筒状型自在継手
【課題】接続方向の芯ズレに対する方向調整と長さの可変自在を、同一形状を呈する複数部材の筒方向への連結と周方向に回す操作によって可能とし、しかも、管内面をさらに平滑にして流通抵抗をさらに低減させることを可能にした筒状型自在継手を提供する。
【解決手段】突合せ連結される連結口1a,1bを有する複数の管状部材1を筒状に連結してなる筒状型自在継手Aであって、管状部材1は、両連結口1a,1bが斜め角度にてそれぞれ輪切り状にカットされた筒方向の側面視で略V字形状に形成され、かつ、一方の連結口1a側に正多角形の内側シールド面部2bを有する突合せ当接部2を備え、他方の連結口1bには突合せ当接部2を高いシール性で抜動不能に突合せ連結させる正多角形の外側シールド面部3bを有する突合せ嵌合部3を備えている。
【解決手段】突合せ連結される連結口1a,1bを有する複数の管状部材1を筒状に連結してなる筒状型自在継手Aであって、管状部材1は、両連結口1a,1bが斜め角度にてそれぞれ輪切り状にカットされた筒方向の側面視で略V字形状に形成され、かつ、一方の連結口1a側に正多角形の内側シールド面部2bを有する突合せ当接部2を備え、他方の連結口1bには突合せ当接部2を高いシール性で抜動不能に突合せ連結させる正多角形の外側シールド面部3bを有する突合せ嵌合部3を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略直管形態や曲管形態などの任意の配管方向に対して方向自在とする筒状型自在継手に係り、特に、換気装置の接続排気口と建物の壁部に取り付けられる外部排気口との接続などに有効な筒状型自在継手に関する。
【背景技術】
【0002】
室内換気用の換気装置は、建物の壁部に開口部を設けて、この開口部に直接取り付けられる壁直付けタイプと、天井や壁部の内側などに設置される設置タイプが知られている。近年では、設置タイプが主流になってきている。この設置タイプの換気装置では、一体に形成されているエルボ管やジャバラ管などを用いて建物の壁部に取り付けられる外部排気口との接続が行われる。
つまり、設置タイプの換気装置側の接続排気口の開口方向によっては、外部排気口の壁部に対する取り付け位置との関係などから、接続排気口と外部排気口との接続方向に芯ズレが起き、一致していないことがある。この場合、エルボ管、ジャバラ管のいずれか、あるいはエルボ管とジャバラ管とを組み合わせて接続排気口と外部排気口とを接続することが行われている。
【0003】
ところで、エルボ管は、内面に空気の流れを妨げる凸凹がないことで、室内換気用の配管継手として有効ではあるが、90°などの固定された曲がり角度を有する配管継手であるために、接続方向の芯ズレ(芯ズレ角度)などによっては非常に困難な作業となるばかりか、エルボ管単体では対応しきれない場合がある。この場合は、方向自在なフレキシブル性を有するジャバラ管との組み合わせ、あるいはジャバラ管単体を用いて行うことが多い。
このように、ジャバラ管は、接続排気口と外部排気口との接続方向の芯ズレなどに対して調整自在でスムーズに対応させることができるなどから、このような接続においては有効な配管継手と言える。しかし、ジャバラ管は、管内面に細かな凸凹が存在しているために、通気抵抗が高くなるなどの室内空気の円滑な流通が望めない問題がある。
特に、調理中に発生する汚染空気を屋外に排気するレンジフードの外部配管用として、ジャバラ管を使用した場合などには、汚染空気中に含まれている油脂分が細かな凹凸の凸部への衝突が繰り返されることで、油脂分が管内に溜まり易くなり、火災保安上において好ましくないものである。
【0004】
そこで、このような問題を解消するために、内周面にジャバラ管のような細かいピッチで管方向に存在する凸凹を有することなく、しかも、接続方向に対する芯ズレを調整自在とするフレキシブル性を有する通気用継手が提案されている(例えば、特許文献1などを参照)
この通気用継手は、接続管の管端部にバンド締めなどによって接続される接続口部とこの接続口部に連設させた半円状鍔を有する両側の端部材と、この両側の端部材の間において、両端部材の半円状鍔に嵌め合せ連結されるそれぞれの連結方向に向けた二方向の半円状鍔を連設させてなる中間部材とによって構成されている。
これにより、両側の端部材の半円状鍔と中間部材の半円状鍔との回動自在な連結によって、両側の端部材のそれぞれの接続口部が接続管との接続方向に対して同軸芯上に芯合わせ調整することができるフレキシブル性を備え、しかも、両側の端部材の間における中間部材の連結数によって全体の長さを変更し得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平8−525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の従来技術は、例えば、補正後の図1および図2に示されているように、同じ鍔部(端面)形態にて内外関係で重なり合うように形成されている端部材の雌側半円状鍔を中間部材の雄側半円状鍔に覆う形で嵌め合せ連結させる連結構造である。
そのために、雄雌の両半円状鍔の嵌め合せ重合部の間に、雄雌鍔間をシールするためのOリングなどのシール材を装填することが必要であるなど、嵌め合せ連結作業に手間が掛かるものとなっていた。
例えば、レンジフードの設置現場において、室内壁面に取り付けられるフード部の接続排気口と、壁部に取り付けられる外部排気口との接続長さに合わせて行われる複数の中間部材を用いた嵌め合せ連結作業おいて、面倒で時間が掛かるなどの取扱い性に問題があった。
【0007】
また、従来技術では、製作面において、両側の端部材の他に異なる二種類の雌側中間部材と雄側中間部材をそれぞれ製作しなければならない。さらに、嵌め合せ重合部の間を埋めるOリングなどのシール材などが必須部品として必要となるめに、材料費や加工費か嵩むなどによってコスト高になっていた。
【0008】
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、接続方向の芯ズレに対する方向調整と長さの可変自在を、同一形状を呈する複数部材の筒方向への連結数と突合せ連結するときに各部材を周方向に回す操作によって可能とし、しかも、管内面をさらに平滑にして流通抵抗を低減させることを可能にしたフレキシブル性を有する筒状型自在継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明では、突合せ連結される連結口を両端に有する複数の管状部材を筒状に連結してなる筒状型自在継手であって、
前記管状部材は、前記両連絡口がそれぞれ斜め角度にて輪切り状にカットされた筒方向の側面視で略V字形状に形成され、かつ、前記両連結口に突合せ連結部をそれぞれ備え、さらに、前記突合せ連結部またはこの突合せ連結部を含めた前記管状部材の管全体が正多角形に形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記管状部材は、管壁を所望の円弧形状にて湾曲させた湾曲管状に形成されていることが好適なものとなる。
そして、前記両連絡口のうち、その一方の連結口側に前記突合せ連結部である突合せ当接部を備え、他方の連結口には前記突合せ当接部を密接状に嵌め合せ連結させる前記突合せ連結部である突合せ嵌合部を備えている構成、または、筒状に突合せ連結されて筒方向に隣り合う前記管状部材のうち、その一方の管状部材側の両連結口に前記突合せ連結部である突合せ当接部をそれぞれ備え、他方の管状部材側の両連結口には前記一方の管状部材の前記突合せ当接部が嵌め合せ連結される前記突合せ連結部である突合せ嵌合部をそれぞれ備えている構成を採用することが好適なものとなる。
【0011】
また、前記突合せ当接部は、前記一方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられる当接面部と、この当接面部の外周縁より設けられる内側シールド面部とから断面視で略L字形状に形成され、前記突合せ嵌合部は、前記他方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられて前記当接面部が突合せ当接される座面部と、この座面部の外周縁より設けられる外側シールド面部とから断面視で略L字形状に形成されていることが好適なものとなる。
また、前記内側シールド面部は、前記当接面部の外周縁より外向き傾斜状に形成され、前記外側シールド面部は、前記座面部の外周縁より前記内側シールド面部を外側から包み込むように略同じ傾斜角度にて外向き傾斜状に形成されていることが好適なものとなる。
さらに、前記外側シールド面部の円周端部に、前記突合せ当接部を少なくとも抜動不能に止着する止着手段を備えていることが好適であり、前記止着手段は、前記外側シールド面部の円周端部の要所にそれぞれ備えられる内向き係止片部と、内曲げカシメ片部とであり、または、前記外側シールド面部の円周端部の要所に備えられる内向き係止片部と、別途形成のクリップ部材とであることが好適なものとなる。
【0012】
このような構成によれば、突合せ連結させる両連絡口を斜め輪切り状にカットすることで筒方向の側面視で略V字形状に形成されている複数の管状部材を筒状に突合せ連結するときに、周方向に回して各管状部材を順次に突合せ連結させる。これにより、管内面が平滑で直管形態、エルボ形態、或いは捻じれ形態、さらには略U字形態や略C型形態などの筒状型自在継手を任意に連結構成することができる。
例えば、エルボ形態の筒状型自在継手を構成する場合には、複数の管状部材を突合せ連結させるときに、筒方向において隣り合う一方の管状部材の筒方向最短部側(筒方向最長部側)と他方の管状部材の筒方向最短部側(筒方向最長部側)を周方向の一ヶ所において筒方向に位置させるように各管状部材を順次に突合せ連結させることで、エルボ形態の筒状型自在継手とすることができる。この場合、管状部材の斜め輪切り状にカットされている両連結口間の略V字角度θとの関係において管状部材の連結数を決める。例えば、各管状部材の略V字角度θが、30°である場合には、3個の環状部材を前記のように突合せ連結することで、90°のエルボ形態の筒状型自在継手を連結構成することができる。
【0013】
また、複数の管状部材の両連結口同士の突合せ連結は、断面視で略L字形状に形成されている一方の連結口側の突合せ当接部を、同じく断面視で略L字形状に形成されている他方の連結口側の突合せ嵌合部に対する嵌め合せによって容易に行うことができる。
しかも、突合せ当接部の正多角形に形成されている内側シールド面部と、突合せ嵌合部の正多角形に形成されている外側シールド面部との突合せ嵌合によって、筒方向において隣り合う管状部材の突合せ連結状態が回転不能に保持される。
つまり、複数の管状部材を筒状に突合せ連結させた状態での配管方向の芯ズレに対する調整作業を円滑に行うことができる。例えば、調理中に発生する汚染空気を吸い込み捕獲するレンジフードなどの換気装置の接続排気口から建物の壁部などに設置されて汚染空気を屋外に排気する外部排気口へと、エルボ形態、直管形態、捻じれ形態、或いはそれら形態の組み合わせよって至る寸法(距離)に応じた個数の管状部材を用いて筒状型自在継手を連結構成するときに、各管状部材の突合せ連結によるエルボ形態、直管形態、捻じれ形態が、正多角形に形成されている内側シールド面部と外側シールド面部との突合せ嵌合によって保持される。
【0014】
また、突合せ連結させる両連結口の間は、突合せ当接部側の内側シールド面部と突合せ嵌合部側の外側シールド面部とによって、高いシール性にて密接させることができる。
さらに、外側シールド面部側に設けられている曲げカシメ片部を内側シールド面部側に折り曲げ加締めることで、内側シールド面部を挟み込むように止着する。または、内側シールド面部と外側シールド面部とをクリップ部材で挟み込むように止着することで、この止着部と、外側シールド面部側に設けられている内向き係止片部とによって両連結口を抜動不能に連結することができる。
【0015】
また、本発明では、前記管状部材を筒状に複数突合せ連結させた状態において、筒方向の両端に位置する前記管状部材の一方または双方に連結される接続口部材を備えていることを特徴とする。ここで、前記接続口部材には、前記環状部材の口径と同じ口径のものと、または、前記管状部材の口径よりも大きい、小さいなどの口径が異なるものとがある。また、前記接続口部材は、管状部材に一体に備えられている構成とすることができる。
【0016】
