端末装置、プログラムおよびリモート操作システム
【課題】MFP側を変更することなく、かつ、表示能力に応じたリモート操作を可能にできる端末装置、プログラムおよびリモート操作システムを提供する。
【解決手段】端末装置は、表示部と、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段とを含む。
【解決手段】端末装置は、表示部と、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置をリモート操作可能な端末装置、その端末装置に向けられたプログラム、およびそのリモート操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種装置をリモート操作するような技術が提案されている。近年の情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)の進歩や各種表示デバイスの進歩などに伴って、このようなリモート操作を実現する形態が種々提案されている。
【0003】
例えば、特開2010−016734号公報(特許文献1)には、複数画面を同時表示している場合に、各画面に対する操作を簡単に行うことができる構成が開示されている。より具体的には、特許文献1に記載の発明は表示装置のリモートコントローラに向けられている。そして、表示装置(1)が表示部(13)に表示する実画面に対応する仮想画面の情報をリモートコントローラ(2)に送信する。リモートコントローラ(2)の表示部(22)は、複数の画面を含む実画面に対応する仮想画面を表示する。表示部(22)の表示面上にはタッチパネル(22A)が設けられており、表示部(22)は、ユーザーによって仮想画面のアイコン画面が変更された場合、変更後の仮想画面の情報を表示装置(1)に送信する。表示装置(1)は、仮想画面に同期して実画面の表示を変更する。
【0004】
このようなリモート操作の対象となる装置は、特許文献1に記載されるようなテレビジョン装置だけではなく、各種の事務機器も含まれ得る。このような一例として、複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)に対するリモート操作を行なうような形態も考えられている。
【0005】
このようなリモート操作を行なうためのデバイスとして、専用の端末装置を用意することも考えられるが、将来的には、携帯電話やスマートフォンなどの各ユーザーが所有する携帯型の装置をリモート装置としても使用することが好ましい。すなわち、各ユーザーが所有する携帯デバイスを用いて、MFPに搭載される操作パネルを代替するような形態が想定されている。
【0006】
このようなリモート操作の形態を想定した場合、MFP側の改造や変更などを最小限にするために、MFPの内部で生成されて操作パネル上に表示される内容(画像データ)を、ネットワークなどを介してそのまま携帯デバイスへ転送し、当該携帯デバイス上で表示するような方法が好ましい。このような方法を採用することで、MFP本体側の改造や変更の量を最小限にでき、かつ、ユーザーから見れば、いつも使用する操作画面をそのまま使用できるというメリットもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−016734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような携帯電話やスマートフォンなどの携帯デバイスのディスプレイは、技術の進歩に伴って、どんどん高精細化されてきており、MFPに搭載されている操作パネルの画面サイズ(ビクセル数)を超えるものもある。そのため、操作パネルに表示される内容をそのまま携帯デバイスのディスプレイに表示した場合には、携帯デバイスのディスプレイの能力を十分には生かせていないことになる。
【0009】
携帯デバイスを用いることで、操作パネルに表示される画面内容を複数同時に表示するようなニーズも存在する。例えば、何らかの操作画面と対応するヘルプ画面とを同一のディスプレイ上にあわせて表示したいといったニーズがある。このような表示によって、よりユーザーの操作性を高めることができる。
【0010】
一方で、上述のような、MFPの内部で生成されて操作パネル上に表示される内容(画像データ)をそのまま携帯デバイスへ転送するという方式では、複数の画面内容を表示させるために何らかの新たな仕組みを設ける必要がある。すなわち、一般的には、操作パネルには同時に1つの画面が表示されるように設計されているため、この構成を変更するためにはMFPの設計を変更する必要がある。しかしながら、このような複数の画面内容を表示することは、操作パネルにおける表示としては本来的に不要なものである。
【0011】
また、いくつかの携帯デバイスでは、そのディスプレイの能力がそれほど高くないものもあり、このような携帯デバイスでは、操作パネルにおける表示内容をそのまま出力することが相応しい場合もある。
【0012】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、MFP側を変更することなく、かつ、表示能力に応じたリモート操作を可能にできる端末装置、プログラムおよびリモート操作システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従えば、操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作可能な端末装置を提供する。画像形成装置は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データを端末装置へ出力するように構成されている。端末装置は、表示部と、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段とを含む。
【0014】
好ましくは、表示制御手段は、第1の画像データを第1の表示領域に表示し、かつ、第2の画像データを第2の表示領域に表示するとともに、第1または第2の画像データを新たに取得するまで第1または第2の表示領域における表示内容を保持する。
【0015】
さらに好ましくは、端末装置は、第1または第2の表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を画像形成装置へ与える操作手段をさらに含む。
【0016】
さらに好ましくは、操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を操作パネルに表示させるための指令を含む。
【0017】
好ましくは、表示制御手段は、画像を複数表示できない場合であっても、第2の画像データを取得するとともに、第1の画像データの上に当該第2の画像データを重ねて表示する。
【0018】
好ましくは、表示制御手段は、第1の画像データと第2の画像データとを関連付けて格納するとともに、第1の画像データの表示が指示された場合、関連付けられた第2の画像データが格納されていれば、画像形成装置から第2の画像データを新たに取得することなく、格納されている第2の画像データを表示する。
【0019】
本発明の別の局面に従えば、操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作するためのプログラムを提供する。プログラムは、表示部を有するコンピュータを、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段として機能させる。画像形成装置は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データをコンピュータへ出力するように構成されている。さらに、プログラムは、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段として機能させる。
【0020】
本発明のさらに別の局面に従うリモート操作システムは、操作パネルを有する画像形成装置と、画像形成装置をリモート操作可能な端末装置とを含む。画像形成装置は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データを端末装置へ出力するように構成されている。端末装置は、表示部と、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段とを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、MFP側を変更することなく、かつ、表示能力に応じたリモート操作を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う端末装置によって操作されるMFPの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う端末装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う端末装置によって操作されるMFPの操作パネルの外観図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う端末装置によって操作されるMFPの内部的なデータの遣り取りを説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う端末装置において提供されるユーザーインターフェイス(複数画面同時表示モード)の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う端末装置において提供されるユーザーインターフェイス(ポップアップ表示モード)の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う端末装置における全体処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に従う端末装置が提供するユーザーインターフェイス画面における更新例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う端末装置が提供するユーザーインターフェイス画面における更新例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に従う端末装置が複数画面同時表示モードで動作する場合の初期手順を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施の形態に従う端末装置が複数画面同時表示モードで動作する場合の操作/画面更新手順を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の実施の形態に従う端末装置がポップアップ表示モードで動作している場合にユーザーがポップアップ表示を指示した場合の手順を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う端末装置においてユーザーがサブ表示領域に表示されるヘルプ画面を操作した場合の手順を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の実施の形態の変形例に従う操作画面とヘルプ画面との対応付けについて説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態の変形例に従う端末装置における全体処理手順の要部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
<A.全体構成>
まず、本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成について説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成を示す模式図である。図1を参照して、ネットワークNWに接続された複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)が配置されているとする。このネットワークNWには、無線通信(典型的には、無線LANやBluetooth(登録商標)など)を介して端末装置2とデータを遣り取りするための無線中継器3が接続されているとする。
【0026】
MFP1には、各種の操作を行なうための操作パネル110が設けられており、ユーザーは、この操作パネル110を操作することで、各種の指令をMFP110へ与える。
【0027】
端末装置2は、典型的には、ユーザーが所有する携帯電話やスマートフォンである。ユーザーは、自己の所有する端末装置2を操作して、MFP1に対する操作を行なう。すなわち、後述するように、端末装置2の各々には、操作パネル110において表示される操作画面が当該端末装置2に適して表示態様で表示される。そして、ユーザーは、MFP1の操作パネル110を操作するのと同様の操作方法で、MFP1に対して各種指令を与える。
【0028】
これにより、ユーザーは、MFP1から離れた位置で、MFP1を操作することができる。
【0029】
<B.MFP1の構成>
次に、図1に示すMFP1の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の構成を示す模式図である。
【0030】
図2を参照して、MFP1は、プロセッサー100と、主メモリ102と、スキャナー104と、プリントエンジン106と、ネットワークインターフェイス(I/F)108と、操作パネル110と、不揮発メモリ112とを含む。
【0031】
プロセッサー100は、代表的にCPU(Central Processing Unit)などの演算装置を含んで構成され、予め格納されたプログラムを実行することで本実施の形態に従う処理を実現する。より具体的には、プロセッサー100上では、プログラムを実行することで、表示操作ロジック120が生成され、後述するような処理を提供する。
【0032】
主メモリ102は、代表的にDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、プロセッサー100で実行されるプログラムやプログラムの実行に必要なデータなどを保持する。
【0033】
不揮発メモリ112は、代表的にハードディスク装置やフラッシュメモリなどの記憶装置からなり、操作パネル110に表示される操作画面およびそれに付随する属性情報や、ユーザーが設定するカスタマイズ情報などを格納する。
【0034】
ネットワークインターフェイス108は、代表的に、ネットワークNWを介して端末装置2(図1)などとの間でデータを送受信するための通信部であり、例えば、LANアダプタおよびそれを制御するドライバソフトなどを含む。プリントエンジン106は、プリント処理を行なうための部位であり、プリント処理に係るハードウェア構成に加えて、各部の作動を制御するための制御装置をも含む。
【0035】
操作パネル110は、ユーザーからの操作を受け付けるとともに、各種情報をユーザーに提示するマンマシンインターフェイスである。より具体的には、操作パネル110は、タッチパネル(ディスプレイおよび感圧部)や各種操作キーを含む。
【0036】
<C.端末装置2の構成>
次に、図1に示す端末装置2の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に従う端末装置2の構成を示す模式図である。
【0037】
