説明

端末状態通知システムおよび端末状態通知方法

【課題】着信相手の携帯電話機が通信不可状態である理由および通信可能状態になるまでの時間を知らせることができる端末状態通知システムおよび端末状態通知方法を提供する。
【解決手段】複数の端末と通信ネットワークを介して接続され、通信不可状態にある端末30に対して発信した他の端末40に対して、端末30に対応する端末状態情報に基づいて通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを通知する通知手段20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関連する端末状態通知システムおよび端末状態通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の使用者は、電車の優先席付近や病院内など、携帯電話機の通信が望ましくない場所において、通信用の電波を停止するために、携帯電話機の電源をオフにしたり、携帯電話機をセルフモードに設定したりする。しかし、電源オフ時やセルフモード設定時に、携帯電話機に着信があった場合に、発信者は着信相手が後どの位の間電話に出られないのかを知ることができない。また、携帯電話機の使用者は、車などを運転する場合に、電話に応対できない旨を発信相手に伝えるために、携帯電話機をドライブモードに設定することがある。ドライブモードに設された携帯電話機は着信動作をせずに発信者に運転中である旨の音声ガイダンスを流して通知するのみであるので、発信者はドライブモードに設定中であるかどうか以外の情報を知ることができない。
【0003】
そこで、ドライブモード設定時に、音声ガイダンスとともに携帯電話機の使用者の現在の位置情報を発信者に通知するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−288429
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された携帯電話機の位置情報通知システムは、着信相手である携帯電話機の使用者が電話着信に応対できないときに、発信者に対して着信相手の位置情報を伝えている。しかし、位置情報を伝えられた発信者は、何時になれば着信相手が電話着信に応対できるようになるかを知ることができない。また、着信相手が何故その場所にいるのかを知ることができない。そのため、着信相手の状況が理解できずに、何度も掛け直しをしてしまうことがある。
【0006】
そこで、本発明は、着信相手の携帯電話機が通信不可状態である理由および通信可能状態になるまでの時間を知らせることができる端末状態通知システムおよび端末状態通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による端末状態通知システムは、複数の端末と通信ネットワークを介して接続され、通信不可状態にある端末に対して発信した他の端末に対して、通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを通知する通知手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明による端末状態通知方法は、通信不可状態にある端末に対して、当該端末に対して通信ネットワークを介して発信した他の端末に対して、あらかじめ端末から受信した端末状態情報に従って他の端末に通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源オフやセルフモード設定などにより携帯電話機が通信不可状態になっている場合に、通信不可状態の理由および通信可能状態になるまでの時間を発信者に通知することができる。また、通信不可時間の設定と繰り返し通知設定に従って、通信不可状態の理由および通信可能状態になるまでの時間の通知を行うことができるため、設定のし忘れや設定解除漏れがなくなり、発信者の無駄な発信を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における加入者データの一例を示す説明図である。
【図3】セルフモードに設定する場合の動作を示すフローチャートである。
【図4】セルフモード時のユーザ端末の外観を示す説明図である。
【図5】音声ガイダンスの通知の動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態における通信不可理由データベースの一例を示す説明図である。
【図7】本発明の主要部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態1.