このような構成によれば、例えば、レンジフードなどの換気装置の接続排気口と、建物の壁部に取り付けられる外部排気口との配管距離が長いために、接続排気口側に接続される筒状型自在継手と外部排気口側に接続される筒状型自在継手との間に所望の長さと口径を有する直管を用いて行うときに、直管の口径が、環状部材の口径より大きい、小さいなどの口径が異なる場合には、直管に接続することができる口径を有する接続口部材を選択し、該接続口部材を、直管が接続される両筒状型自在継手の筒方向一端の管状部材側にそれぞれ突合せ連結することで、直管を間に用いた直管との組み合わせによって接続排気口と外部排気口との配管接続を可能とする。
また、リフォームなどによって新規の換気装置を設置するときに、既存の外部排気口との口径が異なる場合などのときにおいても、外部排気口に接続される側の筒状型自在継手の筒方向一端の管状部材側に接続口部材を突合せ連結することで対応させることが可能となる。
【0017】
また、本発明では、前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、少なくとも前記突合せ嵌合部の前記外側シールド面部を、前記突合せ当接部の前記内側シールド面部に圧接させる締付けバンドを備えていることを特徴とする。
ここで、前記締付けバンドは、両開放端側に向けて末広がる断面視で略台形形状で、前記外側シールド面部の正多角形に適合させた多角形状に形成され、かつ、前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、前記内側シールド面部の多角端部が前記外側シールド面部の多角端部よりも外側に飛び出していることが好適なものとなる。
【0018】
このような構成によれば、突合せ当接部を有する一方の連結口と突合せ嵌合部を有する他方の連結口とを突合せた状態で、外側シールド面部の円周外側から締付けバンドを巻きつけるようにセットし、該締付けバンドで外側シールド面部を締付けることで、該外側シールド面部を内側シールド面部に圧接させることができる。
これにより、外側シールド面部と内側シールド面部とをより一層高いシール性にて密接させることができる。しかも、突合せ連結される管状部材の両連結口をより強硬な状態で抜動不能に連結することができる。
【0019】
また、締付けバンドが、両開放端側に向けて末広がる断面視で略台形形状に形成されている場合には、外側シールド面部の外側から突合せ嵌合部と突合せ当接部を包み込むようにセットされる締付けバンドによって、突合せ当接部を突合せ嵌合部に一体的に連結させることができる。つまり、外側シールド面部の多角端部より内側シールド面部の多角端部が飛び出している関係から、締付けバンドを締付けて行くことにより、突合せ当接部は突合せ嵌合部に対する突合せ方向に徐々に移動され、突合せ嵌合部の座面部に対する突合せ当接部の当接面部の圧接力を高めことができる。
これにより、突合せ当接部の突合せ嵌合部への嵌め合わせによって突合せ連結される管状部材の両連結口を抜動不能に連結することができる。そして、締付けバンドの締付け力によって、突合せ当接部の突合せ嵌合部への嵌め合せ圧接力を高めることができる。つまり、突合せ当接部と突合せ嵌合部とによる密接させたシール性を、外側シールド面部と内側シールド面部との圧接に加えた突合せ嵌合部側の座面部に対する突合せ当接部側の当接面部の圧接によってより一層高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、筒方向の側面視で略V字形状で、両連結口の突合せ連結部または管全体が正多角形に形成されている同一形状の各管状部材複数を筒状に突合せ連結するときに、それぞれ周方向に回しながら順次に突合せ連結することで、管内面が平滑で略直線(直管)形態、略エルボ形態、さらには略U字形態や略C型形態などの筒状型自在継手を連結構成することができる。また、同一形状の管状部材の連結数によって任意長さの筒状型自在継手を連結構成することができる。
つまり、従来技術のように、形状が異なる両側の端部材を用いることなく、なおかつ、二種類の中間部材を用いることなく、設置現場における配管方向の芯ズレに対する方向調整と長さを可変自在とする筒状型自在継手とすることができる。
これにより、例えば、調理中に発生する汚染空気を屋外に排気するレンジフードの外部配管用、フード部の接続排気口と壁部に取り付けられる外部排気口との接続用、あるいは、外部排気口に一端側が接続される排気ダクトの他端側とフード部の接続排気口との接続用として有効で、しかも、取り扱い性や火災保安上などにおいても有効な筒状型自在継手を提供することができる。
【0021】
また、複数管状部材の連結は、一方の連結口側に設けられている突合せ当接部を、他方の連結口側に設けられている突合せ嵌合部に対する突合せ嵌合により行うことができるので、連結口同士を同軸芯上にて確実に、しかも、突合せ当接部側の正多角形の内側シールド面部と突合せ嵌合部側の正多角形の外側シールド面部とによる高いシール性にて密接させることができるために、従来技術のようなOリングが不要となることで、レンジフードなどの換気装置の設置現場などにおける配管作業性の改善が図られ、しかも、コストの削減が図られた筒状型自在継手を提供することができる。
【0022】
また、本発明によれば、例えば、環状部材の口径と異なる口径の直管を、中間に介してレンジフードなどの換気装置の接続排気口と建物の壁部に取り付けられる外部排気口との配管接続を行うときに、直管を嵌め合せ接続することができる口径の接続口部材を選択し、該接続口部材を筒状型自在継手の直管接続側の管状部材に備えることで、直管との組み合わせによる接続排気口と外部排気口との配管接続が可能となる。
【0023】
また、本発明によれば、締付けバンドで、突合せ連結される管状部材の両連結口の外側シールド面部と内側シールド面部、および、座面部と当接面部とをより一層高いシール性にて密接させることが可能となり、しかも、強硬な状態で両連結口を抜動不能に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る筒状型自在継手の直管形態を筒方向の側面から見たときの縦断面図である。
【図2】管状部材単体を示し、(a)は、縦断面図であり、(b)は、一方の連結口側から見たときの斜視図であり、(c)は、他方の連絡口側から見たときの斜視図である。
【図3】一方の管状部材の突合せ嵌合部を有する連結口に対し、他方の管状部材の突合せ当接部を有する連結口を突合せ連結するときの状態を示す縦断面図である。
【図4】同筒状型自在継手のエルボ形態を筒方向側面から見たときの縦断側面図である。
【図5】図4における筒状型自在継手の各管状部材を周方向に回転させたときのそれぞれの筒状形態を筒方向側面から見たときの側面図であり、(a)は、筒状型自在継手の一端開口と他端開口との延長線交差角度が60°とする筒状形態を示し、(b)は、筒状型自在継手の一端開口と他端開口との延長線交差角度が30°とする筒状形態を示し、(c)は、捩れ筒状形態を示す。
【図6】筒状型自在継手の使用の例を示し、(a)は、換気装置を前側斜め上方から見たときの斜視図であり、(b)は、同正面図である。
【図7】他の実施形態に係る筒状型自在継手を示し、(a)は、エルボ形態を筒方向側面から見たときの縦断断面図であり、(b)は、接続口A部材を示す斜視図であり、(c)は、接続口B部材を示す斜視図である。
【図8】同筒状型自在継手の使用の例を示し、(a)は、換気装置を前側斜め上方から見たときの斜視図であり、(b)は、同側面図である。
【図9】本実施形態に係る係止手段の他の実施形態を示し、(a)は、クリップ部材を示す斜視図であり、(b)は、クリップ部材によって環状部材の突合せ当接部と突合せ嵌合部を抜動不能で、回転不能に止着連結した状態を示す要部の拡大断面図である。
【図10】他の実施形態に係る筒状型自在継手のエルボ形態を筒方向の側面から見たときの縦断断面図である。
【図11】図11のXI−XI線断面図である。
【図12】本実施形態に係る締付けバンドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る筒状型自在継手を直管形態で示す縦断面図であり、図2は、管状部材単体を示す縦断面図及び斜視図である。
【0026】
≪筒状型自在継手の構成≫
筒状型自在継手Aは、図1に示すように、複数の管状部材1を筒状に突合せ連結することによって構成される。
この筒状型自在継手Aは、各管状部材1を周方向いずれかの方向に適宜の角度にて回して突合せ連結させること、管状部材1の連結個数などによって、長さが自在で、図1に示す直管形態、後記の図4および図5に示すエルボ形態や捩れ形態などの任意の筒状形態に連結構成することができるようになっている。
【0027】
≪管状部材の構成≫
管状部材1は、不燃性の材料によって形成されている。例えば、厚さが0.6mm以上のステンレスや亜鉛などかなる鋼板を用いて形成されている。
この管状部材1は、例えば、後記の図6および図8に示すように、調理中に発生する汚染空気を吸い込み捕獲するレンジフードなどの換気装置Bに備えられている接続排気口4や建物の壁部Kに設置されて汚染空気を屋外に排気する外部排気口5などの口径に形成されている。
そして、管状部材1は、筒状に突合せ連結される両端の連結口1a,1bを、管軸芯に対し斜め角度にて輪切り状にそれぞれカットされた筒方向の側面視で略V字形状(略扇型形状)に形成されている。
【0028】
また、管状部材1は、図1および図2に示すように、管壁を所望の円弧角度にて湾曲させた湾曲管状に形成されている。これにより、管状部材1は、図2の(a)に示すように、筒方向湾曲最長部L1を有し、連結口1bの開口軸芯を通る対角線上において、筒方向湾曲最長部L1の反対側に位置する周面部位に筒方向湾曲最短部L2を有する筒方向の側面視で略V字形状を呈する。
本実施形態では、図2の(a)に示すように、両端の連結口1a,1b間における略V字角度θが30°になるように両端の連結口1a,1bが、管状部材1に開口されている。つまり、管状部材1の管壁は、図2の(a)に示す交点Pを中心として描かれる円弧角度にて湾曲状に形成されている。
これにより、例えば、後記の図4に示すように、3個の管状部材1の筒方向湾曲最長部L1側および筒方向湾曲最短部L2側を、周方向の一ヶ所において筒方向に位置させるように各管状部材1の両連結口1a,1bを突合せ連結させることで、90°のエルボ形態の筒状型自在継手Aを連結構成することができる。
【0029】
そして、筒方向の側面視で略V字形状に形成されている管状部材1の両連結口1a,1bのうち、一方(図2(a)において紙面左側)の連結口1a側の開口周縁に突合せ連結部である突合せ当接部2を備え、他方(図2(a)において紙面右側)の連結口1b側の開口周縁には突合せ連結部である突合せ嵌合部3を備えている。
【0030】
このように、筒方向の側面視で略V字角度θが30°に形成され、かつ、一方の連結口1a側に突合せ当接部2を備え、他方の連結口1b側には突合せ当接部2を突合せ連結させる突合せ嵌合部3を備えている管状部材1において、突合せ当接部2の後記する内側シールド面部2bと突合せ嵌合部3の後記する外側シールド面部3bとが正多角形にそれぞれ形成されている。
これにより、筒状に突合せ連結されて隣り合う筒方向一方の管状部材1の突合せ嵌合部3に、他方の管状部材1の突合せ当接部2を突合せ連結させるときに、他方側の管状部材1を多角一辺(以後、「多角1コマ」と称する)分、周方向にずらすように回すことにより、他方側の管状部材1を多角1コマ分のずれ角度にて周方向に回転させた状態で突合せ連結させることができるようにしている。また、突合せ嵌合部3に突合せ当接部2の突合せた状態で回転不動に保持されるようにしている。
【0031】
≪突合せ当接部の構成≫
突合せ当接部2は、図1の拡大図及び図2の(a)に示すように、連結口1aの開口周縁から外向きリング状に設けられる当接面部2aと、この当接面部2aの外周縁より外向き傾斜状、管状部材1の周壁方向に向けた外向き傾斜状に設けられる内側シールド面部2bとから断面視で略L字形状に形成されている。そして、突合せ当接部2の内側シールド面部2bは、図2の(b)および(c)に示すように、正多角形に形成されている。
【0032】
≪突合せ嵌合部の構成≫
突合せ嵌合部3は、図1の拡大図および図2に示すように、連結口1bの開口周縁から外向きリング状に設けられて、突合せ当接部2側の当接面部2aが突合せ当接される座面部3aと、この座面部3aの外周縁から内側シールド面部2bを外側から包み込むように略同じ傾斜角度にて連結口1bの開口方向に向けた外向き傾斜状に設けられる外側シールド面部3bとから断面視で略L字形状に形成されている。そして、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bは、図2の(b)および(c)に示すように、内側シールド面部2bと同じ角数の正多角形に形成されている。
