説明

端末、基地局、通信システムおよび通信方法

【課題】基地局が端末に対して適応制御することができる通信システムにおいて、プレコーディング処理を効率的にサポートすることができる基地局、端末、通信システムおよび通信方法を提供する。
【解決手段】基地局と通信する端末であって、前記端末は、前記基地局により設定される制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、基地局、通信システムおよび通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)によるWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE−Advanced)やIEEE(The Institute of Electrical and Electronics engineers)によるWireless LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のような無線通信システムでは、基地局(セル、送信局、送信装置、eNodeB)および端末(移動端末、受信局、移動局、受信装置、UE(User Equipment))に、複数の送受信アンテナをそれぞれ備え、MIMO(Multi Input Multi Output)技術により、高速なデータ伝送を実現することができる。
【0003】
そのような無線通信システムでは、基地局および端末間で共に既知の信号で構成される伝送路状況測定用参照信号(CSI−RS(Channel State Information−Reference Signal)、パイロット信号、既知信号)を用いることによって、基地局と端末との間の伝送路状況を測定し、その測定結果に基づいて、変調方式および符号化率(MCS(Modulation and Coding Scheme))、空間多重数(レイヤー数、ランク数)、プレコーディング重み(プレコーディング行列、プレコーダ)などを適応的に制御することで、より効率的なデータ伝送を実現することができる。例えば、非特許文献1で記載された方法を用いることができる。
【0004】
基地局は、下りリンク(ダウンリンク、下り回線)を通じて、伝送路状況測定用参照信号を送信(報知)する。端末は、受信した基地局における伝送路状況測定用参照信号に基づいて、下りリンクの伝送路状況を測定し、適応制御するための情報(フィードバック情報、レポート)を上りリンク(アップリンク、上り回線)を通じて、基地局に送信(フィードバック)する。特に、基地局の端末に対するプレコーディング処理を好適に適応制御することにより、端末における受信品質は向上することになる。
【0005】
プレコーディング処理における適応制御を効率的に行うために、基地局と端末は予め複数のプレコーディング重みをコードブック化したものを保持しておき、端末はそのプレコーディング重みを示す情報(インデックス)を基地局にフィードバックする。そのようなコードブック化したプレコーディング重みは、非特許文献2で記載された方法を用いることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA);Physical layer procedures (Release 10)、2010年12月、3GPP TS 36.213 V10.0.1 (2010−12)
【非特許文献2】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical channels and modulation(Release 10)、2010年12月、3GPP TR 36.211 V10.0.0 (2010−12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数の通信方式を行うことができる通信システムを実現するためには、好適なプレコーディング重みを選択できることが好ましい。しかしながら、従来の通信システムでは、1種類のコードブック化したプレコーディング重みしか用いることができず、伝送効率の向上を妨げる要因となっていた。
【0008】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、基地局が端末に対して適応制御することができる通信システムにおいて、プレコーディング処理を効率的にサポートすることができる端末、基地局、通信システムおよび通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による端末は、基地局と通信する端末であって、前記端末は、前記基地局により設定される通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択することを特徴とする。
(2)また、本発明の一態様による端末は上述の端末であって、前記端末は、前記基地局が送信する伝送路状況測定用参照信号に基づいて、前記基地局と前記端末との伝送路状況を測定し、前記伝送路状況と、前記選択されたコードブックサブセットに基づいて、フィードバック情報を生成することを特徴とする。
(3)本発明の一態様による端末は、基地局と通信する端末であって、前記端末は、前記基地局により設定されるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択することを特徴とする。
(4)また、本発明の一態様による端末は上述の端末であって、前記端末は、前記基地局が送信する伝送路状況測定用参照信号に基づいて、前記基地局と前記端末との伝送路状況を測定し、前記伝送路状況と、前記選択されたコードブックサブセットに基づいて、フィードバック情報を生成することを特徴とする。
(5)また、本発明の一態様による端末は上述の端末であって、前記X−PDCCH領域は、前記基地局が前記端末に対する情報データ信号をマッピングできるリソースの一部を用いて、前記基地局から前記端末に対する制御情報信号が送信できる領域であることを特徴とする。
(6)また、本発明の一態様による端末は上述の端末であって、前記X−PDCCH領域は、前記基地局から前記端末に対する制御情報信号に、前記端末に固有の端末固有参照信号を多重した信号が送信できる領域であることを特徴とする。
(7)本発明の一態様による基地局は、端末と通信する基地局であって、前記基地局は、前記端末に対して通信モードを設定し、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信し、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信し、前記フィードバック情報は、前記通信モードに基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成されることを特徴とする。
(8)本発明の一態様による基地局は、端末と通信する基地局であって、前記基地局は、前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定し、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信し、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信し、前記フィードバック情報は、前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成されることを特徴とする。
(9)本発明の一態様による通信システムは、基地局と端末が通信する通信システムであって、前記基地局は、前記端末に対して通信モードを設定し、前記端末は、前記通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択することを特徴とする。
