説明

端子台

【課題】入出力間を正確に接続する。
【解決手段】複数相からなる電圧を印加するための複数の入力ケーブルが接続される複数の入力端子と、前記複数の入力端子と電気的に接続され、前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の出力端子と、複数の嵌合孔と、複数の嵌合片と、をユニットとし、前記ユニット同士を垂直方向に連結する場合、一の前記ユニットの前記複数の嵌合孔(又は前記複数の嵌合片)と他の前記ユニットの前記複数の嵌合片(又は前記複数の嵌合孔)が嵌合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台に関する。
【背景技術】
【0002】
電気配線に用いられる端子台は、入力ケーブルと出力ケーブルとを接続する場合において、ケーブル間の接続を容易にするものである。
例えば、変電所の配電盤において、電圧変成器からの母線電圧が印加される入力ケーブルと、配電盤内の複数の回路(例えば、計測回路や保護回路)へ母線電圧を出力する出力ケーブルとを電気的に接続する端子台が用いられている。母線電圧は、例えば位相に120度のずれがある正相(スター結線されたU相、V相、W相)の電圧と、零相(以下、ニュートラル相とする)の電圧との計4相の電圧である。
端子台には、入力ケーブルが接続される複数の入力端子と、出力ケーブルが接続される複数の出力端子とが、各々電気的に接続されて並設されている。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図10は、従来の端子台の構成の一例を示す斜視図である。尚、図10に示す端子台は、入力端子と出力端子をそれぞれ14個有する場合を示すものである。
端子台10は、例えば直方体で形成され、直方体の長手方向のケーブル接続面Fに、入力ケーブルが接続される入力端子13a〜13nと、出力ケーブルが接続される出力端子14a〜14nとが紙面右側と紙面左側に並設されている。尚、端子台10において入力端子13a〜13nと出力端子14a〜14nは、例えば導電体で形成されており、それ以外の部分は、主として例えば樹脂で形成されている。また、全ての入力端子と出力端子は、同色および同形状で構成されている。
【0004】
また、入力端子13a〜13nと出力端子14a〜14nのうち隣接するもの同士(例えば、入力端子13aと出力端子14a)は、端子台10の内部において、例えば導線(不図示)によって電気的に接続されている。
端子台10の入力端子13aは、電圧変成器20から取り込まれる母線電圧のうち、例えばU相の入力ケーブル2aと電気的に接続され、出力端子14aは、回路A(例えば計測回路)のU相の出力ケーブル4aと電気的に接続されている。
【0005】
ここで、図11を参照して出力ケーブル4aの接続について説明する。図11は、図10の一部を拡大して示す斜視図である。
【0006】
端子台10の1段目には入力端子13aと、出力端子14aが並設されている。
出力ケーブル4aの一端には、中央に開口部を有する円盤形状の圧着端子15が設けられている。また、端子台10は、螺子16(雄螺子)と、各端子の略中央部に設けられ、螺子16と螺合される螺子孔12とを有している。
そして、螺子16を、圧着端子15の開口部を通して端子台10の螺子孔12に螺合させることによって、出力ケーブル4aと出力端子14aとが電気的に接続されることになる。尚、1つの入力端子に1本の入力ケーブルを電気的に接続する場合、及び1つの出力端子に1本の出力ケーブルを電気的に接続する場合の接続方法は全て同じである。よって、以下の説明ではケーブルの接続方法についての説明を省略する。
【0007】
端子台10の入力端子13bは、電圧変成器20から取り込まれる母線電圧のうち、例えばV相の入力ケーブル2bと電気的に接続され、出力端子14bは、回路AにおけるV相の出力ケーブル4bと電気的に接続されている。
端子台10の入力端子13cは、電圧変成器20から取り込まれる母線電圧のうち、例えばW相の入力ケーブル2cと電気的に接続され、出力端子14cは、回路AにおけるW相の出力ケーブル4cと電気的に接続されている。
端子台10の入力端子13dは、電圧変成器20から取り込まれる母線電圧のうちニュートラル相の入力ケーブル2dと電気的に接続され、出力端子14dは、回路Aにおけるニュートラル相の出力ケーブル4dと電気的に接続されている。
【0008】
以上のように入力ケーブル2a、2b、2c、2dと、入力端子13a、13b、13c、13dを、それぞれ電気的に接続し、出力ケーブル4a、4b、4c、4dと、出力端子14a、14b、14c、14dを、それぞれ電気的に接続することによって、母線電圧の4相の電圧が、各々、回路Aに印加されることになる。
【0009】
母線電圧を使用する回路B(例えば保護回路)を端子台10に増設する場合には、図10に示すように、1つの入力端子と他の入力端子との接続用の短絡ケーブル3aによって、入力端子13aと、例えば入力端子13fとを電気的に接続し、出力端子14fと回路BのU相の出力ケーブル6aとを電気的に接続する。また、短絡ケーブル3bによって入力端子13bと、例えば入力端子13gとを電気的に接続し、出力端子14gと回路BのV相の出力ケーブル6bとを電気的に接続する。また、短絡ケーブル3cによって入力端子13cと、例えば入力端子13hとを電気的に接続し、出力端子14hと回路BのW相の出力ケーブル6cとを電気的に接続する。さらに、短絡ケーブル3dによって入力端子13dと、例えば入力端子13iとを電気的に接続し、出力端子14iと回路Bのニュートラル相の出力ケーブル6dとを電気的に接続する。
【0010】
図12は、前述のように回路Bを増設する場合における、端子台10の入力端子13aと出力端子14aの接続を示す平面図である。端子台10の出力端子14aでは、螺子16が、出力ケーブル4aに設けられた圧着端子15の開口部を通して螺子孔12に螺合される。一方、端子台10の入力端子13aでは、螺子16が、入力ケーブル2aの一端に設けられた圧着端子15の開口部と、短絡ケーブル3aの一端に設けられた圧着端子15の開口部を通して、螺子孔12に螺合されることになる。つまり、短絡ケーブル3aを設ける場合、1つの入力端子13aに2個の圧着端子15が接続されることになる。また、短絡ケーブル3aは、入力端子13aと入力端子13fの2箇所に接続することが必要である。短絡ケーブル3b、3c、3dを接続する場合も同様のことがいえる。
【0011】
このように、短絡ケーブル3a、3b、3c、3d、及び出力ケーブル6a、6b、6c、6dを端子台10に接続することによって、母線電圧の4相の電圧は、回路Aと回路Bとに並列に印加されることになる。
尚、図10に示すように入力端子13eと出力端子14eを共に未接続にしているのは、4相分毎の電圧のブロックを判別しやすくするためである。
母線電圧を使用する回路をさらに増設する場合には、上記と同様の手順によって当該回路の各相の出力ケーブルと、入力端子間を接続する短絡ケーブルとを、端子台10に接続すればよい。
