説明

空調機システム

【課題】
複数の室内機がグループ化された空調空間内における温度設定制限下の空調機システムにおいて、さまざまな要因で生じる温度の不調和を緩和し、管理者が煩雑な温度管理を行うことなく利用者の快適性を確保し、使用電力量の削減効果を維持する。
【解決手段】
空調機システムは室内機本体に温度を測定する温度検出部と、同室内機を制御する制御部と、室内機グループで基準となる温度を測定する室温検出手段と、室内機グループへ指示を与えるワイヤードリモコンと同リモコンの制御部を備えている。室内機制御部は、指定された制限温度と室内機本体の温度との温度差から記憶部に格納された制限解除管理テーブルを参照し制限解除データをワイヤードリモコンへ送信し、制限解除データを受信したリモコン制御部は、利用者による制限解除範囲内での温度設定の変更を入力可能として設定温度が入力されると室内機へ設定温度変更データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グループ化された複数の室内機に対し共通の温度制御を行う空調機システムに係わり、より詳細には、集中管理装置で指示された設定温度の限度値以内で運転される室内機の設定温度操作の受付制限制御に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機システムは、1台以上の室外機と複数の室内機が同一冷媒配管で接続され、この室外機と室内機と、管理者が使用する集中管理装置と、利用者が使用するリモコンとが通信線で接続された構成により、集中管理装置から各室内機やグループ化された複数の室内機、また通信線で接続されたその他各装置への運転指示などを行うことができ、オフィスビルや商業施設など建屋全体または広域の空調空間での空調機管理を実施する。
【0003】
このような複数の室内機からなる空調機システムでは、環境への配慮や電気料金の節約の目的から省エネルギー機能を有した物が多数商品化されている。さらに近年では、社会的な使用電力量の制約を背景に、電力の大口需要家に対する電力使用制限令が電気事業法に基づき発令され、この空調機システムを所有する一定規模の事業者には使用電力量の削減が義務化されている。
使用電力量の削減対策として例えば、空調運転時の設定温度を控えめにする事が有効と知られており、冷房時であれば室温が28℃となるように空調運転を管理し、28℃以下となった場合に冷房運転を停止するといった制限を実施しているが、時々刻々と変化する空調環境やこれに関わる様々な条件により、利用者全体に制限温度である室温28℃の環境を安定して提供することは極めて困難であり、設定温度を基準とした制限では使用電力量の削減効果はあるものの利用者の快適性が損なわれることがあり、使用電力量の削減対策に理解を得ることが難しいという問題があった。
【0004】
このように制限温度による使用電力量の削減と、利用者の快適性確保とは相反するものであり、個人や家族など少人数で利用する空調機や小規模な空調機システムにおいては比較的容易に実施可能な場合が多いが、使用電力量の削減が義務化されている大人数が利用するような空調機システムにおいては、利用者と管理者の利害関係や、利用者間での不公平感が生じることもあり、管理者には使用電力量の削減効果と利用者の快適性や公平性維持といったバランス調整が求められ、対策の実施に極めて苦慮しているといえる。
【0005】
上記のような問題を解決するために、例えば冷房運転の場合に室内機で測定された室温が、管理装置で予め定められた室温の制限値を下回った場合に、リモコンでの運転/停止ボタンの受付を禁止し、室内機で測定された室温が、管理装置で予め定められた室温の制限値を上回った場合に、リモコンでの運転/停止ボタンの受付の禁止を解除し、管理装置で予め定めた各リモコンの設定温度の制限値以上の室温調節を許可する空気調和システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この空気調和システムによれば、使用電力量の削減運転を実施しつつも、利用者の快適性を確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−279112号公報(第5〜11頁、図1〜7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の空気調和システムでは管理装置で予め定めたリモコンの制限解除温度を決定する設定温度が、同じく管理装置で予め定めた制限解除の可否を判断する室内温度の制限値以上で設定されている場合には、制限によりその室内機の温度調節が不能となる。つまり、利用者の快適性を確保(室温調節を許可)するためには、管理者が予め各室内機の空調空間毎の特性を把握した上で、各リモコンの制限解除温度を決定する設定温度を細かく設定する必要があり、容易に使用電力量の削減対策を実施することができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、管理者が各室内機(空調空間)毎の特性などの知識が無くても、使用電力量の削減と利用者の快適性の確保を行うことができる空調機システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、グループ化された複数の室内機と、同室内機の設定温度の設定限度値である制限温度を前記室内機へ指示する集中管理装置と、前記グループ化された室内機が配置された一カ所の室温である基準温度を測定する室温検出手段と、前記グループ化された前記室内機へ指示を与えるワイヤードリモコンとを備え、