(10)本発明の一態様による通信システムは、基地局と端末が通信する通信システムであって、前記基地局は、前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定し、前記端末は、前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択することを特徴とする。
(11)本発明の一態様による通信方法は、基地局と通信する端末の通信方法であって、前記端末は、前記基地局により設定される通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有することを特徴とする。
(12)本発明の一態様による通信方法は、基地局と通信する端末の通信方法であって、前記端末は、前記基地局により設定されるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有することを特徴とする。
(13)本発明の一態様による通信方法は、端末と通信する基地局の通信方法であって、前記基地局は、前記端末に対して通信モードを設定するステップと、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信するステップと、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信するステップを有し、前記フィードバック情報は、前記通信モードに基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成されることを特徴とする。
(14)本発明の一態様による通信方法は、端末と通信する基地局の通信方法であって、前記基地局は、前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定するステップと、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信するステップと、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信するステップを有し、前記フィードバック情報は、前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成されることを特徴とする。
(15)本発明の一態様による通信方法は、基地局と端末が通信する通信システムの通信方法であって、前記基地局は、前記端末に対して通信モードを設定するステップを有し、前記端末は、前記通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有することを特徴とする。
(16)本発明の一態様による通信方法は、基地局と端末が通信する通信システムの通信方法であって、前記基地局は、前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定するステップと、前記端末は、前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、基地局が端末に対するプレコーディング処理を効率的にサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送を行なう下りリンクを考えた場合の適応制御を行なう一例を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る基地局101の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る端末102の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るフィードバック情報生成部304の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】基地局101がマッピングする伝送路状況測定用参照信号、データ信号または制御情報信号の一例を示す図である。
【図6】コードブックサブセット1の一例を示す図である。
【図7】コードブックサブセット2の一例を示す図である。
【図8】コードブックサブセット2を用いたときのプレコーディング処理の概略図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る下りリンクにおけるリソースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。本第1の実施形態における通信システムは、基地局(送信装置、セル、送信点、送信アンテナ群、送信アンテナポート群、コンポーネントキャリア、eNodeB)および端末(端末装置、移動端末、受信点、受信端末、受信装置、第3の通信装置、受信アンテナ群、受信アンテナポート群、UE)を備える。
【0013】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送を行なう下りリンクを考えた場合の適応制御を行なう一例を示す概略図である。図1では、端末102が基地局101とデータ通信を行う。端末102は、基地局101と端末102との間の下りリンク103を通じて送信される基地局101における伝送路状況測定用参照信号を受信する。端末102は、基地局101における伝送路状況測定用参照信号を用いることによって、下りリンク103の伝送路状況を推定する。端末102は、推定した伝送路状況に基づいて、適応制御を行なうための情報(フィードバック情報)を生成する。端末102は、上りリンク104を用いて、そのフィードバック情報を基地局101に送信する。基地局101は、そのフィードバック情報に基づいて、端末102に対するデータ信号の適応制御やスケジューリングを行う。基地局101は、下りリンク104を用いて、端末102に向けたデータ信号を送信する。
【0014】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る基地局101の構成を示す概略ブロック図である。ここで、基地局101は、端末102からのフィードバック情報を受信する基地局、端末102に対する制御情報(例えばPDCCH(Physical Downlink Control Channel)や上位レイヤーを通じて送信する情報)を送信する基地局である。図2において、基地局101は、送信信号生成部201、伝送路状況測定用参照信号多重部202、送信部203、受信部204、フィードバック情報処理部205、上位レイヤー206を備えている。
【0015】
受信部204には、端末102から送信されたフィードバック情報を含むデータ信号が上りリンク(例えばPUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)など)104を通して受信される。
【0016】
受信部204では、受信アンテナが受信した信号に対して、OFDM復調処理、復調処理、復号処理など、端末102が信号送信のために行った送信処理に対する受信処理を行い、受信した信号の中から、フィードバック情報を識別し、フィードバック情報205に出力する。
【0017】
なお、基地局101と通信を行う端末102が複数存在する場合は、上りリンク104に対して、SC−FDMA(Single carrier−frequency division multiple access)、Clustered DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform−Spread−OFDM)、OFDMA、時間分割多元接続、符号分割多元接続など様々な多元接続方式を用いて、端末102のデータ信号を多重できる。また、基地局101において、端末102毎のフィードバック情報を識別する方法として、様々な方法を用いることができる。例えば、基地局101は、各端末102がフィードバック情報を送信するリソース(時間、周波数、符号、空間領域などで分割された信号伝送するための要素)を指定し、端末102はその指定されたリソースでフィードバック情報を送信することで、基地局101は識別できる。また、それぞれのフィードバック情報には端末102毎に固有の識別情報などを付加することでも実現できる。
