説明

立体視眼鏡

【課題】 遊戯者が安定的に携帯用ゲーム機の表示画面に表示される立体画像を立体視できる立体視眼鏡を提供する。
【解決手段】 立体視眼鏡1は、携帯用ゲーム機90の表示画面91に表示される立体画像を立体視するための眼鏡部30を備える。立体視眼鏡1は、その使用状態において、前記表示画面91を挟む2方向から前記ゲーム機90の側面に対して当接する互いに対向する当接前壁部56と当接後壁部57とを有する。また、当接前壁部56と当接後壁部57のそれぞれから延伸し、前記眼鏡部30が前記ゲーム機90の表示画面91に対向するように当該眼鏡部30を支持する眼鏡支持部50を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は立体視眼鏡に関し、特に携帯用ゲーム機の表示画面に表示される立体画像を視認する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左眼と右眼の視差を利用して平面像を立体視することを可能とする写真や絵柄など、いわゆるステレオグラム(立体画像)が広く楽しまれている。立体画像の立体視では、意識的に左右両眼の視線方向を立体画像に描かれている像より遠方又は近方に向けるようにして、左眼及び右眼のそれぞれから入射した像を結像し、その像を立体的に認識する。従来、遊戯者が立体視するための立体視眼鏡として、立体画像が描かれる紙面上に載置するものや、遊戯者が顔に掛けるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】実用新案登録第3109078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
出願人は、立体画像を携帯用ゲーム機の表示画面に表示することを検討している。
【0004】
しかしながら、遊戯者は携帯用ゲーム機を手で持ってゲームを実行するため、遊戯者のゲーム操作に応じて表示画面がぶれる。そのため、ゲームの実行時には、表示画面に対する立体視眼鏡の位置がずれてしまい、遊戯者が立体画像を安定的に立体視することは困難である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊戯者が安定的に携帯用ゲーム機の表示画面に表示される立体画像を立体視できる立体視眼鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る立体視眼鏡は、携帯用ゲーム機の表示画面に表示される立体画像を立体視するための眼鏡部を備える立体視眼鏡であって、使用状態において、前記表示画面を挟む2方向から前記ゲーム機の側面に対して当接する互いに対向する当接壁部と、前記互いに対向する当接壁部のそれぞれから延伸し、前記ゲーム機の表示画面に対向するように前記眼鏡部を支持する眼鏡支持部とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、互いに対向する当接壁部を備え、立体視眼鏡の使用状態、すなわち携帯用ゲーム機への装着時において、それらが表示画面を挟む2方向から携帯用ゲーム機の側面に対して当接する。そして、これらの当接壁部から延伸する眼鏡支持部により眼鏡部が表示画面に対向するように支持される。このため、眼鏡部と表示画面との位置ずれが抑制される。
【0008】
なお、ここで眼鏡支持部は、例えば当接壁部から延伸し眼鏡部を支持する棒状の部材や、平面状又は曲面状の部材などである。また、眼鏡部は、例えば接眼部に色の異なる有色フィルタやレンズなどを備えるものである。また、眼鏡部全体が左右一対のレンズで構成されてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、前記互いに対向する当接壁部を、前記表示画面の裏面側において連結する連結部をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
この態様によれば、前記互いに対向する当接壁部の間隔が拡大し、携帯用ゲーム機の側面に当接しなくなることを防止でき、眼鏡部を表示画面の位置ずれをさらに確実に抑制できる。また、前記互いに対向する当接壁部の離間間隔を、連結部が規定する所定の間隔に設定することが出来る。