【特許文献1】特開平9−22748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来の端子台10では、端子台10に並設される入力端子13a〜13nと出力端子14a〜14nの数は固定となるため、出力側に回路を増設するのに伴い、未使用の入力端子及び出力端子が減少する。よって、増設される出力側の回路が出力端子と対応した数より多くなると、短絡ケーブル及び出力ケーブルを接続することが出来なくなるという問題点があった。逆に、出力側の回路が出力端子と対応した数より少ない場合には、入力端子及び出力端子が余るという問題点があった。
【0013】
また、前述したように端子台10には同色及び同形状の入力端子と出力端子が垂直方向に並んでいる。よって、ケーブルを本来接続するべき端子以外の端子に間違って繋いでしまうというミスが発生することがあるという問題点があった。例えば、回路Bの増設を行う場合、出力ケーブル6aを、出力端子14e、又は出力端子14gに間違って繋いでしまう可能性があった。
【0014】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、入出力間を従来よりも正確に接続することのできる端子台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するための発明は、複数相からなる電圧を印加するための複数の入力ケーブルが接続される複数の入力端子と、前記複数の入力端子と電気的に接続され、前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の出力端子と、複数の嵌合孔と、複数の嵌合片と、をユニットとし、前記ユニット同士を垂直方向に連結する場合、一の前記ユニットの前記複数の嵌合孔(又は前記複数の嵌合片)と他の前記ユニットの前記複数の嵌合片(又は前記複数の嵌合孔)が嵌合する、ことを特徴とする。
【0016】
また、かかる端子台において、前記複数の入力端子の一端に連続するダミー入力端子と、前記複数の出力端子の一端に連続するダミー出力端子と、を備えることが好ましい。
【0017】
また、かかる端子台において、前記複数の出力端子は、前記複数相からなる電圧の各相に応じて異なる色が付されることが好ましい。
【0018】
また、かかる端子台において、末端となる前記ユニットは、前記複数の嵌合孔又は前記複数の嵌合片の一方のみを有することが好ましい。
【0019】
また、かかる端子台において、前記ユニット同士を螺子で螺合するための垂直方向に貫通する螺子孔、を有することが好ましい。
【0020】
また、前記課題を解決するための発明は、複数相からなる電圧を印加するための複数の入力ケーブルが接続される複数の入力端子と、前記複数の入力端子と電気的に接続され、前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の第1出力端子と、前記複数の第1出力端子と電気的に接続される複数の導出端子を有する複数の第1嵌合孔(又は複数の第1嵌合片)と、をユニットとした基本端子台と、前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の第2出力端子と、前記複数の第2出力端子と電気的に接続される複数の導出端子を有する複数の第2嵌合孔と、前記複数の第2出力端子と電気的に接続される複数の導出端子を有する複数の第2嵌合片と、をユニットとした増設端子台と、を備え、前記基本端子台と前記増設端子台を垂直方向に連結する場合、前記複数の第1嵌合孔(又は前記複数の第1嵌合片)と前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)が嵌合し、且つ、前記複数の第1嵌合孔(又は前記複数の第1嵌合片)と前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)の導出端子同士が接触し、前記増設端子台同士を垂直方向に連結する場合、一の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合孔(又は前記複数の第2嵌合片)と他の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)が嵌合し、且つ、一の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合孔(又は前記複数の第2嵌合片)と他の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)の導出端子同士が接触する、ことを特徴とする。
【0021】
また、かかる端子台において、前記増設端子台は、前記複数の入力端子の一端に連続するダミー入力端子と、前記複数の第2出力端子の一端に連続するダミー出力端子と、を備えることが好ましい。
【0022】
また、かかる端子台において、前記複数の第2出力端子は、前記複数相からなる電圧の各相に応じて異なる色が付されることが好ましい。
【0023】
また、かかる端子台において、前記複数の第1出力端子は、前記複数相からなる電圧の各相に応じて、前記複数の第2出力端子と同一の異なる色が付されることが好ましい。
【0024】
また、かかる端子台において、前記基本端子台は、前記増設端子台と螺子で螺合されるための垂直方向の第1螺子孔を有し、前記増設端子台は、前記基本端子台又は前記増設端子台と螺子で螺合されるための垂直方向に貫通する第2螺子孔を有する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、入力ケーブルと、それに対応した出力ケーブルとを正確に繋げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0027】
===第1の実施形態===
≪端子台の構成≫
図2を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る端子台の構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る端子台の一例を示す図である。図2(a)は端子台の斜視図であり、図2(b)は図2(a)に示すA−A′における垂直方向の断面図である。尚、本発明の端子台は、ユニット化された1つの基本端子台と複数の増設端子台の組合せで構成される。本発明の第1の実施形態では、基本端子台と増設端子台は同じ構成で実現することができる。よって、以下の説明は基本端子台について説明する。
【0028】
本実施形態において、入力端子に印加される電圧は従来と同様に電圧変成器20から取り込まれる4相の母線電圧であることとし、従来と同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
