説明

筐体

【課題】軽量な耐溶断材を用いて側壁の溶断を困難にする。
【解決手段】複層構造の側壁11を有する筐体10であって、前記筐体10は、前記側壁11は、外壁と、前記外壁の内側に、前記外壁と所定の間隔をあけて設けられる耐溶断材13と、前記耐溶断材13の内側に、前記耐溶断材13と所定の間隔をあけて設けられる内壁14を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に関し、特に、溶断破壊に対抗する防犯筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の溶断破壊に対抗する防犯筐体としては、一般鋼板の板厚を厚くしたものや、一般鋼板より融点の高いステンレスや熱伝導率の高いアルミや銅等の金属板を重ね合わせたもの、金属板と金属板の間に砂やセラミックスなどの不燃材を詰めたものなどがあった。また、金庫メーカーにより製作された特殊な耐溶断合金を使用したプロテクターを装置の周囲に設置して、防犯性能を向上させるものもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−76387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の防犯筐体では、装置の重量や体積、設置スペースが大幅に増加し、製造コストも嵩むという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、軽量な耐溶断材を用いて側壁の溶断を困難にすることが可能な、新規かつ改良された 筐体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複層構造の側壁を有する筐体であって、前記側壁は、外壁と、前記外壁の内側に、前記外壁と所定の間隔をあけて設けられる耐溶断材と、を備えることを特徴とする、筐体が提供される。
【0006】
また、前記筐体は、前記耐溶断材の内側に、前記耐溶断材と所定の間隔をあけて設けられる内壁を備えてもよい。
【0007】
また、前記耐溶断材は、断熱材からなっていてもよい。
【0008】
また、前記耐溶断材は、屈曲断面形状を有していてもよい。
【0009】
また、前記内壁は、前記耐溶断材に当接して突起が形成されていてもよい。
【0010】
また、前記筐体は、前記外壁の内側には、前記耐溶断材と当接する複数のピンが設けられ、前記耐溶断材は、前記複数のピンと前記内壁との間に屈曲していてもよい。
【0011】
また、前記筐体の両側面に前記側壁が設けられていてもよい。
【0012】
また、前記筐体に備えられた前記耐溶断材は着脱可能に備えられ、前記筐体の一の側壁に備えられた耐溶断材を外して、前記筐体の他の側壁に備えてもよい。
【0013】
また、前記筐体に備えられた前記内壁は着脱可能に備えられ、前記筐体の一の側壁に備えられた内壁を外して、前記筐体の他の側壁に備えてもよい。
【0014】
また、前記筐体は、自動取引装置の筐体であってもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、軽量な耐溶断材を用いて側壁の溶断を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る筐体の外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】同実施形態にかかる図1のA−A断面を示す断面図である。
【図3】同実施形態にかかる図2のB−B断面を示す断面図である。
【図4】同実施形態にかかる筐体の溶断を説明する説明図である。
【図5】同実施形態にかかる図4のY−Y断面を示す断面図である。
【図6】同実施形態にかかる自動取引システムの概要について説明する説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る筐体の外観を概略的に示す斜視図である。
【図8】同実施形態にかかる図7のC−C断面を示す断面図である。
【図9】同実施形態にかかる図8のD−D断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、以下に示す順序に従って、当該「発明を実施するための形態」を説明する。
〔1〕本実施形態の目的
〔2〕第1実施形態
〔2−1〕筐体の構成
〔2−2〕自動取引システムの概要
〔3〕第2実施形態
〔3−1〕筐体の構成
【0019】
〔1〕本実施形態の目的
まず、本実施形態の目的について説明する。従来の溶断破壊に対抗する防犯筐体としては、一般鋼板の板厚を厚くしたものや、一般鋼板より融点の高いステンレスや熱伝導率の高いアルミや銅等の金属板を重ね合わせたもの、金属板と金属板の間に砂やセラミックスなどの不燃材を詰めたものなどがあった。また、金庫メーカーにより製作された特殊な耐溶断合金を使用したプロテクターを装置の周囲に設置して、防犯性能を向上させるものもあった。
【0020】
しかし、上記した従来の防犯筐体では、装置の重量や体積、設置スペースが大幅に増加し、製造コストも嵩むという問題があった。そこで、上記のような事情を一着眼点として、本発明の実施形態にかかる筐体10が創作されるに至った。本実施形態にかかる筐体10によれば、軽量な耐溶断材を用いて側壁の溶断を困難にすることが可能となる。筐体10は、防犯対策が必要となる金庫や現金等を収納している自動取引装置として利用することができる。
【0021】