【0018】
フィードバック情報処理部205では、入力されたフィードバック情報に基づいて、端末102へ送信するデータ信号に対する適応制御を行うための適応制御情報を生成する。基地局101に対するフィードバック情報が含まれる場合、基地局101における適応制御情報を生成し、送信信号生成部201に出力する。
【0019】
送信信号生成部201は、適応制御情報に基づいて、基地局101における符号化処理、変調処理、レイヤーマッピング処理、プレコーディング処理、リソースエレメントマッピング処理などを適応制御できる。また、適応制御情報は図示しない上位層に出力してもよい。
【0020】
ここで、フィードバック情報に基づいた適応制御の方法が説明される。フィードバック情報は様々な方法を用いることができるが、以下では、基地局に対する推奨送信フォーマット情報(インプリシット伝送路状況情報)と、伝送路状況(伝送路状態、伝送チャネル)を示す情報(エクスプリシット伝送路状況情報)を用いる場合が説明される。
【0021】
まず、フィードバック情報として、基地局に対する推奨送信フォーマット情報の場合、基地局および端末共に既知の送信フォーマットが予めインデックス化されているものとし、端末はその送信フォーマットを用いた情報をフィードバックし、基地局はその情報を用いて適応制御する。具体的には、CQI(Channel Quality Indicator)は符号化率および変調方式を示す情報のため、それぞれ符号化処理および変調処理を制御できる。PMI(Precoding Matrix Index)はプレコーディング行列を示す情報のため、プレコーディング処理を制御できる。RI(Rank Indicator)はレイヤー数を示す情報のため、レイヤーマッピング処理やコードワードを生成する上位層に対して制御できる。また、リソースへのマッピングに関するフィードバック情報も含まれる場合、リソースエレメントマッピング処理に対して制御することもできる。ここで、PMIはデータ伝送の方法、目的、用途などに応じて、複数の種類に分けることもでき、その詳細は後述する。
【0022】
次に、フィードバック情報として、伝送路状況を示す情報の場合、端末102は、基地局101からの伝送路状況測定用参照信号を用いて、基地局101との伝送路状況の情報をフィードバックする。その際、伝送路状況を示す情報は、固有値分解や量子化などの様々な方法を用いて、情報量を削減してもよい。基地局では、フィードバックされた伝送路状況の情報を用いて、端末に対する制御を行う。例えば、基地局では、フィードバックされた情報に基づいて、端末102が受信したときに最適な受信ができるように符号化率及び変調方式、レイヤー数、プレコーディング行列を決定でき、その方法は様々なものを用いることができる。
【0023】
上位レイヤー206は、端末102に対するデータ信号を生成し、送信信号生成部201に出力する。
【0024】
送信信号生成部201は、上位レイヤー206が出力したデータ信号に対して、フィードバック情報処理部205が出力した適応制御情報に基づいて適応制御を行い、端末102に対する送信信号を生成する。具体的には、送信信号生成部201は、誤り訂正符号化を行うための符号化処理、端末102に固有のスクランブル符号を施すためのスクランブル処理、多値変調方式などを用いるための変調処理、MIMOなどの空間多重を行うためのレイヤーマッピング処理、位相回転やビームフォーミングなどを行うためのプレコーディング処理などを行う。
【0025】
ここで、プレコーディング処理は、端末102が効率よく受信できるように(例えば、受信電力が最大になるように、または隣接セルからの干渉が小さくなるように、または隣接セルへの干渉が小さくなるように)、生成する信号に対して位相回転などを行うことが好ましい。また、予め決められたプレコーディング行列による処理、CDD(Cyclic Delay Diversity)、送信ダイバーシチ(SFBC(Spatial Frequency Block Code)、STBC(Spatial Time Block Code)、TSTD (Time Switched Transmission Diversity)、FSTD(Frequency Switched Transmission Diversity)など)を用いることができるがこれに限るものではない。ここで、PMIが複数種類に分けられたものがフィードバックされた場合、その複数のPMIを乗算などによる演算を行い、プレコーディング処理を行うことができる。
【0026】
ここで、送信信号に対して、プレコーディング処理を行う前に、端末102が送信信号を復調するためのデータ信号復調用参照信号(DM−RS(Demodulation Reference Signal)、DRS (Dedicated Reference Signal)、Precoded RS、ユーザ固有参照信号、UE−specific RS、端末固有参照信号)を多重することができる。データ信号復調用参照信号は、端末102に対する送信信号と共にプレコーディング処理が行われる。また、各レイヤーのデータ信号復調用参照信号は、Walsh符号などの直交符号による符号分割多重(CDM;Code Division Multiplexing)と周波数分割多重(FDM;Frequency Division Multiplexing)のいずれか用いて、またはそれらを併用して、直交させる。
【0027】
伝送路状況測定用参照信号多重部202は、基地局101と端末102との間の下りリンク103の伝送路状況を測定するために、基地局101および端末102で互いに既知の伝送路状況測定用参照信号(セル固有参照信号、CRS(Common RS)、Cell−specific RS、Non−precoded RS)を生成し、入力された送信信号に対して多重する。このとき、伝送路状況測定用参照信号は、基地局101および端末102が共に既知の信号であれば、任意の信号(系列)を用いることができる。例えば、基地局101に固有の番号(セルID)などの予め割り当てられているパラメータに基づいた乱数や疑似雑音系列を用いることができる。また、アンテナポート間で直交させる方法として、伝送路状況測定用参照信号をマッピングするリソースエレメントをアンテナポート間で互いにヌル(ゼロ)とする方法、疑似雑音系列を用いた符号分割多重する方法、またはそれらを組み合わせた方法などを用いることができる。なお、伝送路状況測定用参照信号は、全てのサブフレームに多重しなくてもよく、一部のサブフレームのみに多重してもよい。
【0028】
送信部203は、伝送路状況測定用参照信号多重部202が出力した送信信号を、それぞれのアンテナポートのリソースエレメントにマッピング処理を行い、送信アンテナから送信処理を行う。ここで、リソースエレメントマッピング処理において、制御信号はPDCCH(Physical Downlink Control Channel)領域にマッピングされ、情報データ信号および伝送路状況測定用参照信号はPDSCH領域にマッピングされる。
【0029】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る端末102の構成を示す概略ブロック図である。図3において、端末102は、受信部301、受信信号処理部402、制御部303、フィードバック情報生成部304、送信部305、上位レイヤー306を備えている。
【0030】
受信部301は、少なくとも1つの受信アンテナ数(受信アンテナポート数)の受信アンテナにより、基地局101が送信した信号を受信し、無線周波数からベースバンド信号への変換処理などを行う。受信信号処理部302は、付加されたガードインターバルを除去し、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)などにより時間周波数変換処理を行い、周波数領域の信号に変換する。また、受信信号処理部302は、基地局101でマッピングした信号をデマッピング(分離)する。受信信号処理部302は、デマッピングされた信号に端末102宛のデータ信号が含まれる場合、そのデータ信号をデータ信号処理部303に出力する。受信信号処理部302は、デマッピングされた信号に伝送路状況測定用参照信号が含まれる場合、その伝送路状況測定用参照信号をフィードバック情報生成部304に出力する。また、制御情報信号は、端末102全体(上位層も含む)で共有され、データ信号の復調など、端末102における様々な制御に用いる(図示しない)。
