説明

立体画像生成装置

【課題】モアレ縞を軽減する立体画像生成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】表示面に、複数の発光する画素と前記画素の周囲に非発光部分とを有する表示装置と、前記表示装置の表示面に隣接して、前記表示面と平行に設置され、前記非発光部分を覆う発光部分を有する格子部と、前記格子部に隣接して、前記格子部と平行に設置され、前記画素からの光を所定の結像点で結像するレンズ部を有する光学部と、
を備える立体画像生成装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
隣接した2つのカメラで撮影された画像の視差を利用して立体視が可能な画像を生成する立体画像生成装置がある。立体画像生成装置は、例えば、隣接した2つのカメラで撮影した画像のうち、一方のカメラによる画像を左眼用画像として、他方のカメラによる画像を右眼用画像として、生成して表示する。
【0003】
同一の対象物に対して、左眼用画像における位置と、右眼用画像における位置との差を、視差という。画像内に存在する2つの対象物で、視差量が異なることにより、一方の対象物が他方の対象物に対して手前または奥に存在するように見える。視差量は、視差の大きさである。
【0004】
図1は、立体画像の例を示す図である。図1において、画像910が左眼用画像であり、画像920が右眼用画像である。ここで、左眼用画像である画像910、及び、右眼用画像である画像920には、それぞれ、物体A、物体B、物体Cが存在する。画像910及び画像920との間における、これらの物体の視差により、図1の立体画像を見る者には、手前から、物体A、物体B、物体Cが存在するように見える。
【0005】
立体画像生成装置は、利用者の左眼に対して左眼用画像を、右眼に対して右眼用画像を表示するようにし、利用者に立体的な画像を感じさせる。立体画像生成装置は、例えば、液晶ディスプレイと、利用者が装着する専用の眼鏡とにより、左眼に対して左眼用画像、右眼に対して右眼用画像を表示することにより、利用者に立体感を知覚させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−176004号公報
【特許文献2】特開2008−66086号公報
【特許文献3】特開2007−041425号公報
【特許文献4】特開平06−301033号公報
【特許文献5】特開2000−98119号公報
【特許文献6】特開平04−035192号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】社団法人電子情報技術産業協会、ディスプレイ装置用語集
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
また、立体画像生成装置には、液晶ディスプレイ等の表示装置にレンチキュラー状のレンズシートを設置することにより、専用の眼鏡を使用することなく、左眼及び右眼にそれぞれ異なった映像を認識させるものもある。このとき、表示装置の画面上に並ぶ画素(表示素子)とレンズシートにおける平行に並んだレンズとにより、モアレ縞が発生することがある。特に、画面上の表示素子の配列方向とレンズシートにおけるレンズの方向とが非平行であるとき、モアレ縞が発生しやすい。モアレ縞は、周期的な画像成分同士の干渉によって生じる縞模様(干渉縞)である。モアレ縞は、表示される画像の品質劣化の原因の1つである。
【0009】
表示装置の画面は、複数の画素(ピクセル)を含む。表示装置の各画素は、複数の色画素を含む。色画素の例は、例えば、赤(R;Red)、緑(G;Green)、青(B;Blue)の色画素である。各画素の境界部分には、ブラックマトリクスが存在する。ブラックマトリクスは、非発光部分である。各画素の境界部分のブラックマトリクスは、通常の2次元画像を表示する際には、表示画像をくっきりさせる効果がある。しかし、立体画像を視認するために画面にレンズシートが設置されると、各画素の境界部分のブラックマトリクス及び発光部分による明暗とレンズシートとによりモアレ縞が発生することがある。
【0010】
本件開示の技術は、モアレ縞を軽減する立体画像生成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の技術は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
【0012】
即ち、第1の態様は、
表示面に、複数の発光する画素と前記画素の周囲に非発光部分とを有する表示装置と
前記表示装置の表示面に隣接して、前記表示面と平行に設置され、前記非発光部分を覆う発光部分を有する格子部と、
前記格子部に隣接して、前記格子部と平行に設置され、前記画素からの光を所定の結像点で結像するレンズ部を有する光学部と、
を備える立体画像生成装置とする。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、モアレ縞を軽減する立体画像生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、立体画像の例を示す図である。
