信号等を、外調機制御部39、室内制御部25及び室外制御部29に送信する。
【0074】
特定部66は、温度センサ37によって検出された外気温度値を、現在の外気温度値として特定する。また、特定部66は、湿度センサ38によって検出された外気絶対湿度値を、現在の外気絶対湿度値として特定する。なお、本実施形態では、湿度センサ38は絶対湿度を検出するセンサであるが、例えば、湿度センサが相対湿度を検出するセンサである場合には、特定部によって、湿度センサによって検出される外気相対湿度値と温度センサによって検出される外気温度値とから絶対湿度値が算出され、算出された絶対湿度値が現在の外気絶対湿度値として特定されてもよい。
【0075】
空調制御部63は、快適温度範囲及び快適湿度範囲から目標温湿度範囲AR5を決定する。また、空調制御部63は、決定した目標温湿度範囲AR5内に室内空間の環境が導かれるように空調機20及び外調機30を連携して制御する自動制御を行う。
【0076】
空調制御部63は、記憶部64に記憶されている空気線図に基づき、ユーザによって入力部62を介して入力された快適温度範囲及び快適湿度範囲に関する信号を利用して、目標温湿度範囲AR5を決定する。具体的には、空調制御部63は、図6に示す空気線図において、快適温度範囲の下限温度値A、快適温度範囲の上限温度値B、快適湿度範囲の下限相対湿度値C及び快適湿度範囲の上限相対湿度値Dによって規定される温湿度範囲を、目標温湿度範囲AR5に決定する。なお、説明の便宜上、図6に示す快適温度範囲を規定する線を、それぞれ、下限温度線ta、上限温度線tb、下限湿度線hc及び上限湿度線hdという。さらに、空調制御部63は、快適温度範囲及び快適湿度範囲に関する信号を利用して、目標温湿度範囲AR5以外の複数の温湿度範囲を決定する。図6には、目標温湿度範囲AR5の頂点(下限温度線taと下限湿度線hcとが交差する点、下限温度線taと上限湿度線hdとが交差する点、上限温度線tbと下限湿度線hcとが交差する点、上限温度線tbと上限湿度線hdとが交差する点)から延びる複数の破線tpa、tpb,hca,hcb,hda,hdbが示されている。また、破線tpa、tpbは、下限温度線ta又は上限温度線tbを上下に延長した線であって、図6において、目標温湿度範囲AR5の下限温度値A及び上限温度値Bを示している。破線hcaは、下限温度値Aにおける下限絶対湿度値(下限温度値Aにおける下限相対湿度値Cを絶対湿度に換算した値)Caを示し、破線hdaは、下限温度値Aにおける上限絶対湿度値(下限温度値Aにおける上限相対湿度値Dを絶対湿度に換算した値)Daを示しており、破線hcbは、上限温度値Bにおける下限絶対湿度値(上限温度値Bにおける下限相対湿度値Cを絶対湿度に換算した値)Cbを示し、破線hdbは、上限温度値Bにおける上限絶対湿度値(上限温度値Bにおける上限相対湿度値Dを絶対湿度に換算した値)Dbを示している。これら破線tpa、tpb,hca,hcb,hda,hdbによって、目標温湿度範囲AR5以外の複数の温湿度範囲AR1〜AR9が決定される。
【0077】
さらに、空調制御部63は、自動制御において、特定部66によって特定された現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が、決定したいずれの範囲AR1〜AR9にあるかを判定(把握)する。そして、空調制御部63は、図7に示すテーブルを参照して、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値を含む範囲に基づいて、外調機30及び空調機20の運転内容を決定する。次に、空調制御部63が、外調機30及び空調機20の運転内容をどのように決定するかについて、図7を用いて説明する。図7は、外調機30の運転内容及び空調機20の運転内容を、外気温度値及び外気絶対湿度値の位置する範囲毎に表したテーブルである。本実施形態に係る空調機20の運転モードには、暖房運転、送風運転及び冷房運転が含まれる。また、本実施形態に係る外調機30の運転モードには、除湿換気運転、換気運転及び加湿換気運転が含まれる。なお、図7のテーブルは、空調制御部63の備える記憶部64に記憶されている。
【0078】
具体的には、空調制御部63は、特定部66によって特定された現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5内にあるか否かを判定する。また、空調制御部63は、特定部66によって特定された現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5内にない場合には、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が決定した各範囲AR1〜AR9のいずれの範囲にあるかを更に判定する。次に、空調制御部63は、図7のテーブル内から判定した範囲AR1〜AR9に応じた空調機20及び外調機30の運転モードを選択して抽出し、かつ、図7のテーブル内から特定した範囲に応じた空調機20及び外調機30の目標温度及び目標絶対湿度を選択して抽出する。そして、空調制御部63は、抽出した各運転モードが行われるように制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部61に送信する。また、空調制御部63は、抽出した目標温度の温度値を温度目標値に決定し、決定した温度目標値に関する信号を通信部61に送信するとともに、抽出した目標絶対湿度の絶対湿度値を絶対湿度目標値に決定し、決定した絶対湿度目標値に関する信号を通信部61に送信する。なお、本実施形態では、図7において目標温度の温度値及び目標絶対湿度の絶対湿度値が設定されていない場合(温度値あるいは絶対湿度値が「−」である場合)があるが、これに限定されず、すべての範囲に対して目標温度の温度値及び目標絶対湿度の絶対湿度値が設定されていてもよい。
【0079】
ここで、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR2にある場合(図6中のP2参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを送風運転に決定し、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部63は、絶対湿度目標値を、判定時すなわち現在の外気温度値に対する上限相対湿度値Dを絶対湿度に換算した値に決定する。具体的には、空調制御部63は、現在の外気温度値を維持し、かつ、判定時すなわち現在の外気絶対湿度値を上限湿度線hdにシフトした値を絶対湿度目標値に決定する。より具体的には、図6に示すように、現在の外気温度をXとすると、現在の外気温度値Xにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値に相当する絶対湿度値(以下、外気温度値Xにおける絶対湿度の上限値Dxという)を絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を外気温度値Xにおける絶対湿度の上限値Dxとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により、判定時よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、屋内の空気の絶対湿度(以下、内気絶対湿度という)を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0080】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR8にある場合(図6中のP8参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを送風運転に決定し、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部63は、絶対湿度目標値を、判定時すなわち現在の外気温度値に対する下限相対湿度値Cを絶対湿度に換算した値に決定する。具体的には、空調制御部63は、現在の外気温度値を維持し、かつ、判定時すなわち現在の外気絶対湿度値を下限湿度線hcにシフトした値を絶対湿度目標値に決定する。より具体的には、図6に示すように、現在の外気温度をXとすると、現在の外気温度値Xにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値に相当する絶対湿度値(以下、外気温度値Xにおける絶対湿度の下限値Cxという)を絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を外気温度値Xにおける絶対湿度の下限値Cxとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により、判定時よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0081】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR4にある場合(図6中のP4参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。また、空調制御部63は、判定時すなわち現在の外気温度値を上限温度線tbにシフトした温度値すなわち上限温度値Bを温度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により、判定時と同程度の絶対湿度の外気、すなわち、絶対湿度が快適湿度範囲内にある空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、換気運転により上限温度値Bよりも温度の高い外気が屋内に供給されても、冷房運転により屋内の空気の温度(以下、内気温度という)を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0082】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR6にある場合(図6中のP6参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。また、空調制御部63は、判定時すなわち現在の外気温度値を下限温度線taにシフトした温度値すなわち下限温度値Aを温度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により、判定時と同程度の絶対湿度の外気、すなわち、絶対湿度が快適湿度範囲内にある空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、換気運転により下限温度値Aよりも温度の低い外気が屋内に供給されても、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0083】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5にある場合、空調制御部63は、空調機20の運転モードを送風運転に決定し、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により、判定時と同程度の絶対湿度の外気、すなわち、絶対湿度が快適湿度範囲内にある空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0084】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR1にある場合(図6中のP1参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部63は、判定時すなわち現在の外気温度値を下限温度線taにシフトした温度値すなわち下限温度値Aを温度目標値に決定し、下限温度値Aにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値の絶対湿度換算値である上限絶対湿度値Daを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Daとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により、判定時よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、除湿換気運転により下限温度値Aよりも温度の低い外気が屋内に供給されても、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0085】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR3にある場合(図6中のP3参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部63は、判定時すなわち現在の外気温度値を上限温度線tbにシフトした温度値すなわち上限温度値Bを温度目標値に決定し、上限温度値Bにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値の絶対湿度換算値である上限絶対湿度値Dbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Dbとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により、判定時よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内導くことができる。また、除湿換気運転により上限温度値Bよりも温度の高い外気が屋内に供給されても、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0086】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR7にある場合(図6中のP7参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部63は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、下限温度値Aにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値の絶対湿度換算値である下限絶対湿度値Caを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Caとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により、判定時よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、加湿換気運転により下限温度値Aよりも温度の低い外気が屋内に供給されても、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0087】
