説明

端部が保護された触媒被覆した膜電極集成体

【課題】PEM型燃料電池において、触媒をPEMの上に被覆した構造体において、耐久性試験(95℃、300kPa(絶対圧)および75/50%相対湿度のような厳しい条件下)にて、耐久性の向上した端部構造を持つ燃料電池を提供する。
【解決手段】アノード側の触媒被覆した膜とカソード側の触媒被覆した膜を有する燃料電池。イオン伝導性の膜12とアノード側およびカソード側の気体拡散媒体44,46との間に低透過性の層50,52の少なくとも一部が配置され、このとき低透過性の層はイオン伝導性の部材の透過性よりも低い透過性を有する材料で形成される。低透過性の層はイオン伝導性の膜よりも柔らかい材料で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は燃料電池において有用な部材に関し、特に膜、アノード、カソードおよび低い透過性の層、およびこれらの配置と組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
燃料電池は、電気自動車やその他の適用のための電力源として開発されつつある。燃料電池は、プロトン交換膜、アノード、カソードおよび気体分配要素などの様々な構成要素を有することが知られている。
【0003】
燃料電池は典型的に、カソード触媒層とアノード層の間に挟まれたプロトン交換膜またはポリマー電解質膜(PEM)を有していて、それらによって膜電極集成体(MEA)が形成されている。気体拡散媒体(GDM)がカソード触媒層とアノード触媒層の各々に係合している。触媒層はGDMの上に被覆されていてもよく、そのような構造は触媒被覆拡散媒体(CC-DM)として知られている。あるいは、触媒はPEMの上に被覆されていてもよく、そのような構造は触媒被覆膜(CCM)として知られている。
【0004】
これまで、サブガスケット(subgasket)を用いる端部の保護がCC-DMとCCMの燃料電池の両者において適用されてきた。図1は先行技術のCC-DM 10を示していて、これは第一のGDM 17と、その上に被覆されたアノード触媒層14を有する。上にカソード触媒層16が被覆された第二のGDM 18も設けられる。プロトン交換膜12が設けられ、そして膜12の上面の一部をその周縁に沿って覆うように、第一のサブガスケット20が配置される。膜12の下面の一部をその周縁に沿って覆うように、第二のサブガスケット22が配置される。プロトン交換膜12、第一のサブガスケット20および第二のサブガスケットは、アノードのCC-DMとカソードのCC-DMの間に置かれる。
【0005】
図2はプロトン交換膜12を有する先行技術のCCM 30を示していて、これは膜12の上面に被覆されたアノード触媒層14と膜12の下面に被覆されたカソード触媒層16を有する。膜12の一部とアノード触媒層14の一部をそれら各々の周縁に沿って覆うように、第一のサブガスケット20が配置される。同様にして、膜12の一部とカソード触媒層16の一部をそれら各々の周縁に沿って覆うように、第二のサブガスケット22が配置される。テント状の領域24が形成されるかもしれず、これはGDM 17または18とアノード14またはカソード16の間の小さな空所によってそれぞれ画定される。
【0006】
図3にグラフで示す耐久性試験によって、図2に示すような先行技術のCCMはCC-DMよりも耐久性がかなり低いことが示されている。CC-DMは、95℃、300kPa(絶対圧)および75/50%相対湿度のような厳しい条件下でCCMよりも慣例的に長もちする。図3に示されるように、先行技術のCCMにおいて端部を保護することの有益な効果は比較的小さい(端部を保護したものについて125時間であるのに対して、保護しないものについては100時間)。しかし、先行技術のCC-DMの場合、保護しないCC-DMと保護したCC-DMを比較すると、MEAの寿命は300時間から900時間へと3倍の増大を示す。
【0007】
本発明は先行技術の代わりとなるものを提供する。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明の一つの態様は、次の要素を有する製品を含む:アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある第一の低透過性の層であって、この低透過性の層は窓の内側端部によって画定された貫通する開口を有していて、またこの第一の低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;複数の側端部を有する第一の層であって、この第一の層は第一の低透過性の層における開口に収容される中央部分を有し、そして第一の層の中央部分は触媒を含んでいて、第一の層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても500マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない。
【0009】
本発明の一つの態様は、次の工程を含む方法を含んでいる:アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜を用意し;アノード表面の上にアノード側の低透過性の層を配置し、このときこのアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有し;少なくとも中央部分を有するアノード触媒層と裏材料とを含むアノード触媒のデカルコマニアを配置し、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口と位置合わせされ;カソード表面の上にカソード側の低透過性の層を配置し、このときこのカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有し;少なくとも中央部分を有するカソード触媒層と裏材料とを含むカソード触媒のデカルコマニアを配置し、それによってカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口と位置合わせされ;アノード触媒のデカルコマニア、アノード側の低透過性の層、膜、カソード触媒のデカルコマニア、カソード側の低透過性の層を一緒に熱圧し、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容され、そしてカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容され;アノード触媒のデカルコマニアとカソード触媒のデカルコマニアの両者から裏材料を除去し;そしてこのとき、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している。好ましくは、上に置かれる触媒層は低透過性の層に良好に付着する。
【0010】
本発明の別の態様は、次の工程を含む方法を含んでいる:アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜を用意し;アノード表面の上にアノード側の低透過性の層を配置し、このときこのアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有し;本質的にアノード触媒層の中央部分と裏材料からなるアノード触媒のデカルコマニアを配置し、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口と位置合わせされ;カソード表面の上にカソード側の低透過性の層を配置し、このときこのカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有し;本質的にカソード触媒層の中央部分と裏材料からなるカソード触媒のデカルコマニアを配置し、それによってカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口と位置合わせされ;アノード触媒のデカルコマニア、アノード側の低透過性の層、膜、カソード触媒のデカルコマニア、カソード側の低透過性の層を一緒に熱圧し、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容され、そしてカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容され;アノード触媒のデカルコマニアから裏材料を除去し、そしてカソード触媒のデカルコマニアから裏材料を除去し;このときアノード触媒層の中央部分は、アノード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりアノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層との間にアノード側の間隙が存在し;そしてさらに、第一の充填材と第一の揮発性ビヒクルを含む第一の材料を少なくともアノード側の間隙の中に流入させてこれを埋めて、そして第一のビヒクルを蒸発させ;このときカソード触媒層の中央部分は、カソード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層との間にカソード側の間隙が存在し;そしてさらに、第二の充填材と第二の揮発性ビヒクルを含む第二の材料を少なくともカソード側の間隙の中に流入させてこれを埋めて、そして第二のビヒクルを蒸発させ;そしてこのとき、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している。
【0011】
本発明の別の態様は、次の要素を有する製品を含む:アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;アノード表面の上にあるアノード側の低透過性の層、このときこのアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有する;少なくとも中央部分を有するアノード触媒層、このときこのアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容されている;カソード表面の上にあるカソード側の低透過性の層、このときこのカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有する;少なくとも中央部分を有するカソード触媒層、このときこのカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容されている;アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;アノード触媒層に面している第一の表面を有するアノード側の気体拡散媒体およびカソード触媒層に面している第二の表面を有するカソード側の気体拡散媒体であって、このときアノード触媒層のうちの少なくとも一つは第一の表面の全体の長さに沿って延びてはおらず、またカソード触媒層は第二の表面の全体の長さに沿って延びていない。
【0012】
本発明の別の態様は、次の要素を有する製品を含む:アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;アノード表面の上にあるアノード側の低透過性の層、このときこのアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有する;少なくとも中央部分を有するアノード触媒層、このときこのアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容されている;カソード表面の上にあるカソード側の低透過性の層、このときこのカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有する;少なくとも中央部分を有するカソード触媒層、このときこのカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容されている;アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;アノード触媒層に面している第一の表面を有するアノード側の気体拡散媒体およびカソード触媒層に面している第二の表面を有するカソード側の気体拡散媒体;このとき、アノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層の各々は膜に接合されているがしかしアノード側の気体拡散媒体には接合されておらず、そしてカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層の各々は膜に接合されているがしかしカソード側の気体拡散媒体には接合されていない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は先行技術のCC-DMの断面図である。
