説明

空間構造によるタンパク質の機能の調節

【解決課題】本発明はプロテインの三次元構造の改変法を提供する。
【解決手段】ホストコドン利用法に基づいて標的プロテインをコード化するためにアミノ酸コドンを選択する。次に、三次元構造を改変し、一連のホストを移入させために異なるベクターに構築する組合わせを選択する。続いて、プロモータと標的プロテインのコード配列を組合わせた後に、ベースペアの組合わせをモニターすることでベクタープロモータを選択する。最後に、標的プロテインを発現させるために適した発現ホストを選択し、再生して精製し、活性と三次元構造を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタンパク質の空間構造を調節する方法に関わる。
【0002】
本願は2003年8月28日に出願された米国特許出願No.60/498,449、2003年8月28日に出願された米国特許出願No.60/498,785、2003年8月28日に出願された米国特許出願No.60/498,923に対し優先権を主張する、また、2004年3月5日に出願されたインドの特許出願No.279/MUM/2004、2004年3月5日に出願されたインドの特許出願No.280/MUM/2004に対し優先権を主張する。以上の出願された内容をまとめてここに援用する。
【0003】
本願には各種の参照文献を引用する。それらの出版物を参照として提供し、本発明と結合して本発明に関する技術状況を全面的に描くことに役立つ。
【背景技術】
【0004】
完成された人類のゲノム計画に基づいて、多くの遺伝子は疾病を治療する作用が持つことは証明された。また、遺伝子の組換え技術を用いて、治療作用を持つタンパク質類薬物が開発されている。しかし、ほとんどの治療作用を持つ遺伝子は遺伝子の組換え技術を用いてタンパク質に翻訳された後、その遺伝子は本来体内(in vivo)に有する作用がなくなる、または作用が部分的に残る。多量の治療作用を持つ遺伝子は遺伝子の組換え技術を用いて、その相応する治療作用を持つタンパク質がうまく得られない。その最大の支障となるのはタンパク質の空間構造の影響である。どのように有効的なタンパク質の構造を得るということは競争が激しい研究分野になっている。
【0005】
一次構造が相同する場合には、タンパク質の空間構造を変えることにより、タンパク質の機能が変えられる。タンパク質の異常的な三次構造は疾病を誘発する、例えば、牛海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy)、アルツハイマー病(Alzheimer’s Disease)、 嚢胞線維症(cystic fibrosis)、 家族性高コレステロール血症(familial hypercholestrolacemia)、 家族性アミロイドタンパク質症( familial amyloid disease)、癌腫(carcinoma)、 白内障(cataract)等いわゆる「折りたたみ-病」(folding-disease)である。牛海綿状脳症を誘発するプリオンタンパク質は正常なタンパクに感染し、タンパク質の間に伝染される。
【0006】
タンパク質の構造研究において、有効的なタンパク質の構造を得るためには、最も主要的なものは組換えタンパク質の変性と再生の技術である。多くの文献には、分子シャペロン(chaperons)、逆ミセル(reverse micelles)などの再生に対して促す作用が報告された、また、多種の分泌型の発現ベクターも開発された。これらはそのタンパク質をより天然的な環境で発現させるが、元のタンパク質の産量を高めるだけで、質的には変化がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はタンパク質の空間構造を調節する方法を提供する。まず、上流の構築に於いて、宿主コドンの使い方に基づいて、目的タンパク質をコードするアミノ酸コドンを選び出す。その中から空間構造が変えられる組合せを選んで、形質導入できる、多種の異なるべくターを構築する。これにより、適当的なベクターや宿主が選ばれる。また、プロモータのコドン配列と目的タンパク質のコドン配列とを組み合わせることにより、ベクターのプロモータに対して、スクリーニングを行う。適当な発現宿主を選択して、目的タンパク質を発現させ、再生、純化した後、活性と空間構造を検定する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、タンパク質を構築する過程に於いて、目的タンパク質のアミノ酸をコードするコドンの変化、選択されるベクター、プロモータの変化及び宿主発現ベクターの選択、変性及び再生試薬及び工業技術の条件などは全て目的タンパク質の空間構造を調節できる因子であることを見出した。そこで、タンパク質の空間構造を調節して、新たな機能を獲得する、また活性を高めることは系統的に調節された結果である。
【0009】
本発明は、一次アミノ酸配列を変えることなく、タンパク質の構造を調節する方法を提供する。以下のステップを含む:a)上記タンパク質をコードするコドンを変える、b)変えられたコドンにより、目的タンパク質を発現させ、及び精製する、また、c)変えられたコドンによる発現されたタンパク質は、元のコドンによる発現されたタンパク質を比べると、その機能が増強され、または、新たな機能を有する。即ち、タンパク質の機能が変えられる。
【0010】
一つの実施例において、コドンの変化によりタンパク質の発現量が高められる。