現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR9にある場合(図6中のP9参照)、空調制御部63は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部63は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、上限温度値Bにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値の絶対湿度換算値である下限絶対湿度値Cbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部61に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Cbとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により、判定時よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、加湿換気運転により上限温度値Bより温度の高い外気が屋内に供給されても、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0088】
なお、本実施形態では、特定部66は、所定時間毎に現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値を特定する。また、空調制御部63は、特定部66によって現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が特定される毎に決定したいずれの範囲AR1〜AR9に現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値があるかを判定し、判定結果に基づいて空調機20及び外調機30の運転内容を決定する自動制御を行う。前記所定時間は、5分〜60分であることが好ましい。
【0089】
(4)外調機による各種運転
次に、外調機30による除湿換気運転、加湿換気運転及び換気運転について説明する。外調機30では、空調制御装置60から送信される制御信号に基づいて外調機制御部39が外調機30の備える各種機器を制御することで、各種運転が実行される。また、除湿換気運転、加湿換気運転及び換気運転では、外調機30の備える給気ファン及び排気ファンが駆動されることで、屋外空気OAが外気吸入口を介して外調機30内に吸入されて給気口を介して室内空間に供給され、屋内空気RAが内気吸入口を介して外調機30内に吸入されて排気口を介して排気空気EAとして屋外に排出される運転が行われる。
【0090】
ここで、除湿換気運転中の動作について説明する。除湿換気運転中には、第1熱交換器34が凝縮器となって第2熱交換器35が蒸発器となる第1動作と、第2熱交換器35が凝縮器となって第1熱交換器34が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。
【0091】
具体的には、第1動作では、第1熱交換器34についての再生動作と、第2熱交換器35についての吸着動作とが並行して行われる。第1動作中は、四路切換弁32が図2に示す実線の状態に切り換えられる。この状態で、圧縮機31から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁32を介して第1熱交換器34に流入し、第1熱交換器34を通過する間に凝縮する。そして、凝縮された冷媒は、膨張弁33で減圧されて、その後、第2熱交換器35を通過する間に蒸発し、四路切換弁32を介して圧縮機31に再び吸入される。
【0092】
また、第1動作(図2(a)参照)中において、第1熱交換器34では、冷媒の凝縮により加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が内気吸入口から吸入された屋内空気RAに付与される。第1熱交換器34から脱離した水分は、屋内空気RAに同伴して排気口を通じて排気空気EAとして屋外へ排出される。また、第2熱交換器35では、屋外空気OA中の水分が吸着剤に吸着されて屋外空気OAが除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱されて冷媒が蒸発する。そして、第2熱交換器35で除湿された屋外空気OAは、給気口を通って供給空気SAとして室内空間へ供給される。
【0093】
第2動作では、第1熱交換器34についての吸着動作と、第2熱交換器35についての再生動作とが並行して行われる。第2動作中は、四路切換弁32が図2に示す破線の状態に切り換えられる。この状態で、圧縮機31から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁32を介して第2熱交換器35に流入し、第2熱交換器35を通過する間に凝縮する。そして、凝縮された冷媒は、膨張弁33で減圧されて、その後、第1熱交換器34を通過する間に蒸発し、四路切換弁32を介して圧縮機31に再び吸入される。
【0094】
第2動作(図2(b)参照)中において、第2熱交換器35では、冷媒の凝縮により加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が内気吸入口から吸入された屋内空気RAに付与される。第2熱交換器35から脱離した水分は、屋内空気RAに同伴して排気口を通じて排気空気EAとして屋外へ排出される。また、第1熱交換器34では、屋外空気OA中の水分が吸着剤に吸着されて屋外空気OAが除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱されて冷媒が蒸発する。そして、第1熱交換器34で除湿された屋外空気OAは、給気口を通って供給空気SAとして室内空間へ供給される。
【0095】
次に、加湿換気運転中の動作について説明する。加湿換気運転中には、第1熱交換器34が凝縮器となって第2熱交換器35が蒸発器となる第1動作と、第2熱交換器35が凝縮器となって第1熱交換器34が蒸発器となる第2動作とが交互に繰り返される。以下、第1動作及び第2動作中における冷媒回路内の冷媒の流れは、上述の除湿換気運転と同様であるため、説明を省略し、第1動作及び第2動作中における空気の流れについてのみ説明する。
【0096】
第1動作(図3(a)参照)中において、第1熱交換器34では、冷媒の凝縮により加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が外気吸入口から吸入された屋外空気OAに付与される。第1熱交換器34から脱離した水分は、屋外空気OAに同伴して給気口を通じて供給空気SAとして室内空間に供給される。また、第2熱交換器35では、屋内空気RA中の水分が吸着剤に吸着されて屋内空気RAが除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱されて冷媒が蒸発する。そして、第2熱交換器35で除湿された屋内空気RAは、排気口を通って排気空気EAとして屋外へ排出される。
【0097】
第2動作(図3(b)参照)中において、第2熱交換器35では、冷媒の凝縮により加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が外気吸気口から吸入された屋外空気OAに付与される。第2熱交換器35から脱離した水分は、屋外空気OAに同伴して給気口を通じて供給空気SAとして室内空間に供給される。また、第1熱交換器34では、屋内空気RA中の水分が吸着剤に吸着されて屋内空気RAが除湿され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱されて冷媒が蒸発する。そして、第1熱交換器34で除湿された屋内空気RAは、排気口を通って排気空気EAとして屋外へ排出される。
【0098】
次に、換気運転中の動作について説明する。換気運転中には、圧縮機31が駆動されない状態で、屋外空気OAが供給空気SAとして室内空間に供給され、屋内空気RAが排気空気EAとして屋外に排出される。このため、換気運転中には、積極的な除湿や加湿の行われていない屋外空気OAが供給空気SAとして室内空間に供給される。
【0099】
(5)空調機による各種運転
次に、空調機20による暖房運転、冷房運転及び送風運転について説明する。空調機20では、空調制御装置60から送信される制御信号に基づいて室内制御部25及び室外制御部29が空調機20の備える各種機器を制御することで、各種運転が実行される。また、暖房運転及び冷房運転では、室内ファンが駆動されることで、屋内空気RAが室内ユニット21内に吸入されて熱交換が行われ、熱交換された屋内空気RAが室内空間に供給される運転が行われる。
【0100】
暖房運転中には、室内熱交換器24が凝縮器として機能し室外熱交換器28が蒸発器として機能するように、四路切換弁27が図4に示す破線の状態に切り換えられる。この状態で、圧縮機26から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁27を介して室内熱交換器24に流入し、室内熱交換器24を通過する間に凝縮する。そして、凝縮された冷媒は、室外膨張弁25bで減圧されて、その後、室外熱交換器28を通過する間に蒸発し、四路切換弁27を介して圧縮機26に再び吸入される。また、このとき、室内ファンが駆動されることで、屋内空気RAが室内ユニット21内に吸入されて熱交換が行われ、熱交換された暖かい空気が室内空間に供給される。
【0101】
また、冷房運転中には、室外熱交換器28が凝縮器として機能し室内熱交換器24が蒸発器として機能するように、四路切換弁27が図4に示す実線の状態に切り換えられる。この状態で、圧縮機26から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁27を介して室外熱交換器28に流入し、室外熱交換器28を通過する間に凝縮する。そして、凝縮された冷媒は、室内膨張弁25aで減圧されて、その後、室内熱交換器24を通過する間に蒸発し、四路切換弁27を介して圧縮機26に再び吸入される。また、このとき、室内ファンが駆動されることで、屋内空気RAが室内ユニット21内に吸入されて熱交換が行われ、熱交換された冷たい空気が室内空間に供給される。
【0102】
また、送風運転中には、圧縮機26が駆動されない状態で、室内ファンが駆動されることで、室内ユニット21内に吸入された屋内空気RAが、室内空間に供給される。このため、送風運転中には、積極的な熱交換の行われていない空気が室内空間に供給される。
【0103】
(6)特徴
(6−1)
室内空間の温度を調整可能な空調機20と室内空間の湿度を調整可能な外調機30とによって、換気の行われる室内空間の環境が所定の温湿度範囲内に導かれるように室内空間の空気の温度及び湿度を調整しようとする場合、従来の空調機20の制御内容は、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の上限値よりも高い場合には冷房運転を行い、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の下限値よりも低い場合には暖房運転を行い、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の上限値から下限値の間にある場合にはサーモオフして送風運転を行うというものであり、従来の外調機30の制御内容は、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値よりも高い場合には除湿換気運転を行い、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値よりも低い場合には加湿換気運転を行い、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値又は所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値に到達した場合には換気運転を行うというものである。さらに、従来では、空調機20に対する目標として、所定の温湿度範囲の温度の上限値又は下限値が温度目標値に決定され、外調機30に対する目標として、所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値、所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最小値、所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最大値、又は、所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値が湿度目標値に決定される。
