立体花壇装置、及び立体花壇の形成方法。
【課題】植物の配置や管理が容易な立体花壇装置、及び立体花壇の形成方法を提供する。
【解決手段】立体花壇装置は、所望の立体形状に形成され、立体形状の表面に鉢状部材を着脱自在に保持するための穴が複数形成された基礎構造体を有し、その穴に、植物を把持する鉢状部材が植え込まれることによって形成される。鉢状部材は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能に構成されるとともに、保持部材が装着されることによって、その複数個の部品が組み合わされた状態に保持される。これによれば、鉢状部材によって植物を把持することが簡単であるとともに、基礎構造体に、植物を把持した鉢状部材を植え込むことが簡単となり、容易に、立体花壇を形成できる。
【解決手段】立体花壇装置は、所望の立体形状に形成され、立体形状の表面に鉢状部材を着脱自在に保持するための穴が複数形成された基礎構造体を有し、その穴に、植物を把持する鉢状部材が植え込まれることによって形成される。鉢状部材は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能に構成されるとともに、保持部材が装着されることによって、その複数個の部品が組み合わされた状態に保持される。これによれば、鉢状部材によって植物を把持することが簡単であるとともに、基礎構造体に、植物を把持した鉢状部材を植え込むことが簡単となり、容易に、立体花壇を形成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体花壇装置、及び立体花壇の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物や人型などの形状に植物を装飾的に配置した立体花壇が知られている。
例えば、ワイヤー等で動物や人型の形状に骨組み(基礎構造)を形成し、その基礎構造の内部に培土を入れ、基礎構造の表面(培土の表面)に沿って所望の植物を植え付けていく方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この種の立体花壇では、植物が予めポッドなどで育てられ、その植物がポッドから取り外されて基礎構造に植え付けられる方法が採られることがあるが、その際、根が傷んでしまう場合があった。
【0003】
例えば、植物をポッドから基礎構造に植え替えた際、根と基礎構造の培土との間に抵抗ができて根が傷む(根に負担がかかる)場合があった。また、基礎構造の限られたスペースに植物を植え付けるために、その植物の根をある程度取り除かなくてはならない場合があった。
【0004】
一方、そうした問題を解決した立体花壇が、例えば特許文献2に記載されている。
特許文献2の立体花壇は、植物の株が挿入される花株保持具と、花株保持具が取り付けられる立体形状の基枠とからなるものである。つまり、特許文献2の立体花壇は、花株保持具に植物を予め植え付けておき、その花株保持具ごと、立体形状の基枠に取り付けるようにしたものである。
【特許文献1】特開2001−16975号公報
【特許文献2】実開平01−146837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2の立体花壇では、上述したような根が傷むという問題を解決できるかもしれないが、花株保持具の取り付けに手間がかかる虞がある。特許文献2の図3及び図4によれば、花株保持具は、基枠に対し、針金、或いはワイヤーのようなもので縛られて固定される。つまり、作業者は、針金、或いはワイヤーを用いて、花株保持具を基枠に対し固定する必要がある。このため、花株保持具の取り付けは容易ではなく、基枠に対する植物の配置は面倒なものとなっていた。
【0006】
また、特許文献1や特許文献2の立体花壇では、植物に潅水した場合、基礎構造(基枠)内部に水が染みこみ、植物の根の部分で保水されにくい、というような懸念があった。つまり、植物の生育を管理することは容易ではなかった。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、植物の配置や管理が容易な立体花壇装置、及び立体花壇の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の立体花壇装置は、鉢状部材と、基礎構造体とを備えたものである。
鉢状部材は、本体部材と保持部材とを有する。本体部材は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能に構成されている。保持部材は、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するものである。
【0009】
基礎構造体は、所望の立体形状に形成され、その表面には、鉢状部材を着脱自在に保持するための鉢状部材保持部が複数形成されている。
そして、この請求項1の立体花壇装置は、基礎構造体の鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持する鉢状部材が保持されてなるものである。
【0010】
このような立体花壇装置によれば、鉢状部材において、所望の植物を容易に把持できる。具体的に、まずは本体部材が分割された状態とし、その後植物を把持するようにして本体部材を組み合わせ、本体部材の部品が組み合わされた状態で保持部材により保持すれば、植物が容易に把持される。
【0011】
また、基礎構造体には、鉢状部材を着脱自在に保持するための鉢状部材保持部が形成されているため、植物を把持する鉢状部材を、基礎構造体に容易に取り付けることができる。このため、基礎構造体に、所望の植物を容易に配置することができる。
【0012】
このような立体花壇装置によれば、植物を所望の立体形状に配置するのに手間がかかることがない。したがって、立体花壇の形成の工数を大幅に削減することができ有利である。
【0013】
次に、このような請求項1の立体花壇装置においては、請求項2のように構成すると尚良い。
請求項2の立体花壇装置は、請求項1の立体花壇装置において、鉢状部材は、外部から与えられる水を吸水して、その水を、その鉢状部材が把持する植物の根元に導く吸水部材を備えている。
【0014】
このような請求項2の立体花壇装置では、外部から例えば散水して水を与えると、その水が吸水部材により吸水されて植物の根元に導かれるため、植物の各々に効率的かつ確実に水を与えることができる。例えば、植物の1つ1つに水を与える、というような手間を省くことができる。このため、植物を枯らしてしまう、という問題が生じることを低減させることができる。したがって、植物の生育の管理が容易となる。
【0015】
尚、吸水部材としては、例えば不織布等が考えられる。例えば、不織布を、本体部材の外部から、その本体部材における植物を把持する部分まで配設するようにすれば良い。これによれば、外部から与えられた水が不織布により速やかに吸水されると共に、不織布を介して、吸水された水が植物の根元部分に速やかに導かれる。尚、不織布には保水効果もあるため、頻繁に水を与えなくてはならない、というような問題も回避することができる。
【0016】
また、他には、例えばスポンジ状の部材を、本体部材の外部から、その本体部材における植物を把持する部分まで配設するようにしても良い。更に言えば、スポンジ状の部材において植物を育成し(スポンジ状の部材中に根を張らせ)、本体部材により、植物をそのスポンジ状の部材ごと把持するようにしても良い。
【0017】
次に、請求項1、2の立体花壇装置では、具体的に、請求項3のように構成すると良い。
請求項3の立体花壇装置では、鉢状部材保持部は所定の深さを有する穴状に構成され、鉢状部材は、穴状の鉢状部材保持部に埋め込まれて保持されるようになっている。
【0018】
このような請求項3の立体花壇装置によれば、鉢状部材を穴状の鉢状部材保持部に埋め込むだけで良いため、植物の配置がより簡単となる。よって、立体花壇の形成の工数をさらに低減できるようになる。
【0019】
また、請求項1、2の立体花壇装置では、請求項4のように構成しても良い。
