説明

端子圧着方法

【課題】 各電線の、特に外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線を端子に圧着する場合において、各電線の芯線の芯線バレルに対する突出量が不良となったり、あるいはシール部材の圧着位置が不良となったりするのを防止できる端子圧着方法を提供する。
【解決手段】 端子圧着方法は、持ち上げられた、電線Wの被覆端部にシール部材Sを装着した1本の電線Wを移動し、1本の電線Wの芯線W1を端子Tの芯線バレルT1の上方に位置決めすると共に1本の電線Wの被覆W2を端子TのインシュレーションバレルT2の上方に位置決めする電線移動工程と、クリンパ42の下降による圧着動作に連動して1本の電線Wのクランプされた部分近傍を下降させ、芯線W1を端子Tの芯線バレルT1に、被覆T2を端子TのインシュレーションバレルT2に圧着する圧着工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の端部を端子に圧着する端子圧着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電線の端部を端子に圧着する端子圧着装置として、例えば、図3に示すもの(特許文献1参照)が知られている。
図3に示す端子圧着装置101は、該端子圧着装置101の基部(図示せず)に固定された端子台102と、芯線バレル圧着治具103と、インシュレーションバレル圧着治具104と、電線ガイド治具105とを備えている。
【0003】
芯線バレル圧着治具103及びインシュレーションバレル圧着治具104は、それぞれ圧着溝103a,104aを有し、端子台102に対して上下動可能に構成されている。圧着溝103aは、入口部分が広く、漸次奥へ入る程狭くなっており、底部の中央には端子Tの芯線バレルT1を電線Wの芯線W1にしっかり食い込ませるための突起部103bが形成され、また、圧着溝104aは、入口部分が広く、漸次奥へ入る程狭くなっており、底部の中央には端子TのインシュレーションバレルT2を電線Wの被覆W2にしっかり食い込ませるための突起部104bが形成されている。芯線バレル圧着治具103及びインシュレーションバレル圧着治具104は、ラムによって端子台102に対して上下動し、電線Wを端子Tに圧着するようになっている。
【0004】
また、電線ガイド治具105は、インシュレーションバレル圧着治具104の後側(図3における左側)に設置されている。電線ガイド治具105には、圧着時に電線Wを案内するガイド溝105aが形成されている。ガイド溝105aは、入口が拡がり、奥が電線Wの外径と略同じ幅に形成され電線Wを軽く把持できるようになっている。電線ガイド治具105は、圧着治具103,104が端子Tを圧着する前に、図4(A)から図4(B)に示すように、下降してきて電線Wを端子台102の中央に固定するようになっている。電線Wを端子台102の中央に固定した後、芯線バレル圧着治具103及びインシュレーションバレル圧着治具104が下降し、端子Tの芯線バレルT1を電線Wの芯線W1に、インシュレーションバレルT2を被覆に圧着する。
【0005】
これにより、図5に示すように、電線Wは端子TのインシュレーションバレルT2の中心部に固定されることになる。
【特許文献1】特開平1−206588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図3に示した端子圧着装置101にあっては、以下の問題点があった。
即ち、電線Wの線径の大小にかかわらず、電線Wを端子TのインシュレーションバレルT2の中心部に固定することができるが、電線Wの被覆端部にシール部材を装着した電線Wを端子Tに圧着する場合において、電線Wの芯線W1の芯線バレルT1に対する突出量(電線Wの延びる方向における突出量)が不良となったり、また、インシュレーションバレルT2をシール部材の外側から圧着するときにはシール部材の圧着位置(電線Wの延びる方向におけるシール部材のインシュレーションバレルT2に対する位置)が不良となったりすることがあった。特に電線Wの外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い場合には、上記不具合が顕著であった。
【0007】
そして、図3に示した端子圧着装置101にあっては、各電線Wの被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線Wを端子Tに圧着する技術については、何ら開示がなされておらず、特に外径の細い各電線Wの被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線Wを端子に圧着する場合において、各電線Wの芯線W1の芯線バレルT1に対する突出量が不良となったり、あるいはシール部材の圧着位置が不良となったりするのを防止することができなかった。