また、端子台の各辺に沿って、図2に示すようにx方向、y方向、z方向とし、矢印の向きを+側、矢印と反対側を−側とする。
【0029】
本発明の第1の実施形態に係る基本端子台100Aは、例えば直方体で形成され、長手方向にケーブル接続面Fを有している。また、基本端子台100Aは、ケーブル接続面Fにおいて、x方向の中心よりも−側に回路Aへの出力ケーブル4a、4b、4c、4dが接続される4つの出力端子34a、34b、34c、34dを有し、x方向の中心よりも+側に4相の母線電圧を印加するための入力ケーブル2a、2b、2c、2dが接続される4つの入力端子33a、33b、33c、33dを有している。また、基本端子台100Aは、前記4つの入力端子33a、33b、33c、33dの−z側に連続するダミー入力端子33eと、前記4つの出力端子34a、34b、34c、34dの−z側に連続するダミー出力端子34eを有している。尚、ダミー入力端子33eとダミー出力端子34eは、基本端子台100Aの+z側の最上部に設けてもよい。
【0030】
入力端子33a、33b、33c、33dと出力端子34a、34b、34c、34dは、導電体で形成されるとともに、隣接するもの同士(例えば入力端子33aと出力端子34a)は、基本端子台100Aの内部で、例えば導線(不図示)によって電気的に接続されている。
【0031】
さらに、基本端子台100Aは、+z側の面Uに設けられた嵌合片30a、30b、30c、30dと、−z側の面Lに設けられた嵌合孔32a、32b、32c(不図示)、32d(不図示)と、当該基本端子台100Aをz方向に貫通する螺子孔40a、40b、40c、40dと、を有している。
【0032】
図2(a)において、嵌合片30aは、基本端子台100Aの面Uの中心C1よりもx方向−側、y方向+側に設けられ、螺子孔40aは嵌合片30aよりもx方向−側、y方向+側に設けられている。嵌合片30bは、基本端子台100Aの面Uの中心C1よりもx方向−側、y方向−側に設けられ、螺子孔40bは嵌合片30bよりもx方向−側、y方向−側に設けられている。嵌合片30cは、基本端子台100Aの面Uの中心C1よりもx方向+側、y方向+側に設けられ、螺子孔40cは嵌合片30cよりもx方向+側、y方向+側に設けられている。嵌合片30dは、基本端子台100Aの面Uの中心C1よりもx方向+側、y方向−側に設けられ、螺子孔40dは嵌合片30dよりもx方向+側、y方向−側に設けられている。
【0033】
尚、螺子孔40a、40b、40c、40dは、基本端子台100Aの面Uの対角線上の近傍にそれぞれ設けられている。また、嵌合片30a、30b、30c、30dは螺子孔40a、40b、40c、40dよりも中心C1寄りの、例えば前記対角線上にそれぞれ設けられている。
【0034】
また、1つの端子台(例えば基本端子台100A)の嵌合片30a、30b、30c、30dは、他の端子台(例えば後述する増設端子台100B)の嵌合孔32a、32b、32c、32dとそれぞれ嵌合するように設けられている。
【0035】
即ち、基本端子台100Aの嵌合片30a、30b、30c、30dを、増設端子台100Bの嵌合孔32a、32b、32c、32dにそれぞれ嵌合することによって、基本端子台100Aと増設端子台100Bをz方向(垂直方向)に連結することができる。
【0036】
≪端子台の増設≫
図1及び図3を参照しつつ、回路を増設することに伴う端子台の増設について説明する。図1及び図3は、回路を増設することに伴う端子台の増設について説明するための斜視図である。尚、本実施の形態では、端子台を2つまで増設する場合について説明する。
【0037】
図1に示すように基本端子台100Aの入力端子33aには入力ケーブル2aが電気的に接続され、出力端子34aには出力ケーブル4aが電気的に接続される。尚、各ケーブルの接続方法は、図11に示す従来の方法と同様であり、入力ケーブル2a及び出力ケーブル4aの一端には圧着端子15が設けられている。以下、ケーブルの接続方法については説明を省略する。
【0038】
入力端子33bには入力ケーブル2bが電気的に接続され、出力端子34bには出力ケーブル4bが電気的に接続される。
また、入力端子33cには入力ケーブル2cが電気的に接続され、出力端子34cには出力ケーブル4cが電気的に接続される。
また、入力端子33dには入力ケーブル2dが電気的に接続され、出力端子34dには出力ケーブル4dが電気的に接続される。
以上の接続によって、母線電圧の各相の電圧が回路Aに出力されることになる。
【0039】
回路Bを増設することに伴って端子台(増設端子台100B)を増設する場合、増設端子台100Bの出力端子34a、34b、34c、34dに、出力ケーブル6a、6b、6c、6dをそれぞれ電気的に接続し、増設端子台100Bの面Lの嵌合孔32a、32b、32c、32dと、基本端子台100Aの面Uの嵌合片30a、30b、30c、30dをそれぞれ嵌合する。次に、図2に示すように、増設端子台100Bの、例えば螺子孔40bと、基本端子台100Aの螺子孔40bとを螺子50b(雄螺子)でz方向−側に螺合させる。さらに、増設端子台100Bの螺子孔40cと、基本端子台100Aの螺子孔40cとを螺子50c(雄螺子)でz方向−側に螺合させる。このことにより、基本端子台100Aと増設端子台100Bを確実にz方向に連結することができる。
【0040】
さらに、図3に示すように、増設端子台100Bの入力端子33aと、基本端子台100Aの入力端子33aとを短絡ケーブル3aで電気的に接続する。また、増設端子台100Bの入力端子33bと、基本端子台100Aの入力端子33bとを短絡ケーブル3bで電気的に接続する。また増設端子台100Bの入力端子33cと、基本端子台100Aの入力端子33cとを短絡ケーブル3cで電気的に接続する。そして、増設端子台100Bの入力端子33dと、基本端子台100Aの入力端子33dとを短絡ケーブル3dで電気的に接続する。
【0041】
このように、基本端子台100Aに増設端子台100Bを連結し、出力ケーブル6a、6b、6c、6d及び短絡ケーブル3a、3b、3c、3dを接続することによって、母線電圧の各相の電圧が、回路Aと回路Bとに並列に印加されることになる。
【0042】
さらに、回路Cを増設することに伴って端子台(増設端子台100C)を増設する場合、図3に示すように、増設端子台100Cの出力端子34aに回路CのU相の出力ケーブル8aを電気的に接続し、出力端子34bに回路CのV相の出力ケーブル8bを電気的に接続し、出力端子34cに回路CのW相の出力ケーブル8cを電気的に接続し、出力端子34cに回路Cのニュートラル相の出力ケーブル8dを電気的に接続する。そして、増設端子台100Cの面Lの嵌合孔32a、32b、32c、32dと増設端子台100Bの面Uの嵌合電30a、30b、30c、30dとをそれぞれ嵌合する。さらに、増設端子台100Cの入力端子33a、33b、33c、33dと、増設端子台100Bの入力端子33a、33b、33c、33dをそれぞれ短絡ケーブル(不図示)で電気的に接続する。