【0031】
データ信号処理部303は、入力されたデータ信号に対して、伝搬路推定処理、伝搬路補償処理(フィルタ処理)、レイヤーデマッピング処理、復調処理、デスクランブル処理、復号処理などを行い、上位レイヤー306に出力する。伝搬路推定処理では、入力されたデータ信号に多重されたデータ信号復調用参照信号に基づいて、各レイヤー(ランク、空間多重)に対する、それぞれのリソースエレメントにおける振幅と位相の変動(周波数応答、伝達関数)を推定(伝搬路推定)し、伝搬路推定値を求める。なお、データ信号復調用参照信号がマッピングされていないリソースエレメントは、データ信号復調用参照信号がマッピングされたリソースエレメントに基づいて、周波数方向および時間方向に補間し、伝搬路推定を行う。伝搬路補償処理では、入力されたデータ信号に対して、推定された伝搬路推定値を用いて、伝搬路補償を行い、レイヤー毎のデータ信号を検出(復元)する。その検出方法としては、ZF(Zero Forcing)基準やMMSE(Minimum Mean Square Error)基準の等化、干渉除去などを用いることができる。レイヤーデマッピング処理では、レイヤー毎の信号をそれぞれのコードワードにデマッピング処理を行う。以降、コードワード毎に処理を行う。復調処理では、用いた変調方式に基づいて復調を行う。デスクランブル処理では、用いたスクランブル符号に基づいて、デスクランブル処理を行う。復号処理では、施した符号化方法に基づいて、誤り訂正復号処理を行う。
【0032】
一方、フィードバック情報生成部304は、入力された伝送路状況測定用参照信号に基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0033】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るフィードバック情報生成部304の構成を示す概略ブロック図である。図4において、フィードバック情報生成部304は、伝送路状況測定部401、コードブックサブセット選択部402、フィードバック情報演算部403を備えている。
【0034】
伝送路状況測定部401は、受信した伝送路状況測定用参照信号を用いて、基地局における送信アンテナの端末102における受信アンテナに対する伝送路状況を測定し、伝送路状況測定値を生成する。次に、コードブックサブセット選択部402には、送信モードを示す制御情報が入力される。コードブックサブセット選択部402は、入力された送信モードに基づいて、PMIのフィードバック情報を生成する際に用いるコードブックサブセットを選択する。詳細は後述する。次に、フィードバック情報演算部403は、生成された伝送路状況推定値および選択されたコードブックサブセットに基づいて、フィードバック情報を演算する。
【0035】
また、フィードバック情報を生成する単位は、周波数方向(例えば、サブキャリア毎、リソースエレメント毎、リソースブロック毎、複数のリソースブロックで構成されるサブバンド毎など)、時間方向(例えば、OFDMシンボル毎、サブフレーム毎、スロット毎、無線フレーム毎など)、空間方向(例えば、アンテナポート毎、送信アンテナ毎、受信アンテナ毎など)などを用いることができ、さらにそれらを組み合わせることもできる。
【0036】
また、フィードバック情報として、基地局に対する推奨送信フォーマット情報を生成する場合、その生成には様々な方法を用いることができる。例えば、まず、生成した伝送路状況推定値に基づいて、固有値分解などを用いて、空間多重できる最大レイヤー数を求め、RIを生成する。生成したRIおよび伝送路状況推定値に基づいて、好適な受信ができるようなプレコーディング行列(プレコーディング重み)などを推定し、PMIを生成する。PMIの生成には、例えば、候補となるプレコーディング行列を生成した伝送路状況推定値に乗算し、協調通信をしたときに好適となるプレコーディング行列を選択してもよい。また、固有値分解などを用いて、候補となるプレコーディング行列の中から好適なプレコーディング行列を選択してもよい。このとき、候補となるプレコーディング行列は、入力されたコードブックサブセット制限情報に基づいて、決定される。次に、生成したRI、PMIおよび伝送路状況推定値に基づいて、情報データ信号に対する変調方式および符号化率を選択し、CQIを生成する。CQIの生成には、例えば、受信信号電力対干渉・雑音電力比(SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio))、受信信号電力対干渉電力比(SIR(Signal to Interference power Ratio))、受信信号電力対雑音電力比(SNR(Signal to Noise power Ratio))、パスロスなどを測定し、それらの測定値に対して所要品質を満たすCQIのルックアップテーブルを予め設定しておき、協調通信を行う時のSINRを求め、ルックアップテーブルからCQIを決定してもよい。
【0037】
生成されたフィードバック情報は、送信部305に入力される。送信部305は、フィードバック情報生成部304が出力したフィードバック情報を基地局101に送信(フィードバック)するために、符号化処理、変調処理、OFDM信号生成処理、ガードインターバル挿入処理、周波数変換処理などを行い、上り送信信号を生成する。さらに、送信部305は、生成した上り送信信号を上りリンク(PUCCHまたはPUSCH)を通じて、基地局101に送信する。
【0038】
また、以上のような生成したフィードバック情報を含む上り送信信号を基地局101にフィードバックする方法としては、例えば、基地局101が指定したPUCCHを通じて、複数のサブフレームに分けて、送信することができる。また、基地局101が指定したPUSCHを通じて、生成したフィードバック情報の全てまたはその一部を1つのサブフレームで送信することもできる。その際、端末102からの情報データ信号と共に送信してもよい。
【0039】
図5は、基地局101がマッピングする伝送路状況測定用参照信号、データ信号または制御情報信号の一例を示す図である。図5では、基地局101のアンテナポート数が8のときに、それぞれの信号がマッピングされる場合を示している。また、図5は、2つのリソースブロック(リソースブロックペア)を表しており、1つのリソースブロックは周波数方向に12のサブキャリアと時間方向に7のOFDMシンボルで構成される。1つのOFDMシンボルのうち、それぞれのサブキャリアをリソースエレメントと呼ぶ。リソースブロックペアは周波数方向に並べられ、そのリソースブロックペアの数は基地局毎に設定できる。例えば、そのリソースブロックペアの数は6〜110個に設定できる。その時の周波数方向の幅は、システム帯域幅と呼ばれる。また、リソースブロックペアの時間方向は、サブフレームと呼ばれる。それぞれのサブフレームのうち、時間方向に前後の7つのOFDMシンボルをそれぞれスロットとも呼ぶ。
【0040】
網掛けしたリソースエレメントは、CSIアンテナポート1〜8(アンテナポート15〜22)の伝送路状況測定用参照信号をそれぞれC1〜C8と表している。また、白く塗りつぶされたリソースエレメントは、データ信号または制御情報信号をマッピングする。なお、データ信号または制御情報信号のレイヤー数(ランク数)は最大8とすることができ、例えば、データ信号のレイヤー数を2、制御情報信号のレイヤー数を1とすることができる。
【0041】
ここで、制御情報信号はPDCCH領域にマッピングされ、データ信号および伝送路状況測定用参照信号はPDSCH領域にマッピングされる。例えば、図5において、1つのサブフレームのうち、先頭の1〜4OFDMシンボルはPDCCH領域として設定でき、残りの10〜13OFDMシンボルはPDSCH領域として設定できる。
