説明

端末装置および通信方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システム

【課題】低コストかつセキュアに、位置に限定したサービスを提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、無線通信が可能な範囲に存在するAPをスキャンし、スキャンにより検出されたAPのAPリストを生成し、生成されたAPリストを、管理サーバに送信する。管理サーバは、2以上の携帯端末装置それぞれから送信されてくる、APリストを受信し、受信された2以上の携帯端末装置からのAPリストを比較し、その比較結果に基づいて、携帯端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成し、生成された接続先関連情報を、携帯端末装置に送信する。携帯端末装置は、管理サーバから送信されてくる接続先関連情報を受信する。本技術は、端末を認証し、その端末の位置に限定したサービスを提供するWebサイト提供システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、端末装置および通信方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システムに関し、特に、低コストかつセキュアに、位置に限定したサービスを提供することができるようになる端末装置および通信方法、情報処理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンに代表される高機能なモバイル端末の増加に伴って、サイバースペースから実空間における位置に限定したサービスが提供される機会が増加している。
【0003】
例えば、所有する携帯端末の所在地を検知することで、実際に店舗に足を運んだ人に限定してクーポンを配信するシステムや、無線LAN(Local Area Network)システムにおいて、無線到達圏内に入ったデバイス同士のみがアイテムを交換できるゲーム等がある。また、非接触IC(Integrated Circuit)カードを用いて、学校の入門時刻および退出時刻を通学履歴として記録して、リアルタイムに保護者の携帯電話機に通知する防犯用途のサービスも開始されている。
【0004】
実空間の位置を把握する技術としては、一般的には、GPS(Global Positioning System)によって緯度情報および経度情報を取得する技術や、無線LANアクセスポイント(以下、APという)の情報を位置情報に変換する技術がある。
【0005】
例えば、APから、ゾーン(位置)情報が含まれる発信情報を受信したクライアント端末が、管理サーバにその位置情報を転送することによって、クライアント端末の位置に応じたアプリケーションの利用権限を管理するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、位置情報をGPSとAPとから取得し、その位置情報に関連付けされた情報資源へのアクセスを管理するシステムがある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、取得した位置情報で表わされる位置が、予め登録された範囲内であれば接続を許可するようにした認証デバイスがある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−214978号公報
【特許文献2】特開2004−46666号公報
【特許文献3】特開2007−53454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、GPSを利用したシステムは、人工衛星を用いているため規模が大きくなり、また専用の端末を必要とするため、導入コストが高くなってしまう。また、無線LAN APを用いたシステムについては、既存のモバイル端末の多くが無線LAN通信デバイスを搭載しているので導入コストは低いが、APと位置情報とを関連付けたデータベース(DB)の構築に高いコストがかかる。
【0010】
また、GPSやAPから取得された位置情報が詐称された場合、位置の特定が困難となる上に、セキュリティシステムに適用する場合には、位置情報を暗号化する等の特別な処理が必要となる。また、近年の携帯電話機に搭載されているGPS機能を用いた追跡処理等においては、位置情報が個人情報として利用されるので、プライバシーの侵害に配慮する必要がある。
【0011】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、低コストかつセキュアに、位置に限定したサービスを提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本技術の第1の側面の端末装置は、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャン処理部と、前記スキャン処理部のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成部と、前記リスト生成部によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信部と、前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信部とを備える。
【0013】
前記受信部には、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の条件での前記無線通信装置のスキャンの要求を受信させ、前記スキャン処理部には、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の条件で前記無線通信装置をスキャンさせることができる。
【0014】
前記受信部には、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の通信チャネルでの前記無線通信装置のスキャンの要求を受信させ、前記スキャン処理部には、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の通信チャネルで前記無線通信装置をスキャンさせることができる。
【0015】
前記受信部には、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の通信モードでの前記無線通信装置のスキャンの要求を受信させ、前記スキャン処理部には、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の通信モードで前記無線通信装置をスキャンさせることができる。
【0016】
本技術の第1の側面の通信方法は、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャンステップと、前記スキャンステップのスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成ステップと、前記リスト生成ステップの処理によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信ステップと、前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信ステップとを含む。
【0017】
本技術の第1の側面のプログラムは、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャンステップと、前記スキャンステップのスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成ステップと、前記リスト生成ステップの処理によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信ステップと、前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0018】
本技術の第1の側面においては、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置がスキャンされ、スキャンにより検出された無線通信装置のリストが生成され、生成されたリストが、情報処理装置に送信され、リストと他の端末装置からのリストとの比較結果に基づいて情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報が受信される。
【0019】
本技術の第2の側面の情報処理装置は、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信部と、前記受信部によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較部と、前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成部と、前記接続先関連情報生成部によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信部とを備える。
【0020】
前記リスト比較部には、2以上の前記端末装置からの前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数を比較させ、前記接続先関連情報生成部には、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より多い場合に、前記接続先関連情報を生成させることができる。
【0021】
前記送信部には、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、所定の条件での前記無線通信装置のスキャンの要求を、前記端末装置に送信させることができる。
【0022】
前記送信部には、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、一致しない前記無線通信装置と前記端末装置との無線通信において、所定の値より高い電波強度の無線通信の通信チャネルでのスキャンの要求を、前記端末装置に送信させることができる。
【0023】
前記送信部には、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、一致しない前記無線通信装置と前記端末装置との無線通信において、所定の値より高い電波強度の無線通信の通信モードでのスキャンの要求を、前記端末装置に送信させることができる。