前記ワイヤードリモコンは、前記室内機と通信を行うリモコン通信部と、リモコン記憶部と、利用者が指示した前記設定温度を入力するキー入力部と、これらを制御すると共に
、前記設定温度を前記室内機へ送信するリモコン制御部とを備え、
前記室内機は前記集中管理装置と通信する室内機通信部と、ワイヤードリモコンと通信する室内機リモコン通信部と、前記室内機周辺の室温である室内機測定温度を検出する室内機温度検出部と、室内機記憶部と、これらを制御する室内機制御部とを備え、
前記室内機記憶部には前記基準温度と前記室内機測定温度との温度差と、前記制限温度の限度の緩和可能温度である制限解除許可温度とを前記温度差に対応して予め記憶した制限解除管理テーブルが格納され、
前記室内機制御部は、前記基準温度が前記ワイヤードリモコンから指示された前記設定温度になるように運転し、前記制限温度が指示されていた場合、同制限温度を前記ワイヤードリモコンへ送信し、前記室温検出手段で検出した基準温度と前記室内機温度検出部で検出した前記室内機測定温度との温度差である算出温度差を算出し、同算出温度差と対応する前記制限解除管理テーブルの温度差を検索し、検索された前記温度差に対応する前記制限解除許可温度を抽出し、同制限解除許可温度を前記ワイヤードリモコンへ送信し、
前記ワイヤードリモコンのリモコン制御部は、受信した前記制限温度及び前記制限解除許可温度を前記リモコン記憶部に記憶し、前記設定温度が入力され同設定温度が前記制限温度を前記制限解除許可温度で緩和した限度値以内の時、前記設定温度を受け付けて制限解除許可温度を受信した前記室内機へ送信し、制限緩和運転することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、前記制限解除管理テーブルに、同制限解除管理テーブルの前記温度差に対応して前記制限解除許可温度の有効時間である復帰時間を予め追加記憶し、
前記室内機制御部は、前記制限解除許可温度を抽出すると同時に前記復帰時間も抽出し
、同復帰時間を前記ワイヤードリモコンへ送信し、
前記リモコン制御部は、同復帰時間を受信して前記リモコン記憶部へ記憶し、前記設定温度を受け付けて前記室内機へ送信した時、前記復帰時間のタイマを起動し、
同復帰時間のタイマが終了した時、以降に入力される前記設定温度が前記制限温度以内
の時のみ前記設定温度を受け付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の手段を用いることにより、本発明による空調機システムによれば、
制限温度を定めることで使用電力量の削減対策を実施する場合にも、各室内機センサで測定した温度と制限温度との温度差に対応した温度範囲に室温設定の制限を緩和することで利用者の快適性を確保しつつ、管理者が使用電力量の削減対策を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による空調機システムの実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明による室内機の実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明によるワイヤードリモコンの実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明による室内機グループXの動作を説明する説明図である。
【図5】本発明による温度制御を説明する制限解除管理テーブルである。
【図6】本発明による室内機制御部の処理を説明するフローチャートである。
【図7】本発明によるワイヤードリモコン制御部の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、空調機システムにおいて使用電力量の削減対策などの目的で集中管理装置から指示された制限温度による温度制御が行われる室内機グループ共通の空調空間で、外気温、直射日光、人口密度、出入口の利用頻度など、さまざまな要因で生じる空調空間内での温度の不調和に対し、各室内機センサで測定した室温と制限温度との温度差に対応した温度範囲に室温設定の制限を解除することで、利用者による一定の範囲での温度設定を可能とするものである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
尚、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明による空調機システムの実施例を示すブロック図である。この空調機システムは、集中管理装置30と、室外機40と、グループXにグループ化された複数の室内機10a,10b,10cと、グループXの複数の室内機へ共通の運転指示を与えるワイヤードリモコン20aと、グループYにグループ化された複数の室内機10d,10eと、グループYの複数の室内機へ共通の運転指示を与えるワイヤードリモコン20dとを備え、集中管理装置30と、室外機40と、室内機10a,10b,10c,10d,10eとは通信線1で、グループXの室内機10a,10b,10cとワイヤードリモコン20aとはリモコン通信線2で、グループYの室内機10d,10eとワイヤードリモコン20dとはリモコン通信線3でそれぞれ通信接続されている。
【0015】
図2は、本発明による室内機10aの実施例を示すブロック図である。