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明による端末状態通知システム200は、加入者データ管理部210と、音声ガイダンス部220とを備える。ユーザ端末300とユーザ端末400とは、例えば携帯電話端末であって、通信ネットワーク100を介して、端末状態通知システム200に接続されている。なお、2つのユーザ端末300およびユーザ端末400が例示されているが、ユーザ端末はいくつあってもよい。また、以下の説明では、ユーザ端末300が着信者が使用する携帯電話端末であって、ユーザ端末400が発信者が使用する携帯電話端末である場合を例にして説明する。
【0013】
端末状態通知システム200は、端末状態情報に従って、ユーザ端末の通信不可状態の理由および通信可能状態になるまでの時間を発信者に通知する端末状態通知機能を提供する。端末状態情報は、通信不可時間、繰り返し通知設定および通信不可理由を含む。通信不可時間は、ユーザ端末が通信不可の状態となる開始時刻と、通信不可の状態が終了する終了時刻を設定できる。繰り返し通知設定は、端末状態通知機能を繰り返し実行させる場合に設定される。例えば、1回のみ機能させる場合は「1」が設定され、曜日を指定する場合は「月」、「火」、「平日」などが設定される。
【0014】
ユーザ端末300は端末状態情報の入力機能を備える。また、ユーザ端末300は、通信ネットワーク100を介して、端末状態情報を端末状態通知システム200に送信する。
【0015】
加入者データ管理部210は、登録サーチ手段211と、通話可能時間算出手段212と、案内テキスト生成・送信手段213と、加入者データ記憶手段214と、アナウンス情報記憶手段215とを備える。
【0016】
登録サーチ手段211は、ユーザ端末から送信される端末状態情報を加入者データ格納手段214の加入者データに登録する。加入者データは、ユーザ端末の携帯電話番号と端末状態情報とを含む。図2は、第1の実施形態における加入者データの一例を示す説明図である。なお、加入者データは、1つの携帯電話番号に対して複数の端末状態情報を含んでいてもよい。
【0017】
登録サーチ手段211は、着信があったユーザ端末の携帯電話番号が加入者データ格納手段214の加入者データに登録されているか否かを検索し、登録されていた場合は携帯電話番号に対応する端末状態情報を取得し、通信可能時間算出手段212へ送信する。
【0018】
通信可能時間算出手段212は、ユーザ端末400からユーザ端末300に着信があった場合に、端末状態情報をもとに着信が通信不可時間内にあったか否かを確認し、通信不可時間内であった場合は、通信不可時間と着信時間とを比較して、通信可能状態になるまでの時間を算出し、算出した時間を端末状態情報とともに案内テキスト生成・送信手段213に出力する。
【0019】
案内テキスト生成・送信手段213は、通信可能状態になるまでの時間と端末状態情報とに基づいて、ユーザ端末400に通知するガイダンスを含んだ案内テキストデータを生成し、音声ガイダンス部220に送信する。
【0020】
加入者データ格納手段214は、加入者データを記憶する。
【0021】
音声ガイダンス部220は、音声データ変換・送信手段221を備える。
【0022】
音声データ変換・送信手段221は加入者管理部210から受信した案内テキストデータを、音声データに変換し、ネットワーク100を介してユーザ端末400へ音声データを送信する。
【0023】
次に、本実施形態の動作について説明する。ここでは、ユーザ端末300がセルフモードに設定される場合を例にする。
【0024】
図3を参照して、ユーザ端末300の使用者がユーザ端末300をセルフモードに設定する場合の動作について説明する。図3は、セルフモードに設定する場合の動作を示すフローチャートである。
【0025】
ユーザ端末300の使用者がセルフモードの設定を行う際に、ユーザ端末300に対して端末状態情報の入力を行う。ユーザ端末300は、端末状態情報の入力が開始されると(ステップS301)、まず、時計の設定がされているか否かを確認する(ステップS302)。
【0026】
ユーザ端末300の時計の設定がされている場合は(ステップS302におけるYes)、ユーザ端末300の使用者は、通信不可時間(開始時刻および終了時刻)を入力する(ステップS303)。次に、繰り返し通知設定の入力をする(ステップS304)。最後に、通信不可理由を入力する(ステップS305)。
【0027】
ユーザ端末300の使用者は、S303〜S305で入力した設定内容が正しいか否かを確認し、設定内容が正しい場合には(ステップS306におけるYes)、端末状態情報の入力を終了する。
【0028】
端末状態情報の入力が完了すると、ユーザ端末300から、端末状態情報が端末状態通知システム200へ送信される(ステップS307)。
【0029】
ユーザ端末300から送信された端末状態情報は、端末状態通知システム200登録サーチ手段211によって加入者データ記憶手段214に登録される。その後、ユーザ端末300は、セルフモードに移行する。図4は、セルフモード時のユーザ端末300の外観を示す説明図である。図4に示すように、セルフモード時には、ユーザ端末300の外面に設けられているセルフモードマーク301が点滅する。また、一般に、ユーザは通信不可時間の終了時刻になると、セルフモードを解除する。なお、セルフモードの設定を行う際にタイマが設定され、タイマがタイムアップすると、ユーザ端末300がセルフモードを自動的に解除するようにしてもよい。