【0011】
また、この態様では、前記連結部は、前記互いに対向する当接壁部の連結と、当該連結の解除とを自在にするための脱着手段を有するようにしてもよい。このようにすれば、立体視眼鏡のゲーム機への装着と、その取り外しを容易に行うことが出来る。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記眼鏡支持部は、前記表示画面と前記眼鏡部との間の空間を囲むように形成されることを特徴とする。
【0013】
この態様によれば、眼鏡部と表示画面との間の空間が囲まれているので、遊戯者の視線方向は表示画面に集中され、遊戯者は立体視によるゲームの実行に集中することができる。
【0014】
また、この態様では、前記眼鏡支持部の下縁部の一部は、前記表示画面と、当該表示画面の周囲に設けられる操作ボタンとの間に位置するように、前記表示画面側に窪むようにしてもよい。こうすることにより、立体視眼鏡の使用時には、眼鏡支持部の外側にゲーム機の操作ボタンが位置するので、ゲーム機に立体視眼鏡を装着した場合でも、遊戯者は快適にボタン操作を行うことが出来る。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記眼鏡支持部は、前記表示画面と前記眼鏡部とが対向する方向の強度を増加する補強構造を有することを特徴とする。
【0016】
遊戯者は、ゲームの実行時に、眼鏡部を介して表示画面を視認する。その際、遊戯者の顔面が眼鏡部に当接し、眼鏡部を表示画面側に押圧するため、眼鏡支持部が変形する虞がある。この態様によれば、眼鏡支持部が補強構造を有しているので、眼鏡支持部の形状を維持することができ、立体視眼鏡の耐久性を向上することができる。
【0017】
ここで、補強構造は、眼鏡支持部を他の構成部より強度のある部材、例えば他の構成部が紙で構成されている場合には眼鏡支持部をプラスチックや金属からなる部材により補強する構造や、眼鏡支持部の形状を側方に広がる湾曲状や表示画面と眼鏡部とが対向する方向へ延伸する折り目線により折り曲げた形状などである。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記眼鏡部と前記ゲーム機の前記表示画面の間の空間を左右に仕切る仕切部をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
この態様によれば、表示画面に右眼用画像と左眼用画像を左右に並べてなる立体画像が表示される場合に、右眼で左眼用画像を、左眼で右眼用画像を視認することを抑制でき、好適な立体視が可能となる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記眼鏡部は、左右一対の接眼部を有する上面部と、当該上面部に連設され、該連設部分から前記互いに対向する当接壁部のうち一方側に傾斜する傾斜面部と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この態様によれば、遊戯者の鼻先が眼鏡部に当ることを抑制でき、立体視眼鏡の機能性を向上することができる。
【0022】
また、この態様では、前記眼鏡部は、前記傾斜面部の中央部に開口部を有することを特徴とする。この態様によれば、さらに遊戯者の鼻先が眼鏡部に当ることを抑制できる。また、表示画面に立体画像ではなく通常の2次元画像が表示されている場合に、立体視眼鏡をゲーム機から取り外すことなく、開口から表示画面を直接的に視認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る立体視眼鏡1の斜視図であり、図2は当該立体視眼鏡1の展開図であり、図3は携帯用ゲーム機90に装着された立体視眼鏡1の斜視図であり、図4は眼鏡部30と連結部58とを展開した立体視眼鏡1の正面図である。図5は携帯用ゲーム機90に装着された立体視眼鏡1の右側面図であり、図6はその左側面図であり、図7はその背面図である。図8は立体視眼鏡1の連結部58を展開した状態を下側から臨む図である。これらの図において、同一箇所には同一符号を付している。
