端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法
【課題】材料コストを低減しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることが可能な端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法を提供する。
【解決手段】この端子原板では、複数の第1展開部2がそれぞれキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともにキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられ、複数の第2展開部3がそれぞれキャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっている。そして、連結部4は、この連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。
【解決手段】この端子原板では、複数の第1展開部2がそれぞれキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともにキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられ、複数の第2展開部3がそれぞれキャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっている。そして、連結部4は、この連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の端子が帯状のキャリアの長手方向に沿って所定間隔で連続して配列された連続端子及びその製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された従来の連続端子の製造方法では、2本の連続端子を一体化することにより1本の連続端子を作製している。この連続端子の製造方法では、2本の連続端子のそれぞれに含まれる端子がキャリアの長手方向に沿って交互に並ぶように2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねるとともにそのキャリア部分を相互に溶着して一体化することにより1本の連続端子を作製している。この連続端子の製造方法では、隣り合う端子を互いに接近させて配置することができるので、隣り合う端子間の間隔の小さい連続端子を作製することができる。
【0004】
そして、この製造方法により作製された従来の連続端子では、隣り合う端子間の間隔が小さいことに起因して、単位長さ当たりに含まれる端子の数を増加させることができる。これにより、作製された所定長さの連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際に1つのリールで多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。このため、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることが可能である。
【特許文献1】特開2000−150106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の連続端子では、この連続端子を構成する2本の連続端子のキャリア部分が重ねて溶着されていることに起因してキャリア部分が2重となっている。このため、電線への端子の圧着後には不要な部分として廃棄されるキャリア部分に多くの材料が費やされるので、材料コストが増大するという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、材料コストを低減しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることが可能な端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の端子原板は、所定方向へ延びるキャリアと、第1端子の展開形状をもつ複数の第1展開部と、第2端子の展開形状をもつ複数の第2展開部とを一体に有している。そして、複数の第1展開部は、それぞれキャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともにキャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられ、複数の第2展開部は、それぞれキャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部間に対応する位置に連結部を介して繋がり、連結部は、この連結部を折り返すことによりキャリアを跨いで第2展開部からなる第2端子を第1展開部側に配置可能な長さを有している。
【0008】
この端子原板では、複数の第2展開部がそれぞれキャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部間に対応する位置に連結部を介して繋がるとともに、連結部がこの連結部を折り返すことによりキャリアを跨いで第2展開部からなる第2端子を第1展開部側に配置可能な長さを有しているので、第2展開部からなる第2端子を連結部においてキャリアの幅方向の一方端側へ折り返すことにより第1展開部から形成した隣り合う第1端子間の間隙に配置することができる。なお、第1展開部と第2展開部とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部と第2展開部とがキャリアを挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部と第2展開部とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子と第2端子とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子を第1端子側に折り返すことで第1端子と第2端子とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。さらに、この端子原板では、複数の第1展開部がキャリアの幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2展開部が連結部を介してそのキャリアの幅方向の他方端側に繋がっているので、複数の第1展開部から複数の第1端子を形成するとともに複数の第2展開部から複数の第2端子を形成することによって複数の第1端子及び複数の第2端子が単一のキャリアに繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0009】
本発明の連続端子は、上記端子原板を用いて形成された連続端子であることを前提として、キャリアと、キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともにキャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられた複数の第1端子と、キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に連結部を介して繋がるとともにその連結部においてキャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に折り返され、隣り合う第1端子間に配置された第2端子とを一体に有する。
【0010】
この連続端子では、上記端子原板と同様に各第1展開部からそれぞれ第1端子を形成することによって隣り合う第1展開部間の間隙から拡大した第1端子間の間隙が第2端子で埋められているので、キャリアの長手方向に沿って各端子を小さい間隔で配列することができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻かれた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。これにより、電線への端子の圧着作業時に端子を供給する連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができるので、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。さらに、この連続端子では、第1端子がキャリアの幅方向の一方端側に繋がっているとともに、第2端子が連結部を介してそのキャリアの幅方向の他方端側に繋がっているので、上記端子原板と同様、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0011】
上記連続端子において、キャリアは、幅方向の一方端側の第2端子に対応する位置に設けられた第1凹部を有し、連結部は、キャリアの幅方向の一方端側に折り返された状態で第1凹部と係合する係合部を有し、係合部と第1凹部とが係合することにより隣り合う第1端子間における第2端子の位置が固定されるのが好ましい。このように構成すれば、第2端子を連結部においてキャリアの幅方向の一方端側に折り返したときに第2端子を隣り合う第1端子間の位置で確実に固定することができる。
【0012】
上記連続端子において、連結部は、キャリアの幅方向の他方端側から幅方向の一方端側へキャリア上に重なるように折り返された第1連結部と、一方端部が第1連結部に繋がるとともに他方端部が第2端子に繋がり、その他方端部が一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部とを含むのが好ましい。このように構成すれば、キャリア上に重なるように折り返された第1連結部に繋がる第2連結部の一方端部の下側に第2連結部の他方端部を配置することができるので、第2連結部の他方端部をキャリアと同じ高さ位置に配置することができる。これにより、第2連結部の他方端部に繋がる第2端子とキャリアに繋がる第1端子とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子の高さ位置と第2端子の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子及び第2端子の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0013】
この場合において、キャリアは、幅方向の一方端側の第2端子に対応する位置に設けられた第2凹部を有し、折り重ねられた第2連結部は、凹部内に収容されているのが好ましい。このように構成すれば、折り重ねられた第2連結部をキャリアの幅方向の一方端側に設けられた凹部内に収容して、第2連結部に対する第2端子の結合位置をキャリアの幅方向の一方端側に対する第1端子の結合位置と揃えることができる。これにより、第1端子のキャリアからの位置と第2端子のキャリアからの位置とを揃えることができるので、第1端子及び第2端子のキャリアからの位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0014】
本発明による連続端子の製造方法は、上記端子原板を単一の金属板から打ち抜く工程と、複数の第1展開部を用いてキャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がる複数の第1端子をキャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成するとともに、複数の第2展開部を用いてキャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に連結部を介して繋がる複数の第2端子をキャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成する工程と、連結部において第2端子をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返すとともに、隣り合う第1端子間に第2端子を配置する工程とを備えている。
【0015】
この連続端子の製造方法では、キャリアの幅方向の一方端側に繋がる隣り合う第1端子間にキャリアの幅方向の他方端側から第2端子を折り返して配置するので、各第1展開部からそれぞれ第1端子を形成することによって隣り合う第1展開部間の間隙から拡大する第1端子間の間隙を第2端子で埋めることができる。なお、第1展開部と第2展開部とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部と第2展開部とがキャリアを挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部と第2展開部とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子と第2端子とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子を第1端子側に折り返すことで第1端子と第2端子とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。さらに、この連続端子の製造方法では、複数の第1端子をキャリアの幅方向の一方端側に繋がるように形成するとともに、複数の第2端子を連結部を介してそのキャリアの幅方向の他方端側に繋がるように形成しているので、複数の第1端子及び複数の第2端子が単一のキャリアに繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0016】
上記連続端子の製造方法において、第1端子及び第2端子は、単一の金型内で実質的に同時に形成するのが好ましい。このように構成すれば、第1端子及び第2端子を別個の金型内でそれぞれ形成する場合に比べて、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0017】
上記連続端子の製造方法において、キャリアの幅方向の一方端側に第1端子を形成するとともにキャリアの幅方向の他方端側に第2端子を形成する工程と、第2端子をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返す工程とは、連続した一連の工程内で行われるのが好ましい。このように構成すれば、第1端子及び第2端子を形成する工程と、第2端子をキャリアの第1端子側へ折り返す工程とが繋がりのない別個の工程として行われる場合と異なり、キャリアの幅方向の両端側に第1端子と第2端子とをそれぞれ形成した後、このキャリアに繋がる第1端子及び第2端子を第2端子を折り返すための装置へ移す作業等が不要となり、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0018】
