説明

第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物

【課題】陰イオン界面活性剤としてより高い洗浄力、乳化力を持った高い機能を有する第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物を提供する。
【解決手段】第2アルコールエトキシレート硫酸化物含有組成物において、その組成が水、または炭素数3以下のアルコールの含有率が30〜75質量%、残り25〜65質量%が界面活性剤であり、下記一般式(1)
【化6】


(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数、pはMの価数を表し、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、または置換アンモニウムイオンを表わす。)で表される第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が該組成物中の界面活性剤中の割合として80〜90質量%含有され、かつ、
下記一般式(2)
【化7】


(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数を表す。)で表される第2アルコールエトキシレートを該組成物中の界面活性剤中の割合として10〜20質量%含有されてなる第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2アルコールエトキシレートの硫酸化物塩含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコールエトキシレートの硫酸化物塩は、陰イオン界面活性剤として洗浄力、気泡力、溶解性、乳化力、耐硬水性、低温安定性、破泡性、生分解性に優れ、さらに皮膚刺激性が極めて少ないため、工業用および家庭用の洗浄剤組成物、化粧品、シャンプー組成物に使用される。
【0003】
陰イオン界面活性剤としては、アルキルアリルスルホン酸塩、第1アルコール硫酸エステル塩、第1アルキルエーテル硫酸エステル塩、第2アルキルエーテル硫酸エステル塩などが知られているが、アルキルアリルスルホン酸塩、特に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、生分解性に乏しいことから環境に対して、悪影響を及ぼすので、規制される方向にある。
【0004】
また、アルキルアリルスルホン酸塩、第1アルコール硫酸エステル塩などは、水の硬度の影響を受けやすく、水溶性も乏しい。
【0005】
第1アルキルエーテル硫酸エステル塩については、粘度が高く、ゲル化しやすいばかりではなく、表面張力、浸透力など界面活性能も不十分で、さらに洗浄力、乳化力も十分とはいえない。
【0006】
一方、公知の第2アルキルエーテル硫酸エステル塩については、既存の第1アルコール硫酸エステル塩や第1アルキルエーテル硫酸エステル塩に比して、低粘度でゲル化しがたいので、取り扱いしやすく、表面張力、浸透力も良好で、泡切れもよく、洗浄力、乳化力も優れ有用である。
【0007】
アルコールエトキシレートの硫酸化物塩の製造に関しては従来より種々の検討がなされており、硫酸化剤として硫酸、クロルスルホン酸(特許文献1参照)、三酸化硫黄、スルファミン酸(特許文献2参照)などが検討されている。このうち三酸化硫黄が最も安価なため広く用いられており、例えば、被硫酸化物のアルコールエトキシレートを垂直円筒管に薄膜状に流し、該薄膜流と並流に不活性ガスで希釈された三酸化硫黄を流すことにより接触させ、硫酸化を行う連続式の製造方法が多く提案されている(特許文献3,4参照)。
従来公知のもので製造されたアルコールエトキシレートの硫酸化物塩を陰イオン界面活性剤として用いた場合、油脂成分の多い汚染物に対して洗浄力、乳化力が不十分であった。
【0008】
【特許文献1】特公平4−25943号公報明細書
【特許文献2】日本国特許1643141号公報明細書
【特許文献3】米国特許3839391号公報明細書
【特許文献4】米国特許4097242号公報明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では、陰イオン界面活性剤としてより高い洗浄力、乳化力を持った高い機能を有する第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、組成物中の界面活性剤中の割合として第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩を80〜90質量%含有し、かつ、第2アルコールエトキシレートを10〜20質量%含有することにより高い洗浄力、乳化力を持つ硫酸化物塩含有組成物を提供できるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によると、高い洗浄力、乳化力を持つ硫酸化物塩含有組成物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者らは、高い洗浄力、乳化力を持つ硫酸化物塩含有組成物として第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物の検討を重ねたところ、第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩に第2アルコールエトキシレートを共存させることで、驚くべきことに油脂成分の多い汚染物に対してより高い洗浄力を示すを見い出し、本発明に至った。