【0024】
前記接続先関連情報生成部には、前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置についての認証を行わせ、前記接続先関連情報を生成させることができる。
【0025】
本技術の第2の側面の情報処理方法は、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信ステップと、前記受信ステップの処理によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較ステップと、前記リスト比較ステップの処理による比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成ステップと、前記接続先関連情報生成ステップの処理によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信ステップとを含む。
【0026】
本技術の第2の側面のプログラムは、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信ステップと、前記受信ステップの処理によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較ステップと、前記リスト比較ステップの処理による比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成ステップと、前記接続先関連情報生成ステップの処理によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0027】
本技術の第2の側面においては、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置のスキャンにより検出された無線通信装置のリストが受信され、受信された2以上の端末装置からのリストが比較され、比較結果に基づいて、端末装置の接続先に関する接続先関連情報が生成され、生成された接続先関連情報が、端末装置に送信される。
【0028】
本技術の第3の側面の情報処理システムは、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置と、前記端末装置と通信を行う情報処理装置とからなる情報処理システムであって、前記端末装置が、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャン処理部と、前記スキャン処理部のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成部と、前記リスト生成部によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信部と、前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信部とを備え、前記情報処理装置が、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信部と、前記受信部によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較部と、前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成部と、前記接続先関連情報生成部によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信部とを備える。
【0029】
本技術の第3の側面においては、端末装置によって、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置がスキャンされ、スキャンにより検出された無線通信装置のリストが生成され、生成されたリストが、情報処理装置に送信され、リストと他の端末装置からのリストとの比較結果に基づいて情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報が受信され、情報処理装置によって、無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置のスキャンにより検出された無線通信装置のリストが受信され、受信された2以上の端末装置からのリストが比較され、比較結果に基づいて、端末装置の接続先に関する接続先関連情報が生成され、生成された接続先関連情報が、端末装置に送信される。
【発明の効果】
【0030】
本技術の第1乃至第3の側面によれば、低コストかつセキュアに、位置に限定したサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本技術の一実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【図2】携帯端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【図4】携帯端末装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図5】管理サーバの機能構成例を示すブロック図である。
【図6】接続認証要求処理について説明するフローチャートである。
【図7】無線LAN通信デバイスの検出方法について説明する図である。
【図8】無線LAN通信デバイスの検出方法について説明する図である。
【図9】接続認証処理について説明するフローチャートである。
【図10】APリストの比較の例について説明するフローチャートである。
【図11】接続認証処理の流れを説明するアローチャートである。
【図12】接続認証処理の流れを説明するアローチャートである。
【図13】本技術を適用したWebサイト提供システムの構成例を示す図である。
【図14】図13のWebサイト提供システムにおける処理の流れを説明するアローチャートである。
【図15】本技術を適用したSNSシステムの構成例を示す図である。
【図16】図15のSNSシステムにおける処理の流れを説明するアローチャートである。
【図17】本技術を適用したコンテンツ提供システムの構成例を示す図である。
【図18】図17のコンテンツ提供システムにおける処理の流れを説明するアローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本技術の実施の形態について図を参照して説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.情報処理システムの構成
2.携帯端末装置のハードウェア構成
3.管理サーバのハードウェア構成
4.携帯端末装置の機能構成
5.管理サーバの機能構成
6.携帯端末装置の接続認証要求処理
7.管理サーバの接続認証処理
8.情報処理システムにおける処理の流れ
9.本技術の適用例
【0033】
<1.情報処理システムの構成>
図1は、本技術の一実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示している。
【0034】
図1の情報処理システムは、無線LANアクセスポイント(AP)1乃至AP6、携帯端末装置11−1乃至11−3、および管理サーバ12から構成される。
【0035】
図1の情報処理システムにおいて、AP1乃至AP6は、一定間隔で、自身のアドレス(MACアドレス)や無線LAN通信に関する通信パラメータを含むビーコンパケットを、それぞれの電波到達範囲内に存在する周辺の端末にブロードキャストする。
【0036】
携帯端末装置11−1乃至11−3は、無線LAN通信を行い、AP1乃至AP6からのビーコンパケットを受信することで、AP1乃至AP6の存在を認識(検出)する。携帯端末装置11−1乃至11−3は、検出したAP1乃至AP6のリストであるAPリストを生成し、管理サーバ12に送信する。図1においては、携帯端末装置11−1,11−2は、AP4およびAP5の電波到達範囲内にあるので、AP4およびAP5のAPリストを生成し、管理サーバ12に送信する。また、携帯端末装置11−3は、AP3およびAP6の電波到達範囲内にあるので、AP3およびAP6のAPリストを生成し、管理サーバ12に送信する。
【0037】
管理サーバ12は、携帯端末装置11−1乃至11−3それぞれから送信されてくるAPリストを比較することで、携帯端末装置11−1乃至11−3が互いに近傍に存在するか否かの判定(近傍判定)を行う。例えば、2台の携帯端末装置が、全く同じ位置に存在し、かつ、全く同一の受信特性を有する場合、その2台の携帯端末装置が検出するAPは一致する。したがって、管理サーバ12は、携帯端末装置11−1乃至11−3からのAPリストにおけるAPの一致に基づいて、近傍判定を行う。すなわち、図1においては、携帯端末装置11−1からのAPリストに含まれるAPと携帯端末装置11−2からのAPリストに含まれるAPとが一致するので、携帯端末装置11−1と携帯端末装置11−2とは、近傍に存在すると判定される。また、携帯端末装置11−1からのAPリストに含まれるAPと携帯端末装置11−3からのAPリストに含まれるAPとは一致しないので、携帯端末装置11−1と携帯端末装置11−3とは、近傍に存在しないと判定される。
【0038】
そして、管理サーバ12は、近傍判定の結果、互いに近傍に存在すると判定された携帯端末装置11−1,11−2に対して、携帯端末装置11−1,11−2それぞれの接続先に関する情報である接続先関連情報を送信する。携帯端末装置11−1,11−2は、管理サーバ12からの接続先関連情報に基づいて、所定の接続先に接続する。
【0039】
なお、以下において、携帯端末装置11−1乃至11−3をそれぞれ区別する必要がない場合、単に、携帯端末装置11と称する。また、AP1乃至AP6は、携帯端末装置11として機能するようにもできる。
【0040】
<2.携帯端末装置の構成>
次に、図2を参照して、携帯端末装置11の構成例について説明する。
【0041】
図2において、CPU(Central Processor Unit)31は、ROM(Read Only Memory)32に記憶されているプログラム、またはRAM(Random Access Memory)33にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM33にはまた、CPU31が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0042】