上記連続端子の製造方法において、キャリアの幅方向の他方端側に連結部を介して繋がる第2端子を形成する工程は、キャリアからその長手方向と略直交する方向に第1連結部を延設するとともに、第1連結部のキャリアと反対側の端部からキャリアの長手方向と略平行に第2端子に繋がる第2連結部を延設する工程を含み、連結部において第2端子をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返す工程は、第2連結部の第1連結部側の端部上に第2端子に繋がる端部が重なるように第2連結部を折り重ね、その後、第1連結部がキャリア上に重なるように第2端子及び第1連結部をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返す工程を含むのが好ましい。このように構成すれば、キャリア上に重なるように折り返した第1連結部に繋がる第2連結部の一方の端部の下側に第2連結部の第2端子に繋がる他方の端部を配置することができるので、第2連結部の第2端子に繋がる端部をキャリアと同じ高さ位置に配置することができる。これにより、第2連結部に繋がる第2端子とキャリアに繋がる第1端子とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子の高さ位置と第2端子の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子及び第2端子の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明による端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法では、材料コストを低減しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による端子原板の構成について説明する。
【0022】
第1実施形態による端子原板は、図1に示すように、単一のキャリア1と、第1展開部2と、第2展開部3と、連結部4とを一体に有しており、単一の金属板からの打ち抜き加工により形成されるものである。
【0023】
キャリア1は、所定方向へ延びる帯状に形成されている。このキャリア1には、その長手方向に沿って所定間隔で貫通孔1aが設けられている。また、キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側には、複数対の凹部1b(第1凹部)が設けられている。各対の凹部1b,1bは、キャリア1の長手方向において隣り合う上記貫通孔1a間の領域に設けられており、1対の凹部1b,1bを構成する各凹部1bはその領域内においてキャリア1の長手方向に所定間隔を隔てて設けられている。
【0024】
上記第1展開部2は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、第1展開部2は、キャリア1の長手方向に対して直交する方向に延びている。この第1展開部2は、後述する連続端子の第1端子20の展開形状を有している。また、第1展開部2は、接続部展開部2aと、ワイヤバレル展開部2bと、インシュレーションバレル展開部2cとを備えている。
【0025】
接続部展開部2aは、後述する第1端子20の接続部20aの展開形状を有しており、第1展開部2のキャリア1と反対側の端部から第1展開部2の長手方向中央部辺りまでの領域に設けられている。また、ワイヤバレル展開部2bは、後述する第1端子20のワイヤバレル20bの展開形状を有しており、接続部展開部2aのキャリア1側に設けられている。このワイヤバレル展開部2bは、キャリア1の長手方向に沿って第1展開部2の左右両側に突設された一対の圧着片2d,2dを有している。また、ワイヤバレル展開部2bは、その上方に突出するとともにキャリア1の長手方向に沿って延びる3本の突起部2eを有している。この3本の突起部2eは、キャリア1の長手方向に直交する方向に所定間隔で設けられている。
【0026】
インシュレーションバレル展開部2cは、後述する第1端子20のインシュレーションバレル20cの展開形状を有しており、ワイヤバレル展開部2bのキャリア1側に設けられている。このインシュレーションバレル展開部2cは、キャリア1の長手方向に沿って第1展開部2の左右両側に突設された一対の圧着片2f,2fを有している。
【0027】
上記第2展開部3は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側、すなわちキャリア1の幅方向の上記第1展開部2と反対側の端部に上記連結部4を介して繋がっている。そして、第2展開部3は、このキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介してそれぞれ繋がっている。また、第2展開部3は、キャリア1の長手方向に対して直交する方向に延びており、後述する連続端子の第2端子30の展開形状を有している。また、第2展開部3は、上記第1展開部2をキャリア1に対して反転させた形状を有する。
【0028】
第2展開部3は、上記第1展開部2の接続部展開部2a、ワイヤバレル展開部2b、インシュレーションバレル展開部2c、圧着片2d、突起部2e及び圧着片2fと同様の構成の接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b、インシュレーションバレル展開部3c、圧着片3d、突起部3e及び圧着片3fを有している。接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b及びインシュレーションバレル展開部3cは、それぞれ後述する第2端子30の接続部30a、ワイヤバレル30b及びインシュレーションバレル30cの展開形状を有している。また、ワイヤバレル展開部3bに設けられた突起部3eは、第2展開部3の下側に突出している。
【0029】
上記連結部4は、第2展開部3をキャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結するものである。また、この連結位置は、キャリア1の一対の凹部1b,1b間に対応する位置である。また、連結部4は、この連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる後述する第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。そして、連結部4は、キャリア1の一対の凹部1b,1bにそれぞれ係合可能な形状を有する一対の係合部4a,4aを有している。この係合部4aは、キャリア1の長手方向に沿って連結部4の左右両側に延設された後、キャリア1の長手方向と直交する方向で第2展開部3側に屈曲している。係合部4a,4aのこの屈曲した部分が上記一対の凹部1b,1bにそれぞれ対応する位置に配置されている。
【0030】
以上のように、第1実施形態による端子原板では、第2展開部3が第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側と反対側の他方端側に設けられているとともに、この他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっているので、第2展開部3から形成する後述する第2端子30を連結部4においてキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返すことにより第1展開部2から形成する後述する隣り合う第1端子20間の間隙に配置することができる。なお、第1展開部2と第2展開部3とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部2と第2展開部3とがキャリア1を挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部2と第2展開部3とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子20と第2端子30とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子20を第1端子30側に折り返すことで第1端子20と第2端子30とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
【0031】
また、第1実施形態による端子原板では、複数の第1展開部2がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2展開部3が連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がっているので、複数の第1展開部2から複数の第1端子20を形成するとともに複数の第2展開部3から複数の第2端子30を形成することによって複数の第1端子20及び複数の第2端子30が単一のキャリア1に繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。図3は、図2に示した連続端子を矢印III方向から見た側面図、図4は、図2に示した連続端子のIV−IV線に沿った断面図である。次に、図2〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による連続端子の構成について説明する。
【0033】
この第1実施形態による連続端子は、上記端子原板を用いて形成されたものであり、上記端子原板の各部を曲げ加工することによって形成されている。この連続端子は、図2に示すように、キャリア1と、第1端子20と、第2端子30と、連結部4とを一体に有している。キャリア1は、上記端子原板のキャリア1(図1参照)と同様の構成を有している。このキャリア1は、複数の上記第1端子20及び複数の上記第2端子30を相互に連結して一連の連続した端子群として構成するものである。
【0034】
また、キャリア1は、上記端子原板のキャリア1と同様の貫通孔1aを有しており、この第1実施形態による連続端子を用いて電線に第1端子20及び第2端子30を圧着する際に圧着機の送り機構がこの貫通孔1aの部分を引掛けて連続端子を引っ張ることによって第1端子20及び第2端子30を順番に電線への圧着部へ供給するようになっている。なお、キャリア1は、第1端子20及び第2端子30が電線に圧着された後は廃棄される部分である。また、キャリア1は、上記端子原板と同様の複数対の凹部1b,1b(第1凹部)も有している。
【0035】
上記第1端子20は、上記端子原板の第1展開部2(図1参照)を曲げ加工することにより形成されている。この第1端子20は、被覆電線に圧着されるとともにコネクタのハウジングに装着され、そのコネクタと相手側のコネクタとが嵌合したときに相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るものである。第1端子20は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、第1端子20は、キャリア1の長手方向と直交する方向に延びている。そして、第1端子20は、接続部20aと、ワイヤバレル20bと、インシュレーションバレル20cとを有している。
【0036】
接続部20aは、上記端子原板の接続部展開部2aを曲げ加工することにより形成されており、第1端子20のキャリア1と反対側の端部から第1端子20の長手方向中央部辺りまでの領域に設けられている。この接続部20aは、上記相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るための部分である。
【0037】
ワイヤバレル20bは、上記端子原板のワイヤバレル展開部2bを曲げ加工することにより形成され、接続部20aのキャリア1側に設けられている。このワイヤバレル20bは、図3に示すように、上側に開口する断面U字形状を有しており、被覆電線の導線部に圧着される部分である。このワイヤバレル20bは、キャリア1の長手方向に所定間隔を隔てて配置された一対の圧着片20d,20dを有しており、この一対の圧着片20d,20dは、上記端子原板の一対の圧着片2d,2dが曲げ起こされた部分である。第1端子20の被覆電線への圧着時には、この一対の圧着片20d,20d間に被覆電線の導線部がセットされるとともに、その導線部に対して一対の圧着片20d,20dをかしめることによって被覆電線の導線部がワイヤバレル20bで保持されるようになっている。
【0038】
また、ワイヤバレル20bの内側面にはワイヤバレル20bの内側へ突出する3つの突起部20eが設けられている。この3つの突起部20eは、上記端子原板の3つの突起部2eに対応する部分であり、キャリア1の長手方向と直交する方向に所定間隔で設けられている。ワイヤバレル20bが上記被覆電線の導線部に圧着される際、この突起部20eは導線部に食い込んで導線部がワイヤバレル20bから抜けにくくするとともに導線部とワイヤバレル20bとの電気的な接続を確実にする。
【0039】
インシュレーションバレル20cは、上記端子原板のインシュレーションバレル展開部2cを曲げ加工することにより形成され、ワイヤバレル20bのキャリア1側に設けられている。このインシュレーションバレル20cは、図3に示すように、上側に開口する断面U字形状を有しており、被覆電線の被覆部に圧着される部分である。このインシュレーションバレル20cは、キャリア1の長手方向に所定間隔で配置された一対の圧着片20f,20fを有しており、この一対の圧着片20f,20fは、上記端子原板の一対の圧着片2f,2fが曲げ起こされた部分である。第1端子20の被覆電線への圧着時には、この一対の圧着片20f,20f間に被覆電線の被覆部がセットされるとともに、その被覆部に対して一対の圧着片20f,20fをかしめることによって被覆電線の被覆部がインシュレーションバレル20cで保持されるようになっている。
【0040】
上記第2端子30は、上記端子原板の第2展開部3(図1参照)を曲げ加工することにより形成されている。この第2端子30は、上記第1端子20と同様の機能を有しており、被覆電線に圧着されるとともに相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るものである。第2端子30は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側、すなわちキャリア1の幅方向の上記第1端子20と反対側の端部に上記連結部4を介して繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。
【0041】