【0104】
例えば、図8に示すように、所定の温湿度範囲AR5の温度の下限値aにおける湿度の上限値を上限値daとし、所定の温湿度範囲AR5の温度の下限値aにおける湿度の下限値を下限値acとし、所定の温湿度範囲AR5の温度の上限値bにおける湿度の上限値を上限値dbとし、所定の温湿度範囲AR5の温度の上限値bにおける湿度の下限値を下限値cbとした場合、空調機20に対する目標温度値が下限値a又は上限値bに決定され、外調機30に対する目標湿度値が上限値da,下限値ac,上限値db,下限値cbのいずれかに決定される。
【0105】
そして、目標温度値が上限値bに決定され、目標湿度値が上限値dbに決定された場合であって、室内空間の温度及び湿度がAR3にある場合(図8中のP3参照)には、空調機20が冷房運転を行い、外調機30が除湿換気運転を行うことで、室内空間の環境(温度及び湿度)を目標温度値及び目標湿度値に到達させることができる。しかしながら、目標温度値が上限値bに決定され、目標湿度値が上限値dbに決定された場合であって、室内空間の温度及び湿度が図8に示すAR2のP2にある場合には、室内空間の温度が所定の温湿度範囲AR5の温度の上限値bから下限値aの間にあるため、空調機20では送風運転が行われる。一方、外調機30では、室内空間の空気の絶対湿度が、目標湿度値である上限値dbに到達するまでは除湿換気運転が行われ、上限値dbに到達した後には換気運転に切り換わるため、外気の温度及び湿度が所定の温湿度範囲AR5内にない限り、室内空間の温度及び湿度を所定の温湿度範囲AR5内に導くことができない。
【0106】
また、室内空間の温度及び湿度が図8に示すAR2のP2にある場合には、目標温度値を下限値aに決定し、目標湿度値を下限値acに決定することで、室内空間の環境を所定の温湿度範囲AR5内に導くことができるが、所定の温湿度範囲AR5内で最もエネルギーの必要な目標温度及び目標湿度であるため、エネルギー消費量が増加してしまう。
【0107】
そこで、本実施形態では、自動制御において、現在の外気温度値及び現在の外気湿度値のみに基づいて、空調機20及び外調機30の運転モードが決定されている。このため、換気によって室内空間に取り入れられる外気の温度や湿度の環境に応じた制御を行うことができる。したがって、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、外気の温度及び湿度に基づいて空調機の制御内容が決定されるため、室内空間の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。このように、外気の温度及び湿度に応じて空気調和装置10の制御を適切に切り換えることで、室内空間の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0108】
これによって、ユーザの快適性が損なわれないようにすることができる。
【0109】
さらに、本実施形態では、自動制御において、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値の少なくともいずれか一方が目標温湿度範囲AR5内にない場合、すなわち、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が、範囲AR1,範囲AR2,範囲AR3,範囲AR4,範囲AR6,範囲AR7,範囲AR8,範囲AR9のいずれかにある場合には、各範囲に応じた目標温度値及び目標絶対湿度値の少なくともいずれか一方が決定される。
【0110】
また、本実施形態では、自動制御において、現在の外気温度値が目標温湿度範囲AR5内にあり、現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5内にないとき、すなわち、現在の外気温度値が下限温度値Aから上限温度値Bの間にあり、かつ、現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値よりも大きいとき、或いは、現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値よりも小さいときは、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値に基づいて、目標絶対湿度値が決定されている。具体的には、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR2にある場合、空調制御部63は、絶対湿度目標値を、現在の外気温度値に対する上限相対湿度値Dを絶対湿度に換算した値である外気温度値Xにおける絶対湿度の上限値Dxに決定する。上限相対湿度値Dは、下限相対湿度値Cよりも現在の外気絶対湿度値に近い値である。また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR8にある場合、空調制御部63は、絶対湿度目標値を、現在の外気温度値に対する下限相対湿度値Cを絶対湿度に換算した値である外気温度値Xにおける絶対湿度の下限値Cxに決定する。下限相対湿度値Cは、上限相対湿度値Dよりも現在の外気絶対湿度値に近い値である。このように、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値に基づいて、絶対湿度目標値が決定され、外調機30及び空調機20が制御されるため、換気によって室内空間に屋外空気が取り入れられても、ユーザの快適性が損なわれるおそれを低減することができる。
【0111】
また、絶対湿度目標値が、現在の外気温度値に対する快適湿度範囲の上限値である上限相対湿度値Dあるいは下限値である下限相対湿度値Cのうちのいずれか近い方の値に決定されているため、例えば、現在の外気温度値や現在の外気絶対湿度値に関係なく絶対湿度目標値が決定される場合と比較して、省エネルギーを実現することができている。
【0112】
(6−2)
本実施形態では、現在の外気温度値が目標温湿度範囲AR5の温度の下限値である下限温度値Aから目標温湿度範囲AR5の温度の上限値である上限温度値Bまでの間になく、かつ、外気絶対湿度値が、下限温度値A又は上限温度値Bに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値である上限絶対湿度値Da又は上限絶対湿度値Dbよりも大きいとき、或いは、下限温度値A又は上限温度値Bに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値である下限絶対湿度値Ca又は下限絶対湿度値Cbよりも小さいとき、すなわち、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR1,範囲AR3,範囲AR7,範囲AR9のいずれかにある場合には、現在の外気温度値に基づいて目標温度値が決定され、現在の外気絶対湿度値に基づいて目標絶対湿度値が決定されている。具体的には、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR1にある場合、空調制御部63は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、上限絶対湿度値Daを絶対湿度目標値に決定する。現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR3にある場合、空調制御部63は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、上限絶対湿度値Dbを絶対湿度目標値に決定する。現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR7にある場合、空調制御部63は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、下限絶対湿度値Caを絶対湿度目標値に決定する。現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR9にある場合、空調制御部63は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、下限絶対湿度値Cbを絶対湿度目標値に決定する。このように、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値に基づいて温度目標値及び絶対湿度目標値を決定することができるため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、ユーザの快適性が損なわれるおそれを低減することができる。
【0113】
また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR1にある場合、下限温度値Aは上限温度値Bよりも現在の外気温度値に近い値である。また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR1にある場合、上限絶対湿度値Daは、下限絶対湿度値Caよりも現在の外気絶対湿度に近い値である。現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR3にある場合、上限温度値Bは下限温度値Aよりも現在の外気温度値に近い値である。また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR3にある場合、上限絶対湿度値Dbは、下限絶対湿度値Cbよりも現在の外気絶対湿度に近い値である。現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR7にある場合、下限温度値Aは上限温度値Bよりも現在の外気温度値に近い値である。また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR7にある場合、下限絶対湿度値Caは、上限絶対湿度値Daよりも現在の外気絶対湿度に近い値である。現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR9にある場合、上限温度値Bは下限温度値Aよりも現在の外気温度値に近い値である。また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR9にある場合、下限絶対湿度値Cbは、上限絶対湿度値Dbよりも現在の外気絶対湿度に近い値である。このため、例えば、現在の外気温度値や現在の外気絶対湿度値に関係なく温度目標値及び絶対湿度目標値が決定される場合と比較して、省エネルギーを実現することができている。
【0114】
(6−3)
本実施形態では、現在の外気温度値が目標温湿度範囲AR5の温度の下限値である下限温度値Aから目標温湿度範囲AR5の温度の上限値である上限温度値Bまでの間になく、かつ、外気絶対湿度値が、下限温度値Aに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値である下限絶対湿度値Caから下限温度値Aに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値である上限絶対湿度値Daの間にあるとき、或いは、上限温度値Bに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値である下限絶対湿度値Cbから上限温度値Bに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値である上限絶対湿度値Caの間にある場合には、温度目標値が、下限温度値A或いは上限温度値Bのうち現在の外気温度値に近い方の値に決定される。具体的には、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR4にある場合、空調制御部63は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR6にある場合、空調制御部63は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。このように、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値に基づいて空調機及び外調機の運転モードや温度目標値を決定することができるため、室内空間の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0115】
また、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR4にある場合、上限温度値Bは下限温度値Aよりも現在の外気温度値に近い値である。さらに、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR6にある場合、下限温度値Aは上限温度値Bよりも現在の外気温度値に近い値である。このように、目標温度値が、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値に基づいて決定されることで、現在の外気温度値や現在の外気絶対湿度値に関係なく温度目標値が決定される場合と比較して、省エネルギーを実現することができている。
【0116】
(6−4)
本実施形態では、特定部66によって現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が特定される毎、すなわち、所定時間毎に、空調制御部63による自動制御が行われている。このため、換気によって室内空間に取り入れられる屋外空気の温度や湿度の変化に応じて空調機20や外調機30の運転モード等を決定することができている。
【0117】
(6−5)