【図2】図2は、立体画像表示装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は、表示装置の表示面の表示素子の配列の例を示す図である。
【図4】図4は、格子部の透明部の例を示す図である。
【図5】図5は、表示装置の表示面のブラックマトリクスに、格子部の透明部を重ねた例を示す図である。
【図6】図6は、光学部の断面の例を示す図である。
【図7】図7は、光学部のレンズ部(レンズ)及び溝部(レンズ溝)を表示装置の画素配列の方向に対して斜め方向に配置する例を示す図である。
【図8】図8は、立体画像表示装置の機能ブロックの例を示す図である。
【図9】図9は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図10】図10は、立体画像生成装置の動作フローの例を示す図である。
【図11】図11は、表示装置に対するレンズシートの取り付けの例を示す図である。
【図12】図12は、表示装置における、立体画像を表示できない旨の表示の例である。
【図13】図13は、有機ELシートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、開示の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。開示の構成の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0016】
ここで、立体画像生成装置で表示される立体画像は、動画像であっても、静止画像であってもよい。
【0017】
〔実施形態〕
(構成例)
図2は、本実施形態の立体画像表示装置の構成例を示す図である。立体画像生成装置100は、表示装置102、格子部104、光学部106を含む。立体画像生成装置100は、図2のように、表示部102、格子部104、光学部106の順に配置される。表示装置102、格子部104、光学部106は、ほぼ平行になるように配置される。
【0018】
表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部102は、入力される指示により、画像を表示する。表示装置102は、格子部104、光学部106が配置される側の面に、画像を表示する。
【0019】
表示面の各画素は、表示装置102の表示面の表示素子によって、形成される。表示素子は、表示面の水平方向及び、水平方向と直角に交わる方向に配列される。表示装置102の画面は、複数の画素(ピクセル)を含む。表示装置の各画素は、複数の色画素を含む。色画素の例は、例えば、赤(R;Red)、緑(G;Green)、青(B;Blue)の色画素である。各画素の境界部分には、ブラックマトリクスが存在する。表示装置102は、立体画像を表示する。立体画像は、左眼用画像及び右眼用画像を含む。
【0020】
図3は、表示装置の表示面の表示素子の配列の例を示す図である。図3の例では、例えば、1Lの画素は、R1(赤)、G1(緑)、B1(青)の色画素を含む。2R、3L等の画素についても同様である。各色画素の周囲には、格子状のブラックマトリクスが存在する。ブラックマトリクスは、非発光部分である。図3の例では、1つの画素の色画素は、画素の配列の方向(水平方向又はこれに直交する方向)に対して、非平行に配置される。1つの画素の色画素は、画素の配列の方向(水平方向又はこれに直交する方向)に対して、平行に配置されてもよい。
【0021】
格子部104は、表示装置102の表示面のブラックマトリクスを覆う格子状の透明部を含む。格子部104は、光源を含む。光源は、例えば、透明部の周囲に設けられる。光源から光が供給されると、格子部104の透明部は、発光する。光源は、例えば、陰極線管、LED(Light Emitting Diode)等である。光源への電力供給は、表示装置102からされてもよい。格子部104の透明部は、表示装置102の表示面のブラックマトリクスよりも大きいか、同一の大きさである。表示装置102が通常の2次元画像を表示する場合、格子部104の光源には電力が供給されず、格子部104の透明部は発光しない。格子部104が発光しないことで、表示装置102が通常の2次元画像を表示する場合における表示された画像の品質の劣化を抑制できる。透明部として、アクリル樹脂、ガラス等の光を透過する透明材料が使用されうる。通常の2次元画像とは、立体画像ではない画像である。
【0022】
格子部104は、例えば、透明部の周囲に設置された光源(陰極線管、LEDなど)からの光が導光板としての透明部に入射されることにより発光する。即ち、透明部の周囲から透明部に入射された光は、透明部の表面で反射を繰り返しながら、導光板としての透明部内全体に広がる。また、透明部内の光は、透明部の表面の反射ドット又は反射シートにより、拡散され、外部に放出される。反射ドット又は反射シートは、透明部の表示装置102側の面に設けられる。格子部104の透明部は、この外部に放出された光により、発光する。導光板としての透明部は、例えば、光源に近い反射ドットの面積を小さくし、光源から遠い反射ドットの面積を大きくすることにより、透明部全体を均等に発光しうる。
格子部104には、複数の光源が設けられてもよい。格子部104は、液晶ディスプレイのバックライトと同様の仕組みにより発光し得る。格子部104は、光源及び透明部は、電力が供給されることにより発光する発光部分である。