【0033】
突合せ当接部2の内側シールド面部2bと突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bとの正多角形の角数としては特に限定されるものではないが、例えば、正15角形(多角1コマ24°周方向に回転)以上が好ましく、本実施形態では、図2に示すように、内側シールド面部2bと外側シールド面部3bを正36角形としている。
これにより、多角1コマずつ回すことで、筒方向において隣り合う一方の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、他方の管状部材1の突合せ当接部2を突合せ連結するときに、他方の管状部材1を多角1コマずつ回すことで、他方の管状部材1を周方向に10°の回転角度にてずらしながら(回転させながら)突合せ連結させることができる。つまり、配管方向の僅かな芯ズレに対し、その芯ズレ調整を可能としている。
【0034】
そして、このように、正36角形に形成されている突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bの多角端部には、突合せ当接部2を抜動不能な状態に止着するための止着手段を備えている。
【0035】
≪止着手段の構成≫
止着手段は、複数の管状部材1同士が、一方の連絡口1aの突合せ当接部2を他方の連絡口1bの突合せ嵌合部3に突合せて、筒状型自在継手Aを、例えば、図4および図5に示すそれぞれの筒状形態に連結構成するときに、筒方向に隣り合う各管状部材1の突合せ当接部2が突合せ嵌合部3から抜け外れないように、突合せ当接部2を突合せ嵌合部3に止着(定着)するものである。
この止着手段は、図1および図2に示すように、外側シールド面部3bの多角端部の要所にそれぞれ備えられる内向き係止片部6と、内曲げカシメ片部7である。
【0036】
内向き係止片部6は、図2の(a)および(c)に示すように、外側シールド面部3bの多角端部から所定の幅を有する爪片形状にて内向きに折り曲げ形成されて、外側シールド面部3bに備えられている。
【0037】
内曲げカシメ片部7は、連絡口1bの開口軸芯を通る内向き係止片部6からの対角線状に位置する外側シールド面部3bの多角端部において、該多角端部から所定の幅で、なおかつ、図1の拡大図に示すように、内曲げ加締められたときに内側シールド面部2bを外側シールド面部3bとの間で挟み込む長さを有する挟持部7aと、この挟持部7aから内向きに屈曲状に連設されている固定部7bとから形成されている。
固定部7bは、図2の(a)および(c)に示す状態から図1の拡大図に示す状態へ内曲げカシメ片部7が内曲げ加締められたときに、環状部材1の壁面に食い込むように当接する。
これにより、内曲げカシメ片部7の加締め状態が不用意に解除されないようにしている。つまり、固定部7bは、内曲げカシメ片部7が加締められタ状態から不用意に開かないようにロックするロック機構としての役目を果たすものである。
【0038】
[作用説明]
つぎに、一方の連結口1aの突合せ当接部2の内側シールド面部2bと他方の連絡口1bの突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bが、正36角形に形成されている複数の管状部材1を用いた筒状型自在継手Aの連結と、その使用例について簡単に説明する。
図3は、突合せ連結される一方の管状部材の突合せ嵌合部を有する連結口に対し、他方の管状部材の突合せ当接部を有する連結口を突合せ連結させるときの状態を示す縦断面図であり、図4は、3個の管状部材を用いてエルボ形態に突合せ連結した筒状型自在継手の例を示す縦断側面図であり、図5は、図4に示すエルボ形態を基点とし、このエルボ形態から筒方向に隣り合う各管状部材を周方向に多角1コマおよび数コマ回して順次に突合せ連結させたときのそれぞれの筒状形態を示す側面図である。図6は、筒状型自在継手の使用の一例を示す斜視図および同正面図である。ここでは、図1を適宜参照しながら説明する。
【0039】
まず、3個の管状部材1を準備し、図3に示すように、筒状に突合せ連結する一方の管状部材1の連結口1bの突合せ嵌合部3の内向き係止片部6に引掛けるように、他方の管状部材1の連結口1aの突合せ当接部2の多角端部を、突合せ嵌合部3に嵌め差し込み、この差し込み部を支点に、突合せ当接部2全体を突合せ嵌合部3に嵌め差し込む(図3の二点鎖線の状態)。このとき、1個目の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、突合せ当接部2を突合せる2個目の管状部材1、この2個目の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、突合せ当接部2を突合せる3個目の管状部材1を、それぞれ多角1コマ分および数コマ分回して順次に突合せ連結させることで、各管状部材1の筒状の突合せ連結形態を、図4から図6にそれぞれ示す各種の筒状形態とした状態で、図1の拡大図に示すように、突合せ嵌合部3側に備えられている内向きカシメ片部7を内曲げ加締めて突合せ当接部2を突合せ嵌合部3に抜動不能に止着連結する。
これにより、図4に示す90°のエルボ形態、そして図5にそれぞれ示す捩れ形態などの各種の筒状形態に自在に変更可能とするフレキシブル性を備え、しかも、突合せ嵌合部3側の外側シールド面部3bに対する突合せ当接部2側の内側シールド面部2bの当接による高いシール性を備え、そして、管内面を平滑とする筒状型自在継手Aを構成することができる。
【0040】
そして、このようにして、各種の筒状形態に連結構成される筒状型自在継手Aは、図6の(a)および(b)に示すように、管状部材1の連結数(図示例では5個)、そして各管状部材1を突合せ連結するときに各環状部材1を周方向に多角1コマ分および数コマ分回すことによる接続方向の芯ズレに対する方向調整によって、換気装置Bの上向きの接続排気口4と、建物の壁部Kに取り付けられる横向きの外部排気口5とを緩やかな湾曲と捻じれ形態によって直結させた接続とすることができる。
これにより、接続排気口4から外部排気口5へと調理中に発生する汚染空気を、流通抵抗なく円滑に流通させて、外部排気口5から屋外に排気させることができる。
【0041】
≪他の実施形態の筒状型自在継手の構成≫
図7は、他の実施形態に係る筒状型自在継手をエルボ形態で示し、(a)は、同筒状型自在継手の縦断面図、(b)は、同筒状型自在継手の筒方向一端側に突合せ連結させる接続口部材を示す斜視図、(c)は、同筒状型自在継手の筒方向他端側に突合せ連結させる接続口部材を示す斜視図であり、図8は、同筒状型自在継手の使用の例を示す斜視図および同側面図である。
なお、この他の実施形態に係る筒状型自在継手A−1は、図7に示すように、筒状型自在継手A−1の筒方向両端に位置するそれぞれの管状部材1に、接続口部材(以後、「接続口A部材」、「接続口B部材」と称する)9,10をそれぞれ突合せ連結させた構成を採用している。それ以外の構成要素においては前記した実施形態と基本的に同じ構成であることから、同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0042】
すなわち、図7に示すように、筒状型自在継手Aの筒方向両端に位置する管状部材1に、接続口A部材9と接続口B部材10をそれぞれ突合せ連結させて備えている。
この接続口A部材8および接続口B部材9は、図8に示すように、排気装置Bの接続排気口4と外部排気口5とを、所望の長さと口径を有する既存の直管Cを中間に介して接続するときに、管状部材1の口径よりも直管Cの口径が大きい、小さいなど管状部材1との口径が異なるなどの場合において、筒状型自在継手Aの筒方向両端に位置するそれぞれの管状部材1に突合せ連結されて使用されるものである。
【0043】
接続口A部材9および接続口B部材10は、管状部材1と同じく不燃性の材料によって形成されている。この接続口A部材9および接続口B部材10は、直管Cに嵌め合せ接続される口径にて、図7の(b)および(c)に示すように、所望の幅を有する円筒状に形成されている。
【0044】
なお、図示を省略しているが、接続口A部材9および接続口B部材10の口径は、直管Cに対するのみならず、リフォームにおいて換気装置Bを新規に交換するときなどにおいて、既設の外部排気口などに嵌め合わせ接続することができる口径など、任意である。
【0045】
そして、接続口A部材9の一端開口側には、図7の(b)に示すように、管状部材1の一方の連結口1a側に備えられている突合せ当接部2と同じ形態からなる突合せ当接部2−1が備えられており、接続口B部材10の一端開口側には、図7の(c)に示すように、管状部材1の他方の連結口1b側に備えられている突合せ嵌合部3と同じ形態からなる突合せ嵌合部3−1が備えられている。
すなわち、突合せ当接部2−1の内側シールド面部2bおよび突合せ嵌合部3−1の外側シールド面部3bは正多角形、正36角形に形成されており、管状部材1の突合せ嵌合部3および突合せ当接部2と突合せ連結されるようになっている。
また、突合せ嵌合部3−1側には、止着手段である内向き係止片部6と、内曲げカシメ片部7とがそれぞれ備えられている。
【0046】
[作用説明]
つぎに、このように形成されている接続口A部材9、接続口B部材10のいずれか一方を備えている筒状形自在継手A−1の使用について簡単に説明する。ここでは、図8を適宜参照しながら説明する。
図8に示すように、換気装置Bの接続排気口4に接続される筒状型自在継手A−1と、外部排気口5側に接続される筒状型自在継手A−1とをそれぞれ準備し、この両筒状型自在継手A−1の筒方向一端の管状部材1に、直管Cに接続することができる口径の接続口A部材9と接続口B部材10をそれぞれ突合せ連結する。
ついで、両筒状型自在継手A−1のそれぞれの接続口A部材9と接続口B部材10によって直管Cを接続した後、両筒状型自在継手A−1の各管状部材1を周方向に多角1コマおよび数コマ回して順次に突合せ連結する作業で接続方向の芯ズレを調整することで、換気装置Bの上向きの接続排気口4と、建物の壁部Kに取り付けられる横向きの外部排気口5とを接続することができる。
これにより、直管Cの口径が、環状部材1の口径より大きい、小さいなどの口径が異なる場合には、直管Cに接続することができる口径を有する接続口A部材9および接続口B部材10を準備し、該接続口A部材9および接続口B部材10を、直管Cが接続される両筒状型自在継手A−1の一端側管状部材1にそれぞれ突合せ連結することで、直管Cとの組み合わせによって換気装置Bの接続排気口4と建物の壁部Kに取り付けられる外部排気口5との芯ズレを調整しながらの配管接続を可能とする。
また、リフォームなどによって新規の換気装置Bを設置するときに、既存の外部排気口との口径が異なる場合などのときにおいても、外部排気口に接続される側の筒状型自在継手A−1の一端側管状部材1に接続口A部材9または接続口B部材10を突合せ連結することで対応させることが可能となる。
【0047】
≪他の実施形態に係る止着手段の構成≫
図9は、本実施形態に係る止着手段の他の実施形態を示す斜視図および要部の拡大断面図である。
この実施形態では、前記したように、管状部材1の突合せ当接部2を有する一方の連結口1aを、突合せ嵌合部3を有する他方の連結口1bに突合せた後に、両連結口1a,1bを抜動不能に定着するための止着手段が、他方の連結口1bの突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bに備えられる内向き係止片部6と、別途に形成されるクリップ部材11とからなる。つまり、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bには内向き係止片部6のみが備えられており、内曲げカシメ片部7は備えられていない構成を採用している。
【0048】
≪クリップ部材の構成≫
クリップ部材11は、図9に示すように、一対の挟持片部11a,11bを備えて形成されている。そして、一方の挟持片部11a側には、図9の(b)に示すように、内側シールド面部2bと外側シールド面部3bを一対の挟持片部11a,11bで挟み込み装着させたときに、内側シールド面部2bに食い込むように当接する固定片部12が切り起こし傾斜状に備えられている。
つまり、固定片部12は、クリップ部材11が不用意に抜け外れないようにロックするロック機構としての役目を果たすものである。
【0049】
≪他の実施形態の筒状型自在継手の構成≫
図10および図11は、他の実施形態に係る筒状型自在継手をエルボ形態で示す縦断面図である。
なお、この他の実施形態に係る筒状型自在継手A−2は、前記した内向き係止片部6および内曲げカシメ片部7に変えて、図10および図11に示すように、締付けバンド70を用いて、管状部材1の両連結口1a,1bのシール性を高め、そして両連結口1a,1bを抜動不能に連結する構成を採用している。それ以外の構成要素において前記の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0050】
すなわち、筒状部材1の他方の連絡口1b側に備えられる突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bから内向き係止片部6および内曲げカシメ片部7を無くし、図10および図11に示すように、両連絡口1a,1bを突合せた状態で外側シールド面部3bを、締付けバンド70を用いて外側から締付ける構成としている。
【0051】
≪締付けバンドの構成≫
図12は、本実施形態に係る締付けバンドに一例を示す斜視図である。ここでは、図10および図11を適宜参照しながら説明する。
締付けバンド70は、図12に示すように、バンド部70aと、このバンド部70aの両端開放側を引き寄せるように繋ぐ締付けボルト70bとを備えて構成されている。
【0052】
バンド部70aは、図10および図11に示すように、外側シールド面部3bの外側に沿って該外側シールド面部3aの全周にわたり巻き付けセットされる程度の長さで、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3b側から突合せ当接部2を包囲することができる断面視で略コの字形状に形成されている。
本実施形態では、バンド部70aの断面視形状を、図10に示すように、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bの断面幅と略同じ程度の幅を有する連設部70a-1から両開放端部70a−2側に向けて末広がり形状とする略台形形状としている。そして、バンド部70aの連設部70a−1は、図11および図12に示すように、外側シールド面部3bの正36角形に適合させた多角形状に形成されている。
これにより、内側に突合せ当接部2が突合せ連結される突合せ嵌合部3に対し、外側シールド面部3b側からバンド部70aを速やかにセットし得るようにしている。そして、正36角形の外側シールド面部3b全体を、多角形状の連設部70a−1によって均一に締付けることができるようにしている。
【0053】
さらに、外側シールド面部3bの内側シールド面部2bに対する圧接に加え、図10の拡大図に示すように、外側シールド面部3bの円周端部3b−1より内側シールド面部2bの円周端部2b−1が飛び出している関係から、バンド部70aを締付けて行くことにより、突合せ当接部2は突合せ嵌合部3に対する突合せ方向に徐々に移動され、突合せ嵌合部3の座面部3aに対する突合せ当接部2の当接面部2aの圧接力を高め、より一層高いシール性を突合せ当接部2と突合せ嵌合部3との間に付与することができる。
【0054】
そして、バンド部70aのバンド方向の両端開放側には、図12に示すように、略L字形状の締付け連繋部材71,72がそれぞれ備えられており、この両締付け連繋部材71,72の間にわたり締付けボルト70bが貫通状にねじ込み装着されるように形成されている。
【0055】
締付けボルト70bは、頭部70b−1と、締付け連繋部材71,72間にわたるネジ部70b−2とを備えて形成されている。頭部70b−1の周面にはローレットなどからなる滑り止めが施されており、また、頭部70b−1の突端面には図示省略の六角レンチ用の係止凹部が設けられている。
【0056】
[作用説明]
つぎに、このように形成されている締付けバンド70を備えている筒状形自在継手A−2の連結について簡単に説明する。
この筒状型自在継手A−2は、突合せ連結する一方の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、他方の管状部材1を周方向に多角1コマ分および数コマ分回して突合せ当接部2を突合せる配管方向の芯ズレを合わせる調整を行いながら突合せ嵌合部3の円周外側から締付けバンド70のバンド部70aを巻きつけるようにセットし、締付けボルト70bでバンド部70を締付ける。
これより、突合せ嵌合部3の外側シールド部3bを突合せ当接部2の内側シールド面部2bに圧接、さらに、突合せ嵌合部3の座面部3aに対して突合せ当接部2の当接面部2aの圧接させた状態で、突合せ当接部2を突合せ嵌合部3に抜動不能に止着連結することができる。つまり、突合せ当接部2と突合せ嵌合部3とによる密接させたシール性を、外側シールド面部3bと内側シールド面部2bとの圧接に加えた突合せ嵌合部3側の座面部3aに対する突合せ当接部2側の当接面部2aの圧接によってより一層高いものとすることができる。
【0057】
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した実施形態に限られるものではなく、請求項1から請求項14に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、両連結口1a,1bの突合せ当接部2および突合せ嵌合部3を含めた側面視で略V字形状の管状部材1の管全体(筒方向全体)を正多角形、前記の実施例詳述のように、15角形以上で、正36角形などに形成することができる。
また、管状部材1のV字角度θは、前記した30°に限定されるものではなく、例えば、15°、25°、40°、60°などに形成することができる。
【0058】
また、筒方向の側面視で略V字形状の管状部材1の両連結口1a,1bにそれぞれ備えられる突合せ連結部として、筒状に突合せ連結されて筒方向に隣り合う管状部材1のうち、その一方の管状部材1側の両連結口1a,1bに前記した突合せ当接部2をそれぞれ備え、他方の管状部材1側の両連結口1a,1bには前記した突合せ嵌合部3をそれぞれ備えている構成の管状部材1とすることができる。
つまり、管状部材1には、両連結口1a,1bに突合せ当接部2を備えている雄側管状部材と、両連結口1a,1bに突合せ嵌合部3を備えている雌側管状部材との2種類があって、この2種類の雄側管状部材と雌側管状部材を筒方向に交互に突合せ連結することで、図1および図4に示す直管形態やエルボ形態の筒状型自在継手Aを連結構成することができる。
【0059】
そして、複数の管状部材1を筒方向に突合せ連結して所望の長さを有する筒状型自在継手を構成したとき、換気装置Bの接続排気口4、外部排気口5、そして配管中間の直管Cなどとの嵌め合せ接続が行われる筒方向の一端または両端に位置する管状部材1に、前記した円筒状の接続口部材を一体に備えることができる。
この場合、接続口部材を備えた管状部材1は、筒状型自在継手を連結構成するときに、その筒方向一端側あるいは両端側に突合せ連結されて、換気装置Bの接続排気口4、外部排気口5、そして配管中間の直管Cなどとの嵌め合せ接続が行われる接続端部材として使用されるものである。
【0060】
さらに、内向き係止片部6および内曲げカシメ片部7を、外側シールド面部3bの円周一ヶ所に限らず、数ヶ所に設けることができる。例えば、内曲げカシメ片部7を一ヶ所に、内向き係止片部6を二ヶ所に、円周等間隔で設けたり、或いは、内向き係止片部6を一ヶ所に、内曲げカシメ片部7を二ヶ所に、円周等間隔で設けることができる。さらには、内向き係止片部6と内曲げカシメ片部7をそれぞれ二ヶ所に、円周等間隔で設けることができる。
【符号の説明】
【0061】
A,A−1,A−2 筒状型自在継手
1 管状部材
1a,1b 連結口
2 突合せ当接部(突合せ連結部)
2a 当接面部
2b 内側シールド面部
2b−1 多角端部
3 突合せ嵌合部(突合せ連結部)
3a 座面部
3b 外側シールド面部
3b−1 多角端部
4 接続排気口
5 外部排気口
6 内向き係止片部(止着手段)
7 内曲げカシメ片部(止着手段)
8 回動操作摘み
9 接続口A部材(接続口部材)
10 接続口B部材(接続口部材)
11 クリップ部材(止着手段)
70 締付バンド
【技術分野】
【0001】
本発明は、略直管形態や曲管形態などの任意の配管方向に対して方向自在とする筒状型自在継手に係り、特に、換気装置の接続排気口と建物の壁部に取り付けられる外部排気口との接続などに有効な筒状型自在継手に関する。
【背景技術】
【0002】
室内換気用の換気装置は、建物の壁部に開口部を設けて、この開口部に直接取り付けられる壁直付けタイプと、天井や壁部の内側などに設置される設置タイプが知られている。近年では、設置タイプが主流になってきている。この設置タイプの換気装置では、一体に形成されているエルボ管やジャバラ管などを用いて建物の壁部に取り付けられる外部排気口との接続が行われる。
つまり、設置タイプの換気装置側の接続排気口の開口方向によっては、外部排気口の壁部に対する取り付け位置との関係などから、接続排気口と外部排気口との接続方向に芯ズレが起き、一致していないことがある。この場合、エルボ管、ジャバラ管のいずれか、あるいはエルボ管とジャバラ管とを組み合わせて接続排気口と外部排気口とを接続することが行われている。
【0003】
ところで、エルボ管は、内面に空気の流れを妨げる凸凹がないことで、室内換気用の配管継手として有効ではあるが、90°などの固定された曲がり角度を有する配管継手であるために、接続方向の芯ズレ(芯ズレ角度)などによっては非常に困難な作業となるばかりか、エルボ管単体では対応しきれない場合がある。この場合は、方向自在なフレキシブル性を有するジャバラ管との組み合わせ、あるいはジャバラ管単体を用いて行うことが多い。
このように、ジャバラ管は、接続排気口と外部排気口との接続方向の芯ズレなどに対して調整自在でスムーズに対応させることができるなどから、このような接続においては有効な配管継手と言える。しかし、ジャバラ管は、管内面に細かな凸凹が存在しているために、通気抵抗が高くなるなどの室内空気の円滑な流通が望めない問題がある。
特に、調理中に発生する汚染空気を屋外に排気するレンジフードの外部配管用として、ジャバラ管を使用した場合などには、汚染空気中に含まれている油脂分が細かな凹凸の凸部への衝突が繰り返されることで、油脂分が管内に溜まり易くなり、火災保安上において好ましくないものである。
【0004】
そこで、このような問題を解消するために、内周面にジャバラ管のような細かいピッチで管方向に存在する凸凹を有することなく、しかも、接続方向に対する芯ズレを調整自在とするフレキシブル性を有する通気用継手が提案されている(例えば、特許文献1などを参照)
この通気用継手は、接続管の管端部にバンド締めなどによって接続される接続口部とこの接続口部に連設させた半円状鍔を有する両側の端部材と、この両側の端部材の間において、両端部材の半円状鍔に嵌め合せ連結されるそれぞれの連結方向に向けた二方向の半円状鍔を連設させてなる中間部材とによって構成されている。
これにより、両側の端部材の半円状鍔と中間部材の半円状鍔との回動自在な連結によって、両側の端部材のそれぞれの接続口部が接続管との接続方向に対して同軸芯上に芯合わせ調整することができるフレキシブル性を備え、しかも、両側の端部材の間における中間部材の連結数によって全体の長さを変更し得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平8−525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の従来技術は、例えば、補正後の図1および図2に示されているように、同じ鍔部(端面)形態にて内外関係で重なり合うように形成されている端部材の雌側半円状鍔を中間部材の雄側半円状鍔に覆う形で嵌め合せ連結させる連結構造である。
そのために、雄雌の両半円状鍔の嵌め合せ重合部の間に、雄雌鍔間をシールするためのOリングなどのシール材を装填することが必要であるなど、嵌め合せ連結作業に手間が掛かるものとなっていた。
例えば、レンジフードの設置現場において、室内壁面に取り付けられるフード部の接続排気口と、壁部に取り付けられる外部排気口との接続長さに合わせて行われる複数の中間部材を用いた嵌め合せ連結作業おいて、面倒で時間が掛かるなどの取扱い性に問題があった。
【0007】
また、従来技術では、製作面において、両側の端部材の他に異なる二種類の雌側中間部材と雄側中間部材をそれぞれ製作しなければならない。さらに、嵌め合せ重合部の間を埋めるOリングなどのシール材などが必須部品として必要となるめに、材料費や加工費か嵩むなどによってコスト高になっていた。
【0008】
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、接続方向の芯ズレに対する方向調整と長さの可変自在を、同一形状を呈する複数部材の筒方向への連結数と突合せ連結するときに各部材を周方向に回す操作によって可能とし、しかも、管内面をさらに平滑にして流通抵抗を低減させることを可能にしたフレキシブル性を有する筒状型自在継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明では、突合せ連結される連結口を両端に有する複数の管状部材を筒状に連結してなる筒状型自在継手であって、
前記管状部材は、前記両連絡口がそれぞれ斜め角度にて輪切り状にカットされた筒方向の側面視で略V字形状に形成され、かつ、前記両連結口に突合せ連結部をそれぞれ備え、さらに、前記突合せ連結部またはこの突合せ連結部を含めた前記管状部材の管全体が正多角形に形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記管状部材は、管壁を所望の円弧形状にて湾曲させた湾曲管状に形成されていることが好適なものとなる。
そして、前記両連絡口のうち、その一方の連結口側に前記突合せ連結部である突合せ当接部を備え、他方の連結口には前記突合せ当接部を密接状に嵌め合せ連結させる前記突合せ連結部である突合せ嵌合部を備えている構成、または、筒状に突合せ連結されて筒方向に隣り合う前記管状部材のうち、その一方の管状部材側の両連結口に前記突合せ連結部である突合せ当接部をそれぞれ備え、他方の管状部材側の両連結口には前記一方の管状部材の前記突合せ当接部が嵌め合せ連結される前記突合せ連結部である突合せ嵌合部をそれぞれ備えている構成を採用することが好適なものとなる。
【0011】
また、前記突合せ当接部は、前記一方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられる当接面部と、この当接面部の外周縁より設けられる内側シールド面部とから断面視で略L字形状に形成され、前記突合せ嵌合部は、前記他方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられて前記当接面部が突合せ当接される座面部と、この座面部の外周縁より設けられる外側シールド面部とから断面視で略L字形状に形成されていることが好適なものとなる。
また、前記内側シールド面部は、前記当接面部の外周縁より外向き傾斜状に形成され、前記外側シールド面部は、前記座面部の外周縁より前記内側シールド面部を外側から包み込むように略同じ傾斜角度にて外向き傾斜状に形成されていることが好適なものとなる。
さらに、前記外側シールド面部の円周端部に、前記突合せ当接部を少なくとも抜動不能に止着する止着手段を備えていることが好適であり、前記止着手段は、前記外側シールド面部の円周端部の要所にそれぞれ備えられる内向き係止片部と、内曲げカシメ片部とであり、または、前記外側シールド面部の円周端部の要所に備えられる内向き係止片部と、別途形成のクリップ部材とであることが好適なものとなる。
【0012】
このような構成によれば、突合せ連結させる両連絡口を斜め輪切り状にカットすることで筒方向の側面視で略V字形状に形成されている複数の管状部材を筒状に突合せ連結するときに、周方向に回して各管状部材を順次に突合せ連結させる。これにより、管内面が平滑で直管形態、エルボ形態、或いは捻じれ形態、さらには略U字形態や略C型形態などの筒状型自在継手を任意に連結構成することができる。
例えば、エルボ形態の筒状型自在継手を構成する場合には、複数の管状部材を突合せ連結させるときに、筒方向において隣り合う一方の管状部材の筒方向最短部側(筒方向最長部側)と他方の管状部材の筒方向最短部側(筒方向最長部側)を周方向の一ヶ所において筒方向に位置させるように各管状部材を順次に突合せ連結させることで、エルボ形態の筒状型自在継手とすることができる。この場合、管状部材の斜め輪切り状にカットされている両連結口間の略V字角度θとの関係において管状部材の連結数を決める。例えば、各管状部材の略V字角度θが、30°である場合には、3個の環状部材を前記のように突合せ連結することで、90°のエルボ形態の筒状型自在継手を連結構成することができる。
【0013】
また、複数の管状部材の両連結口同士の突合せ連結は、断面視で略L字形状に形成されている一方の連結口側の突合せ当接部を、同じく断面視で略L字形状に形成されている他方の連結口側の突合せ嵌合部に対する嵌め合せによって容易に行うことができる。
しかも、突合せ当接部の正多角形に形成されている内側シールド面部と、突合せ嵌合部の正多角形に形成されている外側シールド面部との突合せ嵌合によって、筒方向において隣り合う管状部材の突合せ連結状態が回転不能に保持される。
つまり、複数の管状部材を筒状に突合せ連結させた状態での配管方向の芯ズレに対する調整作業を円滑に行うことができる。例えば、調理中に発生する汚染空気を吸い込み捕獲するレンジフードなどの換気装置の接続排気口から建物の壁部などに設置されて汚染空気を屋外に排気する外部排気口へと、エルボ形態、直管形態、捻じれ形態、或いはそれら形態の組み合わせよって至る寸法(距離)に応じた個数の管状部材を用いて筒状型自在継手を連結構成するときに、各管状部材の突合せ連結によるエルボ形態、直管形態、捻じれ形態が、正多角形に形成されている内側シールド面部と外側シールド面部との突合せ嵌合によって保持される。
【0014】
また、突合せ連結させる両連結口の間は、突合せ当接部側の内側シールド面部と突合せ嵌合部側の外側シールド面部とによって、高いシール性にて密接させることができる。
さらに、外側シールド面部側に設けられている曲げカシメ片部を内側シールド面部側に折り曲げ加締めることで、内側シールド面部を挟み込むように止着する。または、内側シールド面部と外側シールド面部とをクリップ部材で挟み込むように止着することで、この止着部と、外側シールド面部側に設けられている内向き係止片部とによって両連結口を抜動不能に連結することができる。
【0015】
また、本発明では、前記管状部材を筒状に複数突合せ連結させた状態において、筒方向の両端に位置する前記管状部材の一方または双方に連結される接続口部材を備えていることを特徴とする。ここで、前記接続口部材には、前記環状部材の口径と同じ口径のものと、または、前記管状部材の口径よりも大きい、小さいなどの口径が異なるものとがある。また、前記接続口部材は、管状部材に一体に備えられている構成とすることができる。
【0016】
このような構成によれば、例えば、レンジフードなどの換気装置の接続排気口と、建物の壁部に取り付けられる外部排気口との配管距離が長いために、接続排気口側に接続される筒状型自在継手と外部排気口側に接続される筒状型自在継手との間に所望の長さと口径を有する直管を用いて行うときに、直管の口径が、環状部材の口径より大きい、小さいなどの口径が異なる場合には、直管に接続することができる口径を有する接続口部材を選択し、該接続口部材を、直管が接続される両筒状型自在継手の筒方向一端の管状部材側にそれぞれ突合せ連結することで、直管を間に用いた直管との組み合わせによって接続排気口と外部排気口との配管接続を可能とする。
また、リフォームなどによって新規の換気装置を設置するときに、既存の外部排気口との口径が異なる場合などのときにおいても、外部排気口に接続される側の筒状型自在継手の筒方向一端の管状部材側に接続口部材を突合せ連結することで対応させることが可能となる。
【0017】
また、本発明では、前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、少なくとも前記突合せ嵌合部の前記外側シールド面部を、前記突合せ当接部の前記内側シールド面部に圧接させる締付けバンドを備えていることを特徴とする。
ここで、前記締付けバンドは、両開放端側に向けて末広がる断面視で略台形形状で、前記外側シールド面部の正多角形に適合させた多角形状に形成され、かつ、前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、前記内側シールド面部の多角端部が前記外側シールド面部の多角端部よりも外側に飛び出していることが好適なものとなる。
【0018】
このような構成によれば、突合せ当接部を有する一方の連結口と突合せ嵌合部を有する他方の連結口とを突合せた状態で、外側シールド面部の円周外側から締付けバンドを巻きつけるようにセットし、該締付けバンドで外側シールド面部を締付けることで、該外側シールド面部を内側シールド面部に圧接させることができる。
これにより、外側シールド面部と内側シールド面部とをより一層高いシール性にて密接させることができる。しかも、突合せ連結される管状部材の両連結口をより強硬な状態で抜動不能に連結することができる。
【0019】
また、締付けバンドが、両開放端側に向けて末広がる断面視で略台形形状に形成されている場合には、外側シールド面部の外側から突合せ嵌合部と突合せ当接部を包み込むようにセットされる締付けバンドによって、突合せ当接部を突合せ嵌合部に一体的に連結させることができる。つまり、外側シールド面部の多角端部より内側シールド面部の多角端部が飛び出している関係から、締付けバンドを締付けて行くことにより、突合せ当接部は突合せ嵌合部に対する突合せ方向に徐々に移動され、突合せ嵌合部の座面部に対する突合せ当接部の当接面部の圧接力を高めことができる。
これにより、突合せ当接部の突合せ嵌合部への嵌め合わせによって突合せ連結される管状部材の両連結口を抜動不能に連結することができる。そして、締付けバンドの締付け力によって、突合せ当接部の突合せ嵌合部への嵌め合せ圧接力を高めることができる。つまり、突合せ当接部と突合せ嵌合部とによる密接させたシール性を、外側シールド面部と内側シールド面部との圧接に加えた突合せ嵌合部側の座面部に対する突合せ当接部側の当接面部の圧接によってより一層高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、筒方向の側面視で略V字形状で、両連結口の突合せ連結部または管全体が正多角形に形成されている同一形状の各管状部材複数を筒状に突合せ連結するときに、それぞれ周方向に回しながら順次に突合せ連結することで、管内面が平滑で略直線(直管)形態、略エルボ形態、さらには略U字形態や略C型形態などの筒状型自在継手を連結構成することができる。また、同一形状の管状部材の連結数によって任意長さの筒状型自在継手を連結構成することができる。
つまり、従来技術のように、形状が異なる両側の端部材を用いることなく、なおかつ、二種類の中間部材を用いることなく、設置現場における配管方向の芯ズレに対する方向調整と長さを可変自在とする筒状型自在継手とすることができる。
これにより、例えば、調理中に発生する汚染空気を屋外に排気するレンジフードの外部配管用、フード部の接続排気口と壁部に取り付けられる外部排気口との接続用、あるいは、外部排気口に一端側が接続される排気ダクトの他端側とフード部の接続排気口との接続用として有効で、しかも、取り扱い性や火災保安上などにおいても有効な筒状型自在継手を提供することができる。
【0021】
また、複数管状部材の連結は、一方の連結口側に設けられている突合せ当接部を、他方の連結口側に設けられている突合せ嵌合部に対する突合せ嵌合により行うことができるので、連結口同士を同軸芯上にて確実に、しかも、突合せ当接部側の正多角形の内側シールド面部と突合せ嵌合部側の正多角形の外側シールド面部とによる高いシール性にて密接させることができるために、従来技術のようなOリングが不要となることで、レンジフードなどの換気装置の設置現場などにおける配管作業性の改善が図られ、しかも、コストの削減が図られた筒状型自在継手を提供することができる。
【0022】
また、本発明によれば、例えば、環状部材の口径と異なる口径の直管を、中間に介してレンジフードなどの換気装置の接続排気口と建物の壁部に取り付けられる外部排気口との配管接続を行うときに、直管を嵌め合せ接続することができる口径の接続口部材を選択し、該接続口部材を筒状型自在継手の直管接続側の管状部材に備えることで、直管との組み合わせによる接続排気口と外部排気口との配管接続が可能となる。
【0023】
また、本発明によれば、締付けバンドで、突合せ連結される管状部材の両連結口の外側シールド面部と内側シールド面部、および、座面部と当接面部とをより一層高いシール性にて密接させることが可能となり、しかも、強硬な状態で両連結口を抜動不能に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る筒状型自在継手の直管形態を筒方向の側面から見たときの縦断面図である。
【図2】管状部材単体を示し、(a)は、縦断面図であり、(b)は、一方の連結口側から見たときの斜視図であり、(c)は、他方の連絡口側から見たときの斜視図である。
【図3】一方の管状部材の突合せ嵌合部を有する連結口に対し、他方の管状部材の突合せ当接部を有する連結口を突合せ連結するときの状態を示す縦断面図である。
【図4】同筒状型自在継手のエルボ形態を筒方向側面から見たときの縦断側面図である。
【図5】図4における筒状型自在継手の各管状部材を周方向に回転させたときのそれぞれの筒状形態を筒方向側面から見たときの側面図であり、(a)は、筒状型自在継手の一端開口と他端開口との延長線交差角度が60°とする筒状形態を示し、(b)は、筒状型自在継手の一端開口と他端開口との延長線交差角度が30°とする筒状形態を示し、(c)は、捩れ筒状形態を示す。
【図6】筒状型自在継手の使用の例を示し、(a)は、換気装置を前側斜め上方から見たときの斜視図であり、(b)は、同正面図である。
【図7】他の実施形態に係る筒状型自在継手を示し、(a)は、エルボ形態を筒方向側面から見たときの縦断断面図であり、(b)は、接続口A部材を示す斜視図であり、(c)は、接続口B部材を示す斜視図である。
【図8】同筒状型自在継手の使用の例を示し、(a)は、換気装置を前側斜め上方から見たときの斜視図であり、(b)は、同側面図である。
【図9】本実施形態に係る係止手段の他の実施形態を示し、(a)は、クリップ部材を示す斜視図であり、(b)は、クリップ部材によって環状部材の突合せ当接部と突合せ嵌合部を抜動不能で、回転不能に止着連結した状態を示す要部の拡大断面図である。
【図10】他の実施形態に係る筒状型自在継手のエルボ形態を筒方向の側面から見たときの縦断断面図である。
【図11】図11のXI−XI線断面図である。
【図12】本実施形態に係る締付けバンドを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る筒状型自在継手を直管形態で示す縦断面図であり、図2は、管状部材単体を示す縦断面図及び斜視図である。
【0026】
≪筒状型自在継手の構成≫
筒状型自在継手Aは、図1に示すように、複数の管状部材1を筒状に突合せ連結することによって構成される。
この筒状型自在継手Aは、各管状部材1を周方向いずれかの方向に適宜の角度にて回して突合せ連結させること、管状部材1の連結個数などによって、長さが自在で、図1に示す直管形態、後記の図4および図5に示すエルボ形態や捩れ形態などの任意の筒状形態に連結構成することができるようになっている。
【0027】
≪管状部材の構成≫
管状部材1は、不燃性の材料によって形成されている。例えば、厚さが0.6mm以上のステンレスや亜鉛などかなる鋼板を用いて形成されている。
この管状部材1は、例えば、後記の図6および図8に示すように、調理中に発生する汚染空気を吸い込み捕獲するレンジフードなどの換気装置Bに備えられている接続排気口4や建物の壁部Kに設置されて汚染空気を屋外に排気する外部排気口5などの口径に形成されている。
そして、管状部材1は、筒状に突合せ連結される両端の連結口1a,1bを、管軸芯に対し斜め角度にて輪切り状にそれぞれカットされた筒方向の側面視で略V字形状(略扇型形状)に形成されている。
【0028】
また、管状部材1は、図1および図2に示すように、管壁を所望の円弧角度にて湾曲させた湾曲管状に形成されている。これにより、管状部材1は、図2の(a)に示すように、筒方向湾曲最長部L1を有し、連結口1bの開口軸芯を通る対角線上において、筒方向湾曲最長部L1の反対側に位置する周面部位に筒方向湾曲最短部L2を有する筒方向の側面視で略V字形状を呈する。
本実施形態では、図2の(a)に示すように、両端の連結口1a,1b間における略V字角度θが30°になるように両端の連結口1a,1bが、管状部材1に開口されている。つまり、管状部材1の管壁は、図2の(a)に示す交点Pを中心として描かれる円弧角度にて湾曲状に形成されている。
これにより、例えば、後記の図4に示すように、3個の管状部材1の筒方向湾曲最長部L1側および筒方向湾曲最短部L2側を、周方向の一ヶ所において筒方向に位置させるように各管状部材1の両連結口1a,1bを突合せ連結させることで、90°のエルボ形態の筒状型自在継手Aを連結構成することができる。
【0029】
そして、筒方向の側面視で略V字形状に形成されている管状部材1の両連結口1a,1bのうち、一方(図2(a)において紙面左側)の連結口1a側の開口周縁に突合せ連結部である突合せ当接部2を備え、他方(図2(a)において紙面右側)の連結口1b側の開口周縁には突合せ連結部である突合せ嵌合部3を備えている。
【0030】
このように、筒方向の側面視で略V字角度θが30°に形成され、かつ、一方の連結口1a側に突合せ当接部2を備え、他方の連結口1b側には突合せ当接部2を突合せ連結させる突合せ嵌合部3を備えている管状部材1において、突合せ当接部2の後記する内側シールド面部2bと突合せ嵌合部3の後記する外側シールド面部3bとが正多角形にそれぞれ形成されている。
これにより、筒状に突合せ連結されて隣り合う筒方向一方の管状部材1の突合せ嵌合部3に、他方の管状部材1の突合せ当接部2を突合せ連結させるときに、他方側の管状部材1を多角一辺(以後、「多角1コマ」と称する)分、周方向にずらすように回すことにより、他方側の管状部材1を多角1コマ分のずれ角度にて周方向に回転させた状態で突合せ連結させることができるようにしている。また、突合せ嵌合部3に突合せ当接部2の突合せた状態で回転不動に保持されるようにしている。
【0031】
≪突合せ当接部の構成≫
突合せ当接部2は、図1の拡大図及び図2の(a)に示すように、連結口1aの開口周縁から外向きリング状に設けられる当接面部2aと、この当接面部2aの外周縁より外向き傾斜状、管状部材1の周壁方向に向けた外向き傾斜状に設けられる内側シールド面部2bとから断面視で略L字形状に形成されている。そして、突合せ当接部2の内側シールド面部2bは、図2の(b)および(c)に示すように、正多角形に形成されている。
【0032】
≪突合せ嵌合部の構成≫
突合せ嵌合部3は、図1の拡大図および図2に示すように、連結口1bの開口周縁から外向きリング状に設けられて、突合せ当接部2側の当接面部2aが突合せ当接される座面部3aと、この座面部3aの外周縁から内側シールド面部2bを外側から包み込むように略同じ傾斜角度にて連結口1bの開口方向に向けた外向き傾斜状に設けられる外側シールド面部3bとから断面視で略L字形状に形成されている。そして、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bは、図2の(b)および(c)に示すように、内側シールド面部2bと同じ角数の正多角形に形成されている。
【0033】
突合せ当接部2の内側シールド面部2bと突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bとの正多角形の角数としては特に限定されるものではないが、例えば、正15角形(多角1コマ24°周方向に回転)以上が好ましく、本実施形態では、図2に示すように、内側シールド面部2bと外側シールド面部3bを正36角形としている。
これにより、多角1コマずつ回すことで、筒方向において隣り合う一方の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、他方の管状部材1の突合せ当接部2を突合せ連結するときに、他方の管状部材1を多角1コマずつ回すことで、他方の管状部材1を周方向に10°の回転角度にてずらしながら(回転させながら)突合せ連結させることができる。つまり、配管方向の僅かな芯ズレに対し、その芯ズレ調整を可能としている。
【0034】
そして、このように、正36角形に形成されている突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bの多角端部には、突合せ当接部2を抜動不能な状態に止着するための止着手段を備えている。
【0035】
≪止着手段の構成≫
止着手段は、複数の管状部材1同士が、一方の連絡口1aの突合せ当接部2を他方の連絡口1bの突合せ嵌合部3に突合せて、筒状型自在継手Aを、例えば、図4および図5に示すそれぞれの筒状形態に連結構成するときに、筒方向に隣り合う各管状部材1の突合せ当接部2が突合せ嵌合部3から抜け外れないように、突合せ当接部2を突合せ嵌合部3に止着(定着)するものである。
この止着手段は、図1および図2に示すように、外側シールド面部3bの多角端部の要所にそれぞれ備えられる内向き係止片部6と、内曲げカシメ片部7である。
【0036】
内向き係止片部6は、図2の(a)および(c)に示すように、外側シールド面部3bの多角端部から所定の幅を有する爪片形状にて内向きに折り曲げ形成されて、外側シールド面部3bに備えられている。
【0037】
内曲げカシメ片部7は、連絡口1bの開口軸芯を通る内向き係止片部6からの対角線状に位置する外側シールド面部3bの多角端部において、該多角端部から所定の幅で、なおかつ、図1の拡大図に示すように、内曲げ加締められたときに内側シールド面部2bを外側シールド面部3bとの間で挟み込む長さを有する挟持部7aと、この挟持部7aから内向きに屈曲状に連設されている固定部7bとから形成されている。
固定部7bは、図2の(a)および(c)に示す状態から図1の拡大図に示す状態へ内曲げカシメ片部7が内曲げ加締められたときに、環状部材1の壁面に食い込むように当接する。
これにより、内曲げカシメ片部7の加締め状態が不用意に解除されないようにしている。つまり、固定部7bは、内曲げカシメ片部7が加締められタ状態から不用意に開かないようにロックするロック機構としての役目を果たすものである。
【0038】
[作用説明]
つぎに、一方の連結口1aの突合せ当接部2の内側シールド面部2bと他方の連絡口1bの突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bが、正36角形に形成されている複数の管状部材1を用いた筒状型自在継手Aの連結と、その使用例について簡単に説明する。
図3は、突合せ連結される一方の管状部材の突合せ嵌合部を有する連結口に対し、他方の管状部材の突合せ当接部を有する連結口を突合せ連結させるときの状態を示す縦断面図であり、図4は、3個の管状部材を用いてエルボ形態に突合せ連結した筒状型自在継手の例を示す縦断側面図であり、図5は、図4に示すエルボ形態を基点とし、このエルボ形態から筒方向に隣り合う各管状部材を周方向に多角1コマおよび数コマ回して順次に突合せ連結させたときのそれぞれの筒状形態を示す側面図である。図6は、筒状型自在継手の使用の一例を示す斜視図および同正面図である。ここでは、図1を適宜参照しながら説明する。
【0039】
まず、3個の管状部材1を準備し、図3に示すように、筒状に突合せ連結する一方の管状部材1の連結口1bの突合せ嵌合部3の内向き係止片部6に引掛けるように、他方の管状部材1の連結口1aの突合せ当接部2の多角端部を、突合せ嵌合部3に嵌め差し込み、この差し込み部を支点に、突合せ当接部2全体を突合せ嵌合部3に嵌め差し込む(図3の二点鎖線の状態)。このとき、1個目の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、突合せ当接部2を突合せる2個目の管状部材1、この2個目の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、突合せ当接部2を突合せる3個目の管状部材1を、それぞれ多角1コマ分および数コマ分回して順次に突合せ連結させることで、各管状部材1の筒状の突合せ連結形態を、図4から図6にそれぞれ示す各種の筒状形態とした状態で、図1の拡大図に示すように、突合せ嵌合部3側に備えられている内向きカシメ片部7を内曲げ加締めて突合せ当接部2を突合せ嵌合部3に抜動不能に止着連結する。
これにより、図4に示す90°のエルボ形態、そして図5にそれぞれ示す捩れ形態などの各種の筒状形態に自在に変更可能とするフレキシブル性を備え、しかも、突合せ嵌合部3側の外側シールド面部3bに対する突合せ当接部2側の内側シールド面部2bの当接による高いシール性を備え、そして、管内面を平滑とする筒状型自在継手Aを構成することができる。
【0040】
そして、このようにして、各種の筒状形態に連結構成される筒状型自在継手Aは、図6の(a)および(b)に示すように、管状部材1の連結数(図示例では5個)、そして各管状部材1を突合せ連結するときに各環状部材1を周方向に多角1コマ分および数コマ分回すことによる接続方向の芯ズレに対する方向調整によって、換気装置Bの上向きの接続排気口4と、建物の壁部Kに取り付けられる横向きの外部排気口5とを緩やかな湾曲と捻じれ形態によって直結させた接続とすることができる。
これにより、接続排気口4から外部排気口5へと調理中に発生する汚染空気を、流通抵抗なく円滑に流通させて、外部排気口5から屋外に排気させることができる。
【0041】
≪他の実施形態の筒状型自在継手の構成≫
図7は、他の実施形態に係る筒状型自在継手をエルボ形態で示し、(a)は、同筒状型自在継手の縦断面図、(b)は、同筒状型自在継手の筒方向一端側に突合せ連結させる接続口部材を示す斜視図、(c)は、同筒状型自在継手の筒方向他端側に突合せ連結させる接続口部材を示す斜視図であり、図8は、同筒状型自在継手の使用の例を示す斜視図および同側面図である。
なお、この他の実施形態に係る筒状型自在継手A−1は、図7に示すように、筒状型自在継手A−1の筒方向両端に位置するそれぞれの管状部材1に、接続口部材(以後、「接続口A部材」、「接続口B部材」と称する)9,10をそれぞれ突合せ連結させた構成を採用している。それ以外の構成要素においては前記した実施形態と基本的に同じ構成であることから、同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0042】
すなわち、図7に示すように、筒状型自在継手Aの筒方向両端に位置する管状部材1に、接続口A部材9と接続口B部材10をそれぞれ突合せ連結させて備えている。
この接続口A部材8および接続口B部材9は、図8に示すように、排気装置Bの接続排気口4と外部排気口5とを、所望の長さと口径を有する既存の直管Cを中間に介して接続するときに、管状部材1の口径よりも直管Cの口径が大きい、小さいなど管状部材1との口径が異なるなどの場合において、筒状型自在継手Aの筒方向両端に位置するそれぞれの管状部材1に突合せ連結されて使用されるものである。
【0043】
接続口A部材9および接続口B部材10は、管状部材1と同じく不燃性の材料によって形成されている。この接続口A部材9および接続口B部材10は、直管Cに嵌め合せ接続される口径にて、図7の(b)および(c)に示すように、所望の幅を有する円筒状に形成されている。
【0044】
なお、図示を省略しているが、接続口A部材9および接続口B部材10の口径は、直管Cに対するのみならず、リフォームにおいて換気装置Bを新規に交換するときなどにおいて、既設の外部排気口などに嵌め合わせ接続することができる口径など、任意である。
【0045】
そして、接続口A部材9の一端開口側には、図7の(b)に示すように、管状部材1の一方の連結口1a側に備えられている突合せ当接部2と同じ形態からなる突合せ当接部2−1が備えられており、接続口B部材10の一端開口側には、図7の(c)に示すように、管状部材1の他方の連結口1b側に備えられている突合せ嵌合部3と同じ形態からなる突合せ嵌合部3−1が備えられている。
すなわち、突合せ当接部2−1の内側シールド面部2bおよび突合せ嵌合部3−1の外側シールド面部3bは正多角形、正36角形に形成されており、管状部材1の突合せ嵌合部3および突合せ当接部2と突合せ連結されるようになっている。
また、突合せ嵌合部3−1側には、止着手段である内向き係止片部6と、内曲げカシメ片部7とがそれぞれ備えられている。
【0046】
[作用説明]
つぎに、このように形成されている接続口A部材9、接続口B部材10のいずれか一方を備えている筒状形自在継手A−1の使用について簡単に説明する。ここでは、図8を適宜参照しながら説明する。
図8に示すように、換気装置Bの接続排気口4に接続される筒状型自在継手A−1と、外部排気口5側に接続される筒状型自在継手A−1とをそれぞれ準備し、この両筒状型自在継手A−1の筒方向一端の管状部材1に、直管Cに接続することができる口径の接続口A部材9と接続口B部材10をそれぞれ突合せ連結する。
ついで、両筒状型自在継手A−1のそれぞれの接続口A部材9と接続口B部材10によって直管Cを接続した後、両筒状型自在継手A−1の各管状部材1を周方向に多角1コマおよび数コマ回して順次に突合せ連結する作業で接続方向の芯ズレを調整することで、換気装置Bの上向きの接続排気口4と、建物の壁部Kに取り付けられる横向きの外部排気口5とを接続することができる。
これにより、直管Cの口径が、環状部材1の口径より大きい、小さいなどの口径が異なる場合には、直管Cに接続することができる口径を有する接続口A部材9および接続口B部材10を準備し、該接続口A部材9および接続口B部材10を、直管Cが接続される両筒状型自在継手A−1の一端側管状部材1にそれぞれ突合せ連結することで、直管Cとの組み合わせによって換気装置Bの接続排気口4と建物の壁部Kに取り付けられる外部排気口5との芯ズレを調整しながらの配管接続を可能とする。
また、リフォームなどによって新規の換気装置Bを設置するときに、既存の外部排気口との口径が異なる場合などのときにおいても、外部排気口に接続される側の筒状型自在継手A−1の一端側管状部材1に接続口A部材9または接続口B部材10を突合せ連結することで対応させることが可能となる。
【0047】
≪他の実施形態に係る止着手段の構成≫
図9は、本実施形態に係る止着手段の他の実施形態を示す斜視図および要部の拡大断面図である。
この実施形態では、前記したように、管状部材1の突合せ当接部2を有する一方の連結口1aを、突合せ嵌合部3を有する他方の連結口1bに突合せた後に、両連結口1a,1bを抜動不能に定着するための止着手段が、他方の連結口1bの突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bに備えられる内向き係止片部6と、別途に形成されるクリップ部材11とからなる。つまり、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bには内向き係止片部6のみが備えられており、内曲げカシメ片部7は備えられていない構成を採用している。
【0048】
≪クリップ部材の構成≫
クリップ部材11は、図9に示すように、一対の挟持片部11a,11bを備えて形成されている。そして、一方の挟持片部11a側には、図9の(b)に示すように、内側シールド面部2bと外側シールド面部3bを一対の挟持片部11a,11bで挟み込み装着させたときに、内側シールド面部2bに食い込むように当接する固定片部12が切り起こし傾斜状に備えられている。
つまり、固定片部12は、クリップ部材11が不用意に抜け外れないようにロックするロック機構としての役目を果たすものである。
【0049】
≪他の実施形態の筒状型自在継手の構成≫
図10および図11は、他の実施形態に係る筒状型自在継手をエルボ形態で示す縦断面図である。
なお、この他の実施形態に係る筒状型自在継手A−2は、前記した内向き係止片部6および内曲げカシメ片部7に変えて、図10および図11に示すように、締付けバンド70を用いて、管状部材1の両連結口1a,1bのシール性を高め、そして両連結口1a,1bを抜動不能に連結する構成を採用している。それ以外の構成要素において前記の実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0050】
すなわち、筒状部材1の他方の連絡口1b側に備えられる突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bから内向き係止片部6および内曲げカシメ片部7を無くし、図10および図11に示すように、両連絡口1a,1bを突合せた状態で外側シールド面部3bを、締付けバンド70を用いて外側から締付ける構成としている。
【0051】
≪締付けバンドの構成≫
図12は、本実施形態に係る締付けバンドに一例を示す斜視図である。ここでは、図10および図11を適宜参照しながら説明する。
締付けバンド70は、図12に示すように、バンド部70aと、このバンド部70aの両端開放側を引き寄せるように繋ぐ締付けボルト70bとを備えて構成されている。
【0052】
バンド部70aは、図10および図11に示すように、外側シールド面部3bの外側に沿って該外側シールド面部3aの全周にわたり巻き付けセットされる程度の長さで、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3b側から突合せ当接部2を包囲することができる断面視で略コの字形状に形成されている。
本実施形態では、バンド部70aの断面視形状を、図10に示すように、突合せ嵌合部3の外側シールド面部3bの断面幅と略同じ程度の幅を有する連設部70a-1から両開放端部70a−2側に向けて末広がり形状とする略台形形状としている。そして、バンド部70aの連設部70a−1は、図11および図12に示すように、外側シールド面部3bの正36角形に適合させた多角形状に形成されている。
これにより、内側に突合せ当接部2が突合せ連結される突合せ嵌合部3に対し、外側シールド面部3b側からバンド部70aを速やかにセットし得るようにしている。そして、正36角形の外側シールド面部3b全体を、多角形状の連設部70a−1によって均一に締付けることができるようにしている。
【0053】
さらに、外側シールド面部3bの内側シールド面部2bに対する圧接に加え、図10の拡大図に示すように、外側シールド面部3bの円周端部3b−1より内側シールド面部2bの円周端部2b−1が飛び出している関係から、バンド部70aを締付けて行くことにより、突合せ当接部2は突合せ嵌合部3に対する突合せ方向に徐々に移動され、突合せ嵌合部3の座面部3aに対する突合せ当接部2の当接面部2aの圧接力を高め、より一層高いシール性を突合せ当接部2と突合せ嵌合部3との間に付与することができる。
【0054】
そして、バンド部70aのバンド方向の両端開放側には、図12に示すように、略L字形状の締付け連繋部材71,72がそれぞれ備えられており、この両締付け連繋部材71,72の間にわたり締付けボルト70bが貫通状にねじ込み装着されるように形成されている。
【0055】
締付けボルト70bは、頭部70b−1と、締付け連繋部材71,72間にわたるネジ部70b−2とを備えて形成されている。頭部70b−1の周面にはローレットなどからなる滑り止めが施されており、また、頭部70b−1の突端面には図示省略の六角レンチ用の係止凹部が設けられている。
【0056】
[作用説明]
つぎに、このように形成されている締付けバンド70を備えている筒状形自在継手A−2の連結について簡単に説明する。
この筒状型自在継手A−2は、突合せ連結する一方の管状部材1の突合せ嵌合部3に対し、他方の管状部材1を周方向に多角1コマ分および数コマ分回して突合せ当接部2を突合せる配管方向の芯ズレを合わせる調整を行いながら突合せ嵌合部3の円周外側から締付けバンド70のバンド部70aを巻きつけるようにセットし、締付けボルト70bでバンド部70を締付ける。
これより、突合せ嵌合部3の外側シールド部3bを突合せ当接部2の内側シールド面部2bに圧接、さらに、突合せ嵌合部3の座面部3aに対して突合せ当接部2の当接面部2aの圧接させた状態で、突合せ当接部2を突合せ嵌合部3に抜動不能に止着連結することができる。つまり、突合せ当接部2と突合せ嵌合部3とによる密接させたシール性を、外側シールド面部3bと内側シールド面部2bとの圧接に加えた突合せ嵌合部3側の座面部3aに対する突合せ当接部2側の当接面部2aの圧接によってより一層高いものとすることができる。
【0057】
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した実施形態に限られるものではなく、請求項1から請求項14に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、両連結口1a,1bの突合せ当接部2および突合せ嵌合部3を含めた側面視で略V字形状の管状部材1の管全体(筒方向全体)を正多角形、前記の実施例詳述のように、15角形以上で、正36角形などに形成することができる。
また、管状部材1のV字角度θは、前記した30°に限定されるものではなく、例えば、15°、25°、40°、60°などに形成することができる。
【0058】
また、筒方向の側面視で略V字形状の管状部材1の両連結口1a,1bにそれぞれ備えられる突合せ連結部として、筒状に突合せ連結されて筒方向に隣り合う管状部材1のうち、その一方の管状部材1側の両連結口1a,1bに前記した突合せ当接部2をそれぞれ備え、他方の管状部材1側の両連結口1a,1bには前記した突合せ嵌合部3をそれぞれ備えている構成の管状部材1とすることができる。
つまり、管状部材1には、両連結口1a,1bに突合せ当接部2を備えている雄側管状部材と、両連結口1a,1bに突合せ嵌合部3を備えている雌側管状部材との2種類があって、この2種類の雄側管状部材と雌側管状部材を筒方向に交互に突合せ連結することで、図1および図4に示す直管形態やエルボ形態の筒状型自在継手Aを連結構成することができる。
【0059】
そして、複数の管状部材1を筒方向に突合せ連結して所望の長さを有する筒状型自在継手を構成したとき、換気装置Bの接続排気口4、外部排気口5、そして配管中間の直管Cなどとの嵌め合せ接続が行われる筒方向の一端または両端に位置する管状部材1に、前記した円筒状の接続口部材を一体に備えることができる。
この場合、接続口部材を備えた管状部材1は、筒状型自在継手を連結構成するときに、その筒方向一端側あるいは両端側に突合せ連結されて、換気装置Bの接続排気口4、外部排気口5、そして配管中間の直管Cなどとの嵌め合せ接続が行われる接続端部材として使用されるものである。
【0060】
さらに、内向き係止片部6および内曲げカシメ片部7を、外側シールド面部3bの円周一ヶ所に限らず、数ヶ所に設けることができる。例えば、内曲げカシメ片部7を一ヶ所に、内向き係止片部6を二ヶ所に、円周等間隔で設けたり、或いは、内向き係止片部6を一ヶ所に、内曲げカシメ片部7を二ヶ所に、円周等間隔で設けることができる。さらには、内向き係止片部6と内曲げカシメ片部7をそれぞれ二ヶ所に、円周等間隔で設けることができる。
【符号の説明】
【0061】
A,A−1,A−2 筒状型自在継手
1 管状部材
1a,1b 連結口
2 突合せ当接部(突合せ連結部)
2a 当接面部
2b 内側シールド面部
2b−1 多角端部
3 突合せ嵌合部(突合せ連結部)
3a 座面部
3b 外側シールド面部
3b−1 多角端部
4 接続排気口
5 外部排気口
6 内向き係止片部(止着手段)
7 内曲げカシメ片部(止着手段)
8 回動操作摘み
9 接続口A部材(接続口部材)
10 接続口B部材(接続口部材)
11 クリップ部材(止着手段)
70 締付バンド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
突合せ連結される連結口を両端に有する複数の管状部材を筒状に連結してなる筒状型自在継手であって、
前記管状部材は、前記両連結口がそれぞれ斜め輪切り状にカットされた筒方向の側面視で略V字形状に形成され、かつ、前記両連結口に突合せ連結部をそれぞれ備え、
さらに、前記突合せ連結部またはこの突合せ連結部を含めた前記管状部材の管全体が正多角形に形成されていることを特徴とする筒状型自在継手。
【請求項2】
前記管状部材は、管壁を所望の円弧形状にて湾曲させた湾曲管状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の筒状型自在継手。
【請求項3】
前記突合せ連結部が、前記一方の連結口側に形成される突合せ当接部、前記他方の連結口側に形成されて前記突合せ当接部が嵌め合せ連結される突合せ嵌合部であることを特徴とする請求項1に記載の筒状型自在継手。
【請求項4】
前記突合せ連結部が、筒状に突合せ連結されて筒方向に隣り合う前記管状部材のうち、その一方の管状部材側の両連結口にそれぞれ形成される突合せ当接部、他方の管状部材側の両連結口にそれぞれ形成されて前記一方の管状部材の前記突合せ当接部が嵌め合せ連結される突合せ嵌合部であることを特徴とする請求項1に記載の筒状型自在継手。
【請求項5】
前記突合せ当接部は、前記一方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられる当接面部と、この当接面部の外周縁より設けられる内側シールド面部と、から断面視で略L字形状に形成され、
前記突合せ嵌合部は、前記他方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられて前記当接面部が突合せ当接される座面部と、この座面部の外周縁より設けられる外側シールド面部と、から断面視で略L字形状に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の筒状型自在継手。
【請求項6】
前記内側シールド面部は、前記当接面部の外周縁より外向き傾斜状で正多角形に形成され、前記外側シールド面部は、前記座面部の外周縁より前記内側シールド面部を外側から包み込むように外向き傾斜状で正多角形に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の筒状型自在継手。
【請求項7】
前記外側シールド面部の端部に、前記突合せ当接部を抜動不能に止着する止着手段が備えられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の筒状型自在継手。
【請求項8】
前記止着手段は、前記外側シールド面部の多角端部の要所にそれぞれ備えられる内向き係止片部と、内曲げカシメ片部であることを特徴とする請求項7に記載の筒状型自在継手。
【請求項9】
前記止着手段は、前記外側シールド面部の多角端部の要所に備えられる内向き係止片部と、前記外側シールド面部と前記内側シールド面部とを挟み込み止着するクリップ部材であることを特徴とする請求項7に記載の筒状型自在継手。
【請求項10】
前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、少なくとも前記突合せ嵌合部の前記外側シールド面部を、前記突合せ当接部の前記内側シールド面部に圧接させる締付けバンドを備えていることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項11】
前記締付けバンドは、両開放端部側に向けて末広がる断面視で略台形形状で、前記外側シールド面部の正多角形に適合させた多角形状に形成され、かつ、前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、前記内側シールド面部の多角端部が前記外側シールド面部の多角端部よりも外側に飛び出していることを特徴とする請求項10に記載の筒状型自在継手。
【請求項12】
前記管状部材を筒状に複数突合せ連結させた状態において、筒方向の両端に位置する前記管状部材の一方または双方に接続口部材を備えていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項13】
前記管状部材を3個突合せ連結させることにより、エルボ形態の筒状に構成されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項14】
前記管状部材が、不燃性材料から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項1】
突合せ連結される連結口を両端に有する複数の管状部材を筒状に連結してなる筒状型自在継手であって、
前記管状部材は、前記両連結口がそれぞれ斜め輪切り状にカットされた筒方向の側面視で略V字形状に形成され、かつ、前記両連結口に突合せ連結部をそれぞれ備え、
さらに、前記突合せ連結部またはこの突合せ連結部を含めた前記管状部材の管全体が正多角形に形成されていることを特徴とする筒状型自在継手。
【請求項2】
前記管状部材は、管壁を所望の円弧形状にて湾曲させた湾曲管状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の筒状型自在継手。
【請求項3】
前記突合せ連結部が、前記一方の連結口側に形成される突合せ当接部、前記他方の連結口側に形成されて前記突合せ当接部が嵌め合せ連結される突合せ嵌合部であることを特徴とする請求項1に記載の筒状型自在継手。
【請求項4】
前記突合せ連結部が、筒状に突合せ連結されて筒方向に隣り合う前記管状部材のうち、その一方の管状部材側の両連結口にそれぞれ形成される突合せ当接部、他方の管状部材側の両連結口にそれぞれ形成されて前記一方の管状部材の前記突合せ当接部が嵌め合せ連結される突合せ嵌合部であることを特徴とする請求項1に記載の筒状型自在継手。
【請求項5】
前記突合せ当接部は、前記一方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられる当接面部と、この当接面部の外周縁より設けられる内側シールド面部と、から断面視で略L字形状に形成され、
前記突合せ嵌合部は、前記他方の連結口の開口周縁から外向きリング状に設けられて前記当接面部が突合せ当接される座面部と、この座面部の外周縁より設けられる外側シールド面部と、から断面視で略L字形状に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の筒状型自在継手。
【請求項6】
前記内側シールド面部は、前記当接面部の外周縁より外向き傾斜状で正多角形に形成され、前記外側シールド面部は、前記座面部の外周縁より前記内側シールド面部を外側から包み込むように外向き傾斜状で正多角形に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の筒状型自在継手。
【請求項7】
前記外側シールド面部の端部に、前記突合せ当接部を抜動不能に止着する止着手段が備えられていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の筒状型自在継手。
【請求項8】
前記止着手段は、前記外側シールド面部の多角端部の要所にそれぞれ備えられる内向き係止片部と、内曲げカシメ片部であることを特徴とする請求項7に記載の筒状型自在継手。
【請求項9】
前記止着手段は、前記外側シールド面部の多角端部の要所に備えられる内向き係止片部と、前記外側シールド面部と前記内側シールド面部とを挟み込み止着するクリップ部材であることを特徴とする請求項7に記載の筒状型自在継手。
【請求項10】
前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、少なくとも前記突合せ嵌合部の前記外側シールド面部を、前記突合せ当接部の前記内側シールド面部に圧接させる締付けバンドを備えていることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項11】
前記締付けバンドは、両開放端部側に向けて末広がる断面視で略台形形状で、前記外側シールド面部の正多角形に適合させた多角形状に形成され、かつ、前記突合せ当接部を有する前記連結口と前記突合せ嵌合部を有する前記連結口とを突合せた状態において、前記内側シールド面部の多角端部が前記外側シールド面部の多角端部よりも外側に飛び出していることを特徴とする請求項10に記載の筒状型自在継手。
【請求項12】
前記管状部材を筒状に複数突合せ連結させた状態において、筒方向の両端に位置する前記管状部材の一方または双方に接続口部材を備えていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項13】
前記管状部材を3個突合せ連結させることにより、エルボ形態の筒状に構成されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【請求項14】
前記管状部材が、不燃性材料から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の筒状型自在継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−216702(P2010−216702A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62749(P2009−62749)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000237374)富士工業株式会社 (112)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000237374)富士工業株式会社 (112)
【Fターム(参考)】
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