説明

立体型マスク

【課題】呼吸気の漏れと息苦しさが少なく、ずれ落ちにくい立体型マスクを提供する。
【解決手段】内側のシートと通気性を有する外側のフィルターシートを重ね、左右の上縁部と下縁部、および側縁部を溶着して袋状の空間を左右に、中央で2つの外側のフィルターシートを凸形状の外縁部で溶着してキャップ状の空間を形成し、装着時に連続して閉じられた空間として鼻腔と口を覆い、内側のシートの端で鼻腔や口に当たらない開口部を形成し、左右の側縁部に耳掛け部を設け、呼吸気の漏れと息苦しさが少なく、ずれ落ちにくい立体型マスクにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向するフィルターで鼻腔と口を覆う部分を固着して形成する立体型マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使い捨て使用されるマスクは、不織布を用いるものが多い。比較的自由な形状を作り易く、ガーゼに較べて直径が20から40マイクロメートルの花粉などの微粒子や、ウィルスなどを含んだ微小な飛沫を捕集するフィルターとしての能力が高いからである。
【0003】
ここでの立体型マスクは、特許文献1で示されるように、2つ対向して重ねられたフィルターの端を凸形状に溶着し、装着時に、この凸形状の近傍が左右に膨らむことで生じるキャップ状の空間で鼻腔や口を覆う構成を有するマスクを言う。
【0004】
使い捨てのマスクには、特許文献2で示されるように、不織布を連続的して折り返して作られた重ね合わせ部を有するフィルターを拡げ、鼻腔と口を覆うプリーツ型マスクもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−275384号公報
【0006】
【特許文献2】米国特許第3884227号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1で示される従来の立体型マスクや、特許文献2で示されるプリーツ型マスクは、マスク本体と顔の隙間における呼吸気の漏れが大きい。呼気や吸気が漏れる結果、フィルターを透過しない花粉などの微粒子や、細菌やウィルスを含む飛沫を吸い込むことになる。また、鼻近傍での漏れは、寒い環境においては呼気で眼鏡を曇らせる原因になる。
【0008】
鼻近傍での隙間を小さくするため、曲げ変形可能な高剛性材をマスク本体に埋め込み、マスク本体を鼻の凹部に合わせるマスクがある。鼻近傍の隙間での呼吸気の漏れを減らせるが、その分、他の隙間での呼吸気の漏れに転嫁され、マスク本体のフィルターを効果的に利用できていない。
【0009】
鼻近傍の隙間における呼吸気の漏れを少なくする他の方法として、鼻と頬の凹凸に合わせた形状の発泡材をマスク本体の内側に貼り付けたマスクがある。鼻近傍の隙間での呼吸気の漏れは抑制されるが、変形可能な高剛性材を使用した場合と同様に、マスク本体の多くが頬に密着して当たるため、呼吸気を透過させるフィルターの実効的な面積は小さく、マスク本体と顔の隙間全体での呼吸気の漏れが相対的に大きいことは変わらない。
【0010】
呼吸気の漏れの程度は、流路を含むフィルターを透過する経路の抵抗と、マスク本体と顔の隙間を通過する経路の抵抗の比率で決まる。抵抗は、空気の粘性とフィルターや隙間の形状で決まる。フィルターの目の粗さ、および透過する面積を小さくするほどフィルターの抵抗は大きくなる。隙間は、フィルターの目の粗さに較べて桁違いに大きいため、空気の粘性はさほど効かず、抵抗はあまり大きくならない。呼吸気が透過できるフィルターの面積は大きくないため、フィルターの隙間での呼吸気の漏れをなくすと息苦しくなる。実際、従来の使い捨てマスクは、隙間で呼吸気の多くを出し入れしている。鼻近傍での隙間を少なくして眼鏡の曇りをなくすのは、使用上の利点だけで、マスク本来のフィルターを介した捕集効果を向上するものではない。
【0011】
また、従来の立体型マスクでは、マスク本体がずれ落ちるのを防ぐ構成になっていないため、口元を動かす時に下にずれ落ちやすい。マスク本体が下にずれると、前記の剛性材や発泡材が設けられても鼻近傍の隙間が大きくなり、呼吸気の漏れが顕著で、眼鏡の曇りはなくならず、マスクの捕集効果はあまり期待できない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の立体型マスクは、マスク本体と顔の隙間における呼吸気の漏れを小さくし、フィルターの呼吸気を透過させる実効面積を大きくして、呼吸も楽にする。また、マスク本体が下にずれ落ちるのを防ぐ構成にする。本発明の立体型マスクは、従来の使い捨てマスクの課題を解決するために以下の手段をとる。
【0013】
