説明

端子金具、端子金具への導線の接続方法、及び端子金具への導線の接続構造。

【課題】 導線が安定して端子金具に固定され、かつ歩留まりのよい端子金具、端子金具への導線の接続方法、及び端子金具への導線の接続構造の提供。
【解決手段】 端子金具5の基部52から延出されて導線7が継線される継線部6において、延出方向最先端に位置する溶融部63と、溶融部63の基部52側に位置する第一括れ部61と、第一括れ部61の基部52側に位置するワイヤ渡り部64とを備え、第一括れ部61は、ワイヤ渡り部64に対して幅狭の括れ状に構成され、第一括れ部61の輪郭がワイヤ渡り部64に近づくに従って徐々に幅が拡開する曲線形状を成し、ワイヤ渡り部64は、第一括れ部61に比べて幅広に構成され、ワイヤ渡り部64の輪郭が第一括れ部61の曲線形状と連続する曲線形状を成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に用いられる端子金具と、端子金具に継線される導線の接続方法及び接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品に用いられる金属端子において、導線が絡げられて溶接により電気的に接続される技術がある。例えば特許文献1に示されるように導線の絡げ始め部を自由端とする構造や、特許文献2に示されるように端子に導線を溶接した後に溶接部分を切断する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−115407号公報
【特許文献2】特許第3666404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
絡げ始め部を自由端構造にした場合、絡げ始め部の導線と端子金具とが必ずしも密に接していない為、溶接時に溶接玉不良が発生するおそれがあった。また溶接部分を切断する場合には、切断作業が必要となり、かつ切断された部分が無駄になり、歩留まりの悪化を招いていた。そこで本発明は、導線が安定して端子金具に固定され、かつ歩留まりのよい端子金具、端子金具への導線の接続方法、及び端子金具への導線の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決する為に本発明は、基部と、基部から延出されて導線が継線される継線部と、を有し、継線部は延出方向最先端に位置する溶融部と、溶融部の基部側に位置する第一括れ部と、第一括れ部の基部側に位置するワイヤ渡り部と、ワイヤ渡り部と基部との間に位置する第二括れ部とを備えた端子金具を提供する。この端子金具において、第一括れ部は、溶融部及びワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成され、第一括れ部の輪郭がワイヤ渡り部に近づくに従って徐々に幅が拡開する曲線形状を成し、ワイヤ渡り部は、第一括れ部に比べて幅広に構成され、ワイヤ渡り部の輪郭が第一括れ部の曲線形状と連続する曲線形状を成し、第二括れ部は、ワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成されている。
【0005】
このような構成によると、第一括れ部に導線を巻回する際に、巻回された導線が曲線形状に構成された第一括れ部の最も括れた部分に向かって落ち込んでいく為、巻締められた状態で巻回することができる。またワイヤ渡り部はその表面積を大きく取ることができる。よって放熱性が良くなるため、溶融部を加熱して溶融させた際に伝達される熱がワイヤ渡り部で放散され、ワイヤ渡り部が溶融することが抑制される。
【0006】
上記構成の端子金具において、ワイヤ渡り部は、ワイヤ渡り部の輪郭が真円形状を含んで構成されると共にワイヤ渡り部の最大幅が真円形状の直径になってもよい。またワイヤ渡り部は、ワイヤ渡り部の輪郭が長円形状を含んで構成されると共にワイヤ渡り部の最大幅が長円形状の長軸の長さになってもよい。
【0007】
これらのような構成によると、導線を巻回する際に、例えばワイヤ渡り部に巻回されたとしても、第一括れ部に導線を落とし込むことができ、導線の巻回不良を抑制することができる。また第一括れ部に巻回された後にワイヤ渡り部に導線を掛け渡す際に、円形若しくは長円型の曲線部分に導線が掛けられるため、導線がワイヤ渡り部の掛けられた箇所からずれたとしても、弛みが生じ難くなる。
【0008】
またワイヤ渡り部の最大幅は、第一括れ部に導線が巻回された状態で第一括れ部の幅と導線の径との和以上であることが好ましい。このような構成によると、導線を端子金具に好適に絡げることができる。
【0009】