【0025】
立体視眼鏡1は、遊戯者が概略直方体状の携帯用ゲーム機90の表示画面91に表示される立体画像を視認するためのものである。立体視眼鏡1は、眼鏡部30と、眼鏡支持部50と、互いに対向する当接前壁部56及び当接後壁部57と、仕切部60とを備えている。図2に示すように、これらは厚紙で一体的に形成されており、各構成部の間に形成された折り目で折り曲げることにより、立体視眼鏡1を組み立てることができる。なお、立体視眼鏡1の組み立て方法については後において詳説する。また、立体視眼鏡1が装着されるゲーム機90の表示画面91には、右眼用の画像と左眼用の画像を左右に並べてなる立体画像が表示される。右眼用の画像は表示画面91における左右方向(図3におけるCが示す方向)の中心線より右側の右眼用画像領域91aに表示され、左眼用の画像は当該中心線より左側の左眼用画像領域91bに表示される(図3参照)。
【0026】
まず、眼鏡部30について説明する。眼鏡部30は、図1又は図3に示すように、概略矩形の上面部31と、傾斜面部32とを備えている。上面部31は、その周縁部において眼鏡支持部50に支持されてゲーム機90の表示画面91に対向する位置に配置され、表示画面91の上方を覆っている。上面部31は、右眼用の接眼部7a及び左眼用の接眼部7bを有しており、遊戯者は、この接眼部7a,7bを介して、表示画面91に表示される立体画像を視認することができる。
【0027】
傾斜面部32は上面部31の縁部31cにおいて上面部31に連設している。縁部31cには折り目線が形成されており、傾斜面部32は、縁部31cから、後述する当接前壁部56側(表示画面91側)に傾斜している。傾斜面部32の左右方向中央部には、概略三角形状の開口部32aが形成され、この開口部32aは、接眼部7a,7bから等距離の位置、すなわち遊戯者が顔を眼鏡部30に近接させて接眼部7a,7bから表示画面91を覗き見る際に、遊戯者の鼻先に対応する位置に形成されている。
【0028】
また、眼鏡部30は、傾斜面部32を挟んで上面部31とは反対側に垂下部33を有している。この垂下部33は、眼鏡支持部50に着脱可能となるように形成されている。この垂下部33を眼鏡支持部50に対して着脱することにより、眼鏡部30を開閉することができる。なお、眼鏡部30を開閉するための構成については後において詳説する。
【0029】
上面部31には左右一対の開口部31a,31bが形成されており、当該開口部31a,31bには、上面部31の裏面から凸レンズがそれぞれ装着されている。左右一対の開口が形成されたシール35が上面部31に貼付され、凸レンズは上面部31に固定されて、接眼部7a,7bが構成される(図4又は図8)。
【0030】
次に、当接前壁部56と当接後壁部57について説明する。図5又は図6に示すように、当接前壁部56と当接後壁部57は互いに対向し、表示画面91を挟むようにゲーム機90の前後方向(図1においてAに示す方向)の外側から当該ゲーム機90の側壁に当接する一対の壁部を構成している。すなわち、当接前壁部56は、ゲーム機90の前側壁の外面90bに前方から当接し、当接後壁部57はゲーム機90の後側壁の外面90cに後方から当接し、立体視眼鏡1は、この当接前壁部56と当接後壁部57とにおいてゲーム機90を挟持している。なお、当接後壁部57はゲーム機90に当接する面積が大きくなるように、左右方向に長く形成されている(図7参照)。
【0031】
当接前壁部56と当接後壁部57は、ゲーム機90の底壁の外面90dに接するように配設される連結部58により、表示画面91の裏面側において連結されている。
【0032】