【0011】
本発明は、一次アミノ酸配列を変えることなく、機能が増強され、または、新たな機能を有するタンパク質を調製する方法を提供する。以下のステップを含む:a)上記タンパク質をコードするコドンを変える、b)変えられたコドンにより、目的タンパク質を発現させ、及び精製する、また、c)変えられたコドンによる発現されたタンパク質は、元のコドンによる発現されたタンパク質を比べると、その機能が増強され、または、新たな機能を有する。
【0012】
一つの実施例において、コドンの変化によりタンパク質の発現量を高められる。本発明は以上記載される方法により調製されたタンパク質も提供する。具体的には、上記のタンパク質は独特な二次または三次構造を有する。
【0013】
本発明は変えられるコドンにより合成される遺伝子を提供する。それを発現させると、元の機能が増強され、または新たな機能を生じる。具体的には、本発明は上記の遺伝子を含有するベクターを提供する。より具体的には、本発明は上記の遺伝子を含有する発現システムを提供する。また、本発明は上記の遺伝子を含有する宿主細胞を提供する。
【0014】
本発明は元の機能が増強される、または新たな機能を有する上記タンパク質の生産方法を提供する。以下のステップを含む:選択されたコドンを含む組換え遺伝子を適当宿主に挿入して、その宿主細胞を適当的な培養条件で培養し、発現産物を収穫する。
【0015】
該プロセスに於いて、人工遺伝子配列を適当なベクターに入れる。また、発酵液からタンパク質を抽出し、或いは封入体を収集して、収穫するタンパク質を変性及び再生する。
【0016】
本発明は何れかの上記方法で生産されたタンパク質を提供する。
【0017】
本発明は何れかの上記方法で生産されたタンパク質及び適当なキャリヤーを含む組成物を提供する。
【0018】
本発明は何れかの上記方法で生産されたタンパク質及び適当な薬用キャリヤーを含む薬用組成物を提供する。
【0019】
本発明の意味は以下の通りである。本発明の技術を用いて、治療作用を持つ遺伝子を遺伝子組換え技術により、タンパク質を創造する過程において、タンパク質の空間構造を調節して、そのタンパク質に該遺伝子の機能を持たせ、または、従来の遺伝子組換え技術により生産されたタンパク質が持たない機能や活性を持たせる。
【0020】
インターフェロンを例として、人類IFN-α遺伝子を逆転写発現ベクターに構築され、PDOR-IFN-α発現ベクターを得る。そして、2.2.15細胞に形質移入し、細胞の培養液中のHBsAg、HBeAgを測定する。結果として、rSIFN-coはHBsAg、HBeAgに対して抑制率がそれぞれ62%、67.7%になることが示された。しかし、通常遺伝子組換え技術により得られた組換えインターフェロンタンパク質は体外で(in vitro)HBsAg、HBeAgの分泌を抑制する作用を有しない。また、逆転写ウィルスベクターにより人類IFN-α2の発現ベクターが構築され、HIV細胞株―A3.01細胞内に形質移入して発現し、IFN-α2が完全にHIV―DNAの複製と転写を抑制できることは証明られる。しかし、インターフェロンを用いて、HIV感染を治療する場合には、その効果は有限である。
【0021】
下記の例を通して、本発明をよりよく理解することになる。しかしながら、当業者の分かるように、議論される具体的な方法と結果は請求の範囲に記載される発明の例証のみである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
【実施例1】
【0023】
インターフェロンの構造を新たに構築する
rSIFN-coは人類IFN-αのサブタイプの保存性(conservative)アミノ酸に基づいて、遺伝工学の方法により構築された新たなインターフェロン分子である。アメリカ特許4695263、4897471に於いて、このインターフェロンが記載された。rSIFN-coは幅広いインターフェロン活性を持ち、強い抗ウィルス、抗腫瘍及び自然キラー細胞の活性を有する。
【0024】
本発明に於いて、大腸菌のコドンの頻度(codon usage)に基づいて、その遺伝子コドン配列を新たに設計し、PHY-4ベクターに構築し、PBADプロモータを用いて、下流の発現を調節する。宿主は大腸菌とする。産物は6mol/Lグアニジン塩酸により変性→4mol/Lアルギニン再生→POROS HS/M―カチオンカラム交換クロマトグラフィ→銅イオン親和クロマトグラフィの純化を経て、高い純度の目的タンパク質が得られる。
【0025】
B型肝炎のHBV-DNA、及びHBsAg、HBeAgの分泌を抑制する二重の実験により、IFN-conlと比べると、rSIFN-coはIFN-conlが持たないHBsAg,HBeAgの分泌の抑制作用を有する。また、HBVコア/前ゲノム(C/P)プロモータとシス調節配列と共にルシフェラーゼの上流に置いて、リポートプラスミドを構築して、HepG2細胞に形質移入する。そして、異なるインターフェロンでその細胞を処理して、ルシフェラーゼのリポート遺伝子の発現量を測定した結果、rSIFN-coはルシフェラーゼのリポート遺伝子の発現量の抑制率が68%であり、対照としてのIFN-conl及びIFN-α2bはそれぞれただ35%及び27%である。そこで、HBcAgを抑制する作用が明らかに高くなる。
【0026】
また、円二色性スペクトルによりrSIFN-coとIFN-conlとの二次構造が違うことは証明されている。
【0027】
以下は具体的な比較実験:

1) 円二色性スペクトルの比較
実験場所:四川大学の分析測定センター
装置:J-500C Circular Dichroism equipment (波長範囲250−190nm,感度:2m°/cm、光路:0.2cm、図1,2を参照)

2)rSIFN-coはHBV−DNAの複製、およびHBsAgとHBeAgの分泌を抑制する。
【0028】
材料
溶媒及び調製方法:実験の薬物を調整する時、各バイアルに生理食塩水を1mlずつ入れて、溶解した後、異なる濃度のMEM培養液と混合される。現場で混合する。
【0029】
対照薬品:Schering Plough会社製IFN-α2b(Intron A)は凍結乾燥製剤で、3×106U/各が培養液で3×106IU/mlになるように混合する。Amgen社製INFERGEN(水溶液)は、9μg、0.3ml/各、9×106IUに相当量が、培養液で9×106IU/mlになるように混合し、4℃の冷蔵庫に保存された。2.2.15細胞: HBVのDNAを人肝癌細胞(Hep G2)にクローンした2.2.15細胞株、米国Mount Sinai医学センターで構築された。
【0030】
試薬:MEMパウダー、アメリカGibco社製; 牛胎児血清、アメリカHycloneLab社製; G-418(Geneticin)、MEMで調製、アメリカGibco社製; L-グルタミル、JINGKE化学試薬会社の輸入品;HBsAg、HBeAg固相放射免疫キット、中国アイソトープ会社北方免疫試薬研究所から入手;Biograncetina、華北製薬工場製;Lipofectin、アメリカGibco社製。
【0031】
実験用品及び装置:培養ボトル、デンマークTunclonTM;96ウェル培養プレート、24ウェル培養プレート、アメリカCorning社製;二酸化炭素の孵卵器、アメリカShel−Lab製品。MEM培養液100ml:牛胎児血清10%、グルタミン0.03%、G418 380μg/ml、Biograncetina 50U/ml。
【0032】
実験方法
2.2.15細胞の培養:2.2.15細胞がコンフルエントになった培養ボトルに膵酵素0.25%を入れて、37℃で3分消化し、培養液を入れてピペッティングして、1:3で継代培養、10日でコンフルエントになる。
【0033】
毒性実験:実験は薬物なし細胞対照群と異なる試薬濃度群と分けられる。細胞消化、10万個細胞/mlになるように細胞溶液を調製する、96ウェル培養プレートに播く、200μl/ウェル、37℃ 5%CO2で24時間培養する、細胞が一層になってから、実験を行う。
【0034】
rSIFN-coは培養液で1.8×107IU/mlになるように調製され、2倍に希釈して96ウェルの細胞培養プレートに入れ、同濃度を3ウェルずつに入れ、4日毎に同濃度の薬液を交換する。細胞変性を指標として、8日後に顕微鏡でそれらを観察する:完全破壊が4;75%が3;50%が2;25%が1;変化なしが0とする。異なる濃度の薬液で平均の細胞変性の程度及び抑制率を計算する。Reed Muench法により半数有毒濃度(TC50)と最大無毒濃度(TC0)を計算する。
【0035】