【0030】
次に、図5を参照して、音声ガイダンスの通知の動作について説明する。図5は、音声ガイダンスの通知の動作を示すフローチャートである。
【0031】
ユーザ端末300のセルフモード設定時間(通信不可時間に相当)内に、ユーザ端末400からユーザ端末300に着信があった場合は(ステップS401のYes)、登録サーチ手段211は、ユーザ端末300の携帯電話番号をもとに、加入者データ記憶手段214に記憶されている加入者データの中にユーザ端末300の加入者データが登録されているか否かを検索する(ステップS402)。
【0032】
登録サーチ手段211は、ユーザ端末300の加入者データが登録されていた場合は(ステップS402におけるYes)、加入者データ格納手段214から端末10の加入者データを読み出して、端末状態情報を取得する。端末状態情報をもとに端末状態通知機能が有効であるか否かを確認する(ステップS403)。登録サーチ手段211は、端末状態通知機能が有効であるか否かの判定を、端末状態情報の通信不可時間と繰り返し通知設定に基づいて行えばよい。
【0033】
端末状態通知機能が有効であった場合は(ステップS403におけるYes)、登録サーチ手段211は端末状態情報を通信可能時間算出手段212に送信する。通信可能時間算出手段212は、端末状態情報から通信不可時間の終了時刻を取得し、着信時間と通信不可時間の終了時刻を比較して、通信可能状態になるまでの時間を算出する(ステップS404)。通信可能時間算出手段212は、算出した時間を端末状態情報とともに案内テキスト生成・送信手段213へ送信する。
【0034】
案内テキスト生成・送信手段213は、端末状態情報から通信不可理由を取得する(ステップS405)。案内テキスト生成・送信手段213は、通信可能状態になるまでの時間と通信不可理由から、通知するガイダンスを決定し、案内テキストを生成する。
【0035】
図6を参照して、案内テキストの生成について説明する。図6は、第1の実施形態における通信不可理由データベースの一例を示す説明図である。図6には、5つの通信不可理由データが例示されているが、通信不可理由データはいくつあってもよい。
【0036】
通信不可理由データベースは、アナウンス情報記憶手段215に記憶されている。通信不可理由データベースのアナウンス番号は、端末状態情報の通信不可理由に設定された番号に対応する。例えば、通信不可理由に設定されている番号が「4」であって、かつ、通信可能状態になるまでの時間が134分であった場合は、案内テキストデータは「ただいま飛行機内のため、電話に出られません。134分後には通話可能となります。」となる。ここで、通信可能状態になるまでの時間を「134分後」と通知しているが、通信可能状態になるまでの時間の通知フォーマットは任意のフォーマットで構わない。例えば、「2時間14分後」としても構わない。
【0037】
案内テキスト生成・送信手段213は、生成された案内テキストデータを音声ガイダンス部220へ送信する(ステップS406)。
【0038】
音声データ変換・送信手段221は、受信した案内テキストデータを音声データに変換して、ユーザ端末400へ送信する(ステップS407)。
【0039】
ステップS407の後、登録サーチ手段211は、ステップS404において読み出した加入者データの繰り返し通知設定の内容を更新し、加入者データ格納手段214の該当データを上書き更新する(ステップS408)。例えば、繰り返し通知設定が「1」であった場合は、「0」に更新する。
【0040】
以上に説明したように、本実施形態によれば、通信不可状態となっているユーザ端末に対して発信が行われた場合であっても、発信者に通信不可状態の理由および通信可能状態になるまでの時間が通知される。そのため、発信者はユーザ端末が通信可能になる状態を把握することができる。また、端末状態情報の通信不可時間および繰り返し通知設定に従って端末状態通知機能を有効にさせることができるため、設定のし忘れや設定の解除漏れがなくなる。
【0041】
なお、本実施形態においては、通信可能状態になるまでの時間を発信者に通知しているが、通信不可時間の終了時刻を通知するようにしてもよい。そのような形態を実現するには、例えば、通信可能時間算出手段212が、通信不可時間の終了時刻を端末状態情報とともに案内テキスト生成・送信手段213へ送信すればよい。そして、案内テキスト生成・送信手段213は、通信不可時間の終了時刻と通信不可理由から、通知するガイダンスを決定し、案内テキストを生成する。
【0042】
そのように通信不可時間の終了時刻を通知するようにすれば、通信可能時間算出手段212の通信可能状態になるまでの時間の算出処理を省略することができ、処理を簡略化できる。
【0043】