請求項4の立体花壇装置は、請求項1、2の立体花壇装置において、鉢状部材保持部は、平行な二本のレール部材を備え、本体部材は、植物を把持する胴体部がレール部材の軌間よりも幅狭に構成される一方、その軌間よりも幅広に構成された上板部をその胴体部の上部に有し、鉢状部材は、上板部における胴体部側の面がレール部材上に載置されることによって保持されるようになっている。
【0020】
このような立体花壇装置によれば、本体部材の胴体部がレール部材よりも幅狭に構成されているため、本体部材の胴体部を、レール部材の内側に簡単に配置することができる。そして、本体部材は、レール部材の軌間よりも幅広な上板部を有しているため、その上板部をレール部材上に載置するだけで、鉢状部材を基礎構造体に配置できるようになる。しかも、上板部をレール部材上で滑らすことによって、鉢状部材の移動も非常に簡単なものとなる。
【0021】
このような請求項4の構成によれば、鉢状部材を所望の位置に配置することが更に容易となる。つまり、立体花壇の形成がより簡単となる。したがって、立体花壇の形成の工数を削減することができる。
【0022】
次に、請求項5の発明は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、本体部材の底部から外側に突出する1ないし複数の串状部材と、を有する鉢状部材と、所望の立体形状に形成された基礎構造体と、を備え、基礎構造体の表面に、植物を把持する鉢状部材が串状部材を介して固定されてなることを特徴とする立体花壇装置である。
【0023】
このような立体花壇装置では、例えば作業者は、鉢状部材が備える串状部材を基礎構造体に突き刺すことによって、鉢状部材を基礎構造体に容易に固定(配置)することができる。このため、植物を所望の立体形状に配置することに手間がかかることがなく、立体花壇の形成の工数を削減することができる。
【0024】
次に、請求項6の発明は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、を有する鉢状部材に所望の植物を把持させ、所望の立体形状の基礎構造体を形成すると共に、その基礎構造体の表面に鉢状部材を保持可能な鉢状部材保持部を複数形成し、基礎構造体の鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持した鉢状部材を保持させることを特徴とする立体花壇の形成方法である。
【0025】
このような立体花壇の形成方法によれば、請求項1の効果と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の立体花壇装置1の模式図(一例)を表す図面である。尚、実際の立体花壇装置1の写真を図13に示す。
【0027】
立体花壇装置1は、基礎構造体10(図2参照)と、鉢状部材20(図3〜9参照)とからなる。具体的に、鉢状部材20により植物が把持され、植物を把持したその鉢状部材20が基礎構造体10に植え込まれることによって、立体形状の花壇が形成される(図13参照)。
【0028】
図2に示す基礎構造体10は、例えば、所望の立体形状に形成された発泡体(例えば発泡スチロール)が、金属等からなる1ないし複数本の芯線により支持されることによって形成される。この手法は、立体形状の全体の大きさが比較的小さい場合(例えば高さ1.5m未満程度)に用いることができる。
【0029】
尚、金属等により所望の立体形状の骨組みを形成し、骨組みの間を発泡体(発泡スチロール)で満たすことによって、基礎構造体10を形成するようにしても良い。これによれば、発泡対のみによって立体形状を形成して芯線で支持する前述の方法と比較して、全体の強度を向上させることができる。この手法は、立体形状の全体の大きさが比較的大きい場合(例えば高さ1.5m以上)に用いると良い。
【0030】
基礎構造体10の表面(例えば発泡体の表面)には、図2に示すように、鉢状部材20が埋め込まれるための鉢状部材保持穴11が、その表面に敷き詰められるようにして複数形成される。鉢状部材保持穴11は、その穴の深さが少なくとも鉢状部材20(詳細は後述する)が収まる深さとなるように構成される。
【0031】
尚、図2に示す基礎構造体10の形状は一例であり、基礎構造体10は、所望の立体形状に形成されるものである。
次に、鉢状部材20について、図3〜9を用いて説明する。
【0032】
図3は鉢状部材20の斜視図、図4は鉢状部材20の正面図(N矢視図)、図5は鉢状部材20の側面図(M矢視図)、図6は鉢状部材20の底面図(L矢視図)である。
鉢状部材20は、本体部材30(詳細は例えば図7参照)と、保持部材50(詳細は例えば図8参照)と、止め具70(詳細は例えば図9参照)と、を備えている。
【0033】
図7は本体部材30の詳細図(より具体的には、本体部材30を構成する部品a,bの詳細図)、図8は保持部材50の詳細図、図9は止め具70の詳細図である。
まず、本体部材30を主に説明する。尚、以下の説明にて、本体部材30において次第に先細となる部分(図3における左側)を下側とし、その反対側(図3における右側)を上側とする。また、本体部材30は、互いに同じ形状を有する部品30aと部品30bとを組み合わせてなるものであるが(言い換えると、本体部材30は、部品30a,30bに分割可能である)、以下、部品30a,30bを組み合わせた状態の本体部材30について説明する。
【0034】
本体部材30は、植物を把持するため(具体的に、植物の根の部分を把持するため)の胴体部48を有する(例えば図4,5参照)。
胴体部48は、植物の根の部分を受け入れるための空間を有するように、略円筒状に形成されている。尚、胴体部48の上側の直径と下側の直径とでは、下側の直径のほうが若干小さくなるように形成されている。
【0035】
また、胴体部48の側壁37には、開口37aが複数(具体的に、4つ)設けられている(図3〜5、7参照)。開口37aは、胴体部48の長手方向に細長な台形形状を有するように形成されている。この開口37aは、植物の根腐れを防止すべく、通気口の役割や水はけを良くする役割を果たすものである。
【0036】
また、胴体部48の側壁37のうち、37bで示す部分(例えば図3参照)は他の部分よりも肉厚に構成されており、その厚み分だけ外側に突出している。尚、以下、37bで示す部分を厚壁37bと記載する。厚壁37bは、側壁37において、互いに対向するように2箇所に設けられている。
【0037】
この厚壁37bは、胴体部48の長手方向に細長な長方形状を有する(図3、7参照)。また、厚壁37bは、開口37aの間に設けられている。言い換えると、開口37aが厚壁37bの両側に位置するように設けられている。
【0038】
胴体部48の上側には、円筒形状の円周方向に沿って、保持部材50が嵌め込まれるためのU字状の溝(以下、保持部材用U字溝と記載する)33が形成されている(図7参照)。尚、前述の厚壁37bは、保持部材用U字溝33まで延び出しており、その保持部材用U字溝33と重なる部分における溝を埋めるように設けられている(図7参照)。
【0039】
また、胴体部48の下側には、円筒形状の円周方向に沿って、止め具70が嵌め込まれるためのU字状の溝(以下、止め具用U字溝と記載する)34が形成されている(図7参照)。尚、前述の厚壁37bは止め具用U字溝34まで延び出しておらず、止め具用U字溝34は全周に沿って連続して形成されている(図7参照)。
【0040】
次に、胴体部48の上側には、その胴体部48と一体的に、薄板状の天板31が形成されている(図3〜7参照)。
天板31は、外形が正六角形状に構成されるとともに、少なくとも、平行な対辺の幅が胴体部48の外径(直径)よりも大きくなるように形成されている。天板31の中心領域には、胴体部48における空間とつながる円形の開口36が形成されている(例えば図7参照)。
【0041】
また、天板31と胴体部48との間(天板31と保持部材用U字溝33との間)には、保持部材用U字溝33と隣り合うようにしてU字状の溝32が形成されている(図3〜4、7参照)。以下、このU字状の溝32のことを単に溝32と記載する。
【0042】
溝32の途中には、等間隔に2カ所、細長の開口32aが設けられている(図3、5、7参照)。具体的に、開口32aは、溝32のうち、前述の厚壁37bの上側の部分に設けられている。この開口32aを介して、胴体部48における内部の空間と外部とが連通する。
【0043】
