説明

端末装置及びプログラム

【課題】特別なキー操作を行ったり、表示部を傾けたりすることなく、ユーザに正対した状態で視点の異なる表示内容を見せることができるようにする。
【解決手段】制御部1は、折り畳み検出部10、回動検出部11、筐体動作検出部12の検出結果に基づいて、表示部筐体14に対して操作部筐体13が2軸ヒンジ部を介して可動されたと判別した場合に、この筐体の可動状態に応じてタッチ画面TSの表示内容を回転させたように視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の筐体を可動自在に連結して成る端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、表示部に表示されている平面的なオブジェクトに対して角度(視点)を色々変えて見る場合に、画像送りキーなどを操作して画像を切り替え表示させることにより、視点の異なる画像を見るようにしているが、更に、従来では、特別なキー操作を行うことなく、筐体を傾ける(回転させる)だけで、視点の異なる画像を表示するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。この先行技術にあっては、オブジェクト毎に、視点の異なる複数の画像を予め用意しておき、筐体の傾き角度を検出した際に、その角度に対応する画像を読み出すことにより、視点の異なる画像を表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−298160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、表示部を備える筐体を傾けると(回転させると)、それに合わせて表示部も一緒に回転してしまうため、ユーザにあっては斜めから表示内容を見ることになり、全体的に見づらく、見間違えも起こり易くなる、という問題が残る。
【0005】
本発明の課題は、特別なキー操作を行ったり、表示部を傾けたりすることなく、ユーザに正対した状態で視点の異なる表示内容を見せることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、
表示部を備える第1筐体を有し、該第1筐体と第2筐体とを連結部を介して可動自在に連結して成る端末装置であって、
前記表示部を備える第1筐体に対して前記第2筐体が前記連結部を介して可動されたかを判別すると共に、その可動状態を判別する可動判別手段と、
前記可動判別手段により前記第1筐体に対して前記第2筐体が可動されたと判別された場合にその可動状態に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項1に従属する発明として、
前記可動判別手段は、前記第1筐体に対して前記第2筐体が可動された場合に、その可動状態としてその動作量と動作方向のうち少なくともそのいずれかを判別する、
ようにしたことを特徴とする、請求項2記載の発明であってもよい。
【0008】
請求項1に従属する発明として、
動作モードを切り替えるモード切替手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記モード切替手段により所定の動作モードに切り替えられている場合には、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行い、該所定の動作モード以外の動作モードに切り替えられている場合には、該表示制御とは異なる表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項3記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項1に従属する発明として、
前記第1筐体と第2筐体とが連結部を介して折り畳み自在に連結されている状態において、前記可動判別手段は、前記可動状態として第1筐体と第2筐体との折り畳み角度を判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段により判別された折り畳み角度に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する、
ようにしたことを特徴とする、請求項4記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項1に従属する発明として、
前記第1筐体と第2筐体とが連結部を介して回動自在に連結されている状態において、前記可動判別手段は、前記可動状態として第1筐体と第2筐体との回動角度を判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段により判別された回動角度に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する、
ようにしたことを特徴とする、請求項5記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項1に従属する発明として、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記表示部に表示されている所定のオブジェクトに対して該表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項6記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項6に従属する発明として、
前記表示部は、タッチパネルを配設することにより構成されたタッチ画面であり、このタッチ画面に表示されているオブジェクトの位置がタッチされた場合に、タッチされたオブジェクトを特定するオブジェクト特定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記オブジェクト特定手段により特定されたオブジェクトに対して表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項7記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項7に従属する発明として、
前記オブジェクト特定手段は、タッチされたオブジェクトを特定すると共に、そのタッチ位置を特定し、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記タッチ位置特定手段により特定されたタッチ位置を中心として前記特定されたオブジェクトに対して該表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項8記載の発明であってもよい。