【0042】
ここで、リソースブロックは、通信システムが用いる周波数帯域幅(システム帯域幅)に応じて、その数を変えることができる。例えば、6〜110個のリソースブロックを用いることができ、その単位をコンポーネントキャリアとも呼ぶ。さらに、基地局は、端末に対して、周波数アグリゲーションにより、複数のコンポーネントキャリアを設定することもできる。例えば、基地局は、端末に対して、1つのコンポーネントキャリアは20MHzで構成し、周波数方向に連続および/または非連続に、5個のコンポーネントキャリアを設定し、トータルの通信システムが用いることができる帯域幅を100MHzにすることができる。
【0043】
伝送路状況測定用参照信号がマッピングされる位置および信号系列は、制御情報(上位レイヤー(例えば、RRC;Radio Resource Control)によるシグナリングも含む)として端末102に通知または報知されてもよく、セルIDなどの他の制御情報に基づいて端末102が識別できるようにしてもよい。また、複数のアンテナポートのうち、1つのアンテナポートに対する伝送路状況測定用参照信号がマッピングする位置および信号系列のみを通知または報知または識別できるようにし、その位置および信号系列に基づいて、他のアンテナポートに関しても識別できるようにすることもできる。
【0044】
以下では、本発明の第1の実施形態で用いるコードブックサブセット選択方法およびPMIのフィードバック情報について説明する。また、以下では、コードブックは、基地局101、セカンダリー基地局102、端末102で共に既知のコードブック化されたプレコーディング重みである。コードブックサブセットは、そのコードブックの小集団である。
【0045】
本発明の第1の実施形態では、複数のコードブックサブセットは予め規定され、基地局101および端末102は共に既知である。また、それぞれのコードブックサブセットは、基地局101のアンテナポート数によって、それぞれ規定される。
【0046】
以下では、その一例として、2つのコードブックサブセットとして、コードブックサブセット1(第1のコードブックサブセット)とコードブックサブセット2(第2のコードブックサブセット)が用いられる場合を説明する。以下の例では、コードブックサブセット1は、後方互換性を保持する通信システムにおいて下位の端末でも用いられるコードブックサブセットであり、コードブックサブセット2は、後方互換性を保持する通信システムにおいて下位の端末では用いられないコードブックサブセットである。例えば、コードブックサブセット1は、LTEのRelease 10までのシステム(端末)で用いられるコードブックサブセットであり、コードブックサブセット2は、LTEのRelease 11以降のシステム(端末)で用いられるコードブックサブセットである。
【0047】
図6は、コードブックサブセット1の一例を示す図である。コードブックサブセット1では、1つのPMIを用いて、端末102が好適なプレコーディング重みを示す。図6は、アンテナポート数が2の場合のコードブックサブセット1を示している。また、図6は、ランク数が1の場合における4つのコードブック(W1_10、W1_11、W1_12、W1_13)と、ランク数が2の場合における2つのコードブック(W1_21、W1_22)を示している。すなわち、アンテナポート数が2の場合、コードブックの数は6となる。
【0048】
また、アンテナポート数が4の場合のコードブックサブセット1は、ランク数が1〜4の場合において、それぞれ規定される。例えば、コードブックサブセット1は、ランク数が1〜4の場合において、それぞれ16のコードブックによって構成される。すなわち、アンテナポート数が4の場合、コードブックの数は64となる。
【0049】
図7は、コードブックサブセット2の一例を示す図である。コードブックサブセット2では、2つのPMIを用いて、端末102が好適なプレコーディング重みを示す。図7では、アンテナポート数が2、ランク数が1の場合のコードブックサブセットを示している。また、他のランク数および基地局101のアンテナポート数によって、それぞれのコードブックサブセットが規定される。このコードブックサブセット2におけるPMI1およびPMI2のサイズはそれぞれ16である。また、コードブックサブセット2におけるPMI1およびPMI2のサイズは、ランク数毎に異なって規定されてもよい。コードブックサブセット2は、PMI1が示すプレコーディング重みをWとし、PMI2が示すプレコーディング重みをΦとする。その時、プレコーディング処理を行うためのプレコーディング重みは、WおよびΦに基づいて求められ、例えば、乗算や重み付け乗算等が用いられる。
【0050】
ここで、プレコーディング処理を行うためのプレコーディング重みがWとΦとの乗算により求められる場合、図7の例では、コードブックサブセット2は256のプレコーディング重みを示すことができる。すなわち、コードブックサブセット2は、コードブックサブセット1に比べて、より詳細なプレコーディング処理を行うために設定されることができる。そのため、コードブックサブセット2は、複数の基地局から協調してデータ送信するマルチセル通信(CoMP;Cooperative Multi Point)方式や、拡張したマルチユーザMIMO方式を実現するために好適なコードブックサブセットとすることができる。ここで、拡張したマルチユーザMIMO方式は、例えば、マルチユーザMIMOできるユーザ数や、ユーザ当たりの最大ランク数を向上したものとして定義されることができる。拡張したマルチユーザMIMO方式は、より好適なビームフォーミングを実現するためにフィードバック情報を拡張したものとして定義されることができる。
【0051】
好適なプレコーダとしては、例えば、下りリンクの伝搬路を考慮した上で、下りリンクの受信信号電力が大きくなるようなプレコーダWとΦをコードブックサブセットからそれぞれ選択し、そのインデックスをPMI1およびPMI2とするという方法などを用いることができる。また、アンテナポート数が2におけるコードブックサブセット2は、図7で説明したランク数が1の場合に加えて、ランク数が2の場合も同様に規定される。また、コードブックサブセット2は、図7で説明したアンテナポート数が2の場合に加えて、アンテナポート数が4および8の場合も同様に規定される。すなわち、アンテナポート数が4におけるコードブックサブセット2は、ランク数が1〜4の場合にそれぞれ規定される。また、アンテナポート数が8におけるコードブックサブセット2は、ランク数が1〜8の場合にそれぞれ規定される。また、それぞれのコードブックサブセットにおいて、コードブックの数は、アンテナポート数やランク数によって異なって規定されることができる。
【0052】
図8は、コードブックサブセット2を用いたときのプレコーディング処理の概略図である。ここでは、アンテナポート数が4、レイヤー数が2であり、F=WiΦjの場合について説明する。PMI1が表すプレコーダであるWiにより各レイヤーの各アンテナポートにおける信号点は変位(ここでは0から2πの範囲で位相が回転)し、さらにPMI2が表すプレコーダであるΦjにより各レイヤーの各アンテナポートにおける信号点は変位(ここでは0から2πの範囲で位相が回転)する。端末は、まずPMI1を報告するに際し、各レイヤーの各アンテナポートにおける信号点に対して固有の変位を与えるプレコーダ群からなるコードブックから、好適なプレコーダ(プレコーダをかけた後の信号点が好適であるプレコーダ)を決定する。端末は、次にPMI2を報告するに際し、報告したPMI1が表すプレコーダをかけた後の信号点に対して、さらにプレコーダをかけた後の信号点が好適であるプレコーダをコードブックから決定し、そのインデックスをPMI2として報告する。ここで、PMI2を決定に用いるコードブックは図8に示すようなコードブックを用いる。なお、図8に示した信号点の変位は一例であって、これに限るものではない。
