空調椅子及び空調システム
【課題】デザインの自由度が高く、効率的に空調することができると共に、後側の空調椅子の使用者に空気が直接当たることを防止できる空調椅子を提供する。
【解決手段】本発明の空調椅子は、供給される空気を吹き出す空調椅子であって、座及び背板と、前記空気が流れる第1のダクトが設けられた肘掛とを備え、前記肘掛の後部は、前記背板の少なくとも一部よりも後方に突出しており、前記肘掛の後部には、前記背板に対向し且つ前記第1のダクトと連通する吹出口が設けられており、前記吹出口には、前記空気を上方に導くルーバー組立体が配置されていることを特徴とする。
【解決手段】本発明の空調椅子は、供給される空気を吹き出す空調椅子であって、座及び背板と、前記空気が流れる第1のダクトが設けられた肘掛とを備え、前記肘掛の後部は、前記背板の少なくとも一部よりも後方に突出しており、前記肘掛の後部には、前記背板に対向し且つ前記第1のダクトと連通する吹出口が設けられており、前記吹出口には、前記空気を上方に導くルーバー組立体が配置されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場、講堂等に設置され、吹出口から空気を吹き出すことにより大きな空間を空調する空調椅子、及び当該空調椅子を備える空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
劇場、ホール等に設置される空調椅子として、特許文献1に記載されるように、背もたれ部の内部を連通するチャンバーと、該チャンバーに接続し且つ背もたれ部の上端に開口する空気通路とを備える空調椅子があった。この空調椅子のチャンバーは、床下に配管された空調用ダクトに接続された通気導管に連結されている。これにより、各椅子の背もたれ部の内部を通って、背もたれ部の上端から空調空気がホール内に放出される。
【0003】
また、特許文献2に記載されるように、背もたれ部の後面壁に形成された冷気吹出口と、椅子の内部空間に連通するダクトとを備える空調椅子があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−252877号公報
【特許文献2】特開平9−37894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チャンバーと空気通路とが背板(背もたれ部)の内部に設けられる空調椅子の場合、チャンバーと空気通路の厚みだけ背板が厚くなってしまう。その結果、背板が十分な厚みを備える必要があるため、デザインの自由度が低く見た目が悪くなってしまう。例えば、湾曲した形状の背板を製造することは困難である。
【0006】
また、背板の後面側に形成された吹出口から空気を吹き出すと、後側の空調椅子の使用者に空気が直接当たってしまうため、使用者が不快感を覚えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の空調椅子は、供給される空気を吹き出す空調椅子であって、座及び背板と、前記空気が流れる第1のダクトが設けられた肘掛とを備え、前記肘掛の後部は、前記背板の少なくとも一部よりも後方に突出しており、前記肘掛の後部には、前記背板に対向し且つ前記第1のダクトと連通する吹出口が設けられており、前記吹出口には、前記空気を上方に導くルーバー組立体が配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の空調システムは、上記空調椅子と、前記空調椅子へ空気を供給する空調装置と、前記空調装置及び前記空調椅子に接続された給気ダクトとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、空気を吹き出すための吹出口が、背板よりも後方に突出した肘掛の後部に設けられている。これにより、背板に空気の吹出口やダクトを形成する必要がなくなる。そのため、デザインの自由度が高い空調椅子を提供することができる。
【0010】
また、本発明においては、吹出口が背板に対向しており、外部から供給される空気をルーバー組立体によって空調椅子の上方へと導いている。そのため、吹き出た空気が背板の後面に沿って上方に流れ、後側空調椅子の使用者が居る空間を効率的に空調することができる。さらに、後側の空調椅子の使用者に空気が直接当たることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】空調椅子の概略側面図である。
【図2】空調椅子の概略前面図である。
【図3】空調椅子の概略後面図である。
【図4】空調椅子の概略上面図である。
【図5】後方から見た横ダクトの斜視図である。
【図6】第1実施形態の側脚の概略側面図である。
【図7】第1実施形態の側脚の概略後面図である。
【図8】第1実施形態の縦ダクトの概略側面図である。
【図9】第1実施形態の肘掛の概略側面図である。
【図10】第1実施形態の前部組立体の概略側面図である。
【図11】第1実施形態の後部組立体の概略側面図である。
【図12】第1実施形態の後部組立体の概略前面図である。
【図13】第1実施形態のルーバー組立体の斜視図である。
【図14】第2実施形態の側脚の概略後面図である。
【図15】第2実施形態の後部組立体の概略前面図である。
【図16】空調システムの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明について詳しく説明する。なお、いずれの図面においても、説明の便宜のために、外部から視認できない部分の一部を点線で示している。
【実施例】
【0013】
図1は、空調椅子1の概略側面図であり、床100に設置された三列の空調椅子1を示している。図1中、中央の空調椅子1は図2及び図3において中間に配置された空調椅子1であり、他の空調椅子1と連結される側面が図示されている。そして、図1中、左側及び右側の空調椅子1は、図2において右端に配置された空調椅子1であり、外側の側面が図示されている。なお、図1における左側が空調椅子1の前方であり、右側が空調椅子1の後方である。また、図1においては、使用位置の座11を図示しているが、説明の便宜のために収納位置の座11も点線で図示している。
【0014】
空調椅子1は、吹出口21を介して、後述する外部の冷暖房用空調装置300から供給される空調用の空気を吹き出すことができる。そして、空調椅子1は、使用者が着座するための座11及び背板12と、空気が流れる第1のダクトとなる縦ダクト31が設けられた肘掛2とを備えている。また、肘掛2は座11及び背板12を支持する側脚3を有し、側脚3は縦ダクト31及び中空の側脚本体32を有する。座11及び背板12の両側には、1対の金属製の側脚3が配置されている。座11は、座支持部材111により側脚3に対して揺動可能に支持されている。すなわち、空調椅子1に着座する場合には、使用者は前方へ倒れるように座11を移動することができ、収納する場合には後方に起き上がるように座11を移動することができる。また、背板12は、背板支持部材121を介して側脚3に支持されている。
【0015】
図2は、空調椅子1の概略前面図であり、床100に設置された三脚の空調椅子1を示している。また、図3は、空調椅子1の概略後面図であり、床100に設置された三脚の空調椅子1を示している。また、図4は、空調椅子1の概略上面図であり、床100に設置された三脚の空調椅子1を示している。なお、図2及び図4においては、左側及び右側の二脚の空調椅子1が使用位置の座11を図示しており、二脚の空調椅子1に挟まれた中間の空調椅子1が収納位置の座11を図示している。
【0016】