【0008】
従って、本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、各電線の、特に外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線を端子に圧着する場合において、各電線の芯線の芯線バレルに対する突出量が不良となったり、あるいはシール部材の圧着位置が不良となったりするのを防止できる端子圧着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る端子圧着方法は、各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線の前記被覆端部近傍をクランプする電線クランプ工程と、クランプされた前記複数本の電線のうちの1本の電線のクランプされた部分近傍を把持し、前記1本の電線の被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、前記1本の電線のクランプされた部分近傍を持ち上げる電線持ち上げ工程と、持ち上げられた前記1本の電線を移動し、前記1本の電線の芯線を端子の芯線バレルの上方に位置決めすると共に前記1本の電線の被覆を前記端子のインシュレーションバレルの上方に位置決めする電線移動工程と、クリンパの下降による圧着動作に連動して前記1本の電線のクランプされた部分近傍を下降させ、前記芯線を端子の芯線バレルに、前記被覆を前記端子のインシュレーションバレルに圧着する圧着工程と、前記1本の電線のクランプされた部分近傍を元の位置に戻し、前記1本の電線の前記被覆端部近傍をクランプするとともに、前記1本の電線のクランプされた部分近傍の把持状態を解除する電線戻し工程と、前記複数本の電線のうちの他の電線について、前記電線持ち上げ工程と、電線移動工程と、圧着工程と、電線戻し工程とを順次繰り返す工程とを含むことを特徴としている。
【0010】
また、本発明のうち請求項2に係る端子圧着方法は、各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線の前記被覆端部近傍をクランプする電線クランプ工程と、クランプされた前記複数本の電線のうちの1本の電線のクランプされた部分近傍を把持し、前記1本の電線の被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、前記1本の電線のクランプされた部分近傍を持ち上げる電線持ち上げ工程と、持ち上げられた前記1本の電線を移動し、前記1本の電線の芯線を端子の芯線バレルの上方に位置決めすると共に前記1本の電線に装着されたシール部材の一部を前記端子のインシュレーションバレルの上方に位置決めする電線移動工程と、クリンパの下降による圧着動作に連動して前記1本の電線のクランプされた部分近傍を下降させ、前記芯線を端子の芯線バレルに、前記シール部材の一部を前記端子のインシュレーションバレルに圧着する圧着工程と、前記1本の電線のクランプされた部分近傍を元の位置に戻し、前記1本の電線の前記被覆端部近傍をクランプするとともに、前記1本の電線のクランプされた部分近傍の把持状態を解除する電線戻し工程と、前記複数本の電線のうちの他の電線について、前記電線持ち上げ工程と、電線移動工程と、圧着工程と、電線戻し工程とを順次繰り返す工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のうち請求項1に係る端子圧着方法によれば、各電線の、特に外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線を端子に圧着する場合において、各電線の芯線の芯線バレルに対する突出量不良を防止することができる。
また、本発明のうち請求項2に係る端子圧着方法によれば、各電線の、特に外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線を端子に圧着する場合において、各電線の芯線の芯線バレルに対する突出量不良及びシール部材の圧着位置不良を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る端子圧着方法が適用される端子圧着装置の概略斜視図である。図2は本発明に係る端子圧着方法の説明図である。
図1において、端子圧着装置1は、電線支持部材10と、電線支持部材セッテング治具20と、電線クランプ装置30と、端子圧着アプリケータ40と、電線移載装置50とを備えている。
【0013】
電線支持部材10は、図示しない電線搬送コンベアに一端部が回動可能に支持され、他端部で複数の電線Wを支持するようになっている。各電線Wの外径は2mm程度以下、その中でも1mm程度になっている。