【0013】
すなわち本発明は、陰イオン界面活性剤の組成に関するものである。
すなわち、第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩を含有する組成物において、その組成が水または炭素数が3以下のアルコールが30〜75質量%、界面活性剤濃度が25〜65質量%であり、
下記一般式(1)
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数、pはMの価数を表し、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、または置換アンモニウムイオンを表わす。)で表される第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が、該組成物中の界面活性剤中の割合として80〜90質量%含有されてなる第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物に関する。
本発明の他の発明は、第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩を含有する組成物において、その組成が水または炭素数が3以下のアルコールが30〜75質量%、界面活性剤濃度が25〜65質量%であり、
下記一般式(1)
【0016】
【化2】

【0017】
(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数、pはMの価数を表し、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、または置換アンモニウムイオンを表わす。)で表される第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が該組成物中の界面活性剤中の割合として80〜90質量%含有され、かつ、下記一般式(2)
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数を表す。)で表される第2アルコールエトキシレートを該組成物中の界面活性剤中の割合として10〜20質量%含有されてなる第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物に関する。
【0020】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明で用いる第2アルコールエトキシレートは、種々の方法により製造することができる。
【0021】
例えば、炭素数8〜20の直鎖パラフィンの酸化によって得られた第2アルコールにエチレンオキサイドやエチレンカーボネートを用いてエトキシ化する方法、具体的には、日本国特許第809426号に飽和脂肪族炭化水素を硼素化合物存在下に分子状酸素含有ガスで液相酸化して第2級アルコールを合成する方法が記載されており、日本国特許第764490号には主としてカルボニル化合物を不純物として含有するアルコール類を原料とし、アルコール類のアルキレンオキサイド付加物を製造する方法が記載されている。
【0022】
また、炭素数8〜20のオレフィンにエチレングリコールを付加する方法、具体的には、特開平10−168018号公報明細書に長鎖オレフィンと(ポリ)アルキレングリコールとを触媒存在下反応させて、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルを製造する方法が記載されている。
【0023】
本発明で用いる第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の製造には、種々の方法を用いることができる。
【0024】
原料アルコールエトキシレートとして、上記の第2アルコールエトキシレートを用い、硫酸化剤として硫酸、クロルスルホン酸、三酸化硫黄、スルファミン酸などが用いられる。
【0025】
本発明の硫酸化反応は発熱反応であり、必要以上の熱は副生物の生成を助長するので、除熱することが好ましい。本発明における反応器の形状は特に限定されるものではなく、槽型でも管型でもよい。また回分式でも連続式でもよい。
【0026】
反応時に、溶剤を用いて反応原料を希釈する方法も、除熱には有効である。
【0027】
硫酸化剤に硫酸、クロルスルホン酸、スルファミン酸が用いられる場合、反応には攪拌機を備えた槽型反応器や、管型反応器を用いることができる。反応は回分式でも連続式でも実施できるが、連続的な中和が可能なことから連続式が好ましい。
【0028】
反応器の材質は特に限定されるものではないが、機器の腐食や原料、生成物の分解抑制の観点からSUSやガラス等耐酸性の材質が好ましい。
【0029】
硫酸化剤に三酸化硫黄が用いられる場合は、三酸化硫黄は空気、窒素、炭酸ガス、亜硫酸ガスなどの不活性ガスで希釈して用いる。
【0030】
反応器の形状を例示すると、槽型反応器としては、例えば攪拌器を設けた反応器を2段に分け連続的に硫酸化する方法(パレステラ方式、USP3198849)などを用いることができる。
【0031】
管型反応器としては、反応原料を管壁に薄膜状に流し、三酸化硫黄をガスとして並流もしくは向流に供給し反応させる薄膜式反応器が多く提案されており(例えばベロール方式:USP3438742、アライド方式:USP3328460、リチャード方式:特公昭42−252、ステパン方式:特公昭43−13043、マゾニー方式:USP3931272、ケミソン方式:USP3839391、花王方式:USP4097242)いずれの装置も使用することができる。
【0032】
三酸化硫黄を用いた場合の特に好ましい反応方式は管型の並流薄膜式反応器である。
【0033】
反応器の材質は特に限定されるものではないが、機器の腐食や原料、生成物の分解抑制の観点からSUSやガラス等耐酸性の材質が好ましい。
【0034】
反応帯域へ供給される全ガス中の三酸化硫黄の濃度は0.1〜5.0容量%で色相のいい硫酸化物が得られる。更に好ましくは0.3〜3.0容量%で、特に好ましくは0.4〜2.5容量%である。前記下限値以上の場合は収率や生産性が向上する傾向があり、前記上限値以下の場合は色相が低くなる傾向があるので好ましい。
【0035】
並流薄膜式反応器において反応帯域へ供給される全ガスの平均流速は線速度にして4〜100m/sであり、更に好ましくは20〜80m/s、特に好ましくは30〜60m/sである。前記下限値以上の場合は第2アルコールエトキシレート液膜のガス流による拡散が良く、液膜が薄くなり均一な反応となるため、生成物の色相が低くなり収率向上が図られる。前記上限値以下の場合は液膜が保持されることで、収率向上が図られ、また、反応器内の圧損が小さくなることから運転に消費されるエネルギーが少なくなることから好ましい。
【0036】
並流薄膜式反応器への原料第2アルコールエトキシレートの供給速度は、三酸化硫黄供給速度と、第2アルコールエトキシレートと三酸化硫黄とのモル比により決定まる。原料モル比は、第2アルコールエトキシレートに対し、三酸化硫黄0.8〜1.2、好ましくは0.95〜1.05である。前記下限値以上の場合は反応が完結し、第2アルコールエトキシレートの転化率が向上することから製品数量が向上する傾向があり、前記上限値以下の場合は原料が分解しないので好ましい。
【0037】
反応温度は−20℃〜80℃、より好ましくは20℃〜60℃の範囲である。この反応は発熱反応であるため、反応温度を制御するため、ジャケット付の反応器の様な反応器壁面から除熱できる構造であることが好ましい。
【0038】
反応終了後、反応生成物は未反応三酸化硫黄を含む不活性ガスから分離する。分離は通常の方法で行えばよく、一般にサイクロン等を用いることができる。分離は、槽型反応器の場合、設定モル比まで三酸化硫黄を投入し硫酸化反応終結後、分離装置に投入し気液分離を行うことで実施できる。管型反応器の場合は、反応器出口から流出する液を連続的に分離器に導き気液分離を行うことで実施できる。
【0039】
本発明で得られる反応生成物は、苛性ソーダやアンモニア、エタノールアミン等のアルカリ性物質で中和されて、洗剤として使用される。中和行程はサイクロン等で気液分離した後行うことが好ましく、気液分離により三酸化硫黄を分離後30分以内に行うことが好ましく、より好ましくは15分以内である。前記上限値以下の場合は気液分離で除去しきれない三酸化硫黄や生成物である硫酸化物、他の酸性物質などにより副反応である生成物の分解反応を防ぐことから色相が低くなり、収率が向上するので好ましい。
【0040】
また、中和時には酸と塩基の反応のため中和熱が発生し温度が上昇すると分解反応が進行する。この分解反応を抑制するため除熱することが好ましく、50℃以下に除熱することが好ましく、より好ましくは40℃以下である。除熱方法は一般的な方法を適用できる。例えば、ジャケット付の管型の反応器や熱交換機を持った多管式反応器、冷却用コイルを持った槽型反応器などの装置を用いたり、硫酸化物を冷却するため溶媒で希釈した後中和したりすることができる。ここで、溶媒としては三酸化硫黄や塩基性物質に安定な物質であれば良く水や硫酸化物塩などが例示できる。
【0041】
本発明中の界面活性剤とは、脂肪酸塩、αスルホ脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミンなどのアニオン系界面活性剤、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムクロライドなどのカチオン系界面活性剤、アルキルカルボキシベタインなどの両性系界面活性剤などすべてを含む。
【0042】
本発明の第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩液組成物の組成としては、液組成物中の第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の濃度の下限値は20質量%であり、好ましくは25質量%である。下限値以上において高い洗浄力が得られるためは好ましい。上限値は70質量%、好ましくは65質量%であり、上限値以下とすることで第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩を色相良く製造することができるため好ましい。
【0043】
液組成物中の第2アルコールエトキシレートの濃度の下限値は5質量%、好ましくは10質量%である。下限値以上存在することで、従来技術の第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩組成物に比べ油脂成分の多い汚染物に対し洗浄力、乳化力がより向上するため好ましい。上限値は25質量%、好ましくは20質量%である。上限値以下であることで、第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の乳化力、洗浄力を阻害せずに、油脂成分の可溶化能が向上し好ましい。
【0044】
液組成物中には、水または炭素数が3以下のアルコールが含まれ、その下限値は25質量%、好ましくは30質量%である。下限値以上存在することで流動性が出るため好ましい。上限値は80質量%、好ましくは75質量%である。上限値以下であることで界面活性剤濃度が十分となり洗浄性が出るため好ましい。
【0045】
液組成物中には、上記の成分以外にも例えば、硫酸、硫酸ナトリウム、第2アルコール、第2アルコール硫酸塩などの成分を含むこともできる。
【0046】
硫酸化物塩の収率測定は、エプトン法で求められる。エプトン法とは、指示薬であるメチレンブルー塩酸塩と溶剤となるクロロホルムを被対象液に加え、ラウリル硫酸ナトリウムや臭化セチルピリジニウムを陽イオン活性剤の標準液として滴定し、クロロホルム相の青色が水相に移行した点を終点とするものである。
【0047】
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩と第2アルコールエトキシレートの含有組成物の製造方法には特に規定はないが、たとえば、第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩と第2アルコールエトキシレートの所定量を攪拌槽などで混合したり、第2アルコールエトキシレートの硫酸化反応で転化率を低く抑えることで製造できる。その際他の界面活性剤、たとえばアルコールなどの含酸素化合物を5質量%程度混合することができる。
また、界面活性剤以外の添加物も加えることができる。
【実施例】
【0048】
以下に本発明について実施例および比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
洗浄力の評価は次の方法で行う。
【0049】
1.台所用洗浄力
(評価方法) 食器皿に油汚れ液を注いで乾燥し、多数の油汚れ皿を調整する。合成した界面活性剤を所定濃度の水溶液としてスポンジに含ませ、油汚れ皿を連続的に洗浄して濯いだ後、目視により油汚れが落ちずに残っていると判断されるまでに洗浄した皿の枚数を数える。
【0050】
(食器皿) セラミック製、直径20cm
(油汚れ液組成(%)) 牛脂10.0、大豆油10.0、モノオレイン0.25、オイルレッド0.1、n−ヘキサン80.0。
【0051】
(乾燥) 温度25℃×時間30分
(合成品水溶液) 濃度0.02%、スポンジへの滴下量20g
(スポンジ) 台所一般洗浄用の市販品 W7.5cm×L11.0cm
(濯ぎ水) 水道水。
【0052】
2.濯ぎ性
(評価方法) 活性剤を塗った食器皿を静水中に所定時間浸し、引き上げ後に表面を感触で評価してベトツキ感が残っていないと判断されるまでに要した浸漬時間を計測する。
【0053】
(食器皿) セラミック製、直径20cm
(温度) 室温
(活性剤水溶液濃度) 0.5%
(添加量) 3.0g
(使用水) 純水。
【0054】
実施例1(硫酸化反応)
内径8mm、長さ1.5mの円筒状のSUS304製反応管を用い、気液の流れが上昇流並流となる条件で反応を行った。反応管の下部に設けたノズルから、不活性ガス(窒素)で0.67容量%に希釈した三酸化硫黄のガスを反応管内に流入させた。この混合ガスの温度は39℃であった。特開平10−168018、実施例1に基づき炭素鎖長が12であるオレフィンに1モルのエチレングリコールが付加した原料を合成した。この原料はエチレングリコールモノドデシルエーテルを98.0質量%、ドデカノール0.4質量%、ジエチレングリコールモノドデシルエーテル1.6質量%を含んでいた。この原料を7.5g/minの速度で反応管下部に設けた注入口から反応管内に注入し、反応管内壁に沿って薄膜状に上昇させた。全ガスの線速度は40m/sであり、また三酸化硫黄と第2アルコールエトキシレートとのモル比は0.90であった。発生した反応熱の一部は、反応管の外側を流れる50℃の水により除去させた。反応管を出た流体は、サイクロンによりガスと生成物に分離した。反応生成物は直ちに苛性ソーダ水溶液により中和し、第2アルコールエトキシレート硫酸塩の25質量%水溶液とした。
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の収率はエプトン法により83.3%であった。第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の収率はエプトン法により83.3%であることから、界面活性剤中の割合として第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が83.3質量%、原料の第2アルコールエトキシレートが16.6質量%であった。組成物中の界面活性剤含有量は30.0質量%、水が69.5質量%、その他が0.5質量%の組成物として得られた。
【0055】
実施例2
(硫酸化反応)
第2アルコールエトキシレートを8.0g/minの速度、すなわち三酸化硫黄と第2アルコールエトキシレートとのモル比は0.96とした以外は実施例1の方法で硫酸化反応を実施した。
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の収率はエプトン法により89.0%であった。
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の収率はエプトン法により89.0%であることから、界面活性剤中の割合として第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が89.0質量%、原料の第2アルコールエトキシレートが11.0質量%であった。組成物中の界面活性剤含有量は28.1質量%、水が71.3質量%、その他が0.6質量%の組成物として得られた。
【0056】
比較例1
(硫酸化反応)
第2アルコールエトキシレートを8.4g/minの速度、すなわち三酸化硫黄と第2アルコールエトキシレートとのモル比は1.01とした以外は実施例1の方法で硫酸化反応を実施した。
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の収率はエプトン法により93.3%であった。
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩の収率はエプトン法により93.3%であることから、界面活性剤中の割合として第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が93.3質量%、原料の第2アルコールエトキシレートが6.6質量%であった。組成物中の界面活性剤含有量は26.8質量%、水が72.6質量%、その他が0.6質量%の組成物として得られた。
実施例1,2、比較例1で得られた界面活性剤について、評価試験を行い、その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
比較例に比べ界面活性剤中の第2アルコールエトキシレートの割合が増加することで洗浄枚数が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の組成物は、洗浄力、乳化力に優れているので、工業用および家庭用の洗浄剤組成物、化粧品、シャンプー組成物として有用となる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物において、その組成が水、または炭素数3以下のアルコールの含有率が30〜75質量%、界面活性剤が25〜65質量%であり、
下記一般式(1)
【化1】

(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数、pはMの価数を表し、Mはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、または置換アンモニウムイオンを表わす。)で表される第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩が、該組成物中の界面活性剤中の割合として80〜90質量%含有されてなる第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物。
【請求項2】
下記一般式(2)
【化2】

(式中、x+y=5〜17、nは0以上の整数を表す。)で表される第2アルコールエトキシレートを該組成物中の界面活性剤中の割合として10〜20質量%含有されてなる請求項1記載の第2アルコールエトキシレート硫酸化物塩含有組成物。

【公開番号】特開2007−15939(P2007−15939A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195995(P2005−195995)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】