図2及び図3に示すように、座11の下方には、第2のダクトとして、側脚本体32に連通する横ダクト13が設けられている。横ダクト13は、供給される空気が流入する下方開口131を有しており、側脚本体32を介して縦ダクト31と連通している。また、横ダクト13は床100に設けられた通気口101と連通しており、縦ダクト31は肘掛2に形成された吹出口21と連通している。そして、通気口101は、後述する給気ダクト400を介して空調装置300に接続されている。そのため、空調装置300から供給された空気は、通気口101、横ダクト13、側脚本体32、縦ダクト31及び吹出口21を介して空調椅子1から吹き出される。また、横ダクト13は、図1に示すように、側脚3に取り付けられたダクトカバー132に覆われている。これにより、使用者の足が横ダクト13にぶつかった場合であっても、ダクトカバー132によって横ダクト13が保護される。また、横ダクト13の外観が使用者に視認されないので、空調椅子1の美観を損なうことがない。なお、図2及び図3においては、通気口101が中間の空調椅子1の下方に設けられているが、左側又は右側の空調椅子1の下方に設けてもよい。
【0017】
背板12は、図4に示すように湾曲面120を有していると共に、図1に示すように後方に向かって傾いている。そして、肘掛2の後部である後部組立体22は、背板12の少なくとも一部よりも後方に突出しており、背板12の側方端部122の一部よりも後方に位置している。そして、後部組立体22には、背板12に対向し且つ縦ダクト31と連通する吹出口21が設けられている。すなわち、吹出口21は、背板12の湾曲面120に対向するように、後部組立体22の上側側面に設けられている。
【0018】
このように、本発明においては、背板12に吹出口21及びダクトが設けられていない。そのため、背板12のデザインの自由度を高めることができる。例えば、本実施例の背板12は、美観を向上させるために湾曲面120を有している。また、肘掛2の側面の吹出口21が背板12の後面に対向するように、後部組立体22は背板12の一部よりも後方に突出している。そのため、図3に矢印で示すように、背板12側に向かって吹き出された空気は、吹出口21に配置されたルーバー組立体4によって上方へと導かれる。これにより、図1に矢印で示すように、空気は背板12に沿って空調椅子1の上方へと流れ、後側の空調椅子1の使用者が居る空間が効率的に空調される。さらに、後側の空調椅子1の使用者に直接空気が当たらないので、使用者の不快感を減少させることができる。
【0019】
また、本実施例の背板12は、湾曲面120を有している。そして、後部組立体22は、背板12の高さ方向における略中央の部分において側方端部122よりも後方に位置している。そのため、吹出口21は、背板12の最も後方に突出した部分よりも前方に位置する。これにより、後部組立体22が、背板12に対して大きく突出することがない。そのため、空調椅子1のサイズが大きくなることを防止できる。また、吹出口21が上方に向かって開口していると、ゴミが縦ダクト31内に侵入してしまう可能性がある。これに対して、本実施例の吹出口21は、側方に向かって開口している。そのため、縦ダクト31内へのゴミの侵入が防止される。
【0020】
図5は、後方から見た横ダクト13の斜視図である。横ダクト13の両側の下端には折り返し部133が設けられており、横ダクト13は折り返し部133の間に通気口101と連通する下方開口131を有している。また、折り返し部133の床100側の面には、シール部材5が接着されている。そして、横ダクト13は、シール部材5を介して床100上に取り外し可能に設置されている。これにより、横ダクト13と床100との間をシールすることができる。なお、本実施例のシール部材5は、ゴム系発泡体、例えば日東電工社製のエプトシーラーであるが、ウレタン発泡体であっても良い。
【0021】
横ダクト13の長手方向の両側には、連通開口134が形成されている。横ダクト13は、側脚本体32の縁部35を連通開口134の内側にはめ込むことにより、側脚本体32と連通させることができる。また、横ダクト13は、一点鎖線で示した境界を境に、前側部分135と後側部分136とに分割可能である。そして、前側部分135を取り外すことにより、床100の通気口101の検査等を行うことができる。なお、前側部分135の上面前部は、下方に向かって傾斜している。これにより、座11を使用位置と収納位置との間で移動させる際に、座11の後端が横ダクト13に接触することを防止できる。
【0022】
[第1実施形態]
図6は、第1実施形態に係る側脚3の側面図であり、図2における左端の空調椅子1の通路200側の肘掛2内の側脚3を示している。図6においては、座11及び背板12に面する側面を示しており、左方向が空調椅子1の前方であり、右方向が空調椅子1の後方である。また、図7は、第1実施形態に係る側脚3の後面図である。図7の右方向は外側方向であり、空調椅子1が設置された状態で通路200に面する方向である。また、図7の左方向は内側方向であり、座11及び背板12に面する方向である。
【0023】
側脚3は、中空の側脚本体32と、側脚本体32の上面に固定された支持板33と、側脚本体32の上面に固定された縦ダクト31とを有する。側脚本体32には、側脚本体32の底部から延在する延在部34が設けられている。そして、側脚3は延在部34に設けられたボルト穴341を介して床100にボルト留めされ、これにより空調椅子1が床100に固定される。また、側脚本体32の上側後方の角部には、上面から後面に渡って上部開口321が形成されている。
【0024】
側脚本体32の縁部には、前面から上面を介して後面までの領域にシール部材5が接着されている。これにより、横ダクト13と側脚本体32との連結部分がシールされる。また、側脚本体32の後面における縦ダクト31の後側開口311の下端に対応する領域にも、シール部材5が接着されている。これにより、後部組立体22と縦ダクト31との連結部分がシールされる。なお、ボルト穴323に対応する領域においては、シール部材5が設けられていない。
【0025】
支持板33は、縦ダクト31の幅方向における中央部分に対応するように、側脚本体32の上面に固定されている。そして、支持板33には、座支持部材111をボルト留めするためのボルト穴331が形成されている。なお、支持板33は、溶接又はボルト留めによって側脚本体32に固定されている。
【0026】
図8は、第1実施形態に係る縦ダクト31の側面図である。図8において、左方向は空調椅子1の前方であり、右方向は空調椅子1の後方である。
【0027】
縦ダクト31は、側脚3の両側に位置する二枚の板状部材と、これを接続する中間部材とを有する。そして、二枚の板状部材の間には、吹出口21に連通する後側開口311と、側脚本体32の上部開口321に連通するL字状の下側開口310とが形成されている。後側開口311は、縦ダクト31の頂部312の後端から下側開口310の後端まで延在している。また、下側開口310は、縦ダクト31の下端に形成され、側脚本体32の上部開口321と一致する大きさ及び形状を有する。
【0028】
そして、縦ダクト31は、下側開口310が上部開口321と一致するように、溶接又はボルト留めによって側脚本体32に固定されている。また、縦ダクト31の前面の縁には、支持板33に対して座11側よりの位置にシール部材5が接着されている。これにより、肘掛2の前部である前部組立体23と縦ダクト31の間をシールすることができる。
【0029】
縦ダクト31内には風向板318が設けられており、風向板318は第1のダクトの後側開口311に向かって傾いている。また、風向板318の下端は縦ダクト31の前面内側に固定され、上端は後側開口311の上側の縁部に固定されている。そして、風向板318の横幅は、縦ダクト31の内寸と一致している。これにより、下側開口310から導入された空気が、風向板318によって後側開口311に向けて導かれる。そのため、縦ダクト31の内部で、頂部312の内側に当たった空気流が淀んでしまうことを防止できる。