また、電線支持部材セッティング治具20は、電線搬送コンベア上に設置され、図1及び図2における矢印Aで示す電線クランプ装置送り方向(以下、電線クランプ装置送り方向を右方向、その反対方向を左方向という)に、後述する電線配列ピッチ毎に1ピッチづつ送られるようになっている。
【0014】
更に、電線クランプ装置30は、電線支持部材セッティング治具20の前後方向(左右方向に直交する方向)の後端部(図1における奥側の端部)に設置されている。電線クランプ装置30は、左右方向に延びる略矩形形状のクランプ本体31を有している。クランプ本体31には、左右方向に延びる凹部31cが形成され、凹部31cの前側には、複数の電線導入溝31aが左右方向に沿って所定の電線配列ピッチで設けられ、凹部31cの後側には、複数の電線導出溝31bが電線導入溝31aと対面する位置に設けられている。そして、凹部31c内には、電線導入溝31aから導入された複数の電線Wをクランプする複数のクランプ部材32が設けられている。各クランプ部材32は、左右方向において電線導入溝31aと電線導出溝31bとに対応する位置に設けられており、電線Wのクランプ及びその解除を行う1対のクランプ爪32aで構成されている。1対のクランプ爪32aは、図2に示すように、互いに接近して電線Wをクランプするとともに互いに離反してそのクランプ状態を解除するようになっている。
【0015】
端子圧着アプリケータ40は、電線クランプ装置30に対して後側に所定間隔を開けて設置されている。端子圧着アプリケータ40は、アンビル41と、アンビル41に対して上下動するクリンパ42とを備えている。クリンパ42は、端子Tの芯線バレルT1に電線Wの芯線W1を圧着する芯線バレル圧着クリンパ42aと、インシュレーションバレルT2に電線Wの被覆W2を圧着するインシュレーションバレル圧着クリンパ42bとを備えている。アンビル41上には、キャリアCに電線配列ピッチと同一ピッチで接続された複数の端子Tが、図示しない端子供給源から矢印B方向(右方向)に電線配列ピッチ毎に1ピッチづつ送られるようになっている。
【0016】
更に、電線移載装置50は、基体部51と、基体部51に取り付けられたシリンダ52と、シリンダ52によって前後方向に移動する前後移動部53と、前後移動部に対して上下動する上下移動部54と、上下移動部54に対して下方に突出するように取り付けられ、互いに対して接近及び離反可能な1対のチャック板55a,55bからなるチャック部55とを備えている。
【0017】
電線移載装置50の作用については、以下の端子圧着方法の説明において図2を参照して詳細に説明する。
端子Tに電線Wを圧着する前に、電線支持部材10が電線支持部材セッティング治具20に支持され、そして、複数本の電線Wの被覆端部にシール部材Sが自動装着されると共に、電線クランプ装置30のクランプ部材32を構成する1対のクランプ爪32aが前記複数本の電線Wの被覆端部近傍をクランプしている(電線クランプ工程)。
【0018】
その一方、端子圧着アプリケータ40においては、圧着されるべき端子Tがアンビル41上に位置決めされる。
次いで、電線移載装置50のチャック部55が下降し、図2における工程(1) に示すようにクランプされた複数本の電線Wのうちの1本の電線Wのクランプされた部分近傍を電線移載装置50のチャック部55を構成する1対のチャック板55a,55bが互いに接近する方向に移動して把持すると共に、工程(2) に示すように1対のクランプ爪32aが互いに離反する方向に移動して前記1本の電線Wの被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、更に、工程(3) に示すように上下移動部54が上方に移動して1対のチャック板55a,55bが前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を持ち上げる(電線持ち上げ工程)。
【0019】
そして、工程(4) に示すようにシリンダ52の作用により1対のチャック板55a,55bが端子圧着アプリケータ40に向けて移動することによって、持ち上げられた前記1本の電線Wを端子圧着アプリケータ40に向けて移動し、前記1本の電線Wの芯線W1を端子Tの芯線バレルT1の上方に位置決めすると共に前記1本の電線Wの被覆W2を端子TのインシュレーションバレルT2の上方に位置決めする(電線移動工程)。
【0020】
次いで、端子圧着アプリケータ40のクリンパ42の下降による圧着動作に連動して、工程(5) に示すように上下移動部54が下方に移動して1対のチャック板55a,55bが前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を下降させ、クリンパ42の芯線バレル圧着クリンパ42aが芯線W1を芯線バレルT1に圧着し、インシュレーションバレル圧着クリンパ42bが被覆W2をインシュレーションバレルT2に圧着する(圧着工程)。