【図2】図2は先行技術のCCMの断面図である。
【図3】図3は先行技術の端部を保護したCCM燃料電池とCC-DM燃料電池を比較したときの相対的な性能の改善をグラフで表したものである。
【図4】図4Aと図4Bは本発明の一つの態様に従って端部を保護したCCMを製造する方法を示す。
【図5】図5は本発明の一つの態様に従うCCMの断面図である。
【図6】図6は本発明の一つの態様に従うCCMの断面図である。
【図7】図7は本発明の一つの態様に従うCCMの断面図である。
【図8】図8は本発明の一つの態様に従うCCMの平面図であり、低透過性の層の互いの幾何学的な比率と相対的な位置を示している。
【図9】図9は本発明の一つの態様に従うCCMの平面図であり、アノード触媒層とカソード触媒層の互いの幾何学的な比率と相対的な位置を示している。
【図10】図10は本発明の一つの態様に従う燃料電池積層体の一部を取り除いた状態の断面図である。
【図11】図11は本発明の一つの態様に従う、端部を保護したCCMの耐久性の改善をグラフで表したものである。
【図12】図12は本発明の一つの態様に従う製品の一部を取り除いた状態の断面図であり、各々の低透過性の層のプロトン伝導性膜に面した側にある薄い水素/酸素再結合触媒被覆が示されている。
【図13】図13は本発明の一つの態様に従う製品の一部を取り除いた状態の断面図であり、低透過性の層のうちの一方だけの側にある薄い水素/酸素再結合触媒被覆が示されていて、その薄い水素/酸素再結合触媒被覆は他方の低透過性の層の一部と重なり合っている。
【図14】図14は本発明に従う方法の一つの態様を示していて、その方法は、上に触媒層を有するデカルコマニアの裏材料と、触媒層の一部と重なり合っている低透過性の層とを含むデカルコマニアを用意する工程と、そのデカルコマニアを膜に熱圧する工程を含む。
【図15】図15は本発明の一つの態様に従う製品の平面図であり、触媒層の側端部に沿った幾つかの可能性のある位置のうちの一つにおける低透過性の層の窓と触媒層との間の間隙が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のこれらの態様およびその他の態様は、以下の図面の簡単な説明、典型的な態様の詳細な説明および添付した特許請求の範囲と図面から明確になるだろう。
典型的な態様の詳細な説明
好ましい態様についての以下の説明は本質的に単に例示のものであり、本発明とその適用あるいは用途を限定することは決して意図されていない。
【0015】
図4Aと図4Bは、本発明に従って膜電極集成体を製造する方法の一つの態様を示す。プロトン交換膜またはポリマー電解質膜42が設けられる。膜42はアノード表面110とカソード表面112を有する。アノード側の低透過性の層50がアノード表面110を覆うようにして設けられる。アノード側の低透過性の層50は、窓の内側端部51によって画定された貫通する開口を有する。同様に、カソード側の低透過性の層52がカソード表面112を覆うようにして設けられる。カソード側の低透過性の層52は、窓の内側端部53によって画定された貫通する開口を有する。アノード側とカソード側の低透過性の層50、52は、低い気体透過性を与えるフィルム、コーティング、層、サブガスケット、またはその他のいかなる構造の物であってもよい。
【0016】
本発明の一つの態様において、アノード側の低透過性の層50の窓の内側端部51は、カソード側の低透過性の層52の窓の内側端部53と垂直方向でそろっていない。本発明の別の態様において、カソード側の低透過性の層52はアノード側の低透過性の層50と、開口53の中央に向かって測定したある長さ(線Lによって示される長さ)だけ重なり合っている。別の態様において、長さLは10マイクロメートルよりも大きく、好ましくは100マイクロメートルよりも大きく、そして最も好ましくは1000マイクロメートルよりも大きい。従って、アノード触媒層の有効面積はカソード触媒層の有効面積よりも大きくてもよい。
【0017】
本発明の別の態様において、カソード側の低透過性の層52の窓の内側端部53は、アノード側の低透過性の層50の窓の内側端部51と垂直方向でそろっていない。本発明の別の態様において、アノード側の低透過性の層50はカソード側の低透過性の層52と、開口51の中央に向かって測定したある長さ(線Lによって示される長さ)だけ重なり合っている。別の態様において、長さLは10マイクロメートルよりも大きく、好ましくは100マイクロメートルよりも大きく、そして最も好ましくは1000マイクロメートルよりも大きい。この形状は、より乾燥した動作のためには特に好ましい。従って、カソード触媒層の有効面積はアノード触媒層の有効面積よりも大きくてもよい。
【0018】
本発明の一つの態様において、これは図8から最もよく理解できるが、アノード側の低透過性の層50における開口51の面積(層50の縦の長さと幅に平行な線に沿って測定した面積)は、カソード側の低透過性の層52における開口53の面積(同様にして測定した面積)よりも大きい。
【0019】
図4Aを再び参照すると、本発明の一つの態様において、アノード触媒層44と除去可能な裏材料60を含めたアノード触媒のデカルコマニア(転写紙:decal)58が設けられる。本発明の一つの態様において、アノード触媒層44は開口51の広さに及んでいて、またアノード側の低透過性の層50の一部と重なり合っている。別の態様において、アノード触媒層は開口51の中にぴったりはまって、そして窓の内側端部51からある距離だけ離れていてもよく、これについては後述する。カソード触媒のデカルコマニア62は、カソード触媒層46と除去可能な裏材料64を伴って設けられる。一つの態様において、カソード触媒層46は開口53の広さに及んでいて、またカソード側の低透過性の層52の一部と重なり合っている。別の態様において、カソード触媒層46は開口53の中にぴったりはまって、そして窓の内側端部53からある距離だけ離れていてもよく、これについては後述する。
【0020】
図4Bに示すように、本発明の一つの態様において、アノード触媒のデカルコマニア58とカソード触媒のデカルコマニア62はそれぞれ、アノード側の低透過性の層50の上に、そして開口51を経て膜42のアノード表面110の上に、またカソード側の低透過性の層52の上に、そして開口53を経て膜42のカソード表面112の上に熱圧される。本発明の一つの態様において、熱圧は約120F〜約500Fの範囲、好ましくは250〜400Fの範囲の温度において、そして約25psi〜約1000psiの範囲、好ましくは100〜500psiの範囲の圧力において行われる。裏材料60および64は曲げやすく、それぞれアノード触媒44およびカソード触媒46から剥ぎ取られる。触媒層44または46は、材料の表面特性に応じて低透過性の層に転写することができる。触媒層44または46は、中央の領域からアノード表面110とカソード表面112の上の膜42の上に低透過性の層が置かれている周縁の領域まで均一に転写されるのが好ましい。低透過性の層50、52は触媒層44、46が十分に自然に付着する材料からなるか、あるいはそのような付着が容易になるように処理されていなければならない(例えばプラズマ処理、高周波放電処理、または当業者に知られているその他の表面処理の使用)。
【0021】
ここで図5を参照すると、本発明の一つの態様は、膜42のアノード表面110に係合している中央部分44aとアノード側の低透過性の層50の一部と重なり合っている周縁部分44bを含むアノード触媒層44を有する。中央部分44aと周縁部分44bは一部が点線120によって境界を画している。一つの態様において、中央部分44aはアノード側の低透過性の層50の側端部51と隣接しているので、テント状になることは実質的に解消される。同様に、カソード触媒層46は、膜42のカソード表面112に係合している中央部分46aとカソード側の低透過性の層52の一部と重なり合っている周縁部分46bを含む。中央部分46aと周縁部分46bは一部が点線122によって境界を画している。
【0022】
図9は、本発明の一つの態様に従うアノード触媒層44の中央部分44aとカソード触媒層46の中央部分46aの相対的な幾何学的比率と位置合せを示すものである。膜42に係合するアノード触媒層44の中央部分44aの面積は、膜42に係合するカソード触媒層46の中央部分46aの面積よりも大きい。本発明のこの態様において、アノード触媒層44はカソード触媒層46の端部103と重なり合う。別の態様において、カソード触媒層の側部103を超えるアノード触媒層44の重なり合う部分の長さXは10マイクロメートルよりも大きく、好ましくは100マイクロメートルよりも大きく、そして最も好ましくは1000マイクロメートルよりも大きい。
【0023】
本発明の別の態様において、アノード触媒層44とカソード触媒層46の相対的な大きさと位置は図9に示すものとは逆である。アノード触媒層44の中央部分44aに対するカソード触媒層46の中央部分46aの位置合せは、カソード触媒層46がアノード触媒層とその側部に沿って距離Xだけ重なり合うようにする。別の態様において、アノード触媒層44の側部101を超えるカソード触媒層46の重なり合う部分の長さXは10マイクロメートルよりも大きく、好ましくは100マイクロメートルよりも大きく、そして最も好ましくは1000マイクロメートルよりも大きい。膜42に係合するカソード触媒層46の中央部分46aの面積は、膜42に係合するアノード触媒層44の中央部分44aの面積よりも大きい。本発明のこの態様において、カソード触媒層46はアノード触媒層44の端部101と重なり合う。
【0024】
図6を参照すると、本発明の別の態様は、アノード側の低透過性の層50の開口51の中に形成されるアノード触媒層44を含む。アノード触媒層44は、アノード側の低透過性の層50の窓の内側端部51から線Gで示される距離だけ離れた側端部101を有し、これによりアノード触媒層44と窓の内側端部51の間に間隙130が存在する。同様にして、カソード触媒層46はカソード側の低透過性の層52の開口53の中に形成される。カソード触媒層46は、カソード側の低透過性の層52の窓の内側端部53から線Gで示される距離だけ離れた側端部103を有し、これによりカソード触媒層46と窓の内側端部53の間に間隙132が存在する。間隙130と132は大きさが等しくても異なっていてもよい。本発明の一つの態様において、間隙130と132の各々の長さGは、それぞれ関連する低透過性の層50と52に隣接する触媒層44と46を配置するための製造上の許容誤差よりも大きい。本発明の一つの態様において、間隙130と132の各々の長さGは、触媒の端部101、103のそれぞれの全体の周囲の長さに沿って500マイクロメートル未満でなければならない。より好ましくは、間隙130、132の長さGは100マイクロメートル未満とすべきである。最も好ましくは、間隙130、132は10マイクロメートル未満とするか、あるいは間隙が全くないようにすべきである。ここで説明する全ての態様について、アノード触媒層44とカソード触媒層46は、前述したデカルコマニア法(転写印刷法:decal method)または触媒材料をスプレーする、コーティングする、塗布する、あるいはスクリーン印刷するなど、当業者に知られた他のあらゆる方法を用いて膜42の上に付着させることができる。
【0025】
ここで図7を参照すると、本発明の一つの態様は、膜42の上にアノードとカソードの触媒層の中央部分44aと46aをデカルコマニア法を用いて付着させることを含み、しかしこのとき、中央部分44aと46aの側端部101と103はアノードおよびカソードの低透過性の層50と52のそれぞれの窓の内側端部51と53からある距離だけ離される。側端部101と103のそれぞれが窓の内側端部51と53から離される距離は、触媒層44、46および低透過性の層50、52を付着させるための製造上の許容誤差によって制御される。次いで、周縁部分44b、46bが間隙130、132を少なくとも埋めるように付着され、そしてより好ましくは低透過性の層50、52の一部の上に付着され、また側端部101、103と窓の内側端部51、53の間の間隙を埋め、そして中央部分44a、46aのそれぞれを係合するようにされる。周縁部分44b、46bは流動する材料を用いて付着されてもよい。本発明の一つの態様において、用いられる材料はおよそ25〜150℃の温度範囲内で流動してもよい。本発明の一つの態様において、周縁部分44b、46bは上述の表面の上に塗布され、コーティングされ、スプレーされ、あるいはスクリーン印刷される。周縁部分44b、46bは中央部分44a、46aのそれぞれと実質的に等しいかあるいはそれよりも少ない触媒の添加量を有していてもよく、あるいは周縁部分44b、46bはある成分濃度の触媒を含んでいてもよく、あるいは触媒を全く含んでいなくてもよい。場合によって、間隙を埋めるために用いられる材料の中には過フッ素化スルホン酸ポリマーなどのイオノマーが含有されていてもよい。流動性の材料のための適当な揮発性ビヒクルは、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級炭素Cのアルコールまたは水であろう。あるいは、流動性の材料は低い透過性を有する充填材を含んでいてもよい。流動性材料のための適当な低透過性材料の例としては、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンのうちの少なくとも一つがある。