連結部58は、板状の底壁部58dと、この底壁部58dに折り目線58bを挟んで連設される板状の着脱部58aとを備えている(図2参照)。図5又は図6に示すように、当接後壁部57の下側縁部57aに、底壁部58dが連設されている。下側縁部57aには折り目線が形成されており、底壁部58dは当接後壁部57に対して垂直に折れ曲がり、ゲーム機90の底壁の外面90dに接している。連結部58は、折り目線58bにおいて折り曲げられ、着脱部58aは上方に起立する。折り目線58bは、当接後壁部57の下側縁部57aからゲーム機90の前後方向の長さより僅かに大きな距離だけ離間した位置に形成されており、連結部58を折り曲げて着脱部58aを起立すると、着脱部58aの一端面58eは、当接前壁部56の外側(ゲーム機90と当接する面と反対側)の端面56aに僅かな間隙をあけて対向する。着脱部58aの一端面58eと、当接前壁部56の端面56aには脱着手段59、例えばマジックテープ(登録商標)など相対する面を結束させる面ファスナーやボタン、磁石が設けられており、着脱部58aは離脱可能に当接前壁部56に取り付けられる。
【0033】
このようにして、当接前壁部56と当接後壁部57の離間間隔は、連結部58によって規定され、ゲーム機90の前後方向の長さより拡大することが防止されているので、立体視眼鏡1は、この当接前壁部56と当接後壁部57において、ゲーム機90を確実に挟持することができている。また、着脱部58aは、脱着手段59を介して当接前壁部56に対して取り付けられるので、連結部58は当接前壁部56から外れにくくなっており、立体視眼鏡1はゲーム機90をより確実に挟持することができている。
【0034】
次に、眼鏡支持部50について説明する。眼鏡支持部50は、中空柱状である。眼鏡支持部50は、図1に示すように、表示画面91の外側で当該表示画面91を含む平面より上方に起立し、表示画面91と眼鏡部30との間の空間を囲むことにより、外部から表示画面91を遮蔽しつつ、その上側の縁部において眼鏡部30を表示画面91に対向する位置に支持している。図2に示すように、眼鏡支持部50は、前壁部52と後壁部53と右側壁部54と左側壁部55とを備えており、各々が上方に向けて起立している。
【0035】
後壁部53は、概略矩形を呈しており、当接後壁部57と一体的に構成され、当接後壁部57から上方に延伸している(図7参照)。図2に示すように、後壁部53の上側縁部53aには折り目が形成されている。この上側縁部53aに眼鏡部30が連設されており、当該眼鏡部30は上側縁部53aを支点として表示画面91側に開閉可能となっている。
【0036】
前壁部52は、当接前壁部56と一体的に構成され、当接前壁部56から上方に延伸している(図1参照)。前壁部52の上部の左右方向(図1においてCに示す方向)中央部には眼鏡部30を係止するための係止部52aが形成されている。なお、この眼鏡部30の係止については後において説明する。
【0037】
右側壁部54は、前後方向中央部が外方に広がるように湾曲し、断面が概略円弧状になるように形成されている(図1参照)。同様に、左側壁部55も前後方向中央部が外方に広がるように湾曲している(図8参照)。右側壁部54及び左側壁部55には、眼鏡支持部50による眼鏡部30の支持方向、すなわち上下方向に延伸する複数の折り目線が形成されており、右側壁部54及び左側壁部55は、各折り目線において僅かに折れ曲がることにより、全体として湾曲形状を呈している(図2又は図1,図8参照)。
【0038】
立体視眼鏡1の使用時には、遊戯者の顔が眼鏡部30に当接し、眼鏡部30を支持する眼鏡支持部50を下方(ゲーム機90側)に押圧する力が加わる場合がある。しかしながら、湾曲形状を呈する右側壁部54及び左側壁部55は、眼鏡支持部50の構造を補強し、当該眼鏡支持部50がゲーム機90側に折れ曲がるのを防止している。なお、眼鏡支持部50の補強構造は、いずれかの側壁部を湾曲形状に形成するものに限られず、厚紙より剛性を有し、眼鏡部30の支持方向に延伸する部材を眼鏡支持部50に取り付けるようにしてもよい。
【0039】
図5又は図6に示すように、右側壁部54及び左側壁部55の下側縁部54e,55eは、表示画面91が設けられるゲーム機90の上壁の外面90fに当接し、右側壁部54及び左側壁部55は当該上壁の外面90fから上方に起立している。
【0040】
そして、立体視眼鏡1は、ゲーム機90に対する相対移動を規制するように、ゲーム機90を挟持している。すなわち、眼鏡支持部50の右側壁部54及び左側壁部55と、連結部58は、ゲーム機90を上方及び下方から挟持し、当接前壁部56と当接後壁部57は、ゲーム機90を前方及び後方から挟持している。こうして、立体視眼鏡1のゲーム機90に対する相対的な移動は規制されているので、遊戯者は快適に立体視をすることができる。
