説明

窓際演出の装置及び方法

【課題】どのような条件の建物であっても景観照明を可能とする演出装置及び演出方法を提供すること。
【解決手段】建物の窓2を利用した光などの窓際演出おいて、遮光性を有するカーテンやブラインドなどを被照射物1とし、カーテンやブラインドなどの被照射物1と、当該被照射物1と窓2の間に設置される照射装置3からなる演出装置であって、照射装置3は光の演出では一つの灯具で様々な色合いを演出できるLED照明を利用し、画像の演出ではプロジェクターなどの画像表示器を利用し、更に照射装置3にはソフトによりプログラムを入力することで色のみでなく異なった形状や音声なども演出したり、自動的に制御することにより照射装置3そのものが移動したりする様々な演出を可能とするものであって、窓2を通してカーテンやブラインドなどの被照射物1に映し出される光などを建物の外から見ることができる演出方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の景観照明において建物内側の窓際で演出するものであり、カーテンやブラインドなどの被照射物と照射装置を組み合わせた演出装置及びその演出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物を照射する景観照明、いわゆるライトアップの手法としては様々な方法がなされており、例として、建物外壁に複数の投光器などを設置して当該建物壁面を照射する手法、地上面に複数の投光器などを設置して建物を照射する手法、建物屋上に複数の投光器などを備え当該建物屋上に備えられた被照射物を照射する手法、などがあるが、照射装置が建物外部に位置されている場合が多い。
【0003】
また、室内の照明を利用して、当該照明をオン・オフすることで、建物の窓を通して光や絵、文字などを表示する演出も数多く行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
建物内部に照射装置を配置した方法では、窓際のブラインドの開閉とブラインドの背面からの光照射を自動制御する演出方法や、窓際に備え付けられた蛍光灯の光をブラインドに照射しブラインドにより反射された光を利用した演出方法がある。
【特許文献1】特開平5−59876
【特許文献2】特開2003−82958
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術において、照射装置を建物外部に位置した手法の場合、新築の建物であれば、工事の際にあらかじめ建物外壁などに照射装置を設置するか、あるいは地上面に照射装置を設置するための場所を確保することが可能であるが、既設の建物では、建物外壁に照射装置を設置するとなると、大掛かりな工事となり工事費が高くなる、地上面への設置は適切な場所が無いことが多い、などの欠点がある。更に新築・既築を問わず建物外部に照射装置を設置しての照射手法の場合、照射装置が風雨にさらされた状況にあるため気象や外因により装置が破損するとともに二次災害の恐れがある、室内の照明が点灯している場合は窓から光が漏れてライトアップの演出効果が低減する、などの欠点もある。
【0006】
建物内部に照射装置を配置した方法で、窓際のブラインドの開閉とブラインドの背面からの光照射を自動制御する演出方法においては、ブラインド開閉器とブラインド開閉器にブラインド開閉状態設定信号を出力するブラインドコントローラ、ブラインド制御信号をブラインドコントローラに送出するブラインド制御端末器など、設備が大掛かりとなり設備費が高くなるという欠点がある。更に、演出中は室内の照明を消灯しなければならないので、その間は室内を利用できない欠点がある。また、窓際に備え付けられた蛍光灯の光をブラインドに照射しブラインドにより反射された光を利用した演出方法においては、室内の照明を消灯することなく演出できる良さはあるものの、照射装置に色付き蛍光管を使用するため、一つの灯具で色の変化・移り変わりなどの演出ができず、色の変化を演出するためには他色の蛍光管と交換しなければならない欠点がある。また、複数の窓を有する建物でしか演出の効果が得られないという制限もある。
【0007】
そこで、本発明は建物内部の窓際の遮光性を有するカーテンやブラインドなどを被照射物とすることで室内の照明を消灯しなくても窓際演出を可能にするとともに、照射装置に光の演出の場合はLED照明を、画像演出の場合はプロジェクターなどの画像表示器を利用し、かつ照射装置を自動的に制御することで移動可能にした、演出装置及び演出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、一壁面に複数の窓を有する建物、あるいは一壁面に一つの窓しかない建物での窓を利用した光などの窓際演出おいて、建物内部の窓際に設置済みの、あるいは演出のために設置した遮光性を有するカーテンやブラインドなどを被照射物とし、カーテンやブラインドなどの被照射物と、当該被照射物と窓の間に設置される照射装置からなる演出装置であり、窓を通してカーテンやブラインドなどの被照射物に映し出される光などを建物の外から見ることができる演出方法により、室内の照明を消灯しなくても演出が可能となり、また室内を利用している者が窓際演出による光の影響を受けることがないので、時間を選ばずに窓際演出をすることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、光の演出においては照射装置にLED照明を利用することで、一つの灯具で様々な色合いを演出できるとともに、他光源と比べ消費電力も少なくすることができる。