CPU31、ROM32、およびRAM33は、バス34を介して相互に接続されている。このバス34にはまた、入出力インタフェース35も接続されている。
【0043】
入出力インタフェース35には、キー、ボタン、タッチパネル、およびマイクロホンなどよりなる入力部36、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)などよりなるディスプレイ、およびにスピーカなどよりなる出力部37、ハードディスクなどより構成される記憶部38、無線通信を行うアンテナなどよりなる第1通信部39、移動体通信網を介した通信を行うアンテナなどよりなる第2通信部40、非接触な近接通信を行うアンテナなどよりなる第3通信部41が接続されている。
【0044】
第1通信部39は、例えば、Bluetooth(登録商標)やIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11x等の近距離無線通信デバイスである。ここで、近距離無線通信とは、通信可能最大距離が数メートル乃至数十メートル程度のローカルな(狭域の)無線通信を意味する。通信規格は任意である。
【0045】
第2通信部40は、図示せぬ無線基地局と無線通信を行い、移動体通信網を介した通信を行う無線通信デバイスである。第2通信部40は、例えば2GHzの周波数帯を使い、通話アプリケーションだけでなく、最大2Mbpsのデータ通信を用いてインターネット接続など各種通信アプリケーションに利用される。例えば、第2通信部40による無線通信は、コンテンツデータのダウンロードや管理サーバ12との通信等に用いられ、移動第2通信部40は、例えば、いわゆる第3世代(3G)携帯電話機の通信方式による3G通信が可能なデバイスなどとして構成される。
【0046】
第3通信部41は、NFC(Near Field Communication)デバイスである。ここで、非接触通信とは、通信可能最大距離が数十センチ程度のローカルな(狭域の)無線通信を示す。通信規格は任意である。例えば、第3通信部41は、アンテナを経由して13.56MHz帯の周波数を使い、10cm程度の極近距離で最大424Kビット/秒の通信レートにて通信を行う。
【0047】
入出力インタフェース35にはまた、必要に応じてドライブ42が接続され、半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア43が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部38にインストールされる。
【0048】
<3.管理サーバの構成>
次に、図3を参照して、管理サーバ12の構成例について説明する。
【0049】
図3において、CPU51は、ROM52に記憶されているプログラム、またはRAM53にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM53にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0050】
CPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。このバス54にはまた、入出力インタフェース55も接続されている。
【0051】
入出力インタフェース35には、キーボード、マウスなどよりなるなどよりなる入力部56、CRT(Cathode Ray Tube)、LCDなどよりなるディスプレイ、およびスピーカなどよりなる出力部57、ハードディスクなどより構成される記憶部58、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部59が接続されている。
【0052】
通信部59は、インターネットなどのネットワークを介しての通信処理を行う。
【0053】
入出力インタフェース55にはまた、必要に応じてドライブ60が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア61が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部58にインストールされる。
【0054】
<4.携帯端末装置の機能構成>
次に、図4を参照して、携帯端末装置11の機能構成について説明する。
【0055】
図4の携帯端末装置11は、スキャン処理部71、APリスト生成部72、送信部73、および受信部74から構成される。
【0056】
スキャン処理部71は、APをスキャンする。具体的には、スキャン処理部71は、近距離無線通信を行い、APからのビーコンパケットを受信することで、APの存在を検出する。
【0057】
APリスト生成部72は、スキャン処理部71によって検出されたAPについての情報であるAP情報のAPリストを生成する。
【0058】
送信部73は、APリスト生成部72によって生成されたAPリストを、移動体通信網を介して管理サーバ12に送信する。
【0059】
受信部74は、管理サーバ12から移動体通信網を介して送信されてくる、管理サーバ12において他の携帯端末装置11からのAPリストとの比較の結果に応じた情報を受信する。
【0060】
<5.管理サーバの機能構成>
次に、図5を参照して、管理サーバ12の機能構成について説明する。
【0061】
図5の管理サーバ12は、受信部91、APリスト比較部92、認証処理部93、差分APリスト生成部94、および送信部95から構成される。
【0062】
受信部91は、2以上の複数の携帯端末装置11から移動体通信網を介して送信されてくるAPリストを受信する。
【0063】
APリスト比較部92は、受信部91によって受信された、2以上の携帯端末装置11からのAPリストを比較する。具体的には、APリスト比較部92は、2以上の携帯端末装置11からのAPリストにおいて、一致するAP(AP情報)の数を比較する。
【0064】
認証処理部93は、APリスト比較部92によるAPリストの比較の結果、一致するAPの数が所定数より多い場合、そのAPリストの送信元である携帯端末装置11を認証し、その携帯端末装置11の接続先に関する接続先関連情報を生成する。
【0065】
差分APリスト生成部94は、APリスト比較部92によるAPリストの比較の結果、一致するAPの数が所定数より少ない場合、それぞれのAPリストにおいて一致しないAPのリストである差分APリストを生成する。
【0066】
送信部95は、APリスト比較部92によるAPリストの比較の結果、一致するAPの数が所定数より多い場合、認証処理部93によって生成された接続先関連情報を、比較されたAPリストの送信元である携帯端末装置11に送信する。また、送信部95は、APリスト比較部92によるAPリストの比較の結果、一致するAPの数が所定数より少ない場合、差分APリスト生成部94によって生成された差分APリストに基づいた所定の条件での、APの再スキャンの要求を、携帯端末装置11に送信する。
【0067】
<6.携帯端末装置の接続認証要求処理>
次に、図6のフローチャートを参照して、携帯端末装置11の接続認証要求処理について説明する。図6の接続認証要求処理は、入力部36(図2)に対するユーザの操作入力によって、携帯端末装置11の位置に限定したサービスを提供する接続先への接続の指示がされると開始される。
【0068】
ステップS11において、スキャン処理部71は、APをスキャンする。すなわち、スキャン処理部71は、近距離無線通信を行い、APからのビーコンパケットを受信することでAPを検出する。
【0069】
ステップS12において、APリスト生成部72は、スキャン処理部71によって検出されたAPのAP情報のリストであるAPリストを生成する。
【0070】
[無線LAN通信デバイスの検出方法]
ここで、APを含む無線LAN通信デバイスの検出方法について説明する。無線LAN通信デバイスの検出方法には、パッシブスキャンによる方法とアクティブスキャンによる方法とがある。
【0071】
図7は、パッシブスキャンによる無線LAN通信デバイスの検出方法について説明する図である。パッシブスキャンによる方法は、インフラストラクチャモードでのAPや、Wi-Fi DirectモードでのグループオーナのAPリストを生成する際に利用される。
【0072】
図7に示されるように、携帯端末装置11は、CH1,CH6,CH11それぞれの通信チャネルで、一定時間受信待機し、AP1乃至AP3から送信されるビーコンパケットを受信する。図7においては、AP1乃至AP3の通信チャネルは、それぞれCH1,CH6,CH11に固定されており、実線の矢印で示されるビーコンパケットが、携帯端末装置11に受信される。携帯端末装置11は、受信したビーコンパケットからMACアドレスおよびネットワーク名を抽出し、ビーコンパケットを受信した際の電波強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator))および通信チャネルを表すチャネル番号とともに、APリストに格納する。
【0073】
図8は、アクティブスキャンによる無線LAN通信デバイスの検出方法について説明する図である。アクティブスキャンによる方法は、Wi-Fi Direct対応デバイスを検出する際等に利用される。
【0074】
一般的に、Wi-Fi Direct対応デバイスは、デバイス間の主従関係(クライアント/オーナ)が決定されるまでチャネルが固定されず、また、自らビーコンパケットを送信しない。そこで、図8に示されるように、携帯端末装置11は、Wi-Fi Direct対応デバイスとしてのWi-Fi P2Pデバイス1乃至3を検出するために、CH1,CH6,CH11それぞれの通信チャネルで、Probe Requestパケットをブロードキャストする。図8においては、そのタイミングでのWi-Fi P2Pデバイス1乃至3のチャネル番号が、それぞれCH1,CH6,CH11とされ、実線の矢印で示されるProbe Requestパケットが、Wi-Fi P2Pデバイス1乃至3に受信される。Wi-Fi P2Pデバイス1乃至3それぞれは、Listenモードである場合に、Probe Responseパケットを携帯端末装置11に送信する。これにより、携帯端末装置11は、APリストとしてのP2Pデバイスリストを生成する。