請求項1で示されるように、不織布などの通気性を有する外側フィルターシートに、通気性の有無に限定されない内側のシートを重ね合わせ、外側のフィルターシートを内側のシートの端より余白を持たせる。上縁部と下縁部、および側縁部を溶着などで閉じた袋状の空間が形成された合わせシートを2つ左右対称に配置する。互いの内側を向き合わせて内側のシートの端を揃え、上縁部、下縁部、側縁部からなる外形の輪郭を一致させる。2つの外側のフィルターシートは、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部で溶着などで固着される。
【0014】
マスク装着時に、この外縁部近傍の外側のフィルターシートを左右に拡げることで、鼻腔と口を覆うキャップ状の空間が形成される。袋状の空間の端でもある、内側のシートの端が全て閉じないことで、鼻腔とこのキャップ状の空間の間に開口部が形成される。装着されると、キャップ状の空間と連続する左右の袋状の空間は外部から閉じられた空間となる。左右の側縁部には、耳掛け部や、後頭部で固定する伸縮性を有する紐が止め部として設けられる。内側のシートが、止め部による作用で、顔に当接されてマスク本体を支持するため、外側のフィルターシートは、外形の縁部以外、顔に当てる必要がなく、形状や材質を比較的自由に選択できる。凸形状の外縁部を比較的大きく突出すれば、キャップ状の空間を形成するフィルターシートの面積を、その分大きくでき、広い面積で呼吸気を透過させることができる。袋状の空間を形成する外側のフィルターシートの一部でも呼吸気の透過が容易になれば、呼吸気透過の実効面積を大きくできる。
【0015】
請求項2では、左右の袋状の空間における内側の間隔を大きくして、呼吸気が透過できる外側のフィルターシートの実効面積をさらに大きくする。それには、内側のシートに熱収縮性を有するシートを用いて、請求項1と同じように立体型マスクを構成し、熱を加えて内側のシートを面方向に収縮させる。収縮が大きい内側のシートと、収縮が少ない外側のフィルターシートとの寸法差が大きくなる結果、左右の袋状の空間が内側の間隔の広がりとともに増大し、奥の側縁部まで空気が流動しやすくなる。結果、外側のフィルターシートが広い面積で呼吸気を透過することで、この経路における抵抗が小さくなり、マスク本体と顔の隙間での呼吸気の漏れが相対的に少なくなる。内側のシートに熱収縮性とともに伸縮性を有するシートを用いてもよい。
【0016】
請求項3は、外側のフィルターシートの呼吸気を透過する実効面積を大きくする他の方法を示す。幅を有する凸形状の外縁部に複数の切り込みを設けて、局所的に変形しやすい箇所を設ける。溶着などで閉じられた外縁部の幅が大きいと、剛性が大きく変形させにくい。外縁部の幅より短い切り込みを少なくとも3箇所、ほぼ等間隔に設け、外部と内側のキャップ状の空間は非貫通にされる。中間の切り込み部に外から力を加えると凹み、左右の袋状の空間内の間隔が少し広がる。結果、左右の袋状の空間で、空気の流動しやすい部分がある程度拡がり、キャップ状の空間の部分に加えて、外側のフィルターシートの呼吸気を透過する実効面積が大きくなる。
【0017】
請求項4では、外側のフィルターシートの呼吸気を透過する実効面積を大きくする構成を示す。外側のフィルターシートに連続的に折り返して作られた折り重ね部が、側縁部から凸形状の外縁部まで連続して設けられる。マスク装着時に、折り重ね部の相互に密着した部分を離なす程度に拡げ、また、外側のフィルターシートと内側のシートの間隔を大きくすることで、袋状の空間内で空気を流動しやすくし、外側のフィルターシートの呼吸気を透過する実効面積を大きくする。
【0018】
請求項5では、凸形状の外縁部を凹ますことによる変形と、折り重ね部の間を拡げることによる相乗の効果で外側のフィルターシートの呼吸気を透過する実効面積を大きくする。折り重ね部の端部を複数の切り込みの中の少なくとも一つに合致させ、切り込み部で外縁部が容易に凹まされることにより、折り重ね部の変形が大きくなる。袋状の空間の部分で、外側のフィルターシートと内側のシートの間隔がより大きくなり、袋状の空間で空気が流動しやすくなる。また、折り重ね部を拡げやすくなることで折り重ね部が相互に離れ、外側のフィルターシートの呼吸気が透過する実効面積を大きくする。結果、袋状の空間における呼吸気の流動時の抵抗と外側のフィルターシートでの透過の抵抗を小さくでき、隙間からの呼吸気の漏れを少なくする。
【0019】
請求項6では、鼻腔近くの内側のシートの端で形成される開口部の構成を示す。内側のシートが外側のフィルターシートと上縁部の大部分で、また、下縁部では凸形状の外縁部の近傍を除いた部分で連続して溶着される。装着時に開くと、内側のシートの端で二等辺三角形に近似する開口部が形成される。左右の端に近い部分の内側シートが、マスク装着時に鼻の上部から鼻の側部に、頬から口元、そして顎に当接し、外側のフィルターシートの下縁部が顎部の一部に接することで、キャップ状と袋状の空間を外部からシールする。特に、鼻の横の隙間と、そこでの呼吸気の漏れを少なくする。開口部からキャップ状の空間、および連続する左右の袋状の空間から外側のフィルターシートを透過して呼吸が行われる。
【0020】