【0043】
そして、増設端子台100Cの、螺子孔40aと、増設端子台100Bの螺子孔40aとを螺子50a(雄螺子)でz方向−側に螺合し、さらに、増設端子台100Cの螺子孔40dと、増設端子台100Bの螺子孔40dとを螺子50d(雄螺子)でz方向−側に螺合する。このように、増設端子台100B、100Cの面Uの対角線となる螺子孔40a、40dと、螺子孔40b、40cを、螺子50a、50dと螺子50b、50cによって交互に螺合させていくことにより、各端子台にかかる応力を分散させることができ、基本端子台100A、増設端子台100B、100Cをz方向に安定して連結することができる。
【0044】
尚、基本端子台100A及び増設端子台100B、100Cに設けられる嵌合片30a、30b、30c、30d、嵌合孔32a、32b、32c、32d、螺子孔40a、40b、40c、40dの数および配置は本実施形態の構成に限定されない。例えば、嵌合片及び嵌合孔を5つ以上、又は3つ以下としてもよい。また、螺子孔40a、40b、40c、40dを、基本端子台100A及び増設端子台100B、100Cの面Uの各辺の中点付近に設けてもよい。
【0045】
このように、基本端子台100A、及び増設端子台100B、100Cの面Uに嵌合片30a、30b、30c、30dを設け、面Lに嵌合孔32a、32b、32c、32dを設けているため、必要に応じて基本端子台100Aに複数の増設端子台100B、100Cをz方向に連結していくことができる。
【0046】
尚、基本端子台100A、及び増設端子台100B、100Cの面Uに嵌合孔を設け、端子台の面Lに嵌合片を設けてもよい。この場合、例えば、基本端子台100Aの嵌合片を受け入れる孔を有する基台を当該基本端子台100Aの下に設置し、基本端子台100Aと基台とを、例えば螺子などによって固定するようにすればよい。
【0047】
また、基本端子台100A、及び増設端子台100B、100Cの面Uの嵌合片30a、30b、30c、30dの一部を嵌合孔とし、その他を嵌合片としてもよい。その場合、面Lには面Uの嵌合孔に対応して嵌合片が設けられ、面Uの嵌合片に対応して嵌合孔が設けられることになる。
【0048】
また、各端子台の−z側にダミー入力端子33eとダミー出力端子34eを設けることにより、基本端子台100Aと増設端子台100B、100Cを連結した場合に、4相毎の区切りを判別しやすくなり、入力ケーブル2a〜2d、出力ケーブル4a〜4d、6a〜6d、8a〜8d、短絡ケーブル3a〜3dを接続するべき端子に正確に接続することができる。
【0049】
また、各端子台の出力端子34a、34b、34c、34d、34eに、例えば4相の母線電圧の各相に応じて異なる色が付されると、さらに相の判別が容易になり、入力ケーブル2a〜2d、出力ケーブル4a〜4d、6a〜6d、8a〜8d、短絡ケーブル3a〜3dを接続するべき端子に正確に接続することができる。尚、色を付すには、例えば出力端子34a、34b、34c、34d、34eに色を塗付けてもよいし、所定の色のシールを貼り付けてもよい。又は、端子台を一体形成する際に、端子台を構成する樹脂に色を付けるようにしてもよい。
【0050】
===第2の実施形態===
図4は、本発明の第2の実施形態に係る端子台の一例を説明するための斜視図である。本発明の第2実施形態に係る端子台は、基本端子台200Aと増設端子台200B、200Cを有して構成される。尚、入力端子に印加される電圧は、第1の実施形態と同様、電圧変成器20から取り込まれる4相の母線電圧であるこことする。また、端子台の各辺に沿って、図4に示すようにx方向、y方向、z方向とし、矢印の向きを+側、矢印と反対側を−側とする。
【0051】
≪基本端子台≫
本発明の第2の実施形態に係る基本端子台200Aは、例えば直方体で形成され、長手方向にケーブル接続面Fを有している。また、基本端子台200Aは、ケーブル接続面Fにおいて、x方向の中心よりも−側に回路Aへの出力ケーブル4a、4b、4c、4dが接続される4つの出力端子44a、44b、44c、44d(第1出力端子)を有し、x方向の中心よりも+側に4相の母線電圧を印加するための入力ケーブル2a、2b、2c、2dが接続される4つの入力端子43a、43b、43c、43dを有している。
【0052】
入力端子43a、43b、43c、43dと出力端子44a、44b、44c、44dは、導電体で形成されるとともに、隣接するもの同士(例えば入力端子43aと出力端子44a)は基本端子台200Aの内部で例えば導線(不図示)によって電気的に接続されている。
【0053】
また、基本端子台200Aは、+z側の面Uに設けられた嵌合孔60a、60b、60c、60d(第1嵌合孔)と、螺子孔70a、70b、70c、70d(第1螺子孔)を有している。
【0054】
嵌合孔60aは、基本端子台200Aの面Uにおける中心C2よりもx方向−側、y方向+側に設けられ、螺子孔70aは嵌合孔60aよりもx方向−側、y方向+側に設けられている。嵌合孔60bは、基本端子台200Aの面Uにおける中心C2よりもx方向−側、y方向−側に設けられ、螺子孔70bは嵌合孔60bよりもx方向−側、y方向−側に設けられている。嵌合孔60cは、基本端子台200Aの面Uにおける中心C2よりもx方向+側、y方向+側に設けられ、螺子孔70cは嵌合孔60cよりもx方向+側、y方向+側に設けられている。嵌合孔60dは、基本端子台200Aの面Uにおける中心C2よりもx方向+側、y方向−側に設けられ、螺子孔70dは嵌合孔60dよりもx方向+側、y方向−側に設けられている。
【0055】
尚、螺子孔70a、70b、70c、70dは、基本端子台200Aの面Uの対角線上の近傍にそれぞれ設けられている。また、嵌合孔60a、60b、60c、60dは、螺子孔70a、70b、70c、70dよりも中心C2寄りの、例えば前記対角線上にそれぞれ設けられている。螺子孔70a、70b、70c、70dは、基本端子台200Aのz方向に沿って設けられるものであり、当該基本端子台200Aを貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。
【0056】
また、嵌合孔60a、60b、60c、60dには、例えば孔の底面に、出力端子44a、44b、44c、44dの電圧が導き出される導出端子が設けられている。導出端子としては、例えば、出力端子44a、44b、44c、44dとそれぞれ電気的に接続された導線の端部を嵌合孔60a、60b、60c、60dの底面から露出させてもよいし、嵌合孔60a、60b、60c、60dの例えば底面を導電体で形成し、出力端子44a、44b、44c、44dと前記導電体を導線などによってそれぞれ電気的に接続してもよい。前者の場合、導線の端部が導出端子となり、後者の場合、導電体が導出端子となる。
【0057】
図5は、図4に示すB−B′の断面の一例を示す断面図である。