また上記課題を解決する為に本発明は、コアと、コアに沿って配置される導線と、導線が継線される金属端子とを有し、金属端子は、コアに固定される基部と、基部から延出されて導線が絡げられる継線部と、を有し、継線部は延出方向最先端に位置する溶融部と、溶融部の基部側に位置する第一括れ部と、第一括れ部の基部側に位置するワイヤ渡り部と、を備え、第一括れ部は、溶融部及びワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成され、第一括れ部の輪郭が第一括れ部からワイヤ渡り部に近づくに従って徐々に幅が拡開する曲線形状を成し、ワイヤ渡り部は、第一括れ部に比べて幅が拡く構成され、ワイヤ渡り部の輪郭が第一括れ部の曲線形状と連続する曲線形状を成して構成されたコイル部品において導線を金属端子に接続する方法を提供する。この方法においては、第一括れ部においてワイヤ渡り部側を絡げ始め位置とし溶融部側を絡げ終わり位置とし、絡げ始め位置において導線に絡げ始め代を設けた状態で導線を第一括れ部の周囲に少なくとも一ターン巻回する第一絡げ工程と、絡げ始め代を、絡げ始め位置で切断して第一括れ部に巻回される導線の絡げ始め端部を規定する切断工程と、導線を、絡げ終わり位置から絡げ始め位置に向けて、巻回された導線上に配線する配線工程と、配線工程によって絡げ始め位置に配線された導線と、絡げ工程によって一ターン以上巻回された導線とによって、絡げ始め端部を狭持する狭持工程と、から金属端子に導線が絡げられた第一絡げ部を形成する。そして第一絡げ部からワイヤ渡り部を渡って導線をコアに向けて延出し、コアに沿って導線を配置する導線配置工程と、溶融部と共に第一絡げ部を溶接して溶接玉を形成する溶接工程と、から金属端子に導線を電気的に継線する。
【0010】
このような方法によると、括れ状の第一括れ部に先ず導線を巻き、その導線の巻始め位置を巻回されている導線と巻回し終わった導線とで挟む為、巻回された導線に弛みを生じ難くすることができる。よって導線と金属端子とを溶接する際に、好適な溶接玉を構成し、溶接不良を抑制することができる。また溶融部を加熱して溶融させた際に伝達される熱がワイヤ渡り部で放散され、ワイヤ渡り部が溶融することが抑制されるため、略均一な溶接玉を形成することが可能になり、溶接後の切断箇所を無くすことができる。
【0011】
上記方法において、継線部は、ワイヤ渡り部と基部との間に位置する第二括れ部を更に備え、導線配置工程は、ワイヤ渡り部を渡った導線を第二絡げ部回りに一ターン以上巻回して第二絡げ部を形成する第二絡げ工程を含んでいることが好ましい。
【0012】
このような方法によると、コアへと配線される導線の端子金具における延出位置を一定の位置にすることができる。
【0013】
また上記課題を解決する為に本発明は、コアと、コアに沿って配置される導線と、導線が継線された金属端子とを備えたコイル部品において、金属端子は、基部と、基部から延出されて導線が継線された継線部と、を有し、継線部は延出方向最先端に位置する溶接玉と、溶接玉の基部側に位置するワイヤ渡り部と、ワイヤ渡り部と基部との間に位置する第二括れ部とを備えて構成され、第二括れ部は、溶融部及びワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成され、ワイヤ渡り部は、第二括れ部に比べて幅広に構成され、ワイヤ渡り部の輪郭が第二括れ部に向かうに従って徐々に幅が狭くなる曲線形状を成し、導線は、溶接玉に溶け込んでいると共にワイヤ渡り部の曲線形状部分に掛け止められて継線部から延出された状態でコアに配置されている導線の接続構造を提供する。
【0014】
また上記導線の接続構造において、コアは、導線が配置される配置部を有し、導線は、溶接玉から、配置部に向かう方向に延出されてワイヤ渡り部に掛けられることが好ましい。
【0015】
このような構造によると、継線部が導線により配置部側へと引っ張られる為、反配置部側へと突出することが無く、コイル部品の実装面積を小さくすることができる。
【0016】
また継線部は、コイル部品が載置される実装面に対して、斜め上方向きに基部から延出されていることが好ましい。このような構造によると、コイル部品の上背を低背化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、導線が安定して端子金具に固定され、かつ歩留まりのよい端子金具、端子金具への導線の接続方法、及び端子金具への導線の接続構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態による端子金具、端子金具への導線の接続方法、及び端子金具への導線の接続構造を図1から図10に基づき説明する。図1に示されるコイル部品1は、コア2と、端子金具5と導線7とから主に構成されている。
【0019】
図2に示されるように、コア2は、導線7(図1)が配置されて巻回される巻回部3と、巻回部3の両端に設けられて端子金具5が設置される鍔部4とから構成されている。尚、鍔部4は巻回部3の両端に設置されるが、略同形状であるので一方の鍔部4についてのみ説明する。同様に端子金具5についても、巻回部3の両端の鍔部4に設置されるが、略同形状であるので一方の端子金具5に付いてのみ説明する。
【0020】
端子金具5は、図1及び図3に示されるように、導電性の金属板が、切り抜き・折り曲げ加工されて製造され、実装部51と、基部52と、継線部6とから構成され、鍔部4(図1)に接着剤等により固定されている。実装部51は、鍔部4の底面位置に配置され、図示しないハンダペースト等により基板の実装面W(図1)と電気的に接続される。基部52は、実装部51に接続されている。継線部6は、図4に示されるように、基部52から、実装面Wに対して斜め上方になる方向に延出している。斜め上方に継線部6を延出することにより、コイル部品1(図1)の実装面Wからの低背化を図っている。
【0021】
継線部6は、図3及び図4に示されるように延出方向最先端に位置する溶融部63と、溶融部63の基部52側に位置する第一括れ部61と、第一括れ部61の基部52側に位置するワイヤ渡り部64と、ワイヤ渡り部64と基部52との間に位置する第二括れ部62とから主に構成されている。
【0022】
第一括れ部61は、継線部6の延出方向と直交する方向の幅が溶融部63及びワイヤ渡り部64に対し幅狭の括れ状に構成されている。第一括れ部61を構成する二本の輪郭は、ワイヤ渡り部64に近づくに従って徐々に幅が拡開する曲線形状を成している。また第一括れ部61において、図4に示されるように、ワイヤ渡り部64側の位置に絡げ始め位置61Aが規定されており、溶融部63側の位置に絡げ終わり位置61Bが規定されている。
【0023】
ワイヤ渡り部64は、第一括れ部61に比べて幅広に構成され、ワイヤ渡り部64の輪郭が第一括れ部61の輪郭の曲線形状と連続する曲線形状を成している。ワイヤ渡り部64の輪郭は、図5に示されるように、長円形状を含んで構成されると共にワイヤ渡り部64の最大幅が長円形状の長軸Lの長さになるように構成されている。またワイヤ渡り部64の最大幅は、第一括れ部61に導線7が巻回された状態で、第一括れ部61の幅と導線7の径との和より大きくなるように構成されている。このような構成により、導線7がワイヤ渡り部64を超えてずれることが防がれ、導線7を継線部6に好適に絡げることができる。
【0024】
第二括れ部62は、ワイヤ渡り部64に対して幅狭の括れ状に構成されている。導線7は、径が約60μmの被覆導線であり、図示せぬリール等に巻き取られており、図5に示されるように、ノズル9から延出可能になっている。
【0025】
上記構成の継線部6に導線7を継線する際には、図5に示されるように、導線7を、示せぬチャックにより保持した状態で絡げ始め代71を形成して絡げ始め位置61Aまで延出し、絡げ始め位置61Aに沿わせた状態で第一括れ部61回りに二ターン程巻回して絡げ終わり位置61Bまで配線する(第一絡げ工程)。第一絡げ工程では、第一括れ部61回りに巻回された導線7が曲線形状に構成された第一括れ部61の最も括れた部分に向かって落ち込んでいく為、導線7を巻締められた状態で巻回することができる。
【0026】
第一絡げ工程の後に絡げ始め代71を、図6に示されるように、絡げ始め位置61Aで切断し、第一括れ部61に巻回される導線7の絡げ始め端部7Aを規定する(切断工程)。導線7は第一括れ部61に二ターン巻回されている為、絡げ始め代71を切断しても、巻崩れや弛みが発生することは抑制されている。
【0027】
切断工程の後に、図7に示されるように、導線7を、絡げ終わり位置61Bから絡げ始め位置61Aに向けて、巻回された導線7上に配線する(配線工程)。この配線工程によって絡げ始め位置61Aに配線された導線7を、図8に示されるように、絡げ始め位置61Aで第一括れ部61からワイヤ渡り部64に向かう方向に第一括れ部61回りを巻回し、絡げ始め位置61Aに配線された導線7と第一絡げ工程によって巻回された導線7とによって、絡げ始め端部7Aを狭持する(狭持工程)。配線工程によって絡げ始め位置61Aに配された導線7は、第一括れ部61の最も括れた部分に向かって落ち込んでいく為、配線工程によって絡げ始め位置61Aに配線された導線7と、第一絡げ工程によって巻回された導線7とによって、絡げ始め端部7Aを狭持することになり、絡げ始め端部7Aが緩むことが抑制されている。これらの第一絡げ工程〜狭持工程から、第一絡げ部61及び第一絡げ部61近傍に導線7が絡げられた第一絡げ部6Aが形成される。
【0028】
第一絡げ部6Aが形成された後に、図9に示されるように、導線7をワイヤ渡り部62に掛け渡し、ワイヤ渡り部62を渡った導線7を第二絡げ部62回りに一ターン以上巻回して第二絡げ部6Bを形成する(第二絡げ工程)。第一括れ部61に巻回された後にワイヤ渡り部64に導線7を掛け渡す際に、長円型の曲線部分に導線7が掛けられるため、導線7がワイヤ渡り部64の掛けられた箇所からずれたとしても、第一絡げ部6Aから第二絡げ部6Bまでの間で導線7に弛みが生じ難くなる。
【0029】
その後に導線7を巻回部3(図2)に向けて延出し、図1に示されるように、巻回部3回りに導線7を巻回する(導線配置工程)。このような構成を採った場合、継線部6と巻回部3との間の導線7に他の電子部品等が引っ掛けられた際に、導線7により継線部6は巻回部3側へと引っ張られる。よって継線部6が反巻回部3側へと突出することが無く、コイル部品1の実装面積を小さくすることができる。
【0030】
図示せぬ他端側の金属端子の継線部にも導線7を絡げた後に、溶融部63と共に第一絡げ部6Aをレーザ溶接し、図1及び10に示されるように溶接玉6Aを形成(溶接工程)して継線構造を確立し、端子金具5における継線が完了する。第一絡げ部6Aは、上述のように弛み等が生じ難く構成されている為、溶接時において、導線7が継線部6から離間することが抑制される。よって第一絡げ部6Aにおいて導線7と継線部6とが好適に溶融し、溶接不良を抑制することができる。またワイヤ渡り部64はその表面積が大きく取られているため放熱性が良くなっている。これにより溶融部63及び第一絡げ部6Aを加熱して溶融させた際に伝達される熱がワイヤ渡り部64で放散され、ワイヤ渡り部64が溶融することが抑制される。よって溶接玉6Aを溶融部63と第一絡げ部6Aのみから構成することができ、常に略均一な溶接玉6Aを形成することが可能になり、溶接後に溶接箇所の切断作業を必要とせずに製造されるコイル部品1の性能を均一化することができ、歩留まりがよいコイル部品1を生産することができる。
【0031】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形や改良が可能である。例えばワイヤ渡り部においては、長円形状で構成したがこれに限らず、略真円形状であってもよい。また導線の径は、第一括れ部に導線が巻回された状態で、導線の径と第一括れ部の幅との和がワイヤ渡り部の最大幅より小さくなる値であればよく、好適には20μm〜100μmの間であれば、何れも良好な結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係るコイル部品の部分正面図。
【図2】本発明の実施の形態に係るコイル部品のコアの部分斜視図。
【図3】本発明の実施の形態に係るコイル部品の端子金具の斜視図。
【図4】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線前状態での側面図。
【図5】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線に係る工程であって第一絡げ工程を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線に係る工程であって切断工程を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線に係る工程であって配線工程を示す図。
【図8】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線に係る工程であって狭持工程を示す図。
【図9】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線に係る工程であって第二絡げ工程、導線配置工程を示す図。
【図10】本発明の実施の形態に係るコイル部品の継線に係る工程であって溶接工程を示す図。
【符号の説明】
【0033】
1・・コイル部品 2・・コア 3・・巻回部 4・・鍔部 5・・端子金具
6・・継線部 6A・・溶融玉、第一絡げ部 6B・・第二絡げ部 7・・導線
51・・実装部 52・・基部 61・・第一括れ部 61A・・絡げ始め位置
61B・・絡げ終わり位置 62・・第二括れ部 63・・溶融部
64・・ワイヤ渡り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、該基部から延出されて導線が継線される継線部と、を有し、
該継線部は延出方向最先端に位置する溶融部と、該溶融部の該基部側に位置する第一括れ部と、該第一括れ部の該基部側に位置するワイヤ渡り部と、該ワイヤ渡り部と該基部との間に位置する第二括れ部とを備えて構成され、
該第一括れ部は、該溶融部及び該ワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成され、第一括れ部の輪郭が該ワイヤ渡り部に近づくに従って徐々に幅が拡開する曲線形状を成し、
該ワイヤ渡り部は、該第一括れ部に比べて幅広に構成され、該ワイヤ渡り部の輪郭が該第一括れ部の該曲線形状と連続する曲線形状を成し、
該第二括れ部は、該ワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成されていることを特徴とする端子金具。
【請求項2】
該ワイヤ渡り部は、該ワイヤ渡り部の輪郭が真円形状を含んで構成されると共に該ワイヤ渡り部の最大幅が該真円形状の直径になることを特徴とする請求項1に記載の端子金具。
【請求項3】
該ワイヤ渡り部は、該ワイヤ渡り部の輪郭が長円形状を含んで構成されると共に該ワイヤ渡り部の最大幅が該長円形状の長軸の長さになることを特徴とする請求項1に記載の端子金具。
【請求項4】
該ワイヤ渡り部の最大幅は、該第一括れ部に該導線が巻回された状態で該第一括れ部の幅と該導線の径との和以上であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一に記載の端子金具。
【請求項5】
コアと、該コアに沿って配置される導線と、該導線が継線される金属端子とを有し、該金属端子は、該コアに固定される基部と、該基部から延出されて該導線が絡げられる継線部と、を有し、該継線部は延出方向最先端に位置する溶融部と、該溶融部の該基部側に位置する第一括れ部と、該第一括れ部の該基部側に位置するワイヤ渡り部と、を備え、該第一括れ部は、該溶融部及び該ワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成され、第一括れ部の輪郭が該第一括れ部から該ワイヤ渡り部に近づくに従って徐々に幅が拡開する曲線形状を成し、該ワイヤ渡り部は、該第一括れ部に比べて幅が拡く構成され、該ワイヤ渡り部の輪郭が該第一括れ部の該曲線形状と連続する曲線形状を成して構成されたコイル部品において該導線を該金属端子に接続する方法であって、
該第一括れ部において該ワイヤ渡り部側を絡げ始め位置とし該溶融部側を絡げ終わり位置とし、該絡げ始め位置において該導線に絡げ始め代を設けた状態で該導線を該第一括れ部の周囲に少なくとも一ターン巻回する第一絡げ工程と、
該絡げ始め代を、該絡げ始め位置で切断して該第一括れ部に巻回される導線の絡げ始め端部を規定する切断工程と、
該導線を、該絡げ終わり位置から該絡げ始め位置に向けて、該巻回された導線上に配線する配線工程と、
該配線工程によって該絡げ始め位置に配線された該導線と、該第一絡げ工程によって一ターン以上巻回された該導線とによって、該絡げ始め端部を狭持する狭持工程と、から該金属端子に該導線が絡げられた第一絡げ部を形成し、
該第一絡げ部から該ワイヤ渡り部を渡って該導線を該コアに向けて延出し、該コアに沿って該導線を配置する導線配置工程と、
該溶融部と共に該第一絡げ部を溶接して溶接玉を形成する溶接工程と、から該金属端子に該導線を電気的に継線することを特徴とする導線の接続方法。
【請求項6】
該継線部は、該ワイヤ渡り部と該基部との間に位置する第二括れ部を更に備え、
該導線配置工程は、該ワイヤ渡り部を渡った導線を該第二絡げ部回りに一ターン以上巻回して第二絡げ部を形成する第二絡げ工程を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の導線の接続方法。
【請求項7】
コアと、
該コアに沿って配置される導線と、
該導線が継線された金属端子とを備えたコイル部品において、
該金属端子は、基部と、該基部から延出されて該導線が継線された継線部と、を有し、
該継線部は延出方向最先端に位置する溶接玉と、該溶接玉の該基部側に位置するワイヤ渡り部と、該ワイヤ渡り部と該基部との間に位置する第二括れ部とを備えて構成され、
該第二括れ部は、該溶融部及び該ワイヤ渡り部に対して幅狭の括れ状に構成され、
該ワイヤ渡り部は、該第二括れ部に比べて幅広に構成され、該ワイヤ渡り部の輪郭が該第二括れ部に向かうに従って徐々に幅が狭くなる曲線形状を成し、
該導線は、該溶接玉に溶け込んでいると共に該ワイヤ渡り部の曲線形状部分に掛け止められて該継線部から延出された状態で該コアに配置されていることを特徴とする導線の接続構造。
【請求項8】
該コアは、該導線が配置される配置部を有し、
該導線は、該溶接玉から、該配置部に向かう方向に延出されて該ワイヤ渡り部に掛けられることを特徴とする請求項7に記載の導線の接続構造。
【請求項9】
該継線部は、該コイル部品が載置される実装面に対して、斜め上方向きに該基部から延出されていることを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の導線の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−129598(P2009−129598A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301252(P2007−301252)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】