以下では、筐体10を銀行の自動取引装置(ATM)として説明するが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、CDや両替機、販売機、清算機などの自動取引装置に適用することも可能である。また、自動取引装置は、金融機関の営業店、コンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。
【0022】
〔2〕第1実施形態
〔2−1〕筐体の構成
次に、図1を参照して、筐体10の具体的な構成について説明する。図1は、筐体10の外観を概略的に示す斜視図である。また、図2は、図1のA−A断面を示す断面図であり、図3は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0023】
図1に示したように、筐体10は、側壁11、操作パネル15a、15b、前扉16などを主に備える。側壁11は、筐体10の側面に備えられ、本実施形態では、筐体10の両側面に備えられている。また、本実施形態では、側壁11を複層構造とすることにより、溶断による筐体10の破壊を困難にしている。複層構造を有する側壁11については、後で詳細に説明する。
【0024】
操作パネル15aおよび15bは、顧客による操作の誘導画面を表示する表示部や顧客操作を検出する顧客操作部として機能する操作パネルである。また、前扉16は、片開き式の扉であって、筐体10の側壁11とヒンジで連結されている。通常、前扉16を係員などが開閉操作して内部点検などを行い、全面から貨幣を一括して出し入れすることも可能なように構成されている。
【0025】
側壁11の外壁には、複数のピン12が設けられている。ピン12は、側壁11の外壁の内側に打ち込まれている。また、側壁11の内側には内壁14が設けられている。さらに、ピン12と内壁14の間に耐溶断材13が設けられている。
【0026】
耐溶断材13は、無機質鉱物を主成分として、抄造成形したものであって、耐熱性に優れている。耐溶断材13としては、例えば、石綿製シートなどの断熱材であって、変形可能なものを例示できる。
【0027】
図2に示したように、耐溶断材13は、ピン12と内壁14の間に屈曲して設けられている。また、ピン12は、耐溶断材13を屈曲させるために設けられており、ピン12と耐溶断材13の屈曲部分とが当接している。また、内壁14には、耐溶断材に当接して突起が形成されている。内壁14に設けられる突起は、部分的に形成されていてもよい。内壁14の突起と耐溶断材13の屈曲部分とが当接している。
【0028】
上記したように、耐溶断材13は、変形可能であるため、ピン12と内壁14の突起により屈曲して形成されることとなる。
【0029】
図2に示したように、本実施形態では、筐体10の側面の両側に側壁11を設けることとしたが、かかる例に限定されない。例えば、筐体10の側面の片側が筐体10の外側の壁に面している場合には、壁と対向する側の筐体10の側面のみに側壁11を備えるようにしてもよい。また、前扉16を側壁11と同様の構成としてもよい。
【0030】
また、図3に示したように、ピン12は、側壁11の外壁の内側に複数設けられていてもよい。複数のピン12は、互いに間隔をあけて設けられ、等間隔に設けられてもよいし、耐溶断材13が屈曲するように設けられていればよい。
【0031】
図1〜図3に示したように、側壁11は、外壁に備えられたピン12と耐溶断材13と内壁14を備えているが、かかる例に限定されず、側壁11は、外壁の内側に外壁から間隔をあけて耐溶断材13を備えている二重構造の側壁であってもよい。この場合、耐溶断材13は、上記したように屈曲していてもよいし、屈曲せずに側壁11の外壁と一定の間隔をあけて平行な状態であってもよい。
【0032】
また、側壁11の外壁の内側に外壁と間隔をあけて耐溶断材13を備え、さらに、耐溶断材13の内側に耐溶断材と間隔をあけて内壁14を備えた三層構造の側壁であってもよい。この場合も、耐溶断材13は、上記したように屈曲していてもよいし、屈曲せずに側壁11の外壁と一定の間隔をあけて平行な状態であってもよい。また、内壁14についても、上記したように突起が形成されていてもよいし、突起を形成せずに、側壁11の外壁や耐溶断材13と一定の間隔をあけて平行な状態であってもよい。
【0033】
このように、側壁11の内側に耐溶断材13を設けて二層構造とすることにより、ガスバーナーなどにより容易に溶断され難い構成とすることが可能となる。また、従来の厚い鋼板を重ね合わせて構成されている側壁を有する筐体に比べて、軽量化することが可能となる。また、側壁11を複層構造にして、外壁から間隔をあけて耐溶断材や内壁を設けることにより、ガスバーナー等により側壁11を溶断する際に、切断状況の確認が困難となり、溶断時間を費やすことが可能となる。
【0034】
また、耐溶断材13を変形することによっても、切断状況の確認が困難となって、溶断時間に時間がかかることとなる。また、ピン12を設けた箇所と設けていない箇所、内壁14の突起を設けた個所と設けていない箇所によって、側壁11の切断時に発生するスラグ量が異なってくる。これにより、切断状況の確認がさらに困難となって、溶断時間を費やすことが可能となる。また、切断時に発生するスラグが、屈曲した耐溶断材13に貼り付くことによっても、溶断を困難とすることができる。
【0035】
屈曲した耐溶断材13やピン12や内壁14の突起などに貼り付くスラグ量が一定ではないため、一定の速度で溶断作業をすることができない。このため切断が不十分になるなどの溶断ミスを誘発する可能性が高くなる。
【0036】