次に、底部49は、下側に向かって次第に先細となり、内部に空間を有する略円錐状に形成されている(図3〜7参照)。底部49の側壁39には、下側に向かって次第に先細となる二等辺三角形状の開口39aが複数(具体的に、4つ)設けられている。開口39aは、前述の開口37aと同様、植物の根腐れを防止すべく、通気口の役割や水はけを良くする役割を果たす。
【0044】
また、側壁39には、その側壁39から突出するように、突出部材35が複数(具体的に、4つ)設けられている。突出部材35は、底部49の下端から上側に向かって次第に突出量が大きくなるように、かつ下端から上側に向かって細長に形成されている。この突出部材35は、側壁39において、開口39a同士の間に位置するように等間隔に4箇所に設けられている。
【0045】
この突出部材35は、鉢状部材20を基礎構造体10の鉢状部材保持穴11に植え込んだ時に、抜け防止用のストッパーとしての役割を果たす。
次に、保持部材50について、図3〜6,8を参照しつつ説明する。
【0046】
保持部材50は、環状に形成されている(例えば図8参照)。そして、保持部材50は、その保持部材50における開口部54に本体部材30の胴体部48が挿通されるようにして、胴体部48の保持部材用U字溝33に嵌め込まれる。保持部材50を構成する枠51の内側の面は、保持部材用U字溝33と嵌合するように、円弧状に突出した形状に構成されている。
【0047】
図8に示すように、保持部材50を構成する枠51の左右方向(図8における左右方向)には、外側にやや突出した突出部52が設けられている。突出部52の内側(内径側)には、枠51の内縁から外側に窪んだ溝53が形成されている。溝53は、本体部材30の側壁37における厚壁37bと嵌合するように形成されている。つまり、保持部材50が本体部材30に装着される際は、本体部材30の厚壁37bと保持部材50の溝53とが嵌合して互いに相対移動するようにして、両者(保持部材50及び本体部材30)が組み合わされるようになっている。
【0048】
次に、止め具70について、図3〜6,9を参照しつつ説明する。
止め具70は、環状に形成されている(例えば図9参照)。そして、止め具70は、その止め具70における開口部73に本体部材30の底部49が挿通されるようにして、胴体部48の止め具用U字溝34に嵌め込まれる。止め具70を構成する枠71の内側の面は、止め具用U字溝34と嵌合するように、円弧状に突出した形状に構成されている。
【0049】
そして、止め具70を構成する枠71においては、等間隔に4カ所、その枠71の外縁から外側に突出する突出部材72が設けられている。
突出部材72は、図9における平面図を参照して分かるように、略長方形状を有する。尚、より詳細には、長手方向の辺は円弧状に構成されている。つまり、突出部材72のうち、止め具70の枠71と接する部分の辺は、その枠71の円弧に沿っているため円弧状となっている。また、突出部材72のうち、止め具70の枠71と接する辺に対向する辺も、所定の直径を有する円の一部として構成されており、円弧状となっている。
【0050】
また、図9における側面図或いはA−A断面図を参照して分かるように、突出部材72の側断面は次第に先細となる三角形状となっている。
この突出部材72は、鉢状部材20を基礎構造体10の鉢状部材保持穴11に植え込んだ時に、抜け防止用のストッパーとしての役割を果たす。
【0051】
このような第1実施形態の立体花壇装置を用いた立体花壇の形成方法について説明する。尚、以下の行為の主体は、所定の作業者である。
まず、所望の植物の根の部分を、本体部材30の空間に配置し、植物をその本体部材によって把持する。本体部材30は、前述のように部品a,bに分割可能であり、部品a,bを分割した状態で何れか一方に植物を配置し、その後、部品a,bを組み合わせることによって、本体部材30により容易に植物を把持することができる。部品a,bを組み合わせた後は、本体部材30に保持部材50、及び止め具70を装着することによって、部品a,bが分離しないように保持される。このような構成により、部品a,bが分離することによって植物が落下してしまう、というような事態が防止される。
【0052】
尚、実際には、例えば植物の苗を、本体部材30の空間部分に土や発泡体ごと植え込み、鉢状部材20において植物を育成させるようにすると良い。一方、植物を他のポッドなどで育成させ、ある程度成長した植物をそのポッドから取り出して、本体部材30に植え替えるようにしても良い。
【0053】
そして、所望の植物を把持した鉢状部材20を必要量用意し、その鉢状部材20を、基礎構造体10に設けられた鉢状部材保持穴11に植え込んでいく。
これにより、基礎構造体10の表面が植物(植物を把持した鉢状部材20)で覆われ、立体花壇が完成することとなる(図13参照)。
【0054】
このような本第1実施形態の立体花壇装置1によれば、所望の植物を把持した鉢状部材20を基礎構造体10の鉢状部材保持穴11に植え込んでいくだけで、簡単かつ確実に立体花壇を形成することができる。また、鉢状部材20において植物を苗の状態から育成するようにすれば、例えば他のポッド等で成長させた植物を鉢状部材20に植え替える、という必要もなく簡単であるとともに、植え替えることにより根に負担がかかってしまうことを防止することができる。このため、植物へのダメージを軽減でき、植物が枯れてしまうような可能性も低減できるため、その後の植物の管理が容易となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の立体花壇装置1について、図10を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0055】
第2実施形態では、第1実施形態と比較して、鉢状部材20が、図10(a)に示す導水部材90を備えている点が異なっている。導水部材90は、不織布から構成される。尚、図10(b)には、導水部材90が配設された鉢状部材20の概略図を示す。
【0056】
導水部材90は、植物と本体部材30との間に配設されるものであり、図10(a)に示すように、壺状の形状に構成されている。より具体的に、導水部材90は、鉢状部材20(本体部材30)において胴体部48が形成する円筒状の空間、及び底部49が形成する円錐状の空間に連続的に収まるような形状に形成されている。
【0057】
導水部材90の上側(上端)には、互いに対向する位置に、ひだ91が設けられている。ひだ91は、長方形状を有し、導水部材90の上端の外縁から外側に突出するようにして設けられている。
【0058】
そして、図10(b)に示すように、導水部材90は、鉢状部材20(本体部材30)が植物を把持するために有する空間に収められて使用される。この際、その導水部材90は、本体部材30の開口32aからひだ91が外側に突出するように収められる。
【0059】
このような導水部材90が配設された鉢状部材20を立体花壇装置1に用いた場合、次のような効果が期待できる。
具体的に、外部から水を与えると、導水部材90のひだ91からその水が吸収され、吸収された水は導水部材90全体に浸透する。つまり、ひだ91から、植物の根の部分に水が導かれるようになる。このため、植物の根の部分に簡単かつ確実に水を与えることができるようになる。また、導水部材90には保水効果もあるため、乾燥を防止或いは低減することができる。したがって、植物の管理・育成が容易となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の立体花壇装置1について、図11を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0060】
第3実施形態では、第1実施形態と比較して、鉢状部材20において、止め具70(例えば図9参照)に代えて、図11(a)に示す止め具95が用いられる点が異なっている。尚、図11(b)には、止め具95が装着された鉢状部材20の概略図を示す。
【0061】
止め具95は、図11(a),(b)に示すように環状に形成されており、その内側の面は、保持部材用U字溝33と嵌合するように円弧状に突出した形状に構成されている。