この室内機10aは他の室内機10b,10c,10d,及び10eと同じ構成であるため、室内機10aを代表として説明する。
【0016】
室内機10aは、ワイヤードリモコン20aとリモコン通信線2を介してデータ通信を行う室内機リモコン通信部11と、データを格納する室内機記憶部13と、温度センサで温度を測定する室内機温度検出部14と、集中管理装置30や室外機40と通信線1を介してデータ通信を行う室内機通信部15と、これらを制御する室内機制御部12とを備えている。
【0017】
図3は、本発明によるワイヤードリモコン20aの実施例を示すブロック図である。
このワイヤードリモコン20aはワイヤードリモコン20dと同じ構成であるため、ワイヤードリモコン20aを代表として説明する。
【0018】
このワイヤードリモコン20aは、利用者が空調機システムのグループXに意図する運転を指示するために操作するキー入力部26と、利用者にグループXの運転状況などの情報を表示する表示部25と、リモコン通信線2を介してグループ化された複数の室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)とのデータ通信を行うリモコン通信部21と、温度センサで室温を測定する室温検出部24と、制御情報を記憶するリモコン記憶部23と、これらを制御するリモコン制御部22とを備えている。
なお、室温検出部24はグループXの室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)で共通となる基準温度を測定する室温検出手段である。室温検出部24または室温検出手段はワイヤードリモコン20aに備えられているとは限らず、グループXの空調空間のより利用者に近い場所や中心部といった位置に設置・接続される場合、あるいはグループXの室内機のうち1台の室内機の室内機温度検出部14を室温検出手段として代用する場合もある。
【0019】
ここで本実施例で使用する温度に関連する名称ついて説明する。
管理者が集中管理装置から指示する運転温度の制限値を『制限温度』、グループで共通となる室温検出手段で測定した室温を『基準温度』、各室内機の室内機室温転出部14で測定した温度を『室内機測定温度』、制限温度と室内機測定温度とから計算された温度差を『算出温度差』、利用者による温度設定の入力可能値を『設定可能温度範囲』、制限解除管理テーブルの温度差に応じて制限解除される利用者による温度設定の入力可能値を『制限解除許可範囲』、利用者の操作により入力された温度を上記2種類の範囲のどちらかに係わらず『設定温度』と、それぞれ呼称する。なお、これらについては後で詳細に説明する。
【0020】
図4は本発明による室内機グループXの動作を説明する説明図である。
この説明図を用いて、室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)とワイヤードリモコン20aで構成されるグループXの本発明における温度制御の動作概要を説明する。
【0021】
図4の説明図において、図4(1)は基準温度と各室内機で測定される室温の推移、図4(2)は室内機制御部12の処理、図4(3)はリモコン制御部22の処理、図4(4)は設定温度範囲の制限状態、図4(5)は温度制御の方法を記している。
【0022】
また、図4(1)〜図4(5)は横軸を時間軸とし時間の経過とともに右側へ遷移し、T1〜T4の縦点線は共通するタイミングを示している。
【0023】
図4(1)において、太線は制限温度を、二重線は基準温度を、点線は室内機A,B,C各々の室内機測定温度を、一点鎖線は設定温度を、縦軸の温度に対応させて示している。
T1〜T2の範囲では、集中管理装置で指示された制限温度と、グループXで共通となる基準温度の遷移と、制限温度以内で利用者に許可される設定可能温度範囲とを表している。
T2〜T3の範囲では、室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)のそれぞれの室内機温度検出部14で測定された室内機測定温度A,B,Cの遷移と、室内機測定温度A,B,Cと制限温度との算出温度差a,b,cと、同算出温度差に対応して利用者に制限解除される制限解除許可範囲と、制限解除許可範囲を含めて利用者に許可される設定可能温度範囲とを表している。
T3〜T4の範囲では、利用者の設定温度入力値と、同設定温度入力によるグループXで共通となる基準温度の遷移と、室内機測定温度A,B,Cの遷移とを表している。
【0024】
以降の説明は図4(1)で運転開始時に制限温度と設定温度とが共に28.0℃に指示及び設定され、基準温度が32.0℃と測定されているものとする。
図4(2)において室内機制御部12は、T1で運転が開始されると集中管理装置30から受信した制限温度値28.0℃を室内機記憶部13に格納し、ワイヤードリモコン20aに制限温度設定データとして送信する。図4(5)の温度制御の方法において、各室内機は基準温度値32.0℃が制限温度値28.0℃になるように運転する第一の温度制御を開始する。
図4(3)においてリモコン制御部22は室内機制御部12から送信された制限温度設定データを受信すると、制限温度値28.0℃をリモコン記憶部23に格納し、表示部25へ制限温度から制限解除許可温度値を減じた制限解除許可温度範囲を計算して表示する

図4(4)の設定温度範囲の制限状態は、この時点で基準温度が制限温度に未到達であるため、ワイヤードリモコン20aは集中管理装置30から指示された制限温度範囲以下に設定温度を受付けることが禁止され、制限温度以内となる。
【0025】
図4(2)において室内機制御部12は基準温度が制限温度28.0℃に到達したT2で室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)それぞれの室内機温度検出部14から室内機測定温度A,B,Cを測定する。ここでは室内機A(10a)の室内機測定温度Aが27.2℃、室内機B(10b)の室内機測定温度Bが29.8℃、室内機C(10c)の室内機測定温度Cが30.4℃と測定された状況とする。
図4(1)において、このように基準温度が制限温度の28.0℃に到達しても、異なる場所に設置された室内機のそれぞれの室内機測定温度A,B,Cが基準温度と同じ温度に推移するとは限らず、例えば人の数や他の熱源が少ない場所が室内機測定温度A、窓際で直射日光を受け外気温の影響を受けやすい場所が室内機測定温度C、と言うようにさまざまな要因で温度の不調和が発生することが多く存在する。
【0026】
図4(2)において室内機制御部12は、室内機A(10a)の自らが測定した室内機測定温度Aと制限温度との温度差aを計算し、算出した算出温度差を元にして制限解除管理テーブルを参照し、温度差毎の制限解除可否と、制限温度の解除許可範囲(温度)と、復帰時間(制限緩和運転の継続時間)との情報を取得し、取得した情報に応じて制限解除可能の場合にはワイヤードリモコン20aへ制限解除データを送信する。
この制限解除管理テーブルとは、空調運転の種類と算出温度差に応じて、利用者への制限温度の解除可否と、制限解除時の設定可能温度と、利用者から制限解除許可範囲内での設定温度入力が行われた場合に実施する制限緩和運転の継続時間を決定するために室内機制御部で使用される情報を記憶したテーブルである。なお、詳細については後述する。
【0027】
室内機制御部12は温度差aの−0.8℃を算出し室内機記憶部13の制限解除管理テーブルを参照する。また他の室内機B(10b),室内機C(10c)も同様の処理を行う。
そして室内機測定温度Bと制限温度との算出温度差bの1.8℃と、室内機測定温度Cと制限温度との算出温度差cの2.4℃とが制限解除管理テーブルから取得した情報により制限解除可能な温度差と判定し、室内機B(10b)の制限解除許可温度1.0℃と復帰時間5分の情報を含む制限解除データをワイヤードリモコン20aへ送信する。同様に室内機C(10c)は制限解除許可温度1.5℃と復帰時間10分の情報を含む制限解除データをワイヤードリモコン20aへ送信する。
【0028】
図4(3)において室内機B(10b)と室内機C(10c)から制限解除データを受信したリモコン制御部22は、各室内機から受信した制限解除データをリモコン記憶部23へ格納し、それぞれの制限解除データに含まれる制限解除許可温度が大きいものを有効とし、既に取得していた制限温度値に有効とした制限解除データに対応する制限解除許可温度値を減じて算出した制限解除許可範囲を表示部25へ表示する。
リモコン制御部22は、室内機B(10b)と室内機C(10c)とから受信した制限解除データをリモコン記憶部23へ格納し、制限解除データに含まれる制限解除許可温度
、1.0℃と、1.5℃とを比較し制限解除許可温度が大きい1.5℃の室内機C(10c)から受信した制限解除データを有効とし、制限温度値28.0℃から制限解除許可温度値1.5℃を減じて算出した制限解除許可限度26.5℃を表示部25へ表示する。
【0029】
このリモコン制御部22の処理により、図4(4)において設定温度範囲の制限状態は
、利用者による温度設定入力が制限解除許可範囲まで緩和され、図4(5)の温度制御の方法において、利用者による温度設定実施まで第一の温度制御を継続する状態となる。
【0030】
図4(3)においてリモコン制御部22は、キー入力部26から利用者による設定温度26.5℃が入力されたT3で、リモコン記憶部23に設定温度値26.5℃を格納し、設定温度値26.5℃の設定温度変更データをグループXの室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)のうち、T3で制限解除データを送信した室内機B(10b)と、室内機C(10c)とを対象として送信し、リモコン記憶部23に格納された復帰時間値10分のタイマカウントを開始する。
なお、利用者は制限解除許可限度26.5℃よりも高い温度を入力し設定温度とすることが可能であるが、設定温度変更データを制限解除データを送信した室内機を対象として送信し復帰時間値のタイマカウントを開始する制御は、制限解除許可限度26.5℃から制限温度28.0℃までの制限解除許可範囲の温度を入力し設定温度とする場合にのみ行われる。
【0031】
図4(2)において室内機B(10b),室内機C(10c)の室内機制御部12は、ワイヤードリモコン20aから設定温度値26.5℃の情報を含む設定温度変更データを受信すると、基準温度値28.0℃が新たに利用者により入力された設定温度値26.5℃になるように運転を開始する。図4(5)の温度制御の方法において、設定温度変更データを受信した室内機B(10b),室内機C(10c)が制限解除運転を行う第二の温度制御に移行し、設定温度変更データを受信していない室内機A(10a)は第一の温度制御を継続する。
【0032】
図4(3)においてリモコン制御部22は、T3で開始したタイマカウントにより、制限解除運転の復帰時間10分に到達したT4で、記憶部23に格納されている設定温度値26.5℃と復帰時間値10分をクリアし、制限解除運転開始前の制限温度値に戻すため
、記憶部23に格納されている制限温度値28.0℃を設定温度とした設定温度変更データを室内機B(10b),室内機C(10c)へ送信する。
【0033】
図4(2)において室内機B(10b),室内機C(10c)の室内機制御部12は、ワイヤードリモコン20aから設定温度値28.0℃の情報を含む設定温度変更データを受信すると、図4(5)の温度制御の方法において、室内機B(10b),室内機C(10c)は基準温度が設定温度値28.0℃になるように運転する第一の温度制御に復帰する。
【0034】
復帰時間10分に到達したT4で行われる上記に説明したリモコン制御部22と室内機制御部12との処理により、図4(4)において設定温度範囲の制限状態は制限解除許可範囲への温度設定の入力が禁止され、自動的に元の制限温度以内の制限状態へと復帰する

以上が図4に示したグループXの本発明における温度制御の動作概要の説明である。
なお、図示は省略しているが、T2から利用者による制限解除許可範囲の設定温度入力が行われるT3までの間とT4で説明した制御後には、T2で説明した室内機制御部12による室内機測定温度と制限温度との算出温度差と、この温度差を元にした制限解除管理テーブル参照による制限解除可否判定と、制限解除可能の場合にワイヤードリモコン20aへ制限解除データを送信する処理とが繰り返し行われ、その時点の室内機A(10a)
,室内機B(10b),室内機C(10c)で測定した室内機測定温度と制限温度との算出温度差に対応した制限管理が随時行われている。
【0035】
図5は本発明による温度制御を説明する制限解除管理テーブルである。
この制限解除管理テーブルは空調機システムの各室内機の室内機記憶部13に格納されており、管理者が空調機システムに制限温度を設けて使用電力量の削減対策を実施する場合に生じる室内温度の不調和や、この室内温度の不調和が起因となる利用者の快適性低下を緩和する役割を担うものである。
なお、制限解除管理テーブルは少なくともグループ化された複数の室内機単位で共通の内容となるように管理されている。
【0036】
制限解除管理テーブルには、暖房運転時と冷房運転時の2種類がありそれぞれ運転中の室内機制御部12が運転の種類に対応して参照する。例えば冷房運転中の室内機制御部12は、自らの室内機温度検出部14で測定した室内機測定温度と集中管理装置30で指定された制限温度との温度差を計算し、運転の種類と算出温度差とに対応した制限解除管理テーブルを参照し、制限温度の解除可否や制限解除時の設定可能温度を決定するために利用される。
なお、制限解除管理テーブルの項目は、暖房運転時と冷房運転時ともに同様の構成であるため以下の説明では冷房運転時を代表として説明する。
また、本実施例では暖房運転時と冷房運転時の2種類を示しているが、各運転モード共通の1種類のテーブルまたは、各運転モードに応じた2種類以上のテーブルとすることも可能である。
さらにはこの制限解除管理テーブルは、より精密な温度制御管理を希望する管理者により集中管理装置30などから設定・更新が可能となる様にしてもよい。
【0037】
次に温度制御管理テーブルの各項目を説明する。
温度制御管理テーブルの横の項目は、左から管理者が指示した制限温度と室内機の室内機温度検出部14で測定した室内機測定温度との温度差である『温度差』、続いてこの温度差毎に制限解除を行うか否か、制限解除を行う場合には元の制限温度を基準として何℃までの温度設定を許可するかを決定する『制限解除許可温度』、続いて制限解除後に基準温度が利用者が新たに入力した制限解除許可範囲の設定温度になるように制限解除運転する第二の温度制御の継続時間を決定する『復帰時間』である。
【0038】
例えば管理者が集中管理装置30から冷房運転時の制限温度を28.0℃に設定した場合、室内機C(10c)の室内機制御部12は室温検出手段である室温検出部24で測定された基準温度32.0℃が制限温度を28.0℃になるように第一の温度制御を開始する。
【0039】
第一の温度制御を開始した室内機制御部12は基準温度が制限温度となった時に、制限温度の28.0℃と、室内機C(10c)の室内機温度検出部14で測定した室内機測定温度との温度差を算出し室内機C(10c)の室内機記憶部13に格納された制限解除管理テーブルを参照する。
ここで説明する制限解除管理テーブルを参照するタイミングは図4に示すT2となる。
【0040】
次に制限解除管理テーブルを用いた制御について説明する。
制限解除管理テーブルの参照では最初に『温度差』項目の中に算出された温度差に該当する温度差の範囲を検索し、これと対応する『制限解除許可温度』を取得する。ここでは室内機C(10c)の室内機温度検出部14で測定した室内機測定温度がこの時点で30.5℃となっていることを仮定して以下の説明を行う。
室内機制御部12は室内機温度検出部14で測定した室内機測定温度が30.5℃の場合、制限温度28.0℃との温度差を2.5℃と算出し、制限解除管理テーブルの『温度差』項目に該当する温度差の範囲は2.1℃〜2.5℃と特定し、これと対応する『制限解除許可温度』1.5℃の制限解除許可温度値を取得する。
なお、本実施例の温度差の分類は1.0℃以下と、5.1℃以上と、1.1℃〜5.0℃を0.5℃単位に8分割したものを記しているが、温度範囲、分類数、各分類内の温度幅、制限解除の可否判断などの諸条件はこれに限るものではない。
【0041】
次に室内機制御部12は温度差によって特定された『制限解除許可温度』の情報に従い制限解除の可否を決定し、制限解除の場合には設定解除許可温度値と同様の取得方法で『復帰時間』の復帰時間値を取得する。
なお、本実施例の制限解除可否は取得した『制限解除許可温度』の情報が1.0℃以上の場合に制限解除可能と判断する。そして制限解除許可温度値と、復帰時間値とを制限解除データとして、ワイヤードリモコン20aへ送信する。
室内機C(10c)の室温がこの時点で30.5℃と仮定した本実施例の室内機制御部12は、上記の説明で既に取得した制限解除許可温度値の1.5℃によって制限解除可能と判断し、制限解除許可温度値1.5℃と、制限解除許可温度値と同様の方法で取得した復帰時間値10分を室内機C(10c)からの制限解除データとして、室内機リモコン通信部11からリモコン通信線2を介してワイヤードリモコン20aへ送信する。
【0042】
制限解除データを受信したワイヤードリモコン20aは、既に取得している制限温度値から受信した制限解除データの制限解除許可温度値を減じて制限解除許可範囲を算出し、利用者が制限解除許可範囲の設定温度入力を行えるように表示部25へ表示する。
制限解除データをリモコン通信部21で受信した本実施例のリモコン制御部22は、制限解除許可温度値の1.5℃と復帰時間値の10分との情報から、制限温度値28.0℃から制限解除データの制限解除許可温度値1.5℃を減じた26.5℃を制限解除許可範囲の下限として算出する。
そして利用者による制限解除許可範囲の設定温度入力が行えるように、制限解除状態と
、算出した制限解除許可範囲26.5℃とを表示部25に表示し利用者の新たな設定温度の変更によりキー入力部26からの操作が実施されるまで待機する。
このリモコン制御部22の制御が行われるまでの時間が図4に示すT2〜T3となり、この制限解除管理テーブルは、T2〜T3とT4以降のタイミングで各室内機の室内機制御部12の処理で室内機記憶部13から読出し参照するものである。
【0043】
なお、本実施例では制限解除状態と制限解除許可範囲とを表示部25に表示するように記しているが制限解除データで受信した復帰時間値も合わせて表示してもよい。
あるいは、これらの情報を表示せず利用者による設定温度変更の要求操作に伴いその要求操作を受付けるか否かで制限解除状態と制限解除許可範囲とを示す方法も実施可能である。このように情報を利用者に示す方法は千差万別であるため、本発明は制限解除状態やこれに付随する情報などをワイヤードリモコン20aに示す方法を特定するものではないものとする。
【0044】
次に、本発明に係わる室内機制御部12の処理動作を、図6に示す室内機制御部12のフローチャートを用いて説明する。なお、図6に記載のSTはステップを表し、これに続く数字はステップ番号を、また、YはYesをNはNoをそれぞれ表している。
【0045】
図6において室内機制御部12は、集中管理装置30からの送信データを室内機通信部15で受信しているか否かを確認する(ST1)。集中管理装置30からの受信データが無い場合(ST1−N)、ワイヤードリモコン20aからの送信データを室内機リモコン通信部11で受信しているか否か確認をする(ST2)。
【0046】
ワイヤードリモコン20aからの受信データが無い場合(ST2−N)、ワイヤードリモコン20aから受信し室内機記憶部13に格納された後述する基準温度が設定温度に到達しているか否かを確認する(ST3)。
【0047】
後述する基準温度が設定温度に到達した場合(ST3−Y)室内機の室内機温度検出部14で室内機測定温度を測定し、この室内機測定温度と制限温度との温度差を算出し、記憶部13に格納された制限解除管理テーブルを参照し、算出した温度差に対応する制限解除許可温度値と復帰時間値を取得する(ST4)。続いて取得した制限解除許可温度値により制限解除を行う値か否かを確認する(ST5)。
【0048】
制限解除を行う値の場合(ST5−Y)、室内機リモコン通信部11からリモコン通信線2を介してワイヤードリモコン20aへ制限解除データを送信する(ST6)。そして
、ST1へジャンプする。
基準温度が設定温度に到達していない場合(ST3−N)と、制限解除管理テーブルから取得した制限解除許可温度値により制限解除を行わない値の場合(ST5−N)とは、ST1へジャンプする。
【0049】
一方、集中管理装置30からのデータを室内機通信部15で受信した場合(ST1−Y)、受信データが制限温度データか否かを確認する(ST7)。受信データが制限温度データの場合(ST7−Y)、受信した制限温度値を室内機記憶部13に格納し、室内機リモコン通信部11からリモコン通信線2を介してワイヤードリモコン20aへ制限温度値からなる制限温度設定データを送信する(ST8)。そして、ST1へジャンプする。
集中管理装置30からの受信データが制限温度データでは無い場合(ST7−N)、例えば運転開始や停止などの受信データであればその内容に従い制御する(ST9)。そして、ST1へジャンプする。
【0050】
一方、ワイヤードリモコン20aからのデータを室内機リモコン通信部11で受信した場合(ST2−Y)、受信データは設定温度変更データか否かを確認する(ST10)。受信データが設定温度変更データの場合(ST10−Y)、室内機記憶部13に格納された設定温度値を受信した設定温度変更データの設定温度値に変更する(ST11)。続いて基準温度が受信した設定温度変更データの設定温度値となるように、温度制御運転を開始する(ST12)。そして、ST1へジャンプする。
【0051】
ワイヤードリモコン20aからの受信データが設定温度変更データでは無い場合(ST10−N)、ワイヤードリモコン20aからの受信データが基準温度データか否かを確認する(ST13)。受信データが基準温度データの場合(ST13−Y)、記憶部13に格納された基準温度値を受信した基準温度データ値に変更する(ST14)。そして、ST1へジャンプする。
なお、ST14で室内機記憶部13に更新した基準温度データが、ST3で後述とした基準温度である。
ワイヤードリモコン20aからの受信データが基準温度データでは無い場合(ST13−N)、例えば風量や風向変更などの受信データであればその内容に従い制御する(ST15)。そして、ST1へジャンプする。
【0052】
なお、本実施例では室内機の室内機制御部12が集中監視装置30から受信した制限温度値を制限温度設定データとしてワイヤードリモコン20aへ送信するように記しているが、これに限るものでなく、グループ化された複数の室内機A(10a),室内機B(10b),室内機C(10c)のうちいずれかの室内機の室内機制御部12から制限温度設定データをワイヤードリモコン20aへ送信してもよい。
【0053】
次に、本発明に係わるワイヤードリモコン20aの処理動作を、図7に示すリモコン制御部22のフローチャートを用いて説明する。なお、図7に記載のSTはステップを表し
、これに続く数字はステップ番号を、また、YはYesをNはNoをそれぞれ表している

【0054】
図7においてリモコン制御部22は、各室内機からのデータをリモコン通信部21で受信したか否かを確認する(ST21)。室内機からの受信データが無い場合(ST21−N)、キー入力部26からの利用者によるキー入力の有無を確認する(ST22)。
【0055】
キー入力部26からの入力が無い場合(ST22−N)、制限解除運転中に行われる復帰時間のタイマカウントにより復帰時間に到達したか否かを確認する(ST23)。復帰時間に到達していない場合(ST23−N)、室温検出手段である室温検出部24で測定した室温を基準温度としてリモコン通信部21からリモコン通信線2を介してグループ化された複数の室内機へ送信する(ST24)。そして、ST21へジャンプする。
【0056】
制限解除運転中に行われる復帰時間のタイマカウントにより復帰時間に到達した場合(ST23−Y)、表示部25に表示される設定温度値と復帰時間値及び記憶部23に格納された設定温度値と復帰時間値を消去し、リモコン記憶部23に格納された制限温度値を設定温度とした設定温度変更データをリモコン通信部21からリモコン通信線2を介して制限解除データを送信した室内機を対象として送信する(ST25)。そして、ST21へジャンプする。
【0057】
一方、室内機からのデータをリモコン通信部21で受信した場合(ST21−Y)。リモコン通信部21で受信したデータが室内機からの制限温度設定データか否かを確認する(ST26)。受信したデータが制限温度設定データの場合(ST26−Y)、表示部25に表示された制限温度値と、リモコン記憶部23に格納された制限温度値とを受信した制限温度値に更新し、受信した制限温度値を設定温度とした設定温度変更データをリモコン通信部21からリモコン通信線2を介して各室内機へ送信する。
さらにリモコン記憶部23に格納された現在の運転で使用されている設定温度値が受信した制限温度値の範囲外の場合には、表示部25に表示している設定温度値と、記憶部23に格納された設定温度値とを受信した制限温度値に変更し、表示部25に表示され、記憶部23に格納された制限解除許可温度値と復帰時間値とを消去する。(ST27)。そして、ST21へジャンプする。
【0058】
室内機から受信したデータが制限温度設定データでは無い場合(ST26−N)、受信したデータが制限解除データか否かを確認する(ST28)。受信したデータが制限解除データの場合(ST28−Y)、受信した制限解除データの制限解除許可温度値がリモコン記憶部23に格納された制限解除許可温度値よりも大きいか否かを確認する(ST29)。受信した制限解除データの制限解除許可温度値がリモコン記憶部23に格納された制限解除許可温度値よりも小さい場合(ST29−N)、ST21へジャンプする。また
、受信した制限解除データの制限解除許可温度値がリモコン記憶部23に格納された制限解除許可温度値よりも大きい場合(ST29−Y)、リモコン記憶部23に格納されている制限解除許可温度値と復帰時間値とを、受信した制限解除データの制限解除許可温度値と復帰時間値とに変更し、これらを表示部25に表示する(ST30)。そして、ST21へジャンプする。
なお、詳しくは制限解除許可温度値を表示する場合には制限温度値から制限解除許可温度値を減じた制限解除許可温度範囲を計算して表示する。
【0059】
室内機から受信したデータが制限解除データでは無い場合(ST28−N)、例えばエラー表示などの受信データであればその内容に従い制御する(ST31)。そして、ST21へジャンプする。
【0060】
一方、キー入力部26からの入力が有った場合(ST22−Y)、キー入力の内容が温度設定変更か否かを確認する(ST32)。キー入力の内容が温度設定変更では無い場合(ST32−N)、例えば風量や風向指示などのであればキー入力の内容に従い制御を実施する(ST33)。そして、ST21へジャンプする。
【0061】
キー入力の内容が温度設定変更の場合(ST32−Y)、入力された変更温度値が記憶部23に格納された制限温度値の範囲内か否かを確認する(ST34)。入力された変更温度値がリモコン記憶部23に格納されている制限温度値の範囲内の場合(ST34−Y)、リモコン記憶部23に格納されている設定温度値を入力された設定温度値に変更し
、入力された変更温度値を設定温度とした設定温度変更データをリモコン通信部21からリモコン通信線2を介してグループ化された複数の室内機へ送信する(ST35)。そして、ST21へジャンプする。
【0062】
入力された変更温度値がリモコン記憶部23に格納されている制限温度値の範囲外の場合(ST34−N)、入力された変更温度値がリモコン記憶部23に格納されている制限温度値に制限解除許可温度値を減じて計算した制限解除許可温度範囲内か否かを確認する(ST36)。入力された設定温度値が計算した制限解除許可温度範囲内の場合(ST36−Y)、リモコン記憶部23に格納されている設定温度値を入力された設定温度値に変更し、入力された設定温度値を設定温度とした設定温度変更データをリモコン通信部21からリモコン通信線2を介して制限解除データを送信した室内機を対象として送信し、リモコン記憶部23に格納されている復帰時間を読出し復帰時間値からのタイマカウントを開始する(ST37)。そして、ST21へジャンプする。
なお、ST37の復帰時間値からのタイマカウント開始が、ST23で記した制限解除運転中に行われる復帰時間のタイマカウントである。
【0063】
入力された設定温度の変更値が計算した制限解除許可温度範囲では無い場合(ST36−N)、表示部25へ変更温度値が許可されていないことを操作エラーとして表示し、合わせて変更操作前の設定温度の表示に戻す(ST38)。そして、ST21へジャンプする。
【符号の説明】
【0064】
1 通信線
2 リモコン通信線(グループX)
3 リモコン通信線(グループY)
10a 室内機A
10b 室内機B
10c 室内機C
10d 室内機D
10e 室内機E
11 室内機リモコン通信部
12 室内機制御部
13 室内機記憶部
14 室内機温度検出部
15 室内機通信部
20a ワイヤードリモコンX
20b ワイヤードリモコンY
21 リモコン通信部
22 リモコン制御部
23 リモコン記憶部
24 室温検出部
25 表示部
26 キー入力部
30 集中管理装置
40 室外機





































【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループ化された複数の室内機と、同室内機の設定温度の設定限度値である制限温度を前記室内機へ指示する集中管理装置と、前記グループ化された室内機が配置された一カ所の室温である基準温度を測定する室温検出手段と、前記グループ化された前記室内機へ指示を与えるワイヤードリモコンとを備え、
前記ワイヤードリモコンは、前記室内機と通信を行うリモコン通信部と、リモコン記憶部と、利用者が指示した前記設定温度を入力するキー入力部と、これらを制御すると共に
、前記設定温度を前記室内機へ送信するリモコン制御部とを備え、
前記室内機は前記集中管理装置と通信する室内機通信部と、ワイヤードリモコンと通信する室内機リモコン通信部と、前記室内機周辺の室温である室内機測定温度を検出する室内機温度検出部と、室内機記憶部と、これらを制御する室内機制御部とを備え、
前記室内機記憶部には前記基準温度と前記室内機測定温度との温度差と、前記制限温度の限度の緩和可能温度である制限解除許可温度とを前記温度差に対応して予め記憶した制限解除管理テーブルが格納され、
前記室内機制御部は、前記基準温度が前記ワイヤードリモコンから指示された前記設定温度になるように運転し、前記制限温度が指示されていた場合、同制限温度を前記ワイヤードリモコンへ送信し、前記室温検出手段で検出した基準温度と前記室内機温度検出部で検出した前記室内機測定温度との温度差である算出温度差を算出し、同算出温度差と対応する前記制限解除管理テーブルの温度差を検索し、検索された前記温度差に対応する前記制限解除許可温度を抽出し、同制限解除許可温度を前記ワイヤードリモコンへ送信し、
前記ワイヤードリモコンのリモコン制御部は、受信した前記制限温度及び前記制限解除許可温度を前記リモコン記憶部に記憶し、前記設定温度が入力され同設定温度が前記制限温度を前記制限解除許可温度で緩和した限度値以内の時、前記設定温度を受け付けて制限解除許可温度を受信した前記室内機へ送信し、制限緩和運転することを特徴とする空調機システム。
【請求項2】
前記制限解除管理テーブルに、同制限解除管理テーブルの前記温度差に対応して前記制限解除許可温度の有効時間である復帰時間を予め追加記憶し、
前記室内機制御部は、前記制限解除許可温度を抽出すると同時に前記復帰時間も抽出し
、同復帰時間を前記ワイヤードリモコンへ送信し、
前記リモコン制御部は、同復帰時間を受信して前記リモコン記憶部へ記憶し、前記設定温度を受け付けて前記室内機へ送信した時、前記復帰時間のタイマを起動し、
同復帰時間のタイマが終了した時、以降に入力される前記設定温度が前記制限温度以内
の時のみ前記設定温度を受け付けることを特徴とする請求項1記載の空調機システム。
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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