説明

空間情報可視化システム及び関連情報提供装置

【課題】空間情報可視化システムで、人や機器等の対象の関連情報を抽出して空間映像に重畳表示することにより、コミュニケーションを円滑に進めることができるようにする。
【解決手段】本発明の空間情報可視化システムは、空間内の映像を撮像する撮像手段と、空間内における各装置の位置を測位し、撮像手段により撮像された映像上の対応位置を示す測位情報を装置毎に求める位置検出手段と、各装置が設けられた各対象に関する関連情報を収集する関連情報収集手段と、関連情報収集手段により収集された関連情報を、位置検出手段により求められた各装置の測位情報と対応付けて保持する関連情報保持手段とを備え、表示装置が、位置検出手段からの各装置の測位情報に相当する位置に、当該装置に設けられた対象映像を表示すると共に、対象の関連情報を表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間情報可視化システム及び関連情報提供装置に関し、例えば、屋内空間における人や機器等の情報を空間映像に表示してリアルタイムに可視化し、これを遠隔地から確認することができる空間情報可視化システム及び関連情報提供装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、分散された環境で業務を行う場合、同一空間で業務を行う場合と遜色なく、人と人、人と機器の間の効率的なコミュニケーションを実現するには、遠隔の業務環境の状況を直感的に把握することが有効である。
【0003】
特に、人や機器等が稼動する屋内空間の様々な情報をリアルタイムに可視化し、これを遠隔地から確認することができれば、コンタクトしたい相手の状況や利用したい機器の状況を直観的に把握できるので、状況に応じて素早く円滑に行動することができる。
【0004】
従来、屋内空間に存在する人をリアルタイムに可視化する技術として、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、無線タグを身につけた人がいる屋内空間において、複数個のタグレシーバが、受信強度を測定し、この受信強度に基づいて無線タグの位置を推定する。さらに、屋内空間の実況映像上の当該位置の周辺領域から人物形状を検出することにより、無線タグを身につけた人の映像を切り出す方法が記載されている。
【0005】
この方法を適用すれば、無線タグの位置またはその周辺の人物像をカメラで撮影することが可能であるため、屋内空間に存在する人をリアルタイムに可視化することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−124539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、人と人、人と機器の間のコミュニケーションにおいては、人や機器等の状況を把握しながら、状況に適応したやり方で対話を進める必要があるが、このような状況把握は、実況映像から推定される人や機器の様子や位置だけでは不十分なときがある。
【0008】
例えば、人であれば、プレゼンス(例えば、今、どういう状態にあるか等)、コンタクト手段(例えば、電話やインスタントメッセージ等)、行動の履歴や予定(例えば、今までどこに行っていたのか、これから誰と会うのか等)、などの関連情報を把握すればスムーズな対話ができ、一方、機器であれば、稼動状態や環境状態(例えば、消費電力、温度など)などの関連情報を把握すれば機器利用を円滑に制御できる。
【0009】
しかしながら、特許文献1の記載技術を用いても、リアルタイムに屋内空間の人を映し出すことはできるが、人や機器等の関連情報までは提供できないという問題がある。
【0010】
そのため、人と人、人と機器との間のコミュニケーションを円滑かつ効率的に行うために、空間映像に、例えば人や機器等の対象の位置及び映像を重畳表示すると共に、さらに、この対象(例えば人や機器等)の関連情報を抽出して重畳表示することができる空間情報可視化システムが求められている。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するものであり、人や機器等の対象を識別し、さらに、これら人や機器等の対象の関連情報を抽出して空間映像に重畳表示することにより、コミュニケーションを円滑に進めることが可能な空間情報可視化システム及び関連情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の空間情報可視化システムは、空間内に存在する複数の対象に設けられた装置の位置を検出し、表示装置の表示映像内の対応位置に各対象を示す対象映像を重畳表示して空間内を可視化する空間情報可視化システムであって、(1)空間内の映像を撮像する撮像手段と、(2)空間内における各装置の位置を測位し、撮像手段により撮像された映像上の対応位置を示す測位情報を装置毎に求める位置検出手段と、(3)各装置が設けられた各対象に関する関連情報を収集する関連情報収集手段と、(4)関連情報収集手段により収集された関連情報を、位置検出手段により求められた各装置の測位情報と対応付けて保持する関連情報保持手段とを備え、(5)表示装置が、位置検出手段からの各装置の測位情報に相当する位置に、当該装置に設けられた対象映像を表示すると共に、対象の関連情報を表示することを特徴とする。
【0013】