【0023】
図4は、格子部の透明部の例を示す図である。格子部104の透明部は、格子状である。透明部は、光源により光が供給されることにより発光する。格子部102の透明部の格子のピッチは、色画素のピッチと等しい。透明部の周囲には、光源が設けられる。
【0024】
図5は、表示装置102の表示面のブラックマトリクスに、格子部の透明部を重ねた例を示す図である。格子部104は、格子部104の透明部によって図3の表示装置102の表示面のブラックマトリクスが覆われるように、設置される。また、格子部104の透明部の格子と格子の間からは、表示装置102の表示面に色画素が視認される。図5では、格子部104における光源は、省略されている。
【0025】
光学部106は、レンチキュラーレンズ状の複数のレンズ部と、レンズ部とレンズ部との間に溝部(レンズ溝)を含む。各レンズ部及び各溝部は、直線状である。各レンズ部の方向及び各溝部の方向は、互いに平行である。光学部106の一方の面は、平面である。光学部106の表示装置102側の面は、格子部104と接していてもよい。光学部106は、表示装置からの画像を所定の位置で結像させる。光学部106は、表示装置からの左眼用画像を利用者の左眼の位置で、右眼用画像を利用者の右眼の位置で、結像させる。各レンズ部及び各溝部の方向は、表示装置の表示面の表示素子の配列方向と平行であっても、非平行であってもよい。また、光学部106のレンズ部を含む面が、表示装置102側であってもよい。
【0026】
光学部106は、透明の平面板によって全面を保護されてもよい。光学部106で使用されるレンズは、例えば、かまぼこ状の曲面レンズである。光学部106で使用されるレンズは、光学部106における凸部である。レンズの形状は、かまぼこ状の曲面レンズに限定されない。かまぼこ状の曲面レンズの形状は、例えば、平面上の閉曲線(例えば、楕円)を当該平面上の直線で切断したときの当該閉曲線と当該直線とで囲まれる部分の1つを、当該平面の法線方向に走査したときにできる立体形状である。かまぼこ状の曲面レンズの形状は、例えば、円柱(又は楕円柱)を、当該円柱(又は楕円柱)の高さ方向の直線と平行な平面で切断した一方の立体形状であってもよい。
【0027】
図6は、光学部の断面の例を示す図である。光学部106は、複数のレンズ部と、レンズ部とレンズ部との間に存在する溝部を含む。レンズ部は、レンチキュラーレンズ状である。溝部は、例えば、平面である。レンチキュラーレンズ状のレンズは、かまぼこ状の曲面レンズである。
【0028】
図7は、光学部のレンズ部(レンズ)及び溝部(レンズ溝)を表示装置の画素配列の方向に対して斜め方向に配置する例を示す図である。表示装置102の画面上では、色画素の素子(表示素子)は、表示面に対して水平方向(図7の横方向)及び、水平方向に対して直交する方向(図7の縦方向)に配列される。図7の例では、表示装置の画像素子の配列の縦方向に対して、斜め方向(非平行の方向)にレンズ部及び溝部を配置する。レンズ部の方向は、溝部の方向に対して平行に配置される。これにともなって、表示装置102で表示する各画素は、斜め方向に色画素を配置する。例えば、色画素であるR1、G1、B1が、1つの画素を形成する。同様に、他の色画素についても同様である。各画素における色画素の方向と各レンズ部の方向とは、平行である。図7の例では、斜め方向に1つの画素が配置される。例えば、1Lの画素から出た光は、そのほとんどが同一のレンズに入射され、当該レンズにより利用者の左眼の位置で結像される。また、2Rの画素から出た光は、そのほとんどが同一のレンズに入射され、当該レンズにより利用者の右眼の位置
で結像される。他の画素についても同様である。左眼用画像の画素(1L、3L等)と右眼用画像の画素(2R、4R等)とは、交互に配置される。
【0029】
図7の例では、横方向の画素は、2次元画像に比べて4分の3に減少する。一方、図7の例では、縦方向の画素は、2次元画像に比べて3分の1に減少する。1つの画素のR、G、Bの色画素を横方向に配置した場合、横方向の画素が2次元画像に比べて4分の1に減少する。このとき、縦方向の画素は、減少しない。図7のように、レンズを斜め方向に配置し、1つの画素を斜め方向に配置することにより、横方向のみ解像度が下がることを防ぐことができる。縦方向及び横方向の解像度が下がるほうが、横方向のみの解像度が下がることに比べ、画質の劣化が少なくみえる。
【0030】
モアレ縞は、光学部106の溝部を通じて利用者の眼に入るブラックマトリクスと、光学部106のレンズ部を通じて利用者の眼に入るブラックマトリクスとの干渉によって、発生し得る。
【0031】
格子部104及び光学部106は、一体化されていても、分離していてもよい。表示装置102の表示面及び格子部104は、一体化されていても、分離していてもよい。
【0032】
図8は、立体画像表示装置の機能ブロックの例を示す図である。立体画像生成装置100は、制御部110、格納部120、送受信部130、表示部140を含む。表示部102、制御部110、格納部120、送受信部130は、バスを介して接続される。
【0033】