基本端子台200Aの出力端子44aの電圧は、配線22aによって嵌合孔60aの導出端子に導出される。また、出力端子44bの電圧は、配線22によって嵌合孔60bの導出端子に導出される。また、出力端子44cの電圧は、配線22cによって嵌合孔60cの導出端子に導出される。さらに、出力端子44dの電圧は、配線22dによって嵌合孔60dの導出端子に導出される。尚、配線22a、22b、22c、22dは、両端の接続箇所を除く部分が絶縁物で被膜された導線である。
【0058】
≪増設端子台≫
本発明の第2の実施形態に係る増設端子台200B、200Cは同じ構成とすることができる。以下の説明では増設端子台200Bについて説明する。増設端子台200Bは、例えば直方体で形成され、長手方向にケーブル接続面Fを有している。また、基本端子台200Aは、ケーブル接続面Fにおいて、x方向の中心よりも−側に、回路Bへの出力ケーブル6a、6b、6c、6dが接続される4つの出力端子54a、54b、54c、54d(第2出力端子)と、前記4つの出力端子54a、54b、54c、54dの−z側に連続するダミー出力端子54eを有している。また、増設端子台200Bは、ケーブル接続面Fにおいて、x方向の中心よりも+側に各出力端子と並設されたダミー入力端子53a、53b、43c、54d、54eを有している。
【0059】
さらに、増設端子台200Bは、−z側の面Lに設けられた嵌合片82a、82b、82c、82d(第2嵌合片)と、+z側の面Uに設けられた嵌合孔80a、80b、80c、80d(第2嵌合孔)、及び螺子孔72a、72b、72c、72dと、を有している。
【0060】
嵌合片82a、82b、82c、82dは、増設端子台200Bの面Lにおいて、基本端子台200Aの嵌合孔60a、60b、60c、60dとそれぞれ嵌合可能な位置に設けられたものである。嵌合片82a、82b、82c、82dの−z側には、例えば導電体で形成された導出端子(不図示)が設けられている。導出端子としては、例えば、出力端子54a、54b、54c、54dと電気的に接続された導線の端部を嵌合片82a、82b、82c、82dの先端部から露出させてもよいし、嵌合片82a、82b、82c、82dの先端部を導電体で形成し、出力端子54a、54b、54c、54dと前記導電体を導線などによってそれぞれ電気的に接続してもよい。前者の場合、導線の端部が導出端子となり、後者の場合、導電体が導出端子となる。
【0061】
嵌合孔80a、80b、80c、80dは、増設端子台200Bの面Uにおいて、他の増設端子台(例えば増設端子台200C)の嵌合片82a、82b、82c、82dとそれぞれ嵌合可能な位置に設けられたものである。また、嵌合孔80a、80b、80c、80dには、例えば孔の底面に、出力端子54a、54b、54c、54dの電圧が導き出される導出端子が設けられている。導出端子としては、例えば、出力端子54a、54b、54c、54dとそれぞれ電気的に接続された導線の端部を嵌合孔80a、80b、80c、80dの底面から露出させてもよいし、嵌合孔80a、80b、80c、80dの例えば底面を導電体で形成し、出力端子54a、54b、54c、54dと前記導電体を導線などによってそれぞれ電気的に接続してもよい。前者の場合、導線の端部が導出端子となり、後者の場合、導電体が導出端子となる。
【0062】
螺子孔72a、72b、72c、72dは、増設端子台200Bをz方向に貫通して設けられ、他の増設端子台の螺子孔72a、72b、72c、72d、及び基本端子台200Aの螺子孔70a、70b、70c、70dと、それぞれ螺子50a、50b、50c、50dによって螺合可能となっている。
【0063】
尚、増設端子台200Bの内部において、出力端子54aの電圧は、嵌合孔80aの導出端子と嵌合片82aの導出端子に導出される。また、出力端子54bの電圧は、嵌合孔80bの導出端子と嵌合片82bの導出端子に導出される。また、出力端子54cの電圧は、嵌合孔80cの導出端子と嵌合片82cの導出端子に導出される。さらに、出力端子54dの電圧は、嵌合孔80dの導出端子と嵌合片82dの導出端子に導出される。
【0064】
≪端子台の増設≫
以下、図4、図6を参照しつつ、回路を増設することに伴う端子台の増設について説明する。図6は、端子台の増設を説明するための斜視図である。
【0065】
基本端子台200Aの入力端子43aには入力ケーブル2aが電気的に接続され、出力端子44aには出力ケーブル4aが電気的に接続される。尚、各ケーブルの接続方法は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
また、入力端子43bは入力ケーブル2bと電気的に接続され、出力端子44bは出力ケーブル4bと電気的に接続される。
また、入力端子43cは入力ケーブル2cと電気的に接続され、出力端子44cには出力ケーブル4cと電気的に接続される。
また、入力端子43dは入力ケーブル2dと電気的に接続され、出力端子44dには出力ケーブル4dと電気的に接続される。
以上の接続により母線電圧の各相の電圧は、回路Aに出力されるとともに、基本端子台200Aの嵌合孔60a、60b、60c、60dの導出端子に、それぞれ印加される。
【0066】
回路Bを増設することに伴って端子台(増設端子台200B)を増設する場合、図4に示すように、増設端子台200Bの出力端子54aと出力ケーブル6aとを電気的に接続し、出力端子54bと出力ケーブル6bとを電気的に接続し、出力端子54cと出力ケーブル6cとを電気的に接続し、出力端子54dと出力ケーブル6dとを電気的に接続する。
【0067】
そして、増設端子台200Bの面Lの嵌合片82a、82b、82c、82dと基本端子台200Aの面Uの嵌合孔60a、60b、60c、60dとをそれぞれ嵌合する。
【0068】
この嵌合により、嵌合片82a、82b、82c、82dの導出端子と嵌合孔60a、60b、60c、60dの導出端子が接触する。すると、基本端子台200Aの入力端子43a、43b、43c、43dは、基本端子台200Aの出力端子44a、44b、44c、44dと増設端子台200Bの出力端子54a、54b、54c、54dに、それぞれ、電気的に接続される。よって、母線電圧の各相の電圧は、回路Aと回路Bとに並列に印加されることになる。
【0069】
さらに、例えば増設端子台200Bの螺子孔72bと基本端子台200Aの螺子孔70bとを螺子50bでz方向−側に螺合し、さらに、増設端子台200Bの螺子孔72cと基本端子台200Aの螺子孔70cとを螺子50cでz方向−側に螺合する。このことにより、基本端子台200Aと増設端子台200Bとの連結を確実に行うことができる。
【0070】
さらに、回路Cを増設することに伴い端子台(増設端子台200Cとする)を増設する場合、増設端子台200Cの出力端子54aと出力ケーブル8aとを電気的に接続する。また、増設端子台200Cの出力端子54bと出力ケーブル8bとを電気的に接続し、増設端子台200Cの出力端子54cと出力ケーブル8cとを電気的に接続し、増設端子台200Cの出力端子54dと出力ケーブル8dとを電気的に接続する。