【0053】
ここで、コードブックサブセット1およびコードブックサブセット2は、基地局101と端末102との間で予め既知の情報であり、基地局のアンテナポート数およびランク数に依存した情報である。すなわち、端末102は、基地局101が報知する制御情報により、その基地局のアンテナポート数を識別し、その基地局が用いるコードブックサブセットを認識することができる。
【0054】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る制御情報の通知手順の一例を示す図である。本発明の第1の実施形態におけるコードブックサブセットは、基地局101が端末102に対して設定する送信モードに基づいて、選択される。
【0055】
まず、基地局101は、端末102に対して、上位レイヤーによるシグナリングを通じて、送信モードを設定する。送信モードは、基地局の端末に対して設定する通信方式である。例えば、送信モードは、後方互換性を保持する通信システムにおいて定義される従来の送信モード(第1の送信モード)とは異なる新たな送信モード(送信モード10、第2の送信モード)として定義される。
【0056】
ここで、第1の送信モードは、従来から定義されている1つまたは複数の送信モードの全部または一部である。例えば、第1の送信モードは、送信モード1〜9として定義される。送信モード1はアンテナポート0を用いるシングルアンテナポート送信方式を用いる送信モードである。送信モード2は送信ダイバーシチ方式を用いる送信モードである。送信モード3は、循環遅延ダイバーシチ方式を用いる送信モードである。送信モード4は、閉ループ空間多重方式を用いる送信モードである。送信モード5は、マルチユーザMIMO方式を用いる送信モードである。送信モード6は、シングルアンテナポートを用いる閉ループ空間多重方式を用いる送信モードである。送信モード7は、アンテナポート5を用いるシングルアンテナポート送信方式を用いる送信モードである。送信モード8は、アンテナポート7〜8を用いる閉ループ空間多重方式を用いる送信モードである。送信モード9は、アンテナポート7〜14を用いる閉ループ空間多重方式を用いる送信モードである。
【0057】
また、第2の送信モードは、第1の送信モードとは異なる送信モードとして定義され、例えば、送信モード10として定義される。例えば、送信モード10は、複数の基地局から協調してデータ送信するマルチセル通信方式を用いる送信モードとすることができる。また、送信モード10は、送信モード1〜9で示す通信方式で実現できるマルチユーザMIMO方式を拡張(高度化)した通信方式を用いる送信モードとすることができる。
【0058】
また、送信モード10は、送信モード1〜9で示した全部または一部の通信方式に加えて、マルチセル通信方式および/または拡張したマルチユーザMIMO方式を用いる送信モードとすることができる。例えば、送信モード10は、送信モード9で示した通信方式に加えて、マルチセル通信方式および/または拡張したマルチユーザMIMO方式を用いる送信モードとすることができる。
【0059】
また、送信モード10は、複数の伝送路状況測定用参照信号を設定することができる送信モードとすることができる。また、送信モード10は、PDSCH領域の一部を用いて、端末102に対して送信する制御情報が設定できる送信モードとすることができる。例えば、そのような制御情報を送信するPDSCH領域の一部は、X−PDCCH領域として端末102固有または基地局101固有に設定される。また、PDSCH領域の一部を用いて送信する制御情報は、データ信号復調用参照信号を多重する。端末102はデータ信号復調用参照信号を用いて、その制御情報を復調するようにしてもよい。
【0060】
なお、基地局は、複数の送信方式を用いることができる送信モード10に設定した端末に対して、データ信号を送信するに際し、複数の送信方式のいずれかを用いたことを通知しなくても通信できる。すなわち、端末は、複数の送信方式を用いることができる送信モード10に設定されたとしても、データ信号を受信するに際し、複数の送信方式のいずれかを用いたことが通知されなくても通信できる。
【0061】
次に、基地局は、端末に対して、上位レイヤーによるシグナリングを通じて、レポーティングモードを設定する。本発明におけるレポーティングモードは、端末が下りリンクにおいて適応制御を行うために、基地局に対して、フィードバック情報(レポーティング情報)を通知する方法である。また、レポーティングモードは、送信モードに対応して定義されている。また、レポーティングモードは、基地局毎(設定されるCSI−RS毎)に設定することもできるし、設定される複数の基地局の全部または一部に対して設定することもできる。なお、レポーティングモードの設定は、送信モードの設定と同時に行うことができる。
【0062】
端末102は、通知された送信モードに基づいて、コードブックサブセット1またはコードブックサブセット2のいずれかを選択する。例えば、第1の送信モードが設定された場合、コードブックサブセット1が選択され、第2の送信モードが設定された場合、コードブックサブセット2が選択される。
【0063】
基地局101は、伝送路状況測定用参照信号を送信する。端末102は、その伝送路状況測定用参照信号を用いて、伝送路状況を測定する。端末102は、選択されたコードブックサブセットに基づいて、PMIを生成し、基地局101に通知する。基地局101は、通知されたPMIに基づいて、端末102に対するデータ伝送のスケジューリングを行うことができる。
【0064】
以上で説明した方法を用いることにより、基地局101は、送信モードに基づいて、端末102が用いるコードブックサブセットを切り替えることができる。すなわち、基地局101は、端末102に対する送信モードに好適なコードブックサブセットを選択させることができる。そのため、基地局101は、端末102に対するプレコーディング処理を効率的に行うことができる。
【0065】
なお、端末102は、基地局101により設定されるレポーティングモードに基づいて、複数のコードブックサブセットのいずれかを選択してもよい。例えば、それぞれのコードブックサブセットは、それぞれのレポーティングモードに好適なコードブックサブセットとして規定されることができる。例えば、コードブックサブセット1に対応するレポーティングモードは、PUCCHを通じてフィードバック情報を通知するモードであり、コードブックサブセット2に対応するレポーティングモードは、PUSCHを通じてフィードバック情報を通知するモードであるとすることができる。これにより、基地局101は、レポーティングモードに基づいて、端末102が用いるコードブックサブセットを切り替えることができる。すなわち、基地局101は、端末102に対するレポーティングモードに好適なコードブックサブセットを選択させることができる。そのため、基地局101は、端末102に対するプレコーディング処理を効率的に行うことができる。
【0066】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態における通信システムは、本発明の第1の実施形態における通信システムと同様であるが、端末102が複数のコードブックサブセットの中から選択する方法が異なる。以下では、本発明の第1の実施形態で説明した部分との相違点を説明する。
【0067】
本発明の第2の実施形態における基地局101は、端末102に対して送信する制御情報信号を、PDCCH領域に加えて、PDSCH領域の一部を用いて設定される領域にもマッピングできる。