二等辺三角形に近似する開口部を形成することで、マスク本体が下にずれ落ちるのを防ぐ。楔状の左右の内側のシートの端が、下ほど大きい幅で前に出る鼻に食い込む状態になり、マスク本体は下にずれ落ちにくくなる。また、内側のシートが、鼻と口を除く凹凸が比較的小さい顔の部分に当接することで、安定してマスク本体を保持する。外形の縁部を除き、外側のフィルターシートはマスクの保持には関係なく、凸形状の外縁部を外に大きく出したり材質を機能優先にして比較的自由に選択される。また、口に直接当たる部分を少なくすることで、マスクの汚れや、化粧の乱れを少なくする。
【0021】
請求項7では、マスク本体と顔との隙間を少なくし、マスクを作る工程を簡略化するための構成を示す。内側のシートと耳掛け部に、伸縮性を有する同一の連続シートを用いる。内側のシートが伸縮性を有することにより、鼻の近傍から、頬と口元、および顎までの凸の曲面になじみやすく、シール性を良くし、呼吸気の漏れを抑えることができる。また、比較的強い力でマスク本体を顔に当てても、圧を分散し、特に鼻への当たりを緩和して装着時の違和感を少なくする。
【0022】
請求項8では、本発明の立体型マスクの製造方法を示す。内側のシートと外側のフィルターシートに別のものを用意し、通気性を有する外側のフィルターシートを内側のシートの端より余白を持たせて重ねる。上縁部と下縁部、および側縁部を溶着してできる袋状の空間が形成された合わせシートを2つ、左右対称な形状に配置する。内側のシートの端を揃え、各縁部からなる外形の輪郭を合致させて、2つの合わせシートの内側どうしを合わせる。2つの外側のフィルターシートを、内側のシートの端より外の余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部となるように溶着する。外形の形状に切断して個別化するのは、全ての溶着を終えた後に行うとよい。
【0023】
請求項9では、本発明の立体型マスクの他の製造方法を示す。内側のシートに伸縮性を有するシートを用いる。内側のシートに面内方向の張力を加えて配置し、通気性を有する外側のフィルターシートを内側のシートの端より外に余白を持たせて重ねる。上縁部と下縁部、および側縁部を溶着してできる袋状の空間が形成された合わせシートを2つ、左右対称な形状に配置する。内側のシートの端を揃え、各縁部からなる外形の輪郭を合致させて、2つの合わせシートの内側どうしを重ね合わせる。2つの外側のフィルターシートを、内側のシートの端より外の余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部となるように溶着する。
【0024】
請求項10で、本発明の立体型マスクの他の製造方法を示す。展開されて連続する内側のシートの中央に開口部が形成される。内側のシートに較べ、中央に余白を有し、通気性を有する外側のフィルターシートが開口部近傍で左右とも曲げられて内側のシートに重ねられる。上縁部、下縁部、および側縁部で溶着で袋状の空間が形成された合わせシートを2つ、左右対称な形状に配置する。左右に配置された合わせシートは、開口部の中央で折り曲げられて内側のシートが対向するように重ねられ、内側のシートの端は揃えられ、外形の輪郭が合致される。2つの外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部となるように溶着する。この製造方法に限らず、開口部の形状は、直線状の内側のシートの端でなく、一部が開いた曲線状の端で作られてもよい。
【0025】
請求項11で、本発明の立体型マスクの他の製造方法を示す。展開されて連続する内側のシートに左右の外方向に余白を有して連続する通気性を有する外側のフィルターシートを重ね合わせ、中央から左右の2箇所の位置に側縁部、この側縁部から左右の外方向に位置する上縁部と下縁部で溶着して袋状の空間が形成された合わせシートを左右対称な形状で配置する。連続する左右の合わせシートを中央で折り曲げ、内側のシートが対向するように重ねられ、内側のシートの端は揃えられ、外形の輪郭が合致される。2つの外側のフィルターシートどうしを、袋状の空間の開放端側の余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部となるよう溶着する。その後、上下の合わせシートは中央近傍で切断分離される。
【0026】
請求項12で、本発明の立体型マスクの他の製造方法を示す。内側のシートに、熱収縮性を有するシートを用いる製造方法である。重ね合わせや溶着のマスク形状を作成する工程を終えた後、左右の内側のシートを熱で収縮させ、袋状の空間の間隔と大きさを拡張する。
【0027】
また、請求項13で、本発明の立体型マスクの他の製造方法を示す。通気性を有する1つの連続シートで本発明の立体型マスクの本体を作る。連続シートの中央から離れた左右の2箇所で折り曲げ、この折り曲げた側を左右の内側のシートに、中央に余白を有する側を外側のフィルターシートにする。折り曲げ部分を閉じた左右の側縁部とし、これらの側縁部から中央方向に位置する上縁部と下縁部を溶着して袋状の空間が形成された合わせシートを左右対称な形状に配置する。中央部で左右の合わせシートを折り曲げ、内側のシートが重なるようにして、内側のシートの端を揃え、外形の輪郭を合致させ、外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部となるように溶着する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の立体型マスクは、呼吸気の多くを、実際に透過できる面積を大きくした外側のフィルターシートに透過させて、マスク本来の目的である捕集効率を良くする。鼻腔や口での呼吸気は、吸気では、外部から外側のフィルターシートを透過し、マスク本体の閉じた空間に流れ、開口部から鼻腔や口に至ることで、花粉等の微粒子や、細菌またはウィルスを含んだ飛沫を吸い込むことを防止する。鼻腔や口からの呼気は、開口部からマスク本体の閉じた空間に流れ、フィルターシートを透過して外部に至ることで、飛沫は捕集され外部への拡散を少なくする。くしゃみの場合には、マスク本体と顔の隙間を大きくせず、急激に閉じた空間を膨張させて飛沫を閉じ込め、外部への飛沫の拡散を抑制する。
【0029】
本発明の立体型マスクは、マスク本体の閉じた空間での呼吸気の流れを容易にし、呼吸気が透過する外側のフィルターシートの実効面積を大きくする。結果、フィルターシートの目の粗さを大きくしないで呼吸気が流動し、透過する時の抵抗を小さくし、マスク本体と顔の隙間での呼吸気の漏れに頼らなくても比較的楽に呼吸ができる。また、隙間での抵抗を相対的に大きくして、呼吸気の漏れを小さくすることが可能になる。
【0030】
本発明の立体型マスクでは、内側のシートの左右の端で形成される開口部を比較的自由な形状にすることができる。開口部を二等辺三角形に近似する裾広がりの形状にすることで、開口部近傍の内側のシートが顔をシールし、呼吸気の漏れを少なくし、鼻腔や口に当たらないで、口紅などの汚れの付着を少なくして装着することが可能になる。結果、眼鏡の曇りを生じにくくする。また、耳掛け部などでマスク本体を顔に当てると、内側のシートの左右の端が楔状に鼻に食い込み、マスク本体を下にずれ落ちにくくする。
【0031】
本発明の立体型マスクは、鼻の近傍での呼吸気の漏れを少なくするために、鼻や頬の凹凸にマスク本体を合わせる変形可能な高剛性材をマスク本体に埋め込んだり、発泡材を貼り付ける必要がなく、ポリプロピレン系の不織布など、溶着などで固着できるシートや紐のみを用いることで、工程と素材の負担を抑制出来る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例を一部切り欠いた斜視図で示す。
【図2】装着時の本発明の実施例を一部切り欠いた側面図で示す。
【図3】装着時の本発明の実施例を簡略化した横断面図で示す。
【図4】本発明の他の実施例を一部切り欠いた斜視図で示す。
【図5】本発明の他の実施例を一部変形させ、一部切り欠いた斜視図で示す。
【図6】本発明のさらに他の実施例を斜視図で示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0033】
図1は、本発明の立体型マスクを斜視図を示す。マスク本体の一部を切り欠いて内側の構成を示している。内側のシート1、2が、それぞれ直線状の端3、4を有している。端3、4で二等辺三角形に近似した形状の開口部5を形成する。内側のシート1、2の端3、4の近傍の部分は、鼻の上の位置から鼻の横、頬、口元、さらに顎に接する。内側のシート1、2は、耳掛け部6、7によって、顔に当てられる。
【0034】
通気性を有する外側のフィルターシート8、9には主に不織布が用いられる。それぞれ、複数枚の不織布で構成しても良い。外側のフィルターシート8、9は、内側のシート1、2と、上縁部10、11の大部分で、下縁部12、13の凸形状の外縁部14の近傍を除いた部分で、さらに側縁部15、16において連続して溶着される。2つの内側のシート1、2と外側のフィルターシート8、9が表と裏の面になる袋状の空間が左右に形成される。
【0035】
2つの外側のフィルターシート8、9は、内側のシート1、2の端3、4より外側に余白をもって凸形状の外縁部14で、上縁部10、11から連続して溶着される。装着時には、凸形状の外縁部14の近傍の外側のフィルターシート8、9の変形で生じるキャップ状の空間で鼻腔や口を覆う。このキャップ状の空間は、左右の袋状の空間と連続する空間を構成する。この連続する空間は、装着時には、開口部を形成する内側のシート1、2の端3、4と、外側のフィルターシート8、9の下縁部12、13でシールされ、外部から閉じた空間になる。
【0036】
本発明の立体型マスクでは、吸気の場合、空気が外部から外側のフィルターシート8、9を透過して左右の袋状の空間とキャップ状の空間に流れ、開口部5から鼻腔、口に至る。鼻腔や口の呼気は、開口部5からキャップ状の空間と左右の袋状の空間に流れて外側のフィルターシート8、9を透過し、外部に至る。これが本発明の立体型マスクが意図する呼吸気の流れである。
【0037】
実際には、マスク本体と顔の隙間で呼吸気が大なり小なり漏れる。呼吸気が、外側のフィルターシート8、9を透過するか、あるいは隙間で漏れるかは、各々の経路における空気の流れ難さを示す抵抗の大きさで相対的な割合が決まる。外側のフィルターシート8、9の抵抗は、目の粗さと面積で決まる。外側のフィルターシート8、9の目の粗さは、厚さと材質に依存し、目を粗くすると抵抗は小さくなって呼吸が楽になるが、微小な粒子や飛沫を捕集する能力が落ちることになる。
【0038】
従来のマスクでは、不織布など、マスク本体のフィルターの面積がある程度大きくても、顔と密着する部分が多く、フィルターの各部分に至るまでの流動の抵抗が大きかったり、途中で隙間があったりして、フィルターの多くの部分で呼吸気は透過しない。結果、呼吸気を透過するフィルターの面積が小さく、この経路での抵抗が大きくなり、相対的に隙間での呼吸気の漏れが多くなる。
【0039】
マスク本体と顔との隙間は小さい面積でも、フィルターの目の粗さに較べれば桁違いに大きいものであるため、空気の粘性の影響が小さく、面積あたりの抵抗は、不織布などのフィルターに較べてはるかに小さくなる。本発明の立体型マスクでは、鼻の横の隙間を生じにくくし、呼吸気が透過する部分の外側のフィルターシート8、9の面積を大きくし、フィルターとしての目をある程度小さくしても呼吸気の透過する抵抗があまり大きくならない構成にする。
【0040】
図2は、図1で示される本発明の立体型マスクを顔へ装着した状態を、マスク本体の一部切り欠いた側面図で示す。凸形状の外縁部14の最上部17とほぼ同じ位置に、内側のシート1、(図示されない右側では括弧付き2で示す。以下同様)の端3、(4)の最上部をもってくる。二等辺三角形近似の直線状の側辺に相当する端3、(4)に近い内側のシート1、(2)が、鼻の上部から、鼻の側部に接し、頬から口元、さらに顎まで比較的凹凸が緩慢な部分に当接し、外側のフィルターシート8、(9)の下縁部12の近傍が顎に接することでシールし、鼻の横の隙間が生じにくくなる。このシールされる部分が図1で示された開口部5となり、左右の袋状の空間とキャップ状の空間18の連続する空間を外部から閉じたものにする。凸形状の外縁部14を、従来の立体型マスクの外縁部より曲率を大きくして、顔面から遠くに突出させることで、キャップ状の空間18を形成する外側のフィルターシート8、9の面積を大きくする。
【0041】
さらに、外側のフィルターシート8、9での呼吸気が透過できる部分の面積を大きくするため、内側のシート1、(2)に熱収縮性を有するシートを用いるとよい。袋状の空間の表と裏の面になる外側のフィルターシート8、9と内側のシート1、(2)の間隔を大きくし、左右の袋状の空間を大きくして奥の側縁部15、(16)の近傍まで空気が流動できるようにする。立体型マスクの外形を溶着などで固着するとき、あるいは後で内側シート1、(2)に熱を加えて面内方向に収縮させ、収縮が少ない外側のフィルターシート8、9との寸法差を生じさせる。装着時に内側のシート1、(2)が顔に密着して当たると、外側のフィルターシート8、9は、溶着された上縁部10、(11)、下縁部12、(13)、および側縁部15、(16)で屈曲して立ち上がり、寸法差に対応して袋状の空間の内側の間隔を形成する。袋状の空間で呼吸気が流動する抵抗が低く、広い面積で呼吸気が透過できる外側のフィルターシート8、9の抵抗も小さくなる。結果、マスク本体と顔の隙間における呼吸気の漏れを少なくできる。
【0042】
内側のシート1、(2)は、熱収縮性と同時に、伸縮性を有するのが適当である。熱が加えられて収縮した後でも伸縮性を有すると、装着時に、開口部を形成する端3、(4)の近傍の内側のシート1、(2)が鼻の上部から鼻の側部に、さらに頬から口元、および顎までの比較的緩慢な凸部に追従し、当たりを緩和してシールすることで、マスク本体と顔の隙間を少なくする。
【0043】
内側のシート1、(2)に伸縮性を有するシートを用いても、袋状の空間の内部の間隔と、空間の大きさを拡大することも可能である。内側のシート1、(2)に面内の張力を加えて伸ばし、溶着を終えた後に張力を開放することで、内側のシート1、(2)は外側のフィルターシート8、9に較べて寸法が小さくなる。この寸法差によって袋状の空間の内部の間隔と容積の拡大をはかることが出来る。
【0044】
図3は、図1で示される本発明の立体型マスクを、内側のシート1、2を収縮させた構成と、収縮がない構成での鼻腔近傍を通る横方向の断面を示す。図3(b)では、内側のシート1、2が収縮されずに、外側のフィルターシート8、9と寸法差が小さい場合を示す。装着時、内側のシート1、2に顔に当てる力が加わった場合、対向する外側のフィルターシート8、9とほぼ密着する。張力が弱くなっても内側のシート1、2と外側のフィルターシート8、9の間にできる間隔は小さい。結果、外側のフィルターシート8、9のキャップ状の空間18を包む部分のみが呼吸気を透過する実効的な面積になり、抵抗はあまり小さくなく、相対的にマスク本体と顔の隙間での呼吸気の漏れが大きくなる。
【0045】
図3(a)では、内側のシート1、2が収縮されて、外側のフィルターシート8、9との寸法差が生じた場合を示す。内側のシート1、2に張力をかけて顔に当接させても、対向する外側のフィルターシート8、9は内側のシート1、2との間に寸法差に応じた大きさの間隔が形成される。キャップ状の空間18から連続する左右の袋状の空間19、20での内側のシート1、2と外側のフィルターシート8、9の間隔が平均的に大きくなり、左右の袋状の空間19、20の奥の側縁部15、16まで呼吸気が流動しやすくなる。外側のフィルターシート8、9は、キャップ状の空間18を包む部分の面積と、左右の袋状空間19、20の表面を形成する部分の面積を加えた広い面積で呼吸気の透過を可能にする。外側のフィルターシート8、9を透過し、袋状の空間19、20やキャップ状の空間18を流れ、鼻腔や口に至る経路の抵抗が小さくなり、顔とマスク本体の隙間での呼吸気の漏れが相対的に少なくなる。
【実施例2】
【0046】
図4は、本発明の立体型マスクの他の実施例を一部切り欠いた斜視図で示す。凸形状の外縁部21の3箇所に切り込み22、23、24を、外部から内部のキャップ状の空間に非貫通にして設ける。外縁部21は幅が大きいと、内側に折り曲げて変形されにくい。凸形状の外縁部21を溶着した後、マスクの外形を切断する場合、外縁部21の幅はある程度の大きさにする必要がある。外縁部21の幅を小さく出来れば、複数の切り込み22、23、24がなくても外縁部21を内側に折り曲げて変形できる。
【0047】
外側のフィルターシート25、26に、連続して折り返すことで形成される折り重ね部27、28が、側縁部29、30から凸形状の外縁部21まで連続して設けられる。折り重ね部27、28は、重なって密着している部分を多少とも開くことで、内側のシート31、32に較べて外側のフィルターシート25、26の折り重ね部27、28と直交する方向に長さを大きくでき、内側のシート31、32との間隔を広げることができる。さらに、折り重ね部27、28の密着していた部分が多少でも離れることで空気流動が出来る部分が生じ、外側のフィルターシート25、26の面積が大きくなり、この経路での抵抗を小さくできる。結果、顔とマスク本体の隙間からの呼吸気の漏れを少なくできる。
【0048】
図5は、図4で示される本発明の立体型マスクを変形させた状態を、一部切り欠いた斜視図で示す。外縁部21に形成された3箇所の切り込み22、23、24の中間の切り込み23の部分が内側に折り曲げられる。外縁部21が凹むことで左右の袋状の空間を形成する内側のシート31、32と外側のフィルターシート25、26の間隔が、内側のシート31、32の端33、34に近い部分ほど広がりやすい。折り重ね部27、28の密着した部分を離しやすくなり、外側のフィルターシート25、26の呼吸気を透過する実効面積を大きくでき、この経路の抵抗が小さくなり、マスク本体と顔の隙間での呼吸気の漏れを小さくする。
【0049】
内側のシート31、32に熱収縮性、あるいは伸縮性を有するシートを用いて、折り重ね部27、28を展開する前での外側のフィルターシート25、26との寸法差を形成することで、外側のフィルターシート25、26は内側のシート31、32との間隔をさらに大きくする。内側のシート31、32と外側のフィルターシート25、26とで形成される袋状の空間が大きくなることにより、折り返し部27、28の密着する部分を広く開きやすくなり、呼吸気が透過する外側のフィルターシートの実効面積を一段と大きくできる。相対的に、マスク本体と顔との隙間での呼吸気の漏れを少なくできる。
【0050】
図1から図5で示される本発明の立体型マスクは、シート状の耳掛け部6、7、35、36を有している。内側のシート1、2、31、32に伸縮性を有するシートを用いる場合には、内側のシート1、2、31、32から伸縮性を有する同一の連続シートで耳掛け部6、7、35、36を形成することが出来る。側縁部15、16、29、30を溶着してマスク本体に左右の袋状の空間を形成しながら、耳掛け部6、7、35、36を同時に作ることが出来き、結果、工程と素材の数を簡素化できる。
【実施例3】
【0051】
図6は、耳掛け部37、38を伸縮性を有する紐で形成した本発明の立体型マスクを示す。マスク本体の部分は図1で示される構成と同じであるが、側縁部39、40の上と下の位置に溶着などで紐の両端を固着して、環状の耳掛け部37、38が形成される。伸縮性を有するシートに較べ、伸縮性を有する紐の方が、通常、伸縮の程度が大きく、伸縮の繰り返しによる形状変化が少なく、耳掛け部37、38として安定して使用できる。
【0052】
マスク本体を顔に押し当てる止め部として、耳掛け部37、38の他に、後頭部で紐を固定する方法がある。耳掛け部37、38を用いる場合に較べて、マスク本体を顔に安定して当て、顔とマスク本体の隙間を少なくすることが出来る。紐の端部は、マスク本体の左右の側縁部39、40の上と下の位置で固着される。
【0053】
以下、実施例1から実施例3で示した本発明の立体型マスクの複数の製造方法を示す。
【0054】
本発明の製造方法として、内側のシートと、内側のシートの端より外に余白を有する外側のフィルターシートを重ね合わせる。上縁部と下縁部、および側縁部を溶着して閉じ、袋状の空間を形成された合わせシートを左右対称な形状に配置する。内側どうしを合わせ、内側のシートの端を揃え、各縁部の外形の輪郭を合致させ、2つの合わせシートを重ね合わして、2つの外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部で溶着する。あと、外形取りの切断で個別化される。
【0055】
他の製造方法として、内側のシートに伸縮性を有するシートを用いる。内側のシートを面内方向に張力を加えて配置し、外側のフィルターシートを重ね合わせる。上縁部と下縁部、および側縁部で溶着して閉じ、袋状の空間を形成された合わせシートを左右対称な形状に配置する。内側どうしを合わせ、内側のシートの端を揃え、各縁部の外形の輪郭を合致させ、2つの合わせシートを重ね合わして、2つの外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部で溶着する。
【0056】
また、他の製造方法として、展開されて連続する内側のシートの中央に開口部を形成する。内側のシートに較べて中央に余白を有し中央で曲げられ合わされた外側のフィルターシートを内側のシートに重ねる、上縁部と下縁部、および側縁部で溶着して閉じ、袋状の空間を形成した合わせシートを左右対称な形状に配置する。開口部の中央で内側のシートを折り曲げて内側どうし合わせ、各縁部の外形の輪郭を合致させ、2つの合わせシートを重ね合わせる。曲げられて合わされていた外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部で溶着する。
【0057】
また、他の製造方法として、展開して連続する内側のシートに、左右に余白を有する連続した外側のフィルターシートを展開して重ね合わせる。中央から左右の2箇所に側縁部、この側縁部から外方向に位置する上縁部と下縁部を溶着して閉じ、袋状の空間を形成された合わせシートを左右対称な形状に連続して配置する。連続する合わせシートを中央で折り曲げ、内側どうしを合わせ、内側のシートの端を揃え、外形の輪郭を合致させ、2つの合わせシートを重ね合わせる。2つの外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部で溶着する。
【0058】
また、他の追加的な製造方法として、内側のシートに熱収縮性を有するシートを用いる。本発明の立体型マスクの前記複数の製造方法における各縁部の溶着で閉じた後、内側のシートを熱で収縮させ、袋状の空間を形成する表の外側のフィルターシートと、裏の内側のシートに寸法差を生じさせる。
【0059】
さらに、空気透過性を有する連続したシートの中央から離れた左右の2箇所で折り曲げられた側を左右の内側のシートに、中央に余白を有する他の側を外側のフィルターシートにする。折り曲げられた部分である左右の側縁部、そして左右の側縁部から内方向の上縁部を下縁部で溶着して閉じ、袋状の空間が形成された合わせシートを左右対称な形状に配置する。内側のシートの端を揃え、外形の輪郭を合致させて重ね合わせ、2つの外側のフィルターシートどうしを、余白の部分で、上縁部から連続する凸形状の外縁部で溶着する。
【産業上の利用可能性】
【0060】
インフルエンザや花粉症などの感染予防に使い捨てマスクが使用されている。本発明の立体型マスクは、微粒子や飛沫を補足する機能を向上し、ずれ落ちにくく、医療用への可能性を有する使い捨てマスクである。
【符号の説明】
【0061】
1、2、31、32 内側のシート
3、4、33、34 端
5 開口部
6、7、35、36、37、38 耳掛け部
8、9、25、26 外側のフィルターシート
10、11 上縁部
12、13 下縁部
14、21 外縁部
15、16、29、30、39、40 側縁部
18 キャップ状の空間
19、20 袋状の空間
22、23、24 切り込み部
27、28 折り重ね部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形の輪郭が合わされ、2つ重ねられたフィルターの片端が凸形状に固着されて左右に開閉可能にされ、装着時に凸形状近傍の該フィルターの変形で生じるキャップ状の空間で鼻腔と口を覆う立体型マスクにおいて、通気性を有する外側のフィルターシートに内側のシートが重ね合わされ、上縁部と下縁部、および側縁部で閉じられて袋状の空間が形成された合わせシートを左右に対称に配置し、内側を重ね合わせて内側の該シートの端を揃え、外形の輪郭を一致させ、内側の前記シートの端より余白を有する2つの外側の該フィルターシートを凸形状の外縁部で固着し、装着時に該凸形状の近傍の変形で生じるキャップ状の空間で鼻腔と口を覆い、左右の該袋状の空間に連続する該キャップ状の空間と鼻腔との間に内側の前記シートの端で開口部が形成され、左右の該側縁部に止め部が設けられる立体型マスク。