【0021】
そして、工程(6) に示すように上下移動部54が上方に移動して、1対のチャック板55a,55bが端子Tを圧着した前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を持ち上げ、工程(7) に示すようにシリンダ52の作用により1対のチャック板55a,55bが電線クランプ装置30に向けて移動することによって、持ち上げられた前記1本の電線Wを電線クランプ装置30に向けて移動し、そして、工程(8) に示すように上下移動部54が下方に移動して、1対のチャック板55a,55bが端子Tを圧着した前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を元の位置に戻す。その後、1対のクランプ爪32aが互いに接近する方向に移動して、端子Tを圧着した前記1本の電線Wの被覆端部近傍をクランプするとともに、1対のチャック板55a,55bが互いに離反する方向に移動して、前記1本の電線のクランプされた部分近傍の把持状態を解除する。その後、電線移載装置50のチャック部55が上昇して初期位置に戻るのである(電線戻し工程)。
【0022】
そして、圧着された端子Tの隣の端子Tが矢印B方向(右方向)に1ピッチ送り込まれるとともに、端子Tを圧着した前記1本の電線Wの隣の電線Wが矢印A方向(右方向)に1ピッチ送り込まれ、前述した種々の工程を行って、隣の電線Wの被覆端部に端子Tを圧着する。
以上説明した電線持ち上げ工程、電線移動工程、圧着工程及び電線戻し工程を、複数本の電線Wのうちの他の電線について、順次繰り返し、複数本の電線Wのすべての電線Wの被覆端部に端子Tを圧着するのである。
【0023】
このように、本実施形態にあっては、端子Tの圧着前に、各電線Wの被覆端部にシール部材Sを装着した複数本の電線Wの前記被覆端部近傍をクランプする。そして、そのクランプされた複数本の電線Wのうちの1本の電線Wのクランプされた部分近傍を把持し、前記1本の電線Wの被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を持ち上げる。そして、持ち上げられた前記1本の電線Wを端子圧着アプリケータ40に向けて移動し、前記1本の電線Wの芯線W1を端子Tの芯線バレルT1の上方に位置決めすると共に前記1本の電線Wの被覆W2を端子TのインシュレーションバレルT2の上方に位置決めし、クリンパ42の下降による圧着動作に連動して前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を下降させ、芯線W1を端子Tの芯線バレルT1に、被覆W2を端子TのインシュレーションバレルT2に圧着する。そして、前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を元の位置に戻し、前記1本の電線Wの被覆端部近傍をクランプするとともに、前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍の把持状態を解除し、複数本の電線Wのうちの他の電線について、電線クランプ工程と、電線持ち上げ工程と、電線移動工程と、圧着工程と、電線戻し工程とを順次繰り返す。このため、各電線Wの、特に外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い各電線Wの被覆端部にシール部材Sを装着した複数本の電線Wを端子Tに圧着する場合において、各電線Wの芯線W1の芯線バレルT1に対する突出量不良を防止することができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更を行うことができる。
例えば、電線Wの芯線W1を端子Tの芯線バレルT1に、シール部材Sの一部を端子TのインシュレーションバレルT2に圧着するようにしてもよい。