そして、図4に示すように、連結部4のキャリア1に対する結合部近傍において、第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の他方端側から一方端側(第1端子20側)へ連結部4がキャリア1上に重なるように折り返されている。これにより、隣り合う第1端子20間に第2端子30がそれぞれ配置されている。したがって、この第1実施形態による連続端子では、キャリア1の長手方向に沿ってこのキャリア1に共に繋がる第1端子20及び第2端子30が交互に配置されている。なお、この第1実施形態による連続端子では、図3に示すように、第2端子30が第1端子20に比べて連結部4の厚みの分だけ上方に位置している。
【0042】
第2端子30は、上記第1端子20の接続部20a、ワイヤバレル20b、インシュレーションバレル20c、圧着片20d、突起部20e及び圧着片20fと同様の構成及び機能を有する接続部30a、ワイヤバレル30b、インシュレーションバレル30c、圧着片30d、突起部30e及び圧着片30fを備えている。この接続部30a、ワイヤバレル30b及びインシュレーションバレル30cは、上記端子原板の接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b及びインシュレーションバレル展開部3cをそれぞれ曲げ加工することにより形成されている。
【0043】
また、連結部4は、上記端子原板の連結部4と同様、左右両側へ突出する一対の係合部4a,4aを有している。上記のように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返された状態でこの一対の係合部4a,4aがキャリア1の一対の凹部1b,1bに係合することによって、隣り合う第1端子20間における第2端子30の位置が固定されている。この際、係合部4aのキャリア1の長手方向に平行な部分から垂直に屈曲された部分が凹部1bに対して係合しており、この係合部4aの屈曲した部分は、その先端部側がキャリア1の下面に当接するように折り返されることによってキャリア1の凹部1bと強固に結合されている。
【0044】
以上のように、第1実施形態による連続端子では、上記端子原板と同様、各第1展開部2からそれぞれ第1端子20を形成することによって隣り合う第1展開部2間の間隙から拡大した第1端子20間の間隙が第2端子30で埋められているので、キャリア1の長手方向に沿って各端子を小さい間隔で配列することができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻かれた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。これにより、電線への端子の圧着作業時に端子を供給する連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができるので、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
【0045】
また、第1実施形態による連続端子では、複数の第1端子20がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2端子30が連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がっているので、上記端子原板と同様、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0046】
また、第1実施形態による連続端子では、第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側に折り返された状態で、連結部4の係合部4a,4aとキャリア1の凹部1b,1bとが係合することにより隣り合う第1端子20間における第2端子30の位置が固定されるので、第2端子30を連結部4においてキャリア1の幅方向の一方端側に折り返したときに第2端子30を隣り合う第1端子20間の位置で確実に固定することができる。
【0047】
図5は、本発明による連続端子の製造方法に用いる製造ラインの構成を示した概略図である。図6〜図8は、本発明の第1実施形態による連続端子の製造プロセスを説明するための図である。次に、図1〜図8を参照して、第1実施形態による連続端子の製造方法について説明する。
【0048】
この第1実施形態による連続端子の製造方法では、図5に示すような製造ラインを用いて連続した一連の工程で連続端子を作製する。この製造ラインは、端子原板を作製する打ち抜き部201と、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3から第1端子20及び第2端子30を成形する端子成形部202と、第2端子30を第1端子20側に折り返す反転部203と、作製された連続端子をリールに巻き取る巻取り部204とを備えている。
【0049】
この製造ラインにおいて、まず、端子原板及び連続端子の材料となる長尺で幅広の金属薄板100(金属板)がその長手方向に沿って順次打ち抜き部201に送り込まれる。そして、打ち抜き部201において金属薄板100の打ち抜き加工が行われることにより図1に示した第1実施形態による端子原板が作製される。そして、作製された端子原板は順次端子成形部202に送り込まれる。
【0050】
端子成形部202では、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3の曲げ加工が行われる。この際、第1展開部2から第1端子20が形成されるとともに第2展開部3から第2端子30が形成されることによって、図6〜図7に示すような構造が形成される。この端子成形部202による加工後の構造では、複数の第1端子20がキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側にキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられている一方、複数の第2端子30がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1端子20間に対応する位置に連結部4を介してそれぞれ設けられている。この状態では、第1端子20と第2端子30とは、キャリア1に対して互いに反転した向きで設けられている。
【0051】
なお、製造ラインの端子成形部202は単一の金型を有しており、この単一の金型内で上記第1展開部2及び第2展開部3がプレスされることにより第1端子20及び第2端子30が同時に形成される。この際、具体的には、第1展開部2の接続部展開部2aから接続部20aが形成されるとともに、第1展開部2のワイヤバレル展開部2bから断面U字形状のワイヤバレル20bが形成される。また、第1展開部2のインシュレーションバレル展開部2cから断面U字形状のインシュレーションバレル20cが形成される。
【0052】
次に、反転部203において、上記のように形成された第2端子30が第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。この際、具体的には、連結部4のキャリア1の幅方向の他方端側に対する結合部近傍の領域を折り目として連結部4がキャリア1上に重なるように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。また、この際、同時に連結部4の一対の係合部4a,4aの先端部がキャリア1の下面側に折り返されるとともに、この係合部4a,4aとキャリア1の一対の凹部1b,1bとが係合する。なお、上記反転部203と上記端子成形部202とは1つの装置内に設けられており、端子成形部202における第1端子20及び第2端子30の形成と反転部203における第2端子30の折り返しとは連続した一連の工程内で行われる。上記のようにして図2〜図4に示した第1実施形態による連続端子が作製され、この後、その連続端子が巻取り部204において順次リールに巻き取られる。
【0053】
以上のように、第1実施形態による連続端子の製造方法では、キャリア1の幅方向の一方端側に繋がる複数の第1展開部2から複数の第1端子20を形成するとともにキャリア1の幅方向の他方端側に連結部4を介して繋がる複数の第2展開部3から複数の第2端子30を形成した後、隣り合う第1端子20間にキャリア1の幅方向の他方端側から第2端子30を折り返して配置することができるので、上記端子原板及び連続端子と同様、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0054】
また、第1実施形態による連続端子の製造方法では、複数の第1展開部2から複数の第1端子20をキャリア1の幅方向の一方端側に繋がるように形成するとともに、複数の第2展開部3から複数の第2端子30を連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がるように形成することができるので、上記端子原板及び連続端子と同様、材料コストの増大を抑制することができるという効果を得ることができる。
【0055】
また、第1実施形態による連続端子の製造方法では、第1端子20及び第2端子30は、端子成形部202の単一の金型内で同時に形成するので、第1端子20及び第2端子30を別個の金型内でそれぞれ形成する場合に比べて、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0056】
また、第1実施形態による連続端子の製造方法では、端子成形部202においてキャリア1の幅方向の一方端側に第1端子20を形成するとともにキャリア1の幅方向の他方端側に第2端子30を形成する工程と、反転部203において第2端子をキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返す工程とが連続した一連の工程内で行われるので、第1端子20及び第2端子30を形成する工程と、第2端子30をキャリア1の第1端子20側へ折り返す工程とが繋がりのない別個の工程として行われる場合と異なり、第1端子20及び第2端子30を形成した後、キャリア1に繋がった第1端子20及び第2端子30を第2端子30を折り返すための装置へ移す作業等が不要となり、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0057】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による端子原板の構成について説明する。
【0058】
この第2実施形態による端子原板は、上記第1実施形態と異なり、第2展開部3が屈曲した連結部4を介してキャリア1に繋がっているとともに、隣り合う第1展開部2間に対応する位置からキャリア1の長手方向に所定距離だけずれた位置に第2展開部3が配置されている。
【0059】
具体的には、この第2実施形態による端子原板では、連結部4は第1連結部4b及び4cからなる。第1連結部4bは、第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側と反対側、すなわち、キャリア1の幅方向の他方端側に結合している。また、第1連結部4bは、このキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に結合するとともに、キャリア1の長手方向と直交する方向に延設されている。そして、第1連結部4bは、この第1連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。
【0060】
第2連結部4cは、第1連結部4bのキャリア1と反対側の端部からキャリア1の長手方向と平行に延設されており、この部分で連結部4が直角に屈曲している。この第2連結部4cの第1連結部4bと反対側の端部には、第2展開部3が結合している。第2展開部3は、この第2連結部4cの端部からキャリア1の長手方向と直交する方向に延びている。このように、第2展開部3は、第1連結部4bと第2連結部4cとの結合部で直角に屈曲した連結部4を介してキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に繋がっているとともに、その第1展開部2間に対応する位置から第2連結部4cの長さ分だけずれた位置に配置されている。また、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、第2展開部3は第1展開部2を180°回転させた形状を有している。
【0061】
また、第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側には、上記第1実施形態による複数対の凹部1b,1bの代わりに複数の凹部1c(第2凹部)が設けられている。この複数の凹部1cは、上記第1連結部4bのキャリア1への結合位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。第2実施形態による端子原板の上記以外の構成は、上記第1実施形態による端子原板の構成と同様である。
【0062】
以上のように、第2実施形態による端子原板では、複数の第1展開部2がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がるとともに、第2展開部3がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっているので、上記第1実施形態による端子原板と同様、材料コストの増大を抑制しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0063】
図10は、本発明の第2実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。図11は、図10に示した連続端子を矢印XI方向から見た側面図であり、図12は、図10に示した連続端子のXII−XII線に沿った断面図である。次に、図9〜図12を参照して、本発明の第2実施形態による連続端子の構成について説明する。
【0064】
この第2実施形態による連続端子は、上記第1実施形態による連続端子と連結部4の部分が異なっている。具体的には、この第2実施形態による連続端子は、図9に示した第2実施形態による端子原板を曲げ加工することにより形成されるものであり、この連続端子の連結部4は、上記端子原板の連結部4と同様、第1連結部4b及び第2連結部4cを有している。この連続端子の第1連結部4bは、図12に示すように、上記端子原板の第1連結部4b(図9参照)がキャリア1上に重なるようにキャリア1への結合部近傍の領域を折り目として第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返されたものである。