【0030】
縦ダクト31の側面には、ダクトカバー132を支持するため前側カバー支持部314及び後側カバー支持部315が設けられている。そして、ダクトカバー132は、前側カバー支持部314及び後側カバー支持部315にボルト留めされる。なお、前側カバー支持部314は、支持板33に設けることもできる。また、縦ダクト31の側面には、背板支持部材121が取り付けられるボルト穴316と、後部組立体22の取付部材221が取り付けられるボルト穴317とが形成されている。
【0031】
第1実施形態において、側脚本体32の外側側面は、空調椅子1が設置された状態で通路200に面する。そのため、外側側面は、縦ダクト31の延在部分313によってふさがれている。一方、側脚本体32の内側には、横ダクト13と連通するための側方開口322が形成されている。側方開口322の大きさは、横ダクト13の連通開口134よりも小さい。そのため、横ダクト13と側脚3とを連通させる際には、側脚本体32の縁部35が横ダクト13の連通開口134にはめ込まれる。そして、側脚本体32の前側上面に設けられたボルト穴323を介して、横ダクト13の前側部分135及び後側部分136が側脚本体32にボルト留めされる。
【0032】
図9は、第1実施形態に係る肘掛2の側面図であり、図2における左端の空調椅子1の通路200側の肘掛2を示している。また、図10は前部組立体23の側面図であり、図11は後部組立体22の側面図である。図9、図10及び図11においては、座11及び背板12に面する側面を示しており、左方向が空調椅子1の前方であり、右方向が空調椅子1の後方である。
【0033】
肘掛2は、側脚3と、側脚3の側脚本体32の前部に被さる前部組立体23と、側脚本体32の後部に被さる後部組立体22とを有する。側脚3は肘掛2の内側に配置されており、側脚3の外側には前部組立体23及び後部組立体22が固定されている。また、側脚本体32の前面及び後面には、美観を保つためにダクトカバー132がねじ留めされる。なお、第1実施形態の肘掛2は木製であるが、樹脂等の材料によって形成することもできる。
【0034】
前部組立体23は、前側ボルト穴231を介して支持板33にボルト留めされ、下側ボルト穴232を介して側脚本体32にボルト留めされている。また、前部組立体23には穴部233が形成されており、当該穴部233を介して座支持部材111が支持板33に固定される。前部組立体23には、後側上部の下面にダボ穴234が形成されており、当該ダボ穴234には後部組立体22の上端に形成されたダボ222が挿入される。
【0035】
後部組立体22には、断面L字状の取付部材221が取り付けられている。当該取付部材221は、縦ダクト31にボルト留めされる。また、後部組立体22の上側には、縦ダクト31の後側開口311の上方に配置されるように、ルーバー組立体4がねじ留めされている。これにより、ルーバー組立体4は、図9に示すように、肘掛2の吹出口21に配置される。
【0036】
図12は、後部組立体22の前面図である。図12においては、左方向が通路200に面する方向であり、右方向が背板12に面する方向である。また、図13は、ルーバー組立体4の斜視図である。図13においては、左方向が吹出口21に面する方向であり、右方向が肘掛2の内側方向である。
【0037】
図11に示すように、ルーバー組立体4は、横方向ルーバー42と、横方向ルーバー42と組み合わされた縦方向ルーバー41と、横方向ルーバー42が固定されたベース板43とを有する。そして、ベース板43は、後部組立体22の後面内側にネジ留めされている。また、縦方向ルーバー41と横方向ルーバー42の一部には、シール部材5が接着されている。
【0038】
縦方向ルーバー41と横方向ルーバー42とは金属製であり、互いに交差するように組み合わされている。具体的には、横方向ルーバー42がベース板43に溶接されており、櫛歯状の複数の溝421が横方向ルーバー42の吹出口21側の端部に形成されている。そして、縦方向ルーバー41は、横方向ルーバー42が縦方向ルーバー41に対して傾くように溝421に差し込まれ、横方向ルーバー42に溶接される。ここで、縦方向ルーバー41は、ベース板43と平行な方向に差し込まれる。これにより、縦方向ルーバー41を溝421に差し込みやすくなるため、ルーバー組立体4の組立が容易になる。
【0039】
横方向ルーバー42は、断面V字状の上側ルーバー423と、板状の下側ルーバー424とを有すると共に、上側ルーバー423と下側ルーバー424との間に配置された板状の中間ルーバー422を有する。また、下側ルーバー424の吹出口21側には、板状の塞ぎ用ルーバー426が配置されている。そして、上側ルーバー423は、縦ダクト31のベース板43の幅方向中央にV字形状の谷部425が対応するように配置されている。また、下側ルーバー424の下端と中間ルーバー422の下端とは、吹出口21から同じ距離にある。そして、上側ルーバー423の谷部425は、下側ルーバー424の下端及び中間ルーバー422の下端よりも吹出口21から遠い位置にある。また、上側ルーバー423、下側ルーバー424及び中間ルーバー422は同じ厚みを有する。
【0040】
縦方向ルーバー41は複数の板状ルーバー411を有し、第1実施形態においては6個の板状ルーバー411を有する。そして、複数の板状ルーバー411のうち、肘掛2の後端(ベース板43)に近い板状ルーバー411の長さは、当該後端から遠い板状ルーバー411よりも長い。すなわち、複数の板状ルーバー411はそれぞれ長さが異なり、肘掛2の後端に近くなるにつれて縦方向ルーバー41が長くなる。そのため、図11に示すように、肘掛2の後端に近い板状ルーバー411の下端は、当該後端から遠い板状ルーバー411の下端よりも下方へ突出している。さらに、肘掛2の後端に近い板状ルーバー411の上端は、当該後端から遠い板状ルーバー411の上端よりも上方へ突出している。一方、複数の板状ルーバー411は、ベース板43と平行な方向において全て同じ幅を有する。そして、複数の板状ルーバー411の背板12側の端部は、端面の位置が一致するように揃えられている。
【0041】
図13は、ルーバー組立体の斜視図である。図13に示すように、縦方向ルーバー41を差し込むための溝421は、上側ルーバー423、下側ルーバー424及び中間ルーバー422に形成されている。また、ベース板43とは反対側の端部には歯が形成されていない。そして、板状ルーバー411の図示右側の外面、すなわちベース板43とは反対側の外面には、シール部材5が接着される。また、塞ぎ用ルーバー426は、空気漏れを防ぐために下側ルーバー424に接した状態でベース板43に溶接されている。そして、塞ぎ用ルーバー426は、下側ルーバー424と同じ幅を有し、ベース板43と直交する方向に延在している。
【0042】
このようなルーバー組立体4を備えることにより、第1実施形態においては、空気を上方向へ効率的に導くことができる。そのため、空調の効率を向上させることができる。なお、横方向ルーバー42が有するルーバーの数は3個には限られず、3個より多くても又は少なくてもよい。また、板状ルーバー411の数は6個には限られず、6個より多くても又は少なくてよい。さらに、横方向ルーバー42に形成された溝421に代えて、横方向ルーバー42を差し込むための溝を縦方向ルーバーに形成してもよい。
【0043】
[第2実施形態]
図14は側脚3の後面図であり、図15は、後部組立体22の前面図である。なお、第1実施形態と同じ構成については同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