第2の本発明の関連情報提供装置は、空間内の映像を撮像する撮像手段と、空間内に存在する複数の対象に設けられた各装置の位置を測位し、撮像手段により撮像された映像上の対応位置を示す測位情報を装置毎に求める位置検出手段とを備え、表示装置の表示映像内の対応位置に各対象を示す対象映像及び関連情報を重畳表示して空間内を可視化する空間情報可視化システムを構成する関連情報提供装置において、(1)各装置が設けられた各対象に関する関連情報を収集する関連情報収集手段と、(2)関連情報収集手段により収集された関連情報を、位置検出手段により求められた各装置の測位情報と対応付けて保持する関連情報保持手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空間映像に、例えば人や機器等の対象の位置及び対象の映像を重畳表示すると共に、さらに、この対象(例えば人や機器等)の関連情報を抽出して重畳表示することにより、人と人、人と機器との間のコミュニケーションを円滑かつ効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態の空間情報可視化システムの全体構成を示す全体構成図である。
【図2】実施形態の測位システムの内部構成を示す内部構成図である。
【図3】実施形態のアプリケーションシステムの内部構成を示す内部構成図である。
【図4】実施形態の表示端末の内部構成を示す内部構成図である。
【図5】実施形態のID端末の測位に関する処理を示すシーケンス図である。
【図6】実施形態のID端末の測位データを補正する処理の一例を示すシーケンス図である。
【図7】実施形態の別の測位データを補正する処理の一例を示すシーケンス図である。
【図8】実施形態のアプリケーションシステムによるID関連情報の収集処理を示すシーケンス図である。
【図9】実施形態の表示端末の表示部に表示される画面表示の例を示す図である。
【図10】実施形態の表示端末から対象のID関連情報の検索およびアプリケーションの実行処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明の空間情報可視化システム及び関連情報提供装置の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(A−1)実施形態の構成
(A−1−1)全体構成
図1は、この実施形態の空間情報可視化システムの全体構成を例示する全体構成図である。図1において、空間情報可視化システム10は、複数のID端末1(1−1〜1−N:Nは正の整数)、測位システム2、情報伝送装置3、表示端末4、撮像装置5、アプリケーションシステム6を少なくとも有して構成される。
【0018】
ID端末1−1〜1−N(以下、ID端末1と示す)は、それぞれ識別情報(以下、IDデータという)が割り当てられた端末である。例えば、ID端末1は、人が利用する携帯端末(例えば、携帯電話機、PDA端末、PHS端末等)や、人が所持するカード端末(例えば、社員証など)や、例えばパーソナルコンピュータやプリンタやFAXやエアコン等の機器に搭載される装置等として適用されるものである。
【0019】
ID端末1は、少なくとも無線通信機能、受信強度測定機能を有するものであり、後述する測位システム2から送信された無線信号を受信し、その無線強度(受信強度)を測定するものである。また、ID端末1は、測定した無線強度データを測位システム2に与えるものである。さらに、ID端末1は、アプリケーションシステム6から、1又は複数のアプリケーションに係るID端末制御データを受け取るものである。ここで、ID端末制御データは、アプリケーションを行うために授受される制御情報である。これにより、各アプリケーションに必要な情報をアプリケーションシステム6に送信したり、アプリケーションシステム6を介してアプリケーションを実現したりすることができる。
【0020】
測位システム2は、空間内に存在するID端末1の位置を測位するものである。測位システム2は、周期的に空間内に無線信号を送出し、当該無線信号を受信したID端末1から無線強度データを受け取るものである。測位システム2は、ID端末1から受け取った無線強度データに基づきID端末1の位置(第1の測位データともいう)を求める。
【0021】
また、測位システム2は、撮像装置5から撮像データ及び撮像パラメータと、アプリケーションシステム6から取得したIDデータに対応付けられた人や機器等の特徴量データ、又は、人や機器等の形状特徴を示す形状特徴量データを用いて、撮像装置5からの撮像データ及び撮像パラメータに基づく画像領域内で、第1の測位データに該当する位置又はその周辺領域から、特徴量データ又は形状特徴量データと一致する特徴を見つけ出し、この特徴の位置(第2の測位データともいう)を求めるものである。これにより、第1の測位データを補正することができ、精度の高い対象の位置を測位することができる。
【0022】
さらに、測位システム2は、測位した測位データ(ここでは、第2の測位データ)を情報伝送装置3に与えるものである。このとき、測位データは、少なくともID端末のIDデータと対応付けて情報伝送装置3及びアプリケーションシステム6に与える。
【0023】
なお、この実施形態では、第2の測位データを情報伝送装置3及びアプリケーションシステム6に与えるものとするが、これに限らず、第第1の測位データを与えるようにしても良い。
【0024】
情報伝送装置3は、測位システム2からIDデータに対応付けられた測位データを受け取り、また撮像装置5から撮像データ及び撮像パラメータを受け取り、またアプリケーションシステム6からIDデータに対応付けられたID関連データを受け取る。そして、情報伝送装置3は、受け取った測位データ、撮像データ及び撮像パラメータ、ID関連データを、各IDデータに対応付けた表示用データとして表示端末4に与えるものである。