【0065】
また、この第2実施形態による連続端子の第2連結部4cは、図9に示した端子原板の第2連結部4cが曲げ加工により折り重ねられたものである。この連続端子の第2連結部4cは、長手方向の一方端部が第1連結部4bに繋がるとともに長手方向の他方端部が第2端子30に繋がっている。そして、第2連結部4cは、この長手方向の他方端部が長手方向の一方端部の下面上に重なるように折り重ねられている。これにより、第2端子30の第2連結部4cとの結合部は、第2連結部4cの板厚分だけキャリア1上に重なる第1連結部4bの下方に位置するので、キャリア1と同じ高さ位置に配置される。このため、第2実施形態では、図11に示すように、第2端子30がキャリア1に直接繋がる第1端子20と同じ高さ位置に配置されている。
【0066】
また、第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側には、図9に示した端子原板と同様の複数の凹部1c(第2凹部)が設けられている。この複数の凹部1cは、キャリア1の幅方向の一方端側の第2端子30に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、この凹部1c内に上記の折り重ねられた第2連結部4cが収容されている。これにより、第2端子30の第2連結部4cへの結合部が、第1端子20が結合するキャリア1の幅方向の一方端側の縁部近傍に配置される。このため、第2端子30の第2連結部4cへの結合位置と、第1端子20のキャリア1への結合位置とが揃うので、キャリア1の長手方向に沿って配列された複数の第1端子20及び複数の第2端子30のキャリア1からの距離が揃うように配置されている。
【0067】
第2実施形態による連続端子の上記以外の構成は、上記第1実施形態による連続端子の構成と同様である。
【0068】
以上のように、第2実施形態による連続端子では、連結部4がキャリア1の幅方向の他方端側から幅方向の一方端側へキャリア1上に重なるように折り返された第1連結部4bと、一方端部が第1連結部4bに繋がるとともに他方端部が第2端子30に繋がり、その他方端部が一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部4cとを含むので、キャリア1上に重なるように折り返された第1連結部4bに繋がる第2連結部4cの一方端部の下側に第2連結部4cの他方端部を配置することができる。これにより、第2連結部4cの他方端部をキャリア1と同じ高さ位置に配置することができるので、第2連結部4cの他方端部に繋がる第2端子30とキャリア1に繋がる第1端子20とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子20の高さ位置と第2端子30の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子20及び第2端子30の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0069】
また、第2実施形態による連続端子では、キャリア1の幅方向の一方端側の第2端子30に対応する位置に設けられた凹部1c内に折り重ねられた第2連結部4cが収容されているので、第2連結部4cに対する第2端子30の結合位置をキャリア1の幅方向の一方端側に対する第1端子20の結合位置と揃えることができる。これにより、第1端子20のキャリア1からの位置と第2端子30のキャリア1からの位置とを揃えることができるので、第1端子20及び第2端子30のキャリア1からの位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0070】
第2実施形態による連続端子の上記以外の効果は、上記第1実施形態による連続端子の効果と同様である。
【0071】
図13〜図18は、本発明の第2実施形態による連続端子の製造方法を説明するための図である。次に、図5及び図9〜図18を参照して、本発明の第2実施形態による連続端子の製造方法について説明する。
【0072】
この第2実施形態による連続端子の製造方法では、図5に示した上記第1実施形態と同様の製造ラインを用いて連続端子を作製する。具体的には、製造ラインの打ち抜き部201により金属薄板100を打ち抜き加工することによって図9に示した第2実施形態による端子原板を作製する。
【0073】
そして、その端子原板が順次端子成形部202に送り込まれるとともに、端子成形部202において、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3の曲げ加工が行われる。この際、第1展開部2から第1端子20が形成されるとともに第2展開部3から第2端子30が形成されることによって、図13〜図15に示すような構造が形成される。この端子成形部202による加工後の構造では、複数の第1端子20がキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側にキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられる一方、複数の第2端子30がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1端子20間に対応する位置に連結部4を介して繋がっている。
【0074】
そして、第2端子30は、連結部4の第2連結部4cの長さ分だけ第1連結部4bがキャリア1に繋がった位置からキャリア1の長手方向に沿ってずれた位置に配置される。また、この状態において第1端子20と第2端子30とは、上記第1実施形態と異なり共に上向きに配置されている。
【0075】
この後、第2実施形態では上記第1実施形態と異なり、反転部203において第2連結部4cの第1連結部4b側の端部上にその第2連結部4cの第2端子30側の端部が重なるように第2連結部4cが折り重ねられることによって第2端子30が反転される。これにより、図16〜図18に示すような構造が形成される。この構造では、第1連結部4bの延長線上に第2端子30が位置する。すなわち、第2端子30は、隣り合う第1端子20間の中心位置に対応する位置に配置される。また、この状態では、第2端子30が第1端子20をキャリア1に対して反転させた形状を有している。
【0076】
そして、この状態から反転部203において、第2端子30が第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。この際、具体的には、第1連結部4bのキャリア1の幅方向の他方端側に対する結合部近傍の領域を折り目として第1連結部4bがキャリア1上に重なるように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。また、この際、折り重ねられた第2連結部4cがキャリア1の幅方向の一方端側に設けられた凹部1c内に収容される。上記のようにして図10〜図11に示した第2実施形態による連続端子が作製され、この後、その連続端子が巻取り部204において順次リールに巻き取られる。第2実施形態による連続端子の製造方法の上記以外の構成は、上記第1実施形態による連続端子の製造方法と同様である。
【0077】
以上のように、第2実施形態による連続端子の製造方法では、第2連結部4cの第1連結部4b側の端部上にその第2連結部4cの第2端子30に繋がる端部が重なるように第2連結部4cを折り重ね、その後、第1連結部4bがキャリア1上に重なるように第2端子30及び第1連結部4bをキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返すので、上記第2実施形態による端子原板及び連続端子と同様、第1端子20の高さ位置と第2端子30の高さ位置とがばらつくのを抑制することができる。その結果、第1端子20及び第2端子30の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0078】
第2実施形態による連続端子の製造方法の上記以外の効果は、上記第1実施形態による連続端子の製造方法の効果と同様である。
【0079】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。
【図3】図2に示した連続端子を矢印III方向から見た側面図である。
【図4】図2に示した連続端子のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】本発明による連続端子の製造方法に用いる製造ラインの構成を示した概略図である。
【図6】本発明の第1実施形態による連続端子の製造プロセスにおいて端子成形部で第1端子及び第2端子を形成した後の状態の連続端子を示した上面図である。
【図7】図6に示した連続端子を矢印VII方向から見た側面図である。
【図8】図6に示した連続端子のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による連続端子の構成を示した正面図である。
【図11】図10に示した連続端子を矢印XI方向から見た側面図である。
【図12】図10に示した連続端子のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による連続端子の製造プロセスにおいて端子成形部で第1端子及び第2端子を形成した後の状態の連続端子を示した上面図である。
【図14】図13に示した連続端子を矢印XIV方向から見た側面図である。
【図15】図13に示した連続端子のXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】本発明の第2実施形態による連続端子の製造プロセスにおいて反転部で第2端子を第1端子側へ折り返す前の状態の連続端子を示した上面図である。
【図17】図16に示した連続端子を矢印XVII方向から見た側面図である。
【図18】図16に示した連続端子のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 キャリア
1b 凹部(第1凹部)
1c 凹部(第2凹部)
2 第1展開部
3 第2展開部
4 連結部
4a 係合部
4b 第1連結部
4c 第2連結部
20 第1端子
30 第2端子
100 金属薄板(金属板)
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の端子が帯状のキャリアの長手方向に沿って所定間隔で連続して配列された連続端子及びその製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された従来の連続端子の製造方法では、2本の連続端子を一体化することにより1本の連続端子を作製している。この連続端子の製造方法では、2本の連続端子のそれぞれに含まれる端子がキャリアの長手方向に沿って交互に並ぶように2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねるとともにそのキャリア部分を相互に溶着して一体化することにより1本の連続端子を作製している。この連続端子の製造方法では、隣り合う端子を互いに接近させて配置することができるので、隣り合う端子間の間隔の小さい連続端子を作製することができる。
【0004】
そして、この製造方法により作製された従来の連続端子では、隣り合う端子間の間隔が小さいことに起因して、単位長さ当たりに含まれる端子の数を増加させることができる。これにより、作製された所定長さの連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際に1つのリールで多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。このため、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることが可能である。
【特許文献1】特開2000−150106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の連続端子では、この連続端子を構成する2本の連続端子のキャリア部分が重ねて溶着されていることに起因してキャリア部分が2重となっている。このため、電線への端子の圧着後には不要な部分として廃棄されるキャリア部分に多くの材料が費やされるので、材料コストが増大するという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、材料コストを低減しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることが可能な端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の端子原板は、所定方向へ延びるキャリアと、第1端子の展開形状をもつ複数の第1展開部と、第2端子の展開形状をもつ複数の第2展開部とを一体に有している。そして、複数の第1展開部は、それぞれキャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともにキャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられ、複数の第2展開部は、それぞれキャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部間に対応する位置に連結部を介して繋がり、連結部は、この連結部を折り返すことによりキャリアを跨いで第2展開部からなる第2端子を第1展開部側に配置可能な長さを有している。
【0008】
この端子原板では、複数の第2展開部がそれぞれキャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部間に対応する位置に連結部を介して繋がるとともに、連結部がこの連結部を折り返すことによりキャリアを跨いで第2展開部からなる第2端子を第1展開部側に配置可能な長さを有しているので、第2展開部からなる第2端子を連結部においてキャリアの幅方向の一方端側へ折り返すことにより第1展開部から形成した隣り合う第1端子間の間隙に配置することができる。なお、第1展開部と第2展開部とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部と第2展開部とがキャリアを挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部と第2展開部とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子と第2端子とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子を第1端子側に折り返すことで第1端子と第2端子とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。さらに、この端子原板では、複数の第1展開部がキャリアの幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2展開部が連結部を介してそのキャリアの幅方向の他方端側に繋がっているので、複数の第1展開部から複数の第1端子を形成するとともに複数の第2展開部から複数の第2端子を形成することによって複数の第1端子及び複数の第2端子が単一のキャリアに繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0009】