【0041】
また、右側壁部54及び左側壁部55の下側縁部54e,55eは、表示画面91と、当該表示画面91の左右両側に設けられる操作ボタン95a,95bとの間に位置するように、表示画面91側に窪んでいる(図1又は図8参照)。これにより、遊戯者が快適にゲーム機90のボタン操作を実行することが出来るようになっている。
【0042】
すなわち、下側縁部54eの中央部は、表示画面91の中心部側に窪み、複数の右操作ボタン95aのうち最も表示画面91側に位置する右操作ボタン95aと、表示画面91の縁部との間に位置している。同様に、下側縁部55eの中央部は、表示画面91の中心部側に窪み、複数の左操作ボタン95bのうち最も表示画面91側に位置する左操作ボタン95bと、表示画面91の縁部との間に位置している。右側壁部54と左側壁部55の下部には、傾斜壁部54a,55aがそれぞれ形成されている。傾斜壁部54aは、下側縁部54eにおける表示画面91側に窪んだ部分から、右操作ボタン95a側に傾斜しながら上方に向けて起立している。同様に、傾斜壁部55aは、下側縁部55eにおける表示画面91側に窪んだ部分から、左操作ボタン95b側に傾斜しながら上方に向けて起立している。こうして、傾斜壁部54a,55aの外側に右操作ボタン95a又は左操作ボタン95bが位置するように、立体視眼鏡1は当該ゲーム機90に装着され、遊戯者によるゲーム機90の快適な操作を可能としている。
【0043】
なお、傾斜壁部54a,55aの中心部には、上下方向に延伸する折り目線が形成されており、傾斜壁部54a,55aは、この折り目線において僅かに折れ曲がることにより、その強度を増している。
【0044】
また、立体視眼鏡1では、眼鏡支持部50が表示画面91と眼鏡部30との間の空間を全面的に囲んでいたが、例えば、いずれかの壁部に開口を形成してもよい。この場合、接眼部7a,7bを介することなく、この開口を介して直接的に表示画面91を視認することが可能となるような位置に開口を形成することが、立体画像でない画像が表示画面91に表示されるような場合に、立体視眼鏡1を取り外すことなく表示画面91を視認することができるので、より好適である。
【0045】
次に、眼鏡部30の開閉を可能とする構成について説明する。上述したように眼鏡部30は垂下部33を有している。図1又は2に示すように、垂下部33は、その左右方向中央に被係止部33aを有している。被係止部33aの左右には、切り込みが形成されている。一方、眼鏡支持部50の前壁部52は、その左右方向中央部の上部に係止部52aを有している。係止部52aの左右にも切り込みが形成されている。互いの切り込みが嵌り合い、または外れることにより、被係止部33aと係止部52aは係脱自在となっている。
【0046】
また、眼鏡部30の上面部31の左右の両端縁には、側方に突出する突片部34a,34bが形成されている(図2参照)。眼鏡支持部50を構成する右側壁部54と左側壁部55は、その前後方向中央部の上部に切り込み54b,55bが形成されている。この切り込み54b、55bに、この突片部34a,34bが差し込まれ又は抜き取られることにより、眼鏡部30は、眼鏡支持部50に対して着脱し、開閉可能となっている。
【0047】
なお、図2に示すように、右側壁部54は、後側縁部54cにおいて後壁部53に連設され、前側縁部54dにおいて前壁部52に連設されている。右側壁部54の後側縁部54c及び前側縁部54dには、折り目線がそれぞれ形成されている。
【0048】
左側壁部55の後側縁部55c及び前側縁部55dには、折り目線がそれぞれ形成されている。左側壁部55は前側縁部55dにおいて前壁部52に連設されている。左側壁部55の後側縁部55cには、口述する仕切連結部61が連設されている。また、左側壁部55の後側縁部55cには、切り込み55fが形成されている。一方、後壁部53は側方に突出し、切り込み55fに差し込むための突片部53bを有している(図7参照)。
【0049】