【0071】
そして、図6に示すように増設端子台200Cの面Lの嵌合片82a、82b、82c、82dと増設端子台200Bの面Uの嵌合孔80a、80b、80c、80dとをそれぞれ嵌合する。このことにより、増設端子台200Cの嵌合片82a、82b、82c、82dの導出端子と増設端子台200Bの嵌合孔80a、80b、80c、80dの導出端子とが接触する。すると、増設端子台200Cの出力端子54a、54b、54c、54dは、増設端子台200Bの出力端子54a、54b、54c、54dに、それぞれ電気的に接続される。従って、母線電圧の各相の電圧は、回路A、回路Bおよび回路Cに並列に印加されることになる。
【0072】
さらに、増設端子台200Cの螺子孔72aと増設端子台200Bの螺子孔72aとを螺子50aでz方向−側に螺合し、さらに、増設端子台200Cの螺子孔72dと、増設端子台200Bの螺子孔72dとを螺子50dでz方向−側に螺合する。このように、増設端子台200B、200Cの面Uの対角線となる螺子孔72a、72dと、螺子孔72b、72cを、螺子50a、50dと螺子50b、50cによって交互に螺合させていくことにより、各端子台にかかる応力を分散させることができ、基本端子台200A、増設端子台200B、200Cをz方向に安定して連結することができる。
【0073】
このように、第2の実施形態では、基本端子台200Aに増設端子台200B、200Cを連結することによって、基本端子台200Aの入力端子43a、43b、43c、43dの各電圧が基本端子台200Aの出力端子44a、44b、44c、44d及び増設端子台200B、200Cの出力端子54a、54b、54c、54dにそれぞれ並列に出力されることになる。よって、増設端子台200B、200Cの増設に際して、1つの入力端子と他の入力端子とを電気的に接続する短絡ケーブルを設ける必要がないので、増設に要する時間を短縮することができるとともに入力ケーブル2a〜2d、出力ケーブル4a〜4d、6a〜6d、8a〜8dの接続を正確かつ容易に行うことができる。また、短絡ケーブルを設ける場合、図12に示すように1つの入力端子に2つの圧着端子15が接続されると、螺子16の締め付けが悪化する場合があるが、第2の実施形態では、1つの入力端子につき、1つの圧着端子15のみが接続されることになるので、螺子16の締め付けが悪化することを防止できる。
【0074】
また、増設端子台200B、200Cの−z側の最下部にダミー入力端子53eとダミー出力端子54eを設けることにより、基本端子台200Aと増設端子台200B、200Cとを複数連結した場合に、電圧の相毎の区切りを判別しやすくなり、入力ケーブル2a〜2d、出力ケーブル4a〜4d、6a〜6d、8a〜8dを接続するべき端子に正確に接続することができる。
【0075】
また、基本端子台200Aの出力端子44a、44b、44c、44dおよび増設端子台200B、200Cの出力端子54a、54b、54c、54dに、例えば4相の母線電圧の各相に応じて異なる色が付されると、さらに各相の判別が容易になり、入力ケーブル2a〜2d、出力ケーブル4a〜4d、6a〜6d、8a〜8dを接続するべき端子に正確に接続することができる。尚、色を付すには、例えば出力端子34a、34b、34c、34d、34eに色を塗付けてもよいし、所定の色のシールを貼り付けてもよい。又は、端子台を一体形成する際に、端子台を構成する樹脂に色を付けるようにしてもよい。
【0076】
本実施形態では、増設端子台200B、200Cの面Uに嵌合孔80a、80b、80c、80dを設け、面Lに嵌合片82a、82b、82c、82dを設けることとしたが、増設端子台200B、200Cの面Uに嵌合片を設け、面Lに嵌合孔を設けてもよい。その場合、基本端子台200Aの面Uには嵌合孔80a、80b、80c、80dと嵌合する嵌合片が設けられることとなる。
【0077】
また、増設端子台200B、200Cの面Uの嵌合孔80a、80b、80c、80dの一部を嵌合片とし、その他を嵌合孔としてもよい。その場合、面Lには面Uの嵌合孔に対応して嵌合片が設けられ、面Uの嵌合片に対応して嵌合孔が設けられることになる。さらに、基本端子台200Aの面Uにも増設端子台200B、200Cの面Uの同様に嵌合片と嵌合孔が設けられる。
【0078】
また、嵌合孔60a、60b、60c、60d、80a、80b、80c、80dの底面に導出端子を設け、嵌合片82a、82b、82c、82dの先端に導出端子を設けることとしたが、嵌合孔80a、80b、80c、80dの孔部分全面を導電体で形成した導出端子とし、嵌合片82a、82b、82c、82d全体を導電体で形成した導出端子としてもよい。
【0079】
なお、図4において、基本端子台200Aと増設端子台200Bとを連結する場合、基本端子台200Aの嵌合孔60a、60b、60c、60dの導出端子と、増設端子台200Bの嵌合片82a、82b、82c、82dの導出端子とを、それぞれ確実に接触させることが必要である。同様に、図6において、増設端子台200Bと増設端子台200Cとを連結する場合、増設端子台200Bの嵌合孔80a、80b、80c、80dの導出端子と、増設端子台200Cの嵌合片82a、82b、82c、82dの導出端子とを、それぞれ確実に接触させることが必要である。
【0080】
図7(a)は導出端子同士の接触を確実に行うための一例を示す断面図であり、増設端子台200Bと増設端子台200Cとを連結する場合について示したものである。図7(a)では、嵌合孔80b、80dを含むx方向の断面を示しているが、嵌合孔80a、80cを含むx方向の断面についても同様であることとする。また、図7(b)は、図7(a)に示す緩衝部材300の斜視図である。
【0081】
緩衝部材300は、絶縁物(例えばゴム)で構成され、増設端子台200Bの嵌合孔80a、80b、80c、80dとそれぞれ対応する位置に貫通孔90a、90b、90c、90dが設けられている。また、螺子孔72a、72b、72c、72dとそれぞれ対応する位置に螺子孔74a、74b、74c、74dが設けられている。
【0082】
また、増設端子台200Bの嵌合孔80b、80dのx方向の直径は、z方向−側になるほ短くなるように設けられている。つまり、図7(a)に示すように断面は台形形状となっている。そして、図6に示す出力端子54bと電気的に接続された導出端子、および出力端子54dと電気的に接続された導出端子を、それぞれ嵌合孔80b、80dの内周部に沿って露出させる(図中斜線部分)。
【0083】
これに対して、増設端子台200Cの嵌合片82b、82dのx方向の直径は、z方向−側になるほど短くなるように設けられている。つまり、図7(a)に示すように断面は台形形状となっている。なお、嵌合片82b、82dのx方向の直径がz方向−側になるほど短くなる度合は、嵌合孔80b、80dのx方向の直径がz方向−側になるほど短くなる度合よりも小さくなるようにしておく。こうすることにより、嵌合片82b、82dと嵌合孔80b、80dとをそれぞれ嵌合する場合、嵌合片82b、82dの先端の角の部分及びその近傍を、嵌合孔80b、80dの導出端子に確実に圧着させることができる。