本発明の連続端子は、上記端子原板を用いて形成された連続端子であることを前提として、キャリアと、キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともにキャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられた複数の第1端子と、キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に連結部を介して繋がるとともにその連結部においてキャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に折り返され、隣り合う第1端子間に配置された第2端子とを一体に有する。
【0010】
この連続端子では、上記端子原板と同様に各第1展開部からそれぞれ第1端子を形成することによって隣り合う第1展開部間の間隙から拡大した第1端子間の間隙が第2端子で埋められているので、キャリアの長手方向に沿って各端子を小さい間隔で配列することができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻かれた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。これにより、電線への端子の圧着作業時に端子を供給する連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができるので、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。さらに、この連続端子では、第1端子がキャリアの幅方向の一方端側に繋がっているとともに、第2端子が連結部を介してそのキャリアの幅方向の他方端側に繋がっているので、上記端子原板と同様、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0011】
上記連続端子において、キャリアは、幅方向の一方端側の第2端子に対応する位置に設けられた第1凹部を有し、連結部は、キャリアの幅方向の一方端側に折り返された状態で第1凹部と係合する係合部を有し、係合部と第1凹部とが係合することにより隣り合う第1端子間における第2端子の位置が固定されるのが好ましい。このように構成すれば、第2端子を連結部においてキャリアの幅方向の一方端側に折り返したときに第2端子を隣り合う第1端子間の位置で確実に固定することができる。
【0012】
上記連続端子において、連結部は、キャリアの幅方向の他方端側から幅方向の一方端側へキャリア上に重なるように折り返された第1連結部と、一方端部が第1連結部に繋がるとともに他方端部が第2端子に繋がり、その他方端部が一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部とを含むのが好ましい。このように構成すれば、キャリア上に重なるように折り返された第1連結部に繋がる第2連結部の一方端部の下側に第2連結部の他方端部を配置することができるので、第2連結部の他方端部をキャリアと同じ高さ位置に配置することができる。これにより、第2連結部の他方端部に繋がる第2端子とキャリアに繋がる第1端子とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子の高さ位置と第2端子の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子及び第2端子の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0013】
この場合において、キャリアは、幅方向の一方端側の第2端子に対応する位置に設けられた第2凹部を有し、折り重ねられた第2連結部は、凹部内に収容されているのが好ましい。このように構成すれば、折り重ねられた第2連結部をキャリアの幅方向の一方端側に設けられた凹部内に収容して、第2連結部に対する第2端子の結合位置をキャリアの幅方向の一方端側に対する第1端子の結合位置と揃えることができる。これにより、第1端子のキャリアからの位置と第2端子のキャリアからの位置とを揃えることができるので、第1端子及び第2端子のキャリアからの位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0014】
本発明による連続端子の製造方法は、上記端子原板を単一の金属板から打ち抜く工程と、複数の第1展開部を用いてキャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がる複数の第1端子をキャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成するとともに、複数の第2展開部を用いてキャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に連結部を介して繋がる複数の第2端子をキャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成する工程と、連結部において第2端子をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返すとともに、隣り合う第1端子間に第2端子を配置する工程とを備えている。
【0015】
この連続端子の製造方法では、キャリアの幅方向の一方端側に繋がる隣り合う第1端子間にキャリアの幅方向の他方端側から第2端子を折り返して配置するので、各第1展開部からそれぞれ第1端子を形成することによって隣り合う第1展開部間の間隙から拡大する第1端子間の間隙を第2端子で埋めることができる。なお、第1展開部と第2展開部とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部と第2展開部とがキャリアを挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部と第2展開部とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子と第2端子とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子を第1端子側に折り返すことで第1端子と第2端子とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。さらに、この連続端子の製造方法では、複数の第1端子をキャリアの幅方向の一方端側に繋がるように形成するとともに、複数の第2端子を連結部を介してそのキャリアの幅方向の他方端側に繋がるように形成しているので、複数の第1端子及び複数の第2端子が単一のキャリアに繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0016】
上記連続端子の製造方法において、第1端子及び第2端子は、単一の金型内で実質的に同時に形成するのが好ましい。このように構成すれば、第1端子及び第2端子を別個の金型内でそれぞれ形成する場合に比べて、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0017】
上記連続端子の製造方法において、キャリアの幅方向の一方端側に第1端子を形成するとともにキャリアの幅方向の他方端側に第2端子を形成する工程と、第2端子をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返す工程とは、連続した一連の工程内で行われるのが好ましい。このように構成すれば、第1端子及び第2端子を形成する工程と、第2端子をキャリアの第1端子側へ折り返す工程とが繋がりのない別個の工程として行われる場合と異なり、キャリアの幅方向の両端側に第1端子と第2端子とをそれぞれ形成した後、このキャリアに繋がる第1端子及び第2端子を第2端子を折り返すための装置へ移す作業等が不要となり、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0018】
上記連続端子の製造方法において、キャリアの幅方向の他方端側に連結部を介して繋がる第2端子を形成する工程は、キャリアからその長手方向と略直交する方向に第1連結部を延設するとともに、第1連結部のキャリアと反対側の端部からキャリアの長手方向と略平行に第2端子に繋がる第2連結部を延設する工程を含み、連結部において第2端子をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返す工程は、第2連結部の第1連結部側の端部上に第2端子に繋がる端部が重なるように第2連結部を折り重ね、その後、第1連結部がキャリア上に重なるように第2端子及び第1連結部をキャリアの幅方向の一方端側へ折り返す工程を含むのが好ましい。このように構成すれば、キャリア上に重なるように折り返した第1連結部に繋がる第2連結部の一方の端部の下側に第2連結部の第2端子に繋がる他方の端部を配置することができるので、第2連結部の第2端子に繋がる端部をキャリアと同じ高さ位置に配置することができる。これにより、第2連結部に繋がる第2端子とキャリアに繋がる第1端子とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子の高さ位置と第2端子の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子及び第2端子の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明による端子原板、連続端子及び連続端子の製造方法では、材料コストを低減しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態による端子原板の構成について説明する。
【0022】
第1実施形態による端子原板は、図1に示すように、単一のキャリア1と、第1展開部2と、第2展開部3と、連結部4とを一体に有しており、単一の金属板からの打ち抜き加工により形成されるものである。
【0023】
キャリア1は、所定方向へ延びる帯状に形成されている。このキャリア1には、その長手方向に沿って所定間隔で貫通孔1aが設けられている。また、キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側には、複数対の凹部1b(第1凹部)が設けられている。各対の凹部1b,1bは、キャリア1の長手方向において隣り合う上記貫通孔1a間の領域に設けられており、1対の凹部1b,1bを構成する各凹部1bはその領域内においてキャリア1の長手方向に所定間隔を隔てて設けられている。
【0024】
上記第1展開部2は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、第1展開部2は、キャリア1の長手方向に対して直交する方向に延びている。この第1展開部2は、後述する連続端子の第1端子20の展開形状を有している。また、第1展開部2は、接続部展開部2aと、ワイヤバレル展開部2bと、インシュレーションバレル展開部2cとを備えている。
【0025】
接続部展開部2aは、後述する第1端子20の接続部20aの展開形状を有しており、第1展開部2のキャリア1と反対側の端部から第1展開部2の長手方向中央部辺りまでの領域に設けられている。また、ワイヤバレル展開部2bは、後述する第1端子20のワイヤバレル20bの展開形状を有しており、接続部展開部2aのキャリア1側に設けられている。このワイヤバレル展開部2bは、キャリア1の長手方向に沿って第1展開部2の左右両側に突設された一対の圧着片2d,2dを有している。また、ワイヤバレル展開部2bは、その上方に突出するとともにキャリア1の長手方向に沿って延びる3本の突起部2eを有している。この3本の突起部2eは、キャリア1の長手方向に直交する方向に所定間隔で設けられている。
【0026】
インシュレーションバレル展開部2cは、後述する第1端子20のインシュレーションバレル20cの展開形状を有しており、ワイヤバレル展開部2bのキャリア1側に設けられている。このインシュレーションバレル展開部2cは、キャリア1の長手方向に沿って第1展開部2の左右両側に突設された一対の圧着片2f,2fを有している。
【0027】
上記第2展開部3は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側、すなわちキャリア1の幅方向の上記第1展開部2と反対側の端部に上記連結部4を介して繋がっている。そして、第2展開部3は、このキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介してそれぞれ繋がっている。また、第2展開部3は、キャリア1の長手方向に対して直交する方向に延びており、後述する連続端子の第2端子30の展開形状を有している。また、第2展開部3は、上記第1展開部2をキャリア1に対して反転させた形状を有する。
【0028】
第2展開部3は、上記第1展開部2の接続部展開部2a、ワイヤバレル展開部2b、インシュレーションバレル展開部2c、圧着片2d、突起部2e及び圧着片2fと同様の構成の接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b、インシュレーションバレル展開部3c、圧着片3d、突起部3e及び圧着片3fを有している。接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b及びインシュレーションバレル展開部3cは、それぞれ後述する第2端子30の接続部30a、ワイヤバレル30b及びインシュレーションバレル30cの展開形状を有している。また、ワイヤバレル展開部3bに設けられた突起部3eは、第2展開部3の下側に突出している。
【0029】