A=log>50%薬物濃度 B=log<50%薬物濃度 C=log希釈倍数
【0036】
HBsAg、HBeAgを抑制する実験:HBsAg、HBeAgの陽性対照群、陰性対照群、細胞対照群及び異なる濃度の薬物投与群が設定された。70万個の2.2.15細胞/mlを6ウェル細胞培養プレートに播く、3ml/ウェル、37℃ 5%CO2で24時間培養する。実験試薬を5段階で3倍希釈して、それぞれは4.5×106IU/ml、1.5×106IU/ml、0.5×106IU/ml、0.17×106IU/ml及び0.056×106IU/mlとして、同濃度が1ウェルずつ、37℃ 5%CO2で培養して、4日毎に同濃度の薬液を交換する。第8日目培養液を回収して、−20℃で保存する。実験は繰り返して3回行って、それぞれHBsAg、HBeAgを測定する。HBsAg、HBeAgの測定は中国アイソトープ会社北方免疫試薬研究所から入手した固相放射免疫キットにより行われる。その方法は説明書を参照し、γ-計数機で各ウェルのcpm値を測定した。
【0037】
薬物効果の計算:細胞対照及び各濃度のcpm平均値及び標準偏差、P/N値例えば抑制率、半数有効濃度(IC50)及び選択指数(SI)。
【0038】
(1)


A=細胞対照cpm; B=薬の投与群cpm
(2)抗原を抑制する薬物の半数有効濃度(IC50)の計算:


A=log>50%薬物濃度 B=log<50%薬物濃度 C=log希釈倍数
(3)空間構造が変えらたrSIFN-coが2.2.15細胞培養でのHBsAg、HBeAgに対する選択指数(SI)。

(4)t testにより各希釈濃度HBsAg、HBeAgと対照群のcpmの差異を計算する。
【0039】
Southernblot:(1)2.2.15細胞内のHBV−DNAの抽出:試薬を入れてから、2.2.15細胞を8日培養して、培養液を吸って細胞を回収する。それに細胞溶解液を入れて、細胞を溶解する。同体積フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(1:1:1)で2回抽出して、10000gで高速遠心し、上清を取り、無水エタノールで核酸を沈殿させて、真空乾燥し、20μlTEバッファーに溶解する。(2)電気泳動:6×DNAサンプルバッファー液を入れて、サンプルを1.5%アガロース・ゲルにIV/cm、固定電圧で14−18時間電気泳動する。(3)変性、ハイブリダイゼーション:ゲルをそれぞれHCl、変性液、中和液に浸す。(4)トランスメンブレン:手順によりDNAをHybond−N膜にトランスファする。ドットブロットハイブリダイゼーションと共に膜を焼き、ハイブリダイズ、感光する。それをスキャンして、gel-pro ソフトウェアで相対密度を分析して、抑制率及びIC50を計算する。
【0040】
結果
本発明は実験の結果(表1、表2、表3を参照)の示すように:最大な毒なし濃度を2.2.15細胞に入れたサンプルを8日培養し、rSIFN-coの9.0±0×106IU/mlサンプルはHBeAgに対して平均抑制率が46.0±5.25%(P<0.001),IC50が4.54±1.32×106IU/ml、選択指数SIが3.96であった。HBsAgに対して平均抑制率が44.8±6.6%,IC50が6.49±0.42×106IU/ml、選択指数SIが2.77である。従って、rSIFN-coはB型肝炎の表面抗原とe抗原を明らかに抑制する活性を有するが、対照群インターフェロンとINFERGENは上記活性を有していなかった。臨床症例に於いても、慢性活動性B型肝炎の患者はrSIFN-coを用いて、B型肝炎の表面抗原とe抗原を低減して、または正常のレベルに回復する。
【0041】
【表1】