【0025】
表示端末4は、少なくとも表示部、操作部、制御部等を有する端末である。表示端末4は、情報伝送装置3から受け取った表示用データに基づき映像を表示部に出力する。このとき、表示端末4は、撮像データ及び撮像パラメータの表示用データに基づく空間映像の領域内の各測位データに該当する位置に、ID端末1を持つ人や機器等の対象を示す画像を表示したり、さらには、対象に関連するID関連情報を表示したりする。
【0026】
表示端末4を用いた処理の一例として、例えば、操作部を介して表示部に表示される対象の画像が選択されることにより、当該対象のID関連情報の収集を要求したり、また例えば、ユーザが希望するアプリケーションの指示と共に選択されることにより、その対象との間のアプリケーション(例えば電話、インスタントメッセージ等)を開始させることができる。この例の場合、表示端末4は、当該対象の選択によりアプリケーション入力データをアプリケーションシステム6に与え、これにより、アプリケーションシステム6は、当該ID関連情報(例えば、プレゼンス、電話番号、インスタントメールアドレス等)を表示端末4に表示させることができる。そして、表示端末4は、アプリエーションを要求するアプリケーション入力データをアプリケーションシステム6に与えることで、アプリケーションシステム6によるアプリケーション(例えば、電話、インスタントメッセージ等)を実行することができる。
【0027】
撮像装置5は、ID端末1が存在する空間を撮像するものである。撮像装置5は、撮像した撮像データ及び撮像パラメータを、測位システム2及び情報伝送装置3に与えるものである。
【0028】
アプリケーションシステム6は、表示端末4からID関連情報を要求するアプリケーション入力データを受信すると、その要求されたID端末1の位置に対応付けられたID関連情報を検索・収集し、そのID関連情報を情報伝送装置3を介して表示端末に与えるものである。このとき、アプリケーション入力データには、少なくとも、ID端末1の位置を含むものとする。すなわち、ID端末1の測位データ、又は、ID端末1のIDデータと測位データとを含むようにする。
【0029】
また、アプリケーションシステム6は、1又は複数のアプリケーションを提供するシステムである。アプリケーションシステム6は、表示端末4からアプリケーションの実行を要求するアプリケーション入力データを受信すると、その要求されたアプリケーションを実行するものである。
【0030】
さらに、アプリケーションシステム6は、人や機器等の特徴を示す特徴量データをIDデータに対応付けて保持しており、測位システム2から特徴量データの要求を受けると、要求されたIDデータに対応する特徴量データを測位システム2に与えるものである。さらに、アプリケーションシステム6は、ID端末1に対してID端末制御データを与えるものである。
【0031】
(A−1−2)測位システム2の内部構成
図2は、測位システム2の内部構成を示す内部構成図である。図2において、測位システム2は、複数(図2では4台)の無線送信部21−1〜21−4、位置推定部22を少なくとも有する。また、位置推定部22は、無線送信部位置情報記憶部221、測位データ算出部222、測位データ補正部223、形状特徴量データ記憶部224を少なくとも有する。
【0032】
無線送信部21−1〜21−4は、予め空間SPに設置され、所定周期毎(例えば1秒毎)に無線信号を送出するものである。なお、無線信号を送出する出力強度は、位置推定部22において認識されており、例えば予め設定されているものとする。また、無線信号には、それぞれの無線送信部21−1〜21−4を識別する識別情報(例えば、IDデータ)が含まれている。これにより、無線信号を受信したID端末1は、どの無線送信部21−1〜21−4から送信された無線信号であることを認識することができ、受信した各無線信号の無線強度データを位置推定部22に与えることができる。
【0033】
位置推定部22は、ID端末1から各無線信号の無線強度データを受け取り、この無線強度データを用いてID端末1の位置を推定し、各ID端末1の測位データを情報伝送装置3に与えるものである。
【0034】
無線送信部位置情報記憶部221は、空間SPに配置された無線送信部21−1〜21−4の位置情報を記憶するものである。
【0035】
測位データ算出部222は、ID端末1から受け取った各無線信号の無線強度データと、各無線送信部21−1〜21−4の位置情報とに基づき、無線の伝搬特性(伝搬モデル)に照らしながら、ID端末1の位置(第1の測位データ)を求めるものである。
【0036】
測位データ補正部223は、第1の測位データに該当する画像領域又は周辺領域を探索し、その領域から特徴量データ又は形状特徴量データにマッチする特徴を検出し、その検出した特徴の位置(第2の測位データ)を求めるものである。また、測位データ補正部223は、求めた測位データを情報伝送装置3及びアプリケーションシステム6に与える。
【0037】
形状特徴量データ記憶部224は、対象である人の形状や機器の形状の特徴量データをIDデータに対応付けて記憶するものである。形状特徴量データ記憶部224は、測位データ補正部223により形状特徴量データを用いて測位データを補正する際に、記憶している形状特徴量データが読み取られる。
【0038】
(A−1−3)アプリケーションシステム6の内部構成
図3は、アプリケーションシステム6の構成を例示する構成図である。図3において、アプリケーションシステム6は、アプリケーション部61、特徴量データ管理部62、特徴量データ保持部63、ID関連情報管理部64、ID関連情報保持部65を少なくとも有する。