【0014】
請求項1に従属する発明として、
前記表示部は、タッチパネルを配設することにより構成されたタッチ画面であり、このタッチ画面の任意の位置がタッチされた場合に、そのタッチ位置を特定するタッチ位置特定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記タッチ位置特定手段により特定されたタッチ位置を中心としてその表示内容の全体に対して該表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする、請求項9記載の発明であってもよい。
【0015】
請求項1に従属する発明として、
前記表示部は、タッチパネルを配設することにより構成されたタッチ画面であり、このタッチ画面へのタッチ有無を特定するタッチ有無判別手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記タッチ有無判別手段によりタッチ有りが判別された場合に、前記視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行い、タッチ無しが判別された場合に、前記視点の異なる表示内容に変更する表示制御を終了させる、
ようにしたことを特徴とする、請求項10記載の発明であってもよい。
【0016】
また、上述した課題を解決するために請求項11記載の発明は、
コンピュータに対して、
表示部を備える第1筐体に対して可動自在に連結されている第2筐体が可動されたかを判別すると共に、その可動状態を判別する機能と、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が可動されたと判別された場合にその可動状態に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム、であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、特別なキー操作を行ったり、表示部を傾けたりすることなく、ユーザに正対した状態で視点の異なる表示内容を見せることができ、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】オブジェクト記憶部OMを説明するための図。
【図3】(1a)〜(1e)、(2a)〜(2c)は、タッチ画面TSをユーザに正対した状態において、表示部筐体(第1筐体)に対して操作部筐体(第2筐体)を、2軸ヒンジ部(連結部)を介して可動させた状態を説明するための図。
【図4】電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の全体動作の概要(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのメインのフローチャート。
【図5】図4の動作に続くフローチャート。
【図6】回転表示処理(図4のステップA12、図5のステップA20)を詳述するためのフローチャート。
【図7】実施形態の変形例において(1a)〜(1e)、(2a)〜(2c)は、タッチ画面TSをユーザに正対した状態において、表示部筐体(第1筐体)に対して操作部筐体(第2筐体)を、2軸ヒンジ部(連結部)を介して可動させた状態を説明するための図。
【図8】実施形態の変形例において回転表示処理(図4のステップA12、図5のステップA20)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図6を参照して本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、携帯電話機の基本的な構成要素を示したブロック図である
携帯電話機は、例えば、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)を折り畳み自在及び回動自在に取り付けた2軸ヒンジタイプの携帯電話機であり、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、カメラ機能などを備えている。そして、携帯電話機は、無線通信網(図示省略)を介して他の携帯電話機(図示省略)との間で通話可能な状態となり、また、インターネット(図示省略)に接続されると、Webサイトをアクセスして閲覧可能となったり、所望するデータをダウンロード受信することが可能となったりする。
【0020】
制御部1は、二次電池を備えた電源部2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機の全体動作を制御するもので、この制御部1には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部3は、ROM、RAMなどの内部メモリで、図示しないプログラム領域とデータ領域とを有し、この記憶部3内のプログラム領域には、後述する図4〜図6に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部3内のデータ領域には、各種のフラグ情報、携帯電話機の動作に必要な各種の情報が記憶されているほか、後述するオブジェクト記憶部OMを有している。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、あるいは図示しない所定の外部サーバ上に記憶部3が有する構成であってもよい。
【0021】
操作部4は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを行うもので、この操作部4には、図示しないが、通話用のオフフックキー、オンフックキーのほか、カメラ機能をオン/オフさせるキー、シャッタキーなどが設けられている。制御部1は、操作部4からの操作信号に応じた処理として、例えば、発信処理、電子メール受信処理、カメラ処理など、各種の処理を行う。表示部5は、例えば、高精細液晶あるいは有機ELを使用し、例えば、待受画像、アイコン、日時情報のほか、テキストデータ、メール、Webページなどを表示するほか、カメラ機能の使用時にはライブビュー画像を表示するファインダ画面となる。表示部5の表面には、指の接触を検出する接触操作部(透明な接触センサ)6が積層配設されることによってタッチスクリーン(タッチ画面)TSを構成している。なお、タッチ画面TSを構成する接触操作部は、静電容量方式でも抵抗膜方式でもよく、また、接触の他に操作器具や指の押し込み(押圧)を検出可能する圧電方式であってもよいが、本実施形態では、人体接触を検出する静電容量方式を使用している。