【0026】
ここで図10を参照すると、本発明の一つの態様は、図5〜7の態様のいずれかに従う複数のCCMを含んでいてもよい燃料電池の積層体、そしてアノード側のGDM 150とカソード側のGDM 152をさらに含む燃料電池の積層体を有する。アノード側のGDM 150は、アノード触媒層44に面している表面200を有する。本発明の一つの態様において、アノード触媒層44は表面200の全体の長さにわたって延びてはいない。同様に、カソード側のGDM 152は、カソード触媒層46に面している表面202を有する。本発明の一つの態様において、カソード触媒層46は表面202の全体の長さにわたって延びてはいない。場合によって、アノード触媒層44とアノード側のGDM 150の間にアノード側の微孔質層162が置かれていてもよく、また同様に、カソード触媒層46とカソード側のGDM 152の間にカソード側の微孔質層164が置かれていてもよい。本発明の一つの態様において、アノード触媒層44の中央部分44aとアノード側の低透過性の層50の各々は膜42に接合されているが、しかしこれらはアノード側の気体拡散媒体150には接合されておらず、またカソード触媒層46の中央部分46aとカソード側の低透過性の層52の各々は膜42に接合されているが、しかしカソード側の気体拡散媒体152には接合されていない。中に多数の気体流通路156が画定されている第一の両極性板(bipolar plate)154がアノード側のGDM 150に係合されていて、そして中に多数の気体流通路160が画定されている第二の両極性板158がカソード側のGDM 152に係合されている。本発明の一つの態様は複数の燃料電池を含む燃料電池積層体を有し、その複数の燃料電池の各々は次の構成要素を含む集成体を有する:アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある第一の低透過性の層であって、この低透過性の層は窓の内側端部によって画定された貫通する開口を有していて、またこの第一の低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;複数の側端部を有する第一の層であって、この第一の層は第一の低透過性の層における開口に収容される中央部分を有し、そして第一の層の中央部分は触媒を含んでいて、そして燃料電池積層体の実質的に全ての燃料電池について、第一の層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても500マイクロメートル、100マイクロメートル、あるいは10マイクロメートルよりも大きな間隙が存在せず、そして最も好ましくは間隙が全く存在しない。
【0027】
図11のグラフは、図2における従来の先行技術のCCM 30と図5に示す本発明の一つの態様に従う端部を保護したCCM 40の耐久性の比較を示したものであり、耐久性試験の条件は95℃、300kPa(絶対圧)、70/50%RH、2/2の理論量H2/空気である。先行技術のCCM 30は、サブガスケットの端部において膜にピンホールが発生する前に95〜100時間もった。それに対して、本発明の一つの態様に従うCCM 40は、225時間の試験においてさえ、ピンホールが発生せずに耐えることができた。図4A、4B、図6〜10に示す他の態様に従うCCMも、同様の改善した耐久性を有するだろう。
【0028】
(低透過性の層の近傍において)50%を超える相対湿度で動作する燃料電池について、アノード触媒層44がカソード触媒層46よりも大きい場合の態様は改善した耐久性を与えるかもしれない、ということも見出された。図5〜7および図10は、アノード触媒層44がカソード触媒層46よりも大きい場合の態様を示す。
【0029】
膜42は、好ましくは固体ポリマー膜の電解質、そして好ましくはプロトン交換膜(PEM)である。好ましくは、膜42はおよそ10マイクロメートル〜100マイクロメートルの範囲の厚さ、そして最も好ましくは約25マイクロメートルの厚さを有する。そのような膜電解質のために適したポリマーは当分野において周知であり、米国特許5,272,017号および3,134,697号およびその他の特許文献や非特許文献に記載されている。しかしながら、膜42の組成物は当分野で慣用的に用いられるプロトン伝導性のポリマーのいかなるものを含んでいてもよい、ということに留意すべきである。好ましくは、NAFION(登録商標)などの過フッ素化スルホン酸ポリマーが用いられる。
【0030】
膜42は陽イオン透過性のプロトン伝導性膜であり、移動イオンとしてH+イオンを有する。燃料気体は水素(またはリフォーメート(reformate))であり、そして酸化体は酸素または空気である。電池の全体的な反応は水素の水への酸化であり、アノードとカソードにおけるそれぞれの反応は、H2=2H++2e-(アノード)および1/2O2+2H++2e-=H2O(カソード)である。
【0031】
アノード触媒層44とカソード触媒層46の組成物は好ましくは、膜42と同様にNAFION(登録商標)などのプロトン伝導性物質であるポリマー結合剤の中に分散した電気化学的に活性な材料を含む。電気化学的に活性な材料は好ましくは、触媒を被覆した炭素または黒鉛の粒子を含む。アノード触媒層44とカソード触媒層46は好ましくは、触媒として白金または白金の合金を含むだろう。図におけるアノード触媒層44とカソード触媒層46は大きさが異なるように示されているが、44と46を同じ大きさとしてもよい。さらに、カソードがアノードよりも大きくてもよい。アノードとカソードの好ましい厚さはおよそ2〜30マイクロメートルの範囲、そして最も好ましくはおよそ10マイクロメートルである。
【0032】
低透過性の層50、52として用いるために選択される材料は、イオン伝導性の膜42の酸素と水素ガスに対する透過性よりも低い酸素と水素ガスに対する透過性を有していてもよい。低透過性の層50、52の透過性がイオン伝導性の膜42の透過性よりも低いとき、反応物質である燃料電池の気体の通り抜けの速度が膜電極集成体40の端部において著しく低下し、また同様に、膜の中での酸素と水素の濃度は著しく低下する。これは有利なことであって、その理由は、膜の中に酸素と水素が同時に存在することと膜42を通して気体(すなわち、アノードからカソードへの水素、あるいはカソードからアノードへの酸素)が通り抜けることとの両者によって膜と電極における電解質の化学的分解が起こり、従って不透過性の層50、52は化学的分解を軽減させるからである。
【0033】
より具体的には、水素燃料が存在する場合の酸素のように、燃料電池が通常の動作をする間に、水素と酸素ガスはそれぞれカソード46とアノード44の両方へ膜42を通して浸透するかもしれない。これらの反応物質の気体がアノード44およびカソード46の電気化学的に活性な材料と接触すると、酸素は還元され、そして水素燃料ガスの酸化によって生成したH+ イオンと反応する。この続いて起こる還元された酸素とH+イオンの間の副反応によって、次のようにしてH2O2 が生成する:
O2+2H++2e-=H2O2
このH2O2 の生成は膜42の分解を生じさせ、そのため燃料電池の寿命と性能を低下させることが知られている。さらに、膜と電極における電解質の化学的分解のその他の可能性のある機構は、膜42を通しての気体の通り抜けを防ぐかあるいは少なくとも抑制することによって軽減されうることが、理解されるべきである。これらの気体は、製造上の許容誤差によって生じる燃料電池の構成要素の間の隙間のうち、膜42の端部において膜42をなおいっそう透過しやすい。従って、反応物質の気体の濃縮した流れはアノード44およびカソード46の端部に集まるだろう。従って、膜42の分解は典型的にアノード44とカソード46の端部において起こる。
【0034】
化学的分解を抑制しそしてH2O2 の生成を解消するために、低透過性の層50、52は、膜42よりも低い酸素と水素に対する透過性を有する材料で形成される。例えば、N112などのNAFION(登録商標)の膜が膜42として用いられる場合、低透過性の層50、52は、77oF/100%RHにおいて3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) よりも低い酸素に対する透過性を有しているべきである。好ましくは、低透過性の層50、52は、77oF/100%RHにおいて200cc-mil/(100in2-24hr-atm) 以下の酸素透過性を有しているべきである。そのような透過性を達成するための好ましい材料は、例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)であり、これは77oF/100%RHにおいて184cc-mil/(100in2-24hr-atm) の酸素透過性を有している。最も好ましくは、低透過性の層50、52は77oF/100%RHにおいて25cc-mil/(100in2-24hr-atm) 以下の酸素透過性を有しているべきである。最も好ましい酸素透過性を達成する適当な材料は、例えばポリイミド(Kaptonの商品名で販売されている、77oF/100%RHにおいて25cc-mil/(100in2-24hr-atm)またはポリフッ化ビニリデン(PVDF、77oF/100%RHにおいて3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm)である。
【0035】
低透過性の層50、52における水素に対する透過性は80℃、270kPa、100%RHにおいて1.5×10−8ml(STP)-cmthick/(s-cm2-cmHg) 未満であるべきであり、好ましくは80℃、270kPa、100%RHにおいて1×10−9ml(STP)-cmthick/(s-cm2-cmHg) 以下であり、そして最も好ましくは80℃、270kPa、100%RHにおいて5×10−10ml(STP)-cmthick/(s-cm2-cmHg) 以下である。このような水素透過性を達成するための適当な材料は、例えばKapton(80℃、270kPa、100%RHにおいて4.7×10−10ml(STP)-cmthick/(s-cm2-cmHg))およびポリエチレンナフタレート(PEN、80℃、270kPa、100%RHにおいて2×10−10ml(STP)-cmthick/(s-cm2-cmHg))である。
【0036】
さらに、ETFE、Kapton、PVDF、およびPENが上述の酸素および水素の透過性を得るために好ましい材料であると説明したが、膜42よりも低い酸素および水素に対する透過性を有している限り、低透過性の層50、52として用いるためにその他の材料が選択されてもよいことが理解されるべきである。その他の材料の例としては、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、およびその他の熱可塑性エラストマーがある。アノード44とカソード46の端部において反応物質の気体に対する透過性を低下させることによって、膜42の分解を起こさせる可能性のある反応物質の気体の通り抜けが低減および/または防止されるだろう。
【0037】
上述したように、低透過性の層50、52はまた、通り抜けが原因で起こる軽減されない熱の生成から膜42の端部を保護もし、また膜が両極性板やその他のシール表面と接触するのを保護する。
【0038】
MEA 40の膜42を通しての反応物質の気体の通り抜けを防ぐために低透過性の層50、52として用いるための適当な材料を選択するとき、アノード側の低透過性の層50として用いるために第一の材料を選択することができ、そしてカソード側の低透過性の層52として用いるために第二の材料を選択することができる、ということが理解されるべきである。より具体的には、MEA 40のアノード側には水素燃料が用いられるので、アノード側の低透過性の層50としては水素に対して低い透過性を有する材料を選択するのが好ましいだろう。逆に、MEA 40のカソード側には酸素または空気が用いられるので、カソード側の低透過性の層52としては酸素に対して低い透過性を有する材料を選択するのが好ましいだろう。このようにして、反応物質の気体の通り抜けをよりいっそう防止することができ、MEA 40のよりいっそう長い寿命を達成することができる。
【0039】