また、画像の演出においては照射装置にプロジェクターなどの画像表示器を利用することにより、照明では実現できない演出が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、ソフトにより様々な演出をするプログラムを入力することができる照射装置にすることで、色のみでなく異なった形状や音声なども演出することが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、窓際に設置された移動用レールにより照射装置を移動可能とし、その移動を照射装置に入力されたプログラムにより自動的に制御することによって、光や画像が移動する演出が可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る窓際演出の装置及び方法によれば、建物壁面の窓個数が幾つであっても光や画像の変化や移り変わりを演出することができ、室内の照明を消灯していなくても演出ができるとともに室内を利用している者が窓際演出による光の影響を受けることがないので、時間を選ばずに窓際演出をすることが可能となる。また、演出装置が建物内部に位置し風雨にさらされることがないため、気象や外因により装置が破損するとともに二次災害を生ずる恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施の一形態を示す窓際演出の演出装置の概要図である。
【図2】図2は本発明の照射装置が自動的に制御することで移動することを示す概要図である。
【図3】図3は本発明の実施の一形態を示す窓際演出の演出方法の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態として、窓際演出の演出装置の概要図である図1と、照射装置が自動的に制御することで移動することを示す概要図である図2と、窓際演出の演出方法の概要図である図3を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、窓際演出の演出装置の概要図である。本実施例は、一壁面に複数の窓2を有する建物、あるいは一壁面に一つの窓2しかない建物での窓2を利用した光などの窓際演出おいて、建物内部の窓際に設置済みの、あるいは演出のために設置した遮光性を有するカーテンやブラインドなどを被照射物1とし、カーテンやブラインドなどの被照射物1と、当該被照射物1と窓2の間に設置される照射装置3からなる演出装置であり、光の演出においては照射装置3に消費電力が少なく一つの灯具で様々な色合いを演出できるLED照明を利用し、画像の演出においては照射装置3にプロジェクターなどの画像表示器を利用することで様々な演出を可能とするものである。図1の照射装置3は丸型の形状としているが、ライン形状のものでも良い。更に、照射装置3にはソフトにより様々な演出をするプログラムを入力することができ、色のみでなく異なった形状や音声なども演出することを可能とするものである。
【0016】
図2は、照射装置3が自動的に制御することで移動することを示す概要図である。窓際に移動用レール4を設置し、移動用レール4上を移動できるように照射装置3を設置することで、照射装置3が移動可能となり、光や画像の移動を可能とするものである。照射装置3は、移動用レール4の取り付け位置により左右・上下・回転と自由自在の移動が可能となる。更に、照射装置3に入力されたプログラムにより自動的に制御することで移動を可能とするものである。
【0017】
図3は、窓際演出の演出方法の概要図である。窓2を通してカーテンやブラインドなどの被照射物1に映し出される光などを建物の外から見ることができる演出方法により、室内の照明を消灯しなくても演出を可能とし、また室内を利用している者が窓際演出による光の影響を受けることがないので、時間を選ばずに窓際演出をすることを可能とするものである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の演出装置及び演出方法による窓際演出は、窓個数が幾つの建物であっても演出が可能であり、また時間を選ばずして実施できるので、どのような条件の建物であっても適用が可能である。
【符号の説明】
【0019】
1 被照射物
2 窓
3 照射装置
4 移動用レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一壁面に複数の窓を有する建物、あるいは一壁面に一つの窓しかない建物での窓を利用した光などの窓際演出において、建物内部の窓際に設置済みの、あるいは演出のために設置した遮光性を有するカーテンやブラインドなどを被照射物とし、カーテンやブラインドなどの被照射物と、当該被照射物と窓の間に設置される照射装置からなる演出装置であり、窓を通してカーテンやブラインドなどの被照射物に映し出される光などを建物の外から見ることができる演出方法。
【請求項2】
照射装置には、光の演出においては消費電力が少なく一つの灯具で様々な色合いを演出できるLED照明を利用し、画像の演出においてはプロジェクターなどの画像表示器を利用した請求項1記載の演出装置。
【請求項3】
照射装置にはソフトにより様々な演出をするプログラムを入力することができ、色のみでなく異なった形状や音声なども演出することを可能とした請求項1記載の演出装置及び演出方法。
【請求項4】
窓際に設置された移動用レールにより照射装置を移動可能とし、その移動を照射装置に入力されたプログラムにより自動的に制御することによって、光や画像の移動を可能とした請求項1記載の演出装置及び演出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−238543(P2010−238543A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85339(P2009−85339)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】