【0022】
無線通信部7は、図示しない無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、音声通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能の動作時に最寄りの基地局との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調して制御部1に与え、制御部1は、電話部8を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを電話部8から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナATから発信出力させる。
【0023】
撮像部9は、デジタルカメラ機能を構成する構成要素で、静止画撮影のほかに動画撮影も可能なもので、図示しないが、カメラレンズ部、撮像素子(例えば、CCDあるいはCMOS)、画像信号処理部、アナログ処理部、圧縮伸張部、各種センサ部(測距センサ、光量センサなど)などを有している。折り畳み検出部10、回動検出部11は、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)の可動状態を検出するもので、図1では図示省略したが、表示部筐体(第1筐体)に対して操作部筐体(第2筐体)が2軸ヒンジ部(連結部)を介して可動されたか否かを検出するようにしている。制御部1は、この筐体の可動状態に基づいて表示部5(タッチ画面TS)の表示内容を回転させたように視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにしている。
【0024】
折り畳み検出部10は、2つの筐体(操作部筐体、表示部筐体)の折り畳み状態(折り畳み角度を含む)を検出するもので、例えば、筐体内に埋め込まれている複数の磁気センサ(ホール素子)及び磁石を有する構成となっている。折り畳み検出部10は、複数の折り畳み角度として、例えば、0°〜15°(0°以上15°未満)の範囲、15°〜45°(15°以上45°未満)の範囲、45°〜75°(45°以上75°未満)の範囲、75°〜90°(75°以上90°以下)の範囲を検出可能となっている。また、回動検出部11は、操作部筐体と表示部筐体との回動状態(回動角度及び回動方向を含む)を検出するもので、例えば、筐体内に埋め込まれている複数の磁気センサ及び磁石を有する構成となっている。なお、回動検出部11は、複数の回動角度として、例えば、0°〜15°の範囲、15°〜45°の範囲、45°〜75°の範囲、75°〜90°の範囲を検出可能となっている。
【0025】
筐体動作検出部12は、操作部筐体、表示部筐体のうち、そのいずれが動かされたか(操作されたか)を検出するもので、例えば、筐体内に埋め込まれている複数の磁気センサ及び磁石を有する構成となっている。この筐体動作検出部12からの検出結果に基づいて制御部1は、表示部筐体が固定された状態で操作部筐体が操作(折り畳み又は回動操作)されたかを判別するようにしている。なお、折り畳み検出部10、回動検出部11、筐体動作検出部12は、上述のような磁気的な手段による検出に限らず、機械的、電気的、光学的な手段によって検出するようにしてもよい。
【0026】
図2は、オブジェクト記憶部OMを説明するための図である。
オブジェクト記憶部OMは、撮像部9で撮像された撮影画像、ダウンロード受信した画像やドキュメントなどの各種のオブジェクトを記憶するもので、「ID」、「オブジェクト名」、「実データ」の各項目を有し、その内容はユーザ操作により任意に設定されたものである。「ID」は、オブジェクトを識別する一連番号であり、「オブジェクト名」は、ユーザ操作により任意に設定された名称である。「実データ」には、折り畳み角度に対応する実データ、すなわち、折り畳み角度が0°〜15°の範囲、15°〜45°の範囲、45°〜75°の範囲、75°〜90°の範囲の実データが記憶されている。また、「実データ」には、正転(時計回り)方向の回動角度に対応する実データとして、回動角度が0°〜15°の範囲、15°〜45°の範囲、45°〜75°の範囲、75°〜90°の範囲の実データが記憶され、更に、逆転(反時計回り)方向の回動角度に対応する実データとして、回動角度が0°〜15°の範囲、15°〜45°の範囲、45°〜75°の範囲、75°〜90°の範囲の実データが記憶されている。
【0027】
上述の折り畳み角度又は回動角度の0°〜15°の範囲、15°〜45°の範囲、45°〜75°の範囲、75°〜90°の範囲に対応する実データは、同一のオブジェクトを、視点を変えてその角度で見た場合のオブジェクト(実データ)であり、折り畳み角度又は回動角度が0°〜15°の実データは、通常の状態(回動させていない状態、つまり、ユーザに正対している状態)でオブジェクトを見た場合の実データである。また、折り畳み角度又は回動角度が15°〜45°の実データは、15°〜45°の視点からオブジェクトを見た場合の実データである。折り畳み角度又は回動角度が45°〜75°の実データは、45°〜75°の視点からオブジェクトを見た場合の実データである。折り畳み角度又は回動角度が75°〜90°の実データは、75°〜90°の視点からオブジェクトを見た場合の実データである。なお、角度は、これに限らず、例えば、5°単位、10°単位などであってもよい。
【0028】
図3は、タッチ画面TSをユーザに正対した状態において、表示部筐体(第1筐体)に対して操作部筐体(第2筐体)を、2軸ヒンジ部(連結部)を介して可動させた状態を説明するための図である。
携帯電話機は、操作部4を備える直方体の操作部筐体13と、タッチ画面TSを備える直方体の表示部筐体14と、この操作部筐体13と表示部筐体14とを開閉可能(折り畳み可能)及び回動可能に取り付ける2軸ヒンジ部15を有する構成で、操作部筐体13と表示部筐体14とは、正転(時計回り)及び逆転(反時計回り)可能に取り付けられている。
【0029】
図3(1a)、(2a)は、操作部筐体13と表示部筐体14との折り畳みを約180°に開いた状態のオープンスタイルを示している。このオープンスタイルにおいて操作部筐体13と表示部筐体14との折り畳みを完全に閉じた状態にすると、クローズスタイルとなる。また、オープンスタイルにおいて操作部筐体13に対して表示部筐体14、又は表示部筐体14に対して操作部筐体13を約180°に回転させて反転した状態から表示部筐体14又は操作部筐体13を折り畳むと、タッチ画面TSが露出した状態のビュースタイルとなる。
【0030】