本実施形態では、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR1、範囲AR2あるいは範囲AR3にある場合、すなわち、現在の外気絶対湿度値が現在の外気温度値に対する上限相対湿度値Dよりも大きい場合には、外調機30において除湿換気運転が行われている。これにより、現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5すなわち快適湿度範囲の上限相対湿度値Dよりも大きい場合には、除湿された空気が供給空気SAとして室内空間に供給されるため、室内空間の環境を目標温湿度範囲AR5内に導きやすくすることができている。
【0118】
また、本実施形態では、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR7、範囲AR8あるいは範囲AR9にある場合、すなわち、現在の外気絶対湿度値が現在の外気温度値に対する下限相対湿度値Cよりも小さい場合には、外調機30において加湿換気運転が行われている。これにより、現在の外気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5すなわち快適湿度範囲の下限相対湿度値Cよりも小さい場合には、加湿された空気が供給空気SAとして室内空間に供給されるため、室内空間の環境を目標温湿度範囲AR5内に導きやすくすることができている。
【0119】
(6−6)
本実施形態では、温度目標値及び絶対湿度目標値が、外気温度値あるいは外気絶対湿度値に応じて決定されているため、省エネルギーを実現することができ、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導くことができる。
【0120】
(6−7)
本実施形態では、室内空間の環境の目標を、1点ではなく、範囲(本実施形態における目標温湿度範囲AR5)として設定し、空調機20及び外調機30を制御している。また、設定した目標温湿度範囲AR5に基づいて複数の範囲AR1,AR2,AR3,AR4,AR6,AR7,AR8,AR9を更に決定し、現在の屋外の環境が、決定した複数の範囲AR1,AR2,AR3,AR4,AR5,AR6,AR7,AR8,AR9のいずれの範囲にあるかを特定し、特定した範囲に応じて空調機20及び外調機30の制御内容を決定している。
【0121】
(7)変形例
(7−1)変形例1A
上記実施形態では、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR2あるいは範囲AR8にある場合には、空調機20の運転モードが送風運転に決定されている。これに代えて、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR2あるいは範囲AR8にある場合には、空調機20の運転が停止されてもよい。すなわち、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が範囲AR2あるいは範囲AR8にある場合には、圧縮機26及び室内ファンが駆動されなくてもよい。
【0122】
(7−2)変形例1B
上記実施形態では、快適温度範囲は、ユーザが上限温度値Bと下限温度値Aとを入力することで設定されており、快適湿度範囲は、ユーザが上限相対湿度値Dと下限相対湿度値Cとを入力することで設定されている。しかしながら、快適温度範囲及び快適湿度範囲の設定方法はこれに限定されない。例えば、快適温度Eと温度許容範囲±Fとがユーザによって入力されることで快適温度範囲が設定され、快適湿度Gと湿度許容範囲±Hとがユーザによって入力されることで快適湿度範囲が設定されてもよい。
【0123】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る空調制御装置160について説明する。なお、空調制御装置160以外の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため、ここでは、(3)空調制御装置160についてのみ説明を行い、空調制御装置160以外の構成である(1)外調機及び(2)空調機については説明を省略する。また、本実施形態においては、外調機30の運転及び空調機20の運転についても第1実施形態と同様の運転であるため、(4)外調機による各種運転及び(5)空調機による各種運転についての説明を省略する。
【0124】
(3)空調制御装置
空調制御装置160は、図9に示すように、制御部165と、入力部162とを備えている。なお、入力部162の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。また、制御部165の備える通信部161及び記憶部164の構成は、第1実施形態と同様の構成であるため説明を省略する。
【0125】
特定部166は、温度センサ21aによって検出される内気温度値を、現在の内気温度値として特定する。温度センサ21aは、室内ユニット21の備えるセンサであって、内気温度値(屋内空気RAの温度値)を検出する。また、温度センサ21aによって検出された内気温度値は、室内制御部25を介して空調制御装置160に送信される。また、特定部166は、絶対湿度を検出する湿度センサ21bによって検出された内気絶対湿度値を、現在の内気絶対湿度値として特定する。湿度センサ21bは、室内ユニット21の備えるセンサであって、内気絶対湿度値(屋内空気RAの絶対湿度値)を検出する。また、湿度センサ21bによって検出された内気絶対湿度値は、室内制御部25を介して空調制御装置160に送信される。なお、本実施形態では、湿度センサ21bは絶対湿度を検出するセンサであるが、例えば、湿度センサが相対湿度を検出するセンサである場合には、特定部によって、湿度センサによって検出される内気相対湿度値と温度センサによって検出される内気温度値とから絶対湿度値が算出され、算出された絶対湿度値が現在の内気絶対湿度値として特定されてもよい。
【0126】
空調制御部163は、快適温度範囲及び快適湿度範囲から目標温湿度範囲AR5を決定する。また、空調制御部163は、決定した目標温湿度範囲AR5内に室内空間の環境が導かれるように、空調機20及び外調機30を連携して制御する自動制御を行う。なお、空調制御部による目標温湿度範囲AR5を含む複数の温湿度範囲AR1〜AR9の決定手段は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する(図10参照)。
【0127】
空調制御部163は、自動制御において、特定部166によって特定された現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が、決定したいずれの範囲AR1〜AR9にあるかを判定(把握)する。そして、空調制御部163は、図11に示すテーブルを参照して、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値を含む範囲に基づいて、外調機30及び空調機20の運転内容を選択し、選択した運転内容に基づいて外調機30及び空調機20の運転モード等を決定する。
【0128】
次に、空調制御部163が、外調機30及び空調機20の運転内容をどのように選択し、選択した運転内容に基づいて外調機30及び空調機20の運転モード等をどのように決定するかについて、図11を用いて説明する。図11は、外調機30及び空調機20の運転内容を、内気温度値及び内気絶対湿度値の位置する範囲毎に表したテーブルである。本実施形態に係る空調機20の運転モードには、暖房運転、送風運転及び冷房運転が含まれる。また、本実施形態に係る外調機30の運転モードには、除湿換気運転、換気運転及び加湿換気運転が含まれる。なお、図11のテーブルは、空調制御部163の備える記憶部164に記憶されている。
【0129】
具体的には、空調制御部163は、特定部166によって特定された現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5内にあるか否かを判定する。また、空調制御部163は、特定部166によって特定された現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5内にない場合には、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が決定した各範囲AR1〜AR9のいずれの範囲にあるかを更に判定する。次に、空調制御部163は、図11のテーブル内から判定した範囲AR1〜AR9に応じた空調機20及び外調機30の運転モードを選択して抽出し、かつ、図11のテーブル内から特定した範囲に応じた空調機20及び外調機30の目標温度及び目標絶対湿度を選択して抽出する。そして、空調制御部163は、抽出した各運転モードが行われるように制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部161に送信する。また、空調制御部163は、抽出した目標温度の温度値を温度目標値に決定し、決定した温度目標値に関する信号を通信部161に送信するとともに、抽出した目標絶対湿度の絶対湿度値を絶対湿度目標値に決定し、決定した絶対湿度目標値に関する信号を通信部161に送信する。
【0130】
現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2にある場合(図10中のP2参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転あるいは暖房運転のいずれかに決定する。具体的には、空調制御部163は、温度センサ37によって検出される外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、内気温度値が外気温度値以上である場合には、空調機20の運転モードを暖房運転に決定する。また、空調制御部163は、温度センサ37によって検出される外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、内気温度値が外気温度値未満である場合には、空調機20の運転モードを冷房運転に決定する。また、空調制御部163は、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。さらに、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気温度値を、温度目標値に決定する。また、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気温度値に対する上限相対湿度値Dを絶対湿度に換算した値を、目標絶対湿度に決定する。具体的には、空調制御部163は、現在の内気温度値を維持し、かつ、判定時すなわち内気絶対湿度値を上限湿度線hdにシフトした値を絶対湿度目標値に決定する。より具体的には、図10に示すように、現在の内気温度値をYとすると、現在の内気温度値Yにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値に相当する絶対湿度値(以下、内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyという)を絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では目標温度を判定時の内気温度値Yとした冷房運転あるいは暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyとした除湿換気運転が実行される。これにより、判定時の内気温度を維持しながら、内気絶対湿度を下げることができる。
【0131】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR8にある場合(図10中のP8参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転あるいは暖房運転のいずれかに決定する。具体的には、空調制御部163は、温度センサ37によって検出される外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、内気温度値が外気温度値以上である場合には、空調機20の運転モードを暖房運転に決定する。また、空調制御部163は、温度センサ37によって検出される外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、内気温度値が外気温度値未満である場合には、空調機20の運転モードを冷房運転に決定する。また、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。さらに、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気温度値を、温度目標値に決定する。また、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気温度値に対する下限相対湿度値Cを絶対湿度に換算した値を、目標絶対湿度に決定する。具体的には、空調制御部163は、現在の内気温度値を維持し、かつ、判定時すなわち内気絶対湿度値を下限湿度線hcにシフトした値を絶対湿度目標値に決定する。より具体的には、図10に示すように、現在の内気温度値をYとすると、現在の内気温度値Yにおける目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値に相当する絶対湿度値(以下、内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyという)を絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では目標温度を判定時の内気温度値Yとした冷房運転あるいは暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyとした加湿換気運転が実行される。これにより、判定時の内気温度を維持しながら、内気絶対湿度を上げることができる。