また、止め具95は、その止め具95を構成する枠体から外部に向かって先細に突出する串状部材96を複数備えている。具体的に、串状部材96は、止め具95の枠体の直径方向に垂直な方向(面sに垂直な方向)に突出している。
【0062】
そして、図11(b)に示すように、止め具95は、串状部材96が鉢状部材20(本体部材30)の下側に向かって突出するように、本体部材30に装着される。尚、止め具95は、その止め具95が本体部材30に装着された状態で、串状部材96がその本体部材30の下端(底部49の下端)よりも下側に突出するように構成されている。
【0063】
このような止め具95を用いれば、基礎構造体10において、鉢状部材保持穴11を設けなくても良くなる。なぜなら、串状部材96を基礎構造体10に突き刺すことによって、鉢状部材20を基礎構造体10に対し固定できるためである。
【0064】
このため、基礎構造体10において鉢状部材保持穴11を設けなくても良い分、立体花壇の形成の工数を低減することができる。尚、止め具95自体は、工業的に、簡単かつ大量に生産することが可能である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の立体花壇装置1について、図12を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
第4実施形態では、第1実施形態と比較して、鉢状部材20において、止め具70(例えば図9参照)に代えて、図12(a)に示す止め具97が用いられる点が異なっている。尚、図12(b)には、止め具97が装着された鉢状部材20の概略図を示す。
【0066】
止め具97は、図12(a),(b)に示すように環状に形成されており、その内側の面は、保持部材用U字溝33と嵌合するように円弧状に突出した形状に構成されている。そして、止め具97は、第1実施形態の止め具70と異なり、突出部材等は設けられておらず、環状の枠体のみから構成される。
【0067】
このような止め具97であれば、例えば第1実施形態の止め具70と比較して生産が容易となり、生産コストを抑えることができる。このため、立体花壇装置1全体のコストを抑えることができる。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において、植物を配置したい箇所に、互いに平行な2本のレール部材を設け、そのレール部材上に、鉢状部材20を載置するように構成しても良い。具体的に、2本のレール部材と本体部材30における溝32とが嵌合するように構成すれば良い。2本のレール部材と本体部材30における溝32とが嵌合するように構成することで、鉢状部材20が2本のレール部材の間に保持されるようになる。つまり、このような方法によっても、鉢状部材20を所望の位置に配置できるようになる。或いは、鉢状部材20の配置場所によっては、天板31がレール部材上に載置されるのみの構成としても良い。
【0069】
また、上記実施形態において、止め具70、95、97を用いないようにしても良い。本体部材30は、少なくとも保持部材50により、部品a,bが組み合わされた状態で保持されるためである。止め具70、95、97を用いないこととすれば、その分コストを抑えることができる。
【0070】
また、上記実施形態において、基礎構造体10には、鉢状部材20を植え込むための鉢状部材保持穴11が設けられているが、鉢状部材20を保持可能であれば、穴に限らず、どのような構成を備えていても良い。
【0071】
また、上記実施形態において、基礎構造体10の表面を例えばFRP(繊維強化プラスチック)のプレートで形成すると共にそのプレートに貫通孔を設け、その貫通孔に鉢状部材20が嵌め込まれるように構成しても良い。尚、この場合、プレートの材質はFRPに限らずどのような材質を用いても良い。
【0072】
また、上記実施形態において、通気や水はけ改善の役割を果たすものであれば、開口37a、39aの数や形状は問わない。
また、上記第2実施形態において、導水部材90の素材は問わない。例えば、吸水可能なものであれば、不織布以外のどのような素材を用いても良い。さらに、外部から植物の根の部分に導水可能な構成であれば、どのような構成を用いても良い。例えば、導水部材90を備えることに代えて、外部から植物の根の部分に導水する導水路を設けることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の立体花壇(立体花壇装置1)の模式図である。
【図2】基礎構造体10を表す図である。
【図3】鉢状部材20の斜視図である。
【図4】鉢状部材20の正面図である。
【図5】鉢状部材20の側面図である。
【図6】鉢状部材20の底面図である。
【図7】本体部材30の詳細図である。
【図8】保持部材50の詳細図である。
【図9】止め具70の詳細図である。
【図10】第2実施形態の鉢状部材20を表す図面である。
【図11】第3実施形態の鉢状部材20を表す図面である。
【図12】第4実施形態の鉢状部材20を表す図面である。
【図13】本発明の立体花壇装置1の図面(写真)である。
【符号の説明】
【0074】
1…立体花壇装置、10…基礎構造体、11…鉢状部材保持穴、20…鉢状部材、30…本体部材、30a,30b…部品、31…天板、32…溝、32a…開口、33…保持部材用U字溝、34…止め具用U字溝、35…突出部材、36…開口、37…側壁、37a…開口、37b…厚壁、39…側壁、39a…開口、48…胴体部、49…底部、50…保持部材、51…枠、52…突出部、53…溝、54…開口部、70…及び止め具、70…止め具、71…枠、72…突出部材、73…開口部、90…不織布、95…止め具、96…串状部材、97…止め具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体花壇装置、及び立体花壇の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物や人型などの形状に植物を装飾的に配置した立体花壇が知られている。
例えば、ワイヤー等で動物や人型の形状に骨組み(基礎構造)を形成し、その基礎構造の内部に培土を入れ、基礎構造の表面(培土の表面)に沿って所望の植物を植え付けていく方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この種の立体花壇では、植物が予めポッドなどで育てられ、その植物がポッドから取り外されて基礎構造に植え付けられる方法が採られることがあるが、その際、根が傷んでしまう場合があった。
【0003】
例えば、植物をポッドから基礎構造に植え替えた際、根と基礎構造の培土との間に抵抗ができて根が傷む(根に負担がかかる)場合があった。また、基礎構造の限られたスペースに植物を植え付けるために、その植物の根をある程度取り除かなくてはならない場合があった。
【0004】
一方、そうした問題を解決した立体花壇が、例えば特許文献2に記載されている。
特許文献2の立体花壇は、植物の株が挿入される花株保持具と、花株保持具が取り付けられる立体形状の基枠とからなるものである。つまり、特許文献2の立体花壇は、花株保持具に植物を予め植え付けておき、その花株保持具ごと、立体形状の基枠に取り付けるようにしたものである。
【特許文献1】特開2001−16975号公報
【特許文献2】実開平01−146837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2の立体花壇では、上述したような根が傷むという問題を解決できるかもしれないが、花株保持具の取り付けに手間がかかる虞がある。特許文献2の図3及び図4によれば、花株保持具は、基枠に対し、針金、或いはワイヤーのようなもので縛られて固定される。つまり、作業者は、針金、或いはワイヤーを用いて、花株保持具を基枠に対し固定する必要がある。このため、花株保持具の取り付けは容易ではなく、基枠に対する植物の配置は面倒なものとなっていた。
【0006】
また、特許文献1や特許文献2の立体花壇では、植物に潅水した場合、基礎構造(基枠)内部に水が染みこみ、植物の根の部分で保水されにくい、というような懸念があった。つまり、植物の生育を管理することは容易ではなかった。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、植物の配置や管理が容易な立体花壇装置、及び立体花壇の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の立体花壇装置は、鉢状部材と、基礎構造体とを備えたものである。