また、本実施形態では、使用者がセルフモードの設定を行う際に図3に示されたステップS301〜S306の処理が実行されるようにしたが、使用者がセルフモードの設定を行う前にステップS301〜S306の処理が実行されるようにして端末状態情報を記憶部に記憶し、使用者がセルフモードの設定を行ったときにステップS307の処理が実行されるようにしてもよい。また、本実施形態では、通信不可時間中にユーザ端末300がセルフモードに設定されることを想定したが、ユーザ端末300の電源がオフされてもよい。ユーザ端末300の電源がオフされるときにユーザ端末300から端末状態通知システム200へ端末状態情報が送信されるように構成する場合には、例えば、ユーザが電源オフ操作を行ったときに図3に示されたステップS301〜S307の処理が実行され、その後、電源がオフされる。
【0044】
図7は、本発明による端末状態通知システムの主要部を示すブロック図である。図7に示すように、複数の端末(実施形態では、ユーザ端末300およびユーザ端末400で実現される。)と通信ネットワークを介して接続され、通信不可状態にある端末30(実施形態では、ユーザ端末300で実現される。)に対して発信した他の端末40(実施形態では、ユーザ端末400で実現される。)に対して、通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを通知する通知手段20(実施形態では、加入データ管理部210および音声ガイダンス部220で実現される。)を備えたことを特徴とする。
【0045】
上記の実施形態には、以下のような端末状態通知システムも開示されている。
【0046】
通知手段20は、電話番号に対応させて端末状態情報を記憶する記憶手段24(実施形態では、加入者データ記憶手段214で実現される。)と、着信番号をもとに記憶手段24から着信者端末に対応する端末状態情報を取得する登録サーチ手段21(実施形態では、登録サーチ手段211で実現される。)とを備え、登録サーチ手段21が取得した端末状態情報に基づいて通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを他の端末40に通知する端末状態通知システム。
【0047】
登録サーチ手段21は、端末30から受信した端末状態情報で、記憶手段24に記憶された当該端末に対応する端末状態情報を更新する端末状態通知システム。
【0048】
端末状態情報は、通信不可設定時間と繰り返し設定とを含み、登録サーチ手段21は、通信不可設定時間と繰り返し設定に基づいて、端末30の端末状態通知設定が有効であるか否かを判定し、通知手段20は、端末状態通知設定が有効であった場合に通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを他の端末40に通知する端末状態通知システム。
【符号の説明】
【0049】
10、100 通信ネットワーク
20 通知手段
21、211 登録サーチ手段
24 記憶手段
30 端末
40 端末
200 端末状態通知システム
212 通信可能時間算出手段
213 案内テキスト生成・送信手段
214 加入者データ記憶手段
215 アナウンス情報記憶手段
220 音声ガイダンス部
221 音声データ変換・送信手段
300、400 ユーザ端末
301 セルフモードマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と通信ネットワークを介して接続され、
通信不可状態にある端末に対して発信した他の端末に対して、通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを通知する通知手段を備えた
ことを特徴とする端末状態通知システム。
【請求項2】
通知手段は、
電話番号に対応させて端末状態情報を記憶する記憶手段と、
着信番号をもとに前記記憶手段から着信者端末に対応する端末状態情報を取得する登録サーチ手段とを備え、
前記登録サーチ手段が取得した端末状態情報に基づいて通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを他の端末に通知する
請求項1に記載の端末状態通知システム。
【請求項3】
登録サーチ手段は、端末から受信した端末状態情報で、記憶手段に記憶された当該端末に対応する端末状態情報を更新する
請求項2に記載の端末状態通知システム。
【請求項4】
端末状態情報は、通信不可設定時間と繰り返し設定とを含み、
登録サーチ手段は、前記通信不可設定時間と前記繰り返し設定に基づいて、端末の端末状態通知設定が有効であるか否かを判定し、
通知手段は、端末状態通知設定が有効であった場合に通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを他の端末に通知する
請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の端末状態通知システム。
【請求項5】
通信不可状態にある端末に対して、当該端末に対して通信ネットワークを介して発信した他の端末に対して、あらかじめ前記端末から受信した端末状態情報に従って前記他の端末に通信不可である理由と通信可能状態になるまでの時間とを通知する
ことを特徴とする端末状態通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−85103(P2012−85103A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229667(P2010−229667)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】