この場合、端子Tの圧着前に、各電線Wの被覆端部にシール部材Sを装着した複数本の電線Wの前記被覆端部近傍をクランプする。そして、そのクランプされた複数本の電線Wのうちの1本の電線Wのクランプされた部分近傍を把持し、前記1本の電線Wの被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を持ち上げる。そして、持ち上げられた前記1本の電線Wを端子圧着アプリケータ40に向けて移動し、前記1本の電線Wの芯線W1を端子Tの芯線バレルT1の上方に位置決めすると共にシール部材Sの一部を端子TのインシュレーションバレルT2の上方に位置決めし、クリンパ42の下降による圧着動作に連動して前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を下降させ、芯線バレル圧着クリンパ42aによって芯線W1を端子Tの芯線バレルT1に、インシュレーションバレル圧着クリンパ42bによってシール部材Sの一部を端子TのインシュレーションバレルT2に圧着する。そして、前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍を元の位置に戻し、前記1本の電線Wの被覆端部近傍をクランプするとともに、前記1本の電線Wのクランプされた部分近傍の把持状態を解除し、複数本の電線Wのうちの他の電線について、電線クランプ工程と、電線持ち上げ工程と、電線移動工程と、圧着工程と、電線戻し工程とを順次繰り返す。これにより、各電線Wの、特に外径が2mm程度以下、特に1mm程度に細い各電線Wの被覆端部にシール部材Sを装着した複数本の電線Wを端子Tに圧着する場合において、各電線Wの芯線W1の芯線バレルT1に対する突出量不良シール部材Sの圧着位置不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る端子圧着方法が適用される端子圧着装置の概略斜視図である。
【図2】本発明に係る端子圧着方法の説明図である。
【図3】従来の端子圧着装置の概略図である。
【図4】図3に示す端子圧着装置の主要部の説明図である。
【図5】図3に示した端子圧着装置によって圧着した端子と電線部分の断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 端子圧着装置
10 電線支持部材
20 電線支持部材セッテング治具
30 電線クランプ装置
40 端子圧着アプリケータ
50 電線移載装置
S シール部材
T 端子
T1 芯線バレル
T2 インシュレーションバレル
W 電線
W1 芯線
W2 被覆

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線の前記被覆端部近傍をクランプする電線クランプ工程と、
クランプされた前記複数本の電線のうちの1本の電線のクランプされた部分近傍を把持し、前記1本の電線の被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、前記1本の電線のクランプされた部分近傍を持ち上げる電線持ち上げ工程と、
持ち上げられた前記1本の電線を移動し、前記1本の電線の芯線を端子の芯線バレルの上方に位置決めすると共に前記1本の電線の被覆を前記端子のインシュレーションバレルの上方に位置決めする電線移動工程と、
クリンパの下降による圧着動作に連動して前記1本の電線のクランプされた部分近傍を下降させ、前記芯線を端子の芯線バレルに、前記被覆を前記端子のインシュレーションバレルに圧着する圧着工程と、
前記1本の電線のクランプされた部分近傍を元の位置に戻し、前記1本の電線の前記被覆端部近傍をクランプするとともに、前記1本の電線のクランプされた部分近傍の把持状態を解除する電線戻し工程と、
前記複数本の電線のうちの他の電線について、前記電線持ち上げ工程と、電線移動工程と、圧着工程と、電線戻し工程とを順次繰り返す工程とを含むことを特徴とする端子圧着方法。
【請求項2】
各電線の被覆端部にシール部材を装着した複数本の電線の前記被覆端部近傍をクランプする電線クランプ工程と、
クランプされた前記複数本の電線のうちの1本の電線のクランプされた部分近傍を把持し、前記1本の電線の被覆端部近傍のクランプ状態を解除し、前記1本の電線のクランプされた部分近傍を持ち上げる電線持ち上げ工程と、
持ち上げられた前記1本の電線を移動し、前記1本の電線の芯線を端子の芯線バレルの上方に位置決めすると共に前記1本の電線に装着されたシール部材の一部を前記端子のインシュレーションバレルの上方に位置決めする電線移動工程と、
クリンパの下降による圧着動作に連動して前記1本の電線のクランプされた部分近傍を下降させ、前記芯線を端子の芯線バレルに、前記シール部材の一部を前記端子のインシュレーションバレルに圧着する圧着工程と、
前記1本の電線のクランプされた部分近傍を元の位置に戻し、前記1本の電線の前記被覆端部近傍をクランプするとともに、前記1本の電線のクランプされた部分近傍の把持状態を解除する電線戻し工程と、
前記複数本の電線のうちの他の電線について、前記電線持ち上げ工程と、電線移動工程と、圧着工程と、電線戻し工程とを順次繰り返す工程とを含むことを特徴とする端子圧着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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