鉢状部材は、本体部材と保持部材とを有する。本体部材は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能に構成されている。保持部材は、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するものである。
【0009】
基礎構造体は、所望の立体形状に形成され、その表面には、鉢状部材を着脱自在に保持するための鉢状部材保持部が複数形成されている。
そして、この請求項1の立体花壇装置は、基礎構造体の鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持する鉢状部材が保持されてなるものである。
【0010】
このような立体花壇装置によれば、鉢状部材において、所望の植物を容易に把持できる。具体的に、まずは本体部材が分割された状態とし、その後植物を把持するようにして本体部材を組み合わせ、本体部材の部品が組み合わされた状態で保持部材により保持すれば、植物が容易に把持される。
【0011】
また、基礎構造体には、鉢状部材を着脱自在に保持するための鉢状部材保持部が形成されているため、植物を把持する鉢状部材を、基礎構造体に容易に取り付けることができる。このため、基礎構造体に、所望の植物を容易に配置することができる。
【0012】
このような立体花壇装置によれば、植物を所望の立体形状に配置するのに手間がかかることがない。したがって、立体花壇の形成の工数を大幅に削減することができ有利である。
【0013】
次に、このような請求項1の立体花壇装置においては、請求項2のように構成すると尚良い。
請求項2の立体花壇装置は、請求項1の立体花壇装置において、鉢状部材は、外部から与えられる水を吸水して、その水を、その鉢状部材が把持する植物の根元に導く吸水部材を備えている。
【0014】
このような請求項2の立体花壇装置では、外部から例えば散水して水を与えると、その水が吸水部材により吸水されて植物の根元に導かれるため、植物の各々に効率的かつ確実に水を与えることができる。例えば、植物の1つ1つに水を与える、というような手間を省くことができる。このため、植物を枯らしてしまう、という問題が生じることを低減させることができる。したがって、植物の生育の管理が容易となる。
【0015】
尚、吸水部材としては、例えば不織布等が考えられる。例えば、不織布を、本体部材の外部から、その本体部材における植物を把持する部分まで配設するようにすれば良い。これによれば、外部から与えられた水が不織布により速やかに吸水されると共に、不織布を介して、吸水された水が植物の根元部分に速やかに導かれる。尚、不織布には保水効果もあるため、頻繁に水を与えなくてはならない、というような問題も回避することができる。
【0016】
また、他には、例えばスポンジ状の部材を、本体部材の外部から、その本体部材における植物を把持する部分まで配設するようにしても良い。更に言えば、スポンジ状の部材において植物を育成し(スポンジ状の部材中に根を張らせ)、本体部材により、植物をそのスポンジ状の部材ごと把持するようにしても良い。
【0017】
次に、請求項1、2の立体花壇装置では、具体的に、請求項3のように構成すると良い。
請求項3の立体花壇装置では、鉢状部材保持部は所定の深さを有する穴状に構成され、鉢状部材は、穴状の鉢状部材保持部に埋め込まれて保持されるようになっている。
【0018】
このような請求項3の立体花壇装置によれば、鉢状部材を穴状の鉢状部材保持部に埋め込むだけで良いため、植物の配置がより簡単となる。よって、立体花壇の形成の工数をさらに低減できるようになる。
【0019】
また、請求項1、2の立体花壇装置では、請求項4のように構成しても良い。
請求項4の立体花壇装置は、請求項1、2の立体花壇装置において、鉢状部材保持部は、平行な二本のレール部材を備え、本体部材は、植物を把持する胴体部がレール部材の軌間よりも幅狭に構成される一方、その軌間よりも幅広に構成された上板部をその胴体部の上部に有し、鉢状部材は、上板部における胴体部側の面がレール部材上に載置されることによって保持されるようになっている。
【0020】
このような立体花壇装置によれば、本体部材の胴体部がレール部材よりも幅狭に構成されているため、本体部材の胴体部を、レール部材の内側に簡単に配置することができる。そして、本体部材は、レール部材の軌間よりも幅広な上板部を有しているため、その上板部をレール部材上に載置するだけで、鉢状部材を基礎構造体に配置できるようになる。しかも、上板部をレール部材上で滑らすことによって、鉢状部材の移動も非常に簡単なものとなる。
【0021】
このような請求項4の構成によれば、鉢状部材を所望の位置に配置することが更に容易となる。つまり、立体花壇の形成がより簡単となる。したがって、立体花壇の形成の工数を削減することができる。
【0022】
次に、請求項5の発明は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、本体部材の底部から外側に突出する1ないし複数の串状部材と、を有する鉢状部材と、所望の立体形状に形成された基礎構造体と、を備え、基礎構造体の表面に、植物を把持する鉢状部材が串状部材を介して固定されてなることを特徴とする立体花壇装置である。
【0023】
このような立体花壇装置では、例えば作業者は、鉢状部材が備える串状部材を基礎構造体に突き刺すことによって、鉢状部材を基礎構造体に容易に固定(配置)することができる。このため、植物を所望の立体形状に配置することに手間がかかることがなく、立体花壇の形成の工数を削減することができる。
【0024】
次に、請求項6の発明は、複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、を有する鉢状部材に所望の植物を把持させ、所望の立体形状の基礎構造体を形成すると共に、その基礎構造体の表面に鉢状部材を保持可能な鉢状部材保持部を複数形成し、基礎構造体の鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持した鉢状部材を保持させることを特徴とする立体花壇の形成方法である。
【0025】
このような立体花壇の形成方法によれば、請求項1の効果と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の立体花壇装置1の模式図(一例)を表す図面である。尚、実際の立体花壇装置1の写真を図13に示す。
【0027】
立体花壇装置1は、基礎構造体10(図2参照)と、鉢状部材20(図3〜9参照)とからなる。具体的に、鉢状部材20により植物が把持され、植物を把持したその鉢状部材20が基礎構造体10に植え込まれることによって、立体形状の花壇が形成される(図13参照)。
【0028】
図2に示す基礎構造体10は、例えば、所望の立体形状に形成された発泡体(例えば発泡スチロール)が、金属等からなる1ないし複数本の芯線により支持されることによって形成される。この手法は、立体形状の全体の大きさが比較的小さい場合(例えば高さ1.5m未満程度)に用いることができる。
【0029】
尚、金属等により所望の立体形状の骨組みを形成し、骨組みの間を発泡体(発泡スチロール)で満たすことによって、基礎構造体10を形成するようにしても良い。これによれば、発泡対のみによって立体形状を形成して芯線で支持する前述の方法と比較して、全体の強度を向上させることができる。この手法は、立体形状の全体の大きさが比較的大きい場合(例えば高さ1.5m以上)に用いると良い。
【0030】
基礎構造体10の表面(例えば発泡体の表面)には、図2に示すように、鉢状部材20が埋め込まれるための鉢状部材保持穴11が、その表面に敷き詰められるようにして複数形成される。鉢状部材保持穴11は、その穴の深さが少なくとも鉢状部材20(詳細は後述する)が収まる深さとなるように構成される。
【0031】
尚、図2に示す基礎構造体10の形状は一例であり、基礎構造体10は、所望の立体形状に形成されるものである。