第2実施形態の肘掛2は、二脚の空調椅子1に挟まれた中間の肘掛2であり、図2においては、中間の空調椅子1と左端又は右端の空調椅子1との間にある肘掛2である。第2実施形態の肘掛2は第1実施形態と異なり、側脚本体32の両側面に側方開口322が形成されていると共に、肘掛2の両側面に吹出口21が設けられている。そのため、後部組立体22の両側に面するようにルーバー組立体4が設けられている。
【0045】
図14に示すように、第2実施形態においては、側脚本体32の底部から延在する延在部34が側脚本体32の両側に設けられている。そして、側脚3は延在部34に設けられたボルト穴341を介して床100にボルト留めされる。また、横ダクト13と連通する側方開口322が側脚本体32の両側面に形成されている。そして、側脚本体32の両側の縁部35が、二つの横ダクト13の連通開口134にはめ込まれる。さらに、ダクトカバー132を支持する前側カバー支持部314及び後側カバー支持部315が、縦ダクト31の両側に設けられている。なお、第1実施形態と同様に、上部開口321が側脚本体32の上側後方角部に形成され、縦ダクト31の下側開口310が上部開口321と連通している。
【0046】
また、図15に示すように、第2実施形態においては、後部組立体22に断面U字状の取付部材221が取り付けられている。そして、当該取付部材221は、縦ダクト31の両側面にボルト留めされる。また、ルーバー組立体4が後部組立体22の両側に面するように取り付けられており、肘掛2の2つの吹出口21に対応する。これにより、肘掛2の両隣の背板12に向かって空気が吹き出される。
【0047】
第2実施形態においては、横方向ルーバー42が、断面V字状の上側ルーバー423と、一対の下側ルーバー424と、上側ルーバー423と下側ルーバー424との間に配置された一対の中間ルーバー422とを含む。そして、下側ルーバー424の吹出口21側には、一対の塞ぎ用ルーバー426が配置されている。また、縦方向ルーバー41は、後部組立体22の両側にそれぞれ6個ずつ、合計12個の板状ルーバー411を含む。このようなルーバー組立体4を備えることにより、両隣の空調椅子の上方向へ空気を確実に導くことができる。そのため、空調の効率を向上させることができる。
【0048】
[第3実施形態]
図16は、空調装置300及び空調椅子1を備えた空調システムを示している。空調装置300は、冷却手段又は加熱手段によって、冷やした空気又は暖めた空気を供給できる。空調装置300から供給された空気は、給気ダクト400及び複数の通気口101を介して複数の空調椅子1に供給される。図16において矢印で示すように、通気口101から供給された空気は、吹出口21から空調椅子1の背板12側に向かって吹き出される。
【0049】
各通気口101は、二脚又は三脚の空調椅子1に対応している。これにより、空調装置300から供給された空気は、給気ダクト400、横ダクト13、側脚本体32、縦ダクト31を介して吹出口21から吹き出される。この時、空気はルーバー組立体4によって上方へと導かれ、背板12側に向かって吹き出される。これにより、後側の空調椅子1の使用者が居る空間を、効率的に空調することができる。
【0050】
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施形態及び変形例は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0051】
例えば、ルーバー組立体4は、横方向ルーバーのみを有してもよい。また、縦方向ルーバーは、後方に傾けて配置できる。また、上記実施例においては、ルーバー組立体4を後部組立体22に取り付けた。しかし、ルーバー組立体4は、吹出口21に配置されていればよく、縦ダクト31の後側開口311に取り付けることもできる。この場合、ルーバー組立体4を、後側開口311に溶接することができる。
【0052】
さらに、上記実施例の吹出口21は後部組立体22の上側にのみ設けられているが、前部組立体23に吹出口21を設けることもできる。この場合、空調椅子1の前方及び後方に空気を供給できる。また、肘掛2の通路側の面には、座席通路誘導灯を設けることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1:空調椅子、2:肘掛、3:側脚、4:ルーバー組立体、11:座、12:背板、13:第2のダクト、21:吹出口、22:後部組立体、31:第1のダクト、32:側脚本体、42:横方向ルーバー、41:縦方向ルーバー、120:湾曲面、122:側方端部、131:下方開口、300:空調装置、310:下側開口、311:後側開口、318:風向板、321:上部開口、400:給気ダクト、411:板状ルーバー、423:上側ルーバー、424:下側ルーバー、422:中間ルーバー、425:谷部
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場、講堂等に設置され、吹出口から空気を吹き出すことにより大きな空間を空調する空調椅子、及び当該空調椅子を備える空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
劇場、ホール等に設置される空調椅子として、特許文献1に記載されるように、背もたれ部の内部を連通するチャンバーと、該チャンバーに接続し且つ背もたれ部の上端に開口する空気通路とを備える空調椅子があった。この空調椅子のチャンバーは、床下に配管された空調用ダクトに接続された通気導管に連結されている。これにより、各椅子の背もたれ部の内部を通って、背もたれ部の上端から空調空気がホール内に放出される。
【0003】
また、特許文献2に記載されるように、背もたれ部の後面壁に形成された冷気吹出口と、椅子の内部空間に連通するダクトとを備える空調椅子があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−252877号公報
【特許文献2】特開平9−37894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チャンバーと空気通路とが背板(背もたれ部)の内部に設けられる空調椅子の場合、チャンバーと空気通路の厚みだけ背板が厚くなってしまう。その結果、背板が十分な厚みを備える必要があるため、デザインの自由度が低く見た目が悪くなってしまう。例えば、湾曲した形状の背板を製造することは困難である。
【0006】
また、背板の後面側に形成された吹出口から空気を吹き出すと、後側の空調椅子の使用者に空気が直接当たってしまうため、使用者が不快感を覚えてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の空調椅子は、供給される空気を吹き出す空調椅子であって、座及び背板と、前記空気が流れる第1のダクトが設けられた肘掛とを備え、前記肘掛の後部は、前記背板の少なくとも一部よりも後方に突出しており、前記肘掛の後部には、前記背板に対向し且つ前記第1のダクトと連通する吹出口が設けられており、前記吹出口には、前記空気を上方に導くルーバー組立体が配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の空調システムは、上記空調椅子と、前記空調椅子へ空気を供給する空調装置と、前記空調装置及び前記空調椅子に接続された給気ダクトとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、空気を吹き出すための吹出口が、背板よりも後方に突出した肘掛の後部に設けられている。これにより、背板に空気の吹出口やダクトを形成する必要がなくなる。そのため、デザインの自由度が高い空調椅子を提供することができる。
【0010】