【0075】
なお、アクティブスキャンによる方法においては、検出対象のデバイス(AP)と通信チャネルが合致し、かつ、検出対象のデバイスがListenモードである場合のみに、検出対象のデバイスからの応答が得られるので、無線LAN通信デバイスの検出に要する時間は、パッシブスキャンによる方法よりも一般的に長くなる。したがって、無線LAN通信デバイスの検出方法において、アクティブスキャンによる方法はオプション扱いとされ、より詳細なAPリストが必要とされる場合に適用されるのが好ましい。
【0076】
このようにして、APが検出され、APリストが作成される。
【0077】
ステップS13において、送信部73は、APリスト生成部72によって生成されたAPリストを、移動体通信網を介して管理サーバ12に送信する。
【0078】
ステップS14において、受信部74は、管理サーバ12から、ステップS13において送信されたAPリストと、他の携帯端末装置11から管理サーバ12に送信されたAPリストとの比較の結果に基づいて生成される接続先関連情報を受信したか否かを判定する。
【0079】
ステップS14において、管理サーバ12から接続先関連情報を受信したと判定された場合、携帯端末装置11は、その位置に限定したサービスを提供する接続先への接続ができるようになり、処理は終了する。
【0080】
一方、ステップS14において、管理サーバ12から接続先関連情報を受信していないと判定された場合、処理はステップS15に進み、受信部74は、管理サーバ12から、ステップS13において送信されたAPリストと、他の携帯端末装置11から管理サーバ12に送信されたAPリストとの比較の結果に基づいて生成される、APの再スキャンの要求を受信したか否かを判定する。
【0081】
ステップS15において、管理サーバ12から再スキャンの要求を受信したと判定された場合、処理はステップS16に進み、スキャン処理部71は、管理サーバ12からの再スキャンの要求に含まれる、所定の条件でAPを検出する。ここで、所定の条件とは、例えば、特定の通信チャネルであったり、特定の通信モードであったりする。ステップS16の後、処理はステップS12に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0082】
一方、ステップS15において、管理サーバ12から再スキャンの要求を受信していないと判定された場合、処理はステップS14に戻り、これ以降の処理が繰り返される。
【0083】
以上の処理によれば、携帯端末装置11の位置で検出されるAPのAPリストが生成されて管理サーバ12に送信され、管理サーバ12から送信されてくる、他の携帯端末装置11のAPリストとの比較の結果に基づいた接続先関連情報が受信される。したがって、GPSのような大規模なシステムを用いたり、APと位置情報とを関連付けたデータベースを構築する必要がなく、また、携帯端末装置11の位置情報を直接用いることもないので、低コストかつセキュアに、位置に限定したサービスをユーザに利用させることができるようになる。
【0084】
<7.管理サーバの接続認証処理>
次に、図7のフローチャートを参照して、管理サーバ12の接続認証処理について説明する。
【0085】
ステップS111において、受信部91は、2つの携帯端末装置11から移動体通信網を介して送信されてくる、2つのAPリストを受信したか否かを判定する。
【0086】
ステップS111の処理は、2つのAPリストを受信するまで繰り返され、2つのAPリストを受信したと判定されると、処理はステップS112に進み、APリスト比較部92は、対向APがAPリストに存在するか否かを判定する。
【0087】
ここで、対向APとは、受信された2つのAPリストの送信元である2つの携帯端末装置11のうちの一方がAPとしても機能する場合の、その携帯端末装置11を指しており、ステップS112においては、他方の携帯端末装置11(以下、対向端末ともいう)のAPリストに、APとして機能するその携帯端末装置11のAP情報が存在するか否かが判定される。なお、ステップS112の処理は、受信された2つのAPリストの送信元である2つの携帯端末装置11のいずれもがAPとして機能しない場合にはスキップされるようにしてもよい。
【0088】
ステップS112において、対向APがAPリストに存在すると判定された場合、処理はステップS113に進み、APリスト比較部92は、2つのAPリストにおいて一致するAPの数が所定数より多いか否かを判定する。
【0089】
ここで、図10を参照して、APリスト比較部92によるAPリストの比較の例について説明する。
【0090】
図10に示されるAPリスト101,102は、それぞれ、例えば、携帯端末装置11−1,11−2から送信された2つのAPリストである。図10に示されるAPリストは、APそれぞれのAP情報としての、電波強度(RSSI)、アドレス(MACアドレス)、ネットワーク名(SSID(Service Set ID))、チャネル(通信チャネル)、およびモード(通信モード)から構成される。図10においては、APリスト101は、6つのAPのAP情報から構成され、APリスト102は、4つのAPのAP情報から構成されている。
【0091】
APリスト101とAPリスト102とを比較すると、ネットワーク名が“hotspot1”、“home_net”、“trial_ap”である3つのAPが、2つのAPリストにおいて一致するAPとなり、一致APリスト103が得られる。そして、ステップS113においては、APリスト101とAPリスト102とにおいて一致するAPの数である3が、所定数より多いか否かが判定される。
【0092】
図9のフローチャートに戻り、ステップS113において、2つのAPリストにおいて一致するAPの数が所定数より多いと判定された場合、すなわち、2つのAPリストの送信元である2つの携帯端末装置11が、互いに近傍に存在すると判定された場合、処理はステップS114に進む。
【0093】
ステップS114において、認証処理部93は、比較された2つのAPリストの送信元である2つの携帯端末装置11のうちのいずれか一方または両方を認証し、認証した携帯端末装置11の接続先に関する接続先関連情報を生成する。
【0094】
ステップS115において、送信部95は、認証処理部93によって生成された接続先関連情報を、比較されたAPリストの送信元である携帯端末装置11に送信する。
【0095】
一方、ステップS113において、例えば、所定数を4とした場合、図10の例では、APリスト101とAPリスト102とにおいて一致するAPの数である3であるので、2つのAPリストにおいて一致するAPの数は所定数より多くないと判定され、処理はステップS116に進む。また、ステップS112において、対向APがAPリストに存在しないと判定された場合にも、処理はステップS116に進む。
【0096】
ステップS116において、差分APリスト生成部94は、2つのAPリストにおいて一致しないAPのリストである差分APリストを生成する。図10の例では、差分APリストは、APリスト101,102のAPから、一致APリスト103のAPを除いたAP(AP情報)から構成されるようになる。このとき、差分APリストにおいては、電波強度が所定の基準値(例えば、100)より小さいAPは含まれないようになされる。
【0097】
ステップS117において、差分APリスト生成部94は、生成した差分APリストにおけるAPの数が0であるか否かを判定する。
【0098】
ステップS117において、差分APリストにおけるAPの数が0であると判定された場合、すなわち、2つのAPリストにおいて、対向APは存在しないが、全てのAPが一致している場合か、または、2つのAPリストにおいて、一致するAPの数は所定数より少ないが、一致しないAP全ての電波強度が所定の基準値より小さい場合、2つのAPリストの送信元である2つの携帯端末装置11が、互いに近傍に存在すると判定され、処理はステップS114に進む。そして、2つの携帯端末装置11のうちのいずれか一方または両方が認証され、その携帯端末装置11の接続先に関する接続先関連情報が送信される。
【0099】
一方、ステップS117において、差分APリストにおけるAPの数が0でないと判定された場合、処理はステップS118に進む。
【0100】
ステップS118において、送信部95は、差分APリスト生成部94によって生成された差分APリストに基づいた所定の条件でのAPの再スキャンの要求を、携帯端末装置11に送信する。具体的には、送信部95は、APリストの送信元である携帯端末装置11に対して、その携帯端末装置11が送信してきたAPリストに存在せず、差分APリストに存在するAP、すなわち、電波強度が基準値以上のAPであって、対向端末のAPリストのみに存在するAPのリストである不足リストを、2つの携帯端末装置11それぞれについて生成し、その不足リストに基づいた条件でのAPの再スキャンの要求を、携帯端末装置11に送信する。このように、電波強度が基準値より小さいAPについては、再スキャンにおいて検出される可能性が低いので、不足リストには含まれないようにする。
【0101】
例えば、図10の例では、APリスト101を送信した携帯端末装置11−1については、電波強度が基準値(100)以上のAPであって、APリスト101には存在せず、APリスト102に存在するAP、すなわち、図中、APリスト102上で太破線で示される、ネットワーク名が“infra_net”であるAPからなる不足APリスト104が生成される。そして、携帯端末装置11−1には、不足APリスト104のAPのチャネルCH6での再スキャンの要求が送信される。
【0102】
また、APリスト102を送信した携帯端末装置11−2については、電波強度が基準値(100)以上のAPであって、APリスト102には存在せず、APリスト101に存在するAP、すなわち、図中、APリスト101上で太破線で示される、ネットワーク名が“intra_net33”および“hotspot2”であるAPからなる不足APリスト105が生成される。そして、携帯端末装置11−2には、不足APリスト105のAPのチャネルCH1,CH11での再スキャンの要求が送信される。
【0103】
なお、再スキャンの条件としては、不足リストのAPの通信チャネルに限らず、通信モードや、通信方法(BluetoothかWi-Fiか)等としてもよい。
【0104】