【0068】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る下りリンクにおけるリソースの例を示す図である。図10で示すリソースでは、第1の実施形態で説明したリソースのPDCCHおよびPDSCHに加えて、PDSCH領域の一部をX−PDCCHとして、制御情報を通知する領域が追加できる。基地局は、端末に対して、X−PDCCHを通じて制御情報信号を送信するか否かを示す制御情報を上位レイヤーによるシグナリングまたはPDCCHによるシグナリングを通じて設定する。すなわち、基地局は、端末に対して、情報データ信号をマッピングできるリソースの一部を用いて、前記基地局から前記端末に対する制御情報信号が送信できるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定する。さらに、基地局は、端末に対して、X−PDCCHを通じて制御情報信号を送信する場合、X−PDCCH領域を示す制御情報を、上位レイヤーによるシグナリングまたはPDCCHによるシグナリングを通じて設定する。
【0069】
以下では、X−PDCCH領域の設定(シグナリング)について説明する。X−PDCCHの周波数方向の領域は、所定のリソースブロック数の領域に割り当てられる。そのX−PDCCHの周波数方向の領域の割り当て方法は、端末102毎にPDSCHを割り当てる方法と同様の方法を用いることができる。例えば、端末102は、複数のリソースブロックを単位としたリソースブロックグループ毎に割り当てるか否かを示すビットマップ形式の制御情報を端末毎に設定することにより、X−PDCCHの周波数方向の領域を割り当てる。
【0070】
X−PDCCHの時間方向の領域は、そのサブフレーム内のOFDMシンボルのスタート位置により決定される。X−PDCCHのスタート位置は、予め規定されており、例えばサブフレーム内の4番目のOFDMシンボルとする。また、X−PDCCHのスタート位置は、基地局からのRRCシグナリングにより通知され、準静的に設定される。また、PDCCHが1番目と2番目のOFDMシンボルにより構成され、X−PDCCHのスタート位置が4番目のOFDMシンボルである場合、X−PDCCHを構成するリソースブロック幅における3番目のOFDMシンボルは、ヌルにする。また、前記ヌルにする領域には、別の制御信号を割り当てることができる。
【0071】
また、X−PDCCH領域が含まれるサブフレームは端末毎に設定できる。例えば、基地局は、端末に対して、8つのサブフレームを周期として、サブフレーム毎にX−PDCCH領域が含まれるか否かを示す8ビットのビットマップ形式の制御情報を設定できる。
【0072】
また、X−PDCCHは、所定の送信モード(例えば、送信モード10、第2の送信モード)に設定された端末に対する制御信号がマッピングされる。所定の送信モードに設定された端末は、X−PDCCH領域から自分宛の制御信号を検出する。また、基地局は、X−PDCCHを通じて、複数の端末に対する制御情報を通知することができる。また、X−PDCCHで通知される制御信号は、PDCCHで通知される制御情報を送信でき、PDCCHで通知されるDCI(Downlink Control Information)フォーマットと同様のフォーマットにより構成できる。また、X−PDCCHで通知される制御信号は、PDCCHで通知されるDCIフォーマットと異なるフォーマット(例えば、DCIフォーマット2E)により構成できる。また、X−PDCCHを通じて通知される制御信号は、第3の制御信号とも呼ばれる。
【0073】
X−PDCCH領域を含むリソースブロックには、データ信号復調用参照信号が多重される。端末は、X−PDCCH領域に含まれる制御情報を、多重されるデータ信号復調用参照信号を用いて、復調する。すなわち、X−PDCCH領域は、データ信号復調用参照信号を用いて復調する制御情報をマッピングする領域としてもよい。また、X−PDCCH領域は、データ信号復調用参照信号が多重された制御情報をマッピングする領域としてもよい。
【0074】
本発明の第2の実施形態における一例では、端末は、基地局によって、情報データ信号をマッピングできるリソースの一部を用いて、前記基地局から前記端末に対する制御情報信号が送信できるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、複数のコードブックサブセットの中から用いるコードブックサブセットを選択する。すなわち、図4で説明したコードブックサブセット選択部402には、X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報が入力される。コードブックサブセット選択部402は、入力されたX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、PMIのフィードバック情報を生成する際に用いるコードブックサブセットを選択する。例えば、端末は、基地局によって通知されるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報が、その端末に対してX−PDCCH領域を設定しないことを示す場合、本発明の第1の実施形態で説明したコードブックサブセット1を選択する。また、端末は、基地局によって通知されるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報が、その端末に対してX−PDCCH領域を設定することを示す場合、本発明の第1の実施形態で説明したコードブックサブセット2を選択する。
【0075】
また、本発明の第2の実施形態における別の一例では、端末は、基地局によってX−PDCCH領域が設定されるか否かに基づいて、複数のコードブックサブセットの中から用いるコードブックサブセットを選択する。すなわち、図4で説明したコードブックサブセット選択部402では、X−PDCCH領域が設定されるか否かを識別する。コードブックサブセット選択部402は、識別されたX−PDCCH領域が設定されるか否かに基づいて、PMIのフィードバック情報を生成する際に用いるコードブックサブセットを選択する。例えば、端末は、基地局によってX−PDCCH領域が設定されない場合、本発明の第1の実施形態で説明したコードブックサブセット1を選択し、基地局によってX−PDCCH領域が設定された場合、本発明の第1の実施形態で説明したコードブックサブセット2を選択する。
【0076】
以上で説明した方法を用いることにより、基地局101は、X−PDCCH領域が設定されるか否かに基づいて、端末102が用いるコードブックサブセットを切り替えることができるため、端末102に対するプレコーディング処理を効率的に行うことができる。
【0077】
なお、上記各実施形態では、情報データ信号、制御情報信号、PDSCH、PDCCHおよび参照信号のマッピング単位としてリソースエレメントやリソースブロックを用い、時間方向の送信単位としてサブフレームや無線フレームを用いて説明したが、これに限るものではない。任意の周波数と時間で構成される領域および時間単位をこれらに代えて用いても、同様の効果を得ることができる。なお、上記各実施形態では、プレコーディング処理されたRSを用いて復調する場合について説明し、プレコーディング処理されたRSに対応するポートとして、MIMOのレイヤーと等価であるポートを用いて説明したが、これに限るものではない。この他にも、互いに異なる参照信号に対応するポートに対して、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。例えば、Precoded RSではなくUnprecoded RSを用い、ポートとしては、プリコーディング処理後の出力端と等価であるポートあるいは物理アンテナ(あるいは物理アンテナの組み合わせ)と等価であるポートを用いることができる。
【0078】
本発明に関わる基地局101および端末102で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0079】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における基地局101および端末102の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。基地局101および端末102の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0080】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、無線基地局装置や無線端末装置や無線通信システムや無線通信方法に用いて好適である。