低透過性の層50、52のための材料は、空気と水素に対するその透過性に加えて、MEAの加工温度(これは例えば、そのガラス転移温度またはその溶融温度によって決められる)におけるその柔らかさに応じて選択されてもよい、ということも理解されるべきである。すなわち、低透過性の層50、52は、MEAの加工温度において柔らかくて柔軟な材料で形成されてもよい。この点に関して、低透過性の層50、52のための好ましい材料は、(限定するものではないが)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。その他の材料としてはポリエチレンナフタレート(PEN)やポリイミドがある。場合によって、追加のシール部材(図示せず)を設けてもよく、またそれを低透過性の層50、52の少なくとも一部の上に置いてもよい。
【0040】
膜42よりも柔らかくて柔軟かつ展性があり、そして曲がりやすい低透過性の層50、52を用いることによって、MEA 40の構成要素が一緒に圧縮されて集成体が完成されるときに、低透過性の層50、52は圧縮して変形するだろう。このようにして、低透過性の層50、52は膜 42と結合するか、または層状に張り合わされるだろう。MEA 40の構成要素のこの結合または張り合わせによって単一構造が得られ、このことによりMEA 40の強靭さは増大する。というのは、MEA 40の構成要素はMEA 40の表面の全体にわたって均一な圧力を受けるからである。
【0041】
気体拡散媒体の層は炭素繊維の紙や炭素の布などの材料から製造されてもよく、また100〜500マイクロメートルの範囲の厚さを有していてもよい。微孔質層162および164はカーボンブラックやPTFEおよびPVDFのような疎水性の成分などの材料から製造されてもよく、そして2〜100マイクロメートルの範囲の厚さを有していてもよい。
【0042】
ここで図12を参照すると、本発明の別の態様において、低透過性の層50、52のプロトン伝導性膜42に面した側に薄い水素/酸素再結合触媒被覆300、302が追加されている。低透過性の層52の上のカソード側の水素/酸素再結合触媒被覆302は、カソード側の低透過性の層52を透過するかあるいは周囲および下方に拡散する酸素の、プロトン伝導性膜42を透過する水素での選択的酸化によって、膜/低透過性層の境界面において酸素の濃度をさらに低下させ、それによりプロトン伝導性膜の中の有効酸素濃度は低下し、それによってプロトン伝導性膜の材料の化学的分解の速度が低下する。低透過性の層50の上のアノード側の水素/酸素再結合触媒被覆300は、低透過性の層50を透過するかあるいは周囲および下方に拡散する水素の、プロトン伝導性膜42を透過する酸素での選択的酸化によって、膜/低透過性層の境界面において水素の濃度をさらに低下させ、それによりプロトン伝導性膜42の中の有効水素濃度は低下し、それによってプロトン伝導性膜の材料の化学的分解の速度が低下する。
【0043】
低透過性の層50、52の上に被覆することのできる適当な水素/酸素再結合触媒は好ましくは、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、これらの金属の相互の混合物、さらにはこれらの白金属のいずれかまたはさらに他のものと遷移金属(例えばコバルト、ニッケル、その他)との間の合金からなる薄い被覆である。その他の適当な水素/酸素再結合触媒は、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、および適用可能な場合はこれらの酸化物を含めたこれらのものの組合せである。水素/酸素再結合触媒は低透過性の層50、52の上に10ミクロン未満、好ましくは100nm未満、最も好ましくは20nm未満の薄い層として付着される。薄い層は、可能性のある貴金属成分のコストを下げるからである。本発明の一つの態様において、水素/酸素再結合触媒の被覆300、302は、フィルムまたは被覆300、302の中での気体の拡散を低減させるために、非孔質のものである。
【0044】
水素/酸素再結合触媒のフィルムと被覆は、例えば物理気相成長、化学気相成長、および当分野で知られているその他の薄膜被覆法によって付着させることができる。上に挙げた水素/酸素再結合触媒は担持された触媒の形態とすることができ(適当な担体材料はカーボンブラック、黒鉛化カーボンブラック、黒鉛、およびTiO2やZrO2などその他の酸化物系担体)、これはポリマー結合剤(例えばPTFE、PFSAイオノマー、キナール(kynar)など)を用いて薄い層として被覆することができる。しかし、所望の低い細孔率を与え、そしてプロトン伝導性膜を損傷するラジカルをあまり生成しないと一般に考えられている非担持水素/酸素再結合触媒を用いるのが最も好ましい。別の態様において、上に挙げた水素/酸素再結合触媒は低透過性の層の中に添加されてもよい。
【0045】
水素/酸素再結合触媒は低透過性の層50、52の全体の上に被覆されていてもよいが、より小さな窓51、53を有する低透過性の層だけに被覆しても十分である。図13に示すように、水素/酸素再結合触媒被覆302は、小さな窓を有するカソード側の低透過性の層52の上にある。しかし、本発明の範囲は、アノード側の低透過性の層50の方がより小さな窓51を有していて、そして水素/酸素再結合触媒被覆がアノード側の低透過性の層50の上にだけある、という態様を含む。小さい方の窓を有する低透過性の層に被覆される場合、水素/酸素再結合触媒は低透過性の層の全体に被覆されてもよく、あるいは膜の他方の面上で低透過性の層が始まる位置までの領域だけに被覆されてもよく、あるいはそれによって水素/酸素再結合層302が他方の低透過性の層50と、少なくとも25ミクロン、好ましくは250ミクロン、そして最も好ましくは1000ミクロンである距離Zだけ重なり合う。
【0046】
上のことから、水素/酸素再結合触媒は、低透過性の層50、52のいずれかまたは両者によって後に被覆されるであろう領域においてプロトン伝導性膜42の上に直接被覆されてもよい、ということが理解されるべきである。この場合、水素/酸素再結合触媒層300、302は好ましくは、低透過性の層50、52のそれぞれの内側の窓の端部51、53に至るまで全体に延びて、そして最も好ましくは500ミクロン以下まで各々の低透過性の層の内側の窓51、53の中に延びる。
【0047】
ここで図14を参照すると、本発明の別の態様には、除去可能な裏材料60の上のアノード触媒層44を含むアノード触媒のデカルコマニア58を設けることを含む方法が含まれる。アノード側の低透過性の層50は、アノード触媒層44の少なくとも一部と重なり合ってそれに固定されるように設けられる。場合によって、低透過性の層50はデカルコマニアの裏材料60に付着されてもよい。アノード側の水素/酸素再結合触媒層300は低透過性の層50の少なくとも一部を覆う。あるいは、アノード側の水素/酸素再結合触媒層300は膜42にすでに付着されていてもよい。同様に、除去可能な裏材料64の上のカソード触媒層46を含むカソード触媒のデカルコマニア62が設けられる。カソード側の低透過性の層52は、カソード触媒層46の一部と重なり合ってそれに固定されるように設けられる。場合によって、低透過性の層52はデカルコマニアの裏材料64に付着されてもよい。カソード側の水素/酸素再結合触媒層302は低透過性の層52の少なくとも一部を覆う。あるいは、カソード側の水素/酸素再結合触媒層302は膜42にすでに付着されていてもよい。アノードのデカルコマニア58、膜42およびカソードのデカルコマニア62は、前述したように、一緒に熱圧されてもよい。
【0048】
図15は本発明の別の態様を示し、これにおいては、アノード側の低透過性の層50の窓の内側端部51とアノード触媒層44の側端部101との間の間隙130は、触媒の端部101に沿って500マイクロメートル未満の距離Gとなっている。より好ましくは、間隙130の長さGは100マイクロメートル未満とすべきであり、最も好ましくは10マイクロメートル未満とすべきである。図15に示すように、間隙130は触媒層44の周囲に沿って一つの位置または複数の位置でランダムに生じるだろう。幾つかの位置において触媒層は低透過性の層50の上にランダムに延びていてもよく、あるいは全体で低透過性の層50に至るまで達していなくてもよい。間隙130は、必ずしもアノード触媒層44の側端部101の全長に沿って延びていなくてもよい。間隙130は、低透過性の層50と触媒層44が整合しないために、および/または触媒層44、46のそれぞれの側端部101、103が完全に真っ直ぐになっていないかもしれないために、複数の位置およびランダムな位置に生じるだろう。本発明が含むものは、500マイクロメートル未満、好ましくは100マイクロメートル未満、そして最も好ましくは10マイクロメートル未満の間隙130、132を有する集成体が改善された耐久性を有することを見出したことである。本発明の最も好ましい態様において、触媒層44、46のそれぞれの側端部101、103の全体に沿って、いずれの場所にも間隙130、132が存在しない。本発明の別の態様は、膜42、低透過性の層50、52、および触媒層44、46をここで説明するようにして組立てて、それによって間隙130、132が一貫して500マイクロメートル未満、好ましくは100マイクロメートル未満、そして最も好ましくは10マイクロメートル未満であるようにする方法を含む。本発明の一つの態様は、それぞれが膜42、低透過性の層50、52、および触媒層44、46を有する2000を超える集成体をここで説明するようにして連続的に組立てて、それによって間隙130、132が一貫して500マイクロメートル未満、好ましくは100マイクロメートル未満、そして最も好ましくは10マイクロメートル未満であるようにすることを含む。本発明の別の態様は、複数の集成体を製造することを含み、その製造は、膜42、低透過性の層50、52、および触媒層44、46をここで説明するようにして位置合わせすること、これらを共に接合すること、その位置合わせと接合の工程を繰り返すこと、そして接合した集成体のうちの少なくとも一つを定期的に検査し、間隙130、132が500マイクロメートルよりも大きい場合、好ましくは間隙130、132が100マイクロメートルよりも大きい場合、そして最も好ましくは10マイクロメートルよりも大きい場合に、各々の触媒層とそのそれぞれの低透過性の層の位置合わせを調整することを含む。
【0049】
本発明の説明は本質的に例示したものに過ぎず、本発明の要旨からはずれない変形は本発明の範囲内のものであることが意図されている。そのような変形は本発明の精神と範囲から離脱しているものとはみなされない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある第一の低透過性の層、この低透過性の層は窓の内側端部によって画定された貫通する開口を有している;
ここで、第一の低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
複数の側端部を有する第一の層、この第一の層は第一の低透過性の層における開口に収容される中央部分を有し、そして第一の層の中央部分は触媒を含んでいて、第一の層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても500マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない;
を含む製品。
【請求項2】
第一の触媒層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても100マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
第一の触媒層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても10マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項1に記載の製品。
【請求項4】
第一の触媒層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても間隙が存在しない、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
第一の低透過性の層はアノード表面の上にあり、そして膜のカソード表面の上にある第二の低透過性の層をさらに含み、この第二の低透過性の層は低透過性の層の窓の内側端部によって画定された貫通する開口を有していて、また複数の側端部を有する第二の層をさらに含み、この第二の層は第二の低透過性の層における開口に収容される中央部分を有し、そして第二の層の中央部分は触媒を含んでいて、第二の層の側端部と第二の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても500マイクロメートルよりも大きな間隙が存在せず、