【0132】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR4にある場合(図10中のP4参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定する。また、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転あるいは除湿換気運転のいずれかに決定する。具体的には、空調制御部163は、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値と現在の内気絶対湿度値とを比較して、内気絶対湿度値が外気絶対湿度値以上である場合には、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値と現在の内気絶対湿度値とを比較して、内気絶対湿度値が外気絶対湿度値未満である場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、上限温度値Bを温度目標値に決定する。さらに、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気絶対湿度値を、目標絶対湿度に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では目標絶対湿度を現在の内気絶対湿度値とした除湿換気運転あるいは加湿換気運転が実行される。これにより、判定時の内気絶対湿度を維持しながら、内気温度を下げることができる。
【0133】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR6にある場合(図10中のP6参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定する。また、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転あるいは除湿換気運転のいずれかに決定する。具体的には、空調制御部163は、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値と現在の内気絶対湿度値とを比較して、内気絶対湿度値が外気絶対湿度値以上である場合には、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値と現在の内気絶対湿度値とを比較して、内気絶対湿度値が外気絶対湿度値未満である場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、下限温度値Aを温度目標値に決定する。さらに、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気絶対湿度値を、目標絶対湿度に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では目標絶対湿度を現在の内気絶対湿度値とした除湿換気運転あるいは加湿換気運転が実行される。これにより、判定時の内気絶対湿度を維持しながら、内気温度を上げることができる。
【0134】
現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5にある場合、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転あるいは暖房運転に決定する。具体的には、空調制御部163は、温度センサ37によって検出される外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、内気温度値が外気温度値以上である場合には、空調機20の運転モードを暖房運転に決定する。また、空調制御部163は、温度センサ37によって検出される外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、内気温度値が外気温度値未満である場合には、空調機20の運転モードを冷房運転に決定する。また、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転あるいは除湿換気運転のいずれかに決定する。具体的には、空調制御部163は、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値と現在の内気絶対湿度値とを比較して、内気絶対湿度値が外気絶対湿度値以上である場合には、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値と現在の内気絶対湿度値とを比較して、内気絶対湿度値が外気絶対湿度値未満である場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気温度値を、温度目標値に決定する。さらに、空調制御部163は、判定時すなわち現在の内気絶対湿度値を、目標絶対湿度に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を現在の内気温度値とした冷房運転あるいは暖房運転が実行され、外調機30では目標絶対湿度を現在の内気絶対湿度値とした除湿換気運転あるいは加湿換気運転が実行される。これにより、判定時の内気温度及び判定時の内気絶対湿度を維持することができる。
【0135】
さらに、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR1にある場合(図10中のP1参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、上限絶対湿度値Daを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Daとした除湿換気運転が実行される。また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR3にある場合(図10中のP3参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、上限絶対湿度値Dbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Dbとした除湿換気運転が実行される。また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR7にある場合(図10中のP7参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、下限絶対湿度値Caを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Caとした加湿換気運転が実行される。また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR9にある場合(図10中のP9参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、下限絶対湿度値Cbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Cbとした加湿換気運転が実行される。
【0136】
なお、本実施形態では、特定部166は、所定時間毎に現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値を特定する。また、空調制御部163は、特定部166によって現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が特定される毎に決定したいずれの範囲AR1〜AR9に現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値があるかを判定し、判定結果に基づいて空調機20及び外調機30の運転内容を決定する自動制御を行う。前記所定時間は、5分〜60分であることが好ましい。
【0137】
(6)特徴
(6−1)
室内空間の温度を調整可能な空調機20と室内空間の湿度を調整可能な外調機30とによって、換気の行われる室内空間の環境が所定の温湿度範囲内に導かれるように室内空間の空気の温度及び湿度を調整しようとする場合、従来の空調機20の制御内容は、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の上限値よりも高い場合には冷房運転を行い、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の下限値よりも低い場合には暖房運転を行い、室内空間の空気の温度が所定の温湿度範囲の温度の上限値から下限値の間にある場合にはサーモオフして送風運転を行うというものであり、従来の外調機30の制御内容は、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値よりも高い場合には除湿換気運転を行い、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値よりも低い場合には加湿換気運転を行い、室内空間の空気の湿度が所定の温湿度範囲の温度の上限値における絶対湿度換算値の最大値又は所定の温湿度範囲の温度の下限値における絶対湿度換算値の最小値に到達した場合には換気運転を行うというものである。しかしながら、空調機20及び外調機30がこのように制御される場合、室内空間の環境及び屋外の環境によっては、室内空間の環境を所定の温湿度範囲内に導くことができないことがある。
【0138】
そこで、本実施形態では、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値のいずれか一方が目標温湿度範囲AR5内にないときは、現在の外気温度値又は現在の外気絶対湿度値に基づいて空調機20及び外調機30の制御内容が決定される。具体的には、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が、範囲AR2、範囲AR4、範囲AR6及び範囲AR8のいずれかにある場合には、内気の温度や湿度だけでなく、換気によって室内空間に取り入れられる外気の温度や湿度の環境に応じた制御を行うことができる。このように、内気及び外気の温度や湿度に基づいて空調機20及び外調機30の制御内容が決定されるため、内気温度の環境を目標温湿度範囲AR5に導くことができる。
【0139】
これによって、ユーザの快適性が損なわれないようにすることができている。
【0140】
(6−2)
本実施形態では、現在の内気温度値が目標温湿度範囲AR5の温度の下限値である下限温度値Aから目標温湿度範囲AR5の温度の上限値である上限温度値Bの間になく、現在の内気絶対湿度値が下限温度値Aに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値である下限絶対湿度値Caから下限温度値Aに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値である上限絶対湿度値Daの間にある場合、すなわち、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR6にある場合、又は、現在の内気温度値が目標温湿度範囲AR5の温度の下限値である下限温度値Aから目標温湿度範囲AR5の温度の上限値である上限温度値Bの間になく、現在の内気絶対湿度値が上限温度値Bに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値である下限絶対湿度値Cbから上限温度値Bに対する目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値である上限絶対湿度値Dbの間にある場合、すなわち、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR4にある場合には、現在の内気絶対湿度値が維持されるように、現在の外気絶対湿度値及び現在の内気絶対湿度値に基づいて外調機30の制御内容が決定される。このように、外気絶対湿度値や内気絶対湿度値に基づいて外調機30の制御内容が決定されるため、換気によって室内空間に外気が取り入れられても、室内空間の環境を目標温湿度範囲AR5内に導きやすくすることができる。
【0141】
(6−3)
本実施形態では、自動制御において、現在の内気温度値が目標温湿度範囲AR5の温度の下限値である下限温度値Aから目標温湿度範囲AR5の温度の上限値である上限温度値Bの間にあり、現在の内気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5の湿度の上限値よりも大きい場合、すなわち、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2にある場合、又は、現在の内気温度値が目標温湿度範囲AR5の温度の下限値である下限温度値Aから目標温湿度範囲AR5の温度の上限値である上限温度値Bの間にあり、現在の内気絶対湿度値が目標温湿度範囲AR5の湿度の下限値よりも小さい場合、すなわち、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR8にある場合には、外気温度値と現在の内気温度値とを比較して、空調機20の運転モードが冷房運転あるいは暖房運転に決定されている。このように、室内空間及び屋外の環境に応じて空調機20が制御されることで、室内空間の環境を目標温湿度範囲AR5内に導きやすくすることができる。
【0142】
これによって、ユーザの快適性が損なわれるおそれを低減することができている。
【0143】
また、本実施形態では、内気温度値及び内気絶対湿度値が範囲AR2、AR4、AR5、AR6、AR8にある場合、すなわち、内気温度値や内気絶対湿度値に基づいて空調機20や外調機30の運転モードを決定すると、換気によって室内空間に取り込まれる屋外空気OAの温度や湿度の影響が大きくなる場合には、外気温度あるいは外気絶対湿度に基づいて空調機20及び外調機30の運転モードが決定されている。このため、換気によって室内空間に取り込まれる屋外空気OAの温度や湿度の影響が大きくなる場合であっても、室内空間の環境を目標温湿度範囲AR5内に導きやすくすることができる。