上記連結部4は、第2展開部3をキャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結するものである。また、この連結位置は、キャリア1の一対の凹部1b,1b間に対応する位置である。また、連結部4は、この連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる後述する第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。そして、連結部4は、キャリア1の一対の凹部1b,1bにそれぞれ係合可能な形状を有する一対の係合部4a,4aを有している。この係合部4aは、キャリア1の長手方向に沿って連結部4の左右両側に延設された後、キャリア1の長手方向と直交する方向で第2展開部3側に屈曲している。係合部4a,4aのこの屈曲した部分が上記一対の凹部1b,1bにそれぞれ対応する位置に配置されている。
【0030】
以上のように、第1実施形態による端子原板では、第2展開部3が第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側と反対側の他方端側に設けられているとともに、この他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっているので、第2展開部3から形成する後述する第2端子30を連結部4においてキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返すことにより第1展開部2から形成する後述する隣り合う第1端子20間の間隙に配置することができる。なお、第1展開部2と第2展開部3とは、展開状態では幅広であるが、第1展開部2と第2展開部3とがキャリア1を挟んで左右に振り分けられているので、この状態では互いに干渉しない。そして、第1展開部2と第2展開部3とをそれぞれ曲げ加工することにより第1端子20と第2端子30とを組立てて幅が小さくなった後は、第2端子20を第1端子30側に折り返すことで第1端子20と第2端子30とを交互に小さい間隔で配列された状態にすることができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻き取られた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。このため、このリールに巻かれた連続端子を用いて電線に端子を圧着する際により多くの電線に端子を圧着することが可能であり、電線への端子の圧着作業時に連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができる。その結果、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
【0031】
また、第1実施形態による端子原板では、複数の第1展開部2がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2展開部3が連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がっているので、複数の第1展開部2から複数の第1端子20を形成するとともに複数の第2展開部3から複数の第2端子30を形成することによって複数の第1端子20及び複数の第2端子30が単一のキャリア1に繋がる連続端子を構成することができる。これにより、2本の連続端子のキャリア部分を上下に重ねて溶着することにより1本の連続端子を作製する場合と異なり、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。図3は、図2に示した連続端子を矢印III方向から見た側面図、図4は、図2に示した連続端子のIV−IV線に沿った断面図である。次に、図2〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による連続端子の構成について説明する。
【0033】
この第1実施形態による連続端子は、上記端子原板を用いて形成されたものであり、上記端子原板の各部を曲げ加工することによって形成されている。この連続端子は、図2に示すように、キャリア1と、第1端子20と、第2端子30と、連結部4とを一体に有している。キャリア1は、上記端子原板のキャリア1(図1参照)と同様の構成を有している。このキャリア1は、複数の上記第1端子20及び複数の上記第2端子30を相互に連結して一連の連続した端子群として構成するものである。
【0034】
また、キャリア1は、上記端子原板のキャリア1と同様の貫通孔1aを有しており、この第1実施形態による連続端子を用いて電線に第1端子20及び第2端子30を圧着する際に圧着機の送り機構がこの貫通孔1aの部分を引掛けて連続端子を引っ張ることによって第1端子20及び第2端子30を順番に電線への圧着部へ供給するようになっている。なお、キャリア1は、第1端子20及び第2端子30が電線に圧着された後は廃棄される部分である。また、キャリア1は、上記端子原板と同様の複数対の凹部1b,1b(第1凹部)も有している。
【0035】
上記第1端子20は、上記端子原板の第1展開部2(図1参照)を曲げ加工することにより形成されている。この第1端子20は、被覆電線に圧着されるとともにコネクタのハウジングに装着され、そのコネクタと相手側のコネクタとが嵌合したときに相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るものである。第1端子20は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。また、第1端子20は、キャリア1の長手方向と直交する方向に延びている。そして、第1端子20は、接続部20aと、ワイヤバレル20bと、インシュレーションバレル20cとを有している。
【0036】
接続部20aは、上記端子原板の接続部展開部2aを曲げ加工することにより形成されており、第1端子20のキャリア1と反対側の端部から第1端子20の長手方向中央部辺りまでの領域に設けられている。この接続部20aは、上記相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るための部分である。
【0037】
ワイヤバレル20bは、上記端子原板のワイヤバレル展開部2bを曲げ加工することにより形成され、接続部20aのキャリア1側に設けられている。このワイヤバレル20bは、図3に示すように、上側に開口する断面U字形状を有しており、被覆電線の導線部に圧着される部分である。このワイヤバレル20bは、キャリア1の長手方向に所定間隔を隔てて配置された一対の圧着片20d,20dを有しており、この一対の圧着片20d,20dは、上記端子原板の一対の圧着片2d,2dが曲げ起こされた部分である。第1端子20の被覆電線への圧着時には、この一対の圧着片20d,20d間に被覆電線の導線部がセットされるとともに、その導線部に対して一対の圧着片20d,20dをかしめることによって被覆電線の導線部がワイヤバレル20bで保持されるようになっている。
【0038】
また、ワイヤバレル20bの内側面にはワイヤバレル20bの内側へ突出する3つの突起部20eが設けられている。この3つの突起部20eは、上記端子原板の3つの突起部2eに対応する部分であり、キャリア1の長手方向と直交する方向に所定間隔で設けられている。ワイヤバレル20bが上記被覆電線の導線部に圧着される際、この突起部20eは導線部に食い込んで導線部がワイヤバレル20bから抜けにくくするとともに導線部とワイヤバレル20bとの電気的な接続を確実にする。
【0039】
インシュレーションバレル20cは、上記端子原板のインシュレーションバレル展開部2cを曲げ加工することにより形成され、ワイヤバレル20bのキャリア1側に設けられている。このインシュレーションバレル20cは、図3に示すように、上側に開口する断面U字形状を有しており、被覆電線の被覆部に圧着される部分である。このインシュレーションバレル20cは、キャリア1の長手方向に所定間隔で配置された一対の圧着片20f,20fを有しており、この一対の圧着片20f,20fは、上記端子原板の一対の圧着片2f,2fが曲げ起こされた部分である。第1端子20の被覆電線への圧着時には、この一対の圧着片20f,20f間に被覆電線の被覆部がセットされるとともに、その被覆部に対して一対の圧着片20f,20fをかしめることによって被覆電線の被覆部がインシュレーションバレル20cで保持されるようになっている。
【0040】
上記第2端子30は、上記端子原板の第2展開部3(図1参照)を曲げ加工することにより形成されている。この第2端子30は、上記第1端子20と同様の機能を有しており、被覆電線に圧着されるとともに相手側のコネクタの端子と結合して電気的な接続を取るものである。第2端子30は、キャリア1の長手方向と直交する幅方向の他方端側、すなわちキャリア1の幅方向の上記第1端子20と反対側の端部に上記連結部4を介して繋がっており、キャリア1の長手方向に沿って所定間隔で複数設けられている。
【0041】
そして、図4に示すように、連結部4のキャリア1に対する結合部近傍において、第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の他方端側から一方端側(第1端子20側)へ連結部4がキャリア1上に重なるように折り返されている。これにより、隣り合う第1端子20間に第2端子30がそれぞれ配置されている。したがって、この第1実施形態による連続端子では、キャリア1の長手方向に沿ってこのキャリア1に共に繋がる第1端子20及び第2端子30が交互に配置されている。なお、この第1実施形態による連続端子では、図3に示すように、第2端子30が第1端子20に比べて連結部4の厚みの分だけ上方に位置している。
【0042】
第2端子30は、上記第1端子20の接続部20a、ワイヤバレル20b、インシュレーションバレル20c、圧着片20d、突起部20e及び圧着片20fと同様の構成及び機能を有する接続部30a、ワイヤバレル30b、インシュレーションバレル30c、圧着片30d、突起部30e及び圧着片30fを備えている。この接続部30a、ワイヤバレル30b及びインシュレーションバレル30cは、上記端子原板の接続部展開部3a、ワイヤバレル展開部3b及びインシュレーションバレル展開部3cをそれぞれ曲げ加工することにより形成されている。
【0043】
また、連結部4は、上記端子原板の連結部4と同様、左右両側へ突出する一対の係合部4a,4aを有している。上記のように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返された状態でこの一対の係合部4a,4aがキャリア1の一対の凹部1b,1bに係合することによって、隣り合う第1端子20間における第2端子30の位置が固定されている。この際、係合部4aのキャリア1の長手方向に平行な部分から垂直に屈曲された部分が凹部1bに対して係合しており、この係合部4aの屈曲した部分は、その先端部側がキャリア1の下面に当接するように折り返されることによってキャリア1の凹部1bと強固に結合されている。
【0044】
以上のように、第1実施形態による連続端子では、上記端子原板と同様、各第1展開部2からそれぞれ第1端子20を形成することによって隣り合う第1展開部2間の間隙から拡大した第1端子20間の間隙が第2端子30で埋められているので、キャリア1の長手方向に沿って各端子を小さい間隔で配列することができる。これにより、連続端子の単位長さ当たりに含まれる端子数を増加させることができるので、この連続端子が巻かれた1つのリールに含まれる端子数を増加させることができる。これにより、電線への端子の圧着作業時に端子を供給する連続端子が巻かれたリールの交換頻度を減らすことができるので、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができる。
【0045】
また、第1実施形態による連続端子では、複数の第1端子20がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がっているとともに、複数の第2端子30が連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がっているので、上記端子原板と同様、電線への端子の圧着後は不要な部分として廃棄されるキャリア部分が増大するのを抑制することができる。これにより、キャリア部分に要する材料が増大するのを抑制することができるので、その分、材料コストの増大を抑制することができる。
【0046】
また、第1実施形態による連続端子では、第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側に折り返された状態で、連結部4の係合部4a,4aとキャリア1の凹部1b,1bとが係合することにより隣り合う第1端子20間における第2端子30の位置が固定されるので、第2端子30を連結部4においてキャリア1の幅方向の一方端側に折り返したときに第2端子30を隣り合う第1端子20間の位置で確実に固定することができる。
【0047】
図5は、本発明による連続端子の製造方法に用いる製造ラインの構成を示した概略図である。図6〜図8は、本発明の第1実施形態による連続端子の製造プロセスを説明するための図である。次に、図1〜図8を参照して、第1実施形態による連続端子の製造方法について説明する。
【0048】
この第1実施形態による連続端子の製造方法では、図5に示すような製造ラインを用いて連続した一連の工程で連続端子を作製する。この製造ラインは、端子原板を作製する打ち抜き部201と、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3から第1端子20及び第2端子30を成形する端子成形部202と、第2端子30を第1端子20側に折り返す反転部203と、作製された連続端子をリールに巻き取る巻取り部204とを備えている。
【0049】
この製造ラインにおいて、まず、端子原板及び連続端子の材料となる長尺で幅広の金属薄板100(金属板)がその長手方向に沿って順次打ち抜き部201に送り込まれる。そして、打ち抜き部201において金属薄板100の打ち抜き加工が行われることにより図1に示した第1実施形態による端子原板が作製される。そして、作製された端子原板は順次端子成形部202に送り込まれる。
【0050】
端子成形部202では、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3の曲げ加工が行われる。この際、第1展開部2から第1端子20が形成されるとともに第2展開部3から第2端子30が形成されることによって、図6〜図7に示すような構造が形成される。この端子成形部202による加工後の構造では、複数の第1端子20がキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側にキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられている一方、複数の第2端子30がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1端子20間に対応する位置に連結部4を介してそれぞれ設けられている。この状態では、第1端子20と第2端子30とは、キャリア1に対して互いに反転した向きで設けられている。
