説明

立体映像表示装置及びその駆動方法

【課題】駆動周波数を低くしながらも、同一の輝度を維持する立体映像表示装置とその駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明は、走査駆動部、データ駆動部、発光駆動部、複数の画素を含む複数の画素ラインで形成される第1領域と第2領域を含む表示部、及び1フレーム内で第1視点映像表示期間及び第2視点映像表示期間それぞれに対応する映像データ信号を生成して供給する制御部を含む立体映像表示装置とその駆動方法であって、前記発光駆動部は、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した後に、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれを発光させる複数の第1発光制御信号を伝達し、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれを発光させる複数の第2発光制御信号を伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像表示装置及びその駆動方法に関し、より詳しくは、シャッタ眼鏡方式の3次元立体映像表示装置の駆動速度を十分に確保すると同時に、立体映像の輝度表現を高品質に実現できる高画質の鮮明な3次元立体映像表示装置とこれを駆動する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、陰極線管(Cathode Ray Tube)の短所である重量と体積を減らせる各種平板表示装置が開発されている。平板装置としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマ表示パネル(Plasma Display Panel:PDP)、及び有機発光表示装置(Organic Light Emitting Diode Display)などがある。
【0003】
平板表示装置の中で、有機発光表示装置は、電子と正孔の再結合によって光を発生する有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)を利用して映像を表示するものであって、速い応答速度を有すると共に、低い消費電力で駆動され、発光効率、輝度及び視野角に優れた長所があって注目されている。
【0004】
通常、有機発光表示装置において、発光する複数の画素は有機発光ダイオードを含み、前記有機発光ダイオードが画素回路から供給されるデータ電流に対応して所定輝度の光を生成する。
有機発光表示装置の階調表現方式の一つであるデジタル駆動は、画素の有機発光ダイオードがオンである時間を調節する。デジタル駆動方式に従う有機発光表示装置の場合、1フレームを複数のサブフレームに区分して、各サブフレームの発光期間は階調表示のために適切に設定される。1フレームを構成する複数のサブフレームのうち、階調表現のための映像信号によって選択されたサブフレームの間に画素が発光する。
【0005】
一方、立体映像を表示するためには、二つの異なる視点(view point)に対応する少なくとも二つの映像が1フレームの表示期間内に表示されなければならない。一般に、立体映像表示装置は、人の両眼、即ち、左眼及び右眼に対応する左眼映像と右眼映像を1フレーム期間内に表示する。
即ち、1フレームの期間を左眼映像区間及び右眼映像区間に区分して、左眼映像区間内に左眼映像を表示する左眼映像表示期間を含み、次に右眼映像区間内に右眼映像を表示する右眼映像表示期間を含む。
【0006】
最近、立体映像駆動の技術分野において、表示パネルの上部から下部に至るまで順次にスキャンされて左眼映像と右眼映像がクロストーク(crosstalk)することを防止するために、シャッタ眼鏡の駆動時間を制御してブランク区間(VBI、Vertical Blanking mode Insertion)の間にだけ駆動するか、または左眼映像と右眼映像の表示期間の間にブラック映像を挿入するディスプレイ方式などに対する多様な研究が行われている。また、ディスプレイ映像に対する輝度を高めるために、高速に1フレーム内で左眼映像と右眼映像に対するスキャンをそれぞれ二回ずつするか、または左眼映像、右眼映像、及びブラック映像の挿入方式を調節する方式などの開発が進められている。
【0007】
しかし、輝度改善とクロストークを防止するために開発されたこれら3次元立体映像の駆動方式に対する技術は、輝度確保のためにスキャン速度を高速に設定しなければならない問題が発生する。
特に、表示装置が大型の場合、駆動周波数が高ければ、表示装置の表示パネルで映像表示動作が正確に行われず、高い駆動周波数によって表示装置の駆動部に発生する駆動消費電力が増加する。
これにより、結局、立体映像表示装置の値段が上昇する問題がある。
【0008】
従って、輝度が劣らないように確保しながら、クロストーク現象を防止する3次元立体映像のシャッタ眼鏡ディスプレイ方式において、駆動速度を低くしながら、同一の輝度を維持することができ、左眼映像と右眼映像が完全に分離できる駆動方式に対する研究開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0229395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、3次元立体映像を表示する既存のシャッタ眼鏡方式と比較して、駆動周波数は低くしながらも、同一の輝度を維持する立体映像表示装置とその駆動方法を提供することに目的がある。
また、低速の駆動速度で駆動し、左眼映像と右眼映像を完全に分離して、クロストーク現象を除去した鮮明な3D画質を実現し、輝度を維持する3次元立体映像の駆動方式を多様に提案することに目的がある。
本発明が目的とする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、本発明の記載から当該分野における通常の知識を有する者が明確に理解できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置は、複数の走査線に複数の走査信号を伝達する走査駆動部、複数のデータ線に複数のデータ信号を伝達するデータ駆動部、複数の発光制御線に複数の発光制御信号を伝達する発光駆動部、対応する走査線、データ線、及び発光制御線にそれぞれ接続された画素を複数個含む少なくとも一つの画素ラインで形成される第1領域と第2領域を含み、前記複数の画素それぞれは、前記対応する走査線に走査信号が伝達される時にデータ信号の伝達を受ける表示部、並びに前記走査駆動部、データ駆動部、及び発光駆動部を制御して、1フレーム内で第1視点(view point)映像表示期間及び第2視点映像表示期間それぞれに対応する映像データ信号を生成し、前記データ駆動部に供給する制御部を含む。
【0012】
本発明において、前記第1視点映像表示期間及び第2視点映像表示期間は同一の期間である。また、本発明において、前記第1視点映像表示期間は左眼映像表示期間であり、前記第2視点映像表示期間は右眼映像表示期間を意味する。
この時、前記発光駆動部は、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した後に、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれを発光させる複数の第1発光制御信号を伝達し、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれを発光させる複数の第2発光制御信号を伝達する。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれが発光する時間と、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれが発光する時間は同一にすることができる。
この時、前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素が発光する時間は、前記第1視点映像表示期間または前記第2視点映像表示期間の1/2を超えないことができるが、これに必ずしも制限されることではない。
また、前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素の発光デューティは、前記第1視点映像表示期間または前記第2視点映像表示期間の50%であるのが好ましいが、これに制限されることではない。
【0014】
本発明において、複数の画素それぞれは、駆動トランジスタとデータ信号に対応する駆動電流によって発光する有機発光ダイオードから構成される。この時、前記有機発光ダイオードと駆動トランジスタとの間に発光制御信号によってスイッチング動作が制御される発光制御トランジスタをさらに含むことができる。また、前記複数の画素それぞれは走査信号に対応してスイッチング動作が制御され、スイッチがターンオンされる時に前記駆動トランジスタにデータ信号を伝達する第1スイッチをさらに含む。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記複数の第1発光制御信号それぞれは、対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した時点に同期されて、前記複数の画素それぞれに含まれる発光制御トランジスタのゲートオン電圧レベルで伝達され、前記複数の第2発光制御信号それぞれは、対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記発光制御トランジスタのゲートオン電圧レベルで伝達される。
フレーム期間のうちの所定の発光期間を除いたそれ以外の期間の間に、前記発光制御信号はゲートオフ電圧レベルで伝達されて、前記複数の画素それぞれの発光を遮断する。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに対する前記第1期間は全て同一にすることができる。
即ち、前記第1領域に含まれる少なくとも一つ以上の画素ラインに含まれる複数の画素が、走査信号の伝達を受けて発光する前に、非発光する第1期間それぞれを全て同一にすることができる。
この時、前記第1期間は、第1視点映像表示期間または第2視点映像表示期間の1/2以上とすることができるが、これに必ずしも制限されることではない。
この時、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに伝達される走査信号の駆動速度と第1発光制御信号の駆動速度とは同一である。
【0017】
本発明において、前記第1領域は前記表示部の第1画素ラインから少なくとも一つ以上の画素ラインを含むことができる。
また、前記第2領域は、前記表示部の複数の画素ラインのうち前記第1領域に含まれないそれ以外の画素ラインを含む。
【0018】
本発明において、前記第1領域は、前記表示部の第1画素ラインから前記表示部の総画素ラインn個(nは自然数)のうちのn/2番目画素ラインに達する複数の画素ラインを含み、前記第2領域は、前記第1領域に含まれないそれ以外の複数の画素ラインを含むことができる。
この時、一実施形態として、前記第1領域に含まれる前記複数の画素ラインそれぞれに走査信号が伝達された後、当該画素ラインに含まれる複数の画素が発光する前の非発光期間は全て同一にすることができる。
前記非発光期間は、1フレーム時間のうち第1視点映像表示期間または第2視点映像表示期間の1/2以上とすることができる。
【0019】
本発明の立体映像表示装置において、前記複数の画素ラインに伝達される前記複数の走査信号の駆動周波数は、前記1フレーム周波数の2倍とすることができるが、これに必ずしも制限されることではない。
万一、本発明において、1フレーム周波数が60Hzの場合、第1視点映像表示期間または第2視点映像表示期間の間に表示部の複数の画素それぞれに伝達される走査信号の駆動周波数は120Hzとすることができる。
【0020】
本発明の立体映像表示装置において、前記第1視点映像表示期間の間に前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素それぞれは、前記第1視点映像表示期間に対応する第1視点映像データ信号によって発光し、前記発光する間に第1視点シャッタ眼鏡がターンオンされて開放される。
同様に、前記第2視点映像表示期間の間に前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素それぞれは、前記第2視点映像表示期間に対応する第2視点映像データ信号によって発光し、前記発光する間に第2視点シャッタ眼鏡がターンオンされて開放される。
【0021】
上記目的を達成するためになされた本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置の駆動方法は、複数の画素が含まれる画素ラインを少なくとも一つ以上含む第1領域及び第2領域を含み、1フレーム内で第1視点映像表示期間及び第2視点映像表示期間のそれぞれに対応する第1視点映像データ信号及び第2視点映像データ信号を生成して供給する立体映像表示装置の駆動方法に関するものである。
【0022】
具体的に、本発明の立体映像表示装置の駆動方法は、前記第1視点映像表示期間に前記第1領域及び前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号を伝達する段階;前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した後に、前記第1視点映像データ信号によって発光する段階;前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第1視点映像データ信号によって発光する段階;前記第2視点映像表示期間に前記第1領域及び前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号を伝達する段階;前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達されてから第2期間が経過した後に、前記第2視点映像データ信号によって発光する段階;及び前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第2視点映像データ信号によって発光する段階を含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、既存の立体映像駆動周波数より低い駆動周波数で駆動できると共に、左眼映像と右眼映像を完全に分離し、高輝度の確保が可能なディスプレイ駆動方式を提供することができる。
これにより、左右映像の混在によって生じるクロストーク現象を完全に除去すると共に、輝度の低下を防止して、鮮明な3次元立体映像を実現する効果がある。
即ち、本発明によれば、スキャン速度を低くして低速駆動することにより、立体映像表示装置の駆動安定性と輝度特性を確保することができ、左眼映像と右眼映像が混在しないように発光方式を制御するので、クロストーク現象による表示特性の低下問題も同時に解決できて、高品質の立体映像画面を提供することができる。
また、本発明によれば、別途のブラック映像を挿入しなくても、左眼映像と右眼映像を分離できるので、輝度の減少なしにクロストーク現象を防止できる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来技術に係る立体映像表示装置の駆動方法を示すフレーム構成図及び駆動波形図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置のブロック図である。
【図3】図2の立体映像表示装置において表示部10を構成する画素40回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置の駆動方法を示すフレーム構成図である。
【図5】図4の駆動方法を実現するために画素40回路に伝達される駆動信号の動作を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
また、種々の実施形態において、同一の構成を有する構成要素に対しては同一の符号を付けて、代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0026】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付ける。
明細書の全体において、ある部分が他の部分と“接続”されているという時、これは“直接的に接続”されている場合だけでなく、その中間に他の素子を介在して“電気的に接続”されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0027】
図1は、従来技術に係る立体映像表示装置の駆動方法を示すフレーム構成図及び駆動波形図である。
特に、フィールド順次(progressive)駆動方式による立体映像表示装置において、1フレーム内で実現される3次元立体映像の実現方式を示す。
【0028】
図1によれば、既存の3D駆動方法は、1フレームを左眼映像区間(LP)と右眼映像区間(RP)に区分し、各区間は当該視点(view point)による映像表示期間とブラック映像表示期間に区分される。
即ち、左眼映像区間(LP)は、左眼映像が表示される左眼映像表示期間(LI)と、ブラック映像が表示されるブラック映像表示期間(LB)とを含む。
また、右眼映像区間(RP)は、右眼映像が表示される右眼映像表示期間(RI)と、ブラック映像が表示されるブラック映像表示期間(RB)とを含む。
前記左眼映像区間(LP)と右眼映像区間(RP)は、表示パネルに含まれる複数の画素それぞれに伝達される走査信号によって活性化するが、表示パネルの走査信号の伝達は垂直同期信号(Vsync)に対応して開始する。
垂直同期信号(Vsync)に対応して表示パネルに走査信号が伝達され始め、それによって左眼映像、ブラック映像、右眼映像、ブラック映像などが順に表示される。
【0029】
一方、シャッタ眼鏡方式の3次元立体映像システムにおいては、3次元立体映像を実現するために左眼映像と右眼映像を表示する表示パネルに対応して、前記左眼映像と右眼映像をそれぞれ認知する立体映像用シャッタ眼鏡が必要である。
左眼映像区間(LP)においては、表示パネルのスキャンをシャッタ同期信号(図示せず)に対応して、シャッタ眼鏡の左眼部を開放させると同時に右眼部を遮断させ、右眼映像区間においては、シャッタ同期信号(図示せず)に対応して、シャッタ眼鏡の右眼部を開放させると同時に左眼部を遮断させる。
従って、左眼が開放された左眼映像区間(Left-on)のうち、左眼映像表示期間(LI)に左眼映像が表示され、ブラック映像表示期間(LB)にブラック映像が表示されて、シャッタ眼鏡の開放された左眼に左眼映像とブラック映像が順に認知される。
【0030】
また、右眼が開放された右眼映像区間(Right-on)のうち、右眼映像表示期間(RI)に右眼映像が表示され、ブラック映像表示期間(RB)にブラック映像が表示されて、シャッタ眼鏡の開放された右眼に右眼映像とブラック映像が順に認知される。
垂直同期信号(Vsync)に対応して表示パネルの複数の走査線それぞれに対応する走査信号が伝達され、前記伝達された走査信号に対応して、複数の画素は左眼映像データ信号、右眼映像データ信号、またはブラックデータ信号による所定の階調に発光する。
【0031】
図1に提示された既存の立体映像表示装置の駆動によれば、左眼映像表示期間(LI)、右眼映像表示期間(RI)、及びブラック映像表示期間(LB、RB)のそれぞれは、1フレームを構成するので、立体映像1フレームを表示するために、立体映像表示装置は240Hzで動作する。
【0032】
左眼映像または右眼映像が認知される期間が終わった後に、ブラック映像を表示して認知するようにするが、その理由は、左眼映像と右眼映像の認知のためにシャッタ眼鏡を開放する時点に、左眼映像と右眼映像が混在してクロストーク現象が発生することを防止するためである。しかし、図1におけるA区間のように発光デューティを調節しても、左右映像が混在する区間が存在する。ブラック映像を挿入して3D駆動する方法においても、シャッタ眼鏡の左眼部が開放される区間(Left-on)が終わって、シャッタ眼鏡の右眼部が開放される区間(Right-on)が始まる時点に左眼映像と右眼映像が混在して、クロストークが依然として発生し得る。
また、1フレームを60Hzで駆動する立体映像表示装置の場合、ブラック映像を挿入する時、表示パネルの走査駆動速度が240Hzに高まるので、これは駆動安定性を阻害し、消費電力を高める要因になっている。
【0033】
そこで、表示パネルの走査駆動速度を低くすると同時に、左眼映像と右眼映像を完全に分離する本発明のような駆動方法を提案するようになった。また、本発明の立体映像表示装置の駆動方法は、既存の速い駆動方式によって得られる輝度特性をそのまま維持することができる長所がある。
【0034】
本発明に係る立体映像表示装置とその駆動方法は、図2乃至図5で詳細に説明する。
最初に、本発明の立体映像表示装置のブロック図は、図2に示した通りである。
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る表示装置は、走査線(S1〜Sn)、データ線(DA1〜DAm)、発光制御線(EM1〜EMn)にそれぞれ接続された複数の画素(PX)を含む表示部10、走査線(S1〜Sn)に走査信号を生成して供給する走査駆動部20、データ線(DA1〜DAm)に外部から入力された映像信号による映像データ信号を供給するデータ駆動部30、発光制御線(EM1〜EMn)に発光制御信号を生成して供給する発光駆動部60、並びに走査駆動部20、データ駆動部30、及び発光駆動部60を制御するための制御部50を備える。
【0035】
制御部50は、外部から供給される同期信号に対応して、データ駆動制御信号(DCS)、走査駆動制御信号(SCS)、及び発光駆動制御信号(ECS)を生成する。制御部50で生成されたデータ駆動制御信号(DCS)はデータ駆動部30に供給され、走査駆動制御信号(SCS)は走査駆動部20に供給され、発光駆動制御信号(ECS)は発光駆動部60に供給される。
そして、制御部50は、外部から供給される映像信号(IS)を映像データ信号(DATA)に変換して、データ駆動部30に供給する。
【0036】
本発明の実施形態に係る立体映像表示装置は、立体映像を表示するために、両眼に対応する左眼映像及び右眼映像を順次に表現する。
即ち、1フレームの時間は、左眼映像が表現される左眼映像表示期間及び右眼映像が表現される右眼映像表示期間に区分される。
【0037】
本発明に係るシャッタ眼鏡方式によって立体映像を表示するために、左眼映像及び右眼映像それぞれが両眼に伝達されるための別途のシャッタ眼鏡が必要である。
即ち、使用者は、左眼映像が表示される期間の間に左眼にだけ映像が投影するようにし、右眼映像が表示される期間の間に右眼にだけ映像が投影するようにする眼鏡を着用しなければならない。
【0038】
従って、制御部50からデータ駆動部30に供給する映像データ信号(DATA)は、1フレーム内で左眼映像表示期間及び右眼映像表示期間それぞれに対応する左眼映像データ信号及び右眼映像データ信号を含む。
左眼映像データ信号は、シャッタ眼鏡の左眼部を通じて使用者の左眼に映像が伝達されて認識される映像データ信号である。
また、右眼映像データ信号は、シャッタ眼鏡の右眼部を通じて使用者の右眼に映像が伝達されて認識される映像データ信号である。
【0039】
データ駆動部30は、1フレームに含まれる左眼映像表示期間と右眼映像表示期間それぞれに、複数のデータ線(DA1〜DAm)に複数の左眼映像データ信号及び複数の右眼映像データ信号を供給する。
データ駆動部30は、ゲートオン電圧を有する複数の走査信号が供給される時点に同期されて、複数の画素40それぞれに複数の映像データ信号を複数のデータ線を通じて伝達する。ゲートオン電圧とは、画素に含まれる有機発光ダイオードに駆動電流を伝達する駆動トランジスタのゲート電極に映像データ信号が伝達されるように、スイッチングトランジスタをターンオンさせるレベルの電圧を意味する。これについては、図3の画素構造を参照して詳細に後述する。
【0040】
走査駆動部20は、左眼映像表示期間または右眼映像表示期間の開始時点に同期されて、ゲートオン電圧を有する走査信号を複数の走査線(S1〜Sn)のうち対応する走査線に供給する。複数の走査線(S1〜Sn)のうちゲートオン電圧を有する走査信号が供給された走査線に接続された複数の画素40が選択されて活性化される。走査信号によって選択された複数の画素40は、複数のデータ線(DA1〜DAm)から左眼映像データ信号または右眼映像データ信号の供給を受ける。
走査信号の駆動周波数は走査制御信号(SCS)によって制御される。
【0041】
本発明の実施形態において、前記走査信号の駆動周波数は1フレームの時間の1/2に相当する。本発明の立体映像表示装置の駆動方式によれば、左眼映像表示期間と右眼映像表示期間との間にブラック映像表示期間を挿入しないため、走査信号の駆動周波数を既存より低くすることができる。
【0042】
走査駆動部20は、走査制御信号(SCS)によって左眼映像表示期間または右眼映像表示期間のサブフレーム単位で複数の走査信号を供給する。走査制御信号(SCS)は、左眼映像表示期間と右眼映像表示期間の開始時点に同期される垂直同期信号、及び複数の走査信号それぞれの伝達時点を決定する水平同期信号を含む。
【0043】
発光駆動部60は、制御部50から伝達された発光駆動制御信号(ECS)に対応して、表示部10に含まれる複数の画素が映像データ信号によって発光することを制御する。発光駆動部60は、発光制御駆動信号(ECS)に対応して、複数の画素それぞれに接続された発光制御線(EM1〜EMn)に発光制御信号を生成して伝達する。
【0044】
本発明の実施形態において、発光制御線(EM1〜EMn)に伝達される複数の発光制御信号は、表示部10の複数の画素ラインで区分された領域によって第1発光制御信号及び第2発光制御信号に区分される。これら第1発光制御信号及び第2発光制御信号の具体的な駆動過程は後述する。
【0045】
前記複数の発光制御信号が複数の画素それぞれに含まれる発光制御トランジスタにゲートオン電圧レベルで印加されると、映像データ信号による駆動電流で有機発光ダイオードが発光して映像が表示される。発光制御信号がゲートオフ電圧レベルで印加されると、有機発光ダイオードに供給される電流が遮断されて有機発光ダイオードは発光しない。
【0046】
本発明による立体映像表示装置は、前記複数の発光制御信号を複数の第1発光制御信号及び複数の第2発光制御信号に区分して別途に駆動を制御し、それによって表示部10の複数の画素の発光を調節することにより、ブラック映像を挿入しなくても左眼映像と右眼映像を完全に分離する。
【0047】
第1電源(ELVDD)及び第2電源(ELVSS)は、複数の画素40が動作するのに必要な二つの駆動電圧を供給する。二つの駆動電圧は、第1電源(ELVDD)に供給されるハイレバルの第1駆動電圧と、第2電源(ELVSS)から供給されるローレベルの第2駆動電圧とを含む。
【0048】
図3は、図2の立体映像表示装置において表示部10に含まれる複数の画素40に対する回路図である。
図3を参照して、本発明に係る立体映像表示装置の複数の画素それぞれの駆動について説明する。
【0049】
画素40は、スイッチングトランジスタ(M1)、駆動トランジスタ(M2)、発光制御トランジスタ(M3)、ストレージキャパシタ(Cst)、及び有機発光ダイオード(OLED)から構成される。図3は、画素の駆動回路の一実施形態であるので、このような構成に必ずしも制限されることではなく、当該分野で公知された画素回路の構造であれば、多様に適用できるはずである。
【0050】
具体的に、スイッチングトランジスタ(M1)は、複数の走査線のうち対応する走査線に接続されたゲート電極、複数のデータ線のうち対応するデータ線に接続されたソース電極、及びストレージキャパシタ(Cst)の一端と駆動トランジスタ(M2)のゲート電極とが接続された接続点に接続されたドレイン電極を含む。
駆動トランジスタ(M2)は、スイッチングトランジスタ(M1)のドレイン電極に接続されたゲート電極、第1電源(ELVDD)に接続されたソース電極、及び発光制御トランジスタ(M3)のソース電極に接続されたドレイン電極を含む。
発光制御トランジスタ(M3)は、発光制御線(EM)に接続されたゲート電極、駆動トランジスタ(M2)のドレイン電極に接続されたソース電極、及び有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極に接続されたドレイン電極を含む。
【0051】
ストレージキャパシタ(Cst)は、一端がスイッチングトランジスタ(M1)のドレイン電極と駆動トランジスタ(M2)のゲート電極とが接続された接続点に接続し、他端が駆動トランジスタ(M2)のソース電極に接続される。ストレージキャパシタ(Cst)は、駆動トランジスタ(M2)のゲート電極及びソース電極間の電圧差を映像が表示される期間の間に維持する。
有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極は発光制御トランジスタ(M3)のドレイン電極に接続され、カソード電極は第2電源(ELVSS)に接続される。
【0052】
スイッチングトランジスタ(M1)が対応する走査線(Sn)を通じて伝達された走査信号によってターンオンされる時、ターンオンされたスイッチングトランジスタ(M1)を通じて伝達される映像データ信号は、駆動トランジスタ(M2)のゲート電極に伝達される。
駆動トランジスタ(M2)のゲート電極及びソース電極の電圧差は、映像データ信号と第1電源(ELVDD)の第1駆動電圧差であり、当該電圧差によって駆動トランジスタ(M2)に駆動電流が流れる。
駆動電流は、有機発光ダイオード(OLED)に伝達され、有機発光ダイオード(OLED)は伝達された駆動電流によって発光する。
【0053】
前記映像データ信号が左眼映像データ信号の場合、当該画素は左眼映像データ信号によって発光して左眼映像を表示するようになり、右眼映像データ信号の場合、当該画素は右眼映像データ信号によって発光して右眼映像を表示するようになる。
【0054】
ゲートオン電圧レベルを有する複数の走査信号が、複数の走査線(S1〜Sn)のうち対応する走査線に供給されると、対応する走査線に接続された複数のスイッチングトランジスタ(M1)がターンオンされる。複数のデータ線(DA1〜DAm)それぞれは、ゲートオン電圧を有する走査信号が供給される時点に同期されて左眼映像データ信号または右眼データ信号の伝達を受ける。
【0055】
ターンオンされた複数のスイッチングトランジスタ(M1)それぞれを通じて複数のデータ線(DA1〜DAm)に伝達された左眼映像データ信号または右眼データ信号は、複数の画素40それぞれの駆動トランジスタ(M2)に伝達されて、当該表示期間の間に複数の画素40それぞれの有機発光ダイオード(OLED)が発光または非発光される。
【0056】
この時、左眼映像データ信号または右眼データ信号が伝達されても、有機発光ダイオードに当該駆動電流が供給されるのは発光制御トランジスタ(M3)のスイッチング動作に従う。即ち、発光制御トランジスタ(M3)と接続された発光制御線(EMn)を通じて伝達される発光制御信号がゲートオン電圧レベルで伝達されてターンオンされる場合に、該当映像データ信号による駆動電流で有機発光ダイオードが発光して映像を表示するようになる。万一、発光制御信号がゲートオフ電圧レベルで伝達されて発光制御トランジスタ(M3)をターンオフさせれば、有機発光ダイオードは発光しない。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態に係る立体映像表示装置の駆動方法を示すフレーム構成図であり、図5は、図4の駆動方法を実現するために画素40回路に伝達される走査信号と発光制御信号の駆動タイミングを示す波形図である。
図4の実施形態において、立体映像表示装置が立体映像を表示する1フレームは、左眼映像表示期間(LP)及び右眼映像表示期間(RP)に区分される。
1フレームが60Hzで駆動される場合、左眼映像表示期間(LP)及び右眼映像表示期間(RP)それぞれの駆動周波数は120Hzである。
【0058】
垂直同期信号(Vsync)が伝達される時点(t2)に同期されて、表示部の複数の画素を順次に活性化させる複数の走査信号が伝達される。
時点(t2)に伝達され始める複数の走査信号の駆動周波数は120Hzであり、次の垂直同期信号(Vsync)が伝達される時点(t3)でスキャンが終了する。
この時、前記複数の走査信号は左眼映像を表示するためのものである。従って、前記複数の走査信号の伝達を受けて活性化した表示部10の複数の画素それぞれは、左眼映像データ信号の伝達を受けて、それによるデータ電圧で発光して左眼映像を表示する。
図3で詳述したように、映像データ信号によって画素40それぞれが発光するためには、発光制御信号がゲートオン電圧レベルで伝達されて発光制御トランジスタ(M3)をターンオンさせなければならない。
【0059】
本発明の実施形態においては、走査信号の伝達を受け、それに基づいて活性化して、当該映像データ信号の伝達を受けて映像を表示する時、複数の画素に伝達される発光制御信号を表示部の領域別に異なって制御することにより、複数の画素が発光する開始視点を異なるようにする。
即ち、複数の画素それぞれに伝達される発光制御信号がゲートオン電圧レベルで伝達される時点を調節する。
【0060】
表示部10の複数の画素それぞれに伝達される複数の発光制御信号は、表示部10の領域別に複数の第1発光制御信号と複数の第2発光制御信号に区分される。
前記複数の第1発光制御信号は、表示部10に含まれる複数の画素ライン(複数の画素で構成される)で形成される第1領域(AR1)の複数の画素に供給される信号である。
前記複数の第2発光制御信号は、表示部10に含まれる複数の画素ラインのうち、第1領域に該当する複数の画素ラインを除いたそれ以外の複数の画素ラインで形成される第2領域(AR2)に含まれる複数の画素に供給される信号である。
【0061】
図4によれば、第1領域(AR1)は、表示部の全体画素ラインのうち、上位半分に相当する個数の画素ラインを含み、第2領域(AR2)は、残りの下位半分に該当する個数の画素ラインを含む。
時点(t2)に、表示部の全体画素ラインに接続された複数の走査線を通じて、1フレームの1/2に相当する駆動周波数で複数の走査信号が順に伝達される。
【0062】
図4において、表示部の第1領域(AR1)に含まれる複数の画素ラインの複数の画素それぞれに伝達される複数の第1発光制御信号は、対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した後に、ゲートオン電圧レベルで伝達される。このことにより、対応する画素の発光制御トランジスタがターンオンされて、当該画素の有機発光ダイオードは映像データ信号による電圧で発光する。
【0063】
前記第1期間は、第1領域(AR1)に伝達される複数の第1発光制御信号がゲートオフ電圧レベルであるので、当該画素の有機発光ダイオードが非発光する期間である。即ち、第1領域(AR1)の複数の画素ラインそれぞれに伝達される複数の第1発光制御信号それぞれは、当該画素ラインに含む複数の画素を発光させない非発光期間である第1期間を置いて駆動する。
【0064】
図4の実施形態において、左眼映像表示期間(LP)の間に第1領域(AR1)の複数の画素がスキャンされて左眼映像データ信号が伝達されるが、第1領域(AR1)の各画素ラインごとに第1期間が経過した後に、複数の第1発光制御信号に対応して左眼映像を表示する。
【0065】
前記第1期間は、第1領域(AR1)の複数の画素ラインそれぞれにわたって同一に設定することができる。前記第1期間は、左眼映像表示期間の1/2に相当する期間とすることができるが、これに必ずしも制限されることではなく、それ以上とすることも可能である。
即ち、第1領域(AR1)の複数の画素ラインそれぞれの複数の画素に伝達される複数の第1発光制御信号は、各ラインごとに同一の第1期間が経過した後にゲートオン電圧レベルで伝達される。
【0066】
前記第1期間は、左眼映像表示期間または右眼映像表示期間の1/2に該当でき、特に図4の実施形態で1/240秒である。
一方、図4において、表示部の第2領域(AR2)に伝達される複数の第2発光制御信号は、第2領域(AR2)の各画素ラインで対応する走査信号が伝達された後、直ちにゲートオン電圧レベルで伝達される。このことにより、対応する画素の発光制御トランジスタ(M3)すぐターンオンされて、当該画素の有機発光ダイオードは映像データ信号による電圧で発光する。
左眼映像表示期間(LP)の間に第2領域(AR2)の複数の画素がスキャンされて左眼映像データ信号が伝達されるが、スキャンされた後、直ちに第2領域(AR2)の複数の画素に伝達される複数の第2発光制御信号に対応して左眼映像を表示する。
【0067】
前記第1領域(AR1)及び第2領域(AR2)に含まれる複数の画素の発光デューティは各画素ラインごとに同一である。前記第1領域(AR1)及び第2領域(AR2)に含まれる複数の画素それぞれの発光期間は、最大、左眼映像表示期間(LP)または右眼映像表示期間(RP)の1/2の期間とすることができる。しかし、これに制限されることではなく、左眼映像表示期間(LP)または右眼映像表示期間(RP)の1/2の期間以下とすることも可能である。図4の場合、前記各画素の発光期間は、左眼映像表示期間(LP)または右眼映像表示期間(RP)が1/120秒であるので、240Hzに該当する。
【0068】
図4において、第1領域(AR1)に該当する第1画素ラインに該当する複数の画素が発光し始める期間から、第1領域(AR1)に該当する最後の画素ラインに該当する複数の画素が発光を終了する期間、及び第2領域(AR2)に該当する第1画素ラインに該当する複数の画素が発光し始める期間から、第2領域(AR2)に該当する最後の画素ラインに該当する複数の画素が発光を終了する期間の間に左眼映像が表示される。上記実施形態において、表示部10に含まれる複数の画素ラインの複数の画素が全て発光して左眼映像を表示する期間は、表示部10に走査信号が伝達されてスキャンする期間と同一である1/120秒である。
図4の実施形態において、走査信号の開始時点と表示部の発光開始時点との差があるため、表示部の発光開始時点に対応してシャッタ眼鏡の開閉が調節される。
【0069】
左眼映像データ信号によって発光する期間(T1)間にシャッタ眼鏡の左眼部が開放される。前記開放されたシャッタ眼鏡の左眼部を通じて立体映像表示装置の表示部で表示される左眼映像が左眼に認知される。
垂直同期信号(Vsync)が時点(t4)で伝達された後、右眼映像を表示するために表示部に複数の走査信号が伝達し始める。
右眼映像表示期間(RP)の間の表示部全体の画素ラインに伝達される複数の走査信号と複数の発光制御信号の動作は、上述した通りである。
【0070】
右眼映像データ信号によって発光する期間(T2)は、第1領域(AR1)及び第2領域(AR2)に該当する複数の画素が発光し始める時間から発光を終了する時間である。
この期間(T2)の間にシャッタ眼鏡の右眼部が開放される。前記開放されたシャッタ眼鏡の右眼部を通じて立体映像表示装置の表示部で表示される右眼映像が右眼に認知される。
【0071】
図5は、図4の実施形態に係る画素の発光制御を実現する駆動タイミング図である。
図5において、1フレームは60Hzであり、左眼映像表示期間(P1)と右眼映像表示期間(P2)からなり、これら期間(P1、P2)は120Hzで駆動される。
左眼映像表示期間(P1)と右眼映像表示期間(P2)それぞれは同一に駆動するので、左眼映像表示期間(P1)の駆動過程に限定して説明する。
【0072】
表示部10全体の画素ラインを総n個とする時、左眼映像表示期間(P1)間に表示部の全体n個の画素ラインに一つずつそれぞれ接続された総n個走査線に順に複数の走査信号(S[1]〜S[n])が伝達される。この時、複数の走査信号(S[1]〜S[n])の駆動周波数は120Hzである。
表示部10は、全体n個画素ラインを第1領域(AR1)と第2領域(AR2)に区分する。
図5において、表示部10に含まれる全体n個の画素ラインのうち、上位n/2個の画素ラインは第1領域(AR1)に含まれ、下位n/2個の画素ラインは第2領域(AR2)に含まれる。
【0073】
第1領域(AR1)に含まれる複数の画素ラインに伝達された複数の発光制御信号(EM[1]〜EM[n/2])は、複数の第1発光制御信号(EMF)である。
第1領域(AR1)において、当該画素ラインに対応する走査信号が順に伝達されてから、所定の第1期間(PA1)がそれぞれ経過した後に、複数の第1発光制御信号(EMF)それぞれに対応して左眼映像によって複数の画素が発光する。この時、前記所定の第1期間(PA1)は左眼映像表示期間(P)1の1/2期間である。図5において、当該画素ラインに対応する走査信号が順に伝達されてから、それぞれ1/240秒が経過した後に、当該画素ラインに含まれる画素が発光する。発光する画素それぞれの発光期間は1/240秒である。
【0074】
具体的に、第1領域(AR1)に含まれる第1画素ラインに伝達される発光制御信号(EM[1])は、第1画素ラインに伝達される走査信号(S[1])が伝達され、所定の第1期間(PA1)の間にゲートオフ電圧レベルであるハイ状態で伝達されて、第1画素ラインに含まれる複数の画素を発光させない。
その後、最初の発光制御信号(EM[1])は、第1期間(PA1)が経過した時点(b1)でゲートオン電圧レベルであるロー状態に下降して、第1画素ラインに含まれる複数の画素を左眼映像データ信号によって発光させる。
【0075】
次に、第1領域(AR1)に含まれる複数の画素ラインのうちの第2画素ラインに伝達される発光制御信号(EM[2])も、第2画素ラインに伝達される走査信号(S[2])が伝達されてから第1期間(PA1)が経過した後に、ゲートオン電圧レベルで伝達されて画素を発光させる。
このような方法により、第1領域(AR1)に含まれる複数の画素ラインに伝達される複数の第1発光制御信号(EMF)は、各画素ラインに走査信号が伝達されてから、同一の第1期間(PA1)が経過した後に、ゲートオン電圧レベルで伝達される。
【0076】
時点(b1)は、第2領域(AR2)に含まれる第1画素ラインに対応する走査信号(S[n/2+1])が伝達される開始視点である。
第2領域(AR2)に含まれる複数の画素ラインに伝達された複数の発光制御信号(EM[n/2+1]〜EM[n])は、複数の第2発光制御信号(EMS)である。
第2領域(AR2)において、当該画素ラインに対応する走査信号がそれぞれ順に伝達された後、複数の第2発光制御信号(EMS)それぞれに対応して左眼映像によって複数の画素が発光する。第1領域(AR1)の画素と同様に、第2領域(AR2)に含まれる画素それぞれの発光期間は1/240秒である。
【0077】
具体的に、第2領域(AR2)に含まれる第1画素ラインに走査信号(S[n/2+1])が伝達された時点(b2)に、第2領域(AR2)に含まれる第1画素ラインに伝達される発光制御信号(EM[n/2+1])がゲートオン電圧レベルであるロー状態で伝達される。
このことにより、n/2+1番目画素ラインに含まれる複数の画素が、左眼映像データ信号によって発光する。
【0078】
次に、第2領域(AR2)に含まれる複数の画素ラインのうちの第2画素ラインに伝達される発光制御信号(EM[n/2+2])は、n/2+2番目画素ラインに伝達される走査信号(S[2])が伝達される時点(b3)に、ゲートオン電圧レベルで伝達されて画素を発光させる。
このような方法により、第2領域(AR2)に含まれる複数の画素ラインに伝達される複数の第2発光制御信号(EMS)は、各画素ラインに走査信号が伝達された時点にゲートオン電圧レベルで伝達される。
【0079】
図5において、複数の第1発光制御信号(EMF)と複数の第2発光制御信号(EMS)に対応して、第1領域(AR1)及び第2領域(AR2)の全体画素が発光する期間(SP1)は、左眼映像データ信号によって発光する期間であって、シャッタ眼鏡の左眼部が開放される。前記全体画素が発光する期間(SP1)は、左眼映像表示期間(P1)と同様の1/120秒である。
【0080】
図4及び図5の実施形態において、発光制御信号のゲートオン電圧レベルをロー状態と説明したのは、図3において、画素回路を構成するトランジスタがPMOSであるためであり、トランジスタの種類によって制御信号のゲートオン電圧レベルは変われる。
図4及び図5の実施形態において、第1領域(AR1)をスキャンする走査信号の駆動速度と、第2領域(AR2)をスキャンする走査信号の駆動速度とは同一であり、順に全体複数の画素ラインが接続されてスキャンされる。また、第1領域(AR1)及び第2領域(AR2)をスキャンする走査信号の駆動速度と、複数の第1発光制御信号(EMF)及び複数の第2発光制御信号(EMS)の駆動速度とは互いに同一である。特に、上記実施形態では120Hzで駆動される。
【0081】
従って、本発明によれば、走査信号の駆動周波数を120Hzまで十分に低くして消費電力を節減すると同時に、映像データ信号によって発光する画素の発光デューティを左眼映像表示期間(P1)または右眼映像表示期間(P2)の50%確保できるので、輝度特性を維持する。特に、画素の発光時間に輝度を増加させることで、輝度特性を改善することができる。また、本発明の立体映像の駆動方式によれば、左眼映像と右眼映像のそれぞれが表示部の第1領域(AR1)と第2領域(AR2)に分離されて表示されるので、左右映像のクロストークを完全に遮断することができる。
【0082】
以上、本発明の具体的な実施形態と関連して本発明について説明したが、これは例示に過ぎず、本発明はこれらに限られない。当業者は本発明の範囲から逸脱しない範囲で説明された実施形態を変更または変形することが可能であり、このような変更または変形も本発明の範囲に属する。また、明細書で説明した各構成要素の物質は、当業者が公知された多様な物質から容易に選択して代替できる。また、当業者は本明細書で説明された構成要素のうちの一部を性能の劣化なしに省略したり、性能を改善するために構成要素を追加することができる。尚、当業者は工程環境や装備によって本明細書で説明した方法段階の順序を変更することも可能である。従って、本発明の範囲は、説明された実施形態ではなく、特許請求の範囲及びその均等物によって決定されなければならない。
【符号の説明】
【0083】
10 表示部
20 走査駆動部
30 データ駆動部
40 画素
50 制御部
60 発光駆動部
P1 左眼映像表示期間
P2 右眼映像表示期間
AR1 第1領域
AR2 第2領域
EMF 第1発光制御信号
EMS 第2発光制御信号
Vsync 垂直同期信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線に複数の走査信号を伝達する走査駆動部;
複数のデータ線に複数のデータ信号を伝達するデータ駆動部;
複数の発光制御線に複数の発光制御信号を伝達する発光駆動部;
対応する走査線、データ線、及び発光制御線にそれぞれ接続された画素を複数個含む少なくとも一つの画素ラインで形成される第1領域と第2領域を含み、前記複数の画素それぞれは前記対応する走査線に走査信号が伝達される時にデータ信号の伝達を受ける表示部;並びに
前記走査駆動部、データ駆動部、及び発光駆動部を制御し、1フレーム内で第1視点(view point)映像表示期間及び第2視点映像表示期間それぞれに対応する映像データ信号を生成して、前記データ駆動部に供給する制御部を含み、
前記発光駆動部は、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した後に、前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれを発光させる複数の第1発光制御信号を伝達し、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれを発光させる複数の第2発光制御信号を伝達することを特徴とする立体映像表示装置。
【請求項2】
前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれが発光する時間と、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれが発光する時間とは同一であることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項3】
前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素が発光する時間は、前記第1視点映像表示期間または前記第2視点映像表示期間の1/2を超えないことを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項4】
前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素の発光デューティは、前記第1視点映像表示期間または前記第2視点映像表示期間の50%であることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項5】
前記複数の第1発光制御信号それぞれは、対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した時点に同期されて、前記複数の画素それぞれに含まれる発光制御トランジスタのゲートオン電圧レベルで伝達され、
前記複数の第2発光制御信号それぞれは、対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記発光制御トランジスタのゲートオン電圧レベルで伝達されることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項6】
前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに対する前記第1期間は全て同一であることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項7】
前記第1期間は、第1視点映像表示期間または第2視点映像表示期間の1/2以上であることを特徴とする、請求項6に記載の立体映像表示装置。
【請求項8】
前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれに伝達される走査信号の駆動速度と、前記複数の第1発光制御信号の駆動速度とは同一であることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項9】
前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに伝達される走査信号の駆動速度と、前記複数の第2発光制御信号の駆動速度とは同一であることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項10】
前記第1領域は、前記表示部の第1画素ラインから少なくとも一つ以上の画素ラインを含むことを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項11】
前記第2領域は、前記表示部の複数の画素ラインのうち前記第1領域に含まれないそれ以外の画素ラインを含むことを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項12】
前記第1領域は、前記表示部の第1画素ラインから前記表示部の総画素ラインn個(nは自然数)のうちのn/2番目画素ラインに達する複数の画素ラインを含み、
前記第2領域は、前記第1領域に含まれないそれ以外の複数の画素ラインを含むことを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項13】
前記第1領域に含まれる前記複数の画素ラインそれぞれに走査信号が伝達された後、当該画素ラインに含まれる複数の画素が発光する前の非発光期間は全て同一であることを特徴とする、請求項12に記載の立体映像表示装置。
【請求項14】
前記非発光期間は、1フレーム時間のうちの第1視点映像表示期間または第2視点映像表示期間の1/2以上であることを特徴とする、請求項13に記載の立体映像表示装置。
【請求項15】
前記表示部の複数の画素ラインに伝達される走査信号の駆動周波数は、前記1フレーム周波数の2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項16】
前記第1視点映像表示期間の間に、前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素それぞれは、前記第1視点映像表示期間に対応する第1視点映像データ信号によって発光し、前記発光する間に第1視点シャッタ眼鏡がターンオンされることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項17】
前記第2視点映像表示期間の間に、前記第1領域及び前記第2領域それぞれに含まれる前記複数の画素それぞれは前記第2視点映像表示期間に対応する第2視点映像データ信号によって発光し、前記発光する間に第2視点シャッタ眼鏡がターンオンされることを特徴とする、請求項1に記載の立体映像表示装置。
【請求項18】
複数の画素が含まれる画素ラインを少なくとも一つ以上含む第1領域及び第2領域を含み、1フレーム内で第1視点映像表示期間及び第2視点映像表示期間それぞれに対応する第1視点映像データ信号及び第2視点映像データ信号を生成して供給する立体映像表示装置の駆動方法において、
前記第1視点映像表示期間に前記第1領域及び前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号を伝達する段階;
前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達されてから第1期間が経過した後に、前記第1視点映像データ信号によって発光する段階;
前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第1視点映像データ信号によって発光する段階;
前記第2視点映像表示期間に前記第1領域及び前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれに対応する走査信号を伝達する段階;
前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達されてから第2期間が経過した後に、前記第2視点映像データ信号によって発光する段階;及び
前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれは、前記対応する走査信号が伝達された時点に同期されて、前記第2視点映像データ信号によって発光する段階を含むことを特徴とする立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項19】
前記第1領域及び第2領域に含まれる複数の画素それぞれに伝達される走査信号の駆動速度は、前記1フレーム周波数の2倍であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項20】
前記第1領域及び第2領域に含まれる複数の画素それぞれが、前記第1視点映像データ信号によって発光する期間は、第1視点シャッタ眼鏡が開放される期間であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項21】
前記第1領域及び第2領域に含まれる複数の画素それぞれが、前記第2視点映像データ信号によって発光する期間は、第2視点シャッタ眼鏡が開放される期間であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項22】
前記第1領域に含まれる複数の画素それぞれが発光する時間と、前記第2領域に含まれる複数の画素それぞれが発光する時間とは同一であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項23】
前記第1領域及び第2領域に含まれる複数の画素それぞれの発光デューティは、前記第1視点映像表示期間または前記第2視点映像表示期間の50%であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項24】
前記第1領域に含まれる複数の画素ラインにそれぞれ対応する前記第1期間及び前記第2期間は全て同一であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項25】
前記第1期間及び前記第2期間は、第1視点映像表示期間または第2視点映像表示期間の1/2以上であることを特徴とする、請求項24に記載の立体映像表示装置の駆動方法。
【請求項26】
前記第1領域及び前記第2領域に含まれる複数の画素ラインに伝達される走査信号の駆動速度と発光制御信号の駆動速度とは同一であることを特徴とする、請求項18に記載の立体映像表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−93697(P2012−93697A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31764(P2011−31764)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】