【0144】
これによって、ユーザの快適性が損なわれるおそれを低減することができる。
【0145】
さらに、本実施形態では、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2にある場合、現在の内気温度値に対する上限相対湿度値Dを絶対湿度に換算した値である内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyが目標絶対湿度に決定されている。また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR8にある場合、現在の内気温度値に対する下限相対湿度値Cを絶対湿度に換算した値である内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyが目標絶対湿度に決定されている。このように、絶対湿度目標値が、現在の内気温度値に対する快適湿度範囲の上限値である上限相対湿度値Dあるいは下限値である下限相対湿度値Cのうちのいずれか近い方の値に決定されているため、例えば、現在の内気温度値や現在の内気絶対湿度値に関係なく絶対湿度目標値が決定される場合と比較して、省エネルギーを実現することができている。
【0146】
(6−4)
本実施形態では、特定部166によって現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が特定される毎、すなわち、所定時間毎に、空調制御部163による自動制御が行われている。このため、換気によって室内空間に取り入れられる屋外空気の温度や湿度の変化に応じて空調機20や外調機30の運転モード等を決定することができている。
【0147】
(6−5)
本実施形態では、温度目標値及び絶対湿度目標値が内気温度値あるいは内気絶対湿度値に応じて決定されているため、省エネルギーを実現することができ、かつ、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導くことができる。
【0148】
(6−6)
本実施形態では、室内空間の環境の目標を、1点ではなく、範囲(本実施形態における目標温湿度範囲AR5)として設定し、空調機20及び外調機30を制御している。また、設定した目標温湿度範囲AR5に基づいて複数の範囲AR1,AR2,AR3,AR4,AR6,AR7,AR8,AR9を更に決定し、現在の室内空間の環境を、決定した複数の範囲AR1,AR2,AR3,AR4,AR5,AR6,AR7,AR8,AR9のいずれの範囲にあるかを特定し、特定した範囲に応じて空調機20及び外調機30の制御内容を決定している。
【0149】
(7)変形例
(7−1)変形例2A
上記実施形態では、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2、AR4、AR5、AR6、AR8にある場合には、外気温度値及び内気温度値を比較した結果に基づいて、空調機20あるいは外調機30の運転モードが決定されている。
【0150】
これに代えて、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2、AR4、AR5、AR6、AR8にある場合には、外気温度値及び外気絶対湿度値に基づいて空調機20あるいは外調機30の運転モードが決定されてもよい。
【0151】
例えば、記憶部164に図11のテーブル及び図12のテーブルが記憶されており、特定部166によって、温度センサ21aによって検出される内気温度値が現在の内気温度値として特定され、湿度センサ21bによって検出された内気絶対湿度値が現在の内気絶対湿度値として特定され、温度センサ37によって検出される外気温度値が現在の外気温度値として特定され、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値が現在の外気絶対湿度値として特定される場合には、空調制御部163は、自動制御において、まず、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が、決定した各範囲AR1〜AR9のいずれの範囲にあるかを判定する。そして、空調制御部163は、現在の内気温度値及び現在の内気湿度値が、範囲AR1、AR3、AR7、AR9にあると判定した場合には、第2実施形態と同様に、空調機20及び外調機30の運転モードを決定する(図12参照)。また、空調制御部163は、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2、AR4、AR5、AR6、AR8にあると判定した場合、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値が、決定した各範囲AR1〜AR9のいずれの範囲にあるかを更に判定する(図12参照)。そして、空調制御部163は、現在の外気温度値及び現在の外気絶対湿度値があると判定した範囲AR1〜AR9に応じた空調機20及び外調機30の運転モードを図7のテーブル内から選択して抽出し、かつ、判定した範囲に応じた空調機20及び外調機30の目標温度及び目標絶対湿度を図7のテーブル内から選択して抽出する。そして、空調制御部163は、抽出した各運転モードが行われるように制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部161に送信する。また、空調制御部163は、抽出した目標温度の温度値を温度目標値に決定し、決定した温度目標値に関する信号を通信部161に送信するとともに、抽出した目標絶対湿度の絶対湿度値を絶対湿度目標値に決定し、決定した絶対湿度目標値に関する信号を通信部161に送信する。
【0152】
このように、内気温度値や内気絶対湿度値に基づいて空調機20や外調機30の運転モードを決定すると、換気によって室内空間に取り込まれる屋外空気OAの温度や湿度の影響が大きくなる場合(内気温度値及び内気絶対湿度値が範囲AR2、AR4、AR5、AR6、AR8にある場合)には、外気温度及び外気絶対湿度に基づいて空調機20及び外調機30の運転モード等が決定されることで、室内空間の環境を目標温湿度範囲内に導きやすくすることができる。
【0153】
これによって、ユーザの快適性が損なわれるおそれを低減することができる。
【0154】
(7−2)変形例2B
上記実施形態では、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2、AR4、AR5、AR6、AR8にある場合には、外気の温度或いは湿度と内気の温度或いは湿度とを比較した結果に基づいて、空調機20或いは外調機30の運転モードが決定されている。
【0155】
これに代えて、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR1、AR2、AR4、AR5、AR6、AR8、AR9にある場合には、外気絶対湿度値に基づいて外調機30の運転モードが決定されてもよい。
【0156】
例えば、記憶部164に図13のテーブルが記憶されており、特定部166によって、温度センサ21aによって検出される内気温度値が現在の内気温度値として特定され、湿度センサ21bによって検出された内気絶対湿度値が現在の内気絶対湿度値として特定され、湿度センサ38によって検出される外気絶対湿度値が現在の外気絶対湿度値として特定される場合には、空調制御部163は、自動制御において、まず、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が、決定した各範囲AR1〜AR9のいずれの範囲にあるかを判定する。
【0157】
次に、空調制御部163は、判定した各範囲AR1〜AR9に応じた空調機20及び外調機30の運転モードを図13のテーブル内から選択して抽出し、かつ、空調機20及び外調機30の目標温度及び目標絶対湿度を図13のテーブル内から選択して抽出する。そして、空調制御部163は、抽出した各運転モードが行われるように制御信号を生成し、生成した制御信号を通信部161に送信する。また、空調制御部163は、抽出した目標温度の温度値を温度目標値に決定し、決定した温度目標値に関する信号を通信部161に送信するとともに、抽出した目標絶対湿度の絶対湿度値を絶対湿度目標値に決定し、決定した絶対湿度目標値に関する信号を通信部161に送信する。
【0158】
具体的には、空調制御部163が、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR3にあると判定した場合(図10中のP3参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、上限温度値Bを温度目標値に決定し、上限絶対湿度値Dbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Dbとした除湿換気運転が実行される。また、空調制御部163が、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR7にあると判定した場合(図10中のP7参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定する。また、空調制御部163は、下限温度値Aを温度目標値に決定し、下限絶対湿度値Caを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Caとした加湿換気運転が実行される。
【0159】
また、空調制御部163は、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が、範囲AR1、AR2、AR4、AR5、AR6、AR8、AR9のいずれかにあると判定した場合、現在の外気絶対湿度値と、上限絶対湿度値Da,Db、下限絶対湿度値Ca,Cb、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dy、或いは、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyと、を比較する(図13参照)。
【0160】
例えば、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR1にある場合(図10中のP1参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、下限温度値Aを温度目標値に決定する。
【0161】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と上限絶対湿度値Daとを比較して、現在の外気絶対湿度値が、上限絶対湿度値Da以下の範囲、或いは、上限絶対湿度値Daより大きい範囲のいずれに属するかを判定する。
【0162】
そして、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Daより大きい範囲に属すると判定した場合、すなわち、外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Daよりも大きい場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定し、上限絶対湿度値Daを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Daとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により判定時の内気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0163】
一方、現在の外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Da以下の範囲に属すると判定した場合、すなわち、外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Da以下である場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により判定時の内気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0164】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR2にある場合(図10中のP2参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを送風運転に決定する。
【0165】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyとを比較して、外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dy以下の範囲、或いは、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyより大きい範囲のいずれに属するかを判定する。
【0166】
そして、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyより大きい範囲に属すると判定した場合、すなわち、外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyよりも大きい場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定し、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0167】
一方、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dy以下の範囲に属すると判定した場合、すなわち、外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dy以下である場合には、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により判定時の内気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0168】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR4にある場合(図10中のP4参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、上限温度値Bを温度目標値に決定する。
【0169】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と、下限絶対湿度値Cb及び上限絶対湿度値Dbとを比較して、外気絶対湿度値が、下限絶対湿度値Cb未満の範囲、下限絶対湿度値Cbから上限絶対湿度値Dbまでの範囲、或いは、上限絶対湿度値Dbより大きい範囲のいずれに属するかを判定する。
【0170】
そして、現在の外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cb未満の範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cbよりも小さい場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定し、下限絶対湿度値Cbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Cbとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内で維持することができる。また、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0171】
一方、現在の外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cbから上限絶対湿度値Dbまでの範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度が下限絶対湿度値Cb以上でありかつ上限絶対湿度値Db以下である場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により絶対湿度が下限絶対湿度値Cb以上でありかつ上限絶対湿度値Db以下の空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内で維持することができる。また、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0172】
他方、現在の外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Dbより大きい範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Dbよりも大きい場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定し、上限絶対湿度値Dbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Dbとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内で維持することができる。また、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0173】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR5にある場合(図10中のP5参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを送風運転に決定する。
【0174】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dy及び現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyとを比較して、外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy未満の範囲、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyから現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyまでの範囲、或いは、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyより大きい範囲のいずれに属するかを判定する。
【0175】
そして、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy未満の範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyよりも小さい場合には、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定し、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されることで内気絶対湿度を下がり難くすることができるため、内気絶対湿度が快適湿度範囲内で維持されやすくなる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に維持することができる。
【0176】
一方、現在の外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyから現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyまでの範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy以上であり、かつ現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dy以下である場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により絶対湿度が下限絶対湿度値Cb以上でありかつ上限絶対湿度値Db以下の空気(外気)が屋内に供給されることで、内気絶対湿度が快適湿度範囲内で維持されやすくなる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に維持することができる。
【0177】
他方、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyより大きい範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyよりも大きい場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定し、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の上限値Dyとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されることで、内気絶対湿度が快適湿度範囲内で維持されやすくなる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に維持することができる。
【0178】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR6にある場合(図10中のP6参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを暖房運転に決定し、下限温度値Aを温度目標値に決定する。
【0179】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と、下限絶対湿度値Ca及び上限絶対湿度値Daとを比較して、外気絶対湿度値が、下限絶対湿度値Ca未満の範囲、下限絶対湿度値Caから上限絶対湿度値Daまでの範囲、或いは、上限絶対湿度値Daより大きい範囲のいずれに属するかを判定する。
【0180】
そして、現在の外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Ca未満の範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Caよりも小さい場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定し、下限絶対湿度値Caを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Caとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内で維持することができる。また、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0181】
一方、現在の外気絶対湿度値が、下限絶対湿度値Caから上限絶対湿度値Daまでの範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度が下限絶対湿度値Ca以上でありかつ上限絶対湿度値Da以下である場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により絶対湿度が下限絶対湿度値Ca以上でありかつ上限絶対湿度値Da以下の空気(外気)が屋内に供給されることで、内気絶対湿度が快適湿度範囲内で維持されやすくなる。また、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0182】
他方、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Daより大きい範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が上限絶対湿度値Daよりも大きい場合には、外調機30の運転モードを除湿換気運転に決定し、上限絶対湿度値Daを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を下限温度値Aとした暖房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を上限絶対湿度値Daとした除湿換気運転が実行される。この結果、除湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の低い空気(外気)が屋内に供給されることで、内気絶対湿度を快適湿度範囲内で維持することができる。また、暖房運転により内気温度を上げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0183】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR8にある場合(図10中のP8参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを送風運転に決定する。
【0184】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyとを比較して、外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy未満の範囲、或いは、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy以上の範囲のいずれに属するかを判定する。
【0185】
そして、現在の外気絶対湿度値が、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy未満の範囲、すなわち、外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyよりも小さい場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定し、現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cyとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0186】
一方、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy以上の範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が現在の内気温度値Yにおける絶対湿度の下限値Cy以上である場合には、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では送風運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により判定時の内気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0187】
また、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が範囲AR9にある場合(図10中のP9参照)、空調制御部163は、空調機20の運転モードを冷房運転に決定し、上限温度値Bを温度目標値に決定する。
【0188】
さらに、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値と下限絶対湿度値Cbとを比較して、外気絶対湿度値が、下限絶対湿度値Cb未満の範囲、或いは、下限絶対湿度値Cb以上の範囲のいずれに属するかを判定する。
【0189】
そして、現在の外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cb未満の範囲、すなわち、外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cbよりも小さい場合には、空調制御部163は、外調機30の運転モードを加湿換気運転に決定し、下限絶対湿度値Cbを絶対湿度目標値に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では絶対湿度目標値を下限絶対湿度値Cbとした加湿換気運転が実行される。この結果、加湿換気運転により判定時の外気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0190】
一方、空調制御部163は、現在の外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cb以上の範囲に属する場合、すなわち、外気絶対湿度値が下限絶対湿度値Cb以上である場合には、外調機30の運転モードを換気運転に決定する。この場合、制御信号が通信部161に送信されることで、空調機20では温度目標値を上限温度値Bとした冷房運転が実行され、外調機30では換気運転が実行される。この結果、換気運転により判定時の内気絶対湿度よりも絶対湿度の高い空気(外気)が屋内に供給されるため、内気絶対湿度を快適湿度範囲内に導くことができる。また、冷房運転により内気温度を下げることができるため、内気温度を快適温度範囲内に導くことができる。これにより、屋内の環境を、目標温湿度範囲AR5内に導くことができる。
【0191】
このように、現在の内気温度値及び現在の内気絶対湿度値が、範囲AR1、AR2、AR4、AR5、AR6、AR8、AR9のいずれかにある場合には、外気絶対湿度値に基づいて外調機30の運転モードが決定されることで、室内空間の環境を目標温湿度範囲AR5内に導きやすくすることができる。
【0192】
これによって、ユーザの快適性が損なわれるおそれを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明の空調制御装置は、換気が行われてもユーザの快適性が損なわれないように空調機を制御することができるため、換気が常に行われている建物に設置される空調機への適用が有効である。
【符号の説明】
【0194】
20 空調機(第2空調機)
25 室内制御部(温度調整部)
29 室外制御部(温度調整部)
30 外調機(第1空調機)
39 外調機制御部(湿度調整部/換気部)
60 空調制御装置
63,163 空調制御部
66,166 特定部(現在温度特定部/現在湿度特定部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0195】
【特許文献1】特開2005−49059号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を取り入れる換気が行われる室内空間の環境を、温度調整部(25,29)と湿度調整部(39)とを有する空調機を制御することで調整する空調制御装置であって、
現在の外気温度を特定する外気温度特定部(66)と、
現在の外気絶対湿度を特定する外気湿度特定部(66)と、
ユーザの設定から決定される目標温湿度範囲(AR5)内に前記室内空間の環境が導かれるように、前記空調機の自動制御を行う制御部(63)と、
を備え、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気温度特定部によって特定される外気温度値及び前記外気湿度特定部によって特定される外気絶対湿度値のみに基づいて、前記空調機の制御内容を決定する、
空調制御装置(60)。
【請求項2】
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気温度値と前記外気絶対湿度値とが、前記目標温湿度範囲内にあるか否かを把握し、
前記外気温度値及び前記外気絶対湿度値の少なくともいずれか一方が前記目標温湿度範囲内にないときは、前記外気温度値及び前記外気絶対湿度値に基づいて温度目標値及び絶対湿度目標値の少なくともいずれか一方を決定する、
請求項1に記載の空調制御装置。
【請求項3】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、かつ、前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいとき或いは前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、前記絶対湿度目標値を、前記外気温度値に対する前記目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち前記外気絶対湿度値に近い方の値に決定し、
決定した前記絶対湿度目標値に前記室内空間の環境が導かれるように、前記温度調整部及び前記湿度調整部の制御内容を決定する、
請求項2に記載の空調制御装置。
【請求項4】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき或いは前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、前記外気温度値に基づいて前記温度目標値を決定し、かつ、前記外気絶対湿度値に基づいて前記絶対湿度目標値を決定し、
決定した前記温度目標値及び前記絶対湿度目標値に前記室内空間の環境が導かれるように、前記温度調整部及び前記湿度調整部の制御内容を決定する、
請求項2又は3に記載の空調制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき或いは前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値又は上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、
前記温度目標値を、前記目標温湿度範囲の温度の上限値或いは下限値のうち前記外気温度値に近い方の値に決定し、
前記絶対湿度目標値を、決定した前記温度目標値に対する前記目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち前記外気絶対湿度値に近い方の値に決定する、
請求項4に記載の空調制御装置。
【請求項6】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるとき或いは前記外気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるときは、前記温度目標値を、前記目標温湿度範囲の温度の上限値或いは下限値のうち前記外気温度値に近い方の値に決定し、
決定した前記温度目標値に前記室内空間の環境が導かれるように、前記温度調整部及び前記湿度調整部の制御内容を決定する、
請求項2から5のいずれか1項に記載の空調制御装置。
【請求項7】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値が決まっており、
前記空調機は、前記湿度調整部を有する第1空調機(30)と、前記温度調整部を有しており前記第1空調機とは別の第2空調機(20)と、含み、
前記第1空調機は、前記室内空間の換気を行う換気部(39)を更に有し、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気絶対湿度値が、前記目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいときは、前記室内空間の除湿及び換気が行われるように、前記第1空調機を制御する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空調制御装置。
【請求項8】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記外気絶対湿度値が、前記目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、前記室内空間の加湿及び換気が行われるように、前記第1空調機を制御する、
請求項7に記載の空調制御装置。
【請求項9】
外気を取り入れる換気が行われる室内空間の環境を、温度調整部(25,29)と湿度調整部(39)とを有する空調機を制御することで調整する空調制御装置であって、
現在の外気温度を特定する外気温度特定部(166)と、
前記室内空間の現在の空気の温度である内気温度を特定する内気温度特定部(166)と、
現在の外気絶対湿度を特定する外気湿度特定部(166)と、
前記室内空間の現在の空気の絶対湿度である内気絶対湿度を特定する内気湿度特定部(166)と、
ユーザの設定から決定される目標温湿度範囲(AR5)内に前記室内空間の環境が導かれるように、前記空調機の自動制御を行う制御部(163)と、
を備え、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気温度特定部によって特定される内気温度値と前記内気湿度特定部によって特定される内気絶対湿度値とが、前記目標温湿度範囲内にあるか否かを把握し、
前記内気温度値及び前記内気絶対湿度値のいずれか一方が前記目標温湿度範囲内にないときは、前記外気温度特定部によって特定される外気温度値又は前記外気湿度特定部によって特定される外気絶対湿度値に基づいて、前記空調機の制御内容を決定する、
空調制御装置(60)。
【請求項10】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるとき或いは前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値から上限値の間にあるときは、前記内気絶対湿度値が維持されるように、前記外気絶対湿度値及び前記内気絶対湿度値に基づいて前記湿度調整部の制御内容を決定する、
請求項9に記載の空調制御装置。
【請求項11】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、かつ、前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいとき或いは前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、前記内気温度値が維持されるように、前記外気温度値及び前記内気温度値に基づいて前記温度調整部の制御内容を決定する、
請求項9又は10に記載の空調制御装置。
【請求項12】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間にあり、かつ、前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいとき或いは前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、絶対湿度目標値を、前記内気温度値に対する前記目標温湿度範囲の湿度の上限値或いは下限値のうち前記内気絶対湿度値に近い方の値に決定し、
決定した前記絶対湿度目標値に前記室内空間の環境が導かれるように、前記湿度調整部の制御内容を決定する、
請求項9から11のいずれか1項に記載の空調制御装置。
【請求項13】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値が決まっており、
前記空調機は、前記湿度調整部を有する第1空調機(30)と、前記温度調整部を有しており前記第1空調機とは別の第2空調機(20)と、含み、
前記第1空調機は、前記室内空間の換気を行う換気部(39)を更に有し、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気絶対湿度値が、前記目標温湿度範囲の湿度の上限値よりも大きいときは、前記室内空間の除湿及び換気が行われるように、前記第1空調機を制御する、
請求項9から12のいずれか1項に記載の空調制御装置。
【請求項14】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気絶対湿度値が、前記目標温湿度範囲の湿度の下限値よりも小さいときは、前記室内空間の加湿及び換気が行われるように、前記第1空調機を制御する、
請求項13に記載の空調制御装置。
【請求項15】
前記目標温湿度範囲では、各温度値に対する湿度の上限値及び下限値が決まっており、
前記制御部は、前記自動制御において、
前記内気温度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値から上限値の間になく、かつ、前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の下限値に対する湿度の上限値よりも大きいとき或いは前記内気絶対湿度値が前記目標温湿度範囲の温度の上限値に対する湿度の下限値よりも小さいときは、前記外気絶対湿度値に基づいて、前記湿度調整部の制御内容を決定する、
請求項9又は10に記載の空調制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記自動制御を所定時間毎に行う、
請求項1から15のいずれか1項に記載の空調制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−83086(P2012−83086A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232059(P2010−232059)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】