図3(1a)、(2a)に示す折り畳みを開いた状態(オープンスタイル)では、操作部筐体13と表示部筐体14とが約180°に開いて操作部4及びタッチ画面TSが露出した状態となり、タッチ画面TSがユーザに正対している状態となる。図3(1a)、(2a)に示すようにタッチ画面TSには、各種のオブジェクトが表示されており、図中、四角形や円形は、撮像部9で撮像された撮影画像、ダウンロード受信した画像やドキュメントなどのオブジェクトを示している。この四角形のオブジェクト内に付した+印は、ユーザが接触したタッチ位置を示し(以下、同様)、制御部1は、タッチされたオブジェクトを、筐体の可動状態に基づいて視点の異なるオブジェクトに変更する表示制御を行う。つまり、所望するオブジェクト上をタッチすることにより該オブジェクトを制御対象視点の異なるオブジェクトに変更する制御対象として指定するようにしている。
【0031】
図3(1b)、(1c)は、折り畳みを開いた状態(オープンスタイル)において操作部筐体13をやや折り畳んだ状態を示している。すなわち、オープンスタイルでの操作部筐体13の位置を基準とし、この基準位置での折り畳み角度(折り畳みの初期角度)を0°とすると、この基準位置から操作部筐体13を約45°に折り畳んだ状態、つまり、表示部筐体14と操作部筐体13とが約135°に開いている状態を示し、図3(1b)は正面から見た図、また、図3(1c)は側面から見た図である。
【0032】
このように折り畳みの初期角度を基準として操作部筐体13を約45°に折り畳むと、タッチ画面TS内のオブジェクトは、操作部筐体13の折り畳み角度(45°)に応じて回転させたようにその折り畳み角度から見たオブジェクト(視点の異なるオブジェクト)に変更される。その結果、図3(1b)に示すようにオブジェクトは、例えば、図中、タッチ位置(+印)を通る横軸を中心にして上下方向に約45°に回転させたような形態(例えば、オブジェクト底部が出現したような形態)となる。なお、図中、オブジェクト内の塗り潰し部分(グレー部分)は、オブジェクトの回転により新たに出現した部分を示している(以下、同様)。
【0033】
図3(1d)、(1e)は、表示部筐体14を固定した状態(タッチ画面TSがユーザに正対している状態)において、図3(1b)、(1c)の状態よりも更に操作部筐体13を折り畳んだ状態、つまり、折り畳みの初期角度約0°を基準として操作部筐体13を約90°に折り畳んだ状態を示し、図3(1d)は正面から見た図、また、図3(1e)は側面から見た図である。このように操作部筐体13を約90°に折り畳むと、タッチ画面TS内のオブジェクトは、操作部筐体13の折り畳み角度(約90°)に応じて回転させたようにその折り畳み角度から見たオブジェクト(視点の異なるオブジェクト)に変更される。その結果、図3(1d)に示すようにオブジェクトは、例えば、図中、タッチ位置(+印)を通る横軸を中心にして上下方向に約90°に回転させたような形態(例えば、オブジェクト底部のみが見えるような形態)となる。
【0034】
図3(2b)、(2c)は、折り畳みを開いた状態(オープンスタイル)において操作部筐体13を回動させた状態を示している。すなわち、オープンスタイルでの操作部筐体13の位置を基準とし、この基準位置での回動角度(回動の初期角度)を0°とすると、この基準位置から操作部筐体13を約90°に回動させた状態を示し、図3(2b)は、図中、右方向(時計回り)に約90°に回動させた状態を示した図、また、図3(2c)は、図中、左方向(反時計回り)に約90°に回動させた状態を示した図である。
【0035】
このように操作部筐体13を約90°に回動させると、タッチ画面TS内のオブジェクトは、操作部筐体13の回動角度(約90°)に応じて回転させたようにその回動角度から見たオブジェクト(視点の異なるオブジェクト)に変更される。その結果、(2b)、(2c)に示すようにオブジェクトは、例えば、図中、タッチ位置(+印)を通る縦軸を中心にして左右方向に約90°に回転させたような形態(例えば、オブジェクト側面部のみが見えるような形態)となる。なお、図3(2b)では、図3(2a)に示した四角形のオブジェクトの左側面部が見えるようになり、図3(2c)では、図3(2a)に示した四角形のオブジェクトの右側面部が見えるようになる。
【0036】
次に、本実施形態における携帯電話機の動作概念を図4〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0037】
図4及び図5は、電源投入に応じて実行開始される携帯電話機の全体動作の概要(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのメインのフローチャートである。
先ず、制御部1は、電源投入操作に応じてメモリなどをクリアする初期化処理を実行すると共に、待ち受け画像を表示させるなどの待ち受け状態となる(図4のステップA1)。この状態において、電話着信を検出したかを調べたり(ステップA2)、折り畳み検出部10からの検出結果に基づいて折り畳み操作が行われたかを調べたり(ステップA9)、回動検出部11からの検出結果に基づいて回動操作が行われたかを調べたり(図5のステップA17)、回転表示モードのオン/オフ操作が行われたかを調べたり(ステップA25)、その他の操作が行われたかを調べたりする(ステップA29)。
【0038】
いま、電話着信を検出したときには(図2のステップA2でYES)、この着信に対する応答操作(オフフック操作)によって(ステップA3でYES)、通話可能状態とする通話処理を開始させる(ステップA5)。また、オフフック操作が行われなければ(ステップA3でNO)、折り畳み検出部10からの検出結果に基づいて完全に折り畳んだ状態(折り畳み角度が0°の状態のクローズスタイル)から図3(1a)、(2a)で示した折り畳みを開いた状態(オープンスタイル)に変化したかを調べる(ステップA4)。ここで、着信検出時にオフフック操作を行わなくても(ステップA3でNO)、折り畳みを開いたときには(ステップA4でYES)、通話処理を開始させるが(ステップA5)、折り畳み状態のままであれば(ステップA4でNO)、着信を拒否する場合や不在の場合であるから上述の着信有無をチェックするステップA2に戻る。
【0039】
そして、通話中においてはオンフック操作が行われたかを調べたり(ステップA6)、折り畳み検出部10からの検出結果に基づいて折り畳みを開いた状態(オープンスタイル)から完全に折り畳んだ状態(クローズスタイル)に変化したかを調べたりする(ステップA7)。いま、オンフック操作が行われたときには(ステップA6でYES)、回線接続を遮断して通話を終了する終話処理を行い(ステップA8)、また、オンフック操作が行われなくても(ステップA6でNO)、折り畳みを開いた状態から完全に折り畳んだ状態に変化したときには(ステップA7でYES)、終話処理を行う(ステップA8)。その後、上述の着信有無をチェックするステップA2に戻る。
【0040】
また、回転表示モードのオン/オフ操作が行われたときには(図5のステップA25でYES)、回転表示モードのオン操作であるかを調べ(ステップA26)、オン操作であれば(ステップA26でYES)、回転表示モードに移行させる(ステップA27)。ここで、回転表示モードとは、筐体の可動状態に基づいてタッチ画面TSの表示内容を回転させたように視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う動作モードである。また、回転表示モードのオフ操作であれば(ステップA26でNO)、回転表示モードを終了させる(ステップA28)。その後、上述の着信有無をチェックする図4のステップA2に戻る。また、その他の操作が行われたときには(図5のステップA29でYES)、操作に応じた処理として、オブジェクト記憶部OMに任意のオブジェクトを設定する処理を行ったり、発信処理、メール送信処理などを行ったりした後(ステップA30)、上述の着信有無をチェックする図4のステップA2に戻る。
【0041】
いま、折り畳み検出部10からの検出結果に基づいて折り畳み操作が行われたことを検出すると(図4のステップA9でYES)、筐体動作検出部12からの検出結果に基づいて、表示部筐体14を固定した状態での操作部筐体13の折り畳み操作が行われたかを調べる(ステップA10)。いま、表示部筐体14を固定した状態での折り畳み操作でなければ(ステップA10でNO)、ステップA13に移り、折り畳み検出部10からの検出結果に基づいて完全に折り畳んだ状態(折り畳み角度が約0°の状態のクローズスタイル)になったかを調べる。
【0042】
ここで、完全に折り畳んだ状態を検出したときには(ステップA13でYES)、タッチ画面TSを消灯する表示オフ処理を行った後(ステップA14)、上述の着信有無をチェックするステップA2に戻る。また、完全に折り畳んだ状態ではなければ(ステップA13でNO)、折り畳み操作が完全な折り畳み状態(クローズスタイル)から折り畳みを開いた状態に変化させる操作であるかを調べ(ステップA15)、それ以外の折り畳み操作であれば(ステップA15でNO)、今回の折り畳み操作を無効とするために上述の着信有無をチェックするステップA2に戻る。また、完全な折り畳み状態から折り畳みを開いた状態への操作であれば(ステップA15でYES)、タッチ画面TSを点灯する表示オン処理を行った後(ステップA16)、上述の着信有無をチェックするステップA2に戻る。
【0043】
一方、表示部筐体14を固定した状態で操作部筐体13を折り畳む操作が行われた場合には(ステップA9でYES)、現在の動作モードは上述の回転表示モードであるかを調べ(ステップA11)、回転表示モードでなければ(ステップA11でNO)、上述と同様に折り畳み状態に応じてタッチ画面TSをオン/オフする処理を行うが(ステップA13〜A16)、回転表示モードであれば(ステップA11でYES)、後述する回転表示処理を実行した後(ステップA12)、上述の着信有無をチェックするステップA2に戻る。
【0044】
また、回動検出部11からの検出結果に基づいて筐体を回動する回動操作が行われたことを検出したときには(図5のステップA17でYES)、筐体動作検出部12からの検出結果に基づいて、表示部筐体14を固定した状態で操作部筐体13を回動した回動操作が行われたのかを調べる(ステップA18)。いま、表示部筐体14を固定した状態での回動操作でなければ(ステップA18でNO)、ステップA21に移り、ビュースタイルに変更されたかを調べ、ビュースタイルへの変更ではなければ(ステップA21でNO)、今回の回動操作を無効とするために上述の着信有無をチェックする図4のステップA2に戻る。
【0045】
また、ビュースタイルへの変更であれば(ステップA21でYES)、カメラ撮影モードに移行させた後(ステップA22)、カメラ撮影処理に移り(ステップA23)、カメラ撮影モードの終了を指示する終了操作が行われるまで(ステップA24でNO)、カメラ撮影処理を継続する(ステップA23)。ここで、カメラ撮影モードの終了を指示する終了操作が行われると(ステップA24でYES)、上述の着信有無をチェックする図4のステップA2に戻る。
【0046】
一方、表示部筐体14を固定した状態で操作部筐体13を回動した回動操作が行われた場合には(ステップA18でYES)、現在の動作モードは上述の回転表示モードであるかを調べる(ステップA19)。いま、回転表示モードでなければ(ステップA19でNO)、上述と同様にビュースタイルであることを条件にカメラ撮影処理を行うが(ステップA21〜A24)、回転表示モードであれば(ステップA19でYES)、後述する回転表示処理を実行した後(ステップA20)、上述の着信有無をチェックする図4ステップA2に戻る。
【0047】
図6は、回転表示処理(図4のステップA12、図5のステップA20)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、制御部1は、操作部筐体13の基準位置での折り畳み又は回動の初期角度を0°とする初期化処理を行った後(ステップB1)、操作部筐体13の操作は、折り畳み操作であるかを調べ(ステップB2)、折り畳み操作であれば(ステップB2でYES)、タッチ画面TSへのタッチ有無を調べる(ステップB3)。
【0048】
ここで、折り畳み操作が行われてから一定時間が経過してもタッチ画面TSへのタッチ操作が行われなければ(ステップB3でNO)、今回の操作部筐体13の操作、つまり、表示部筐体14を固定した状態での操作部筐体13の折り畳み操作又は回動操作を無効とするために図6のフローから抜けるが、一定時間内にタッチ画面TSへのタッチ操作が有れば(ステップB3でYES)、タッチ画面TSに表示されているオブジェクトがタッチされたか、つまり、オブジェクトへのタッチ操作によりそのオブジェクトを制御対象として特定可能かを調べる(ステップB4)。
【0049】
いま、オブジェクト以外の位置がタッチされたときには、制御対象のオブジェクトの特定が不可能として(ステップB4でNO)、上述のステップB3に戻るが、オブジェクト上がタッチされることによりそのオブジェクトを制御対象として特定可能であれば(ステップB4でYES)、そのタッチ位置を検出すると共に(ステップB5)、折り畳み検出部10からの検出結果に基づいて、折り畳みの初期角度の約0°を基準とした折り畳み角度を検出する(ステップB6)。例えば、図3(1b)、(1c)の場合には折り畳み角度として約45°を検出し、図3(1d)、(1e)の場合には折り畳み角度として約90°を検出する。
【0050】
そして、この折り畳み角度に応じて上述の特定オブジェクトを上下方向に回転させたように視点の異なるオブジェクトに変更する表示制御を行う(ステップB7)。すなわち、例えば、図3(1b)に示すようにタッチ位置(+印)を通る横軸を中心にして上下方向に約45°に回転させたようなオブジェクト、又は、図3(1d)に示すようにタッチ位置(+印)を通る横軸を中心にして上下方向に約90°に回転させたようなオブジェクトを、オブジェクト記憶部OMから読み出してタッチ画面TSに表示させる。その後、図6のフローから抜ける。
【0051】
また、操作部筐体13の操作が回動操作であれば(ステップB2でNO)、タッチ画面TSへのタッチ有無を調べる(ステップB8)。ここで、回動操作が行われてから一定時間が経過してもタッチ画面TSへのタッチ操作がなければ(ステップB8でNO)、今回の操作部筐体13の操作を無効とするために図6のフローから抜けるが、一定時間内にタッチ画面TSへのタッチ操作が有れば(ステップB8でYES)、タッチ画面TSに表示されているオブジェクトがタッチされたか、つまり、オブジェクトへのタッチ操作によりそのオブジェクトを制御対象として特定可能かを調べる(ステップB9)。
【0052】
いま、オブジェクト以外の位置がタッチされたときには、制御対象のオブジェクトの特定が不可能として(ステップB9でNO)、上述のステップB8に戻るが、オブジェクト上がタッチされることによりそのオブジェクトを制御対象として特定可能であれば(ステップB9でYES)、そのタッチ位置を検出すると共に(ステップB10)、回動検出部11からの検出結果に基づいて、回動の初期角度の約0°を基準とした回動角度を検出する(ステップB11)。例えば、図3(2b)、(2c)の場合には回動角度として約90°を検出する。そして、この回動方向として正転(時計回り)方向か逆転(反時計回り)方向かを検出する(ステップB12)。
【0053】
そして、この回動角度及び回動方向に応じて上述の特定オブジェクトを左右方向に回転させたように視点の異なるオブジェクトに変更する表示制御を行う(ステップB13)。例えば、図3(2b)、(2c)に示すようにタッチ位置(+印)を通る縦軸を中心にして左右方向に約90°に回転させたようなオブジェクトを、オブジェクト記憶部OMから読み出してタッチ画面TSに表示させる。この場合、タッチ画面TS内の特定オブジェクトは、回動方向が正転(時計回り)方向か逆転(反時計回り)方向かに応じて異なる表示内容となる。その後、図6のフローから抜ける。
【0054】
以上のように、この実施形態において制御部1は、折り畳み検出部10、回動検出部11、筐体動作検出部12の検出結果に基づいて、表示部筐体14に対して操作部筐体13が2軸ヒンジ部15を介して可動されたと判別した場合に、その筐体の可動状態に応じてタッチ画面TSの表示内容を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにしたので、特別なキー操作を行ったり、タッチ画面TSを傾けたりすることなく、ユーザに正対した状態で視点の異なる表示内容を見せることができ、利便性を向上させることが可能となる。
【0055】
折り畳み検出部10、回動検出部11の検出結果に基づいて筐体の折り畳み角度、回動角度、回動方向を得るようにしたので、筐体の折り畳み角度、回動角度、回動方向に合わせてオブジェクトを視点の異なる表示内容に変更することができる。
【0056】
所定の動作モード(回転表示モード)に切り替えられている場合には、筐体の可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行い、回転表示モード以外の動作モードに切り替えられている場合には、該表示制御とは異なる表示制御を行うようにしたので、筐体の可動状態に基づいて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うことができるほか、筐体の可動状態に基づいて表示オフ処理や表示オン処理又は撮影処理を行うことができる。
【0057】
折り畳み検出部10に基づいて筐体の折り畳み角度を得るようにしたので、折り畳み角度に合わせてオブジェクトを視点の異なる表示内容に変更することができ、折り畳み角度と表示の回転量(視点の位置)とを合わせることができる。
【0058】
回動検出部11に基づいて筐体の回動角度を得るようにしたので、回動角度に合わせてオブジェクトを視点の異なる表示内容に変更することができ、回動角度と表示の回転量(視点の位置)とを合わせることができる。
【0059】
タッチ画面TSに表示されている所定のオブジェクトに対して表示制御を行うようにしたので、所定のオブジェクトだけを視点の異なる表示内容に変更することができる。
【0060】
タッチ画面TSに表示されているオブジェクトがタッチされた場合に、そのオブジェクトに対して視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにしたので、所望するオブジェクトを表示制御の対象として容易に選択することができるほか、ユーザが所望するオブジェクトだけを視点の異なる表示内容に変更することができる。
【0061】
タッチ画面TSに表示されているオブジェクトがタッチされた場合に、そのタッチ位置を中心としてそのオブジェクトに対して視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにしたので、ユーザにあってはタッチ位置をどこにするかにより変化に富んだオブジェクトを見ることができる。
【0062】
また、タッチ画面TSに表示されているオブジェクトがタッチされている場合には、視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行い、タッチされていない場合には、視点の異なる表示内容に変更する表示制御を終了するようにしたので、タッチ画面TSをタッチしないで、筐体を可動したとしても、視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行わないようにすることができる。
【0063】
なお、上述した実施形態においては、タッチ画面TSに表示されているオブジェクトがタッチされた場合に、そのタッチ位置を中心としてそのオブジェクトに対して視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにしたが、タッチ位置を中心としてタッチ画面TSの表示内容の全体を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにしてもよい。
【0064】
図7及び図8は、上述した実施形態の変形例として、タッチ位置を中心として表示内容の全体を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合を説明するための図である。
図7は、基本的には図3と同様であり、図7(1a)〜(1e)は、図3(1a)〜(1e)と対応し、図7(2a)〜(2c)は、図3(2a)〜(2c)と対応した図であるが、図7(1b)、(1d)と図3(1b)、(1d)とでは、それぞれ表示内容が相違し、また、図7(2b)、(2c)と図3(2b)、(2c)とでは、それぞれ表示内容が相違している。
【0065】
すなわち、図7(1a)、(2a)は、折り畳みを開いた状態(オープンスタイル)を示し、図中、+印は、タッチ位置である。図7(1b)、(1c)は、操作部筐体13を約45°に折り畳んだ状態を示し、タッチ画面TSの表示内容の全体は、折り畳み角度(45°)に応じて回転させたようにその折り畳み角度から見た表示内容(視点の異なる表示内容)に変更される。その結果、複数のオブジェクトが表示されている場合には、複数のオブジェクトに対して表示制御を行うため、図3(1b)の場合とは異なり、図7(1b)では、四角形のオブジェクトと共に円形のオブジェクトもその折り畳み角度から見たオブジェクトに変更される。
【0066】
図7(1d)、(1e)は、操作部筐体13を約90°に折り畳んだ状態を示し、タッチ画面TSの表示内容の全体は、折り畳み角度(90°)に応じて回転させたようにその折り畳み角度から見た表示内容(視点の異なる表示内容)に変更される。その結果、図3(1d)、(1e)の場合とは異なり、図7(1d)、(1e)では、四角形のオブジェクトと共に他のオブジェクト(元の円形オブジェクト)もその折り畳み角度から見たオブジェクトに変更される結果、矩形オブジェクトとなる。
【0067】
図7(2b)、(2c)は、オープンスタイルにおいて操作部筐体13を回動させた状態を示し、すなわち、操作部筐体13を約90°に回動させた状態を示し、図7(2b)は、図中、右方向(時計回り)に約90°に回動させた状態を示し、図3(7c)は、図中、左方向(反時計回り)に約90°に回動させた状態を示した図である。このように操作部筐体13を約90°に回動させると、タッチ画面TSの表示内容の全体は、回動角度(約90°)に応じて回転させたようにその回動角度から見たオブジェクト(視点の異なるオブジェクト)に変更される。その結果、図3(1d)、(1e)の場合とは異なり、図7(1d)、(1e)では、四角形のオブジェクトと共に他のオブジェクト(元の円形オブジェクト)もその回動角度から見たオブジェクトに変更される結果、矩形オブジェクトとなる。
【0068】
図8は、上述した実施形態の変形例における回転表示処理(図4のステップA12、図5のステップA20)を詳述するためのフローチャートで、図6のフローチャートと基本的には同様である。すなわち、図8では、図6のステップB4、B9を有しない点と、ステップB7、B13の回転制御の内容が異なる点とがそれぞれ相違するだけであり、その他は図6と同様であるために、以下、図8のフローチャートを簡単に説明するものとする。
先ず、制御部1は、折り畳み又は回動の初期角度を0°とする初期化処理を行った後(ステップC1)、操作部筐体13の操作が折り畳み操作であれば(ステップC2でYES)、タッチ画面TSへのタッチ有無を調べる(ステップC3)。ここで、タッチ操作が有れば(ステップC3でYES)、そのタッチ位置を検出すると共に(ステップC4)、折り畳み角度を検出した後(ステップC5)、タッチ位置を中心として、タッチ画面TSの表示内容の全体を折り畳み角度に応じて上下方向に回転させたように視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う(ステップC6)。
【0069】
また、操作部筐体13の操作が回動操作であれば(ステップC2でNO)、タッチ画面TSへのタッチ有無を調べる(ステップC7)。ここで、タッチ操作が有れば(ステップC7でYES)、そのタッチ位置を検出すると共に(ステップC8)、回動角度を検出した後(ステップC9)、回動方向を検出する(ステップC10)。そして、タッチ位置を中心として、タッチ画面TSの表示内容の全体を回動角度及び回動方向に応じて左右方向に回転させたように視点の異なるオブジェクトに変更する表示制御を行う(ステップC11)。
【0070】
このようにタッチ位置を中心として、タッチ画面TSの表示内容の全体を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行うようにすれば、任意の位置をタッチするだけでその位置を中心として表示内容の全体に対する表示制御が可能となり、ユーザにあっては変化に富んだ表示を見ることができる。
【0071】
また、上述した実施形態においては、折り畳み又は回動の初期角度の約0°を基準とした折り畳み角度や回動角度を検出するようにしたが、折り畳み角度や回動角度は、初期角度を基準としたものではなく、操作部筐体13と表示部筐体14との開き角度を検出するようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態においては、オブジェクト記憶部OMに折り畳み角度、回動角度に対応して視点の異なるオブジェクトを予め複数記憶しておくようにしたが、3次元オブジェクトに画像処理を施して3次元オブジェクトを回転させることにより、視点の異なるオブジェクトを生成して表示させる表示制御を行うようにしてよい。
【0073】
また、上述した実施形態においては、回転表示モードのオン/オフ操作が行われた場合に、オン操作であれば、回転表示モードに移行させ、オフ操作であれば、回転表示モードを終了させるようにしたが、表示部筐体14を固定した状態で操作部筐体13を折り畳む操作とタッチ画面TSへのタッチ操作とが行われた場合に、回転表示モードに移行させ、タッチ操作が解除された場合に、回転表示モードを終了させるようにしてもよい。同様に、表示部筐体14を固定した状態で操作部筐体13を回動する回動操作とへのタッチ操作とが行われた場合に、回転表示モードに移行させ、タッチ操作が解除された場合に、回転表示モードを終了させるようにしてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態においては、2軸ヒンジタイプの携帯電話機に適用した場合を示したが、折り畳みタイプ、スライドタイプ、スピントップタイプなど任意の筐体構造であってもよい。その他、携帯電話機に限らず、パーソナルコンピュータ、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0075】
また、上述した実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 制御部
3 記憶部
4 操作部
10 折り畳み検出部
11 回動検出部
12 筐体動作検出部
13 操作部筐体
14 表示部筐体
15 2軸ヒンジ部
TS タッチ画面
OM オブジェクト記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える第1筐体を有し、該第1筐体と第2筐体とを連結部を介して可動自在に連結して成る端末装置であって、
前記表示部を備える第1筐体に対して前記第2筐体が前記連結部を介して可動されたかを判別すると共に、その可動状態を判別する可動判別手段と、
前記可動判別手段により前記第1筐体に対して前記第2筐体が可動されたと判別された場合にその可動状態に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う表示制御手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記可動判別手段は、前記第1筐体に対して前記第2筐体が可動された場合に、その可動状態としてその動作量と動作方向のうち少なくともそのいずれかを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
動作モードを切り替えるモード切替手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記モード切替手段により所定の動作モードに切り替えられている場合には、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行い、該所定の動作モード以外の動作モードに切り替えられている場合には、該表示制御とは異なる表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1筐体と第2筐体とが連結部を介して折り畳み自在に連結されている状態において、前記可動判別手段は、前記可動状態として前記第1筐体と前記第2筐体との折り畳み角度を判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段により判別された折り畳み角度に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項5】
前記第1筐体と第2筐体とが連結部を介して回動自在に連結されている状態において、前記可動判別手段は、前記可動状態として第1筐体と第2筐体との回動角度を判別し、
前記表示制御手段は、前記判別手段により判別された回動角度に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記表示部に表示されている所定のオブジェクトに対して該表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項7】
前記表示部は、タッチパネルを配設することにより構成されたタッチ画面であり、このタッチ画面に表示されているオブジェクトの位置がタッチされた場合に、タッチされたオブジェクトを特定するオブジェクト特定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記オブジェクト特定手段により特定されたオブジェクトに対して表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項6記載の端末装置。
【請求項8】
前記オブジェクト特定手段は、タッチされたオブジェクトを特定すると共に、そのタッチ位置を特定し、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記タッチ位置特定手段により特定されたタッチ位置を中心として前記特定されたオブジェクトに対して該表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項7記載の端末装置。
【請求項9】
前記表示部は、タッチパネルを配設することにより構成されたタッチ画面であり、このタッチ画面の任意の位置がタッチされた場合に、そのタッチ位置を特定するタッチ位置特定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記可動状態に応じて視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う場合に、前記タッチ位置特定手段により特定されたタッチ位置を中心としてその表示内容の全体に対して該表示制御を行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項10】
前記表示部は、タッチパネルを配設することにより構成されたタッチ画面であり、このタッチ画面へのタッチ有無を特定するタッチ有無判別手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記タッチ有無判別手段によりタッチ有りが判別された場合に、前記視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行い、タッチ無しが判別された場合に、前記視点の異なる表示内容に変更する表示制御を終了させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項11】
コンピュータに対して、
表示部を備える第1筐体に対して可動自在に連結されている第2筐体が可動されたかを判別すると共に、その可動状態を判別する機能と、
前記第1筐体に対して前記第2筐体が可動されたと判別された場合にその可動状態に応じて前記表示部の表示内容を視点の異なる表示内容に変更する表示制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−223448(P2011−223448A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92308(P2010−92308)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】