【符号の説明】
【0082】
101 基地局
102 端末
103 下りリンク
104 上りリンク
201 送信信号生成部
202 伝送路状況測定用参照信号多重部
203、305 送信部
204、301 受信部
205 フィードバック情報処理部
206、306 上位レイヤー
302 受信信号処理部
303 データ信号処理部
304 フィードバック情報生成部
401 伝送路状況測定部
402 コードブックサブセット選択部
403 フィードバック情報演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と通信する端末であって、
前記端末は、
前記基地局により設定される通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記端末は、
前記基地局が送信する伝送路状況測定用参照信号に基づいて、前記基地局と前記端末との伝送路状況を測定し、
前記伝送路状況と、前記選択されたコードブックサブセットに基づいて、フィードバック情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
基地局と通信する端末であって、
前記端末は、
前記基地局により設定されるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択することを特徴とする端末。
【請求項4】
前記端末は、
前記基地局が送信する伝送路状況測定用参照信号に基づいて、前記基地局と前記端末との伝送路状況を測定し、
前記伝送路状況と、前記選択されたコードブックサブセットに基づいて、フィードバック情報を生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末。
【請求項5】
前記X−PDCCH領域は、前記基地局が前記端末に対する情報データ信号をマッピングできるリソースの一部を用いて、前記基地局から前記端末に対する制御情報信号が送信できる領域であることを特徴とする請求項3に記載の端末。
【請求項6】
前記X−PDCCH領域は、前記基地局から前記端末に対する制御情報信号に、前記端末に固有の端末固有参照信号を多重した信号が送信できる領域であることを特徴とする請求項3に記載の端末。
【請求項7】
端末と通信する基地局であって、
前記基地局は、
前記端末に対して通信モードを設定し、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信し、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信し、
前記フィードバック情報は、
前記通信モードに基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、
前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成される
ことを特徴とする基地局。
【請求項8】
端末と通信する基地局であって、
前記基地局は、
前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定し、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信し、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信し、
前記フィードバック情報は、
前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、
前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成される
ことを特徴とする基地局。
【請求項9】
基地局と端末が通信する通信システムであって、
前記基地局は、前記端末に対して通信モードを設定し、
前記端末は、前記通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項10】
基地局と端末が通信する通信システムであって、
前記基地局は、前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定し、
前記端末は、前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項11】
基地局と通信する端末の通信方法であって、
前記端末は、
前記基地局により設定される通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有することを特徴とする通信方法。
【請求項12】
基地局と通信する端末の通信方法であって、
前記端末は、
前記基地局により設定されるX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有することを特徴とする通信方法。
【請求項13】
端末と通信する基地局の通信方法であって、
前記基地局は、
前記端末に対して通信モードを設定するステップと、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信するステップと、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信するステップを有し、
前記フィードバック情報は、
前記通信モードに基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、
前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成される
ことを特徴とする通信方法。
【請求項14】
端末と通信する基地局の通信方法であって、
前記基地局は、
前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定するステップと、前記端末に対して伝送路状況測定用参照信号を送信するステップと、前記端末から通知されるフィードバック情報を受信するステップを有し、
前記フィードバック情報は、
前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて選択された、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかと、
前記伝送路状況測定用参照信号に基づいて測定された、前記基地局と前記端末との伝送路状況と、に基づいて前記端末で生成される
ことを特徴とする通信方法。
【請求項15】
基地局と端末が通信する通信システムの通信方法であって、
前記基地局は、前記端末に対して通信モードを設定するステップを有し、
前記端末は、前記通信モードに基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項16】
基地局と端末が通信する通信システムの通信方法であって、
前記基地局は、前記端末に対してX−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報を設定するステップと、
前記端末は、前記X−PDCCH領域を設定するか否かを示す制御情報に基づいて、前記基地局と前記端末とで互いに既知のプレコーディング重みをコードブック化した複数のコードブックサブセットのいずれかを選択するステップを有する
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−222429(P2012−222429A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83401(P2011−83401)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】