次に、鉢状部材20について、図3〜9を用いて説明する。
【0032】
図3は鉢状部材20の斜視図、図4は鉢状部材20の正面図(N矢視図)、図5は鉢状部材20の側面図(M矢視図)、図6は鉢状部材20の底面図(L矢視図)である。
鉢状部材20は、本体部材30(詳細は例えば図7参照)と、保持部材50(詳細は例えば図8参照)と、止め具70(詳細は例えば図9参照)と、を備えている。
【0033】
図7は本体部材30の詳細図(より具体的には、本体部材30を構成する部品a,bの詳細図)、図8は保持部材50の詳細図、図9は止め具70の詳細図である。
まず、本体部材30を主に説明する。尚、以下の説明にて、本体部材30において次第に先細となる部分(図3における左側)を下側とし、その反対側(図3における右側)を上側とする。また、本体部材30は、互いに同じ形状を有する部品30aと部品30bとを組み合わせてなるものであるが(言い換えると、本体部材30は、部品30a,30bに分割可能である)、以下、部品30a,30bを組み合わせた状態の本体部材30について説明する。
【0034】
本体部材30は、植物を把持するため(具体的に、植物の根の部分を把持するため)の胴体部48を有する(例えば図4,5参照)。
胴体部48は、植物の根の部分を受け入れるための空間を有するように、略円筒状に形成されている。尚、胴体部48の上側の直径と下側の直径とでは、下側の直径のほうが若干小さくなるように形成されている。
【0035】
また、胴体部48の側壁37には、開口37aが複数(具体的に、4つ)設けられている(図3〜5、7参照)。開口37aは、胴体部48の長手方向に細長な台形形状を有するように形成されている。この開口37aは、植物の根腐れを防止すべく、通気口の役割や水はけを良くする役割を果たすものである。
【0036】
また、胴体部48の側壁37のうち、37bで示す部分(例えば図3参照)は他の部分よりも肉厚に構成されており、その厚み分だけ外側に突出している。尚、以下、37bで示す部分を厚壁37bと記載する。厚壁37bは、側壁37において、互いに対向するように2箇所に設けられている。
【0037】
この厚壁37bは、胴体部48の長手方向に細長な長方形状を有する(図3、7参照)。また、厚壁37bは、開口37aの間に設けられている。言い換えると、開口37aが厚壁37bの両側に位置するように設けられている。
【0038】
胴体部48の上側には、円筒形状の円周方向に沿って、保持部材50が嵌め込まれるためのU字状の溝(以下、保持部材用U字溝と記載する)33が形成されている(図7参照)。尚、前述の厚壁37bは、保持部材用U字溝33まで延び出しており、その保持部材用U字溝33と重なる部分における溝を埋めるように設けられている(図7参照)。
【0039】
また、胴体部48の下側には、円筒形状の円周方向に沿って、止め具70が嵌め込まれるためのU字状の溝(以下、止め具用U字溝と記載する)34が形成されている(図7参照)。尚、前述の厚壁37bは止め具用U字溝34まで延び出しておらず、止め具用U字溝34は全周に沿って連続して形成されている(図7参照)。
【0040】
次に、胴体部48の上側には、その胴体部48と一体的に、薄板状の天板31が形成されている(図3〜7参照)。
天板31は、外形が正六角形状に構成されるとともに、少なくとも、平行な対辺の幅が胴体部48の外径(直径)よりも大きくなるように形成されている。天板31の中心領域には、胴体部48における空間とつながる円形の開口36が形成されている(例えば図7参照)。
【0041】
また、天板31と胴体部48との間(天板31と保持部材用U字溝33との間)には、保持部材用U字溝33と隣り合うようにしてU字状の溝32が形成されている(図3〜4、7参照)。以下、このU字状の溝32のことを単に溝32と記載する。
【0042】
溝32の途中には、等間隔に2カ所、細長の開口32aが設けられている(図3、5、7参照)。具体的に、開口32aは、溝32のうち、前述の厚壁37bの上側の部分に設けられている。この開口32aを介して、胴体部48における内部の空間と外部とが連通する。
【0043】
次に、底部49は、下側に向かって次第に先細となり、内部に空間を有する略円錐状に形成されている(図3〜7参照)。底部49の側壁39には、下側に向かって次第に先細となる二等辺三角形状の開口39aが複数(具体的に、4つ)設けられている。開口39aは、前述の開口37aと同様、植物の根腐れを防止すべく、通気口の役割や水はけを良くする役割を果たす。
【0044】
また、側壁39には、その側壁39から突出するように、突出部材35が複数(具体的に、4つ)設けられている。突出部材35は、底部49の下端から上側に向かって次第に突出量が大きくなるように、かつ下端から上側に向かって細長に形成されている。この突出部材35は、側壁39において、開口39a同士の間に位置するように等間隔に4箇所に設けられている。
【0045】
この突出部材35は、鉢状部材20を基礎構造体10の鉢状部材保持穴11に植え込んだ時に、抜け防止用のストッパーとしての役割を果たす。
次に、保持部材50について、図3〜6,8を参照しつつ説明する。
【0046】
保持部材50は、環状に形成されている(例えば図8参照)。そして、保持部材50は、その保持部材50における開口部54に本体部材30の胴体部48が挿通されるようにして、胴体部48の保持部材用U字溝33に嵌め込まれる。保持部材50を構成する枠51の内側の面は、保持部材用U字溝33と嵌合するように、円弧状に突出した形状に構成されている。
【0047】
図8に示すように、保持部材50を構成する枠51の左右方向(図8における左右方向)には、外側にやや突出した突出部52が設けられている。突出部52の内側(内径側)には、枠51の内縁から外側に窪んだ溝53が形成されている。溝53は、本体部材30の側壁37における厚壁37bと嵌合するように形成されている。つまり、保持部材50が本体部材30に装着される際は、本体部材30の厚壁37bと保持部材50の溝53とが嵌合して互いに相対移動するようにして、両者(保持部材50及び本体部材30)が組み合わされるようになっている。
【0048】
次に、止め具70について、図3〜6,9を参照しつつ説明する。
止め具70は、環状に形成されている(例えば図9参照)。そして、止め具70は、その止め具70における開口部73に本体部材30の底部49が挿通されるようにして、胴体部48の止め具用U字溝34に嵌め込まれる。止め具70を構成する枠71の内側の面は、止め具用U字溝34と嵌合するように、円弧状に突出した形状に構成されている。
【0049】
そして、止め具70を構成する枠71においては、等間隔に4カ所、その枠71の外縁から外側に突出する突出部材72が設けられている。
突出部材72は、図9における平面図を参照して分かるように、略長方形状を有する。尚、より詳細には、長手方向の辺は円弧状に構成されている。つまり、突出部材72のうち、止め具70の枠71と接する部分の辺は、その枠71の円弧に沿っているため円弧状となっている。また、突出部材72のうち、止め具70の枠71と接する辺に対向する辺も、所定の直径を有する円の一部として構成されており、円弧状となっている。
【0050】
また、図9における側面図或いはA−A断面図を参照して分かるように、突出部材72の側断面は次第に先細となる三角形状となっている。
この突出部材72は、鉢状部材20を基礎構造体10の鉢状部材保持穴11に植え込んだ時に、抜け防止用のストッパーとしての役割を果たす。
【0051】
このような第1実施形態の立体花壇装置を用いた立体花壇の形成方法について説明する。尚、以下の行為の主体は、所定の作業者である。
まず、所望の植物の根の部分を、本体部材30の空間に配置し、植物をその本体部材によって把持する。本体部材30は、前述のように部品a,bに分割可能であり、部品a,bを分割した状態で何れか一方に植物を配置し、その後、部品a,bを組み合わせることによって、本体部材30により容易に植物を把持することができる。部品a,bを組み合わせた後は、本体部材30に保持部材50、及び止め具70を装着することによって、部品a,bが分離しないように保持される。このような構成により、部品a,bが分離することによって植物が落下してしまう、というような事態が防止される。