【0084】
ここで、嵌合片82b、82dのz方向の長さ(d1)は、嵌合孔80b、80dのz方向の長さ(d2)よりも短く、さらに、嵌合孔80b、80dと嵌合する場合、斜線で示す導出端子に十分接触可能な長さとする。また、嵌合片82b、82dのx方向の長さ(直径)は、嵌合孔80b、80dと嵌合する場合に、嵌合孔80b、80dの導出端子に十分接触可能な長さとする。
【0085】
なお、嵌合片82b、82dにおいて、全体を導出端子としない場合には、嵌合片82b、82dの外周部のうちの嵌合孔80b、80dの導出端子と接触する少なくとも一部分、又は先端(−z側)に導出端子を設けておくようにする。先端に導出端子を設ける場合には、嵌合孔80b、80dとそれぞれ嵌合した際に、嵌合孔80b、80dの底部(−z側)の導出端子と嵌合片82b、82dの導出端子が接触するべくd1、及びd2の長さを設定しておく。
【0086】
そして、例えば、増設端子台200Cの螺子孔72d、緩衝部材300の貫通孔74d、増設端子台200Bの螺子孔72dを、螺子50dでz方向−側に螺合し、増設端子台200Cの螺子孔72a、緩衝部材300の貫通孔74a、増設端子台200Bの螺子孔72aを、螺子50aでz方向−側に螺合する。螺子50bと螺子50cで螺合する場合も同様である。
【0087】
螺子50aと螺子50dの締め付け、又は螺子50bと螺子50cの締め付けにより、嵌合片82a、82b、82c、82dが、嵌合孔80a、80b、80c、80dの導出端子と接触するまで緩衝部材300が圧縮されて、増設端子台200Bと増設端子台200Cが連結される。こうすることにより、嵌合片82a、82b、82c、82dの導出端子と、嵌合孔80a、80b、80c、80dの導出端子とを確実に接触させることができる。
【0088】
なお、基本端子台200Aと増設端子台200Bとの連結や、それ以外の増設端子台同士とを連結する際も同様の構成、及び緩衝部材300を用いて連結することによって、確実に導出端子を接触させるようにすることができる。
【0089】
また、本実施形態において、図6のように基本端子台200Aに増設端子台200B、200Cを連結する場合、+z方向最上部となる増設端子台200Cの嵌合孔80a、80b、80c、80dは露出した状態となっている。ここに導電物などが挟まったりすると導出端子同士が短絡する恐れがある。そこで、+z方向の最上部となる増設端子台(例えば増設端子台200C)、あるいは、増設端子台を設けていない場合には基本端子台200Aに、図8(a)に示すような末端端子台200Dを連結するようにしてもよい。図8(a)は、末端端子台200Dの一例を説明するための斜視図である。また、図8(b)は末端端子台200Dの側面図の一例である。
【0090】
末端端子台200Dは、樹脂などの絶縁物で形成され、−z側の面において、増設端子台200Cの嵌合孔80a、80b、80c、80dと嵌合可能な位置にそれぞれ嵌合片84a、84b、84c、84dが設けられている。嵌合片84a、84b、84c、84dのz方向の長さ(d3)は、増設端子台200Cの嵌合孔80a、80b、80c、80dの深さ(z方向の長さ)よりも短くしておく。また、嵌合片84a、84b、84c、84dの直径は、それぞれ嵌合孔80a、80b、80c、80dと嵌合可能とするべく、嵌合孔80a、80b、80c、80dの直径よりも短くしておく。
【0091】
また、末端端子台200Dには、螺子孔72a、72b、72c、72dとそれぞれ対応する位置に螺子孔76a、76b、76c、76dが設けられている。
【0092】
末端端子台200Dと増設端子台200Cとを連結する場合、末端端子台200Dの嵌合片84a、84b、84c、84dと増設端子台200Cの嵌合孔80a、80b、80c、80dとを嵌合させる。その後、例えば、螺子50aで螺子孔76a、72aをz方向−側に螺合し、螺子50dで螺子孔76d、72dをz方向−側に螺合する。
【0093】
また、増設端子台200Cの面Uに嵌合片を設け、面Lに嵌合孔を設けた場合にも、勘合片が露出することになるため、導電物などによって導出端子が接触し短絡する恐れがある。その場合も同様に末端端子台を設けるようにすればよい。
【0094】
図9(a)は、増設端子台200Cの面Uに嵌合片82a、82b、82c、82dを設けた場合の末端端子台200Eの一例を説明するための斜視図である。図9(b)は、末端端子台200Eの側面図の一例である。
【0095】
末端端子台200Eは、樹脂などの絶縁物で形成され、−z側の面において、増設端子台200Cの嵌合片82a、82b、82c、82dと嵌合可能な位置にそれぞれ嵌合孔86a、86b、86c、86dが設けられている。嵌合孔86a、86b、86c、86dのz方向の長さ(d4)は、増設端子台200Cの嵌合片82a、82b、82c、82dのz方向の長さよりも長くしておく。また、嵌合孔86a、86b、86c、86dの直径は、それぞれ嵌合片82a、82b、82c、82dと嵌合可能とするべく、嵌合片82a、82b、82c、82dの直径よりも長くしておく。
【0096】
また、末端端子台200Eには、螺子孔72a、72b、72c、72dとそれぞれ対応する位置に螺子孔78a、78b、78c、78dが設けられている。
【0097】
末端端子台200Eと増設端子台200Cとを連結する場合、末端端子台200Dの嵌合孔86a、86b、86c、86dと増設端子台200Cの嵌合片82a、82b、82c、82dとを嵌合させる。その後、例えば、螺子50aで螺子孔78a、72aをz方向−側に螺合し、螺子50dで螺子孔78d、72dをz方向−側に螺合する。
【0098】
このように、末端端子台200D、又は200Eを設けることによって、導出端子を露出しないようにすることができ、短絡を防止することができる。
【0099】
なお、末端端子台を、例えば増設端子台200Cの面Uに嵌合孔80a、80b、80c、80d、あるいは嵌合片82a、82b、82c、80dを設けないようにした構成としてもよい。その場合、増設を行う最後に末端端子台を連結するようにする。
【0100】
以上説明したように、本発明の端子台は、必要に応じて基本端子台と増設端子台を垂直方向に連結していくことにより、入力ケーブルとそれに対応した出力ケーブルの接続を正確に行うことができる。
【0101】