【0051】
なお、製造ラインの端子成形部202は単一の金型を有しており、この単一の金型内で上記第1展開部2及び第2展開部3がプレスされることにより第1端子20及び第2端子30が同時に形成される。この際、具体的には、第1展開部2の接続部展開部2aから接続部20aが形成されるとともに、第1展開部2のワイヤバレル展開部2bから断面U字形状のワイヤバレル20bが形成される。また、第1展開部2のインシュレーションバレル展開部2cから断面U字形状のインシュレーションバレル20cが形成される。
【0052】
次に、反転部203において、上記のように形成された第2端子30が第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。この際、具体的には、連結部4のキャリア1の幅方向の他方端側に対する結合部近傍の領域を折り目として連結部4がキャリア1上に重なるように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。また、この際、同時に連結部4の一対の係合部4a,4aの先端部がキャリア1の下面側に折り返されるとともに、この係合部4a,4aとキャリア1の一対の凹部1b,1bとが係合する。なお、上記反転部203と上記端子成形部202とは1つの装置内に設けられており、端子成形部202における第1端子20及び第2端子30の形成と反転部203における第2端子30の折り返しとは連続した一連の工程内で行われる。上記のようにして図2〜図4に示した第1実施形態による連続端子が作製され、この後、その連続端子が巻取り部204において順次リールに巻き取られる。
【0053】
以上のように、第1実施形態による連続端子の製造方法では、キャリア1の幅方向の一方端側に繋がる複数の第1展開部2から複数の第1端子20を形成するとともにキャリア1の幅方向の他方端側に連結部4を介して繋がる複数の第2展開部3から複数の第2端子30を形成した後、隣り合う第1端子20間にキャリア1の幅方向の他方端側から第2端子30を折り返して配置することができるので、上記端子原板及び連続端子と同様、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0054】
また、第1実施形態による連続端子の製造方法では、複数の第1展開部2から複数の第1端子20をキャリア1の幅方向の一方端側に繋がるように形成するとともに、複数の第2展開部3から複数の第2端子30を連結部4を介してそのキャリア1の幅方向の他方端側に繋がるように形成することができるので、上記端子原板及び連続端子と同様、材料コストの増大を抑制することができるという効果を得ることができる。
【0055】
また、第1実施形態による連続端子の製造方法では、第1端子20及び第2端子30は、端子成形部202の単一の金型内で同時に形成するので、第1端子20及び第2端子30を別個の金型内でそれぞれ形成する場合に比べて、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0056】
また、第1実施形態による連続端子の製造方法では、端子成形部202においてキャリア1の幅方向の一方端側に第1端子20を形成するとともにキャリア1の幅方向の他方端側に第2端子30を形成する工程と、反転部203において第2端子をキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返す工程とが連続した一連の工程内で行われるので、第1端子20及び第2端子30を形成する工程と、第2端子30をキャリア1の第1端子20側へ折り返す工程とが繋がりのない別個の工程として行われる場合と異なり、第1端子20及び第2端子30を形成した後、キャリア1に繋がった第1端子20及び第2端子30を第2端子30を折り返すための装置へ移す作業等が不要となり、連続端子の製造工程を簡略化することができる。
【0057】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態による端子原板の構成について説明する。
【0058】
この第2実施形態による端子原板は、上記第1実施形態と異なり、第2展開部3が屈曲した連結部4を介してキャリア1に繋がっているとともに、隣り合う第1展開部2間に対応する位置からキャリア1の長手方向に所定距離だけずれた位置に第2展開部3が配置されている。
【0059】
具体的には、この第2実施形態による端子原板では、連結部4は第1連結部4b及び4cからなる。第1連結部4bは、第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側と反対側、すなわち、キャリア1の幅方向の他方端側に結合している。また、第1連結部4bは、このキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に結合するとともに、キャリア1の長手方向と直交する方向に延設されている。そして、第1連結部4bは、この第1連結部4を折り返すことによりキャリア1を跨いで第2展開部3からなる第2端子30を第1展開部2側に配置可能な長さを有する。
【0060】
第2連結部4cは、第1連結部4bのキャリア1と反対側の端部からキャリア1の長手方向と平行に延設されており、この部分で連結部4が直角に屈曲している。この第2連結部4cの第1連結部4bと反対側の端部には、第2展開部3が結合している。第2展開部3は、この第2連結部4cの端部からキャリア1の長手方向と直交する方向に延びている。このように、第2展開部3は、第1連結部4bと第2連結部4cとの結合部で直角に屈曲した連結部4を介してキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に繋がっているとともに、その第1展開部2間に対応する位置から第2連結部4cの長さ分だけずれた位置に配置されている。また、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、第2展開部3は第1展開部2を180°回転させた形状を有している。
【0061】
また、第1展開部2が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側には、上記第1実施形態による複数対の凹部1b,1bの代わりに複数の凹部1c(第2凹部)が設けられている。この複数の凹部1cは、上記第1連結部4bのキャリア1への結合位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。第2実施形態による端子原板の上記以外の構成は、上記第1実施形態による端子原板の構成と同様である。
【0062】
以上のように、第2実施形態による端子原板では、複数の第1展開部2がキャリア1の幅方向の一方端側に繋がるとともに、第2展開部3がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1展開部2間に対応する位置に連結部4を介して繋がっているので、上記第1実施形態による端子原板と同様、材料コストの増大を抑制しながら、多数の電線に端子を圧着する作業時の作業効率を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0063】
図10は、本発明の第2実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。図11は、図10に示した連続端子を矢印XI方向から見た側面図であり、図12は、図10に示した連続端子のXII−XII線に沿った断面図である。次に、図9〜図12を参照して、本発明の第2実施形態による連続端子の構成について説明する。
【0064】
この第2実施形態による連続端子は、上記第1実施形態による連続端子と連結部4の部分が異なっている。具体的には、この第2実施形態による連続端子は、図9に示した第2実施形態による端子原板を曲げ加工することにより形成されるものであり、この連続端子の連結部4は、上記端子原板の連結部4と同様、第1連結部4b及び第2連結部4cを有している。この連続端子の第1連結部4bは、図12に示すように、上記端子原板の第1連結部4b(図9参照)がキャリア1上に重なるようにキャリア1への結合部近傍の領域を折り目として第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返されたものである。
【0065】
また、この第2実施形態による連続端子の第2連結部4cは、図9に示した端子原板の第2連結部4cが曲げ加工により折り重ねられたものである。この連続端子の第2連結部4cは、長手方向の一方端部が第1連結部4bに繋がるとともに長手方向の他方端部が第2端子30に繋がっている。そして、第2連結部4cは、この長手方向の他方端部が長手方向の一方端部の下面上に重なるように折り重ねられている。これにより、第2端子30の第2連結部4cとの結合部は、第2連結部4cの板厚分だけキャリア1上に重なる第1連結部4bの下方に位置するので、キャリア1と同じ高さ位置に配置される。このため、第2実施形態では、図11に示すように、第2端子30がキャリア1に直接繋がる第1端子20と同じ高さ位置に配置されている。
【0066】
また、第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側には、図9に示した端子原板と同様の複数の凹部1c(第2凹部)が設けられている。この複数の凹部1cは、キャリア1の幅方向の一方端側の第2端子30に対応する位置にそれぞれ設けられている。そして、この凹部1c内に上記の折り重ねられた第2連結部4cが収容されている。これにより、第2端子30の第2連結部4cへの結合部が、第1端子20が結合するキャリア1の幅方向の一方端側の縁部近傍に配置される。このため、第2端子30の第2連結部4cへの結合位置と、第1端子20のキャリア1への結合位置とが揃うので、キャリア1の長手方向に沿って配列された複数の第1端子20及び複数の第2端子30のキャリア1からの距離が揃うように配置されている。
【0067】
第2実施形態による連続端子の上記以外の構成は、上記第1実施形態による連続端子の構成と同様である。
【0068】
以上のように、第2実施形態による連続端子では、連結部4がキャリア1の幅方向の他方端側から幅方向の一方端側へキャリア1上に重なるように折り返された第1連結部4bと、一方端部が第1連結部4bに繋がるとともに他方端部が第2端子30に繋がり、その他方端部が一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部4cとを含むので、キャリア1上に重なるように折り返された第1連結部4bに繋がる第2連結部4cの一方端部の下側に第2連結部4cの他方端部を配置することができる。これにより、第2連結部4cの他方端部をキャリア1と同じ高さ位置に配置することができるので、第2連結部4cの他方端部に繋がる第2端子30とキャリア1に繋がる第1端子20とを同じ高さ位置に配置することができる。このため、第1端子20の高さ位置と第2端子30の高さ位置とがばらつくのを抑制することができるので、第1端子20及び第2端子30の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0069】
また、第2実施形態による連続端子では、キャリア1の幅方向の一方端側の第2端子30に対応する位置に設けられた凹部1c内に折り重ねられた第2連結部4cが収容されているので、第2連結部4cに対する第2端子30の結合位置をキャリア1の幅方向の一方端側に対する第1端子20の結合位置と揃えることができる。これにより、第1端子20のキャリア1からの位置と第2端子30のキャリア1からの位置とを揃えることができるので、第1端子20及び第2端子30のキャリア1からの位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0070】
第2実施形態による連続端子の上記以外の効果は、上記第1実施形態による連続端子の効果と同様である。
【0071】
図13〜図18は、本発明の第2実施形態による連続端子の製造方法を説明するための図である。次に、図5及び図9〜図18を参照して、本発明の第2実施形態による連続端子の製造方法について説明する。
【0072】
この第2実施形態による連続端子の製造方法では、図5に示した上記第1実施形態と同様の製造ラインを用いて連続端子を作製する。具体的には、製造ラインの打ち抜き部201により金属薄板100を打ち抜き加工することによって図9に示した第2実施形態による端子原板を作製する。
【0073】
そして、その端子原板が順次端子成形部202に送り込まれるとともに、端子成形部202において、端子原板の第1展開部2及び第2展開部3の曲げ加工が行われる。この際、第1展開部2から第1端子20が形成されるとともに第2展開部3から第2端子30が形成されることによって、図13〜図15に示すような構造が形成される。この端子成形部202による加工後の構造では、複数の第1端子20がキャリア1の長手方向と直交する幅方向の一方端側にキャリア1の長手方向に沿って所定間隔で設けられる一方、複数の第2端子30がキャリア1の幅方向の他方端側の隣り合う第1端子20間に対応する位置に連結部4を介して繋がっている。
【0074】
そして、第2端子30は、連結部4の第2連結部4cの長さ分だけ第1連結部4bがキャリア1に繋がった位置からキャリア1の長手方向に沿ってずれた位置に配置される。また、この状態において第1端子20と第2端子30とは、上記第1実施形態と異なり共に上向きに配置されている。
【0075】
この後、第2実施形態では上記第1実施形態と異なり、反転部203において第2連結部4cの第1連結部4b側の端部上にその第2連結部4cの第2端子30側の端部が重なるように第2連結部4cが折り重ねられることによって第2端子30が反転される。これにより、図16〜図18に示すような構造が形成される。この構造では、第1連結部4bの延長線上に第2端子30が位置する。すなわち、第2端子30は、隣り合う第1端子20間の中心位置に対応する位置に配置される。また、この状態では、第2端子30が第1端子20をキャリア1に対して反転させた形状を有している。
【0076】