以上の処理によれば、2つの携帯端末装置11からのAPリストが比較され、比較の結果、それぞれのAPリストにおいて一致するAPの数が多い場合には、2つの携帯端末装置11が互いに近傍に存在すると判定されて、接続先関連情報が送信される。したがって、GPSのような大規模なシステムを用いたり、APと位置情報とを関連付けたデータベースを構築する必要がなく、また、携帯端末装置11の位置情報を直接用いることもないので、低コストかつセキュアに、位置に限定したサービスを提供することができるようになる。
【0105】
特に、APと位置情報とを関連付けたデータベースを必要としないので、その導入コストに加え、メンテナンスコストも削減することができるようになる。
【0106】
また、近年、街中において、APの数が増加傾向にあるので、複雑な仕組みを導入することなく、端末の位置限定の精度を高めることができるようになる。また、APの数の増加に伴い、携帯端末装置11によって生成されるAPリストも時々刻々変化するようになるので、過去のAPリストを使いまわすこと等はできず、信頼度の高い近傍判定を行うことが可能となる。
【0107】
なお、理想的には、2つの携帯端末装置11が略同一の位置に存在すれば、それぞれのAPリストは完全に一致するはずであるが、実際には、それぞれの携帯端末装置11でのAPからのビーコンパケットの受信タイミングや、装置毎の受信特性等に差があるので、それぞれのAPリストは完全に一致しないことが考えられる。
【0108】
そこで、上述した処理においては、それぞれのAPリストにおいて一致するAPの数が所定数より多い場合に、2つの携帯端末装置11が互いに近傍に存在すると判定されるようにしたので、APリストの一致条件を緩和することができ、実際のシステムに適用することができるようになる。
【0109】
また、それぞれのAPリストにおいて一致するAPの所定数が少ない場合には、それぞれの携帯端末装置11において検出されなかったAPを再スキャンする要求が、それぞれの携帯端末装置11に対して送信されるようにしたので、何らかの原因で、ビーコンパケットの受信タイミングや、装置毎の受信特性等に大きな差が生じた場合であっても、再度、近傍判定の機会を与えることができるようになる。さらに、ここでは、検出すべきAPに応じた条件での再スキャンの要求が、携帯端末装置11に対して送信されるので、携帯端末装置11は、効率的に、APの再スキャンを行うことができるようになる。
【0110】
なお、以上においては、2つの携帯端末装置11からのAPリストが比較されるものとしたが、3以上の携帯端末装置11からのAPリストが比較されるようにしてもよい。
【0111】
さて、以上においては、携帯端末装置11および管理サーバ12それぞれにおける処理の詳細について説明したが、以下においては、携帯端末装置11および管理サーバ12から構成される情報処理システム全体における処理の流れについて説明する。
【0112】
<8.情報処理システムにおける処理の流れ>
図11は、携帯端末装置11および管理サーバ12から構成される情報処理システムにおける処理の流れについて説明するアローチャートである。
【0113】
図11の処理においては、携帯端末装置11−1,11−2が近傍判定され、それぞれの接続先への接続が許可されることで、携帯端末装置11−1,11−2の位置に限定したサービスが利用されるようになるものとする。
【0114】
まず、携帯端末装置11−1は、ステップS211においてAPをスキャンし、ステップS212において、スキャンにより検出されたAPのAPリストを生成する。そして、携帯端末装置11−1は、ステップS213において、生成したAPリストを管理サーバ12に送信する。
【0115】
同様に、携帯端末装置11−2は、ステップS221においてAPをスキャンし、ステップS222において、スキャンにより検出されたAPのAPリストを生成する。そして、携帯端末装置11−2は、ステップS223において、生成したAPリストを管理サーバ12に送信する。
【0116】
管理サーバ12は、ステップS231において、携帯端末装置11−1からのAPリストを受信し、ステップS232において、携帯端末装置11−2からのAPリストを受信する。そして、管理サーバ12は、ステップS233において、受信した2つのAPリストを比較する。
【0117】
ここでは、2つのAPリストの比較の結果、それぞれのAPリストにおいて一致するAPの数が所定数より多いものとすると、管理サーバ12は、ステップS234において、携帯端末装置11−1,11−2それぞれを認証し、それぞれについての接続先関連情報を生成する。そして、管理サーバ12は、ステップS235において、生成した接続先関連情報を携帯端末装置11−2に送信し、ステップS236において、生成した接続先関連情報を携帯端末装置11−1に送信する。
【0118】
携帯端末装置11−1は、ステップS214において、管理サーバ12からの接続先関連情報を受信し、携帯端末装置11−2は、ステップS224において、管理サーバ12からの接続先関連情報を受信する。
【0119】
以上の処理によれば、携帯端末装置11−1,11−2が近傍判定され、その判定結果に応じて、それぞれの接続先への接続が許可されるようになるので、携帯端末装置11−1,11−2それぞれのユーザは、位置に限定したサービスを利用することが可能となる。
【0120】
以上においては、携帯端末装置11−1,11−2の近傍判定の結果、それぞれの接続先への接続が許可されるものとしたが、次に、図12のアローチャートを参照して、それぞれの接続先への接続が許可されない場合の処理の流れについて説明する。
【0121】
なお、図12のアローチャートにおけるステップS311乃至S313、ステップS321乃至S323、およびステップS331乃至S333の処理は、図11のアローチャートにおけるステップS211乃至S213、ステップS221乃至S223、およびステップS231乃至S233の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0122】
すなわち、ここでは、ステップS333における2つのAPリストの比較の結果として、それぞれのAPリストにおいて一致するAPの数が所定数より少ないものとすると、管理サーバ12は、ステップS334において、差分APリストを生成する。そして、管理サーバ12は、ステップS335において、差分APリスト(不足リスト)に基づいた所定の条件でのAPの再スキャン要求を携帯端末装置11−2に送信する。また、管理サーバ12は、ステップS236において、差分APリスト(不足リスト)に基づいた所定の条件でのAPの再スキャン要求を携帯端末装置11−2に送信する。
【0123】
携帯端末装置11−1は、ステップS314において、管理サーバ12からの再スキャン要求を受信すると、ステップS315において、APをスキャンする。このとき、携帯端末装置11−1は、再スキャン要求に含まれる所定の条件(通信チャネルや通信モード等)でAPをスキャンする。ステップS316において、携帯端末装置11−1は、スキャンにより検出されたAPのAPリストを生成する。なお、ここで生成されるAPリストは、ステップS312において生成されたAPリストにおいてAP情報が追加・更新されたものとされる。そして、携帯端末装置11−1は、ステップS317において、生成したAPリストを管理サーバ12に送信する。
【0124】
一方、携帯端末装置11−2は、ステップS324において、管理サーバ12からの再スキャン要求を受信すると、ステップS325において、APをスキャンする。このとき、携帯端末装置11−2は、再スキャン要求に含まれる所定の条件(通信チャネルや通信モード等)でAPをスキャンする。ステップS326において、携帯端末装置11−2は、スキャンにより検出されたAPのAPリストを生成する。なお、ここで生成されるAPリストは、ステップS322において生成されたAPリストにおいてAP情報が追加・更新されたものとされる。そして、携帯端末装置11−2は、ステップS327において、生成したAPリストを管理サーバ12に送信する。
【0125】
管理サーバ12は、ステップS337において、携帯端末装置11−1からのAPリストを受信し、ステップS338において、携帯端末装置11−2からのAPリストを受信する。その後、管理サーバ12は、受信した2つのAPリストを比較し、以降、比較の結果に応じた処理が実行される。
【0126】
以上の処理によれば、携帯端末装置11−1,11−2が近傍判定され、何らかの原因で、ビーコンパケットの受信タイミングや、装置毎の受信特性等に大きな差が生じたことにより、それぞれの接続先への接続が許可されなかった場合でも、再度、近傍判定の機会が与えられるようになるので、実際のシステムに適用することが可能となる。また、所定の条件での再スキャン要求が、携帯端末装置11−1,11−2に対して送信されるので、携帯端末装置11−1,11−2は、効率的に、APの再スキャンを行うことができるようになる。
【0127】
なお、管理サーバ12において、例えば3回等の所定の回数、携帯端末装置11−1,11−2の近傍判定が行われ、認証されなかった場合、携帯端末装置11−1,11−2は互いに近傍に存在しないものと判断され、処理を終了するようにしてもよい。
【0128】
<9.本技術の適用例>
ここで、本技術を実際のシステムに適用した適用例について説明する。
【0129】
[Webサイト提供システムへの適用例]
図13は、本技術を適用したWebサイト提供システムの構成例を示す図である。
【0130】
図13のWebサイト提供システムにおいて、NFC機能を備える端末111は、例えば映画館にある、ICタグを備えたポスター112とNFC通信を行うことで、その映画館にいるユーザのみがアクセス可能なサイトのURLを取得する。
【0131】
AP113は、例えばポスター112と同様に映画館に設置され、ポスター112に接続される。AP113は、上述した携帯端末装置11の1つとして機能し、APをスキャンすることでAPリストを生成し、インターネットを介してWebサーバ115に送信する。
【0132】
一方、端末111もまた、上述した携帯端末装置11の1つとして機能し、APをスキャンすることでAPリストを生成し、3G通信を行う無線中継局114を介して、Webサーバ115に送信する。
【0133】