また、本発明においては、吹出口が背板に対向しており、外部から供給される空気をルーバー組立体によって空調椅子の上方へと導いている。そのため、吹き出た空気が背板の後面に沿って上方に流れ、後側空調椅子の使用者が居る空間を効率的に空調することができる。さらに、後側の空調椅子の使用者に空気が直接当たることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】空調椅子の概略側面図である。
【図2】空調椅子の概略前面図である。
【図3】空調椅子の概略後面図である。
【図4】空調椅子の概略上面図である。
【図5】後方から見た横ダクトの斜視図である。
【図6】第1実施形態の側脚の概略側面図である。
【図7】第1実施形態の側脚の概略後面図である。
【図8】第1実施形態の縦ダクトの概略側面図である。
【図9】第1実施形態の肘掛の概略側面図である。
【図10】第1実施形態の前部組立体の概略側面図である。
【図11】第1実施形態の後部組立体の概略側面図である。
【図12】第1実施形態の後部組立体の概略前面図である。
【図13】第1実施形態のルーバー組立体の斜視図である。
【図14】第2実施形態の側脚の概略後面図である。
【図15】第2実施形態の後部組立体の概略前面図である。
【図16】空調システムの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明について詳しく説明する。なお、いずれの図面においても、説明の便宜のために、外部から視認できない部分の一部を点線で示している。
【実施例】
【0013】
図1は、空調椅子1の概略側面図であり、床100に設置された三列の空調椅子1を示している。図1中、中央の空調椅子1は図2及び図3において中間に配置された空調椅子1であり、他の空調椅子1と連結される側面が図示されている。そして、図1中、左側及び右側の空調椅子1は、図2において右端に配置された空調椅子1であり、外側の側面が図示されている。なお、図1における左側が空調椅子1の前方であり、右側が空調椅子1の後方である。また、図1においては、使用位置の座11を図示しているが、説明の便宜のために収納位置の座11も点線で図示している。
【0014】
空調椅子1は、吹出口21を介して、後述する外部の冷暖房用空調装置300から供給される空調用の空気を吹き出すことができる。そして、空調椅子1は、使用者が着座するための座11及び背板12と、空気が流れる第1のダクトとなる縦ダクト31が設けられた肘掛2とを備えている。また、肘掛2は座11及び背板12を支持する側脚3を有し、側脚3は縦ダクト31及び中空の側脚本体32を有する。座11及び背板12の両側には、1対の金属製の側脚3が配置されている。座11は、座支持部材111により側脚3に対して揺動可能に支持されている。すなわち、空調椅子1に着座する場合には、使用者は前方へ倒れるように座11を移動することができ、収納する場合には後方に起き上がるように座11を移動することができる。また、背板12は、背板支持部材121を介して側脚3に支持されている。
【0015】
図2は、空調椅子1の概略前面図であり、床100に設置された三脚の空調椅子1を示している。また、図3は、空調椅子1の概略後面図であり、床100に設置された三脚の空調椅子1を示している。また、図4は、空調椅子1の概略上面図であり、床100に設置された三脚の空調椅子1を示している。なお、図2及び図4においては、左側及び右側の二脚の空調椅子1が使用位置の座11を図示しており、二脚の空調椅子1に挟まれた中間の空調椅子1が収納位置の座11を図示している。
【0016】
図2及び図3に示すように、座11の下方には、第2のダクトとして、側脚本体32に連通する横ダクト13が設けられている。横ダクト13は、供給される空気が流入する下方開口131を有しており、側脚本体32を介して縦ダクト31と連通している。また、横ダクト13は床100に設けられた通気口101と連通しており、縦ダクト31は肘掛2に形成された吹出口21と連通している。そして、通気口101は、後述する給気ダクト400を介して空調装置300に接続されている。そのため、空調装置300から供給された空気は、通気口101、横ダクト13、側脚本体32、縦ダクト31及び吹出口21を介して空調椅子1から吹き出される。また、横ダクト13は、図1に示すように、側脚3に取り付けられたダクトカバー132に覆われている。これにより、使用者の足が横ダクト13にぶつかった場合であっても、ダクトカバー132によって横ダクト13が保護される。また、横ダクト13の外観が使用者に視認されないので、空調椅子1の美観を損なうことがない。なお、図2及び図3においては、通気口101が中間の空調椅子1の下方に設けられているが、左側又は右側の空調椅子1の下方に設けてもよい。
【0017】
背板12は、図4に示すように湾曲面120を有していると共に、図1に示すように後方に向かって傾いている。そして、肘掛2の後部である後部組立体22は、背板12の少なくとも一部よりも後方に突出しており、背板12の側方端部122の一部よりも後方に位置している。そして、後部組立体22には、背板12に対向し且つ縦ダクト31と連通する吹出口21が設けられている。すなわち、吹出口21は、背板12の湾曲面120に対向するように、後部組立体22の上側側面に設けられている。
【0018】
このように、本発明においては、背板12に吹出口21及びダクトが設けられていない。そのため、背板12のデザインの自由度を高めることができる。例えば、本実施例の背板12は、美観を向上させるために湾曲面120を有している。また、肘掛2の側面の吹出口21が背板12の後面に対向するように、後部組立体22は背板12の一部よりも後方に突出している。そのため、図3に矢印で示すように、背板12側に向かって吹き出された空気は、吹出口21に配置されたルーバー組立体4によって上方へと導かれる。これにより、図1に矢印で示すように、空気は背板12に沿って空調椅子1の上方へと流れ、後側の空調椅子1の使用者が居る空間が効率的に空調される。さらに、後側の空調椅子1の使用者に直接空気が当たらないので、使用者の不快感を減少させることができる。
【0019】
また、本実施例の背板12は、湾曲面120を有している。そして、後部組立体22は、背板12の高さ方向における略中央の部分において側方端部122よりも後方に位置している。そのため、吹出口21は、背板12の最も後方に突出した部分よりも前方に位置する。これにより、後部組立体22が、背板12に対して大きく突出することがない。そのため、空調椅子1のサイズが大きくなることを防止できる。また、吹出口21が上方に向かって開口していると、ゴミが縦ダクト31内に侵入してしまう可能性がある。これに対して、本実施例の吹出口21は、側方に向かって開口している。そのため、縦ダクト31内へのゴミの侵入が防止される。
【0020】
図5は、後方から見た横ダクト13の斜視図である。横ダクト13の両側の下端には折り返し部133が設けられており、横ダクト13は折り返し部133の間に通気口101と連通する下方開口131を有している。また、折り返し部133の床100側の面には、シール部材5が接着されている。そして、横ダクト13は、シール部材5を介して床100上に取り外し可能に設置されている。これにより、横ダクト13と床100との間をシールすることができる。なお、本実施例のシール部材5は、ゴム系発泡体、例えば日東電工社製のエプトシーラーであるが、ウレタン発泡体であっても良い。
【0021】
横ダクト13の長手方向の両側には、連通開口134が形成されている。横ダクト13は、側脚本体32の縁部35を連通開口134の内側にはめ込むことにより、側脚本体32と連通させることができる。また、横ダクト13は、一点鎖線で示した境界を境に、前側部分135と後側部分136とに分割可能である。そして、前側部分135を取り外すことにより、床100の通気口101の検査等を行うことができる。なお、前側部分135の上面前部は、下方に向かって傾斜している。これにより、座11を使用位置と収納位置との間で移動させる際に、座11の後端が横ダクト13に接触することを防止できる。
【0022】
[第1実施形態]
図6は、第1実施形態に係る側脚3の側面図であり、図2における左端の空調椅子1の通路200側の肘掛2内の側脚3を示している。図6においては、座11及び背板12に面する側面を示しており、左方向が空調椅子1の前方であり、右方向が空調椅子1の後方である。また、図7は、第1実施形態に係る側脚3の後面図である。図7の右方向は外側方向であり、空調椅子1が設置された状態で通路200に面する方向である。また、図7の左方向は内側方向であり、座11及び背板12に面する方向である。
【0023】
側脚3は、中空の側脚本体32と、側脚本体32の上面に固定された支持板33と、側脚本体32の上面に固定された縦ダクト31とを有する。側脚本体32には、側脚本体32の底部から延在する延在部34が設けられている。そして、側脚3は延在部34に設けられたボルト穴341を介して床100にボルト留めされ、これにより空調椅子1が床100に固定される。また、側脚本体32の上側後方の角部には、上面から後面に渡って上部開口321が形成されている。
【0024】
側脚本体32の縁部には、前面から上面を介して後面までの領域にシール部材5が接着されている。これにより、横ダクト13と側脚本体32との連結部分がシールされる。また、側脚本体32の後面における縦ダクト31の後側開口311の下端に対応する領域にも、シール部材5が接着されている。これにより、後部組立体22と縦ダクト31との連結部分がシールされる。なお、ボルト穴323に対応する領域においては、シール部材5が設けられていない。
【0025】
支持板33は、縦ダクト31の幅方向における中央部分に対応するように、側脚本体32の上面に固定されている。そして、支持板33には、座支持部材111をボルト留めするためのボルト穴331が形成されている。なお、支持板33は、溶接又はボルト留めによって側脚本体32に固定されている。
【0026】
図8は、第1実施形態に係る縦ダクト31の側面図である。図8において、左方向は空調椅子1の前方であり、右方向は空調椅子1の後方である。
【0027】
縦ダクト31は、側脚3の両側に位置する二枚の板状部材と、これを接続する中間部材とを有する。そして、二枚の板状部材の間には、吹出口21に連通する後側開口311と、側脚本体32の上部開口321に連通するL字状の下側開口310とが形成されている。後側開口311は、縦ダクト31の頂部312の後端から下側開口310の後端まで延在している。また、下側開口310は、縦ダクト31の下端に形成され、側脚本体32の上部開口321と一致する大きさ及び形状を有する。
【0028】
そして、縦ダクト31は、下側開口310が上部開口321と一致するように、溶接又はボルト留めによって側脚本体32に固定されている。また、縦ダクト31の前面の縁には、支持板33に対して座11側よりの位置にシール部材5が接着されている。これにより、肘掛2の前部である前部組立体23と縦ダクト31の間をシールすることができる。
【0029】
縦ダクト31内には風向板318が設けられており、風向板318は第1のダクトの後側開口311に向かって傾いている。また、風向板318の下端は縦ダクト31の前面内側に固定され、上端は後側開口311の上側の縁部に固定されている。そして、風向板318の横幅は、縦ダクト31の内寸と一致している。これにより、下側開口310から導入された空気が、風向板318によって後側開口311に向けて導かれる。そのため、縦ダクト31の内部で、頂部312の内側に当たった空気流が淀んでしまうことを防止できる。
【0030】
縦ダクト31の側面には、ダクトカバー132を支持するため前側カバー支持部314及び後側カバー支持部315が設けられている。そして、ダクトカバー132は、前側カバー支持部314及び後側カバー支持部315にボルト留めされる。なお、前側カバー支持部314は、支持板33に設けることもできる。また、縦ダクト31の側面には、背板支持部材121が取り付けられるボルト穴316と、後部組立体22の取付部材221が取り付けられるボルト穴317とが形成されている。
【0031】
第1実施形態において、側脚本体32の外側側面は、空調椅子1が設置された状態で通路200に面する。そのため、外側側面は、縦ダクト31の延在部分313によってふさがれている。一方、側脚本体32の内側には、横ダクト13と連通するための側方開口322が形成されている。側方開口322の大きさは、横ダクト13の連通開口134よりも小さい。そのため、横ダクト13と側脚3とを連通させる際には、側脚本体32の縁部35が横ダクト13の連通開口134にはめ込まれる。そして、側脚本体32の前側上面に設けられたボルト穴323を介して、横ダクト13の前側部分135及び後側部分136が側脚本体32にボルト留めされる。
【0032】
図9は、第1実施形態に係る肘掛2の側面図であり、図2における左端の空調椅子1の通路200側の肘掛2を示している。また、図10は前部組立体23の側面図であり、図11は後部組立体22の側面図である。図9、図10及び図11においては、座11及び背板12に面する側面を示しており、左方向が空調椅子1の前方であり、右方向が空調椅子1の後方である。
【0033】
肘掛2は、側脚3と、側脚3の側脚本体32の前部に被さる前部組立体23と、側脚本体32の後部に被さる後部組立体22とを有する。側脚3は肘掛2の内側に配置されており、側脚3の外側には前部組立体23及び後部組立体22が固定されている。また、側脚本体32の前面及び後面には、美観を保つためにダクトカバー132がねじ留めされる。なお、第1実施形態の肘掛2は木製であるが、樹脂等の材料によって形成することもできる。
【0034】
前部組立体23は、前側ボルト穴231を介して支持板33にボルト留めされ、下側ボルト穴232を介して側脚本体32にボルト留めされている。また、前部組立体23には穴部233が形成されており、当該穴部233を介して座支持部材111が支持板33に固定される。前部組立体23には、後側上部の下面にダボ穴234が形成されており、当該ダボ穴234には後部組立体22の上端に形成されたダボ222が挿入される。
【0035】
後部組立体22には、断面L字状の取付部材221が取り付けられている。当該取付部材221は、縦ダクト31にボルト留めされる。また、後部組立体22の上側には、縦ダクト31の後側開口311の上方に配置されるように、ルーバー組立体4がねじ留めされている。これにより、ルーバー組立体4は、図9に示すように、肘掛2の吹出口21に配置される。
【0036】
図12は、後部組立体22の前面図である。図12においては、左方向が通路200に面する方向であり、右方向が背板12に面する方向である。また、図13は、ルーバー組立体4の斜視図である。図13においては、左方向が吹出口21に面する方向であり、右方向が肘掛2の内側方向である。
【0037】
図11に示すように、ルーバー組立体4は、横方向ルーバー42と、横方向ルーバー42と組み合わされた縦方向ルーバー41と、横方向ルーバー42が固定されたベース板43とを有する。そして、ベース板43は、後部組立体22の後面内側にネジ留めされている。また、縦方向ルーバー41と横方向ルーバー42の一部には、シール部材5が接着されている。
【0038】
縦方向ルーバー41と横方向ルーバー42とは金属製であり、互いに交差するように組み合わされている。具体的には、横方向ルーバー42がベース板43に溶接されており、櫛歯状の複数の溝421が横方向ルーバー42の吹出口21側の端部に形成されている。そして、縦方向ルーバー41は、横方向ルーバー42が縦方向ルーバー41に対して傾くように溝421に差し込まれ、横方向ルーバー42に溶接される。ここで、縦方向ルーバー41は、ベース板43と平行な方向に差し込まれる。これにより、縦方向ルーバー41を溝421に差し込みやすくなるため、ルーバー組立体4の組立が容易になる。