【0052】
尚、実際には、例えば植物の苗を、本体部材30の空間部分に土や発泡体ごと植え込み、鉢状部材20において植物を育成させるようにすると良い。一方、植物を他のポッドなどで育成させ、ある程度成長した植物をそのポッドから取り出して、本体部材30に植え替えるようにしても良い。
【0053】
そして、所望の植物を把持した鉢状部材20を必要量用意し、その鉢状部材20を、基礎構造体10に設けられた鉢状部材保持穴11に植え込んでいく。
これにより、基礎構造体10の表面が植物(植物を把持した鉢状部材20)で覆われ、立体花壇が完成することとなる(図13参照)。
【0054】
このような本第1実施形態の立体花壇装置1によれば、所望の植物を把持した鉢状部材20を基礎構造体10の鉢状部材保持穴11に植え込んでいくだけで、簡単かつ確実に立体花壇を形成することができる。また、鉢状部材20において植物を苗の状態から育成するようにすれば、例えば他のポッド等で成長させた植物を鉢状部材20に植え替える、という必要もなく簡単であるとともに、植え替えることにより根に負担がかかってしまうことを防止することができる。このため、植物へのダメージを軽減でき、植物が枯れてしまうような可能性も低減できるため、その後の植物の管理が容易となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の立体花壇装置1について、図10を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0055】
第2実施形態では、第1実施形態と比較して、鉢状部材20が、図10(a)に示す導水部材90を備えている点が異なっている。導水部材90は、不織布から構成される。尚、図10(b)には、導水部材90が配設された鉢状部材20の概略図を示す。
【0056】
導水部材90は、植物と本体部材30との間に配設されるものであり、図10(a)に示すように、壺状の形状に構成されている。より具体的に、導水部材90は、鉢状部材20(本体部材30)において胴体部48が形成する円筒状の空間、及び底部49が形成する円錐状の空間に連続的に収まるような形状に形成されている。
【0057】
導水部材90の上側(上端)には、互いに対向する位置に、ひだ91が設けられている。ひだ91は、長方形状を有し、導水部材90の上端の外縁から外側に突出するようにして設けられている。
【0058】
そして、図10(b)に示すように、導水部材90は、鉢状部材20(本体部材30)が植物を把持するために有する空間に収められて使用される。この際、その導水部材90は、本体部材30の開口32aからひだ91が外側に突出するように収められる。
【0059】
このような導水部材90が配設された鉢状部材20を立体花壇装置1に用いた場合、次のような効果が期待できる。
具体的に、外部から水を与えると、導水部材90のひだ91からその水が吸収され、吸収された水は導水部材90全体に浸透する。つまり、ひだ91から、植物の根の部分に水が導かれるようになる。このため、植物の根の部分に簡単かつ確実に水を与えることができるようになる。また、導水部材90には保水効果もあるため、乾燥を防止或いは低減することができる。したがって、植物の管理・育成が容易となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の立体花壇装置1について、図11を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0060】
第3実施形態では、第1実施形態と比較して、鉢状部材20において、止め具70(例えば図9参照)に代えて、図11(a)に示す止め具95が用いられる点が異なっている。尚、図11(b)には、止め具95が装着された鉢状部材20の概略図を示す。
【0061】
止め具95は、図11(a),(b)に示すように環状に形成されており、その内側の面は、保持部材用U字溝33と嵌合するように円弧状に突出した形状に構成されている。
また、止め具95は、その止め具95を構成する枠体から外部に向かって先細に突出する串状部材96を複数備えている。具体的に、串状部材96は、止め具95の枠体の直径方向に垂直な方向(面sに垂直な方向)に突出している。
【0062】
そして、図11(b)に示すように、止め具95は、串状部材96が鉢状部材20(本体部材30)の下側に向かって突出するように、本体部材30に装着される。尚、止め具95は、その止め具95が本体部材30に装着された状態で、串状部材96がその本体部材30の下端(底部49の下端)よりも下側に突出するように構成されている。
【0063】
このような止め具95を用いれば、基礎構造体10において、鉢状部材保持穴11を設けなくても良くなる。なぜなら、串状部材96を基礎構造体10に突き刺すことによって、鉢状部材20を基礎構造体10に対し固定できるためである。
【0064】
このため、基礎構造体10において鉢状部材保持穴11を設けなくても良い分、立体花壇の形成の工数を低減することができる。尚、止め具95自体は、工業的に、簡単かつ大量に生産することが可能である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の立体花壇装置1について、図12を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
第4実施形態では、第1実施形態と比較して、鉢状部材20において、止め具70(例えば図9参照)に代えて、図12(a)に示す止め具97が用いられる点が異なっている。尚、図12(b)には、止め具97が装着された鉢状部材20の概略図を示す。
【0066】
止め具97は、図12(a),(b)に示すように環状に形成されており、その内側の面は、保持部材用U字溝33と嵌合するように円弧状に突出した形状に構成されている。そして、止め具97は、第1実施形態の止め具70と異なり、突出部材等は設けられておらず、環状の枠体のみから構成される。
【0067】
このような止め具97であれば、例えば第1実施形態の止め具70と比較して生産が容易となり、生産コストを抑えることができる。このため、立体花壇装置1全体のコストを抑えることができる。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において、植物を配置したい箇所に、互いに平行な2本のレール部材を設け、そのレール部材上に、鉢状部材20を載置するように構成しても良い。具体的に、2本のレール部材と本体部材30における溝32とが嵌合するように構成すれば良い。2本のレール部材と本体部材30における溝32とが嵌合するように構成することで、鉢状部材20が2本のレール部材の間に保持されるようになる。つまり、このような方法によっても、鉢状部材20を所望の位置に配置できるようになる。或いは、鉢状部材20の配置場所によっては、天板31がレール部材上に載置されるのみの構成としても良い。
【0069】
また、上記実施形態において、止め具70、95、97を用いないようにしても良い。本体部材30は、少なくとも保持部材50により、部品a,bが組み合わされた状態で保持されるためである。止め具70、95、97を用いないこととすれば、その分コストを抑えることができる。
【0070】
また、上記実施形態において、基礎構造体10には、鉢状部材20を植え込むための鉢状部材保持穴11が設けられているが、鉢状部材20を保持可能であれば、穴に限らず、どのような構成を備えていても良い。
【0071】
また、上記実施形態において、基礎構造体10の表面を例えばFRP(繊維強化プラスチック)のプレートで形成すると共にそのプレートに貫通孔を設け、その貫通孔に鉢状部材20が嵌め込まれるように構成しても良い。尚、この場合、プレートの材質はFRPに限らずどのような材質を用いても良い。
【0072】
また、上記実施形態において、通気や水はけ改善の役割を果たすものであれば、開口37a、39aの数や形状は問わない。