制御部110は、格納部120に格納されるプログラム等を実行し、表示部102に対し、所定の画像を表示することを指示する。制御部110は、格子部104を制御し得る。制御部110は、格子部104の透明部への電力供給を制御する。制御部110は、例えば、表示装置102に立体画像ではない2次元画像が表示される場合、格子部104の透明部への電力供給を遮断する。制御部110は、遮断部として動作しうる。
【0034】
格納部120は、制御部110により実行されるプログラム、当該プログラムによって利用される各種のデータ等を格納する。格納部120は、表示装置102で表示される立体画像(例えば、左眼用画像のデータ、右眼用画像のデータ)のデータを格納する。格納部120は、各種レンズシートの情報を格納してもよい。
【0035】
送受信部130は、制御部110からの指示に従い、ネットワーク等を介して、外部の装置と通信を行う。送受信部130は、スイッチ等で検出された信号を受信し得る。
【0036】
表示部140は、制御部110からの指示に従い、表示装置102に、所定の画像を表示する。
【0037】
立体画像生成装置100は、パーソナルコンピュータ(PC、Personal Computer)の
ような汎用のコンピュータ、ワークステーション(WS、Work Station)、PDA(Personal Digital Assistant)のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。また、立体画像生成装置100は、スマートフォン、携帯電話、カーナビゲーション装置のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。コンピュータは、情報処理装置ともいう。
【0038】
図9は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。立体画像生成装置100は、それぞれ、例えば、図9に示すような情報処理装置1000によって、実現される。
【0039】
情報処理装置1000は、CPU(Central Processing Unit)1002、メモリ10
04、記憶部1006、入力部1008、出力部1010、通信部1012を含む。
【0040】
情報処理装置1000は、CPU1002が記録部1006に記憶されたプログラムをメモリ1004の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて周辺機器が制御されることによって、所定の目的に合致した機能を実現することができる。
【0041】
CPU1002は、記憶部1006に格納されるプログラムに従って処理を行う。
【0042】
メモリ1004は、CPU1002がプログラムやデータをキャッシュしたり作業領域を展開したりする。メモリ1004は、例えば、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。メモリ1004は、主記憶装置である。
【0043】
記憶部1006は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。記憶部1006は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ソリ
ッドステートドライブ(SSD、Solid State Drive)装置、ハードディスクドライブ(
HDD、Hard Disk Drive)装置である。記憶部1006としては、例えば、CD(Compact Disc)ドライブ装置、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ装置、+R/+R
Wドライブ装置、HD DVD(High-Definition Digital Versatile Disk)ドライブ装置、または、BD(Blu-ray Disk)ドライブ装置がある。また、記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD、+R/+RW、HD DVD、または、BDがある。CDとしては、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)、CD−ROMがある。DVDとしては、DVD−R、DVD−RAM(Random Access Memory)がある。BDとしては、BD−R、BD−RE(Rewritable)、BD−ROMがある。また、記憶部1006は、リムーバブルメディア、即ち可搬記録媒体を含むことができる。リムーバブルメディアは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、あるいは、CDやDVDのようなディスク記録媒体である。記憶部1006は、二次記憶装置である。
【0044】
メモリ1004及び記憶部1006は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0045】
入力部1008は、ユーザ等からの操作指示等を受け付ける。入力部1008は、キーボード、ポインティングデバイス、ワイヤレスリモコン、マイクロフォン、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の入力デバイスである。入力部1008から入力された情報は、CPU1002に通知される。