ここで、第二の低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している、請求項1に記載の製品。
【請求項6】
第一の層の中央部分は第二の層の中央部分よりも大きい、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
第二の層の中央部分は第一の層の中央部分よりも大きい、請求項5に記載の製品。
【請求項8】
第一の層の側端部の各々が第二の層の対応する端部と重なり合っている、請求項5に記載の製品。
【請求項9】
第二の層の側端部の各々が第一の層の対応する端部と重なり合っている、請求項5に記載の製品。
【請求項10】
各々の低透過性の層は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項5に記載の製品。
【請求項11】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項12】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項13】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項14】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項15】
第二の触媒層の側端部と第二の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても100マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項5に記載の製品。
【請求項16】
第二の触媒層の側端部と第二の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても10マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項5に記載の製品。
【請求項17】
第二の触媒層の側端部と第二の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても間隙が存在しない、請求項5に記載の製品。
【請求項18】
第一の層は中央部分に接続された第一の周縁部分をさらに含み、第一の層の側端部の各々は第一の周縁部分の自由端であり、そして第一の周縁部分は触媒と低透過性材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項19】
第二の層は中央部分に接続された第二の周縁部分をさらに含み、第二の層の側端部の各々は第二の周縁部分の自由端であり、そして第二の周縁部分は触媒と低透過性材料のうちの少なくとも一つを含む、請求項5に記載の製品。
【請求項20】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある低透過性の層、この低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
複数の側端部を有する触媒層、この触媒層は低透過性の層における開口に収容される中央部分と低透過性の層と重なり合っている周縁部分とを有し、そして複数の側端部の各々は低透過性の層の上に置かれている;
ここで、低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
を含む製品。
【請求項21】
低透過性の層とイオン伝導性の膜の間に置かれた水素/酸素再結合層をさらに含む、請求項20に記載の製品。
【請求項22】
水素/酸素再結合触媒は、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、およびこれらの組合せ、これらの酸化物、およびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項20に記載の製品。
【請求項23】
低透過性の層は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項20に記載の製品。
【請求項24】
低透過性の層は、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項20に記載の製品。
【請求項25】
低透過性の層は80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項20に記載の製品。
【請求項26】
低透過性の層は77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項20に記載の製品。
【請求項27】
低透過性の層は77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項20に記載の製品。
【請求項28】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある低透過性の層;
ここで、低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
水素/酸素再結合触媒、この水素/酸素再結合触媒は、低透過性の層に含浸された触媒、および膜と低透過性の層との間に置かれた触媒からなる群から選択される少なくとも一つである;
を含む製品。
【請求項29】
水素/酸素再結合触媒は、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、およびこれらの組合せ、これらの酸化物、およびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項28に記載の製品。
【請求項30】
低透過性の層は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項28に記載の製品。
【請求項31】
低透過性の層は、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項28に記載の製品。
【請求項32】
第二の低透過性の層をさらに含み、この第二の低透過性の層は80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項28に記載の製品。
【請求項33】
第二の低透過性の層をさらに含み、低透過性の層のうちの少なくとも一つは77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項28に記載の製品。
【請求項34】
第二の低透過性の層をさらに含み、低透過性の層のうちの少なくとも一つは77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項28に記載の製品。
【請求項35】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面の上にあるアノード側の低透過性の層、このアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
少なくとも中央部分を有するアノード触媒層、このアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口に収容される;
カソード表面の上にあるカソード側の低透過性の層、このカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
少なくとも中央部分を有するカソード触媒層、このカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口に収容される;
ここで、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
第一の水素/酸素再結合触媒層、この第一の水素/酸素再結合触媒層は、膜とアノード側の低透過性の層およびカソード側の低透過性の層のうちの一つとの間に置かれている;
を含む製品。
【請求項36】
第二の水素/酸素再結合触媒層をさらに含み、第一の水素/酸素再結合触媒層は膜とアノード側の低透過性の層の間に置かれていて、第二の水素/酸素再結合触媒層は膜とカソード側の低透過性の層の間に置かれている、請求項35に記載の製品。
【請求項37】
第一の水素/酸素再結合触媒層は、他の低透過性の層であってこれと膜との間に再結合触媒層が置かれていない低透過性の層の一部と重なり合っている、請求項35に記載の製品。
【請求項38】
第一の水素/酸素再結合触媒層は、他の低透過性の層であってこれと膜との間に再結合触媒層が置かれていない低透過性の層の一部と25〜1000ミクロンの範囲の距離だけ重なり合っている、請求項35に記載の製品。
【請求項39】
第一の水素/酸素再結合触媒層は、低透過性の層であってこれと膜との間に再結合触媒層が置かれていない低透過性の層の開口の中に延びている、請求項35に記載の製品。
【請求項40】
水素/酸素再結合触媒は、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、およびこれらの組合せ、これらの酸化物、およびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項35に記載の製品。
【請求項41】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項35に記載の製品。
【請求項42】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項35に記載の製品。
【請求項43】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項35に記載の製品。
【請求項44】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項35に記載の製品。
【請求項45】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項35に記載の製品。
【請求項46】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面の上にあるアノード側の低透過性の層、このアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
少なくとも中央部分を有するアノード触媒層、このアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口に収容される;
カソード表面の上にあるカソード側の低透過性の層、このカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
少なくとも中央部分を有するカソード触媒層、このカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口に収容される;
ここで、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
アノード触媒層に面している第一の表面を有するアノード側の気体拡散媒体、およびカソード触媒層に面している第二の表面を有するカソード側の気体拡散媒体、ここで、アノード触媒層は第一の表面の全体の長さに沿って延びてはおらず、カソード触媒層は第二の表面の全体の長さに沿って延びてはいない、という構成からなる群から選択される少なくとも一つの構成を有する;
を含む製品。
【請求項47】
アノード側の低透過性の層における開口は、カソード側の低透過性の層における開口の面積よりも大きい面積を有する、請求項46に記載の製品。
【請求項48】
アノード触媒層の中央部分はカソード触媒層の中央部分の面積よりも大きい、請求項46に記載の製品。
【請求項49】
アノード側の低透過性の層における開口は、カソード側の低透過性の層における開口の面積よりも大きい、請求項46に記載の製品。
【請求項50】
カソード側の低透過性の層における開口は、アノード側の低透過性の層における開口の面積よりも大きい、請求項46に記載の製品。
【請求項51】
アノード触媒層はアノード側の低透過性の層の少なくとも一部と重なり合っている周縁部分をさらに有する、請求項46に記載の製品。
【請求項52】
カソード触媒層はカソード側の低透過性の層の少なくとも一部と重なり合っている周縁部分をさらに有する、請求項46に記載の製品。
【請求項53】
アノード触媒層は中央部分だけからなり、アノード触媒層のその中央部分は、アノード側の低透過性の層から100マイクロメートル以下の距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有する、請求項46に記載の製品。