前述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されるとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施形態に係る端子台を説明するための斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る端子台を示す図である。図2(a)は端子台の斜視図であり、図2(b)は端子台の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る端子台の増設を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る端子台を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る端子台の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る端子台の増設を説明するための斜視図である。
【図7】図7(a)は導出端子同士の接触を確実に行うための一例を示す断面図であり、図7(b)は緩衝部材の斜視図である。
【図8】図8(a)は、末端端子台の一例を説明するための斜視図である。また、図8(b)は末端端子台の側面図である。
【図9】図9(a)は、末端端子台の一例を説明するための斜視図である。また、図9(b)は末端端子台の側面図である。
【図10】従来の端子台の構成の一例を示す斜視図である。
【図11】従来の端子台を拡大して示す斜視図である。
【図12】従来の端子台の接続を示す平面図である。
【符号の説明】
【0103】
10 端子台、12 螺子孔、15 圧着端子、16 螺子、
20 電圧変成器、2a〜2d 入力ケーブル、3a〜3d 短絡ケーブル、
4a〜4d、6a〜6d、8a〜8d 出力ケーブル、
30a〜30d 嵌合片、32a〜32d 嵌合孔、
33a〜33d 入力端子、34a〜34d 出力端子、
33e,53e ダミー入力端子、34e,54e ダミー出力端子、
40a〜40d 螺子孔、50a〜50d 螺子、
43a〜43d、53a〜53d 入力端子、
44a〜44d、54a〜54d 出力端子、
60a〜60d 嵌合孔、70a〜70d 螺子孔、
72a〜72d 螺子孔、74a〜74d 螺子孔、
76a〜76d 螺子孔、78a〜78d 螺子孔、
80a〜80d、86a〜86d 嵌合孔、
82a〜82d、84a〜84d 嵌合片、
90a〜90d 貫通孔、
100A,200A 基本端子台、
100B,100C,200B,200C 増設端子台、
200D,200E 末端端子台、
300 緩衝部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数相からなる電圧を印加するための複数の入力ケーブルが接続される複数の入力端子と、
前記複数の入力端子と電気的に接続され、前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の出力端子と、
複数の嵌合孔と、
複数の嵌合片と、をユニットとし、
前記ユニット同士を垂直方向に連結する場合、一の前記ユニットの前記複数の嵌合孔(又は前記複数の嵌合片)と他の前記ユニットの前記複数の嵌合片(又は前記複数の嵌合孔)が嵌合する、ことを特徴とする端子台。
【請求項2】
前記複数の入力端子の一端に連続するダミー入力端子と、
前記複数の出力端子の一端に連続するダミー出力端子と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
前記複数の出力端子は、前記複数相からなる電圧の各相に応じて異なる色が付されることを特徴とする請求項1に記載の端子台。
【請求項4】
末端となる前記ユニットは、前記複数の嵌合孔又は前記複数の嵌合片の一方のみを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の端子台。
【請求項5】
前記ユニット同士を螺子で螺合するための垂直方向に貫通する螺子孔、を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の端子台。
【請求項6】
複数相からなる電圧を印加するための複数の入力ケーブルが接続される複数の入力端子と、前記複数の入力端子と電気的に接続され、前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の第1出力端子と、前記複数の第1出力端子と電気的に接続される複数の導出端子を有する複数の第1嵌合孔(又は複数の第1嵌合片)と、をユニットとした基本端子台と、
前記複数相からなる電圧を出力するための複数の出力ケーブルが接続される複数の第2出力端子と、前記複数の第2出力端子と電気的に接続される複数の導出端子を有する複数の第2嵌合孔と、前記複数の第2出力端子と電気的に接続される複数の導出端子を有する複数の第2嵌合片と、をユニットとした増設端子台と、
を備え、
前記基本端子台と前記増設端子台を垂直方向に連結する場合、前記複数の第1嵌合孔(又は前記複数の第1嵌合片)と前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)が嵌合し、且つ、前記複数の第1嵌合孔(又は前記複数の第1嵌合片)と前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)の導出端子同士が接触し、
前記増設端子台同士を垂直方向に連結する場合、一の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合孔(又は前記複数の第2嵌合片)と他の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)が嵌合し、且つ、一の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合孔(又は前記複数の第2嵌合片)と他の前記増設端子台の前記複数の第2嵌合片(又は前記複数の第2嵌合孔)の導出端子同士が接触する、
ことを特徴とする端子台。
【請求項7】
前記増設端子台は、前記複数の入力端子の一端に連続するダミー入力端子と、前記複数の第2出力端子の一端に連続するダミー出力端子と、を備えたことを特徴とする請求項6に記載の端子台。
【請求項8】
前記複数の第2出力端子は、前記複数相からなる電圧の各相に応じて異なる色が付されることを特徴とする請求項6に記載の端子台。
【請求項9】
前記複数の第1出力端子は、前記複数相からなる電圧の各相に応じて、前記複数の第2出力端子と同一の異なる色が付されることを特徴とする請求項8に記載の端子台。
【請求項10】
前記基本端子台は、前記増設端子台と螺子で螺合されるための垂直方向の第1螺子孔を有し、
前記増設端子台は、前記基本端子台又は前記増設端子台と螺子で螺合されるための垂直方向に貫通する第2螺子孔を有する、ことを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の端子台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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