【0046】
出力部1010は、CPU1002で処理されるデータやメモリ1004に記憶されるデータを出力する。出力部1010は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)パネル、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスである。
【0047】
通信部1012は、外部装置とデータの送受信を行う。通信部1012は、例えば、信号線を介して、外部装置と接続される。外部装置は、例えば、他の情報処理装置、記憶装置である。通信部1012は、例えば、LAN(Local Area Network)インタフェースボードや、無線通信のための無線通信回路である。
【0048】
情報処理装置1000は、記憶部1006に、オペレーティングシステム、各種プログラム、各種テーブル等を記憶している。
【0049】
オペレーティングシステムは、ソフトウェアとハードウェアとの仲介、メモリ空間の管
理、ファイル管理、プロセスやタスクの管理等を行うソフトウェアである。オペレーティングシステムは、通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、通信部1012を介して接続される他の外部装置等とデータのやり取りを行うプログラムである。
【0050】
立体画像生成装置100を実現するコンピュータは、プロセッサが二次記憶装置に記憶されているプログラムを主記憶装置にロードして実行することによって、制御部110としての機能を実現する。一方、格納部120は、主記憶装置または二次記憶装置の記憶領域に設けられる。送受信部130は、CPU1002、通信部1012として実現できる。表示部140は、出力部1010として実現できる。
【0051】
一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0052】
プログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくても、並列的または個別に実行される処理を含む。
【0053】
(動作例)
図10は、立体画像生成装置の動作フローの例を示す図である。図10の動作フローは、例えば、立体画像再生プログラムが起動されることにより開始される。立体画像再生プログラムは、格納部120に格納される。立体画像再生プログラムが実行されることによって、表示装置102に立体画像が表示される。
【0054】
立体画像生成装置100は、格子部104及び光学部106が表示装置102に取り付けられているか否かを確認する(S101)。光学部106を、レンズシートともいう。レンズシートは、格子部104を含んでもよい。立体画像生成装置100は、例えば、表示装置102に取り付けられているスイッチ等により、表示装置102に格子部104及び光学部106が取り付けられているか否かを確認することができる。スイッチは、例えば、表示装置102の、格子部104及び光学部106を取り付けるフックに設置される。立体画像生成装置100がフックに設置されたスイッチにおける電気的な信号を検出することで、格子部104及び光学部106の取り付けが認識されうる。
【0055】
図11は、表示装置に対するレンズシートの取り付けの例を示す図である。レンズシートは、表示装置102の画面に、位置を固定して取り付けられる。
【0056】
表示装置102にレンズシートが取り付けられていない場合(S101;NO)、立体画像生成装置100は、表示装置102に、立体画像を表示できない旨を表示する(S102)。立体画像生成装置100は、レンズシートが正常に取り付けられていない場合も、レンズシートが取り付けられていないと判断する。その後、立体画像生成装置100は、立体画像再生プログラムを終了する。
【0057】
図12は、表示装置102における、立体画像を表示できない旨の表示の例である。立体画像生成装置100は、レンズシートが取り付けられていないと判断するとき、図12のような表示を、表示装置102にする。
【0058】
表示装置102にレンズシートが取り付けられている場合(S101;YES)、立体画像生成装置100は、格子部104の光源に電力を供給し、格子部104の透明部を発光させる(S103)。格子部104の透明部を発光させることで、表示装置102の画面上のブラックマトリクスが見えなくなる。立体画像生成装置100は、例えば、表示装置102に、画面の明るさに応じて、光源に供給する電力を調整できる。
【0059】
立体画像生成装置100は、表示装置102に、立体画像を表示する(S104)。立体画像生成装置100は、左眼用の画素に左眼用画像を、右眼用の画素に右眼用画像を表示する。
【0060】
立体画像生成装置100は、レンズシートが表示装置102に取り付けられているか否かを確認する(S105)。表示装置102にレンズシートが取り付けられている場合(S105;YES)、処理を継続する。
【0061】
表示装置102にレンズシートが取り付けられていない場合(S105;NO)、立体画像生成装置100は、格子部104への電力供給を停止する(S106)。レンズシートが取り付けられていない場合、利用者は立体画像を視認できないため、格子部104を発光させなくてもモアレ縞が発生しないからである。また、このとき、利用者は立体画像を視認できないため、立体画像生成装置100は、立体画像の表示を中止し、左眼用画像及び右眼用画像のうち一方を表示するようにしてもよい。
【0062】
また、立体画像生成装置100は、表示装置102に表示される画像が、(立体画像ではない)通常の2次元画像である場合、格子部104への電力供給を遮断して、格子部104を発光させないことができる。
【0063】
(実施形態の作用効果)
立体画像生成装置100は、表示装置102の表示面の画素の周囲にブラックマトリクスを有し、表示装置102の画面に隣接して設置される格子部104、表示面からの光を所定の結像点で結像する光学部を有する。格子部104は、表示装置102の画像を視認する利用者から見て、ブラックマトリクスを覆うように設置される。格子部104は、発光することによりブラックマトリクスを利用者が視認できないようにする。立体画像生成装置100によれば、格子部104が発光することにより、ブラックマトリクスによるモアレ縞の発生を抑制することができる。
【0064】
立体画像生成装置100によれば、表示装置102の表示面上の表示素子の配列方向に対して非平行であるレンズ部を含む光学部106であっても、ブラックマトリクスによるモアレ縞の発生を抑制することができる。
【0065】
また、立体画像生成装置100は、表示装置102に通常の2次元画像を表示する場合、光源への電力供給を遮断して、格子部104を発光させないことで、表示装置に表示される通常の2次元画像の品質を劣化させないことができる。
【0066】
本実施形態の構成は、表示装置102のブラックマトリクスと光学部106とによる干渉縞(モアレ縞)に限らず、ブラックマトリクスの影響により干渉縞が発生する構成に対して、適用可能である。
【0067】
(変形例)
格子部104における発光量は、画面全体の明暗に応じて、変更され得る。このとき、例えば、格子部104における発光量は、表示装置102の画面の明るさ(各画素の明るさの積算値)に比例する量とする。このようにすることにより、画面が暗い時に格子部104における発光量を下げることで、格子部104による発光によって画像の品質劣化が発生することを抑制することができる。
【0068】
図13は、有機ELシートの例を示す図である。有機ELシートは、陰極層、電子輸送層、発光体層、正孔輸送層、陽極層、透明材料を含む。
【0069】
ここで、格子部104として、有機EL(Electro Luminescence)シートを使用する例について説明する。有機ELシートは、有機物に電力供給することよって、発光する。有機ELシートは、1mm以下の厚さでバックライトのいらない自発光型であり、視野角の制限もない素子である。有機ELシートは、有機化合物を一対の電極ではさみ、直流電圧を印加されると、陽極から正孔が、陰極から電子が、有機化合物(発光体層)内に注入される。この正孔と電子が有機化合物内で結合すると、有機物分子が励起した状態になり、光を放射する。有機化合物である発光体層としては、硫化ストロンチウムを母剤とするものや硫化亜鉛合成等がある。有機ELシートは、透明素材によってはさみ込むことで均一で軽量化できるものである。よって、図4のような形状で、液晶ディスプレイ等の表示装置に設置することができる。有機ELシートの輝度を、300Cd/平方メートル以上にすることは、一般的に可能である。この程度の輝度があれば、格子状の有機ELシートの発光によって、ブラックマトリクスを覆うことができる。
【符号の説明】
【0070】
100 立体画像生成装置
102 表示装置
104 格子部
106 光学部
110 制御部
120 格納部
130 送受信部
140 表示部
1000 情報処理装置
1002 CPU
1004 メモリ
1006 記憶部
1008 入力部
1010 出力部
1012 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に、複数の発光する画素と前記画素の周囲に非発光部分とを有する表示装置と、
前記表示装置の表示面に隣接して、前記表示面と平行に設置され、前記非発光部分を覆う発光部分を有する格子部と、
前記格子部に隣接して、前記格子部と平行に設置され、前記画素からの光を所定の結像点で結像するレンズ部を有する光学部と、
を備える立体画像生成装置。
【請求項2】
前記光学部のレンズ部は、前記表示装置の表示面上の表示素子の配列方向に対して、非平行である、
請求項1に記載の立体画像生成装置。
【請求項3】
前記表示装置が2次元画像を表示する場合、前記格子部の前記発光部分への電力供給を遮断する遮断部を備える
請求項1又は2に記載の立体画像生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−255980(P2012−255980A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130056(P2011−130056)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】