ここで、図4および図5を参照して、ガスバーナーによる側壁11の溶断について説明する。図4は、ガスバーナーによる側壁11の溶断を説明する説明図である。また、図5は、図4のY−Y断面を示す断面図である。
【0037】
例えば、図4に示したように、ガスバーナー50を用いて筐体10の側壁11が溶断されたとする。図5に示したように、ガスバーナー50により、まず側壁11の外壁が溶断されて、次に屈曲している耐溶断材13が溶断される。そして、耐溶断材13が溶断された後に、さらに内壁が溶断される。
【0038】
このとき、耐溶断材13が屈曲しているために、ガスバーナー50を一定の速度で上下に移動させて溶断することが困難となる。上記したように、側壁11の外壁にピン12が設けられていたり、内壁14に突起が設けられていたりする場合には、さらに、ガスバーナー50を一定の速度で移動させて溶断することが困難となり、切断状況も把握し難くなる。
【0039】
〔2−2〕自動取引システムの概要
以上、筐体10の構成について説明した。次に、図6を参照して、筐体10を自動取引装置に適用した自動取引システム1の概要について説明する。図6は、自動取引システム1の概要について説明する説明図である。図6では、筐体10を自動取引装置10に適用して説明している。図6に示したように、自動取引システム1は、自動取引装置10と、勘定系ホスト30などを含む。
【0040】
本実施形態では、特に、銀行の自動取引装置(ATM)を利用する際の自動取引システムを例示して説明するが、本発明はかかる例に限定されない。図6に示したように、自動取引装置10は、顧客操作部110と、CRP120と、PBPR130と、JPR140と、MCU150と、COIN160と、CCAD170と、を備える。
【0041】
顧客操作部110は、顧客による操作の誘導画面を表示する表示部および顧客操作を検出する顧客操作部としての機能を有し、図1の操作パネル15aおよび15bの一例である。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、顧客操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、本明細書においては表示部および顧客操作部の機能が自動取引装置10において一体的に構成される例を説明するが、表示部および顧客操作部の機能は分離して構成されてもよい。
【0042】
CRP120は、磁気カードリーダライタと明細プリンタとしての機能を有する。磁気カードリーダライタとしては、自動取引装置10に挿入された磁気カードの読み込みや書き込みを行う。また、明細プリンタとしては、取引実行後の取引明細のプリントを行う。
【0043】
PBPR130は、通帳記帳機としての機能を有し、ユーザにより挿入された通帳に設けられた磁気ストライプの読み取り機能、および通帳への印刷機能を有する。例えば、通帳の時期ストライプから口座番号などの顧客識別情報を読み取り、勘定系ホスト30から上記顧客識別情報に基づいて取得される顧客の取引履歴を記帳することができる。
【0044】
JPR140は、レシートジャーナルプリンタとしての機能を有し、取引内容等が記載されたレシートを出力する。MCU150は、自動取引装置10を制御する制御部として機能し、勘定系ホスト30との通信を制御したり、データの読み込み等を制御したりする。
【0045】
COIN160は、硬貨入出金機として機能し、硬貨の入出金処理を行う。CCAD170は、紙幣入出金機として機能し、紙幣の入出金処理を行う。入金処理とは、例えば、利用者が入金口に投入した紙幣や硬貨の種類および紙幣や硬貨の枚数を識別し、紙幣や硬貨を所定の場所に収納する処理である。また、出金処理とは、利用者の操作に応じて指定された金額に相当する紙幣や硬貨を計数し、出金口に搬送する処理である。
【0046】
また、自動取引装置10には、情報を記憶するための記憶媒体(図示せず)が備えられている。記憶媒体には、例えば自動取引装置10の全体の動作を制御するための制御プログラム、顧客操作部110に表示するための画面データ、および顧客が行う取引に必要な情報などを記憶する。ここで、記憶媒体は、例えばハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリで構成される。
【0047】
勘定系ホスト30は、ネットワークを介して自動取引装置10と接続されて、自動取引装置10を操作する顧客の認証を行ったり、自動取引装置10において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引(勘定の取引処理)を実行したりする。また、勘定系ホスト30には、上記の顧客情報や、以前に顧客が行った金銭取引の内容を示す取引履歴などが記録されているデータベースが備えられている。勘定系ホスト30は、データベースにおいて、口座番号、暗証番号、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金残高などの顧客情報(口座の元帳)を管理する。データベースを有する勘定系ホスト30は、自動取引装置10との取引を行う管理サーバとして機能する。
【0048】
自動取引装置10と勘定系ホスト30を接続するネットワークは、専用網であって、金融機関等のネットワークである。ネットワークとしては、例えば、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)などにより構成される。以上、自動取引システム1の概要を説明した。