そして、この状態から反転部203において、第2端子30が第1端子20が設けられたキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。この際、具体的には、第1連結部4bのキャリア1の幅方向の他方端側に対する結合部近傍の領域を折り目として第1連結部4bがキャリア1上に重なるように第2端子30及び連結部4がキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返される。また、この際、折り重ねられた第2連結部4cがキャリア1の幅方向の一方端側に設けられた凹部1c内に収容される。上記のようにして図10〜図11に示した第2実施形態による連続端子が作製され、この後、その連続端子が巻取り部204において順次リールに巻き取られる。第2実施形態による連続端子の製造方法の上記以外の構成は、上記第1実施形態による連続端子の製造方法と同様である。
【0077】
以上のように、第2実施形態による連続端子の製造方法では、第2連結部4cの第1連結部4b側の端部上にその第2連結部4cの第2端子30に繋がる端部が重なるように第2連結部4cを折り重ね、その後、第1連結部4bがキャリア1上に重なるように第2端子30及び第1連結部4bをキャリア1の幅方向の一方端側へ折り返すので、上記第2実施形態による端子原板及び連続端子と同様、第1端子20の高さ位置と第2端子30の高さ位置とがばらつくのを抑制することができる。その結果、第1端子20及び第2端子30の高さ位置のばらつきに起因する電線への各端子の圧着精度の低下を抑制することができる。
【0078】
第2実施形態による連続端子の製造方法の上記以外の効果は、上記第1実施形態による連続端子の製造方法の効果と同様である。
【0079】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による連続端子の構成を示した上面図である。
【図3】図2に示した連続端子を矢印III方向から見た側面図である。
【図4】図2に示した連続端子のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】本発明による連続端子の製造方法に用いる製造ラインの構成を示した概略図である。
【図6】本発明の第1実施形態による連続端子の製造プロセスにおいて端子成形部で第1端子及び第2端子を形成した後の状態の連続端子を示した上面図である。
【図7】図6に示した連続端子を矢印VII方向から見た側面図である。
【図8】図6に示した連続端子のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態による端子原板の構成を示した上面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による連続端子の構成を示した正面図である。
【図11】図10に示した連続端子を矢印XI方向から見た側面図である。
【図12】図10に示した連続端子のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による連続端子の製造プロセスにおいて端子成形部で第1端子及び第2端子を形成した後の状態の連続端子を示した上面図である。
【図14】図13に示した連続端子を矢印XIV方向から見た側面図である。
【図15】図13に示した連続端子のXV−XV線に沿った断面図である。
【図16】本発明の第2実施形態による連続端子の製造プロセスにおいて反転部で第2端子を第1端子側へ折り返す前の状態の連続端子を示した上面図である。
【図17】図16に示した連続端子を矢印XVII方向から見た側面図である。
【図18】図16に示した連続端子のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 キャリア
1b 凹部(第1凹部)
1c 凹部(第2凹部)
2 第1展開部
3 第2展開部
4 連結部
4a 係合部
4b 第1連結部
4c 第2連結部
20 第1端子
30 第2端子
100 金属薄板(金属板)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向へ延びるキャリアと、
第1端子の展開形状をもつ複数の第1展開部と、
第2端子の展開形状をもつ複数の第2展開部とを一体に有し、
前記複数の第1展開部は、それぞれ前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともに前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられ、
前記複数の第2展開部は、それぞれ前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う前記第1展開部間に対応する位置に連結部を介して繋がり、
前記連結部は、この連結部を折り返すことにより前記キャリアを跨いで前記第2展開部からなる第2端子を前記第1展開部側に配置可能な長さを有している、端子原板。
【請求項2】
請求項1に記載の端子原板を用いて形成された連続端子であって、
前記キャリアと、
前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともに前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられた複数の第1端子と、
前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に前記連結部を介して繋がるとともに前記連結部において前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に折り返され、隣り合う前記第1端子間に配置された第2端子とを一体に有する連続端子。
【請求項3】
前記キャリアは、前記幅方向の一方端側の前記第2端子に対応する位置に設けられた第1凹部を有し、
前記連結部は、前記キャリアの前記幅方向の一方端側に折り返された状態で前記第1凹部と係合する係合部を有し、
前記係合部と前記第1凹部とが係合することにより前記隣り合う第1端子間における前記第2端子の位置が固定される、請求項2に記載の連続端子。
【請求項4】
前記連結部は、前記キャリアの前記幅方向の他方端側から前記幅方向の一方端側へ前記キャリア上に重なるように折り返された第1連結部と、一方端部が前記第1連結部に繋がるとともに他方端部が前記第2端子に繋がり、前記他方端部が前記一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部とを含む、請求項2に記載の連続端子。
【請求項5】
前記キャリアは、前記幅方向の一方端側の前記第2端子に対応する位置に設けられた第2凹部を有し、
前記折り重ねられた第2連結部は、前記凹部内に収容されている、請求項4に記載の連続端子。
【請求項6】
請求項1に記載の端子原板を単一の金属板から打ち抜く工程と、
前記複数の第1展開部を用いて前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がる複数の第1端子を前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成するとともに、前記複数の第2展開部を用いて前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に前記連結部を介して繋がる第2端子を前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成する工程と、
前記連結部において前記第2端子を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返すとともに、隣り合う前記第1端子間に前記第2端子を配置する工程とを備えた、連続端子の製造方法。
【請求項7】
前記第1端子及び前記第2端子は、単一の金型内で実質的に同時に形成する、請求項6に記載の連続端子の製造方法。
【請求項8】
前記キャリアの前記幅方向の一方端側に前記第1端子を形成するとともに前記キャリアの前記幅方向の他方端側に前記第2端子を形成する工程と、前記第2端子を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返す工程とは、連続した一連の工程内で行われる、請求項6または7に記載の連続端子の製造方法。
【請求項9】
前記キャリアの前記幅方向の他方端側に前記連結部を介して繋がる前記第2端子を形成する工程は、前記キャリアからその長手方向と略直交する方向に第1連結部を延設するとともに、前記第1連結部の前記キャリアと反対側の端部から前記キャリアの長手方向と略平行に前記第2端子に繋がる第2連結部を延設する工程を含み、
前記連結部において前記第2端子を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返す工程は、前記第2連結部の前記第1連結部側の端部上に前記第2端子に繋がる端部が重なるように前記第2連結部を折り重ね、その後、前記第1連結部が前記キャリア上に重なるように前記第2端子及び前記第1連結部を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返す工程を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の連続端子の製造方法。
【請求項1】
所定方向へ延びるキャリアと、
第1端子の展開形状をもつ複数の第1展開部と、
第2端子の展開形状をもつ複数の第2展開部とを一体に有し、
前記複数の第1展開部は、それぞれ前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともに前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられ、
前記複数の第2展開部は、それぞれ前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側の隣り合う前記第1展開部間に対応する位置に連結部を介して繋がり、
前記連結部は、この連結部を折り返すことにより前記キャリアを跨いで前記第2展開部からなる第2端子を前記第1展開部側に配置可能な長さを有している、端子原板。
【請求項2】
請求項1に記載の端子原板を用いて形成された連続端子であって、
前記キャリアと、
前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がるとともに前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で設けられた複数の第1端子と、
前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に前記連結部を介して繋がるとともに前記連結部において前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に折り返され、隣り合う前記第1端子間に配置された第2端子とを一体に有する連続端子。
【請求項3】
前記キャリアは、前記幅方向の一方端側の前記第2端子に対応する位置に設けられた第1凹部を有し、
前記連結部は、前記キャリアの前記幅方向の一方端側に折り返された状態で前記第1凹部と係合する係合部を有し、
前記係合部と前記第1凹部とが係合することにより前記隣り合う第1端子間における前記第2端子の位置が固定される、請求項2に記載の連続端子。
【請求項4】
前記連結部は、前記キャリアの前記幅方向の他方端側から前記幅方向の一方端側へ前記キャリア上に重なるように折り返された第1連結部と、一方端部が前記第1連結部に繋がるとともに他方端部が前記第2端子に繋がり、前記他方端部が前記一方端部の下に重なるように折り重ねられた第2連結部とを含む、請求項2に記載の連続端子。
【請求項5】
前記キャリアは、前記幅方向の一方端側の前記第2端子に対応する位置に設けられた第2凹部を有し、
前記折り重ねられた第2連結部は、前記凹部内に収容されている、請求項4に記載の連続端子。
【請求項6】
請求項1に記載の端子原板を単一の金属板から打ち抜く工程と、
前記複数の第1展開部を用いて前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の一方端側に繋がる複数の第1端子を前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成するとともに、前記複数の第2展開部を用いて前記キャリアの長手方向と直交する幅方向の他方端側に前記連結部を介して繋がる第2端子を前記キャリアの長手方向に沿って所定間隔で形成する工程と、
前記連結部において前記第2端子を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返すとともに、隣り合う前記第1端子間に前記第2端子を配置する工程とを備えた、連続端子の製造方法。
【請求項7】
前記第1端子及び前記第2端子は、単一の金型内で実質的に同時に形成する、請求項6に記載の連続端子の製造方法。
【請求項8】
前記キャリアの前記幅方向の一方端側に前記第1端子を形成するとともに前記キャリアの前記幅方向の他方端側に前記第2端子を形成する工程と、前記第2端子を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返す工程とは、連続した一連の工程内で行われる、請求項6または7に記載の連続端子の製造方法。
【請求項9】
前記キャリアの前記幅方向の他方端側に前記連結部を介して繋がる前記第2端子を形成する工程は、前記キャリアからその長手方向と略直交する方向に第1連結部を延設するとともに、前記第1連結部の前記キャリアと反対側の端部から前記キャリアの長手方向と略平行に前記第2端子に繋がる第2連結部を延設する工程を含み、
前記連結部において前記第2端子を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返す工程は、前記第2連結部の前記第1連結部側の端部上に前記第2端子に繋がる端部が重なるように前記第2連結部を折り重ね、その後、前記第1連結部が前記キャリア上に重なるように前記第2端子及び前記第1連結部を前記キャリアの前記幅方向の一方端側へ折り返す工程を含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の連続端子の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−257971(P2007−257971A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80005(P2006−80005)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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