【0039】
横方向ルーバー42は、断面V字状の上側ルーバー423と、板状の下側ルーバー424とを有すると共に、上側ルーバー423と下側ルーバー424との間に配置された板状の中間ルーバー422を有する。また、下側ルーバー424の吹出口21側には、板状の塞ぎ用ルーバー426が配置されている。そして、上側ルーバー423は、縦ダクト31のベース板43の幅方向中央にV字形状の谷部425が対応するように配置されている。また、下側ルーバー424の下端と中間ルーバー422の下端とは、吹出口21から同じ距離にある。そして、上側ルーバー423の谷部425は、下側ルーバー424の下端及び中間ルーバー422の下端よりも吹出口21から遠い位置にある。また、上側ルーバー423、下側ルーバー424及び中間ルーバー422は同じ厚みを有する。
【0040】
縦方向ルーバー41は複数の板状ルーバー411を有し、第1実施形態においては6個の板状ルーバー411を有する。そして、複数の板状ルーバー411のうち、肘掛2の後端(ベース板43)に近い板状ルーバー411の長さは、当該後端から遠い板状ルーバー411よりも長い。すなわち、複数の板状ルーバー411はそれぞれ長さが異なり、肘掛2の後端に近くなるにつれて縦方向ルーバー41が長くなる。そのため、図11に示すように、肘掛2の後端に近い板状ルーバー411の下端は、当該後端から遠い板状ルーバー411の下端よりも下方へ突出している。さらに、肘掛2の後端に近い板状ルーバー411の上端は、当該後端から遠い板状ルーバー411の上端よりも上方へ突出している。一方、複数の板状ルーバー411は、ベース板43と平行な方向において全て同じ幅を有する。そして、複数の板状ルーバー411の背板12側の端部は、端面の位置が一致するように揃えられている。
【0041】
図13は、ルーバー組立体の斜視図である。図13に示すように、縦方向ルーバー41を差し込むための溝421は、上側ルーバー423、下側ルーバー424及び中間ルーバー422に形成されている。また、ベース板43とは反対側の端部には歯が形成されていない。そして、板状ルーバー411の図示右側の外面、すなわちベース板43とは反対側の外面には、シール部材5が接着される。また、塞ぎ用ルーバー426は、空気漏れを防ぐために下側ルーバー424に接した状態でベース板43に溶接されている。そして、塞ぎ用ルーバー426は、下側ルーバー424と同じ幅を有し、ベース板43と直交する方向に延在している。
【0042】
このようなルーバー組立体4を備えることにより、第1実施形態においては、空気を上方向へ効率的に導くことができる。そのため、空調の効率を向上させることができる。なお、横方向ルーバー42が有するルーバーの数は3個には限られず、3個より多くても又は少なくてもよい。また、板状ルーバー411の数は6個には限られず、6個より多くても又は少なくてよい。さらに、横方向ルーバー42に形成された溝421に代えて、横方向ルーバー42を差し込むための溝を縦方向ルーバーに形成してもよい。
【0043】
[第2実施形態]
図14は側脚3の後面図であり、図15は、後部組立体22の前面図である。なお、第1実施形態と同じ構成については同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
第2実施形態の肘掛2は、二脚の空調椅子1に挟まれた中間の肘掛2であり、図2においては、中間の空調椅子1と左端又は右端の空調椅子1との間にある肘掛2である。第2実施形態の肘掛2は第1実施形態と異なり、側脚本体32の両側面に側方開口322が形成されていると共に、肘掛2の両側面に吹出口21が設けられている。そのため、後部組立体22の両側に面するようにルーバー組立体4が設けられている。
【0045】
図14に示すように、第2実施形態においては、側脚本体32の底部から延在する延在部34が側脚本体32の両側に設けられている。そして、側脚3は延在部34に設けられたボルト穴341を介して床100にボルト留めされる。また、横ダクト13と連通する側方開口322が側脚本体32の両側面に形成されている。そして、側脚本体32の両側の縁部35が、二つの横ダクト13の連通開口134にはめ込まれる。さらに、ダクトカバー132を支持する前側カバー支持部314及び後側カバー支持部315が、縦ダクト31の両側に設けられている。なお、第1実施形態と同様に、上部開口321が側脚本体32の上側後方角部に形成され、縦ダクト31の下側開口310が上部開口321と連通している。
【0046】
また、図15に示すように、第2実施形態においては、後部組立体22に断面U字状の取付部材221が取り付けられている。そして、当該取付部材221は、縦ダクト31の両側面にボルト留めされる。また、ルーバー組立体4が後部組立体22の両側に面するように取り付けられており、肘掛2の2つの吹出口21に対応する。これにより、肘掛2の両隣の背板12に向かって空気が吹き出される。
【0047】
第2実施形態においては、横方向ルーバー42が、断面V字状の上側ルーバー423と、一対の下側ルーバー424と、上側ルーバー423と下側ルーバー424との間に配置された一対の中間ルーバー422とを含む。そして、下側ルーバー424の吹出口21側には、一対の塞ぎ用ルーバー426が配置されている。また、縦方向ルーバー41は、後部組立体22の両側にそれぞれ6個ずつ、合計12個の板状ルーバー411を含む。このようなルーバー組立体4を備えることにより、両隣の空調椅子の上方向へ空気を確実に導くことができる。そのため、空調の効率を向上させることができる。
【0048】
[第3実施形態]
図16は、空調装置300及び空調椅子1を備えた空調システムを示している。空調装置300は、冷却手段又は加熱手段によって、冷やした空気又は暖めた空気を供給できる。空調装置300から供給された空気は、給気ダクト400及び複数の通気口101を介して複数の空調椅子1に供給される。図16において矢印で示すように、通気口101から供給された空気は、吹出口21から空調椅子1の背板12側に向かって吹き出される。
【0049】
各通気口101は、二脚又は三脚の空調椅子1に対応している。これにより、空調装置300から供給された空気は、給気ダクト400、横ダクト13、側脚本体32、縦ダクト31を介して吹出口21から吹き出される。この時、空気はルーバー組立体4によって上方へと導かれ、背板12側に向かって吹き出される。これにより、後側の空調椅子1の使用者が居る空間を、効率的に空調することができる。
【0050】
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施形態及び変形例は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0051】
例えば、ルーバー組立体4は、横方向ルーバーのみを有してもよい。また、縦方向ルーバーは、後方に傾けて配置できる。また、上記実施例においては、ルーバー組立体4を後部組立体22に取り付けた。しかし、ルーバー組立体4は、吹出口21に配置されていればよく、縦ダクト31の後側開口311に取り付けることもできる。この場合、ルーバー組立体4を、後側開口311に溶接することができる。
【0052】