【0042】
【表2】

【0043】
【表3】





【実施例2】
【0044】
異なるインターフェロンによるB型肝炎ウィルスの遺伝子の発現を抑制効果の比較
B型肝炎ウィルス(HBV)DNAはトランスアクティベイティング(transactivating)タンパク質の共通配列を有する。このタンパク質の結合活性はインターフェロンによって調節される。HBVを形質導入された肝細胞はインターフェロンによりHBV遺伝子の発現が抑制される。本研究の目的は異なるインターフェロンによるHBV転写に対する影響を調べる。HBVのエンハンサー(EnH) I、EnHIIとコアプロモータに調節される蛍のルシフェラーゼ遺伝子を含むリポートプラスミド(reportor plasmid)により、一時的に人肝癌細胞に形質導入して、三種のインターフェロンの転写活性への影響を調べた。
【0045】
材料と方法
1. インターフェロン:IFN-conl(Infergen)、IFN-Hui−Yang(rSIFN-co)及びIFN―beta 1b。
2.リポートプラスミド:PCRで(EnH) I、EnH IIとコアプロモータを含むDNA断片を用意して、末端をブランティングして、それをpGL3―Basic(Promega、WI,USA)のエンハンサーとプロモータなしの蛍のルシフェラーゼ遺伝子のSma Iサイトにクローニングして、生じたリポートプラスミドはpGL3―HBV-Lucと命名される。
3.細胞培養とDNAの形質移入:HepG2細胞をDMEM培養液に培養して、培養液に10%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを追加する。細胞を30℃ 5%CO2のインキュベータに置く。Boehringerの脂質体形質移入キットを用いて、pGL3―HBV-Lucリポートプラスミドを細胞に形質移入する。18時間を経て、形質移入の薬剤を有する培地を吸って、インターフェロンが有る、またはない新鮮な培地を入れて、また48時間培養する。
4. ルシフェラーゼの分析:インターフェロンを入れて48時間後、細胞を回収、破砕する。該細胞溶解産物のタンパク質濃度をBio−Radタンパク質分析キットで測定して、Promegaのルシフェラーゼ リポート分析システムにより、製造者に提供されたプロトコールに従って、ルシフェラーゼ活性の測定を行った。
【0046】
実験結果
異なるインターフェロンにより溶菌産物のルシフェラーゼの発現

【0047】
以上の結果の示すように:rSIFN-coはB型肝炎ウィルス遺伝子の発現を効果的に抑制できる。
【実施例3】
【0048】
rSIFN-coを用いた体温変化と副作用
従来のインターフェロンを用いると多くの副作用がある。その副作用は、例えば吐き気、筋肉痛、食欲不振、脱髪、白血球や血小板の減少などである。
【0049】
方法:
受検者は2群に分けられる。A群の11名の受検者は9μgのINFERGENを注射する、B群の10名の受検者は9μgのrSIFN-coを注射する。注射後、2群の受検者は全て48時間の臨床観察を行う。注射1時間後、第一回観察結果を記録して、そして2時間ごとに一回の観察記録を行う。
【0050】
表4には9μgのINFERGENと9μgrSIFN-coとを注射して、その副作用の比較を記録したものを示す。
【0051】
【表4】

【0052】
結論:
SIFN-coを注射する受検者の副作用がより小さくて、その副作用は一般的なインフルエンザ様の症状で、例えば、頭痛、虚弱、悪寒、筋肉痛、発汗、関節痛。INFERGENを注射した受検者の副作用は明らかにrSIFN-coを注射した受検者より悪かった。
【0053】
図4A-1、4A-2、4B-1、4B-2から分かるように、A群受検者の体温は明らかにB群検験者より高い、rSIFN-coがINFERGENより良い耐性を有することが明らかになった。
【実施例4】
【0054】
rSIFN-coの結晶成長及び結晶学パラメータの測定
rSIFN-coの結晶研究。系統的な模索や実験を経て、二種類の結晶を獲得した(図5−7を参照)。
【0055】
1.結晶成長
rSIFN-coタンパク質を純水で、終濃度3mg/mlになるように溶解する。最初の結晶条件の捜索はHampton社のHampton Research Crystal Screen I and IIを使う。蒸気拡散法を用いて、液500μl、液滴1μlタンパク質+1μl液、温度293K。表5に示すように、二種類の異なるタイプの小さい結晶が得られてきた。
【0056】
【表5】

【0057】
2.データの採集と処理
結晶 IはX線回折データの収集と最初の結晶学分析を行って、結晶学のパラメータの測定が完成された。回折データ収集は常温で行って、結晶 I(条件 I)を薄い壁の石英管に封入した。BrukerAXS Smart CCD探測機を用いて、Nonius FR591のX線発生器より産生されたCuKα放射線(λ=1.5418Å)を光源として使用した。光源の出力は2000KW(40Kv×50mA)、波長1.00 Å、感光時間60秒、△φ=2Å、結晶と探測機の間の距離は50mmである。データ処理はBruker社のProteum Procedure Packageにより行った。結晶の回折グラフ(局部)は図7に示す。処理結果は表6に示す。
【0058】
【表6】