また、上記第2実施形態において、導水部材90の素材は問わない。例えば、吸水可能なものであれば、不織布以外のどのような素材を用いても良い。さらに、外部から植物の根の部分に導水可能な構成であれば、どのような構成を用いても良い。例えば、導水部材90を備えることに代えて、外部から植物の根の部分に導水する導水路を設けることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の立体花壇(立体花壇装置1)の模式図である。
【図2】基礎構造体10を表す図である。
【図3】鉢状部材20の斜視図である。
【図4】鉢状部材20の正面図である。
【図5】鉢状部材20の側面図である。
【図6】鉢状部材20の底面図である。
【図7】本体部材30の詳細図である。
【図8】保持部材50の詳細図である。
【図9】止め具70の詳細図である。
【図10】第2実施形態の鉢状部材20を表す図面である。
【図11】第3実施形態の鉢状部材20を表す図面である。
【図12】第4実施形態の鉢状部材20を表す図面である。
【図13】本発明の立体花壇装置1の図面(写真)である。
【符号の説明】
【0074】
1…立体花壇装置、10…基礎構造体、11…鉢状部材保持穴、20…鉢状部材、30…本体部材、30a,30b…部品、31…天板、32…溝、32a…開口、33…保持部材用U字溝、34…止め具用U字溝、35…突出部材、36…開口、37…側壁、37a…開口、37b…厚壁、39…側壁、39a…開口、48…胴体部、49…底部、50…保持部材、51…枠、52…突出部、53…溝、54…開口部、70…及び止め具、70…止め具、71…枠、72…突出部材、73…開口部、90…不織布、95…止め具、96…串状部材、97…止め具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、を有する鉢状部材と、
所望の立体形状に形成され、立体形状の表面に前記鉢状部材を着脱自在に保持するための鉢状部材保持部が複数形成された基礎構造体と、
を備え、前記基礎構造体の前記鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持する前記鉢状部材が保持されてなることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項2】
請求項1に記載の立体花壇装置において、
前記鉢状部材は、外部から与えられる水を吸水して、その水を、その鉢状部材が把持する植物の根元に導く吸水部材を備えていることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の立体花壇装置において、
前記鉢状部材保持部は所定の深さを有する穴状に構成され、
前記鉢状部材は、穴状の前記鉢状部材保持部に埋め込まれて保持されることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の立体花壇装置において、
前記鉢状部材保持部は、平行な二本のレール部材を備え、
前記本体部材は、植物を把持する胴体部が前記レール部材の軌間よりも幅狭に構成される一方、その軌間よりも幅広に構成された上板部をその胴体部の上部に有し、
前記鉢状部材は、前記上板部における前記胴体部側の面が前記レール部材上に載置されることによって保持されるようになっていることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項5】
複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、前記本体部材の底部から外側に突出する1ないし複数の串状部材と、を有する鉢状部材と、
所望の立体形状に形成された基礎構造体と、
を備え、前記基礎構造体の表面に、植物を把持する前記鉢状部材が前記串状部材を介して固定されてなることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項6】
複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、を有する鉢状部材に所望の植物を把持させ、
所望の立体形状の基礎構造体を形成すると共に、その基礎構造体の表面に前記鉢状部材を保持可能な鉢状部材保持部を複数形成し、
前記基礎構造体の前記鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持した前記鉢状部材を保持させることを特徴とする立体花壇の形成方法。
【請求項1】
複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、を有する鉢状部材と、
所望の立体形状に形成され、立体形状の表面に前記鉢状部材を着脱自在に保持するための鉢状部材保持部が複数形成された基礎構造体と、
を備え、前記基礎構造体の前記鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持する前記鉢状部材が保持されてなることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項2】
請求項1に記載の立体花壇装置において、
前記鉢状部材は、外部から与えられる水を吸水して、その水を、その鉢状部材が把持する植物の根元に導く吸水部材を備えていることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の立体花壇装置において、
前記鉢状部材保持部は所定の深さを有する穴状に構成され、
前記鉢状部材は、穴状の前記鉢状部材保持部に埋め込まれて保持されることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の立体花壇装置において、
前記鉢状部材保持部は、平行な二本のレール部材を備え、
前記本体部材は、植物を把持する胴体部が前記レール部材の軌間よりも幅狭に構成される一方、その軌間よりも幅広に構成された上板部をその胴体部の上部に有し、
前記鉢状部材は、前記上板部における前記胴体部側の面が前記レール部材上に載置されることによって保持されるようになっていることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項5】
複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、前記本体部材の底部から外側に突出する1ないし複数の串状部材と、を有する鉢状部材と、
所望の立体形状に形成された基礎構造体と、
を備え、前記基礎構造体の表面に、植物を把持する前記鉢状部材が前記串状部材を介して固定されてなることを特徴とする立体花壇装置。
【請求項6】
複数個の部品に分割可能であり、その複数個の部品が組み合わされた状態で植物を把持可能な本体部材と、その本体部材に対して着脱自在であり、本体部材を、複数個の部品が組み合わされた状態に保持するための保持部材と、を有する鉢状部材に所望の植物を把持させ、
所望の立体形状の基礎構造体を形成すると共に、その基礎構造体の表面に前記鉢状部材を保持可能な鉢状部材保持部を複数形成し、
前記基礎構造体の前記鉢状部材保持部のそれぞれに、植物を把持した前記鉢状部材を保持させることを特徴とする立体花壇の形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図13】
【公開番号】特開2009−291147(P2009−291147A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149558(P2008−149558)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成20年3月21日〜3月30日 光州市主催の「Gwangju Spring Flower Expo 2008年」に出品
【出願人】(300011092)▲吉▼坂包装株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成20年3月21日〜3月30日 光州市主催の「Gwangju Spring Flower Expo 2008年」に出品
【出願人】(300011092)▲吉▼坂包装株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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