【0049】
〔3〕第2実施形態
以上、第1実施形態について説明した。次に、図7〜9を参照して、第2実施形態にかかる筐体20について説明する。本実施形態では、側壁に設けられる耐溶断材や内壁が着脱可能な点で第1実施形態と異なっている。以下、詳細に説明する。
【0050】
〔3−1〕筐体の構成
図7は、筐体20の外観を概略的に示す斜視図である。また、図8は、図7のC−C断面を示す断面図であり、図9は、図8のD−D断面を示す断面図である。図7に示したように、本実施形態では、筐体20は、建物の壁に設置されており、筐体20の左側面に建物の壁が接するように設置されている。
【0051】
上記したように、筐体20の側壁に備えられた耐溶断材と内壁は着脱可能であるため、筐体20の左側面に備えられていた耐溶断材と内壁を右側面の側壁21側に移動させることができる。これにより、耐溶断材23を二重構造にしたり、内壁24を二重構造にしたりすることが可能となる。
【0052】
図示していないが、筐体20の右側面に建物の壁が接するように設置されている場合にはい、筐体20の右側面の耐溶断材と内壁を左側面に移動させてもよい。また、図8では、耐溶断材と内壁とを移動させるようにしているが、かかる例に限定されない。例えば、耐溶断材のみを移動させてもよいし、内壁のみを移動させてもよい。
【0053】
本実施形態においても、耐溶断材23のみを側壁21に備える構成としてもよいし、内壁24のみを備える構成としてもよい。また、耐溶断材23は、第1実施形態と同様に屈曲させてもよいし、屈曲せずに側壁21の外壁と一定の間隔をあけて平行な状態としてもよい。また、内壁24についても、第1実施形態と同様に突起を形成してもよいし、突起を形成せずに、側壁21の外壁や耐溶断材23と一定の間隔をあけて平行な状態としてもよい。
【0054】
このように、耐溶断材と内壁を移動させることにより、側壁21を、外壁も含めて五層構造とすることができる。これにより、第1実施形態に比べて、さらに容易に溶断され難い構成とすることが可能となる。また、側壁21を五層構造としても五層構造のうち二層は石綿製シートなどの軽量な耐溶断材23であるため、従来の厚い鋼板を重ね合わせて構成されている側壁を有する筐体に比べて軽量化することが可能となる。
【0055】
また、側壁21を五層構造にして、外壁から間隔をあけて耐溶断材や内壁を設けることにより、ガスバーナー等により側壁11を溶断する際に、第1実施形態と比べてさらに切断状況の確認が困難となり、溶断時間を費やすことが可能となる。
【0056】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0057】
10、20 筐体
11、21 側壁
12、22 ピン
13、23 耐溶断材
14、24 内壁



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複層構造の側壁を有する筐体であって、
前記側壁は、
外壁と、
前記外壁の内側に、前記外壁と所定の間隔をあけて設けられる耐溶断材と、
を備えることを特徴とする、筐体。
【請求項2】
前記耐溶断材の内側に、前記耐溶断材と所定の間隔をあけて設けられる内壁を備えることを特徴とする、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記耐溶断材は、断熱材からなることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の筐体。
【請求項4】
前記耐溶断材は、屈曲断面形状を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の筐体。
【請求項5】
前記内壁は、前記耐溶断材に当接して突起が形成されていることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の筐体。
【請求項6】
前記外壁の内側には、前記耐溶断材と当接する複数のピンが設けられ、
前記耐溶断材は、前記複数のピンと前記内壁との間に屈曲することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の筐体。
【請求項7】
前記筐体の両側面に前記側壁が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の筐体。
【請求項8】
前記筐体に備えられた前記耐溶断材は着脱可能に備えられ、前記筐体の一の側壁に備えられた耐溶断材を外して、前記筐体の他の側壁に備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の筐体。
【請求項9】
前記筐体に備えられた前記内壁は着脱可能に備えられ、前記筐体の一の側壁に備えられた内壁を外して、前記筐体の他の側壁に備えることを特徴とする、請求項2〜8のいずれかに記載の筐体。
【請求項10】
前記筐体は、自動取引装置の筐体であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の筐体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−108004(P2011−108004A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262649(P2009−262649)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】