Webサーバ115は、上述した管理サーバ12として機能し、端末111およびAP113からのAPリストを比較し、その比較の結果に基づいて、接続先関連情報としてのセッションIDを発行して、端末111に送信する。セッションIDは、1回限り有効なキーであり、HTTP(HyperText Transfer Protocol)接続を行うときに引数設定され、ユーザの認証に用いられる。すなわち、端末111のユーザは、ポスター112からのURLに、有効なセッションIDをもってアクセスすることで、所望のサイトにログインすることができるようになる。登録APデータベース115aには、例えば、ユーザの認証情報等が記憶される。
【0134】
[Webサイト提供システムにおける処理の流れ]
次に、図14のアローチャートを参照して、図13のWebサイト提供システムにおける処理の流れを説明する。
【0135】
図14の処理は、例えば、ユーザによって、端末111がポスター112のICタグにかざされると開始される。
【0136】
ステップS411において、端末111は、ICタグを読み込むことで、URLを、ポスター112に接続されているAP113に認証されたことを示すAP認証フラグとともに取得する。一方、ポスター112は、端末111によってICタグが読み込まれたことを検知すると、ステップS421において、APリスト作成依頼をAP113に送信する。
【0137】
AP113は、ポスター112からのAPリスト作成依頼を受信すると、ステップS431において、AP4、AP5のAP情報からなるAPリストを作成(生成)し、ステップS432において、Webサーバ115に送信する。このとき、AP113により作成されるAPリストには、AP113自身のAP情報が含まれるものとするが、含まれないようにしてよい。
【0138】
一方、端末111は、ステップS412において、AP4、AP5のAP情報からなるAPリストを作成(生成)し、ステップS413において、無線中継局114に送信する。無線中継局114は、端末111からのAPリストを受信すると、ステップS441において、そのAPリストをWebサーバ115に送信する。
【0139】
Webサーバ115は、ステップS451において、端末111およびAP113からのAPリストを比較し、ステップS452において、その比較の結果に基づいた、セッションIDを端末111に送信する。具体的には、ステップS452において、Webサーバ115が、そのセッションIDを無線中継局114に送信し、ステップS442において、無線中継局114が、Webサーバ115からのセッションIDを、端末111に送信する。なお、Webサーバ115には、複数の端末やAPからAPリストが送信されるが、Webサーバ115は、時間的に近いAPリスト同士を比較するものとする。
【0140】
端末111は、Webサーバ115からのセッションIDを受信すると、ステップS414において、ポスター112から取得したURLにセッションIDを引数設定して、例えば、“http://www.abc.com/index.html?session=1232456”等のHTTPコマンド(GET)をWebサーバ115に送信する。具体的には、ステップS414において、端末111が、HTTPコマンドを無線中継局114に送信し、ステップS443において、無線中継局114が、端末111からのHTTPコマンドを、Webサーバ115に送信する。
【0141】
Webサーバ115は、端末からのHTTPコマンドを受信すると、ステップS453において、セッションIDの有効性をチェックし、セッションIDが有効であれば、特定のサイトへのログイン(リダイレクト)処理を行う。なお、ここで、セッションIDが有効でない場合、または、セッションIDがない場合には、Webサーバ115は、ログイン処理は行わず、他のURLのhtmlファイルを端末111に送信する。
【0142】
以上のように、本技術を、端末の位置に限定したWebサイトを提供するWebサイト提供システムに適用することができる。
【0143】
[SNSシステムへの適用例]
図15は、本技術を適用したSNS(Social Network Service)システムの構成例を示す図である。
【0144】
図15のSNSシステムにおいて、デバイス211,212は、NFC機能を備え、それぞれのユーザ同士がSNSにおいて友人登録を行う際に、互いにNFC通信を行う。デバイス211,212のユーザは、いずれもSNSシステムにより提供されるSNSに登録されているものとする。
【0145】
デバイス211,212は、それぞれ、上述した携帯端末装置11の1つとして機能し、APをスキャンすることでAPリストを生成し、3G通信を行う無線中継局213を介して、SNSサーバ215に送信する。
【0146】
AP214もまた、上述した携帯端末装置11の1つとして機能し、APをスキャンすることでAPリストを生成し、SNSサーバ215に送信する。AP214は、SNSサーバ215において、デバイスの近傍判定、すなわち、APリストの比較をより厳密に行うための特別APとして登録されており、例えば、SNSサーバ215からの指示に応じて、APリストを生成し、SNSサーバ215に送信する。
【0147】
SNSサーバ215は、上述した管理サーバ12として機能し、デバイス211,212からのAPリストを比較し、その比較の結果に基づいて、デバイス211,212同士を友人登録して、ユーザDB216を更新する。ユーザDB216には、SNSに登録されているユーザについての種々の情報が記憶されている。また、SNSサーバ215は、必要に応じて、デバイス211,212からのAPリストを、AP214からのAPリストと比較し、デバイス211,212の近傍判定を行う。
【0148】
[SNSシステムにおける処理の流れ]
次に、図16のアローチャートを参照して、図15のSNSシステムにおける処理の流れを説明する。
【0149】
図16の処理は、例えば、その場にいる2人のユーザがそれぞれSNSにログインした状態で、デバイス211とデバイス212とが近接されると開始される。
【0150】
ステップS511において、デバイス211は、NFC通信を行い、自身のメールアドレスとともに、相手を認証したことを示すAP認証フラグを、デバイス212に送信する。一方、ステップS521において、デバイス212は、NFC通信を行い、自身のメールアドレスとともに、相手を認証したことを示すAP認証フラグを、デバイス211に送信する
【0151】
デバイス211は、デバイス212とのNFC通信を終えると、ステップS512において、AP4、AP5、AP214のAP情報からなるAPリストを作成(生成)し、ステップS513において、SNSに登録されているユーザを特定するユーザIDとともに、無線中継局213に送信する。無線中継局213は、デバイス211からのAPリストおよびユーザIDを受信すると、ステップS531において、そのAPリストおよびユーザIDをSNSサーバ215に送信する。
【0152】
デバイス212は、デバイス211とのNFC通信を終えると、ステップS522において、AP4、AP5、AP214のAP情報からなるAPリストを作成(生成)し、ステップS523において、SNSに登録されているユーザを特定するユーザIDとともに、無線中継局213に送信する。無線中継局213は、デバイス212からのAPリストおよびユーザIDを受信すると、ステップS532において、そのAPリストおよびユーザIDをSNSサーバ215に送信する。
【0153】
SNSサーバ215は、デバイス211,212からAPリストおよびユーザIDを受信すると、それぞれのAPリストにAP214が存在するか否かを判定し、AP214が存在する場合には、AP214に対して、APリストの作成を指示する。ここでは、デバイス211,212からのAPリストにAP214が存在するので、AP214は、ステップS541において、AP4、AP5のAP情報からなるAPリストを作成し、ステップS542において、SNSサーバ215に送信する。
【0154】
SNSサーバ215は、AP214からのAPリストを受信すると、ステップS551において、デバイス211,212からAPリスト、および、AP214からのAPリストをそれぞれ比較し、ステップS552において、それぞれのAPリストにおいて一致するAPが所定数より多ければ、デバイス211,212のユーザ同士の友人登録を許可する。このとき、SNSサーバ215は、デバイス211,212のユーザのユーザIDを、互いのユーザが参加するコミュニティサイト上の友人リストに追加するように、ユーザDB216を更新する。また、このとき、SNSサーバ215は、デバイス211,212それぞれに対して、互いのユーザが参加するコミュニティサイトにアクセスするためのURLを、接続先関連情報として送信するようにしてもよい。
【0155】
以上のように、本技術を、デバイスの位置に限定したコミュニケーションを提供するSNSシステムに適用することができる。
【0156】
特に、以上においては、デバイス211,212の近傍判定において、デバイス211,212のAPリスト同士の比較に加え、AP214のAPリストとの比較を行うようにしたので、AP214が、デバイス211,212の位置の正当性を保証する第3者の役割を果たし、デバイス211,212それぞれのユーザによるAPリストの詐称(ユーザの成りすまし)のリスクを抑えることができるようになる。上述したSNSシステムを、例えば小学校に導入し、AP214を校舎内に設置することで、児童同士が、校内のみで友人登録をすることができるようになる校内専用のSNSシステムを提供することが可能となる。
【0157】
なお、図16の処理は、デバイス211とデバイス212とが近接されると開始されるものとしたが、デバイス211,212それぞれにおいて、所定のボタンが押下されることで開始されるようにしてもよい。
【0158】
[コンテンツ提供ステムへの適用例]
図17は、本技術を適用したコンテンツ提供システムの構成例を示す図である。
【0159】
図17のコンテンツ提供システムにおいて、無線LAN通信機能を備える端末311は、上述した携帯端末装置11の1つとして機能する。端末311は、ユーザの操作によって、例えば店舗にあるホットスポットにおいて無線LAN接続を行う旨の指示がされると、APをスキャンすることでAPリストを生成し、3G通信を行う中継局312を介して、Radiusサーバ313に送信する。
【0160】