各折り目線において、眼鏡支持部50を折曲するとともに、突片部53bを切り込み55fに差し込んで、左側壁部55を後側縁部55cにおいて後壁部53に連結することにより、中空柱状の眼鏡支持部50を形成することができる(図1又は図7参照)。
【0050】
次に、仕切部60について説明する。仕切部60は、図3に示すように、板状を呈し、その周縁部が眼鏡支持部50の内面に当接して、眼鏡部30と表示画面91との間の空間を左右に仕切っている。すなわち、立体視眼鏡1のゲーム機90への装着時において、概略矩形の仕切部60の下側縁部60aは表示画面91に当接している。仕切部60は、表示画面91の左右方向中央位置から上方(眼鏡部30の方向)に向けて起立し、その上側縁部60cは、眼鏡部30の上面部31に当接している。また、上方に向けて延伸する後側縁部60bは、後壁部57に当接し、前側縁部60dは前壁部52に当接している。
【0051】
こうして、仕切部60は表示画面91の右眼用画像領域91aの眼鏡部30側の空間と、左眼用画像領域91bの眼鏡部30側の空間を仕切っている。そして、仕切部60は、接眼部7a,7bを介する表示画面91の視認時において、右眼による右眼用画像領域91aの視認を許容し、左眼用画像領域91bの視認を遮蔽するとともに、左眼による左眼用画像領域91bの視認を許容し、右眼用画像領域91aの視認を遮蔽している。
【0052】
仕切部60は、立体視眼鏡1を組立てた状態において、眼鏡部30が有する傾斜面部32の開口部32aから外方に突出しないように、矩形の角部が切欠された形状を呈している(図1又は図2参照)。
【0053】
なお、仕切部60は、その前側縁部60dに折り目線が形成され、前側縁部60dには、仕切支持部62が連設されている。仕切支持部62は、立体視眼鏡1の組み立て時において、この折り目線にて仕切部60に対して直角に折曲され、前壁部52に当接されている(図3参照)。仕切支持部62は、突片部62aを有しており、この突片部62aは前壁部52の中央近傍に形成された縦長の切り込み52cから外方に突出している(図2又は図3参照)。さらに、図2に示すように、仕切部60は、仕切連結部61を介して、左側壁部55に連結している。仕切部60は、後側縁部60bにおいて仕切連結部61に連設し、仕切連結部61は、左側壁部55の後側縁部55cにおいて左側壁部55に連設している。後側縁部60b及び後側縁部55dには折り目線が形成されている。図7に示すように、立体視眼鏡1をこの左側壁部55の後側縁部55dにおいて折り曲げて、後壁部53の内側に仕切連結部61を配置するとともに、仕切部60の後側縁部60bにおいて直角に折り曲げることにより、仕切部60を仕切連結部61及び後壁部53に対して立設させることが出来る。
【0054】
次に、立体視眼鏡1の組み立て方法について説明する。まず、仕切部60の前側縁部60d及び後側縁部60bと、左側壁部55の後側縁部55d及び前側縁部55cとにおいて、立体視眼鏡1を順次折り返して、仕切支持部62の突片部62aを前壁部52の切り込み52cから外方に突出させる(図2及び図1参照)。このとき、仕切部60は、前壁部52及び仕切連結部61、後壁部53に対して垂直に立設し、仕切連結部61は後壁部53の内側に配置され、前壁部52に対向する(図3及び図8参照)。また、左側壁部55は、上下方向に延伸する複数の折り目線において折り曲げられて湾曲する。
【0055】
次に、仕切部60及び仕切連結部61、左側壁部55、前壁部52、当接前壁部56を、一体的に右側壁部54の前側縁部54d及び後側縁部54cにて折り返して、左側壁部55の切り込み55fに、後壁部53に設けられた突片部53bを差し込む。これにより、図4に示すように、仕切部60を中央に有する中空柱状の眼鏡支持部50が形成される。そして、図4に示す状態から、眼鏡部30を、後壁部53の上側縁部53aを支点として前壁部52側に折り返し、垂下部33の被係止部33aを前壁部52の係止部52aにて係止する。また、上面部31に設けられた突片部34a,34bを右側壁部54の切り込み54b及び左側壁部55の切り込み55bにそれぞれ差し込む。
【0056】
次に、ゲーム機90の上壁の外面90fに、右側壁部54と左側壁部55の下側縁部54e,55eを当接させつつ、連結部58を後壁部57の下側縁部57aにて折り返すとともに、折り目線58bにて連結部58を折り曲げて、着脱部58aを上方に起立させる。そして、着脱部58aの一端面58eと当接前壁部56の端面56aとを、脱着手段59によって着接して、図3に示すようにゲーム機90に立体視眼鏡1を装着する。
【0057】
以上説明した立体視眼鏡1は、その使用時には、ゲーム機90に対する相対的な移動が規制されるように、当該ゲーム機90に装着される。そのため、当該立体視眼鏡1によれば、遊戯者がゲームを実行しボタンを操作する場合でも、表示画面91に対する眼鏡部30の位置は安定しているので、遊戯者は快適に立体視をすることができる。
【0058】
なお、本発明は以上説明した立体視眼鏡1に限られず、種々の変形が可能である。例えば、図9乃至図12に示す立体視眼鏡10に示すように、立体視眼鏡10を四角柱状に形成して、その4つの壁部のうち対向する2つの壁部が、表示画面91を挟むようにしてゲーム機90の側壁の外面90b,90cに当接するようにしてもよい。なお、図9は立体視眼鏡10の斜視図であり、図10は立体視眼鏡10の展開図である。図11はゲーム機90に装着された立体視眼鏡10の斜視図であり、図12はその左側面図である。これらの図において、立体視眼鏡1と同一箇所には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
立体視眼鏡10では、図10に示すように、前壁部52及び後壁部53は板状の矩形に形成されている。図12に示すように、連結部58及び眼鏡部30の前後方向(図12においてAに示す方向)の幅は、ゲーム機90の前後方向の幅に相応するように形成されている。そして、前壁部52の下側縁部52fと後壁部53の下側縁部53fは、表示画面91の裏面側において連結部58によって連結されている。前壁部52の上側縁部52dと後壁部53の上側縁部53dは、表示画面91の上方において眼鏡部30によって連結される。そして、前壁部52の下部52h(当接壁部)が立体視眼鏡10の側壁の外面90bに当接し、後壁部53の下部53h(当接壁部)が立体視眼鏡10の側壁の外面90cに当接している。
【0060】
このような立体視眼鏡10によれば、前壁部52と後壁部53が、表示画面91を挟むようにして前方及び後方からゲーム機90の側壁の外面に当接するので、眼鏡部30の表示画面91に対する位置ずれを抑制することができる。また、遊戯者は立体視眼鏡10の使用時には、立体視眼鏡10の連結部58の下方から立体視眼鏡10とゲーム機90とを一体的に把持することができる。
【0061】
なお、立体視眼鏡10では、図10に示すように、仕切部60は眼鏡部30等とは別体で形成されている。前壁部52及び後壁部53の左右方向中央部には、切り込み52c又は53cが形成されている。そして、図11又は図12に示すように、仕切部60を前壁部52又は後壁部53の切り込み52c,53cから差し込み、仕切部60の端部60f、60fを切り込み52c及び53cにて支持している。なお、仕切部60は、切り込み52c又は53cに対して差し込み、抜き取りが自在にできるようにしてもよい。
【0062】
また、図10に示すように、連結部58は、前壁部53が連設される側とは反対側に着設部58fを有している。この着設部58fが後壁部52の下側縁部52fに着設されて、前壁部52と後壁部53は連結される(図9又は図12参照)。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体視眼鏡の斜視図である。
【図2】上記立体視眼鏡の展開図である。
【図3】携帯用ゲーム機に装着された上記立体視眼鏡の斜視図である。
【図4】眼鏡部と連結部とを展開した上記立体視眼鏡の正面図である。
【図5】携帯用ゲーム機に装着された上記立体視眼鏡の右側面図である。
【図6】携帯用ゲーム機に装着された上記立体視眼鏡の左側面図である。
【図7】携帯用ゲーム機に装着された上記立体視眼鏡の背面図である。
【図8】連結部を展開した立体視眼鏡を下側から臨む図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る立体視眼鏡の斜視図である。
【図10】上記他の実施形態に係る立体視眼鏡の展開図である。
【図11】携帯用ゲーム機に装着した上記他の実施形態に係る立体視眼鏡の斜視図である。
【図12】携帯用ゲーム機に装着した上記他の実施形態に係る立体視眼鏡の左側面図である。
【符号の説明】
【0064】
1,10 立体視眼鏡、7a,7b 接眼部、30 眼鏡部、31 上面部、32 傾斜面部、33 垂下部、34a,34b 突片部、35 シール、50 眼鏡支持部、52 前壁部、53 後壁部、54 右側壁部、55 左側壁部、56 当接前壁部、57 当接後壁部、58 連結部、59 脱着手段、60 仕切部、61 仕切連結部、62 仕切支持部、90 ゲーム機、91 表示画面、95a 右操作ボタン、95b 左操作ボタン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用ゲーム機の表示画面に表示される立体画像を立体視するための眼鏡部を備える立体視眼鏡であって、
使用状態において、前記表示画面を挟む2方向から前記ゲーム機の側面に対して当接する互いに対向する当接壁部と、
前記互いに対向する当接壁部のそれぞれから延伸し、前記眼鏡部が前記ゲーム機の表示画面に対向するように、当該眼鏡部を支持する眼鏡支持部と、を有する、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項2】
請求項1に記載の立体視眼鏡において、
前記互いに対向する当接壁部を、前記表示画面の裏面側において連結するための連結部をさらに備える、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項3】
請求項2に記載の立体視眼鏡において、
前記連結部は、前記互いに対向する当接壁部の連結と、当該連結の解除とを自在にするための脱着手段を有する、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の立体視眼鏡において、
前記眼鏡支持部は、前記表示画面と前記眼鏡部との間の空間を囲むように形成される、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項5】
請求項4に記載の立体視眼鏡において、
前記眼鏡支持部の下縁部の一部は、前記表示画面と、当該表示画面の周囲に設けられる操作ボタンとの間に位置するように、前記表示画面側に窪む、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の立体視眼鏡において、
前記眼鏡支持部は、前記表示画面と前記眼鏡部とが対向する方向の強度を増加させる補強構造を有する、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の立体視眼鏡において、
前記眼鏡部と前記ゲーム機の前記表示画面の間の空間を左右に仕切る仕切部をさらに備える、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の立体視眼鏡において、
前記眼鏡部は、左右一対の接眼部を有する上面部と、当該上面部に連設され、該連設部分から前記互いに対向する当接壁部のうち一方側に傾斜する傾斜面部と、を備える、
ことを特徴とする立体視眼鏡。
【請求項9】
請求項8に記載の立体視眼鏡において、
前記眼鏡部は、前記傾斜面部の中央部に開口部を有する、
ことを特徴とする立体視眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−75300(P2007−75300A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266111(P2005−266111)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【出願人】(391027310)株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズ (1)
【Fターム(参考)】