説明

立軸ポンプ

【課題】機場に加わる荷重を分散するとともに、設置作業性を向上する。
【解決手段】吸込水槽1内で鉛直方向に延び、下端に吸込口13aを有する揚水管12と、揚水管12を吸込水槽1内に固定する固定部材28と、一端が揚水管12の上端に接続されるとともに、他端が略水平方向に延びる吐出管27に接続され、吸込水槽1の上側の据付床2に固定されるベンド管20と、揚水管12内に軸線に沿って配設され、下端側にインペラ54を取り付けた回転軸51A〜51Cと、ベンド管20の上方に配設され、回転軸51A〜51Cを回転駆動させるモータ30とを備え、揚水管12の上端とベンド管20の一端に、揚水管12の軸方向に沿って移動可能に嵌合して接続する嵌合接続部18,23を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立軸ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
立軸ポンプは、吸込水槽内に鉛直方向に延びるように配管される揚水管と、この揚水管の上端に接続されるベンド管とを備えている。ベンド管では、揚水管からの上向きの水流を水平方向に変えて下流側に接続した吐出管に送水する。また、ベンド管には、駆動手段に連結された回転軸が貫通されている。この回転軸は、揚水管の軸線に一致するように上側から貫通され、その下端側に水を汲み上げるためのインペラが固定されている。
【0003】
特許文献1の立軸ポンプは、ベンド管を吸込水槽の上側の据付床に固定するとともに、揚水管を固定部材によって吸込水槽内に固定している。これにより、立軸ポンプの荷重を据付床と吸込水槽の壁面に分散できるようにしている。また、この立軸ポンプでは、揚水管およびベンド管などの配管類を除き、モータ、回転軸およびインペラなどの駆動系部品を引き上げ可能としている。これにより、ポンプの分解点検などの作業性を向上できるようにしている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の立軸ポンプは、新規構築時の設置作業性が悪いという問題がある。具体的には、吸込水槽および据付床を含む機場を建設する際には、吸込水槽の底から据付床までの高さ寸法に誤差が生じることを避けることはできない。そのため、吸込水槽に固定した揚水管にベンド管を連結した後、ベンド管を据付床に固定する際に、ベンド管のベースプレートと据付床との間に形成される隙間が一定にはならない。その結果、ベンド管のベースプレートと据付床との隙間にスペーサを配設するという調整作業が必要であるため、設置作業性が悪いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−159491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、機場に加わる荷重を分散するとともに、設置作業性を向上できる立軸ポンプを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の立軸ポンプは、吸込水槽内で鉛直方向に延び、下端に吸込口を有する揚水管と、前記揚水管を前記吸込水槽内に固定する固定部材と、一端が前記揚水管の上端に接続されるとともに、他端が略水平方向に延びる吐出管に接続され、前記吸込水槽の上側の据付床に固定されるベンド管と、前記揚水管内に軸線に沿って配設され、下端側にインペラを取り付けた回転軸と、前記ベンド管の上方に配設され、前記回転軸を回転駆動させるモータとを備え、前記揚水管の上端と前記ベンド管の一端に、前記揚水管の軸方向に沿って移動可能に嵌合して接続する嵌合接続部を設けた構成としている。
【0008】
この立軸ポンプを設置する際には、揚水管を吸込水槽内に配置して固定部材によって固定する。その後、ベンド管の一端を揚水管の上端に嵌合させて、ベンド管を据付床に固定する。この際、吸込水槽と据付床の高さ寸法の誤差を、ベンド管を揚水管の軸方向に移動させることにより吸収できる。このように、設置時には誤差の調整作業が不要であるため、設置作業性を向上できる。しかも、この立軸ポンプは、吸込水槽と据付床に荷重を分散できるため、機場に要求される強度を低減できる。
【0009】
この立軸ポンプでは、前記揚水管の軸方向に沿った前記ベンド管の上側部に、前記インペラと一緒に前記回転軸を取出可能な開口部を設けることが好ましい。このようにすれば、揚水管およびベンド管などの配管類を除き、駆動手段、回転軸およびインペラを引き上げることができる。そのため、吊り上げる必要がある機器の重量を軽量化でき、ポンプの分解点検などの作業性を向上できる。
【0010】
また、前記モータのモータケーシングに対して前記回転軸を軸方向に沿って移動可能に配設するとともに、所定位置で前記モータケーシングに対して前記回転軸を移動不可能に固定保持する保持機構を設けることが好ましい。このようにすれば、下端側に固定したインペラの隙間調整を容易に行うことができる。そのため、設置に関する作業性を大幅に向上できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の立軸ポンプでは、揚水管とベンド管に嵌合接続部を設けているため、吸込水槽と据付床の高さ寸法の誤差を、ベンド管を揚水管の軸方向に移動させることにより吸収できる。よって、設置時には誤差の調整作業が不要であるため、設置作業性を向上できる。しかも、この立軸ポンプは、吸込水槽と据付床に荷重を分散できるため、機場に要求される強度を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の立軸ポンプを用いたポンプ設備を示す断面図である。
【図2】図1のインペラ部分の拡大断面図である。
【図3】図1のモータ部分の拡大断面図である。
【図4】立軸ポンプの第1設置工程を示す断面図である。
【図5】立軸ポンプの第2設置工程を示す断面図である。
【図6】(A),(B)は吸込ベルマウスとインペラとの隙間の調整状態を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る立軸ポンプ10を用いたポンプ設備を示す。この立軸ポンプ10は、直管状のケーシング11を備え、このケーシング11をポンプ機場の吸込水槽1と据付床2の両方に固定したものである。
【0015】
まず、立軸ポンプ10を設置するポンプ機場は、図示しない流入側管路から流入する雨水等の水を貯留する吸込水槽1がコンクリート等の打設により設けられている。この吸込水槽1の上方は、据付床2によって覆われている。この据付床2は、吸込水槽1の底部1aから所定間隔をもって設けられ、その上側の空間がポンプ室3を構成する。また、据付床2には、吸込水槽1への水流入方向の下流側端部近傍に位置するように、貫通孔2aが設けられている。この貫通孔2aの周囲には、円筒状をなすように上向きに突出する据付部2bが設けられている。
【0016】
立軸ポンプ10のケーシング11は、吸込水槽1内で鉛直方向に延びるように配管される揚水管12と、揚水管12を通した鉛直方向の水流を水平方向に変えて下流側へ吐出するベンド管20と、揚水管12を吸込水槽1に立設するための固定部材28とを備えている。
【0017】
揚水管12は、据付床2の貫通孔2aから鉛直下向きに延び、固定部材28によって固定されるもので、吸込ベルマウス13とベーンケーシング15と中間継手管17A〜17Cとで構成されている。図2に示すように、吸込ベルマウス13は、下向きに漸次拡径した略円錐筒状をなし、その下端開口からなる吸込口13aが、固定部材28によって吸込水槽1の底部1aに対して所定の距離を隔てて対向配置されている。本実施形態では、インペラ54の羽根54aの外縁が摺接する部分を、別体のプロテクタ管14により構成している。このプロテクタ管14は逆円錐筒状をなし、下端が吸込ベルマウス13に水密に連結されている。ベーンケーシング15は筒状をなし、プロテクタ管14の上端に水密に連結されている。このベーンケーシング15の内部には、放射状をなすように内向きに突出する複数のリブ15aが設けられている。このリブ15aの内側縁には、軸受ケーシング57を着脱可能に組み付けるための係合部16が、内向きに突出するように設けられている。中間継手管17Aは円錐筒状をなし、ベーンケーシング15の上端に水密に連結されている。図1に示すように、中間継手管17Bは円筒状をなし、中間継手管17Aの上端に水密に連結されている。中間継手管17Cは円筒状をなし、中間継手管17Bの上端に水密に連結されている。この中間継手管17Cの上端(揚水管12の上端)は、図3に示すように、ベンド管20の一端の内側に嵌合して接続する嵌合接続部18とされている。この嵌合接続部18の外周部には、ベンド管20との間をシールするためのシール部材19が配設されている。なお、揚水管12はこの構成に限定されず、例えば中間継手管17A〜17Cを1つの直管により構成してもよい。
【0018】
ベンド管20は、据付床2の据付部2bに固定されるもので、固定用中間継手管21とデリベンド24とで構成されている。固定用中間継手管21は、軸方向の全長が短い円筒状をなし、その下端には、据付床2の据付部2bの上端に固定するためのベースプレート22が径方向外向きに突設されている。固定用中間継手管21の下端(ベンド管20の一端)には、径方向外向きに膨出した嵌合接続部23が設けられ、この嵌合接続部23が中間継手管17Cの嵌合接続部18の外側に嵌合して接続されている。デリベンド24は、垂直方向に延びる第1直管部24aに、水平方向に延びる第2直管部24bを接合した如き逆L字形状をなす。このデリベンド24の第1直管部24aの下端は、固定用中間継手管21の上端に水密に連結されている。また、デリベンド24の第1直管部24aの上端は、回転軸51Aを貫通させるとともに、耐水モータ30を水密状態で取り付けるための開口部25とされている。デリベンド24の第2直管部24bの端部(ベンド管20の他端)には、常閉で手動開閉可能な弁26を介設した吐出管27が接続されている。なお、ベンド管20はこの構成に限定されず、例えば固定用中間継手管21とデリベンド24とを一体的に設けた構成としてもよい。
【0019】
固定部材28は、吸込ベルマウス13の吸込口13aと吸込水槽1の底部1aに連結することにより、吸込水槽1内に揚水管12を鉛直方向に延びるように固定するものである。この固定部材28は、図2に示すように、吸込ベルマウス13の下端外周縁に周方向に所定間隔をもって配設した複数の支柱29を備えている。
【0020】
ケーシング11の開口部25には、水密に閉塞するように耐水モータ30が取り付けられている。図3に示すように、耐水モータ30は、鉛直方向に延びる筒状のモータケーシング31を備えている。このモータケーシング31内には空気が充填されており(乾式)、揚水管12の軸線と一致する軸芯にモータ軸32が配設されている。このモータ軸32は中空状をなし、その上下には中空状をなす支軸33A,33Bが連結されている。これら支軸33A,33Bは、モータケーシング31内に配設した軸受34A,34Bによって回転自在に支持されている。また、モータケーシング31の内部には、モータ軸32に回転子35が固定され、この回転子35の外周部に固定子36が配置されている。
【0021】
モータ軸32には、回転軸51Aが軸方向に沿って移動可能に配設されている。この回転軸51Aは、モータケーシング31の上端を貫通して延び、その貫通した上端部が、カップリング37によって支軸33Aに対して回転不可能に連結されている。カップリング37の上部には、回転軸51Aの上端に形成したネジ部に螺合するシャフトナット38が配設されている。このシャフトナット38の回転により、回転軸51Aを軸方向に移動させ、かつ、所定位置で移動不可能に固定保持できる(保持機構)。これらカップリング37およびシャフトナット38は、モータケーシング31の上部に配設したカバー39により水密に閉塞されている。
【0022】
モータケーシング31の下部には、潤滑油が封入されるオイル室40が形成されている。このオイル室40は、モータケーシング31の下部に配設したボックス上部41と、このボックス上部41の下端開口を封鎖するボックス下部42により区画されている。オイル室40の下部には、一次冷却水が封入される冷却水室43が更に形成されている。この冷却水室43は、ボックス下部42の下端開口に概ね円板状である熱交換器44を配設して封鎖することにより区画されている。この熱交換器44は、屈曲加工により形成された多数の伝熱フィンを有し、その外周部がベンド管20のモータ取付部の上端開口に水密に連結されている。オイル室40内には、モータケーシング31内の空気とオイル室40内の潤滑油の間のシール、および、潤滑油と冷却水室43内の一次冷却水の間のシールを行うメカニカルシール45Aが配置されている。また、冷却水室43内には、一次冷却水と揚水管12を通して汲み上げた揚水の間のシールを行うメカニカルシール45Bが配置されている。
【0023】
また、モータケーシング31の外周部には、所定間隔をもって取り囲むように円筒状のウォータジャケット46が配設されている。これにより、モータケーシング31とウォータジャケット46との間には、円筒状をなす冷却水空間47が形成されている。この冷却水空間47は、冷却水出口管48と冷却水入口管49により冷却水室43に接続されている。さらに、モータ軸32の冷却水室43に位置する部位には、一次冷却水を循環させるための循環羽根50が取り付けられている。
【0024】
図5に示すように、耐水モータ30には、駆動系部品である回転軸51A〜51Cおよびインペラ54が一体的に組み付けられている。具体的には、耐水モータ30には、モータ軸32に回転軸51Aが連結されている。この回転軸51Aには、別体の回転軸51Bがカップリング52によって一体的に連結(直結)されている。また、この回転軸51Bには、別体の回転軸51Cがカップリング53によって一体的に連結されている。そして、この回転軸51Cの下端には、インペラ54が連結されている。
【0025】
回転軸51A〜51Cは、回転軸保護管55A,55Bおよび軸受ケーシング57によって覆われている。回転軸保護管55Aは、耐水モータ30の下部に固定されている。この回転軸保護管55Aの下部には、別体の回転軸保護管55Bが中間軸受56を介して連結されている。この中間軸受56は、中間に位置する回転軸51Bを回転自在に支持している。また、回転軸保護管55Bの下部には、軸受ケーシング57が連結されている。図2に示すように、軸受ケーシング57には、ベーンケーシング15の係合部16に係合する係合段部58が設けられている。また、軸受ケーシング57の上下端には、水中軸受59A,59Bが配設されている。これら水中軸受59A,59Bは、下端に位置する回転軸51Cを回転自在に支持している。そして、回転軸51Cにおいて、軸受ケーシング57から下側に突出した部分にインペラ54が連結されている。
【0026】
この立軸ポンプ10をポンプ機場に設置する際には、例えば、図4に示すように、揚水管12の下端に固定部材28を一体的に組み付けた状態で、据付床2の上方から貫通孔2aに揚水管12を貫通させる。そして、吸込水槽1の底部1a上に固定部材28を載置し、固定部材28を底部1aに固定する。これにより、揚水管12が吸込水槽1内で鉛直方向に立設される。
【0027】
ついで、据付床2上にベンド管20を配置し、図5に示すように、固定用中間継手管21を据付床2の据付部2b上に配置するとともに、ベンド管20のベースプレート22を据付部2bに固定する。この際、本実施形態では、揚水管12とベンド管20とを嵌合接続部18,23の嵌合により接続する構成としているため、吸込水槽1と据付床2の間の高さ寸法の誤差は、ベンド管20を揚水管12に対して軸方向に移動させることにより吸収できる。よって、設置時には誤差の調整作業が不要であるため、設置作業性を向上できる。
【0028】
ついで、回転軸51A〜51Cおよびインペラ54を一体的に組み付けた耐水ポンプを吊り下げ、開口部25から揚水管12内に挿入する。そして、ベーンケーシング15の係合部16に軸受ケーシング57の係合段部58を係合させる。この際、シャフトナット38を回転させることにより回転軸51A〜51Cを軸方向に移動させ、図6(A),(B)に示すように、インペラ54と吸込ベルマウス13(プロテクタ管14)の隙間を調整する。最後に、耐水モータ30をベンド管20の開口部25に水密に連結するとともに、耐水モータ30の上側にカバー39を水密に取り付ける。このように、本実施形態の立軸ポンプ10は、下端側に固定したインペラ54の隙間調整を、耐水モータ30が位置するポンプ室3内にて容易に行うことができる。そのため、ポンプ設置作業で重要な芯だし工程は不要であり、設置に関する作業性を大幅に向上できる。
【0029】
この立軸ポンプ10を運転すると、耐水モータ30の駆動により、固定子36に対して回転子35が回転駆動することにより、モータ軸32および直結された回転軸51A〜51Cを介してインペラ54が回転される。これにより、吸込水槽1内の水が揚水管12を通して汲み上げられて、吐出管27を介して下流側へ送水される。
【0030】
この際、本実施形態では、ベンド管20に開口部25を設けているが、その上に耐水モータ30を水密状態で配設しているため、揚水を外部に漏出させることなく、確実に吐出管27から下流側へ送水することができる。また、揚水管12とベンド管20とは、嵌合による接続としているが、上流側の揚水管12を下流側のベンド管20に内嵌する構成としているため、揚水を外部に漏出させることなく、確実に吐出管27から下流側へ送水することができる。さらに、本実施形態では、中空状のモータ軸32に回転軸51Aを貫通させ、カップリング37で連結した構成であるため、ポンプスラストを耐水モータ30の上端で支持することができる。
【0031】
また、耐水モータ30内では、ウォータジャケット46内の冷却水空間中の一次冷却水が、循環羽根50の回転により冷却水出口管48を経て冷却水室43に流入し、熱交換器44の上面側に導入された後、冷却水入口管49を経て冷却水空間47に循環供給される。即ち、一次冷却水は、ウォータジャケット46内の冷却水空間47と熱交換器44の間を循環する。一方、前述のようにインペラ54によって汲み上げた揚水は、一部がベンド管20の開口部25からモータ取付部内に流入し、熱交換器44の下面側に導入される。従って、耐水モータ30で発生した熱は、熱交換器44において一次冷却水から二次冷却水としての揚水に伝達され、その結果、常に冷却された一次冷却水により耐水モータ30が冷却される。
【0032】
このように、本発明の立軸ポンプ10は、内冷型の耐水モータ30を用いているため、ポンプ室3が水没しても耐水モータ30の分解整備を行うことなく連続運転できる。
【0033】
また、減速機を用いることなく耐水モータ30を回転軸51A〜51Cに直結し、かつ、駆動機構を1つのポンプ室3に集約できるため、設備を簡素化でき、建設コストの増大を抑制できる。さらに、耐水モータ30内の一次冷却水は、吸込水槽1から汲み上げた揚水を二次冷却水として、熱交換器44を介して降温できるようにしているため、外部注水機構が不要であり、ポンプ設備を更に簡素化できる。
【0034】
しかも、本実施形態の立軸ポンプ10は、揚水管12を固定部材28によって吸込水槽1内に固定し、ベンド管20を据付床2に固定するものであるため、吸込水槽1と据付床2に荷重を分散できる。よって、ポンプ機場の据付床2に要求される強度を低減できる。また、本実施形態では、駆動系部品である回転軸51A〜51C、インペラ54および耐水ポンプだけを、ケーシング11から引き上げることができる(プルアウト型)。そのため、回転体であるインペラ54をメンテナンスする際には、ケーシング11を引き上げる必要がない。よって、引き上げ重量を軽量化することができるため、点検作業性を向上できる。
【0035】
なお、本発明の立軸ポンプ10は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0036】
例えば、前記実施形態では、固定部材28を揚水管12の下端と吸込水槽1の底部1aの間に固定したが、吸込水槽1の側壁部に固定する構成としてもよい。また、前記実施形態では、駆動手段として耐水モータ30を用いたが、汎用の駆動モータを用いてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…吸込水槽
2…据付床
10…立軸ポンプ
11…ケーシング
12…揚水管
13a…吸込口
18…嵌合接続部
20…ベンド管
22…ベースプレート
23…嵌合接続部
25…開口部
27…吐出管
28…固定部材
30…耐水モータ
32…モータ軸
37…カップリング
38…シャフトナット(保持機構)
51A〜51C…回転軸
54…インペラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込水槽内で鉛直方向に延び、下端に吸込口を有する揚水管と、
前記揚水管を前記吸込水槽内に固定する固定部材と、
一端が前記揚水管の上端に接続されるとともに、他端が略水平方向に延びる吐出管に接続され、前記吸込水槽の上側の据付床に固定されるベンド管と、
前記揚水管内に軸線に沿って配設され、下端側にインペラを取り付けた回転軸と、
前記ベンド管の上方に配設され、前記回転軸を回転駆動させるモータとを備え、
前記揚水管の上端と前記ベンド管の一端に、前記揚水管の軸方向に沿って移動可能に嵌合して接続する嵌合接続部を設けたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】
前記揚水管の軸方向に沿った前記ベンド管の上側部に、前記インペラと一緒に前記回転軸を取出可能な開口部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の立軸ポンプ。
【請求項3】
前記モータのモータケーシングに対して前記回転軸を軸方向に沿って移動可能に配設するとともに、所定位置で前記モータケーシングに対して前記回転軸を移動不可能に固定保持する保持機構を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の立軸ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−76380(P2013−76380A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217241(P2011−217241)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000152170)株式会社酉島製作所 (89)
【Fターム(参考)】