Radius(Remote Authentication Dial In User Service)サーバ313は、端末311からのAPリストにおいて、登録APデータベース313aで管理されている管理対象APが存在するか否かを判定し、管理対象APが存在した場合、その管理対象APに対してAPリスト要求のコマンドを送信する。Radiusサーバ313は、管理対象APを介して、所定のコンテンツを提供することができる。
【0161】
また、Radiusサーバ313は、上述した管理サーバ12として機能し、管理対象APからAPリストが送信されてくると、端末311および管理対象APからのAPリストを比較し、その比較の結果に基づいて、接続先関連情報としての管理対象APのアドレスと、端末311が無線LAN接続を行うための一時鍵とを、端末311に送信する。
【0162】
AP314は、Radiusサーバ313によって管理されている管理対象APの1つであるとともに、上述した携帯端末装置11の1つとして機能し、Radiusサーバ313からのAPリスト要求のコマンドに応じて、APをスキャンすることでAPリストを生成し、Radiusサーバ313に送信する。
【0163】
[コンテンツ提供システムにおける処理の流れ]
次に、図18のアローチャートを参照して、図17のコンテンツ提供システムにおける処理の流れを説明する。
【0164】
図18の処理は、例えば、端末311に対して、ユーザの操作によって、店舗や地域に限定された音楽や著作権物等のコンテンツへのアクセスするために、その店舗にあるホットスポットにおいて、AP314への無線LAN接続を行う旨の指示がされると開始される。
【0165】
ステップS611において、端末311は、AP4、AP5、AP314のAP情報からなるAPリストを作成(生成)し、ステップS612において、中継局312に送信する。中継局312は、端末311からのAPリストを受信すると、ステップS621において、そのAPリストをRadiusサーバ313に送信する。
【0166】
Radiusサーバ313は、端末311からのAPリストを受信すると、ステップS631において、端末311からのAPリストにおいて、無線LAN接続の接続先APであって、管理対象APであるAP314を検索する。
【0167】
ここでは、端末311からのAPリストに存在するAPは、AP4、AP5、AP314であるので、Radiusサーバ313は、ステップS632において、管理対象APであるAP314に対してAPリスト要求のコマンドを送信する。
【0168】
AP314は、Radiusサーバ313からのコマンドを受信すると、ステップS641において、AP4、AP5のAP情報からなるAPリストを作成(生成)し、ステップS642において、Radiusサーバ313に送信する。
【0169】
Radiusサーバ313は、AP314からのAPリストを受信すると、ステップS633において、端末311およびAP314からのAPリストを比較し、ステップS634において、その比較の結果に基づいて、そのAP314のアドレスと、端末311が無線LAN接続を行うための一時鍵を端末311に送信する。具体的には、ステップS634において、Radiusサーバ313が、AP314のアドレスおよび一時鍵を中継局312に送信し、ステップS622において、中継局312が、Radiusサーバ313からのAP314のアドレスおよび一時鍵を端末311に送信する。
【0170】
端末311は、Radiusサーバ313からのAP314のアドレスおよび一時鍵を受信すると、ステップS613において、そのAP314のアドレスおよび一時鍵を用いて、AP314に無線LAN接続(Wi-Fi接続)する。AP314は、端末311と接続されると、ステップS643において、Radiusサーバ313に対して、端末311の認証処理を要求する。そして、Radiusサーバ313によって端末311の認証処理が行われると、端末311は、無線LAN接続を行っているAP314を介して、店舗や地域に限定されたコンテンツへアクセスすることができるようになる。
【0171】
以上のように、本技術を、端末の位置に限定したコンテンツを提供するコンテンツ提供システムに適用することができる。
【0172】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディアなどからなる記録媒体からインストールされる。
【0173】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0174】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0175】
さらに、本技術は以下のような構成をとることができる。
(1) 無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャン処理部と、
前記スキャン処理部のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成部と、
前記リスト生成部によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信部と、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信部と
を備える端末装置。
(2) 前記受信部は、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の条件での前記無線通信装置のスキャンの要求を受信し、
前記スキャン処理部は、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の条件で前記無線通信装置をスキャンする
(1)に記載の端末装置。
(3) 前記受信部は、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の通信チャネルでの前記無線通信装置のスキャンの要求を受信し、
前記スキャン処理部は、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の通信チャネルで前記無線通信装置をスキャンする
(2)に記載の端末装置。
(4) 前記受信部は、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の通信モードでの前記無線通信装置のスキャンの要求を受信し、
前記スキャン処理部は、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の通信モードで前記無線通信装置をスキャンする
(2)に記載の端末装置。
(5) 無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャンステップと、
前記スキャンステップのスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成ステップと、
前記リスト生成ステップの処理によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信ステップと、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信ステップと
を含む通信方法。
(6) 無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャンステップと、
前記スキャンステップのスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成ステップと、
前記リスト生成ステップの処理によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信ステップと、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(7) 無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較部と、
前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成部と、
前記接続先関連情報生成部によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信部と
を備える情報処理装置。
(8) 前記リスト比較部は、2以上の前記端末装置からの前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数を比較し、
前記接続先関連情報生成部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より多い場合に、前記接続先関連情報を生成する
(7)に記載の情報処理装置。
(9) 前記送信部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、所定の条件での前記無線通信装置のスキャンの要求を、前記端末装置に送信する
(8)に記載の情報処理装置。
(10) 前記送信部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、一致しない前記無線通信装置と前記端末装置との無線通信において、所定の値より高い電波強度の無線通信の通信チャネルでのスキャンの要求を、前記端末装置に送信する
(9)に記載の情報処理装置。
(11) 前記送信部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、一致しない前記無線通信装置と前記端末装置との無線通信において、所定の値より高い電波強度の無線通信の通信モードでのスキャンの要求を、前記端末装置に送信する
(9)に記載の情報処理装置。
(12) 前記接続先関連情報生成部は、前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置についての認証を行い、前記接続先関連情報を生成する
(7)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理装置。
(13) 無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信ステップと、
前記受信ステップの処理によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較ステップと、