【請求項54】
カソード触媒層は中央部分だけからなり、カソード触媒層のその中央部分は、カソード側の低透過性の層から100マイクロメートル以下の距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有する、請求項46に記載の製品。
【請求項55】
アノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりアノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層との間にアノード側の間隙が存在し、そしてこのアノード側の間隙を埋めていて且つアノード触媒層の中央部分に接続されているアノード側の周縁層の部分をさらに含む、請求項46に記載の製品。
【請求項56】
アノード側の周縁層の部分は触媒を含む、請求項55に記載の製品。
【請求項57】
アノード側の周縁層の部分は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項55に記載の製品。
【請求項58】
カソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層との間にカソード側の間隙が存在し、そしてこのカソード側の間隙を埋めていて且つカソード触媒層の中央部分に係合されているカソード側の周縁層の部分をさらに含む、請求項46に記載の製品。
【請求項59】
カソード側の周縁層の部分は触媒を含む、請求項58に記載の製品。
【請求項60】
カソード側の周縁層の部分は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項58に記載の製品。
【請求項61】
アノード側の周縁層の部分はアノード側の低透過性の層の少なくとも一部の上に延びている、請求項55に記載の製品。
【請求項62】
アノード側の周縁層の部分はアノード側の低透過性の層の少なくとも一部の上に延びている、請求項58に記載の製品。
【請求項63】
低透過性の層の各々は、前記イオン伝導性の部材を通しての反応物質の気体の透過を少なくとも抑制する、請求項58に記載の製品。
【請求項64】
低透過性の層の各々は、前記イオン伝導性の部材の一方の側から前記周縁における他方の側への反応物質の気体の透過を少なくとも抑制する、請求項58に記載の製品。
【請求項65】
前記透過性は、水素の透過性、酸素の透過性、または両者である、請求項58に記載の製品。
【請求項66】
低透過性の層の各々は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項46に記載の製品。
【請求項67】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項46に記載の製品。
【請求項68】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項46に記載の製品。
【請求項69】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項46に記載の製品。
【請求項70】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項46に記載の製品。
【請求項71】
アノード触媒層の上にアノード側の気体拡散媒体層を配置し、このアノード側の気体拡散媒体層の上に第一の両極性板を配置すること、およびカソード触媒層の上にカソード側の気体拡散媒体層を配置し、このカソード側の気体拡散媒体層の上に第二の両極性板を配置することをさらに含む、請求項46に記載の製品。
【請求項72】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面の上にあるアノード側の低透過性の層、このアノード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
少なくとも中央部分を有するアノード触媒層、このアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口に収容される;
カソード表面の上にあるカソード側の低透過性の層、このカソード側の低透過性の層はこれを貫通する開口を有している;
少なくとも中央部分を有するカソード触媒層、このカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口に収容される;
ここで、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
アノード触媒層に面している第一の表面を有するアノード側の気体拡散媒体、およびカソード触媒層に面している第二の表面を有するカソード側の気体拡散媒体;
このとき、アノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層の各々は膜に接合されているがしかしアノード側の気体拡散媒体には接合されておらず、そしてカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層の各々は膜に接合されているがしかしカソード側の気体拡散媒体には接合されていない;
を含む製品。
【請求項73】
アノード側の気体拡散媒体とアノード触媒層の中央部分との間に置かれたアノード側の微孔質層をさらに含み、しかしアノード触媒層はアノード側の微孔質層に接合されていない、請求項72に記載の製品。
【請求項74】
カソード側の気体拡散媒体とカソード触媒層の中央部分との間に置かれたカソード側の微孔質層をさらに含み、しかしカソード触媒層はカソード側の微孔質層に接合されていない、請求項72に記載の製品。
【請求項75】
アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層のうちの少なくとも一つは、ポリイミド、ポリエステルテレフタレート、ポリ二フッ化ビニリデンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項72に記載の製品。
【請求項76】
触媒層、低透過性の層および裏材料を含む集成体のデカルコマニアを有する製品であって、このとき触媒層と低透過性の層のうちの少なくとも一つは裏材料に付着されている、前記製品。
【請求項77】
低透過性の層の少なくとも一部は触媒層の一部と重なり合っている、請求項76に記載の製品。
【請求項78】
低透過性の層の少なくとも一部の上にある水素/酸素再結合層をさらに含む、請求項76に記載の製品。
【請求項79】
水素/酸素再結合触媒は、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、およびこれらの組合せ、これらの酸化物、およびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項78に記載の製品。
【請求項80】
低透過性の層と触媒層の両者は裏材料に付着されている、請求項76に記載の製品。
【請求項81】
複数の燃料電池を含む燃料電池積層体を有する製品であって、複数の燃料電池の各々は:
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある第一の低透過性の層、この低透過性の層は窓の内側端部によって画定された貫通する開口を有している;
ここで、第一の低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
複数の側端部を有する第一の層、この第一の層は第一の低透過性の層における開口に収容される中央部分を有し、そして第一の層は触媒を含んでいる;
を含む集成体を有していて、
そして、燃料電池積層体の実質的に全ての燃料電池について、第一の層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても500マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、前記製品。
【請求項82】
燃料電池積層体の実質的に全ての燃料電池について、第一の触媒層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても100マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項81に記載の製品。
【請求項83】
燃料電池積層体の実質的に全ての燃料電池について、第一の触媒層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても10マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項81に記載の製品。
【請求項84】
燃料電池積層体の実質的に全ての燃料電池について、第一の触媒層の側端部と第一の低透過性の層の窓の内側端部のいずれに沿っても間隙が存在しない、請求項81に記載の製品。
【請求項85】
低透過性の層は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリ二フッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項81に記載の製品。
【請求項86】
低透過性の層は、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項81に記載の製品。
【請求項87】
低透過性の層は80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項81に記載の製品。
【請求項88】
低透過性の層は77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項81に記載の製品。
【請求項89】
低透過性の層は77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項81に記載の製品。
【請求項90】
プロトン伝導性の膜の上に低透過性の層を付着させること、この低透過性の層は窓の内側端部によって画定された開口を有する;
膜の上に触媒層を付着させ、それによって中央部分の触媒層が開口に収容されるようにすること、この触媒層は少なくとも一つの側端部を有し、低透過性の層と触媒層は、触媒層の側端部の全体の長さに沿って触媒の側端部と窓の内側端部との間で500マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しないように配置される;
を含む方法。
【請求項91】
触媒層の側端部の全体の長さに沿って触媒の側端部と窓の内側端部との間で100マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
触媒層の側端部の全体の長さに沿って触媒の側端部と窓の内側端部との間で10マイクロメートルよりも大きな間隙が存在しない、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
低透過性の層を付着させることは、低透過性の材料をコーティングすること、低透過性の材料をスプレーすること、低透過性の材料をスクリーン印刷すること、および低透過性の材料を含むデカルコマニアを付着させること、からなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
膜の上に低透過性の層を付着させる前に膜の上に接着剤を置くことをさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
触媒層を付着させることは、触媒を含む材料をコーティングすること、触媒を含む材料をスプレーすること、触媒を含む材料をスクリーン印刷すること、および触媒を含む材料を含むデカルコマニアを付着させること、のうちの少なくとも一つを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
膜を用意すること、この膜の上の低透過性の層を用意すること、この低透過性の層は窓の内側端部によって画定された貫通する開口を有している、およびこの開口に収容される中央部分を有する触媒層を用意すること、この触媒層は少なくとも一つの側端部を有する;
窓の内側端部に沿って低透過性の層の上に、そして触媒層の側端部に沿って触媒層の上に第一の層を配置すること、この第一の層は触媒と低透過性材料のうちの少なくとも一つを含んでいる、
を含む方法。
【請求項97】
第一の層を配置することは、材料をコーティングすること、材料をスプレーすること、材料をスクリーン印刷すること、および上に第一の層を有するデカルコマニアを付着させること、のうちの少なくとも一つを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