【0039】
アプリケーション部61は、アプリケーションを実行する処理部又は装置である。図3では、説明便宜上、複数の機能部を有する場合を例示するが、各機能部と連携可能であれば、各機能を提供する複数の装置(サーバ等)が分散配置された構成としても良い。
【0040】
また、アプリケーション部61のアプリケーションの一例としては、電話機能部611、会議接続機能部612、インスタントメッセージ転送機能部613、業務管理機能部614、プレゼンス機能部615、スケジュール機能部616などがある。
【0041】
特徴量データ管理部62は、対象の特徴を示す特徴量データをIDデータに対応付けて特徴量データ保持部63に登録するものである。この特徴量データとしては、例えば、人の顔画像や上半身画像、機器の画像や色等のデータを適用することができる。また、特徴量データ管理部62は、測位システム2から特徴量データの要求を受けると、要求されたIDデータに対応する特徴量データを特徴量データ保持部63から検索し、検索した特徴量データを測位システム2に与えるものである。
【0042】
特徴量データ保持部63は、対象の特徴量データをIDデータに対応付けて記憶するものである。
【0043】
ID関連情報管理部64は、対象のID関連情報を、対象のID端末1の位置に対応付けて、ID関連情報保持部65に登録したり、更新したりするものである。このID関連情報は、アプリケーション部61の各アプリケーションに必要な情報を適用するができ、例えば、プレゼンス情報、スケジュール情報、機器利用状況、電話番号、インスタントメッセージに係るアドレス情報等とすることができる。
【0044】
ID関連情報管理部65は、対象のID関連情報を、対象のID端末1の位置に対応付けて保持するものである。ID関連情報管理部65の管理項目としては、例えば、図3に示すように、「ID」、「測位データ」、「ID関連データ」等がある。例えば、図3の例では、「ID:1」のID端末1について、「測位データ:(1,x,y)」、ID関連データの1つとしてプレゼンス情報「電話中」が対応付けて格納される。
【0045】
(A−1−4)表示端末4の内部構成
図4は、表示端末4の内部構成を例示する構成図である。図4において、表示端末4は、表示部41、操作部42、制御部43、表示用データ保持部44を少なくとも有する。
【0046】
表示部41は、表示画像を表示する表示手段(例えば、ディスプレイ等)である。操作部42は、表示端末4を操作するユーザが操作する操作手段(例えば、マウス、キーボード等)である。なお、表示部41及び操作部42は、例えば、タッチパネルのように表示部及び操作部が一体となった端末であっても良い。
【0047】
制御部43は、表示端末4の機能を司るものである。制御部43の主な機能としては、表示用データ取得部431、表示用データ管理部432、表示画像処理部433、アプリケーション処理部434などがある。
【0048】
表示用データ取得部431は、情報伝送装置3から送信されたIDデータに対応付けられた表示用データを取得するものである。
【0049】
表示用データ管理部432は、表示用データ取得部431が取得した表示用データである測位データ、撮像データ及び撮像パラメータ、ID関連データのそれぞれを、IDデータに対応付けて、ID位置−関連情報保持部44に登録・更新するものである。
【0050】
表示画像処理部433は、表示部41に表示する表示画像を形成するものである。表示画像処理部433は、ID端末1の測位データに基づく表示画像上での対応位置を当該ID端末1の位置として決定する。そして、ID端末1の位置に、撮像データ及び撮像パラメータに基づく撮像データを空間画像に重畳して表示画像を形成する。また、表示画像処理部433は、ID位置−関連情報保持部44を参照して、ID関連情報に対応付けられたIDデータに対応するID端末1の位置を検索し、その検索した位置にID関連情報を空間画像に重畳して表示画像を形成する。これにより、ユーザにより画面上に映し出される人や機器等のオブジェクトやID関連情報が選択されることで、当該ID端末1の位置を特定することができる。
【0051】
アプリケーション処理部434は、アプリケーションシステム6から指定したID端末1の位置から当該ID端末1の関連情報を要求したり、アプリケーションシステム6に対してアプリケーションの実行を要求したりするものである。
【0052】
例えば、アプリケーション処理部434は、ユーザ操作により表示画像上に映し出される対象が選択されると、その選択された領域に基づき表示用データ保持部44を参照して、当該ID端末の測位データを特定し、そのID端末1の測位データを少なくとも含むアプリケーション入力データをアプリケーションシステム6に与える。また、所定のアプリケーションを実行させるためのアプリケーション入力データをアプリケーションシステム6に与える。
【0053】
(A−2)実施形態の動作
次に、この実施形態の空間情報可視化処理の動作を図面を参照しながら説明する。
【0054】
以下では、複数の人がそれぞれ異なるIDデータを内蔵するID端末1を持ち、オフィスの同一空間にいる場合に、遠隔地の表示端末4からオフィスの状況を確認する場合を例示する。
【0055】
(A−2−1)ID端末1の測位
図5は、ID端末1の測位に関する処理を示すシーケンス図である。
【0056】
まず、測位システム2を構成する4つの無線送信部21−1〜21−4は、一定周期毎に(例えば、1秒毎に)、短時間の無線信号を出力する(ステップS101)。
【0057】
ここで、無線信号の例としては、例えば無線LAN(IEEE802.11)やBluetooth(登録商標)(IEEE802.15)に準拠した信号とし、その中に無線送信部21−1〜21−4の識別情報(例えばID等)を含めるものとする。
【0058】
ID端末1は、4つの無線送信部21−1〜21−4から送出された無線信号を受信すると、4つの無線信号のそれぞれの受信強度を測定する。そして、ID端末1は、各無線信号の受信強度データとID端末1のIDデータとをまとめた情報を無線強度データとして、測位システム2の位置推定部22に与える(ステップS102)。
【0059】
ここで、ID端末1と無線送信部21−1〜21−4との間に、例えば障害物や他の無線発信源などの外乱がない場合には、無線信号は距離とともに減衰してID端末に到達するので、無線強度データのうち、ID端末1に近い無線送信部21−1〜21−4に対応する受信強度データは、ID端末1に遠い無線送信部21−1〜21−4に対応する受信強度に比べて、大きい値を示す。
【0060】
そこで、位置推定部22は、あらかじめ無線4つの無線送信部21−1〜21−4の位置情報を無線送信部位置情報記憶部221に記憶しており、測位データ算出部222が、無線強度データに含まれる4つの受信強度データを用いて、無線の伝搬モデルに照らし、ID端末1の位置(x,y)を推定する(ステップS103)。そして、位置推定部22は、推定したID端末1の位置(x,y)とID端末1のIDデータとを組にした測位データ(ID,x,y)を、情報伝送装置3に送信する。
【0061】
このとき、測位システム2の位置推定部22は、撮像装置3に対して撮像パラメータの要求を行い(ステップS104)、撮像装置3から受信した撮像パラメータ(例えば、水平方向の向き、垂直方向の向き、ズーム量等))を受け取り(ステップS105)、撮像画面上におけるID端末1の位置をIDデータに対応付けて蓄積・更新する(ステップS106)。
【0062】
ここで、ID端末の位置の推定方法としては、従来公知の方法を用いてよいが、例えば、この実施形態では、無線の伝搬損失L[dB]が式(1)で近似できるモデルを想定し、ID端末1の位置を計算する。
【0063】
L=20log(d)+α …(1)
ただし、dは伝搬距離、αは無線波長で決まる定数である。
【0064】
例えば、式(1)によれば、4つの受信強度データの任意の2つの組み合わせに対し、受信強度データの差分を計算すれば、2つの無線送信部からID端末1までの距離の比を求めることができる。従って、測位データ算出部222は、4つの無線送信部21−1〜21−4の位置と、各無線送信部21−1〜21−4からID端末1までの距離の比とに基づいて、ID端末1の位置を推定することができる。
【0065】
なお、無線の伝搬モデルと実際の無線環境に差異が存在する場合には、上記の位置推定方法で求められる測位データに誤差が生じる場合がある。そこで、位置推定部22は、以下のようにして、測位データを補正するようにしても良い。
【0066】
図6は、ID端末1の測位データを補正する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0067】
図6では、アプリケーションシステム6では、特徴量データ管理部62が、各ID端末1の搭載する対象の特徴を示す特徴量データ(例えば、人の顔画像の特徴量データ)を特徴量データ保持部63に登録して蓄積しておく(ステップS201)。
【0068】
そして、ステップS103の後に、位置推定部22は、アプリケーションシステム6に対してIDデータに対応した特徴量データを要求し(ステップS202)、アプリケーションシステム6から特徴量データを取得する(ステップS203)。
【0069】
さらに、位置推定部22は、撮像装置5に対して撮像データの要求を行い(ステップS204)、撮像装置5から撮像データ及び撮像パラメータを取得する(ステップS205)。
【0070】
そして、位置推定部22では、測位データ補正部223が、測位データに該当する画像領域を探索し(ステップS206)、その画像領域又はその付近領域から特徴量データにマッチする画像位置を見つけ出す(ステップS207)。そして、この画像位置を測位データ(ID,x,y)として情報伝送装置3に送信するようにしても良い。
【0071】
すなわち、アプリケーションシステム6は、例えばIDデータ毎の顔画像の特徴量データを保持しており、位置推定部22からの問合せに応じて、IDデータに対応した顔画像の特徴量データを出力でき、撮像装置5は、撮像データと共に、例えば水平方向の向き、垂直方向の向き、ズーム量からなる撮像パラメータを出力することができる。そこで、位置推定部22は、IDデータに基づく顔画像の特徴量データを取得し、さらに撮像パラメータと測位データとに基づいて、撮像データ上にID端末1が存在する可能性の高い領域を設定し、そこから人の顔を検出し、顔画像の特徴量データとマッチングを行って、ID端末を所持する人を発見する。これによって、測位データ(ID,x,y)の補正が可能となる。
【0072】
また、図7は、別の測位データを補正する処理の一例を示すシーケンス図である。
【0073】
図7では、測位システム2において、形状特徴量データ記憶部224が人物形状の特徴量データを蓄積しておく(ステップS301)。
【0074】
位置推定部22は、撮像装置5に対して撮像データの要求を行い(ステップS302)、撮像装置5から撮像データ及び撮像パラメータを取得する(ステップS303)。
【0075】
そして、位置推定部22では、測位データ補正部223が、測位データに該当する画像領域を探索し(ステップS304)、その画像領域又はその付近領域から、人物形状の特徴量データにマッチする画像位置を見つけ出す(ステップS305)。そして、この画像位置を測位データ(ID,x,y)として情報伝送装置3及びアプリケーションシステム6に送信するようにしても良い。
【0076】
(A−2−2)ID関連情報の収集処理
図8は、アプリケーションシステム6によるID関連情報の収集処理を示すシーケンス図である。
【0077】
ID関連情報は、人や機器等に関する情報であり、例えば、人のプレゼンス情報、人のスケジュール情報、機器の利用状況(例えば、利用時間、消費電力値など)の情報等、様々な情報である。そのため、ID関連情報の種類に応じて種々の方法をとることができる。
【0078】
そこで、図8では、ID関連情報の一例として、プレゼンス、スケジュール、機器利用情報を登録する場合の処理を例示する。
【0079】
プレゼンス情報及びスケジュール情報については、例えば、ID端末1又は表示端末4において、ユーザがそれぞれの登録操作をすることで(ステップS401)、ID端末1又は表示端末4からアプリケーションシステム6に送信される(ステップS402、S403)。例えば、人のプレゼンス情報は、SIP(Session Initiative Protocol)等を用いてアプリケーションシステム6に登録することができる。また例えば、人のスケジュール情報については、ユーザがユーザ端末(ID端末1又は表示端末4)を用いてスケジュールを入力し送信することで、アプリケーションシステム6に登録することができる。
【0080】
また、機器利用状況については、例えば、機器が定期的に利用時間や消費電力値等の利用状況を検出し(ステップS404)、その検出した機器利用状況の情報をアプリケーションシステム6に送信する(ステップS405)。
【0081】
上記のようにして、アプリケーションシステム6は、ID関連情報を取得する。また、アプリケーションシステム6は、測位システム2から測位データを受信しており、ID関連情報管理部64が、IDと、測位データと、関連データとを対応付けてID関連情報保持部65に登録、更新する(ステップS406)。
【0082】
(A−2−3)空間情報可視化処理について
撮像装置5は、ID端末1が存在する空間を撮像し、撮像データ及び撮像パラメータ(例えば、水平方向の向き、垂直方向の向き、ズーム量等)を情報伝送装置3に送信する。また測位システム2は、IDデータと対応付けた測位データ(ID,x,y)を情報伝送装置3に送信する。さらに、アプリケーションシステム6は、IDデータを対応付けたID関連情報を情報伝送装置3に送信する。
【0083】
そして、情報伝送装置3は、撮像装置5からの撮像データ及び撮像パラメータと、測位システム2からのIDデータに対応付けられた測位データと、IDデータを対応付けたID関連情報とを表示データとして表示端末4に送信する。
【0084】
表示端末4は、情報伝送装置3から受信した表示データに基づいて、ID端末1が存在する空間情報を表示部41に表示する。
【0085】
図9は、表示端末4の表示部41に表示される画面表示の例を示す図である。図9に例示する表示画面70は、人や機器等を検索するための検索ウインドウ71、撮像データに人や機器等のID関連情報に基づいて作成した属性情報を画面に重畳して表示する映像表示ウインドウ72、映像表示ウインドウ72に表示されるオブジェクトのリストを表示するオブジェクトリスト73から構成される。
【0086】
表示端末4は、映像表示ウインドウ72での属性情報表示75に際し、各ID端末1の測位データと撮像パラメータに基づいて、撮像データ上のID端末1の位置を決定し、その位置に属性情報表示75を重畳して表示する。
【0087】
ここで、属性情報表示75は、当該IDデータに対応付けられた1又は複数のID関連情報が表示される。属性情報表示75は、ID端末1の位置に表示される。つまり、属性情報表示75は、ID端末1の映像と重畳するように表示される。
【0088】
また、ID端末1の映像に属性情報表示75が重畳されると、属性情報表示75の内容が見えにくくなるので、ID端末1の映像領域付近に表示されるようにしても良い。例えば、ID端末1の位置から、水平方向及び又は垂直方向に所定量だけ位置をずらした位置に、属性情報表示75を表示するようにしても良い。
【0089】
また、映像表示ウインドウ72には、表示領域指定の操作インタフェース74が備わっており、ユーザはこの操作インタフェース74を操作して撮像装置5の撮像パラメータを制御する。これにより、映像表示ウインドウ72に映し出される空間映像の方向(水平方向、垂直方向)の移動や、ズーム量の調整によりズームアップやズームダウンを行うことができる。
【0090】
図10は、表示端末4から対象のID関連情報の検索およびアプリケーションの実行処理の一例を示すシーケンス図である。
【0091】
表示端末4は、ユーザ操作を受けて(ステップS501)、アプリケーションシステム6に、人や機器等のID関連情報の検索を要求するため、少なくともID端末1の測位データを含むアプリケーション入力データを送信する(ステップS502)。
【0092】
このとき、ユーザ操作により検索対象とする人や機器等のオブジェクトを、個別に選択するようにしても良いし、又は、複数の人あるいは機器を選択するようにしても良いし、又は、特定のグループ毎に選択するようにしても良い。
【0093】
アプリケーションシステム6は、アプリケーション入力データを受け取ると、アプリケーション入力データに含まれているID端末1の測位データに基づき、当該ID端末1の測位データに対応するID関連情報を検索する。
【0094】
例えば、アプリケーションシステム6は、ID関連情報保持部65から、アプリケーション入力データに含まれているID端末1の測位データに対応するID関連情報を検索するようにしても良い。
【0095】
また例えば、当該ID端末1のリアルタイムの状況のID関連情報(例えば、人のプレゼンス情報、人のスケジュール、機器利用状況など)を収集するために、アプリケーション入力データに含まれているID端末1の測位データに基づき、ID関連情報保持部65から、当該ID端末1のIDデータを検索する。そして、当該ID端末1のIDデータを用いて、ID端末1に対してID関連情報の取得要求を行い、ID端末1のID関連情報を収集するようにしても良い。
【0096】
アプリケーションシステム6は、このようにして取得したID端末1のID関連情報を情報伝送装置3に与える(ステップS503)。
【0097】
情報伝送装置3は、アプリケーション入力データを受信すると、測位システム2に対して、検索対象のIDデータを指定した測位データの要求を行い(ステップS504)、測位システム2から測位データを受け取る(ステップS505)。このとき、測位システム2は、図5〜図7で説明した測位データの算出又は補正を行うようにしても良い。これにより、ID端末1の位置をリアルタイムに知らせることができる。
【0098】
また、情報伝送装置3は、撮像装置5に対して撮像データの要求を行い(ステップS506)、撮像装置5から撮像データ及び撮像パラメータを受け取る(ステップS507)。
【0099】
そして、情報伝送装置3は、撮像装置5からの撮像データ及び撮像パラメータと、測位システム2からのIDデータに対応付けられた測位データと、IDデータを対応付けたID関連情報とを表示データとして表示端末4に送信する(ステップS508)。これにより、表示端末4の表示部41には、検索対象とするID端末1のID関連情報を表示することができる(ステップS509)。
【0100】
また、ユーザが、表示端末4の映像表示ウインドウ72又はオブジェクトリスト73上で、特定の人又は機器を選択すると、選択したオブジェクトの位置に対応するID端末1の測位データを含むアプリケーション入力データがアプリケーションシステムに出力される。
【0101】
アプリケーションシステム6は、これをトリガとして、実行可能なサービスの選択肢を表示端末4に表示し、ユーザがその選択肢(例えば電話等)を選択することで(ステップS510)、アプリケーションを実行させるアプリケーション入力データ(例えば、電話要求等)がアプリケーションシステム6に与えられ(ステップS511)、アプリケーションシステム6が、ID端末制御データ(例えば通話要求等)をID端末1に出力し(ステップS512)、ID端末1と表示端末4との間で様々なアプリケーションを実行する(ステップS513)。
【0102】
例えば、表示端末4の映像表示ウインドウ72上で、人を選択することで、対応するID端末1との間で電話やインスタントメッセージを開始したり、機器を選択することで、機器の動作モード(例えば、省電モード等)を変更したりする。
【0103】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、ID端末1の位置を測位し、この測位データを、カメラ映像の情報や業務システムで管理された人や機器のID関連情報に対応付けることによって、ID端末の利用者に関連した情報をカメラ映像上に直観的に提示することができる。従って、人や機器が稼動する屋内空間の様々な情報をリアルタイムに可視化することができ、これを遠隔地から確認することができる。
【0104】
また、この実施形態では、ID端末1で受信される無線送信部21−1〜21−4からの無線信号の受信強度に基づいてID端末1の位置を推定した後、さらに、カメラ映像と人や物の特徴量データに基づいてID端末1の位置推定を補正するよう測位システム2を構成したので、ID端末1と人の位置を詳細に把握して、カメラ映像上に可視化することができる。
【0105】
さらに、この実施形態では、ID端末1の測位データとID関連情報とを対応付けることによって、人や物の所望のID関連情報をユーザが希望する際に、そのID端末1の位置にID関連情報を表示させることや、そのID関連情報に係るアプリケーションの選択によって簡単にアプリケーションの実行をさせることができる。そのため、現在の人のプレゼンス状況やこれからの予定などや、また機器の利用状況等を知ることができ、円滑にコミュニケーションを図ることができる。さらに、これら状況に応じたアプリケーションを迅速に図ることもできる。
【0106】
(B)他の実施形態
(B−1)上述した実施形態では、測位システムを、ID端末が4つの無線送信部からの無線信号を受信し、位置推定部が、各無線信号の受信強度に基づいてID端末を測位するよう構成した場合につき説明したが、測位システムの構成としては、無線信号を用いた他の従来公知の方法によっても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。例えば、実際の運用においては、測位に係るコストと精度のバランスを考慮して、無線送信部の数を増減させてもよい。
【0107】
また、無線信号の受信強度によらない測位方法、例えば、無線信号の伝送時間を計測し、これに基づいてID端末から各無線送信部までの距離を推定する方法等、によってID端末を測位するようにしてもよい。また、ID端末と無線送信部との間でRFIDなどの近距離無線通信を用いてID端末を測位するようにしてもよい。
【0108】
(B−2)上述した実施形態では、表示端末上に、カメラ映像に含まれるすべてのID端末を対象に、映像とテキストによる属性情報とを重畳して表示する場合について説明した。表示端末への情報提供形式は、アプリケーションに適した形で設計すればよく、上述した実施形態に示した表示形式にこだわるものではない。例えば、検索対象のID端末以外のID端末については、その属性情報を表示しないとする運用も可能である。
【0109】
また、カメラ映像の代わりに、あらかじめ用意した仮想現実映像を用いれば、少ないデータ量で人や機器が稼動する空間の可視化が可能となる。さらに、表示端末に映し出す人や機器などの対象は、撮像装置が撮像した人物映像や機器映像であっても良いし、又あらかじめ用意した代替映像(例えば、アバターなど)としても良い。
【0110】
(B−3)上述した実施形態では、複数の人がそれぞれ異なるIDデータを内蔵するID端末を持つ場合について説明したが、パソコン、プリンタ、空調、照明などにID端末の機能を内蔵するようにしてもよい。この場合、ID端末に各機器の利用者固有のIDデータと機器固有のIDデータを設定できるようにすれば、上述した実施形態と同様の効果のほか、機器固有の属性情報をカメラ映像に対応付けて提示することができる。なお、この場合、位置推定部は、追加の処理として、IDデータに基づいて、アプリケーションシステムより、機器形状に関する特徴量データを取得し、さらに、撮像装置から撮像データと撮像パラメータを入力して、測位データに該当する画像領域の付近から該当機器を発見し、画像上の位置から測位データ(ID,x,y)を決定して、情報伝送装置に出力することも可能である。
【0111】
(B−4)上述した実施形態では、表示端末は、アプリケーション入力データに、ID端末の測位データを記載する場合を例示した。これは、ID端末の測位データに基づき、現在のID端末の位置から対応するID関連情報を特定できるようにすることを意図している。そのため、現在のID端末の位置から対応するID端末1のID関連情報を特定することができれば、表示端末は、ID端末のIDデータを含ませるようにしても良い。この場合、アプリケーションシステム6は、ID関連情報保持部から、受信したアプリケーション入力データに含まれるIDデータに対応する測位データを検索し、この検索した測位データに対応するID関連情報を検索するようにしても良い。
【符号の説明】
【0112】
1−1〜1−N…ID端末、2…測位システム、3…情報伝送装置、4…表示端末、
5…撮像装置、6…アプリケーションシステム、61…アプリケーション部、
62…特徴量データ管理部、63…特徴量データ保持部、64…ID関連情報管理部、
65…ID関連情報保持部、10…空間情報可視化システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間内に存在する複数の対象に設けられた装置の位置を検出し、表示装置の表示映像内の対応位置に上記各対象を示す対象映像を重畳表示して空間内を可視化する空間情報可視化システムであって、
上記空間内の映像を撮像する撮像手段と、
上記空間内における上記各装置の位置を測位し、上記撮像手段により撮像された上記映像上の対応位置を示す測位情報を上記装置毎に求める位置検出手段と、
上記各装置が設けられた上記各対象に関する関連情報を収集する関連情報収集手段と、
上記関連情報収集手段により収集された上記関連情報を、上記位置検出手段により求められた上記各装置の上記測位情報と対応付けて保持する関連情報保持手段と
を備え、
上記表示装置が、上記位置検出手段からの上記各装置の測位情報に相当する位置に、当該装置に設けられた上記対象映像を表示すると共に、上記対象の上記関連情報を表示することを特徴とする空間情報可視化システム。
【請求項2】
上記各装置が設けられた上記各対象との間で所定のアプリケーションを実行するアプリケーション提供手段を備え、
上記表示装置は、上記表示映像内の上記対象映像が選択されると、この対象映像の測位情報を含むアプリケーション要求を上記アプリケーション提供手段に与え、
上記アプリケーション提供手段が、上記関連情報保持手段を参照して、上記アプリケーション要求に含まれる上記測位情報に対応する上記関連情報を用いて、所定のアプリケーションを提供することを特徴とする請求項1に記載の空間情報可視化システム。
【請求項3】
空間内の映像を撮像する撮像手段と、上記空間内に存在する複数の対象に設けられた各装置の位置を測位し、上記撮像手段により撮像された上記映像上の対応位置を示す測位情報を上記装置毎に求める位置検出手段とを備え、表示装置の表示映像内の対応位置に上記各対象を示す対象映像及び関連情報を重畳表示して空間内を可視化する空間情報可視化システムを構成する関連情報提供装置において、
上記各装置が設けられた上記各対象に関する関連情報を収集する関連情報収集手段と、
上記関連情報収集手段により収集された上記関連情報を、上記位置検出手段により求められた上記各装置の上記測位情報と対応付けて保持する関連情報保持手段と
を備えることを特徴とする関連情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−176599(P2011−176599A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38918(P2010−38918)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】