さらに、上記実施例の吹出口21は後部組立体22の上側にのみ設けられているが、前部組立体23に吹出口21を設けることもできる。この場合、空調椅子1の前方及び後方に空気を供給できる。また、肘掛2の通路側の面には、座席通路誘導灯を設けることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1:空調椅子、2:肘掛、3:側脚、4:ルーバー組立体、11:座、12:背板、13:第2のダクト、21:吹出口、22:後部組立体、31:第1のダクト、32:側脚本体、42:横方向ルーバー、41:縦方向ルーバー、120:湾曲面、122:側方端部、131:下方開口、300:空調装置、310:下側開口、311:後側開口、318:風向板、321:上部開口、400:給気ダクト、411:板状ルーバー、423:上側ルーバー、424:下側ルーバー、422:中間ルーバー、425:谷部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される空気を吹き出す空調椅子であって、
座及び背板と、
前記空気が流れる第1のダクトが設けられた肘掛とを備え、
前記肘掛の後部は、前記背板の少なくとも一部よりも後方に突出しており、
前記肘掛の後部には、前記背板に対向し且つ前記第1のダクトと連通する吹出口が設けられており、
前記吹出口には、前記空気を上方に導くルーバー組立体が配置されていることを特徴とする、空調椅子。
【請求項2】
前記ルーバー組立体は、横方向ルーバーと縦方向ルーバーとを有し、
前記横方向ルーバーと前記縦方向ルーバーとは、交差するように組み合わされていることを特徴とする、請求項1に記載の空調椅子。
【請求項3】
前記横方向ルーバーは、V字状の上側ルーバーと、板状の下側ルーバーとを有することを特徴とする、請求項2に記載の空調椅子。
【請求項4】
前記横方向ルーバーは、前記上側ルーバーと前記下側ルーバーとの間に配置された板状の中間ルーバーを有することを特徴とする、請求項3に記載の空調椅子。
【請求項5】
前記上側ルーバーの谷部は、前記下側ルーバーの下端及び前記中間ルーバーの下端よりも前記吹出口から遠い位置にあることを特徴とする、請求項4に記載の空調椅子。
【請求項6】
前記縦方向ルーバーは、複数の板状ルーバーを有し、
前記複数の板状ルーバーのうち、前記肘掛の後端に近い板状ルーバーは、前記後端から遠い板状ルーバーよりも長いことを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項7】
前記縦方向ルーバーは、複数の板状ルーバーを有し、
前記複数の板状ルーバーのうち、前記肘掛の後端に近い板状ルーバーの下端は、前記後端から遠い板状ルーバーの下端よりも下方へ突出していることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項8】
前記背板は、湾曲面を有しており、
前記肘掛の後部は、前記背板の側方端部よりも後方に位置しており、
前記吹出口は、前記湾曲面に対向することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項9】
前記肘掛は、前記座及び前記背板を支持する側脚を有し、
前記側脚は、中空の側脚本体を有し、
前記座の下方には、前記側脚本体に連通すると共に、供給される前記空気が流入する下方開口を有する第2のダクトが設けられており、
前記第1のダクトは、前記吹出口に連通する後側開口と、前記側脚本体の上部開口に連通する下側開口とを有することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項10】
前記第1のダクト内には、風向板が設けられており、
前記風向板は、前記後側開口に向かって傾いていると共に、前記後側開口の縁部に固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の空調椅子。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の空調椅子と、
前記空調椅子へ空気を供給する空調装置と、
前記空調装置及び前記空調椅子に接続された給気ダクトとを備えることを特徴とする、空調システム。
【請求項1】
供給される空気を吹き出す空調椅子であって、
座及び背板と、
前記空気が流れる第1のダクトが設けられた肘掛とを備え、
前記肘掛の後部は、前記背板の少なくとも一部よりも後方に突出しており、
前記肘掛の後部には、前記背板に対向し且つ前記第1のダクトと連通する吹出口が設けられており、
前記吹出口には、前記空気を上方に導くルーバー組立体が配置されていることを特徴とする、空調椅子。
【請求項2】
前記ルーバー組立体は、横方向ルーバーと縦方向ルーバーとを有し、
前記横方向ルーバーと前記縦方向ルーバーとは、交差するように組み合わされていることを特徴とする、請求項1に記載の空調椅子。
【請求項3】
前記横方向ルーバーは、V字状の上側ルーバーと、板状の下側ルーバーとを有することを特徴とする、請求項2に記載の空調椅子。
【請求項4】
前記横方向ルーバーは、前記上側ルーバーと前記下側ルーバーとの間に配置された板状の中間ルーバーを有することを特徴とする、請求項3に記載の空調椅子。
【請求項5】
前記上側ルーバーの谷部は、前記下側ルーバーの下端及び前記中間ルーバーの下端よりも前記吹出口から遠い位置にあることを特徴とする、請求項4に記載の空調椅子。
【請求項6】
前記縦方向ルーバーは、複数の板状ルーバーを有し、
前記複数の板状ルーバーのうち、前記肘掛の後端に近い板状ルーバーは、前記後端から遠い板状ルーバーよりも長いことを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項7】
前記縦方向ルーバーは、複数の板状ルーバーを有し、
前記複数の板状ルーバーのうち、前記肘掛の後端に近い板状ルーバーの下端は、前記後端から遠い板状ルーバーの下端よりも下方へ突出していることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項8】
前記背板は、湾曲面を有しており、
前記肘掛の後部は、前記背板の側方端部よりも後方に位置しており、
前記吹出口は、前記湾曲面に対向することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項9】
前記肘掛は、前記座及び前記背板を支持する側脚を有し、
前記側脚は、中空の側脚本体を有し、
前記座の下方には、前記側脚本体に連通すると共に、供給される前記空気が流入する下方開口を有する第2のダクトが設けられており、
前記第1のダクトは、前記吹出口に連通する後側開口と、前記側脚本体の上部開口に連通する下側開口とを有することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の空調椅子。
【請求項10】
前記第1のダクト内には、風向板が設けられており、
前記風向板は、前記後側開口に向かって傾いていると共に、前記後側開口の縁部に固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の空調椅子。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の空調椅子と、
前記空調椅子へ空気を供給する空調装置と、
前記空調装置及び前記空調椅子に接続された給気ダクトとを備えることを特徴とする、空調システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−249962(P2012−249962A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126677(P2011−126677)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(510274430)コトブキシーティング株式会社 (17)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(510274430)コトブキシーティング株式会社 (17)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]