前記リスト比較ステップの処理による比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成ステップと、
前記接続先関連情報生成ステップの処理によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信ステップと
を含む情報処理方法。
(14) 無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信ステップと、
前記受信ステップの処理によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較ステップと、
前記リスト比較ステップの処理による比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成ステップと、
前記接続先関連情報生成ステップの処理によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(15) 無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置と、前記端末装置と通信を行う情報処理装置とからなる情報処理システムにおいて、
前記端末装置は、
無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャン処理部と、
前記スキャン処理部のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成部と、
前記リスト生成部によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信部と、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信部と
を備え、
前記情報処理装置は、
無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較部と、
前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成部と、
前記接続先関連情報生成部によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信部と
を備える情報処理システム。
【符号の説明】
【0176】
11 携帯端末装置, 12 管理サーバ, 71 スキャン処理部, 72 APリスト生成部, 73 送信部, 74 受信部, 91 受信部, 92 APリスト比較部, 93 認証処理部, 94 差分APリスト生成部, 95 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャン処理部と、
前記スキャン処理部のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成部と、
前記リスト生成部によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信部と、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信部と
を備える端末装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の条件での前記無線通信装置のスキャンの要求を受信し、
前記スキャン処理部は、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の条件で前記無線通信装置をスキャンする
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の通信チャネルでの前記無線通信装置のスキャンの要求を受信し、
前記スキャン処理部は、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の通信チャネルで前記無線通信装置をスキャンする
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記情報処理装置から送信されてくる、所定の通信モードでの前記無線通信装置のスキャンの要求を受信し、
前記スキャン処理部は、前記受信部によって受信された前記要求に基づいて、前記所定の通信モードで前記無線通信装置をスキャンする
請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャンステップと、
前記スキャンステップのスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成ステップと、
前記リスト生成ステップの処理によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信ステップと、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信ステップと
を含む通信方法。
【請求項6】
無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャンステップと、
前記スキャンステップのスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成ステップと、
前記リスト生成ステップの処理によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信ステップと、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較部と、
前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成部と、
前記接続先関連情報生成部によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信部と
を備える情報処理装置。
【請求項8】
前記リスト比較部は、2以上の前記端末装置からの前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数を比較し、
前記接続先関連情報生成部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より多い場合に、前記接続先関連情報を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、所定の条件での前記無線通信装置のスキャンの要求を、前記端末装置に送信する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、一致しない前記無線通信装置と前記端末装置との無線通信において、所定の値より高い電波強度の無線通信の通信チャネルでのスキャンの要求を、前記端末装置に送信する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記リストそれぞれにおいて一致する前記無線通信装置の数が所定数より少ない場合、一致しない前記無線通信装置と前記端末装置との無線通信において、所定の値より高い電波強度の無線通信の通信モードでのスキャンの要求を、前記端末装置に送信する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記接続先関連情報生成部は、前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置についての認証を行い、前記接続先関連情報を生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項13】
無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信ステップと、
前記受信ステップの処理によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較ステップと、
前記リスト比較ステップの処理による比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成ステップと、
前記接続先関連情報生成ステップの処理によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項14】
無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信ステップと、
前記受信ステップの処理によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較ステップと、
前記リスト比較ステップの処理による比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成ステップと、
前記接続先関連情報生成ステップの処理によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置と、前記端末装置と通信を行う情報処理装置とからなる情報処理システムにおいて、
前記端末装置は、
無線通信が可能な範囲に存在する無線通信装置をスキャンするスキャン処理部と、
前記スキャン処理部のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを生成するリスト生成部と、
前記リスト生成部によって生成された前記リストを、情報処理装置に送信する送信部と、
前記リストと他の端末装置からの前記リストとの比較結果に基づいて前記情報処理装置から送信されてくる、接続先に関する接続先関連情報を受信する受信部と
を備え、
前記情報処理装置は、
無線通信装置と無線通信を行う2以上の端末装置それぞれから送信されてくる、無線通信が可能な範囲に存在する前記無線通信装置のスキャンにより検出された前記無線通信装置のリストを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された2以上の前記端末装置からの前記リストを比較するリスト比較部と、
前記リスト比較部の比較結果に基づいて、前記端末装置の接続先に関する接続先関連情報を生成する接続先関連情報生成部と、
前記接続先関連情報生成部によって生成された前記接続先関連情報を、前記端末装置に送信する送信部と
を備える情報処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate