説明

筋電位センサ

【課題】筋電位検出電極の位置が多少ずれたとしても筋電位を感度よく検出でき、取扱いが容易で汎用性が高い筋電位センサを提供する。
【解決手段】筋電位検出電極4を3つ以上備えたセンサ部2と、センサ部2の各筋電位検出電極4から電位信号が入力され、当該電位信号を基に筋電位を検出する信号処理部10とを備え、信号処理部10は、筋電位の検出に先立ち、センサ部2を検出部位に装着して所定の動作を行った際に電位差が検出される筋電位検出電極4のペアを検出し、当該筋電位検出電極4のペアを動作と関連付けて記憶する電極ペア学習部18と、電極ペア学習部18で記憶した筋電位検出電極4のペア間の電位差を検出し、筋電位の検出を行う筋電位検出部19と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉が収縮する際に発生する筋電位を皮膚表面から検出する筋電位センサに
関するものである。
【背景技術】
【0002】
筋電位は、筋が収縮した結果として発生するものではなく、運動神経細胞からの神経パ
ルス列から発生する。図6に示すように、筋肉の活動は、脊髄60の中にあるα運動ニュ
ーロン61から始まる。α運動ニューロン61が脳からの指令や、脊髄60を経由する種
々の反射によって興奮すると、その興奮インパルスが神経軸索62を経て筋肉に伝わる。
筋肉に興奮インパルスが伝わると、興奮インパルスは、神経筋接続部63から、筋繊維6
4の端部に向かって伝搬していく。興奮が筋繊維64に伝わることで、筋繊維64が収縮
するが、この過程で電圧が発生する。
【0003】
したがって、図6に示すように、筋繊維64の興奮インパルスの伝搬路上に電極65を
設けることで、筋肉の活動状態に応じた筋電位を検出することができる。但し、筋繊維6
4に直接電極65を設ける方法は、必然的に侵襲的な計測となるため、医療現場で筋肉ご
との細かなデータが欲しい場合に限って実施される。
【0004】
他の方法としては、皮膚表面から筋電位信号を検出する方法が知られている。この方法
では、計測信号は様々な筋肉で発生する筋電位信号の干渉波形となってしまい、またSN
比も劣化してしまうが、簡易な計測方法として用いられている。
【0005】
皮膚表面から取得された筋電位は表面筋電位と呼ばれ、非侵襲的な計測が可能であるた
め、スポーツトレーニングやリハビリ等で筋肉の動作状態を大まかに計測する場合に用い
られる他、近年では、義手の制御やコンピュータの操作等、筋電位信号を制御に用いる方
法が研究されており、筋力の弱った人の筋力をサポートするパワーアシストスーツ等、実
用化の近い応用製品もできつつある。
【0006】
表面筋電位は、数mV程度の非常に小さな信号であるため、測定には、図7に示すよう
な、計装アンプ70を用いた差動増幅回路を利用して、人体に存在する筋電位と無関係な
同相ノイズ信号を除去する方法が採られている。
【0007】
計装アンプ70は、皮膚表面71に配置された2つの筋電位検出電極72,73から2
つの入力端子にそれぞれ入力された筋電位の差を増幅し、基準電位VREFを中心に出力す
るアンプである。計装アンプ70には、ゲイン(高域通過特性)を調整するゲイン調整回
路74が備えられる。
【0008】
ボディアース電極75は、人体の電位を基準電位VREFと等電位にすることにより、ハ
ムノイズ等の空間を伝わって人体へ結合するノイズを抑制する働きがある。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1〜3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−159722号公報
【特許文献2】特開2007−89676号公報
【特許文献3】特表2008−543453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、筋電位センサを、義手等の複雑な動きをする対象の制御へ応用することを考
えた場合、複数箇所の筋電位を同時計測することが必須である。また、筋電位センサは容
易に着脱可能な方が望ましく、衣服状の布状素材に多数の筋電位検出電極を設置し、着る
感覚で装着できるウェアラブルな筋電位センサ(衣服型表面筋電位センサ)が研究されて
いる。
【0012】
しかしながら、このようなウェアラブルな筋電位センサでは、装着するたびに筋電位検
出電極の位置(検出位置)がずれてしまい、筋電位の検出感度が低下し、最悪の場合、筋
電位を正常に検出できなくなるおそれがある。
【0013】
本発明者らが筋電位検出電極の位置ずれの影響について実験を行い検討したところ、筋
電位検出電極の位置が最適な位置からずれることにより検出感度が低下することはもちろ
ん、筋電位を検出する筋電位検出電極のペアの位置関係(筋繊維に対する角度など)が変
わると、検出する筋電位の大きさ、すなわち検出感度が変化することが確認された。
【0014】
したがって、ウェアラブルな筋電位センサを実現するにあたり、筋電位検出電極の位置
が多少ずれたとしても筋電位を感度よく検出できる、取扱いが容易な筋電位センサの実現
が望まれる。
【0015】
また、最適な筋電位検出電極の位置、すなわち最も検出感度が高くなる検出位置は、個
人差が大きく、筋電位を検出する筋電位検出電極のペアが固定された従来の筋電位センサ
では、人によっては筋電位を検出できない場合もあり、汎用性が低いという問題もあった

【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、筋電位検出電極の位置が多少ずれたとし
ても筋電位を感度よく検出でき、取扱いが容易で汎用性が高い筋電位センサを提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、2つの筋電位検出電極の電
位差を検出することにより、筋電位を検出する筋電位センサにおいて、前記筋電位検出電
極を3つ以上備えたセンサ部と、該センサ部の各筋電位検出電極から電位信号が入力され
、当該電位信号を基に筋電位を検出する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、筋電位
の検出に先立ち、前記センサ部を検出部位に装着して所定の動作を行った際に電位差が検
出される前記筋電位検出電極のペアを検出し、当該筋電位検出電極のペアを動作と関連付
けて記憶する電極ペア学習部と、該電極ペア学習部で記憶した前記筋電位検出電極のペア
間の電位差を検出し、筋電位の検出を行う筋電位検出部と、を有する筋電位センサである

【0018】
前記電極ペア学習部は、複数の動作について、当該動作を行った際に電位差が検出され
る前記筋電位検出電極のペアを検出し、当該筋電位検出電極のペアを動作と関連付けて記
憶するようにされ、前記信号処理部は、前記筋電位検出部が検出した筋電位と、前記電極
ペア学習部が記憶した前記筋電位検出電極のペアと動作の関係とを基に、行われる動作を
予測する動作予測部をさらに備えてもよい。
【0019】
前記電極ペア学習部は、所定の動作を行った際の、前記センサ部における前記筋電位検
出電極のペアの全ての組合せについて電位差を検出し、検出した電位差が所定のしきい値
よりも高い前記筋電位検出電極のペアを、動作と関連付けて記憶するようにされてもよい

【0020】
前記筋電位検出電極は、その電極形状が円形状に形成されてもよい。
【0021】
前記センサ部は、フレキシブルプリント基板と、該フレキシブルプリント基板に設けら
れた3つ以上の前記筋電位検出電極と、該筋電位検出電極の周囲を囲むように前記フレキ
シブルプリント基板に設けられたボディアース電極と、を有してもよい。
【0022】
前記センサ部と前記信号処理部とは、前記各筋電位検出電極と対応した複数の細径同軸
ケーブルにより電気的に接続され、前記細径同軸ケーブルの外部導体をボディアース配線
としてもよい。
【0023】
前記センサ部が布状素材に固定され、少なくとも前記細径同軸ケーブルの一部が前記布
状素材に縫い付けられてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、筋電位検出電極の位置が多少ずれたとしても筋電位を感度よく検出で
き、取扱いが容易で汎用性が高い筋電位センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態に係る筋電位センサの概略構成図である。
【図2】図1の筋電位センサの信号処理部における制御フローを示すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートにおける、学習モードの制御フローを示すフローチャートである。
【図4】図2のフローチャートにおける、動作モードの制御フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明において、電極ペア学習部が記憶するマトリクスデータの一例を示す図である。
【図6】筋電位の発生機構を説明する図である。
【図7】従来の筋電位検出回路の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0027】
図1は、本実施の形態に係る筋電位センサの概略構成図である。
【0028】
図1に示すように、筋電位センサ1は、センサ部2と、信号処理部10とを主に備える

【0029】
センサ部2は、フレキシブルプリント基板(以下、FPCという)3と、FPC3に設
けられた3つ以上の筋電位検出電極4と、筋電位検出電極4の周囲を囲むようにFPC3
に設けられたボディアース電極5とを有する。ここでは、n個の筋電位検出電極4をFP
C3に配置する場合を説明する。このセンサ部2は、衣服状の布状素材に固定され、検出
部位となる人体の皮膚表面に装着される部分である。
【0030】
FPC3は、積層基板からなり、内層に図示しない配線層を有する。本実施の形態では
、FPC3は略矩形状に形成される。FPC3の端部(図示右側の端部)には、n個の筋
電位検出電極4に対応したn個の電極6が形成されており、各筋電位検出電極4は、FP
C3の配線層を介して、対応する電極6にそれぞれ電気的に接続される。
【0031】
筋電位検出電極4は、FPC3の中央部に整列して配置される。本実施の形態では、筋
電位検出電極4は、偶数行と奇数行(あるいは偶数列と奇数列)でオフセットさせて千鳥
構造に配置される。奇数行の筋電位検出電極4は、偶数行の筋電位検出電極4の中間(図
示横方向の中間)に位置するようにオフセットして配置される。ただし、筋電位検出電極
4の配置形状はこれに限定されず、例えば格子状に配置してもよいし、規則的に配置せず
ランダムに配置するようにしてもよい。
【0032】
各筋電位検出電極4は、その電極形状が円形状(正面視で円形状)に形成される。検出
感度の観点から、筋電位検出電極4の電極長(直径)は5〜10mm程度、隣り合う筋電
位検出電極4の電極中心間隔は10〜20mm程度であることが望ましい。
【0033】
ボディアース電極5は、FPC3に配置されたn個の筋電位検出電極4全体を囲むよう
に配置される。本実施の形態では、ボディアース電極5を、略矩形状のFPC3の各辺に
沿うようにそれぞれ配置された4つの長方形状の電極で構成した。
【0034】
信号処理部10は、センサ部2の各筋電位検出電極4から電位信号が入力され、当該電
位信号を基に筋電位を検出するものである。信号処理部10には、センサ部2のn個の電
極6と対応したn個の電極11が形成されており、電極6とその電極6に対応する電極1
1とは、細径同軸ケーブル7の中心導体によりそれぞれ電気的に接続される。細径同軸ケ
ーブル7は、図示していないが、中心導体の外周に、絶縁層、外部導体、シースを順次形
成したものであり、その外径は、例えば160μm程度である。細径同軸ケーブル7は、
取扱いを容易とするため、少なくともその一部がセンサ部2が固定される布状素材に縫い
付けられ、布状素材と一体とされることが望ましい。
【0035】
細径同軸ケーブル7の外部導体はボディアース配線とされ、その一端がFPC3の配線
層を介してボディアース電極5に電気的に接続され、他端が後述する計装アンプ13の基
準電位VREF(例えば2.5V)と等電位に導通される。これにより、ボディアース電極
5が基準電位VREFと等電位となり、ボディアース電極5を皮膚表面に接触させると、人
体の電位を基準電位VREFと等電位とし、ハムノイズ等の空間を伝わって人体へ結合する
ノイズを抑制することができる。ボディアース電極5の面積(センサ部2を皮膚表面に装
着した際に皮膚表面に接触する面積)は、人体の電位を安定して基準電位VREFと等電位
にできるよう、適宜な面積に設定される。
【0036】
信号処理部10は、上述のn個の電極11と、そのn個の電極11に対応したn個のバ
ッファアンプ12と、2つのマルチプレクサA,Bと、計装アンプ13と、A/Dコンバ
ータ14と、CPUとメモリ(RAM、ROM)からなる処理部15と、有線通信用の出
力部16と、無線通信用の無線ユニット17とを備えている。
【0037】
各電極11は、対応するバッファアンプ12にそれぞれ電気的に接続される。各バッフ
ァアンプ12からの出力信号線は、分岐して2つのマルチプレクサA,Bの入力ポートに
それぞれ接続される。
【0038】
マルチプレクサA,Bは、n個の入力ポートと1個の出力ポートとを有し、n個の入力
ポートから入力されたn個の信号(つまり、各筋電位検出電極4から電極6、細径同軸ケ
ーブル7、電極11、バッファアンプ12を介して入力された電位信号)のうち1つを選
択して、出力ポートから出力するものである。両マルチプレクサA,Bの出力ポートに接
続された出力信号線は、計装アンプ13の入力端子にそれぞれ接続される。
【0039】
計装アンプ13は、2つの入力端子を有する差動アンプであり、それぞれの入力端子に
入力された信号の差、すなわち、マルチプレクサA,Bで選択された2つの筋電位検出電
極4の電位信号の電位差を増幅し、基準電位VREFを中心に出力するものである。計装ア
ンプ13には、図示していないが、ゲイン(高域通過特性)を調整するゲイン調整回路が
備えられる。
【0040】
計装アンプ13からの出力信号線は、A/Dコンバータ14に接続される。A/Dコン
バータ14は、計装アンプ13から出力された電位差の信号をデジタル信号に変換するも
のである。A/Dコンバータ14の出力信号線は処理部15に接続され、デジタル信号に
変換された電位差Voutの信号を処理部15に出力するようにされる。
【0041】
処理部15には、有線通信用の出力部16、無線通信用の無線ユニット17への出力信
号線がそれぞれ接続され、処理部15からの出力信号(筋電位の値を表す信号、あるいは
行われる動作を表す制御用信号。詳細は後述する。)を有線通信あるいは無線通信により
、外部機器(例えば義手やパワーアシストスーツなどの人体補助器具の制御装置、あるい
は生体計測用の端末など)に出力するようにされる。また、図示していないが、処理部1
5には、マルチプレクサA,Bを制御するための制御用信号線が接続されている。
【0042】
なお、本発明の筋電位センサ1を、義手やパワーアシストスーツなどの人体補助器具に
適用する場合、当該人体補助器具の制御装置に信号処理部10を組み込むようにしてもよ
い。この場合、無線ユニット17は省略可能である。また、本発明の筋電位センサ1を、
生体計測やロボットの遠隔操作に適用する場合などは、有線通信用の出力部16を省略し
て、無線通信用の無線ユニット17のみとしてもよい。
【0043】
さて、本実施の形態に係る筋電位センサ1では、信号処理部10は、筋電位の検出に先
立ち、センサ部2を検出部位に装着して所定の動作を行った際に電位差が検出される筋電
位検出電極4のペアを検出し、当該筋電位検出電極4のペアを動作と関連付けて記憶する
電極ペア学習部18と、電極ペア学習部18で記憶した筋電位検出電極4のペア間の電位
差を検出し、筋電位の検出を行う筋電位検出部19とを有している。これら電極ペア学習
部18、筋電位検出部19は、処理部15のCPUでプログラムを実行することにより実
現される。
【0044】
本実施の形態では、信号処理部10に(1)〜(5)の5つの設定スイッチ20を設け
、この設定スイッチ20のいずれかがオンとなっているとき、電極ペア学習部18が学習
を行うようにした。5つの設定スイッチ20には、用途に応じた動作がそれぞれ割り当て
られる。
【0045】
電極ペア学習部18は、設定スイッチ20のいずれかがオンとなっているとき、マルチ
プレクサA,Bを制御することにより、所定の動作を行った際の、センサ部2における筋
電位検出電極4のペアの全ての組合せ(n×(n−1)/2通りの組合せ)について電位
差Voutを検出し、検出した電位差Voutが所定のしきい値よりも高い筋電位検出電極4の
ペアを、動作と関連付けてメモリ(RAM)に記憶するようにされる。例えば、(1)の
設定スイッチ20がオンとなっている場合、電極ペア学習部18は、(1)の動作を行っ
たときに発生する電位差Voutが所定のしきい値よりも高くなった筋電位検出電極4のペ
アを、(1)の動作と関連付けてメモリに記憶する。
【0046】
また、本実施の形態では、電極ペア学習部18は、複数の動作(ここでは(1)〜(5
)の5つの動作)について、当該動作を行った際に電位差が検出される筋電位検出電極4
のペアを検出し、当該筋電位検出電極4のペアを動作と関連付けて記憶するようにされる

【0047】
筋電位検出部19は、設定スイッチ20が全てオフとなっているときに、処理部15の
メモリに記憶された筋電位検出電極4のペアを参照し、マルチプレクサA,Bを制御する
ことにより、電極ペア学習部18でピックアップされた筋電位検出電極4のペアを用いて
筋電位の検出を行うようにされる。つまり、筋電位検出部19は、電極ペア学習部18で
ピックアップされた感度の良好な筋電位検出電極4のペアのみを用いて、筋電位の検出を
行うようにされる。筋電位検出部19は、検出した筋電位の値を、有線通信用の出力部1
6、あるいは無線通信用の無線ユニット17を介して、外部機器に出力するようにされて
もよい。
【0048】
また、本実施の形態に係る筋電位センサ1では、信号処理部10は、筋電位検出部19
が検出した筋電位と、電極ペア学習部18が記憶した筋電位検出電極4のペアと動作の関
係とを基に、行われる動作を予測する動作予測部21をさらに備えている。動作予測部2
1は、上述の電極ペア学習部18、筋電位検出部19と同様に、処理部15のCPUでプ
ログラムを実行することにより実現される。
【0049】
動作予測部21は、筋電位検出部19が筋電位を検出した筋電位検出電極4のペアと、
検出された電位差Voutの値と、電極ペア学習部18がメモリに記憶した筋電位検出電極
4のペアと動作の関係とに基づき、行われる動作を予測する。なお、筋電位は筋肉が実際
に動く直前に検出されるので、動作予測部21は、未来に行われる動作(行おうとしてい
る動作)を予測することになる。動作予測部21は、予測した動作(この場合、(1)〜
(5)いずれかの動作)を基に制御用信号(制御用フレーム)を生成し、この制御用信号
を、有線通信用の出力部16、あるいは無線通信用の無線ユニット17を介して、外部機
器に出力するようにされる。
【0050】
次に、筋電位センサ1の信号処理部10における制御フローを図2〜4を用いて説明す
る。
【0051】
まず、メインルーチンについて図2を用いて説明する。
【0052】
図2に示すように、メインルーチンでは、まず、電極ペア学習部18が、(1)〜(5
)の設定スイッチ20のいずれかがONであるかを判断する(ステップS1)。ステップ
S1にて、設定スイッチ20のいずれかがONである(YES)と判断された場合、学習
モードの制御を行い(ステップS2)、ステップS3に進む。ステップS1にて、設定ス
イッチ20のいずれかがONでない(NO)、すなわち、設定スイッチ20がすべてオフ
であると判断された場合、学習モードの制御を行わずに、ステップS3に進む。ステップ
S3では、動作モードの制御を行う。動作モードの制御が終了すると、メインルーチンの
最初(ステップS1)に戻る(リターンする)。
【0053】
次に、ステップS2の学習モードの制御について図3を用いて説明する。
【0054】
なお、ここでは、義手の制御を行う場合を想定し、(1)〜(5)の設定スイッチ20
には、次のような動作を割り当てることとする。
(1)親指の曲げ伸ばし
(2)人指し指の曲げ伸ばし
(3)中指の曲げ伸ばし
(4)薬指の曲げ伸ばし
(5)小指の曲げ伸ばし
【0055】
図3に示すように、学習モードの制御では、まず、電極ペア学習部18が、(1)の設
定スイッチ20がONであるかを判断する(ステップS201)。ステップS201にて
、(1)の設定スイッチ20がONでない(NO)と判断された場合、ステップS206
に進む。
【0056】
ステップS201にて、(1)の設定スイッチ20がONである(YES)と判断され
た場合、電極ペア学習部18は、センサ部2における筋電位検出電極4のペアの全ての組
合せについて電位差Voutを測定する(ステップS202)。このとき、(1)の設定ス
イッチ20に割り当てた動作(ここでは、親指の曲げ伸ばし)を行う(ステップS203
)と、(1)の動作に対応した電位差Voutが測定される。
【0057】
その後、電極ペア学習部18は、(1)の設定スイッチ20がOFFであるかを判断す
る(ステップS204)。ステップS204にて、(1)の設定スイッチ20がOFFで
ない(NO)と判断された場合、ステップS202に戻り、電位差Voutの測定を続行す
る。ステップS204にて、(1)の設定スイッチ20がOFFである(YES)と判断
された場合、ステップS202にて測定した電位差Voutの値を記憶し(ステップS20
5)、ステップS206に進む。
【0058】
ステップS206では、電極ペア学習部18が、(2)の設定スイッチ20がONであ
るかを判断する。ステップS206にて、(2)の設定スイッチ20がONでない(NO
)と判断された場合、ステップS211に進む。
【0059】
ステップS206にて、(2)の設定スイッチ20がONである(YES)と判断され
た場合、電極ペア学習部18は、センサ部2における筋電位検出電極4のペアの全ての組
合せについて電位差Voutを測定する(ステップS207)。このとき、(2)の設定ス
イッチ20に割り当てた動作(ここでは、人指し指の曲げ伸ばし)を行う(ステップS2
08)と、(2)の動作に対応した電位差Voutが測定される。
【0060】
その後、電極ペア学習部18は、(2)の設定スイッチ20がOFFであるかを判断す
る(ステップS209)。ステップS209にて、(2)の設定スイッチ20がOFFで
ない(NO)と判断された場合、ステップS207に戻り、電位差Voutの測定を続行す
る。ステップS209にて、(2)の設定スイッチ20がOFFである(YES)と判断
された場合、ステップS207にて測定した電位差Voutの値を記憶し(ステップS21
0)、ステップS211に進む。
【0061】
ステップS211では、電極ペア学習部18が、(3)の設定スイッチ20がONであ
るかを判断する。ステップS211にて、(3)の設定スイッチ20がONでない(NO
)と判断された場合、ステップS216に進む。
【0062】
ステップS211にて、(3)の設定スイッチ20がONである(YES)と判断され
た場合、電極ペア学習部18は、センサ部2における筋電位検出電極4のペアの全ての組
合せについて電位差Voutを測定する(ステップS212)。このとき、(3)の設定ス
イッチ20に割り当てた動作(ここでは、中指の曲げ伸ばし)を行う(ステップS213
)と、(3)の動作に対応した電位差Voutが測定される。
【0063】
その後、電極ペア学習部18は、(3)の設定スイッチ20がOFFであるかを判断す
る(ステップS214)。ステップS214にて、(3)の設定スイッチ20がOFFで
ない(NO)と判断された場合、ステップS212に戻り、電位差Voutの測定を続行す
る。ステップS214にて、(3)の設定スイッチ20がOFFである(YES)と判断
された場合、ステップS212にて測定した電位差Voutの値を記憶し(ステップS21
5)、ステップS216に進む。
【0064】
ステップS216では、電極ペア学習部18が、(4)の設定スイッチ20がONであ
るかを判断する。ステップS216にて、(4)の設定スイッチ20がONでない(NO
)と判断された場合、ステップS221に進む。
【0065】
ステップS216にて、(4)の設定スイッチ20がONである(YES)と判断され
た場合、電極ペア学習部18は、センサ部2における筋電位検出電極4のペアの全ての組
合せについて電位差Voutを測定する(ステップS217)。このとき、(4)の設定ス
イッチ20に割り当てた動作(ここでは、薬指の曲げ伸ばし)を行う(ステップS218
)と、(4)の動作に対応した電位差Voutが測定される。
【0066】
その後、電極ペア学習部18は、(4)の設定スイッチ20がOFFであるかを判断す
る(ステップS219)。ステップS219にて、(4)の設定スイッチ20がOFFで
ない(NO)と判断された場合、ステップS217に戻り、電位差Voutの測定を続行す
る。ステップS219にて、(4)の設定スイッチ20がOFFである(YES)と判断
された場合、ステップS217にて測定した電位差Voutの値を記憶し(ステップS22
0)、ステップS221に進む。
【0067】
ステップS221では、電極ペア学習部18が、(5)の設定スイッチ20がONであ
るかを判断する。ステップS221にて、(5)の設定スイッチ20がONでない(NO
)と判断された場合、ステップS226に進む。
【0068】
ステップS221にて、(5)の設定スイッチ20がONである(YES)と判断され
た場合、電極ペア学習部18は、センサ部2における筋電位検出電極4のペアの全ての組
合せについて電位差Voutを測定する(ステップS222)。このとき、(5)の設定ス
イッチ20に割り当てた動作(ここでは、小指の曲げ伸ばし)を行う(ステップS223
)と、(5)の動作に対応した電位差Voutが測定される。
【0069】
その後、電極ペア学習部18は、(5)の設定スイッチ20がOFFであるかを判断す
る(ステップS224)。ステップS224にて、(5)の設定スイッチ20がOFFで
ない(NO)と判断された場合、ステップS222に戻り、電位差Voutの測定を続行す
る。ステップS224にて、(5)の設定スイッチ20がOFFである(YES)と判断
された場合、ステップS222にて測定した電位差Voutの値を記憶し(ステップS22
5)、ステップS226に進む。
【0070】
ステップS226では、電極ペア学習部18が、ステップS205,S210,S21
5,S220,S225で記憶した電位差Voutの値を、(1)〜(5)の動作と関連付
けてメモリに記憶する。この電極ペア学習部18が記憶する電位差Voutの値と動作との
関係を表すデータベースを、ここではマトリクスデータと呼称する。図5に、電極ペア学
習部18が記憶するマトリクスデータの一例を示す。
【0071】
図5のマトリクスデータでは、例えば、(1)の動作を行ったときに、1番の筋電位検
出電極4と3番の筋電位検出電極4との間で小さい電位差Voutが測定され、かつ、2番
の筋電位検出電極4と3番の筋電位検出電極4との間で大きい電位差Voutが測定された
ことを表している。電極ペア学習部18は、予め設定した2段階のしきい値X,Y(X>
Y)と、記憶した電位差Voutの値とを比較し、Y>Voutである場合はマトリクスデータ
を更新せず、X>Vout≧Yである場合は「小」、X≦Voutである場合は「大」とマトリ
クスデータを更新する。しきい値X,Yについては、筋電位検出電極4の検出感度等を考
慮して適宜設定すればよい。
【0072】
なお、本実施の形態では、マトリクスデータにおいて電位差Voutを大小の2段階で表
示しているが、これに限らず、電位差Voutを1段階あるいは3段階以上で表示するよう
にしてもよい。また、センサ部2に配置する筋電位検出電極4の数が少ない場合などは、
しきい値を設定せずに、検出した全ての電位差Voutをマトリクスデータに記憶するよう
にしてもよい。
【0073】
ステップS226にてマトリクスデータを更新した後、電極ペア学習部18は、更新し
たマトリクスデータに基づき、マルチプレクサA,Bのチャネルを決定する(ステップS
227)。具体的には、図5のマトリクスデータが得られた場合、(1)〜(5)いずれ
の動作であるかは関係なく、電位差Voutが「大」または「小」である全ての筋電位検出
電極4のペア、すなわち、1番と2番、1番と3番、1番と5番、1番とn番、2番と3
番、・・・の筋電位検出電極4のペアが検出対象となり、これらの筋電位検出電極4のペ
アに対応してマルチプレクサA,Bのチャネルが決定され、メモリに記憶される。マルチ
プレクサA,Bのチャネルを決定した後、処理を終了する。
【0074】
次に、ステップS3の動作モードの制御について図4を用いて説明する。
【0075】
図4に示すように、動作モードの制御では、まず、筋電位検出部19が、学習モードに
て電極ペア学習部18により決定された全てのマルチプレクサA,Bのチャネル(筋電位
検出電極4のペア)について電位差Voutを測定し、電位差Voutが検出されたかを判断す
る(ステップS301)。ステップS301において、電位差Voutが検出されない(N
O)と判断された場合、処理を終了する。
【0076】
ステップS301において、電位差Voutが検出された(YES)と判断された場合、
動作予測部21が、筋電位検出部19が筋電位を検出した筋電位検出電極4のペアと、検
出された電位差Voutの値と、図5のマトリクスデータとに基づき、行われる動作を決定
(予測)する(ステップS302)。この場合、動作予測部21は、(1)〜(5)いず
れの動作が行われるかを予測することになる。
【0077】
その後、動作予測部21は、決定(予測)した動作(この場合、(1)〜(5)いずれ
かの動作)を基に制御用信号(制御用フレーム)を生成し、この制御用信号を、有線通信
用の出力部16、あるいは無線通信用の無線ユニット17を介して、外部機器に出力する
(ステップS303)。ステップS303にて制御用信号を外部出力した後、処理を終了
する。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態に係る筋電位センサ1では、筋電位検出電極4を3
つ以上備えたセンサ部2と、センサ部2の各筋電位検出電極4から電位信号が入力され、
当該電位信号を基に筋電位を検出する信号処理部10とを備えており、その信号処理部1
0が、筋電位の検出に先立ち、センサ部2を検出部位に装着して所定の動作を行った際に
電位差が検出される筋電位検出電極4のペアを検出し、当該筋電位検出電極4のペアを動
作と関連付けて記憶する電極ペア学習部18と、電極ペア学習部18で記憶した筋電位検
出電極4のペア間の電位差Voutを検出し、筋電位の検出を行う筋電位検出部19とを有
している。
【0079】
これにより、センサ部2を検出部位に装着した際に、筋電位検出電極4の位置が最適な
位置から多少ずれた場合であっても、いずれかの筋電位検出電極4のペアで筋電位が測定
できるようになり、筋電位を感度よく検出することが可能になる。よって、筋電位センサ
1では、検出部位のおおまかな位置にセンサ部2を装着するのみで筋電位の検出が可能と
なり、その結果、従来の筋電位センサと比較して検出部位へのセンサ部2の装着を容易に
し、取扱いを容易にすることができる。
【0080】
また、筋電位センサ1では、センサ部2に配置した各筋電位検出電極4を任意に組み合
わせて筋電位を検出することが可能となるため、さまざまな検出方向で筋電位を検出でき
る。よって、筋繊維に対する角度などを考慮してセンサ部2を装着する必要がなくなり、
検出部位へのセンサ部2の装着がより容易になる。
【0081】
さらに、最適な筋電位検出電極4の位置(検出位置)には個人差があるが、筋電位セン
サ1によれば、検出部位のおおまかな位置にセンサ部2を装着するのみで筋電位の検出が
可能となるため、誰にでも利用できる汎用性の高い筋電位センサ1を実現できる。
【0082】
また、筋電位センサ1では、筋電位検出部19が検出した筋電位と、電極ペア学習部1
8が記憶した筋電位検出電極4のペアと動作の関係とを基に、行われる動作を予測する動
作予測部21をさらに備えている。
【0083】
筋電位センサ1では、上述のように、センサ部2に配置した各筋電位検出電極4を任意
に組み合わせて筋電位を検出しており、さまざまな検出位置、検出方向での筋電位を検出
できるため、人体の筋肉を動かすための神経パルスが細かく区分でき、動作させようとし
ている人体の部位を特定することができる。
【0084】
つまり、筋電位センサ1によれば、さまざまな検出位置、検出方向の筋電位を検出する
ことにより、人体動作部位を細かく判定することができる。
【0085】
さらに、筋電位センサ1では、筋電位検出電極4の電極形状を円形状に形成しているた
め、全ての角度方向で筋電位を検出でき、検出方向の違いにより検出する筋電位の値が変
わることがない。
【0086】
また、筋電位センサ1では、ボディアース電極5を筋電位検出電極4の周囲を囲むよう
に設けているため、ボディアース電極5の面積(センサ部2を皮膚表面に装着した際に皮
膚表面に接触する面積)を確保することが可能となり、人体の電位を安定して基準電位V
REFと等電位にできる。
【0087】
さらに、筋電位センサ1では、センサ部2と信号処理部10とを、各筋電位検出電極4
と対応した複数の細径同軸ケーブル7により電気的に接続し、細径同軸ケーブル7の外部
導体をボディアース配線としている。
【0088】
筋電位は微弱な信号であり、従来の筋電位センサでは、ノイズによる影響を低減するた
めに、筋電位検出電極に近接して信号増幅器(計装アンプ)を配置する必要があった。し
かし、この場合、センサヘッド(センサ部)が大きくなり、また電源線を配線する必要が
あるため、取扱い難いという問題があった。
【0089】
これに対して本実施の形態に係る筋電位センサ1では、センサ部2から信号処理部10
までの配線に細径同軸ケーブル7を用いているため、筋電位検出電極4で検出した電位信
号を、ノイズを混入させることなく信号処理部10まで到達させることができる。よって
、センサ部2を小型化でき、取扱いを容易とすることができ、さらには、センサ部2と信
号処理部10間の配線を長く伸ばし、センサ部2と信号処理部10を離して配置すること
が可能になる。
【0090】
また、筋電位センサ1では、細径同軸ケーブル7の外部導体をボディアース配線として
いるため、細径同軸ケーブル7の外部導体にて外部から混入するノイズを遮断すると共に
、ボディアース配線を兼ねることができ、配線のコンパクト化を図ることができる。
【0091】
さらに、筋電位センサ1では、センサ部2を布状素材に固定し、少なくとも細径同軸ケ
ーブル7の一部を布状素材に縫い付けているため、着脱が容易なウェアラブル構成の筋電
位センサ1を実現できる。
【0092】
上記実施の形態では、(1)〜(5)の5つの設定スイッチ20を設けた場合を説明し
たが、設定スイッチ20の数はこれに限らず、任意の数としてもよい。
【0093】
また、上記実施の形態では、設定スイッチ20のいずれかがオンとなっているときに学
習モードの制御を行う場合を説明したが、これに限らず、例えば、電源投入時に自動的に
学習モードの制御を行うようにするなど、学習モードの制御を開始するトリガーについて
は任意に設定してよい。
【0094】
さらに、上記実施の形態では、学習モードの制御において、センサ部2における筋電位
検出電極4のペアの全ての組合せについて電位差Voutを検出するようにしたが、センサ
部2に多数の筋電位検出電極4が配置される場合などは、例えば、距離が離れており検出
する電位差Voutが所定のしきい値(上記実施の形態においてはしきい値Y)よりも小さ
くなることが予想される筋電位検出電極4のペアや、検出方向が他の筋電位検出電極4の
ペアと重なる筋電位検出電極4のペアについては、学習モードの制御において電位差Vou
tを検出しないようにし、検出時間(学習時間)を短縮するようにしてもよい。
【0095】
さらにまた、上記実施の形態では、筋電位検出電極4として電極形状が円形状のものを
用いたが、これに限らず、例えば電極形状が楕円形状のものを用いてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態では、FPC3として配線層を有する積層構造のものを用い、筋
電位検出電極4と細径同軸ケーブル7とを、配線層と電極6を介して電気的に接続する場
合を説明したが、筋電位検出電極4と細径同軸ケーブル7とを直接電気的に接続するよう
にしてもよい。
【0097】
このように、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 筋電位センサ
2 センサ部
3 フレキシブルプリント基板
4 筋電位検出電極
5 ボディアース電極
7 細径同軸ケーブル
10 信号処理部
12 バッファアンプ
13 計装アンプ
14 A/Dコンバータ
15 処理部
18 電極ペア学習部
19 筋電位検出部
21 動作予測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの筋電位検出電極の電位差を検出することにより、筋電位を検出する筋電位センサ
において、
前記筋電位検出電極を3つ以上備えたセンサ部と、該センサ部の各筋電位検出電極から
電位信号が入力され、当該電位信号を基に筋電位を検出する信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
筋電位の検出に先立ち、前記センサ部を検出部位に装着して所定の動作を行った際に電
位差が検出される前記筋電位検出電極のペアを検出し、当該筋電位検出電極のペアを動作
と関連付けて記憶する電極ペア学習部と、
該電極ペア学習部で記憶した前記筋電位検出電極のペア間の電位差を検出し、筋電位の
検出を行う筋電位検出部と、を有することを特徴とする筋電位センサ。
【請求項2】
前記電極ペア学習部は、複数の動作について、当該動作を行った際に電位差が検出され
る前記筋電位検出電極のペアを検出し、当該筋電位検出電極のペアを動作と関連付けて記
憶するようにされ、
前記信号処理部は、前記筋電位検出部が検出した筋電位と、前記電極ペア学習部が記憶
した前記筋電位検出電極のペアと動作の関係とを基に、行われる動作を予測する動作予測
部をさらに備える請求項1記載の筋電位センサ。
【請求項3】
前記電極ペア学習部は、所定の動作を行った際の、前記センサ部における前記筋電位検
出電極のペアの全ての組合せについて電位差を検出し、検出した電位差が所定のしきい値
よりも高い前記筋電位検出電極のペアを、動作と関連付けて記憶するようにされる請求項
1または2記載の筋電位センサ。
【請求項4】
前記筋電位検出電極は、その電極形状が円形状に形成される請求項1〜3いずれかに記
載の筋電位センサ。
【請求項5】
前記センサ部は、
フレキシブルプリント基板と、
該フレキシブルプリント基板に設けられた3つ以上の前記筋電位検出電極と、
該筋電位検出電極の周囲を囲むように前記フレキシブルプリント基板に設けられたボデ
ィアース電極と、を有する請求項1〜4いずれかに記載の筋電位センサ。
【請求項6】
前記センサ部と前記信号処理部とは、前記各筋電位検出電極と対応した複数の細径同軸
ケーブルにより電気的に接続され、前記細径同軸ケーブルの外部導体をボディアース配線
とした請求項1〜5いずれかに記載の筋電位センサ。
【請求項7】
前記センサ部が布状素材に固定され、少なくとも前記細径同軸ケーブルの一部が前記布
状素材に縫い付けられた請求項6記載の筋電位センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−206398(P2011−206398A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78992(P2010−78992)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(504203572)国立大学法人茨城大学 (99)
【Fターム(参考)】