【請求項2】
内側の前記シートに熱収縮性を有するシートを用いて、熱印加による内側の前記シートの収縮で拡張された前記袋状の空間を有する請求項1記載の立体型マスク。
【請求項3】
幅を有する凸形状の前記外縁部に、外側から前記キャップ状の空間に非貫通の複数の切り込み部が少なくとも3箇所形成される請求項1および2記載の立体型マスク。
【請求項4】
外側の前記フィルターシートが連続的に折り返されて形成された折り重ね部が、前記側縁部から凸形状の前記外縁部まで連続して設けられる請求項1から3記載の立体型マスク。
【請求項5】
前記折り重ね部の片方の端部が、複数の前記切り込み部の中に位置する前記切り込み部に合致される請求項4記載の立体型マスク。
【請求項6】
内側の前記シートが、前記上縁部の大部分で、前記下縁部の凸形状の前記外縁部の近傍を除いた部分で、外側の前記フィルターシートに固着されて前記開口部が形成される請求項1、2および4記載の立体型マスク。
【請求項7】
内側の前記シートが、前記止め部を構成する耳掛け部と同一の、連続する伸縮性を有するシートで形成される請求項1記載の立体型マスク。
【請求項8】
内側の前記シートと、内側の前記シートの端より外に余白を有する外側の前記フィルターシートを重ね合わせ、前記上縁部と前記下縁部、および前記側縁部で溶着された前記合わせシートを左右対称な形状に配置し、内側の前記シートの端を揃え、外形の輪郭を合致させて2つの前記合わせシートを重ね合わせ、余白の部分で2つの外側の前記フィルターシートを、前記上縁部から連続して凸形状の前記外縁部で溶着する請求項1から7記載の立体型マスクの製造方法。
【請求項9】
内側の前記シートに伸縮性を有するシートを用いて、面内方向に張力を印加して配置し、外側の前記フィルターシートを重ね合わせ、前記上縁部と前記下縁部、および前記側縁部で溶着された前記合わせシートを左右対称な形状に配置し、内側の前記シートの端を揃え、外形の輪郭を合致させて2つの前記合わせシートを重ね合わせ、余白の部分で2つの外側の前記フィルターシートを、前記上縁部から連続して凸形状の前記外縁部で溶着する請求項1から4、および請求項7記載の立体型マスクの製造方法。
【請求項10】
展開されて連続する内側の前記シートの中央に前記開口部が形成され、内側の前記シートに較べて中央で余白を有し、通気性を有する外側の前記フィルターシートが中央で曲げられて内側の前記シートに重ね合わせ、前記上縁部、前記下縁部、および前記側縁部で溶着された前記合わせシートを左右対称な形状に配置し、前記開口部の中央で内側の前記シートを折り曲げて内側どうしを合わせ、外形の輪郭を合致させて左右の前記合わせシートを重ね合わせ、余白の部分の外側の前記フィルターシートを、前記上縁部から連続して凸形状の前記外縁部で溶着する本発明の立体型マスクの製造方法。
【請求項11】
展開されて連続する内側の前記シートに左右に余白を有する連続した通気性を有する外側の前記フィルターシートを重ね合わせ、中央から左右の2箇所の位置に前記側縁部、前記側縁部から左右の外方向に位置する前記上縁部と前記下縁部で溶着された合わせシートを左右対称な形状で配置し、中央で折り曲げ、内側の前記シートの端を揃え、外形の輪郭を合致させて重ね合わせ、余白の部分の外側の前記フィルターシートを、前記上縁部から連続して凸形状の前記外縁部で溶着し、中央近傍を切断する本発明の立体型マスクの製造方法。
【請求項12】
内側の前記シートに熱収縮性を有するシートを用いて、請求項8から請求項11に記載されるいずれかの工程を経た後、内側の前記シートに熱を加える立体型マスクの製造方法。
【請求項13】
通気性を有する連続シートの中央から左右の2箇所で折り曲げられた側を内側の前記シートに、中央に余白を有して折り曲げてない他の側を外側の前記フィルターシートにし、折り曲げ部を左右の前記側縁部として、該側縁部から中央方向に位置する前記上縁部と前記下縁部で溶着された前記合わせシートを左右対称な形状に配置し、中央で折り曲げられ、内側の前記シートの端を揃え、外形の輪郭を合致させて重ね合わせ、余白の部分の2つの外側の前記フィルターシートを、前記上縁部から連続して凸形状の前記外縁部で溶着する本発明の立体型マスクの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−194203(P2010−194203A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45020(P2009−45020)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(597026685)エーシーイーテック有限会社 (8)
【Fターム(参考)】