第一の層が接合するかまたは張り合わされるように低透過性の層を選択することをさらに含む、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
膜と触媒層への低透過性の層の改善された接合または付着を与えるために、低透過性の層を前処理することをさらに含む、請求項96に記載の方法。
【請求項100】
第一の層を配置することは、触媒層の側端部に沿って流動性の材料を塗布することを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項101】
膜、低透過性の層および触媒層を位置合わせすること、このとき低透過性の層はこれを貫通するように形成されて窓の内側端部によって画定された開口を有していて、触媒層は低透過性の層における開口と位置合わせされる中央部分を有し、また触媒層は側端部を有する;
膜、低透過性の層および触媒層を共に接合し、それによって製品を製造すること;
位置合わせと接合の工程を繰り返して複数の製品を製造すること、そして製品のうちの少なくとも一つを定期的に検査し、そして窓の内側端部と側端部の間に500マイクロメートルよりも大きい間隙が存在する場合、低透過性の層に対する触媒層の位置合わせを調整すること;
を含む方法。
【請求項102】
低透過性の層に対する触媒層の位置合わせの調整は、間隙が100マイクロメートルよりも大きい場合に行われる、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
低透過性の層に対する触媒層の位置合わせの調整は、間隙が10マイクロメートルよりも大きい場合に行われる、請求項101に記載の方法。
【請求項104】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒は、アノードの低透過性の層とカソードの低透過性の層のうちの少なくとも一つの中に含浸された触媒、膜の上に被覆された触媒、およびアノードの低透過性の層とカソードの低透過性の層のうちの少なくとも一つの上に被覆された触媒のうちの少なくとも一つである、請求項101に記載の方法。
【請求項105】
膜、低透過性の層および触媒層を位置合わせすること、このとき低透過性の層はこれを貫通するように形成されて窓の内側端部によって画定された開口を有していて、触媒層は低透過性の層における開口と位置合わせされる中央部分を有し、また触媒層は側端部を有する;
膜、低透過性の層および触媒層を共に接合し、それによって製品を製造すること;
位置合わせと接合の工程を少なくとも2000の連続する回数繰り返して少なくとも2000の製品を製造すること、このとき各々の製品は窓の内側端部と側端部の間に500マイクロメートルよりも大きい間隙を有していない;
を含む方法。
【請求項106】
各々の製品は窓の内側端部と側端部の間に100マイクロメートルよりも大きい間隙を有していない、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
各々の製品は窓の内側端部と側端部の間に10マイクロメートルよりも大きい間隙を有していない、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
各々の製品は窓の内側端部と側端部の間に間隙を有していない、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
第一の表面と第二の表面を有するイオン伝導性の膜を用意すること;
第一の表面と第二の表面のうちの一つの上にデカルコマニアの集成体を配置すること、このデカルコマニアの集成体は少なくとも中央部分を有する第一の触媒層と貫通する開口を有する第一の低透過性の層と裏材料を含み、このとき第一の低透過性の層の少なくとも一部は第一の触媒層の一部と重なり合い、これにより第一の触媒層の中央部分は第一の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
集成体のデカルコマニアと膜を一緒に熱圧し、それによって第一の触媒層の中央部分が第一の低透過性の層における開口の中に収容されるようにすること;
集成体のデカルコマニアから裏材料を除去すること;
そしてこのとき、第一の低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
を含む方法。
【請求項110】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒は、第一の低透過性の層の中に含浸された触媒および第一の低透過性の層と膜のうちの少なくとも一つの上に被覆された触媒からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
集成体のデカルコマニアの第一の低透過性の層の上の水素/酸素再結合触媒の被覆をさらに含む、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
集成体のデカルコマニアの第一の低透過性の層の上の水素/酸素再結合触媒の被覆をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒の被覆は第一の低透過性の層の開口の中に延びている、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
水素/酸素再結合触媒は、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、およびこれらの組合せ、これらの酸化物、およびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜を用意すること;
アノード触媒のデカルコマニアを配置すること、このデカルコマニアは少なくとも中央部分を有するアノード触媒層と貫通する開口を有するアノード側の低透過性の層と裏材料を含み、これによりアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
カソード触媒のデカルコマニアを配置すること、このデカルコマニアは少なくとも中央部分を有するカソード触媒層と貫通する開口を有するカソード側の低透過性の層と裏材料を含み、これによりカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
アノード触媒のデカルコマニア、アノード側の低透過性の層、膜、カソード触媒のデカルコマニア、カソード側の低透過性の層を一緒に熱圧すること、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容され、そしてカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容される;
アノード触媒のデカルコマニアとカソード触媒のデカルコマニアの各々から裏材料を除去すること;
そしてこのとき、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
を含む方法。
【請求項115】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒は、アノードの低透過性の層とカソードの低透過性の層のうちの少なくとも一つの中に含浸された触媒、膜の上に被覆された触媒、およびアノードの低透過性の層とカソードの低透過性の層のうちの少なくとも一つの上に被覆された触媒からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒はアノードの低透過性の層とカソードの低透過性の層のうちの少なくとも一つの上に被覆されている、請求項114に記載の方法。
【請求項117】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒はアノードの低透過性の層とカソードの低透過性の層のうちの少なくとも一つの中に含浸されている、請求項114に記載の方法。
【請求項118】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒は膜の上に被覆されている、請求項114に記載の方法。
【請求項119】
水素/酸素再結合触媒は、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ロジウム、Ag、Au、Sn、Si、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Ce、およびこれらの組合せ、これらの酸化物、およびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜を用意すること;
アノード表面の上にアノード側の低透過性の層を配置すること、このアノード側の低透過性の層は貫通する開口を有する;
少なくとも中央部分を有するアノード触媒層と裏材料を含むアノード触媒のデカルコマニアを配置すること、これによりアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
カソード表面の上にカソード側の低透過性の層を配置すること、このカソード側の低透過性の層は貫通する開口を有する;
少なくとも中央部分を有するカソード触媒層と裏材料を含むカソード触媒のデカルコマニアを配置すること、これによりカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
アノード触媒のデカルコマニア、アノード側の低透過性の層、膜、カソード触媒のデカルコマニア、カソード側の低透過性の層を一緒に熱圧すること、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容され、そしてカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容される;
アノード触媒のデカルコマニアとカソード触媒のデカルコマニアの各々から裏材料を除去すること;
そしてこのとき、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している;
を含む方法。
【請求項121】
アノード側の低透過性の層における開口はカソード側の低透過性の層における開口の面積よりも大きい面積を有する、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
アノード触媒層の中央部分は、カソード側の低透過性の層の開口の上にその周囲の全体に沿って延びている、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
膜は、過フッ素化スルホン酸ポリマーまたはその他のプロトン伝導性の膜を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項124】
カソード側の低透過性の層における開口は、アノード側の低透過性の層からその周囲の全体に沿ってアノード側の低透過性の層における開口と重なり合って内側に延びている、請求項120に記載の方法。
【請求項125】
アノード触媒層は、アノード側の低透過性の層の少なくとも一部と重なり合っている周縁部分をさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項126】
カソード触媒層は、カソード側の低透過性の層の少なくとも一部と重なり合っている周縁部分をさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項127】
アノード触媒層は中央部分だけからなり、アノード触媒層のその中央部分は、アノード側の低透過性の層から500マイクロメートル以下の距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有する、請求項120に記載の方法。
【請求項128】
カソード触媒層は中央部分だけからなり、カソード触媒層のその中央部分は、カソード側の低透過性の層から500マイクロメートル以下の範囲の距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有する、請求項120に記載の方法。
【請求項129】
アノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりアノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層との間にアノード側の間隙が存在し、そして充填材と揮発性ビヒクルを含む材料を少なくともアノード側の間隙の中に流入させてこれを埋めて、そしてビヒクルを蒸発させることをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項130】
充填材は触媒を含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
充填材は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
アノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりアノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層との間にアノード側の間隙が存在し、そして充填材と揮発性ビヒクルを含む材料をアノード側の間隙の中に流入させてこの間隙を埋めるとともにアノード側の低透過性の層の少なくとも一部の上に流すこと、そしてビヒクルを蒸発させることによってアノード触媒層の中央部分に接続されたアノードの周縁部分の層を付与することをさらに含む、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
充填材は触媒を含む、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
充填材は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
カソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層との間にカソード側の間隙が存在し、そして充填材と揮発性ビヒクルを含む材料を少なくともカソード側の間隙の中に流入させてこれを埋めて、そしてビヒクルを蒸発させることをさらに含む、請求項132に記載の方法。
【請求項136】
充填材は触媒を含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
充填材は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
カソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層との間にカソード側の間隙が存在し、そして充填材と揮発性ビヒクルを含む材料をカソード側の間隙の中に流入させてこの間隙を埋めるとともにカソード側の低透過性の層の少なくとも一部の上に流すこと、そしてビヒクルを蒸発させることによってカソード触媒層の中央部分に接続されたカソードの周縁部分の層を付与することをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
充填材は触媒を含む、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
充填材は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項138に記載の方法。
【請求項141】
低透過性の層の各々は、前記イオン伝導性の膜を通しての反応物質の気体の透過を少なくとも抑制する、請求項120に記載の方法。
【請求項142】
低透過性の層の各々は、前記イオン伝導性の膜の一方の側から周縁における他方の側への反応物質の気体の透過を少なくとも抑制する、請求項120に記載の方法。
【請求項143】
前記透過性は、水素の透過性、酸素の透過性、または両者である、請求項120に記載の方法。
【請求項144】
低透過性の層の各々は、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、シリコーン、および熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項145】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) 未満の水素透過性を有する材料を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項146】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、80℃および100%RHにおいて測定して1×10−9(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) から2×10−10(ml(STP)-cmthick)/(s-cm2-cmHg) までの範囲の水素透過性を有する材料を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項147】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、77oFおよび100%RHにおいて測定して3500cc-mil/(100in2-24hr-atm) 未満の酸素透過性を有する材料を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項148】
低透過性の層のうちの少なくとも一つは、77oFおよび100%RHにおいて測定して3.4cc-mil/(100in2-24hr-atm) から200cc-mil/(100in2-24hr-atm) までの範囲の酸素透過性を有する材料を含む、請求項120に記載の方法。
【請求項149】
アノード触媒層の上にアノード側の気体拡散媒体層を配置し、このアノード側の気体拡散媒体層の上に第一の両極性板を配置すること、およびカソード触媒層の上にカソード側の気体拡散媒体層を配置し、このカソード側の気体拡散媒体層の上に第二の両極性板を配置することをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項150】
熱圧することは、アノード触媒のデカルコマニア、アノード側の低透過性の層、膜、カソード側の低透過性の層、およびカソード層を280Fから400Fまでの範囲の温度に加熱すること、そしてこれらに100psiから500psiまでの範囲の圧力を加えることを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項151】
水素/酸素再結合触媒をさらに含み、この水素/酸素再結合触媒は、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層のうちの少なくとも一つの中に含浸された触媒、およびアノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層と膜のうちの少なくとも一つの上に被覆された触媒からなる群から選択される少なくとも一つのものである、請求項120に記載の方法。
【請求項152】
アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の両者および膜の上の水素/酸素再結合触媒の被覆をさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項153】
アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層と膜のうちの一つの上の水素/酸素再結合触媒の被覆をさらに含み、このときこの水素/酸素再結合触媒の被覆は他の低透過性の層の一部と重なり合っている、請求項120に記載の方法。
【請求項154】
アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層と膜のうちの一つの上の水素/酸素再結合触媒の被覆をさらに含み、このときこの水素/酸素再結合触媒の被覆は他の低透過性の層の一部と25〜1000ミクロンの範囲の距離だけ重なり合っている、請求項120に記載の方法。
【請求項155】
アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層のうちの一つに付着した水素/酸素再結合触媒の被覆をさらに含み、このときこの水素/酸素再結合触媒の被覆は上に再結合触媒が付着している低透過性の層の開口の中に延びている、請求項120に記載の方法。
【請求項156】
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜を用意すること;
アノード表面の上にアノード側の低透過性の層を配置すること、このアノード側の低透過性の層は貫通する開口を有する;
本質的にアノード触媒層の中央部分と裏材料からなるアノード触媒のデカルコマニアを配置すること、これによりアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
カソード表面の上にカソード側の低透過性の層を配置すること、このカソード側の低透過性の層は貫通する開口を有する;
本質的にカソード触媒層の中央部分と裏材料からなるカソード触媒のデカルコマニアを配置すること、これによりカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口と位置合わせされる;
アノード触媒のデカルコマニア、アノード側の低透過性の層、膜、カソード触媒のデカルコマニア、カソード側の低透過性の層を一緒に熱圧すること、それによってアノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層における開口の中に収容され、そしてカソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層における開口の中に収容される;
アノード触媒のデカルコマニアから裏材料を除去し、そしてカソード触媒のデカルコマニアから裏材料を除去すること;
を含み、
アノード触媒層の中央部分はアノード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりアノード触媒層の中央部分とアノード側の低透過性の層との間にアノード側の間隙が存在し、そして第一の充填材と第一の揮発性ビヒクルを含む第一の材料を少なくともアノード側の間隙の中に流入させてこれを埋めて、そして第一のビヒクルを蒸発させることをさらに含み;
カソード触媒層の中央部分はカソード側の低透過性の層からある距離だけ離れた少なくとも一つの側端部を有していて、それによりカソード触媒層の中央部分とカソード側の低透過性の層との間にカソード側の間隙が存在し、そして第二の充填材と第二の揮発性ビヒクルを含む第二の材料を少なくともカソード側の間隙の中に流入させてこれを埋めて、そして第二のビヒクルを蒸発させることをさらに含み;
そしてこのとき、アノード側の低透過性の層とカソード側の低透過性の層の各々はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している、前記方法。
【請求項157】
第一の充填材と第二の充填材のうちの少なくとも一つは触媒を含む、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
第一の充填材と第二の充填材のうちの少なくとも一つは、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、およびシリコーンからなる群から選択される少なくとも一つのものを含む、請求項156に記載の方法。
【請求項159】
複数の燃料電池を含む燃料電池積層体を有する製品であって、燃料電池積層体の燃料電池の実質的に全てのものは:
アノード表面とカソード表面を有するイオン伝導性の膜;
アノード表面とカソード表面のうちの少なくとも一つの上にある低透過性の層、この低透過性の層は貫通する開口を有していて、また低透過性の層は複数の側部を有している;
複数の側端部を有する触媒層、この触媒層は低透過性の層における開口に収容される中央部分と触媒層の各々の側端部についての周縁部分とを有していて、各々の周縁部分は低透過性の層と重なり合っていて、複数の側端部の各々は低透過性の層の側部のうちの一つに沿って低透過性の層の上に置かれている;
を含む集成体を有していて、そして
低透過性の層はイオン伝導性の膜の透過性よりも低い透過性を有している、前記製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−124238(P2011−124238A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−16734(P2011−16734)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【分割の表示】特願2007−523823(P2007−523823)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(590001407)ゼネラル・モーターズ・コーポレーション (118)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL MOTORS CORPORATION
【Fターム(参考)】