【0059】
また、発表されたインターフェロンタンパク質の結晶化条件に基づいて、rSIFN-coの結晶化を試みたが、何れも結晶が成長しなかった。rSIFN-coと最も接近する(一次構造87%同等)huIFN-α2bのスクリーンは非常に複雑である。三回接種を経て、結晶は0.5×0.5×0.3mmまでに成長し、その解像力が2.9 Åで、空間群がP21で、晶胞も大きく、非対称単位内に六つの分子があり、溶解は約60%であった。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1はInfergenの円二色性スペクトル波長範囲:250nm−190nm感度:2m°/cm光路(light path):0.20cm装置:Circular Dichroism J-500Cサンプル:30μg/ml IFN-conl、5.9mg/ml NaCl、3.8mg/ml Na2PO4を含む、pH7.0。
【図2】図2はrSIFN-co円二色性スペクトル波長範囲:250nm−190nm感度:2m°/cm光路:0.20cm装置:Circular Dichroism J-500Cサンプル:30μg/ml rSIFN-co、5.9mg/ml NaCl、3.8mg/ml Na2PO4を含む、pH7.0。
【図3】図3はB型肝炎ウィルスの遺伝子の発現に対する異なるインータフェロンの抑制効果の比較
【図4A−1】図4A-1はA群受検者の体温の変化曲線(5人)この図はA群の5名受検者の体温変化の記録
【図4A−2】図4A-2はA群受検者の体温の変化曲線(6人)この図はA群の他の6名受検者の体温変化の記録
【図4B−1】図4B-1はB群受検者の体温の変化曲線(5人)この図はB群の5名受検者の体温変化の記録
【図4B−2】図4B-2はB組受検者の体温の変化曲線(5人)この図はB組の他の5名受検者の体温変化の記録
【図5】図5はrSIFN−co結晶 I
【図6】図6はrSIFN−co結晶 II
【図7】図7はrSIFN−co結晶のX線回折グラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)上記タンパク質をコードするコドンを変える、
b)変えられたコドンにより、目的タンパク質を発現させ、及び精製する、また
c)変えられたコドンによる発現されるタンパク質は、元のコドンによる発現されるタンパク質と比べると、その機能が増強され、または、新たな機能を有する、即ち、その機能が調節される
上記のステップを含む、一次アミノ酸配列を変えなく、タンパク質の構造を調節する方法。
【請求項2】
コドンを変えることで、タンパク質の発現量を増強させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)上記タンパク質をコードするコドンを変える、
b)変えられたコドンにより、目的タンパク質を発現させ、及び精製する、また
c)変えられたコドンによる発現されるタンパク質は、元のコドンによる発現されるタンパク質と比べると、その機能が増強され、または、新たな機能を有する、即ち、タンパク質は機能が増強され、または、新たな機能が生じる。
上記のステップを含む、一次アミノ酸配列を変えなく、機能が増強され、または、新たな機能を有するタンパク質を調製する方法
タンパク質を調製する方法。
【請求項4】
コドンを変えることで、タンパク質の発現量を増強させることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の方法により、調製されるタンパク質。
【請求項6】
独特な二次または三次的な構造を有することを特徴とする請求項5に記載のタンパク質。
【請求項7】
変えられたコドンにより合成される遺伝子であって、発現される時、新たな機能を生じ、または、元の機能が増強されることを特徴とする合成する遺伝子。
【請求項8】
請求項7に記載の遺伝子を含むベクター。
【請求項9】
請求項7に記載の遺伝子を含む発現システム。
【請求項10】
請求項7に記載の遺伝子を含む宿主細胞。
【請求項11】
好適なコドンにより、構築された組替え遺伝子を適当な宿主細胞にクローンされ、適当な培養条件で培養して、タンパク質を発現させることを含む、新たな機能を有する、または元の機能が増強されるタンパク質の生産方法。
【請求項12】
上記組替え遺伝子をベクターに構築されることを特徴とする請求項11に記載の方法
【請求項13】
発酵液から目的なタンパク質を抽出する、または封入体を収集して得られるタンパク質を変性及び再生することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項11−13の何れかに記載の方法で、生産されるタンパク質。
【請求項15】
請求項5,6又は14に記載のタンパク質と薬学的に許容されるキャリヤーを含む組成物。
【請求項16】
請求項5,6又は14に記載のタンパク質と薬学的に許容されるキャリヤーを含む薬用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A−1】
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【図4A−2】
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【図4B−1】
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【図4B−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−503812(P2007−503812A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524917(P2006−524917)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/028068
【国際公開番号】WO2005/021777
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506066858)ヒュイヤンテック(ユーエスエー),インク. (4)
【Fターム(参考)】