図3を参照して、端末装置2は、コンピュータであり、CPU200と、主メモリ202と、不揮発性メモリ204と、入力部206と、タッチパネル208と、ネットワークインターフェイス210と、無線通信部212と、音声入力部214とを含む。これらの各コンポーネントは、バス216を介して互いに接続されている。
【0038】
CPU200は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行する。端末装置2は、汎用的なオペレーティングシステムの下で動作するように構成されてもよい。主メモリ202は、CPU200がプログラムを実行するためのワーキングメモリとして機能し、実行用に展開されたプログラムや実行に必要な各種変数などを一時的に保持する。不揮発メモリ204は、典型的には、ハードディスクやフラッシュメモリCPU200で実行されるプログラムなどを格納する。
【0039】
入力部206は、端末装置2の表面に配置されたキー群などからなり、ユーザーの操作を受け付ける。表示部であるタッチパネル208は、CPU200からの指令に従って、ユーザーに提示すべき各種情報を表示するとともに、ユーザー操作に応答した指令をCPU200へ出力する。
【0040】
ネットワークインターフェイス210は、無線中継器3(図1)を介して、MFP1を含む各種機器とデータを遣り取りする。無線通信部212は、公衆回線を利用して、広域通信を行なうための送受信回路を含む。
【0041】
音声出力部214は、典型的にはスピーカーなどであり、各種の音声情報をユーザーへ提供する。
【0042】
典型的には、CPU200がプログラムを実行することで表示操作モジュール220が動的に生成され、後述するような、操作パネル110を有する画像形成装置1をリモート操作するための機能を提供する。このような表示操作モジュール220を提供するためのプログラムは、予め不揮発メモリ204にインストールされている場合もあるが、事後的に各種の方法を用いてインストールしてもよい。
【0043】
例えば、プログラムを格納したCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶媒体を介して端末装置2にインストールする方法や、ネットワークを介して端末装置2へ配信する方法などが考えられる。
【0044】
さらに、MFP1から端末装置2に対して、リモート操作を実現するためのプログラムをダウンロードするようにしてもよい。この場合、MFP1の機種に応じた各種プログラムを端末装置2へ提供することができ、機種依存の処理についてもより容易に対応が可能となる。
【0045】
なお、端末装置2は、汎用のアーキテクチャーを用いたパーソナルコンピューターとして実現してもよい。
【0046】
<D.操作パネル110および内部的なデータの遣り取り>
次に、MFP1の操作パネル110の概要および本実施の形態に従う端末装置2とのデータの遣り取りについて説明する。
【0047】
図4は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の操作パネル110の外観図である。図4を参照して、操作パネル110は、表示部および操作部としてのタッチパネルがほぼ中央に設けられており、その両側に、操作部としてキー群が設けられている。このタッチパネルには、MFP1を操作するための操作画面が表示される。MFP1の操作パネル110では、常に1つの操作画面が表示されるようになっている。この操作画面では、各種情報が表示されるとともに、ユーザーがタッチ操作できるように、操作オブジェクト(アイコン)が配置されている。ユーザーがいずれかの操作オブジェクトをタッチすると、対応する指令が内部的に発行されて、別の操作画面への遷移や各種設定操作が行なわれる。
【0048】
MFP1は、操作パネル110における表示内容を示す画像データをそのまま端末装置2へ出力するように構成されている。また、MFP1は、端末装置2からの指令を受け付けるようにも構成されている。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の内部的なデータの遣り取りを説明するための模式図である。図5を参照して、表示操作ロジック120(図2)は、主メモリ102に格納されている操作画面のデータを参照して、画像データを操作パネル110のタッチパネル(ディスプレイ110a)へ出力する。また、表示操作ロジック120は、操作パネル110のタッチパネル(感圧部110bまたはキー群110c)に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を受け付ける。表示操作ロジック120は、操作指令に従って、操作パネル110に表示する操作画面を適宜更新し、あるいは、操作指令に従って各種の内部コマンドを発行する。
【0050】
表示操作ロジック120から操作パネル110へ出力される画像データは、並列的に端末装置2へ出力される。すなわち、表示操作ロジック120は、同一の画像データを操作パネル110および端末装置2へ出力することが可能となっている。なお、操作表示ロジック120から端末装置2への画像データの伝送は、ネットワークインターフェイス108(図2)を介して行なわれる。
【0051】
また、操作パネル110から表示操作ロジック120への操作指令の伝送経路に対して、端末装置2からの操作指令を(論理的に)重畳することが可能となっている。すなわち、表示操作ロジック120は、ユーザーが操作パネル110を操作することで発行される操作指令に加えて、ユーザーが端末装置2を操作することで発行される操作指令をその区別なく受け付ける。そのため、端末装置2は、操作パネル110が発行する内部コマンドをエミュレートすることで、ユーザーが操作パネル110を操作した場合に発行される操作指令と同様の操作指令を発行することができる。
【0052】
<E.端末装置2が提供するユーザーインターフェイス>
次に、本実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイスについて例示する。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(複数画面同時表示モード)の一例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(ポップアップ表示モード)の一例を示す図である。
【0054】
図6および図7には、操作パネル110に表示される操作画面の複数を端末装置2に表示する例を示す。このような複数の操作画面を表示する場合の典型例としては、何らかの操作を行なうための画面と当該画面における操作を支援するためのヘルプ画面とを表示する場合が考えられる。
【0055】
より具体的には、図6および図7には、原稿の背景(白地部分)を選択した色で着色した上でプリント処理を行なう機能に関する操作画面と、当該操作画面に対応するヘルプ画面とを同時に表示する例を示す。
【0056】
図6には、これらの複数の画面をそれぞれ異なるメイン表示領域310Aおよびサブ表示領域320Aに互いに重ねることなく並べて表示する態様の例を示す。すなわち、図6に示す複数画面同時表示モードにおいては、メイン表示領域310Aに操作パネル110の操作画面、サブ表示領域320Aにヘルプ画面が常に表示される。また、メイン表示領域310Aの操作画面をユーザーが操作して別の操作画面が遷移すると、サブ表示領域
20Aのヘルプ両面もその遷移先の操作画面と同期して遷移する。
【0057】
一方、図7には、これらの複数の画面をそれぞれ異なるメイン表示領域310Bおよびサブ表示領域320Bに表示するが、メイン表示領域310Bとサブ表示領域320Bとは互いに重ねて表示する態様の例を示す。すなわち、図7に示すポップアップ表示モードにおいては、通常は操作パネル110の操作画面のみが表示されており、ユーザーが所定の操作を行なうことでヘルプ画面が呼び出されると、メイン表示領域310B内の操作画面上にオーバーレイ表示される形態でポップアップウィンドウとしてヘルプ両面が表示される。
【0058】
このように、端末装置2の表示手段であるタッチパネル208は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データ(操作画面)を第1の表示領域(表示領域310Aまたは310B)に表示し、かつ、操作パネルにおける別の表示内容を示す画像データ(ヘルプ画面)を第2の表示領域(表示領域320Aまたは320B)に表示する。
【0059】
図6および図7に示すそれぞれ異なる表示態様は、ユーザーが任意に選択することができる。但し、複数画面同時表示モードにおいては、タッチパネル208の画像サイズ(解像度)と操作パネル110で表示される画像データの大きさ(解像度)との関係によっては、適切な表示を行なうことができない場合がある。例えば、図6に示す例では、操作パネル110において表示される画像サイズより端末装置2のタッチパネル208の解像度が十分に大きいので、複数の(3つ以上であってもよい)表示領域を互いに重ならないように配置することが可能である。これに対して、図7に示すように操作パネル110において表示される画像サイズに比較して端末装置2のタッチパネル208の解像度が十分には大きくない場合には、複数の表示領域を重ならないように配置することが難しい。あるいは、複数の表示領域を違いに重ならないように配置した場合には、リサイズの結果、文字が小さくなり過ぎて内容を視認することが難しくなる場合もある。このような場合には、単一の操作画面のみを表示する態様、あるいは、図7に示すようなポップアップ表示が好ましい。
【0060】
そこで、本実施の形態に従う端末装置2は、MFP1の操作パネル110から出力されるいずれかの画像データに基づいて表示態様を決定し、この決定された表示態様で、受信した画像データをタッチパネル208に表示する。
【0061】
以下の説明では、図6および図7に示すように、複数画面同時表示モードおよびポップアップ表示モードを選択可能な例について説明するが、これ以外の表示モードを採用してもよいし、さらに別のモードを追加してもよい。
【0062】
<F.処理手順>
(f1:全体処理手順)
まず、本実施の形態に従う端末装置2における全体処理手順について説明する。図8は、本発明の実施の形態に従う端末装置2における全体処理手順を示すフローチャートである。図8に示す各ステップは、典型的には、CPU200がプログラムを実行することで実現される。すなわち、表示操作モジュール220が提供する機能であるともいえる。
【0063】
図8を参照して、ユーザーが端末装置2を操作して本実施の形態に従うリモート操作に係るプログラムを起動すると、以下の処理が開示される。まず、端末装置2は、ネットワークインターフェイス210(図3)を有効化し、MFP1と接続を試みる(ステップS2)。そして、端末装置2は、MFP1と接続されたか否かを判断する(ステップS4)。MFP1と接続されていない場合(ステップS4においてNOの場合)には、ステップS2以下の処理が繰り返される。
【0064】
MFP1と接続された場合(ステップS4においてYESの場合)には、端末装置2は、MFP1からその時点での操作パネル110における表示内容を示す画像データを取得する(ステップS6)。
【0065】
続いて、端末装置2は、ユーザーから、複数画面同時表示モードおよびポップアップ表示モードの選択を受け付ける(ステップS8)。複数画面同時表示モードが選択された場合(ステップS8において「複数画面同時表示モード」の場合)には、ステップS10以下の処理が実行される。これに対して、ポップアップ表示モードが選択された場合(ステップS8において「ポップアップ表示モード」の場合)には、ステップS30以下の処理が実行される。
【0066】
複数画面同時表示モードが選択された場合には、端末装置2は、取得した画像データの属性に基づいて、表示モードを決定する。すなわち、端末装置2のCPU200(表示操作モジュール220)は、画像形成装置1から出力される画像データ(操作画面)に基づいて、タッチパネル208上に画像を複数表示できるか否かを判断する。より具体的には、端末装置2は、取得した画像データの画素サイズが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS10)。
【0067】
取得した画像データの画素サイズが所定値以下である場合(ステップS10においてYESの場合)には、端末装置2は、複数画面同時表示モードを実行可能であると判断し、複数画面モードを選択する(ステップS12)。そして、端末装置2は、取得した画像データをメイン表示領域に表示する(ステップS14)。
【0068】
続いて、端末装置2は、操作パネル110の表示内容を当該時点の表示内容に関連付けられた新たなものに切り替えるための操作指示をMFP1へ送信する(ステップS16)。続いて、端末装置2は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容を示す画像データを取得する(ステップS18)。そして、端末装置2は、取得した画像データをサブ表示領域に表示する(ステップS20)。
【0069】
このように、端末装置2のCPU200(表示操作モジュール220)は、タッチパネル208上に画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネル110における表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置1へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置1から出力される画像データとは異なる画像データ(ヘルプ画面)を取得する。そして、端末装置2のCPU200(表示操作モジュール220)は、取得した2つの画像データ(操作画面およびヘルプ画面)をタッチパネル208に表示する。
【0070】
これに対して、取得した画像データの画素サイズが所定値より大きい場合(ステップS10においてNOの場合)には、端末装置2は、複数の操作画面を同時に表示できないと判断し、単一画面モードを選択する(ステップS22)。そして、端末装置2は、取得した画像データを全体表示する(ステップS24)。
【0071】
続いて、ユーザーが画面の更新を要求したか否かを判断する(ステップS26)。ユーザーが画面の更新を要求していない場合(ステップS26においてNOの場合)には、ステップS26の処理が繰り返される。
【0072】
これに対して、ユーザーが画面の更新を要求した場合(ステップS26においてYESの場合)には、端末装置2は、画面更新処理を実行する(ステップS28)。この画面更新処理は、選択されたモード(単一画面モードまたは複数画面モード)に応じた処理を実行する。そして、ユーザーが終了を指示するまで、ステップS26の処理が繰り返される。
【0073】
ポップアップ表示モードが選択された場合には、端末装置2は、取得した画像データをメイン表示領域に表示する(ステップS30)。続いて、端末装置2は、ユーザーがポップアップの表示を要求したか否かを判断する(ステップS32)。
【0074】
ユーザーがポップアップの表示を要求した場合(ステップS32においてYESの場合)には、端末装置2は、ポップアップの表示処理を実行する(ステップS34)。これに対して、ユーザーがポップアップの表示を要求していない場合(ステップS32においてNOの場合)には、ステップS34の処理がスキップされる。
【0075】
続いて、ユーザーが画面の更新を要求したか否かを判断する(ステップS36)。
ユーザーが画面の更新を要求した場合(ステップS36においてNOの場合)には、端末装置2は、画面更新処理を実行する(ステップS38)。これに対して、ユーザーが画面の更新を要求していない場合(ステップS36においてNOの場合)には、ステップS38の処理がスキップされる。
【0076】
そして、ユーザーが終了を指示するまで、ステップS36の処理が繰り返される。
なお、ステップS26およびS28の繰り返し処理、ならびに、ステップS36およびS38の繰り返し処理において、ユーザーが何らかの操作をした場合には、対応する操作指令がMFP1へ送信される。
【0077】
上述のように、複数画面同時表示モードにおいて、MFP1から取得した画像データの画素サイズをチェックする際の画素サイズと比較される所定値(しきい値)は、各種の要素を考慮して決定される。すなわち、端末装置2では、画像データをスケーリングして表示可能であるため、複数画面モードまたは単一画面モードの選択を行なうためのしきい値を単純に端末装置のディスプレイサイズとする必要はない。むしろ、ユーザーにとって見やすいサイズ、あるいは、操作しやすいサイズという要素を考慮して、しきい値である所定値が決定される。
【0078】
(f2:画面更新例)
次に、図8における画面更新処理の一例について説明する。
【0079】
図9および図10は、本発明の実施の形態に従う端末装置2が提供するユーザーインターフェイス画面における更新例を示す図である。
【0080】
図9および図10を参照して、例えば、MFP1でのプリント動作を設定するための操作画面(メイン表示領域310A)において、ジョブ表示を指示するためのボタン312と、設定内容を指示するためのボタン314とが含まれる例を示す。
【0081】
ボタン312がアクティブな状態(図9)において、ユーザーが端末装置2を操作して、ボタン314を選択すると、図10に示すように、操作パネル110においてボタン314が選択された場合と同様に、現在の設定内容を表示する(符号316)画面に遷移する。
【0082】
このような操作は、サブ表示領域320Bのヘルプ画面に含まれるボタン322などに対しても同様である。
【0083】
このように、本実施の形態に従う端末装置2では、ユーザーがタッチパネル208を操作すると、それをMFP1の操作パネル110で操作したのと同様の指示を発行し、その指示によって更新された画面の内容を端末装置2上に表示する。
【0084】
(f3:複数画面同時表示モードにおける初期手順)
次に、複数画面同時表示モードにおける初期手順について説明する。
【0085】
図11は、本発明の実施の形態に従う端末装置2が複数画面同時表示モードで動作する場合の初期手順を示すシーケンス図である。なお、図11には、複数画面モードの表示が可能な場合の手順例を示すが、複数画面モードの表示が不可能であり、単一画面モードの表示のみが可能な場合であっても、実質的には同一の処理が実行される。また、ポップアップ表示モードの初期手順についても、実質的には、単一画面モードの表示のみが可能な場合と同様である。
【0086】
また、図11には、典型的な使用形態として、操作画面と対応するヘルプ画面とを同一のディスプレイ上にあわせて表示するような場合を考える。
【0087】
図11を参照して、ユーザーが本実施の形態に従うリモート操作に係るプログラムを起動すると、端末装置2のCPU200は、MFP1と接続処理を開始する(シーケンスSQ100)。接続処理が完了すると、端末装置2CPU200は、MFP1から操作パネル110における表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ102)とともに、取得した画像データをキャッシュする(シーケンスSQ104)。
【0088】
続いて、端末装置2のCPU200は、画像データの画素サイズをチェックする(シーケンスSQ106)。この例では、画像データの画素サイズが所定値以下であり、複数画面モードが実行可能である判断されたとする。すると、端末装置2のCPU200は、タッチパネル208上に、複数画面モードをするためのメイン表示領域およびサブ表示領域を形成する(シーケンスSQ108)。さらに、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ110)。
【0089】
続いて、端末装置2のCPU200は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ112)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ114)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(ヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ116)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS118)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(ヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ120)。
【0090】
続いて、端末装置2のCPU200は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ122)。MFP1は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ124)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における元に戻った後の表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ126)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS128)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ130)。すなわち、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域の表示を更新する。
【0091】
また、上述したように、端末装置2のCPU200は、操作画面の画像データをメイン表示領域に表示し、かつ、ヘルプ画面の画像データをサブ表示領域に表示するとともに、いずれかの画像データを新たに取得するまでメイン表示領域およびサブ表示領域における表示内容を保持する。
【0092】
(f4:複数画面同時表示モードにおける操作/画面更新)
次に、複数画面同時表示モードにおいて複数の画面(操作画面およびヘルプ画面)が表示されている状態で、ユーザーがタッチパネル208を操作した場合の操作手順および画面更新手順について説明する。
【0093】
図12は、本発明の実施の形態に従う端末装置2が複数画面同時表示モードで動作する場合の操作/画面更新手順を示すシーケンス図である。なお、図12には、複数画面モードにおける手順例を示すが、単一画面モードであっても、実質的には同一の処理が実行される。
【0094】
図12を参照して、ユーザーがタッチパネル208上のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ200)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ202)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているメイン表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、操作画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ204)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ206)。MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ208)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(更新後の操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ210)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS212)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(更新後の操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ214)。
【0095】
続いて、端末装置2のCPU200は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ216)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ218)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(ヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ220)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS222)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(ヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ224)。
【0096】
続いて、端末装置2のCPU200は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ226)。MFP1は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ228)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における元に戻った後の表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ230)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS232)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ234)。すなわち、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域の表示を更新する。
【0097】
このように、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を画像形成装置1へ与える。また、この操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を操作パネル110に表示させるための指令を含む。
【0098】
(f5:ポップアップ表示モードにおけるポップアップの表示手順)
次に、ポップアップ表示モードにおいて複数の画面(操作画面およびヘルプ画面)が表示されている状態で、ユーザーがポップアップ表示を指示した場合の表示手順について説明する。
【0099】
図13は、本発明の実施の形態に従う端末装置2がポップアップ表示モードで動作している場合にユーザーがポップアップ表示を指示した場合の手順を示すシーケンス図である。
【0100】
図13を参照して、ユーザーがタッチパネル208にタッチして、ポップアップ表示を要求すると(シーケンスSQ300)、当該ポップアップ表示の要求が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ302)。続いて、端末装置2のCPU200は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ304)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ306)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(ヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ308)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS310)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(ヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ312)。このサブ表示領域は、ポップアップウィンドウ形態として表示され、メイン表示領域にオーバーレイ表示される。
【0101】
続いて、端末装置2のCPU200は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ314)。MFP1は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ316)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における元に戻った後の表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ318)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS320)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ322)。すなわち、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域の表示を更新する。
【0102】
このように、端末装置2のCPU200は、画像を複数表示できない場合であっても、ヘルプ画面に対応する画像データを取得するとともに、操作画面上に当該ヘルプ画面を重ねて表示する。
【0103】
(f6:サブ表示領域に対する操作の表示手順)
次に、複数画面同時表示モードまたはポップアップ表示モードにおいて、ユーザーがサブ表示領域に表示されるヘルプ画面に対して操作した場合の処理手順について説明する。
【0104】
図14は、本発明の実施の形態に従う端末装置2においてユーザーがサブ表示領域に表示されるヘルプ画面を操作した場合の手順を示すシーケンス図である。なお、図14に示すシーケンス図は、複数画面同時表示モードにおいて、メイン表示領域と並んでサブ表示領域が表示される場合にも適用できるし、ポップアップ表示モードにおいて、メイン表示領域にサブ表示領域がオーバーレイ表示される場合にも適用できる。
【0105】
図14を参照して、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ400)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ402)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置がサブ表示領域であると判断し、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ404)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ406)。この処理は、MFP1の操作パネル110においてどのような操作画面が表示されているのかが不定であるため、操作パネル110にヘルプ画面を表示させることを確実化するための処理である。
【0106】
続いて、端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているサブ表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、ヘルプ画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ408)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ410)。MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、当該操作座標位置に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ412)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(新たなヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ414)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS416)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(新たなヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ418)。
【0107】
さらに続いて、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ420)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ422)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置がサブ表示領域であると判断し、上述のシーケンスSQ408〜SQ418と同様の処理が繰り返される。
【0108】
その後、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ430)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ432)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置がメイン表示領域であると判断し、「操作画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ434)。MFP1は、「操作画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ436)。
【0109】
続いて、端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているメイン表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、ヘルプ画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ438)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ440)。MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ442)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(更新後の操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ444)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS446)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(更新後の操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ448)。
【0110】
このように、端末装置2のCPU200は、サブ表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を画像形成装置1へ与える。また、この操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を操作パネル110に表示させるための指令を含む。
【0111】
<G.変形例>
上述の実施の形態においては、ユーザーによる端末装置2への操作をMFP1へ常に送信する形態について例示した。これに対して、MFP1が提供する操作画面およびヘルプ画面に参照情報(メタ情報)が付加されている場合には、メタ情報をあわせて保持しておくことで、画面遷移の処理をより簡素化・短縮化できる。
【0112】
すなわち、端末装置2のCPU200は、操作画面を示す画像データとヘルプ画面を示す画像データとを関連付けて格納するとともに、操作画面の表示が指示された場合、関連付けられたヘルプ画面が格納されていれば、画像形成装置1から第2のヘルプ画面を示す画像データを新たに取得することなく、格納されている操作画面の画像データを表示する。
【0113】
図15は、本発明の実施の形態の変形例に従う操作画面とヘルプ画面との対応付けについて説明するための図である。図15を参照して、例えば、各操作画面を提供するための情報(データ)として、画像データに加えて、参照先のヘルプ画面を指定するための情報(例えば、ヘルプ画面ID)が付加されているものとする。
【0114】
MFP1は、このようなメタ情報についても端末装置2へ出力する。端末装置2は、MFP1から出力された画像データおよび対応するメタ情報によって指定されるヘルプ画面を関連付けて保持する。このような操作画面とヘルプ画面とを関連付けて保持しておくことで、ある操作画面から別の操作画面へ遷移した場合であっても、当該遷移先の操作画面に対応付けられたヘルプ画面が既に保持されていれば、当該ヘルプ画面を新たに取得することなく、保持されているヘルプ画面を読み出して利用することで、処理時間を短縮化することができる。
【0115】
以下このような処理を実現するための手順について説明する。
図16は、本発明の実施の形態の変形例に従う端末装置2における全体処理手順の要部を示すフローチャートである。
【0116】
図16を参照して、端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にタッチしたか否かを判断する(ステップS100)。ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にタッチした場合(ステップS100においてYESの場合)には、MFP1から操作パネル110に表示されている操作画面を示す画像データおよびそれに含まれるメタデータを取得する(ステップS102)。そして、端末装置2のCPU200は、取得した画像データをタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(ステップS104)。
【0117】
ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にもタッチしていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、ステップS102およびS104の処理はスキップされる。
【0118】
端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチしたか否かを判断する(ステップS106)。ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチした場合(ステップS106においてYESの場合)には、端末装置2のCPU200は、対応するメタデータによって指定されたヘルプ画面が既に格納されているか否かを判断する(ステップS108)。
【0119】
対応するメタデータによって指定されたヘルプ画面が既に格納されていない場合(シーケンスSQ108においてNOの場合)には、端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110にヘルプ画面を表示させるとともに、表示されたヘルプ画面を示す画像データを取得する(ステップS110)。そして、端末装置2のCPU200は、取得した画像データをタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(ステップS112)。
【0120】
対応するメタデータによって指定されたヘルプ画面が既に格納されている場合(シーケンスSQ108においてYESの場合)には、端末装置2のCPU200は、格納されている対応するヘルプ画面を示す画像データを読み出し(ステップS120)。そして、端末装置2のCPU200は、読み出した画像データをタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(ステップS122)。
【0121】
ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にもタッチしていない場合(ステップS106においてNOの場合)には、ステップS108,S110,S112,S120,S122の処理はスキップされる。
【0122】
この処理は、ユーザーが終了を指示するまで(ステップS124)繰り返される。
<H.利点>
本実施の形態においては、複数画面同時表示モードが選択されている場合に、タッチパネル208の画像サイズ(解像度)と操作パネル110で表示される画像データの大きさ(解像度)との関係に基づいて、単一画面モードまたは複数画面モードが決定される。そして、決定されたモードに従って、操作画面またはヘルプ画面が自動的に適切な形態で表示される。
【0123】
このように、本実施の形態によれば、MFP1側での処理を変更することなく、端末装置2側でMFP1をリモート操作することができる。このように、MFP1側での変更が必要ないため、従来のように、単一画面モードにしか対応できない端末装置2が混在している場合であっても、操作上の問題は生じない。
【0124】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0125】
1 MFP、2 端末装置、3 無線中継器、NW ネットワーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置をリモート操作可能な端末装置、その端末装置に向けられたプログラム、およびそのリモート操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種装置をリモート操作するような技術が提案されている。近年の情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)の進歩や各種表示デバイスの進歩などに伴って、このようなリモート操作を実現する形態が種々提案されている。
【0003】
例えば、特開2010−016734号公報(特許文献1)には、複数画面を同時表示している場合に、各画面に対する操作を簡単に行うことができる構成が開示されている。より具体的には、特許文献1に記載の発明は表示装置のリモートコントローラに向けられている。そして、表示装置(1)が表示部(13)に表示する実画面に対応する仮想画面の情報をリモートコントローラ(2)に送信する。リモートコントローラ(2)の表示部(22)は、複数の画面を含む実画面に対応する仮想画面を表示する。表示部(22)の表示面上にはタッチパネル(22A)が設けられており、表示部(22)は、ユーザーによって仮想画面のアイコン画面が変更された場合、変更後の仮想画面の情報を表示装置(1)に送信する。表示装置(1)は、仮想画面に同期して実画面の表示を変更する。
【0004】
このようなリモート操作の対象となる装置は、特許文献1に記載されるようなテレビジョン装置だけではなく、各種の事務機器も含まれ得る。このような一例として、複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)に対するリモート操作を行なうような形態も考えられている。
【0005】
このようなリモート操作を行なうためのデバイスとして、専用の端末装置を用意することも考えられるが、将来的には、携帯電話やスマートフォンなどの各ユーザーが所有する携帯型の装置をリモート装置としても使用することが好ましい。すなわち、各ユーザーが所有する携帯デバイスを用いて、MFPに搭載される操作パネルを代替するような形態が想定されている。
【0006】
このようなリモート操作の形態を想定した場合、MFP側の改造や変更などを最小限にするために、MFPの内部で生成されて操作パネル上に表示される内容(画像データ)を、ネットワークなどを介してそのまま携帯デバイスへ転送し、当該携帯デバイス上で表示するような方法が好ましい。このような方法を採用することで、MFP本体側の改造や変更の量を最小限にでき、かつ、ユーザーから見れば、いつも使用する操作画面をそのまま使用できるというメリットもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−016734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような携帯電話やスマートフォンなどの携帯デバイスのディスプレイは、技術の進歩に伴って、どんどん高精細化されてきており、MFPに搭載されている操作パネルの画面サイズ(ビクセル数)を超えるものもある。そのため、操作パネルに表示される内容をそのまま携帯デバイスのディスプレイに表示した場合には、携帯デバイスのディスプレイの能力を十分には生かせていないことになる。
【0009】
携帯デバイスを用いることで、操作パネルに表示される画面内容を複数同時に表示するようなニーズも存在する。例えば、何らかの操作画面と対応するヘルプ画面とを同一のディスプレイ上にあわせて表示したいといったニーズがある。このような表示によって、よりユーザーの操作性を高めることができる。
【0010】
一方で、上述のような、MFPの内部で生成されて操作パネル上に表示される内容(画像データ)をそのまま携帯デバイスへ転送するという方式では、複数の画面内容を表示させるために何らかの新たな仕組みを設ける必要がある。すなわち、一般的には、操作パネルには同時に1つの画面が表示されるように設計されているため、この構成を変更するためにはMFPの設計を変更する必要がある。しかしながら、このような複数の画面内容を表示することは、操作パネルにおける表示としては本来的に不要なものである。
【0011】
また、いくつかの携帯デバイスでは、そのディスプレイの能力がそれほど高くないものもあり、このような携帯デバイスでは、操作パネルにおける表示内容をそのまま出力することが相応しい場合もある。
【0012】
そこで、本願発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、MFP側を変更することなく、かつ、表示能力に応じたリモート操作を可能にできる端末装置、プログラムおよびリモート操作システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に従えば、操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作可能な端末装置を提供する。画像形成装置は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データを端末装置へ出力するように構成されている。端末装置は、表示部と、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段とを含む。
【0014】
好ましくは、表示制御手段は、第1の画像データを第1の表示領域に表示し、かつ、第2の画像データを第2の表示領域に表示するとともに、第1または第2の画像データを新たに取得するまで第1または第2の表示領域における表示内容を保持する。
【0015】
さらに好ましくは、端末装置は、第1または第2の表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を画像形成装置へ与える操作手段をさらに含む。
【0016】
さらに好ましくは、操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を操作パネルに表示させるための指令を含む。
【0017】
好ましくは、表示制御手段は、画像を複数表示できない場合であっても、第2の画像データを取得するとともに、第1の画像データの上に当該第2の画像データを重ねて表示する。
【0018】
好ましくは、表示制御手段は、第1の画像データと第2の画像データとを関連付けて格納するとともに、第1の画像データの表示が指示された場合、関連付けられた第2の画像データが格納されていれば、画像形成装置から第2の画像データを新たに取得することなく、格納されている第2の画像データを表示する。
【0019】
本発明の別の局面に従えば、操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作するためのプログラムを提供する。プログラムは、表示部を有するコンピュータを、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段として機能させる。画像形成装置は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データをコンピュータへ出力するように構成されている。さらに、プログラムは、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段として機能させる。
【0020】
本発明のさらに別の局面に従うリモート操作システムは、操作パネルを有する画像形成装置と、画像形成装置をリモート操作可能な端末装置とを含む。画像形成装置は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データを端末装置へ出力するように構成されている。端末装置は、表示部と、画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置から出力される第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、第1および第2の画像データを表示部に表示する表示制御手段とを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、MFP側を変更することなく、かつ、表示能力に応じたリモート操作を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う端末装置によって操作されるMFPの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う端末装置の構成を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に従う端末装置によって操作されるMFPの操作パネルの外観図である。
【図5】本発明の実施の形態に従う端末装置によって操作されるMFPの内部的なデータの遣り取りを説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う端末装置において提供されるユーザーインターフェイス(複数画面同時表示モード)の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う端末装置において提供されるユーザーインターフェイス(ポップアップ表示モード)の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う端末装置における全体処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に従う端末装置が提供するユーザーインターフェイス画面における更新例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う端末装置が提供するユーザーインターフェイス画面における更新例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に従う端末装置が複数画面同時表示モードで動作する場合の初期手順を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施の形態に従う端末装置が複数画面同時表示モードで動作する場合の操作/画面更新手順を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の実施の形態に従う端末装置がポップアップ表示モードで動作している場合にユーザーがポップアップ表示を指示した場合の手順を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の実施の形態に従う端末装置においてユーザーがサブ表示領域に表示されるヘルプ画面を操作した場合の手順を示すシーケンス図である。
【図15】本発明の実施の形態の変形例に従う操作画面とヘルプ画面との対応付けについて説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態の変形例に従う端末装置における全体処理手順の要部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
<A.全体構成>
まず、本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成について説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に従う端末装置を含む全体構成を示す模式図である。図1を参照して、ネットワークNWに接続された複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)が配置されているとする。このネットワークNWには、無線通信(典型的には、無線LANやBluetooth(登録商標)など)を介して端末装置2とデータを遣り取りするための無線中継器3が接続されているとする。
【0026】
MFP1には、各種の操作を行なうための操作パネル110が設けられており、ユーザーは、この操作パネル110を操作することで、各種の指令をMFP110へ与える。
【0027】
端末装置2は、典型的には、ユーザーが所有する携帯電話やスマートフォンである。ユーザーは、自己の所有する端末装置2を操作して、MFP1に対する操作を行なう。すなわち、後述するように、端末装置2の各々には、操作パネル110において表示される操作画面が当該端末装置2に適して表示態様で表示される。そして、ユーザーは、MFP1の操作パネル110を操作するのと同様の操作方法で、MFP1に対して各種指令を与える。
【0028】
これにより、ユーザーは、MFP1から離れた位置で、MFP1を操作することができる。
【0029】
<B.MFP1の構成>
次に、図1に示すMFP1の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の構成を示す模式図である。
【0030】
図2を参照して、MFP1は、プロセッサー100と、主メモリ102と、スキャナー104と、プリントエンジン106と、ネットワークインターフェイス(I/F)108と、操作パネル110と、不揮発メモリ112とを含む。
【0031】
プロセッサー100は、代表的にCPU(Central Processing Unit)などの演算装置を含んで構成され、予め格納されたプログラムを実行することで本実施の形態に従う処理を実現する。より具体的には、プロセッサー100上では、プログラムを実行することで、表示操作ロジック120が生成され、後述するような処理を提供する。
【0032】
主メモリ102は、代表的にDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置であり、プロセッサー100で実行されるプログラムやプログラムの実行に必要なデータなどを保持する。
【0033】
不揮発メモリ112は、代表的にハードディスク装置やフラッシュメモリなどの記憶装置からなり、操作パネル110に表示される操作画面およびそれに付随する属性情報や、ユーザーが設定するカスタマイズ情報などを格納する。
【0034】
ネットワークインターフェイス108は、代表的に、ネットワークNWを介して端末装置2(図1)などとの間でデータを送受信するための通信部であり、例えば、LANアダプタおよびそれを制御するドライバソフトなどを含む。プリントエンジン106は、プリント処理を行なうための部位であり、プリント処理に係るハードウェア構成に加えて、各部の作動を制御するための制御装置をも含む。
【0035】
操作パネル110は、ユーザーからの操作を受け付けるとともに、各種情報をユーザーに提示するマンマシンインターフェイスである。より具体的には、操作パネル110は、タッチパネル(ディスプレイおよび感圧部)や各種操作キーを含む。
【0036】
<C.端末装置2の構成>
次に、図1に示す端末装置2の構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態に従う端末装置2の構成を示す模式図である。
【0037】
図3を参照して、端末装置2は、コンピュータであり、CPU200と、主メモリ202と、不揮発性メモリ204と、入力部206と、タッチパネル208と、ネットワークインターフェイス210と、無線通信部212と、音声入力部214とを含む。これらの各コンポーネントは、バス216を介して互いに接続されている。
【0038】
CPU200は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムを実行する。端末装置2は、汎用的なオペレーティングシステムの下で動作するように構成されてもよい。主メモリ202は、CPU200がプログラムを実行するためのワーキングメモリとして機能し、実行用に展開されたプログラムや実行に必要な各種変数などを一時的に保持する。不揮発メモリ204は、典型的には、ハードディスクやフラッシュメモリCPU200で実行されるプログラムなどを格納する。
【0039】
入力部206は、端末装置2の表面に配置されたキー群などからなり、ユーザーの操作を受け付ける。表示部であるタッチパネル208は、CPU200からの指令に従って、ユーザーに提示すべき各種情報を表示するとともに、ユーザー操作に応答した指令をCPU200へ出力する。
【0040】
ネットワークインターフェイス210は、無線中継器3(図1)を介して、MFP1を含む各種機器とデータを遣り取りする。無線通信部212は、公衆回線を利用して、広域通信を行なうための送受信回路を含む。
【0041】
音声出力部214は、典型的にはスピーカーなどであり、各種の音声情報をユーザーへ提供する。
【0042】
典型的には、CPU200がプログラムを実行することで表示操作モジュール220が動的に生成され、後述するような、操作パネル110を有する画像形成装置1をリモート操作するための機能を提供する。このような表示操作モジュール220を提供するためのプログラムは、予め不揮発メモリ204にインストールされている場合もあるが、事後的に各種の方法を用いてインストールしてもよい。
【0043】
例えば、プログラムを格納したCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの記憶媒体を介して端末装置2にインストールする方法や、ネットワークを介して端末装置2へ配信する方法などが考えられる。
【0044】
さらに、MFP1から端末装置2に対して、リモート操作を実現するためのプログラムをダウンロードするようにしてもよい。この場合、MFP1の機種に応じた各種プログラムを端末装置2へ提供することができ、機種依存の処理についてもより容易に対応が可能となる。
【0045】
なお、端末装置2は、汎用のアーキテクチャーを用いたパーソナルコンピューターとして実現してもよい。
【0046】
<D.操作パネル110および内部的なデータの遣り取り>
次に、MFP1の操作パネル110の概要および本実施の形態に従う端末装置2とのデータの遣り取りについて説明する。
【0047】
図4は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の操作パネル110の外観図である。図4を参照して、操作パネル110は、表示部および操作部としてのタッチパネルがほぼ中央に設けられており、その両側に、操作部としてキー群が設けられている。このタッチパネルには、MFP1を操作するための操作画面が表示される。MFP1の操作パネル110では、常に1つの操作画面が表示されるようになっている。この操作画面では、各種情報が表示されるとともに、ユーザーがタッチ操作できるように、操作オブジェクト(アイコン)が配置されている。ユーザーがいずれかの操作オブジェクトをタッチすると、対応する指令が内部的に発行されて、別の操作画面への遷移や各種設定操作が行なわれる。
【0048】
MFP1は、操作パネル110における表示内容を示す画像データをそのまま端末装置2へ出力するように構成されている。また、MFP1は、端末装置2からの指令を受け付けるようにも構成されている。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態に従う端末装置2によって操作されるMFP1の内部的なデータの遣り取りを説明するための模式図である。図5を参照して、表示操作ロジック120(図2)は、主メモリ102に格納されている操作画面のデータを参照して、画像データを操作パネル110のタッチパネル(ディスプレイ110a)へ出力する。また、表示操作ロジック120は、操作パネル110のタッチパネル(感圧部110bまたはキー群110c)に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を受け付ける。表示操作ロジック120は、操作指令に従って、操作パネル110に表示する操作画面を適宜更新し、あるいは、操作指令に従って各種の内部コマンドを発行する。
【0050】
表示操作ロジック120から操作パネル110へ出力される画像データは、並列的に端末装置2へ出力される。すなわち、表示操作ロジック120は、同一の画像データを操作パネル110および端末装置2へ出力することが可能となっている。なお、操作表示ロジック120から端末装置2への画像データの伝送は、ネットワークインターフェイス108(図2)を介して行なわれる。
【0051】
また、操作パネル110から表示操作ロジック120への操作指令の伝送経路に対して、端末装置2からの操作指令を(論理的に)重畳することが可能となっている。すなわち、表示操作ロジック120は、ユーザーが操作パネル110を操作することで発行される操作指令に加えて、ユーザーが端末装置2を操作することで発行される操作指令をその区別なく受け付ける。そのため、端末装置2は、操作パネル110が発行する内部コマンドをエミュレートすることで、ユーザーが操作パネル110を操作した場合に発行される操作指令と同様の操作指令を発行することができる。
【0052】
<E.端末装置2が提供するユーザーインターフェイス>
次に、本実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイスについて例示する。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(複数画面同時表示モード)の一例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態に従う端末装置2において提供されるユーザーインターフェイス(ポップアップ表示モード)の一例を示す図である。
【0054】
図6および図7には、操作パネル110に表示される操作画面の複数を端末装置2に表示する例を示す。このような複数の操作画面を表示する場合の典型例としては、何らかの操作を行なうための画面と当該画面における操作を支援するためのヘルプ画面とを表示する場合が考えられる。
【0055】
より具体的には、図6および図7には、原稿の背景(白地部分)を選択した色で着色した上でプリント処理を行なう機能に関する操作画面と、当該操作画面に対応するヘルプ画面とを同時に表示する例を示す。
【0056】
図6には、これらの複数の画面をそれぞれ異なるメイン表示領域310Aおよびサブ表示領域320Aに互いに重ねることなく並べて表示する態様の例を示す。すなわち、図6に示す複数画面同時表示モードにおいては、メイン表示領域310Aに操作パネル110の操作画面、サブ表示領域320Aにヘルプ画面が常に表示される。また、メイン表示領域310Aの操作画面をユーザーが操作して別の操作画面が遷移すると、サブ表示領域
20Aのヘルプ両面もその遷移先の操作画面と同期して遷移する。
【0057】
一方、図7には、これらの複数の画面をそれぞれ異なるメイン表示領域310Bおよびサブ表示領域320Bに表示するが、メイン表示領域310Bとサブ表示領域320Bとは互いに重ねて表示する態様の例を示す。すなわち、図7に示すポップアップ表示モードにおいては、通常は操作パネル110の操作画面のみが表示されており、ユーザーが所定の操作を行なうことでヘルプ画面が呼び出されると、メイン表示領域310B内の操作画面上にオーバーレイ表示される形態でポップアップウィンドウとしてヘルプ両面が表示される。
【0058】
このように、端末装置2の表示手段であるタッチパネル208は、操作パネルにおける表示内容を示す画像データ(操作画面)を第1の表示領域(表示領域310Aまたは310B)に表示し、かつ、操作パネルにおける別の表示内容を示す画像データ(ヘルプ画面)を第2の表示領域(表示領域320Aまたは320B)に表示する。
【0059】
図6および図7に示すそれぞれ異なる表示態様は、ユーザーが任意に選択することができる。但し、複数画面同時表示モードにおいては、タッチパネル208の画像サイズ(解像度)と操作パネル110で表示される画像データの大きさ(解像度)との関係によっては、適切な表示を行なうことができない場合がある。例えば、図6に示す例では、操作パネル110において表示される画像サイズより端末装置2のタッチパネル208の解像度が十分に大きいので、複数の(3つ以上であってもよい)表示領域を互いに重ならないように配置することが可能である。これに対して、図7に示すように操作パネル110において表示される画像サイズに比較して端末装置2のタッチパネル208の解像度が十分には大きくない場合には、複数の表示領域を重ならないように配置することが難しい。あるいは、複数の表示領域を違いに重ならないように配置した場合には、リサイズの結果、文字が小さくなり過ぎて内容を視認することが難しくなる場合もある。このような場合には、単一の操作画面のみを表示する態様、あるいは、図7に示すようなポップアップ表示が好ましい。
【0060】
そこで、本実施の形態に従う端末装置2は、MFP1の操作パネル110から出力されるいずれかの画像データに基づいて表示態様を決定し、この決定された表示態様で、受信した画像データをタッチパネル208に表示する。
【0061】
以下の説明では、図6および図7に示すように、複数画面同時表示モードおよびポップアップ表示モードを選択可能な例について説明するが、これ以外の表示モードを採用してもよいし、さらに別のモードを追加してもよい。
【0062】
<F.処理手順>
(f1:全体処理手順)
まず、本実施の形態に従う端末装置2における全体処理手順について説明する。図8は、本発明の実施の形態に従う端末装置2における全体処理手順を示すフローチャートである。図8に示す各ステップは、典型的には、CPU200がプログラムを実行することで実現される。すなわち、表示操作モジュール220が提供する機能であるともいえる。
【0063】
図8を参照して、ユーザーが端末装置2を操作して本実施の形態に従うリモート操作に係るプログラムを起動すると、以下の処理が開示される。まず、端末装置2は、ネットワークインターフェイス210(図3)を有効化し、MFP1と接続を試みる(ステップS2)。そして、端末装置2は、MFP1と接続されたか否かを判断する(ステップS4)。MFP1と接続されていない場合(ステップS4においてNOの場合)には、ステップS2以下の処理が繰り返される。
【0064】
MFP1と接続された場合(ステップS4においてYESの場合)には、端末装置2は、MFP1からその時点での操作パネル110における表示内容を示す画像データを取得する(ステップS6)。
【0065】
続いて、端末装置2は、ユーザーから、複数画面同時表示モードおよびポップアップ表示モードの選択を受け付ける(ステップS8)。複数画面同時表示モードが選択された場合(ステップS8において「複数画面同時表示モード」の場合)には、ステップS10以下の処理が実行される。これに対して、ポップアップ表示モードが選択された場合(ステップS8において「ポップアップ表示モード」の場合)には、ステップS30以下の処理が実行される。
【0066】
複数画面同時表示モードが選択された場合には、端末装置2は、取得した画像データの属性に基づいて、表示モードを決定する。すなわち、端末装置2のCPU200(表示操作モジュール220)は、画像形成装置1から出力される画像データ(操作画面)に基づいて、タッチパネル208上に画像を複数表示できるか否かを判断する。より具体的には、端末装置2は、取得した画像データの画素サイズが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS10)。
【0067】
取得した画像データの画素サイズが所定値以下である場合(ステップS10においてYESの場合)には、端末装置2は、複数画面同時表示モードを実行可能であると判断し、複数画面モードを選択する(ステップS12)。そして、端末装置2は、取得した画像データをメイン表示領域に表示する(ステップS14)。
【0068】
続いて、端末装置2は、操作パネル110の表示内容を当該時点の表示内容に関連付けられた新たなものに切り替えるための操作指示をMFP1へ送信する(ステップS16)。続いて、端末装置2は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容を示す画像データを取得する(ステップS18)。そして、端末装置2は、取得した画像データをサブ表示領域に表示する(ステップS20)。
【0069】
このように、端末装置2のCPU200(表示操作モジュール220)は、タッチパネル208上に画像を複数表示できるとの判断に応答して、操作パネル110における表示内容を切り替えるための切替指令を画像形成装置1へ与えるとともに、当該切替信号に応答して画像形成装置1から出力される画像データとは異なる画像データ(ヘルプ画面)を取得する。そして、端末装置2のCPU200(表示操作モジュール220)は、取得した2つの画像データ(操作画面およびヘルプ画面)をタッチパネル208に表示する。
【0070】
これに対して、取得した画像データの画素サイズが所定値より大きい場合(ステップS10においてNOの場合)には、端末装置2は、複数の操作画面を同時に表示できないと判断し、単一画面モードを選択する(ステップS22)。そして、端末装置2は、取得した画像データを全体表示する(ステップS24)。
【0071】
続いて、ユーザーが画面の更新を要求したか否かを判断する(ステップS26)。ユーザーが画面の更新を要求していない場合(ステップS26においてNOの場合)には、ステップS26の処理が繰り返される。
【0072】
これに対して、ユーザーが画面の更新を要求した場合(ステップS26においてYESの場合)には、端末装置2は、画面更新処理を実行する(ステップS28)。この画面更新処理は、選択されたモード(単一画面モードまたは複数画面モード)に応じた処理を実行する。そして、ユーザーが終了を指示するまで、ステップS26の処理が繰り返される。
【0073】
ポップアップ表示モードが選択された場合には、端末装置2は、取得した画像データをメイン表示領域に表示する(ステップS30)。続いて、端末装置2は、ユーザーがポップアップの表示を要求したか否かを判断する(ステップS32)。
【0074】
ユーザーがポップアップの表示を要求した場合(ステップS32においてYESの場合)には、端末装置2は、ポップアップの表示処理を実行する(ステップS34)。これに対して、ユーザーがポップアップの表示を要求していない場合(ステップS32においてNOの場合)には、ステップS34の処理がスキップされる。
【0075】
続いて、ユーザーが画面の更新を要求したか否かを判断する(ステップS36)。
ユーザーが画面の更新を要求した場合(ステップS36においてNOの場合)には、端末装置2は、画面更新処理を実行する(ステップS38)。これに対して、ユーザーが画面の更新を要求していない場合(ステップS36においてNOの場合)には、ステップS38の処理がスキップされる。
【0076】
そして、ユーザーが終了を指示するまで、ステップS36の処理が繰り返される。
なお、ステップS26およびS28の繰り返し処理、ならびに、ステップS36およびS38の繰り返し処理において、ユーザーが何らかの操作をした場合には、対応する操作指令がMFP1へ送信される。
【0077】
上述のように、複数画面同時表示モードにおいて、MFP1から取得した画像データの画素サイズをチェックする際の画素サイズと比較される所定値(しきい値)は、各種の要素を考慮して決定される。すなわち、端末装置2では、画像データをスケーリングして表示可能であるため、複数画面モードまたは単一画面モードの選択を行なうためのしきい値を単純に端末装置のディスプレイサイズとする必要はない。むしろ、ユーザーにとって見やすいサイズ、あるいは、操作しやすいサイズという要素を考慮して、しきい値である所定値が決定される。
【0078】
(f2:画面更新例)
次に、図8における画面更新処理の一例について説明する。
【0079】
図9および図10は、本発明の実施の形態に従う端末装置2が提供するユーザーインターフェイス画面における更新例を示す図である。
【0080】
図9および図10を参照して、例えば、MFP1でのプリント動作を設定するための操作画面(メイン表示領域310A)において、ジョブ表示を指示するためのボタン312と、設定内容を指示するためのボタン314とが含まれる例を示す。
【0081】
ボタン312がアクティブな状態(図9)において、ユーザーが端末装置2を操作して、ボタン314を選択すると、図10に示すように、操作パネル110においてボタン314が選択された場合と同様に、現在の設定内容を表示する(符号316)画面に遷移する。
【0082】
このような操作は、サブ表示領域320Bのヘルプ画面に含まれるボタン322などに対しても同様である。
【0083】
このように、本実施の形態に従う端末装置2では、ユーザーがタッチパネル208を操作すると、それをMFP1の操作パネル110で操作したのと同様の指示を発行し、その指示によって更新された画面の内容を端末装置2上に表示する。
【0084】
(f3:複数画面同時表示モードにおける初期手順)
次に、複数画面同時表示モードにおける初期手順について説明する。
【0085】
図11は、本発明の実施の形態に従う端末装置2が複数画面同時表示モードで動作する場合の初期手順を示すシーケンス図である。なお、図11には、複数画面モードの表示が可能な場合の手順例を示すが、複数画面モードの表示が不可能であり、単一画面モードの表示のみが可能な場合であっても、実質的には同一の処理が実行される。また、ポップアップ表示モードの初期手順についても、実質的には、単一画面モードの表示のみが可能な場合と同様である。
【0086】
また、図11には、典型的な使用形態として、操作画面と対応するヘルプ画面とを同一のディスプレイ上にあわせて表示するような場合を考える。
【0087】
図11を参照して、ユーザーが本実施の形態に従うリモート操作に係るプログラムを起動すると、端末装置2のCPU200は、MFP1と接続処理を開始する(シーケンスSQ100)。接続処理が完了すると、端末装置2CPU200は、MFP1から操作パネル110における表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ102)とともに、取得した画像データをキャッシュする(シーケンスSQ104)。
【0088】
続いて、端末装置2のCPU200は、画像データの画素サイズをチェックする(シーケンスSQ106)。この例では、画像データの画素サイズが所定値以下であり、複数画面モードが実行可能である判断されたとする。すると、端末装置2のCPU200は、タッチパネル208上に、複数画面モードをするためのメイン表示領域およびサブ表示領域を形成する(シーケンスSQ108)。さらに、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ110)。
【0089】
続いて、端末装置2のCPU200は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ112)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ114)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(ヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ116)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS118)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(ヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ120)。
【0090】
続いて、端末装置2のCPU200は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ122)。MFP1は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ124)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における元に戻った後の表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ126)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS128)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ130)。すなわち、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域の表示を更新する。
【0091】
また、上述したように、端末装置2のCPU200は、操作画面の画像データをメイン表示領域に表示し、かつ、ヘルプ画面の画像データをサブ表示領域に表示するとともに、いずれかの画像データを新たに取得するまでメイン表示領域およびサブ表示領域における表示内容を保持する。
【0092】
(f4:複数画面同時表示モードにおける操作/画面更新)
次に、複数画面同時表示モードにおいて複数の画面(操作画面およびヘルプ画面)が表示されている状態で、ユーザーがタッチパネル208を操作した場合の操作手順および画面更新手順について説明する。
【0093】
図12は、本発明の実施の形態に従う端末装置2が複数画面同時表示モードで動作する場合の操作/画面更新手順を示すシーケンス図である。なお、図12には、複数画面モードにおける手順例を示すが、単一画面モードであっても、実質的には同一の処理が実行される。
【0094】
図12を参照して、ユーザーがタッチパネル208上のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ200)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ202)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているメイン表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、操作画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ204)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ206)。MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ208)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(更新後の操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ210)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS212)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(更新後の操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ214)。
【0095】
続いて、端末装置2のCPU200は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ216)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ218)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(ヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ220)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS222)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(ヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ224)。
【0096】
続いて、端末装置2のCPU200は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ226)。MFP1は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ228)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における元に戻った後の表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ230)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS232)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ234)。すなわち、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域の表示を更新する。
【0097】
このように、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を画像形成装置1へ与える。また、この操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を操作パネル110に表示させるための指令を含む。
【0098】
(f5:ポップアップ表示モードにおけるポップアップの表示手順)
次に、ポップアップ表示モードにおいて複数の画面(操作画面およびヘルプ画面)が表示されている状態で、ユーザーがポップアップ表示を指示した場合の表示手順について説明する。
【0099】
図13は、本発明の実施の形態に従う端末装置2がポップアップ表示モードで動作している場合にユーザーがポップアップ表示を指示した場合の手順を示すシーケンス図である。
【0100】
図13を参照して、ユーザーがタッチパネル208にタッチして、ポップアップ表示を要求すると(シーケンスSQ300)、当該ポップアップ表示の要求が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ302)。続いて、端末装置2のCPU200は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ304)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ306)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(ヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ308)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS310)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(ヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ312)。このサブ表示領域は、ポップアップウィンドウ形態として表示され、メイン表示領域にオーバーレイ表示される。
【0101】
続いて、端末装置2のCPU200は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ314)。MFP1は、「前の画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ316)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における元に戻った後の表示内容(操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ318)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS320)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ322)。すなわち、端末装置2のCPU200は、メイン表示領域の表示を更新する。
【0102】
このように、端末装置2のCPU200は、画像を複数表示できない場合であっても、ヘルプ画面に対応する画像データを取得するとともに、操作画面上に当該ヘルプ画面を重ねて表示する。
【0103】
(f6:サブ表示領域に対する操作の表示手順)
次に、複数画面同時表示モードまたはポップアップ表示モードにおいて、ユーザーがサブ表示領域に表示されるヘルプ画面に対して操作した場合の処理手順について説明する。
【0104】
図14は、本発明の実施の形態に従う端末装置2においてユーザーがサブ表示領域に表示されるヘルプ画面を操作した場合の手順を示すシーケンス図である。なお、図14に示すシーケンス図は、複数画面同時表示モードにおいて、メイン表示領域と並んでサブ表示領域が表示される場合にも適用できるし、ポップアップ表示モードにおいて、メイン表示領域にサブ表示領域がオーバーレイ表示される場合にも適用できる。
【0105】
図14を参照して、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ400)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ402)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置がサブ表示領域であると判断し、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ404)。MFP1は、「ヘルプ画面」の表示を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容を操作画面からヘルプ画面へ切り替える(シーケンスSQ406)。この処理は、MFP1の操作パネル110においてどのような操作画面が表示されているのかが不定であるため、操作パネル110にヘルプ画面を表示させることを確実化するための処理である。
【0106】
続いて、端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているサブ表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、ヘルプ画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ408)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ410)。MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、当該操作座標位置に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ412)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(新たなヘルプ画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ414)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS416)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(新たなヘルプ画面)をタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(シーケンスSQ418)。
【0107】
さらに続いて、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ420)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ422)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置がサブ表示領域であると判断し、上述のシーケンスSQ408〜SQ418と同様の処理が繰り返される。
【0108】
その後、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にタッチすると(シーケンスSQ430)、当該タッチした位置の情報が端末装置2のCPU200へ送信される(シーケンスSQ432)。端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置がメイン表示領域であると判断し、「操作画面に戻る」を指示する操作指令をMFP1へ送信する(シーケンスSQ434)。MFP1は、「操作画面に戻る」を指示する操作指令に応答して、操作パネル110における表示内容をヘルプ画面から操作画面へ切り替える(シーケンスSQ436)。
【0109】
続いて、端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチした位置を、表示されているメイン表示領域の表示位置および大きさとの関係に基づいて、ヘルプ画面のうちいずれの位置にタッチされたかを示す操作座標位置へ変換する(シーケンスSQ438)。端末装置2のCPU200は、操作座標位置をMFP1へ送信する(シーケンスSQ440)。MFP1は、端末装置2から操作座標位置を受信すると、対応する設定処理などを実行するとともに、当該処理に応じて操作パネル110における表示内容を更新する(シーケンスSQ442)。端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110における切り替え後の表示内容(更新後の操作画面)を示す画像データを取得する(シーケンスSQ444)とともに、取得した画像データをキャッシュする(ステップS446)。続いて、端末装置2のCPU200は、取得した画像データ(更新後の操作画面)をタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(シーケンスSQ448)。
【0110】
このように、端末装置2のCPU200は、サブ表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を画像形成装置1へ与える。また、この操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を操作パネル110に表示させるための指令を含む。
【0111】
<G.変形例>
上述の実施の形態においては、ユーザーによる端末装置2への操作をMFP1へ常に送信する形態について例示した。これに対して、MFP1が提供する操作画面およびヘルプ画面に参照情報(メタ情報)が付加されている場合には、メタ情報をあわせて保持しておくことで、画面遷移の処理をより簡素化・短縮化できる。
【0112】
すなわち、端末装置2のCPU200は、操作画面を示す画像データとヘルプ画面を示す画像データとを関連付けて格納するとともに、操作画面の表示が指示された場合、関連付けられたヘルプ画面が格納されていれば、画像形成装置1から第2のヘルプ画面を示す画像データを新たに取得することなく、格納されている操作画面の画像データを表示する。
【0113】
図15は、本発明の実施の形態の変形例に従う操作画面とヘルプ画面との対応付けについて説明するための図である。図15を参照して、例えば、各操作画面を提供するための情報(データ)として、画像データに加えて、参照先のヘルプ画面を指定するための情報(例えば、ヘルプ画面ID)が付加されているものとする。
【0114】
MFP1は、このようなメタ情報についても端末装置2へ出力する。端末装置2は、MFP1から出力された画像データおよび対応するメタ情報によって指定されるヘルプ画面を関連付けて保持する。このような操作画面とヘルプ画面とを関連付けて保持しておくことで、ある操作画面から別の操作画面へ遷移した場合であっても、当該遷移先の操作画面に対応付けられたヘルプ画面が既に保持されていれば、当該ヘルプ画面を新たに取得することなく、保持されているヘルプ画面を読み出して利用することで、処理時間を短縮化することができる。
【0115】
以下このような処理を実現するための手順について説明する。
図16は、本発明の実施の形態の変形例に従う端末装置2における全体処理手順の要部を示すフローチャートである。
【0116】
図16を参照して、端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にタッチしたか否かを判断する(ステップS100)。ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にタッチした場合(ステップS100においてYESの場合)には、MFP1から操作パネル110に表示されている操作画面を示す画像データおよびそれに含まれるメタデータを取得する(ステップS102)。そして、端末装置2のCPU200は、取得した画像データをタッチパネル208上のメイン表示領域に表示する(ステップS104)。
【0117】
ユーザーがタッチパネル208上に表示されるメイン表示領域のいずれかの位置にもタッチしていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、ステップS102およびS104の処理はスキップされる。
【0118】
端末装置2のCPU200は、ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチしたか否かを判断する(ステップS106)。ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にタッチした場合(ステップS106においてYESの場合)には、端末装置2のCPU200は、対応するメタデータによって指定されたヘルプ画面が既に格納されているか否かを判断する(ステップS108)。
【0119】
対応するメタデータによって指定されたヘルプ画面が既に格納されていない場合(シーケンスSQ108においてNOの場合)には、端末装置2のCPU200は、MFP1から操作パネル110にヘルプ画面を表示させるとともに、表示されたヘルプ画面を示す画像データを取得する(ステップS110)。そして、端末装置2のCPU200は、取得した画像データをタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(ステップS112)。
【0120】
対応するメタデータによって指定されたヘルプ画面が既に格納されている場合(シーケンスSQ108においてYESの場合)には、端末装置2のCPU200は、格納されている対応するヘルプ画面を示す画像データを読み出し(ステップS120)。そして、端末装置2のCPU200は、読み出した画像データをタッチパネル208上のサブ表示領域に表示する(ステップS122)。
【0121】
ユーザーがタッチパネル208上に表示されるサブ表示領域のいずれかの位置にもタッチしていない場合(ステップS106においてNOの場合)には、ステップS108,S110,S112,S120,S122の処理はスキップされる。
【0122】
この処理は、ユーザーが終了を指示するまで(ステップS124)繰り返される。
<H.利点>
本実施の形態においては、複数画面同時表示モードが選択されている場合に、タッチパネル208の画像サイズ(解像度)と操作パネル110で表示される画像データの大きさ(解像度)との関係に基づいて、単一画面モードまたは複数画面モードが決定される。そして、決定されたモードに従って、操作画面またはヘルプ画面が自動的に適切な形態で表示される。
【0123】
このように、本実施の形態によれば、MFP1側での処理を変更することなく、端末装置2側でMFP1をリモート操作することができる。このように、MFP1側での変更が必要ないため、従来のように、単一画面モードにしか対応できない端末装置2が混在している場合であっても、操作上の問題は生じない。
【0124】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0125】
1 MFP、2 端末装置、3 無線中継器、NW ネットワーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作可能な端末装置であって、前記画像形成装置は、前記操作パネルにおける表示内容を示す画像データを前記端末装置へ出力するように構成されており、前記端末装置は、
表示部と、
前記画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、
画像を複数表示できるとの判断に応答して、前記操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を前記画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して前記画像形成装置から出力される前記第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、
前記第1および第2の画像データを前記表示部に表示する表示制御手段とを含む、端末装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1の画像データを第1の表示領域に表示し、かつ、前記第2の画像データを第2の表示領域に表示するとともに、前記第1または第2の画像データを新たに取得するまで前記第1または第2の表示領域における表示内容を保持する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1または第2の表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を前記画像形成装置へ与える操作手段をさらに備える、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を前記操作パネルに表示させるための指令を含む、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、画像を複数表示できない場合であっても、前記第2の画像データを取得するとともに、前記第1の画像データの上に当該第2の画像データを重ねて表示する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを関連付けて格納するとともに、前記第1の画像データの表示が指示された場合、関連付けられた第2の画像データが格納されていれば、前記画像形成装置から第2の画像データを新たに取得することなく、格納されている第2の画像データを表示する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作するためのプログラムであって、前記プログラムは、表示部を有するコンピュータを、
前記画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段として機能させ、前記画像形成装置は、前記操作パネルにおける表示内容を示す画像データを前記コンピュータへ出力するように構成されており、さらに、
画像を複数表示できるとの判断に応答して、前記操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を前記画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して前記画像形成装置から出力される前記第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、
前記第1および第2の画像データを前記表示部に表示する表示制御手段として機能させる、プログラム。
【請求項8】
リモート操作システムであって、
操作パネルを有する画像形成装置と、
前記画像形成装置をリモート操作可能な端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、前記操作パネルにおける表示内容を示す画像データを前記端末装置へ出力するように構成されており、
前記端末装置は、
表示部と、
前記画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、
画像を複数表示できるとの判断に応答して、前記操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を前記画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して前記画像形成装置から出力される前記第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、
前記第1および第2の画像データを前記表示部に表示する表示制御手段とを含む、リモート操作システム。
【請求項1】
操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作可能な端末装置であって、前記画像形成装置は、前記操作パネルにおける表示内容を示す画像データを前記端末装置へ出力するように構成されており、前記端末装置は、
表示部と、
前記画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、
画像を複数表示できるとの判断に応答して、前記操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を前記画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して前記画像形成装置から出力される前記第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、
前記第1および第2の画像データを前記表示部に表示する表示制御手段とを含む、端末装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1の画像データを第1の表示領域に表示し、かつ、前記第2の画像データを第2の表示領域に表示するとともに、前記第1または第2の画像データを新たに取得するまで前記第1または第2の表示領域における表示内容を保持する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1または第2の表示領域に対するユーザー操作に応答して、対応する操作指令を前記画像形成装置へ与える操作手段をさらに備える、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記操作指令は、ユーザー操作の対象となった表示領域に対応した表示内容を前記操作パネルに表示させるための指令を含む、請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、画像を複数表示できない場合であっても、前記第2の画像データを取得するとともに、前記第1の画像データの上に当該第2の画像データを重ねて表示する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを関連付けて格納するとともに、前記第1の画像データの表示が指示された場合、関連付けられた第2の画像データが格納されていれば、前記画像形成装置から第2の画像データを新たに取得することなく、格納されている第2の画像データを表示する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
操作パネルを有する画像形成装置をリモート操作するためのプログラムであって、前記プログラムは、表示部を有するコンピュータを、
前記画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段として機能させ、前記画像形成装置は、前記操作パネルにおける表示内容を示す画像データを前記コンピュータへ出力するように構成されており、さらに、
画像を複数表示できるとの判断に応答して、前記操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を前記画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して前記画像形成装置から出力される前記第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、
前記第1および第2の画像データを前記表示部に表示する表示制御手段として機能させる、プログラム。
【請求項8】
リモート操作システムであって、
操作パネルを有する画像形成装置と、
前記画像形成装置をリモート操作可能な端末装置とを備え、
前記画像形成装置は、前記操作パネルにおける表示内容を示す画像データを前記端末装置へ出力するように構成されており、
前記端末装置は、
表示部と、
前記画像形成装置から出力される第1の画像データに基づいて画像を複数表示できるか否かを判断する複数表示可否判断手段と、
画像を複数表示できるとの判断に応答して、前記操作パネルにおける表示内容を切り替えるための切替指令を前記画像形成装置へ与えるとともに、当該切替信号に応答して前記画像形成装置から出力される前記第1の画像データとは異なる第2の画像データを取得する切替手段と、
前記第1および第2の画像データを前記表示部に表示する表示制御手段とを含む、リモート操作システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−8279(P2013−8279A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141682(P2011−141682)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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