算出方法及びプログラム
【課題】設備停止の影響そのものを評価すること、また、個々の製品に対する設備停止の影響を診ることである。
【解決手段】設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する方法であって、設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算するステップと、前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算するステップとを有する算出方法である。
【解決手段】設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する方法であって、設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算するステップと、前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算するステップとを有する算出方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の工場内リードタイム(工場への投入から入庫までの時間)は、工場内の設備の故障による停止が発生すると長くなる。この設備停止が製品リードタイムへ与える影響は、フローショップ型製造ライン(設備が製品の作業工程の順番に並んでいるライン)で追い越し禁止の場合には、明確である。すなわち、設備停止時間だけ、投入工程から停止した設備の工程の間に仕掛っている製品のリードタイムが増加する。しかし、半導体拡散工場を代表とする、ジョブショップ型製造ライン(設備作業種別毎に設備グループとしてまとめてフロアに配置し、製品がその設備グループ間を複数回行き来するライン)では、フローが異なる製品を同一ラインで製造したり、同一製品を同じ設備で複数回処理したりするため、設備停止が各製品のリードタイムにどの程度の影響を与えているか不明確であった。
【0003】
特に、作業工程数が数百工程を超え、リードタイムが数十日かかる製品を生産するラインでは、設備が停止した場合、その設備前で製品の停滞が起こり、次工程への流れ込み量の変動を引き起こす。そして、このような変動が各工程で積み重なっていき、変動がどの原因で発生しているか分からない。また、数日の間に、投入する製品構成を変化させながら生産するラインの場合、製品の各設備への流れ込み変動が前工程の設備停止の影響なのか、投入時の製品構成の変動によるものなのか分からない。よって、結果として生じるリードタイム増加の原因が何であるか全く分からない。設備停止の影響は、停止時点の作業数の減少、仕掛数の増加でしか把握していない。
【0004】
近年、製品リードタイムを短縮する活動において、何が原因でリードタイムが長くなっているのかを定量的に把握する必要が出てきた。例えば、どの設備の何時の停止が、個々の製品のリードタイムにおいてどの程度を占めているかを把握して、リードタイム増に影響のある設備停止に対して今後リードタイムに影響を及ぼさない対策を実施する。結果として、リードタイムの短縮が求められている。
【0005】
特開2002−073143号公報(特許文献1参照)には、製造装置監視方法の発明が記載されている。この製造装置監視方法は、製品の製造に用いられる製造装置の稼動状況を監視することにより、前記製造装置が稼動停止したときに該稼動停止が製品の製造状況に及ぼす影響を停止影響として評価する。そして、前記製造装置が稼動停止した時点以前の特定の時点に前記製造装置において処理待ち状態にあった製品数である第1の処理待ち製品数と、前記製造装置が稼動停止後に再稼動した時点以降の特定の時点に前記製造装置において処理待ち状態にあった製品数である第2の処理待ち製品数との差に基づき前記停止影響を評価する。
【0006】
【特許文献1】特開2002−073143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、設備の稼動状況(設備停止前、停止後)毎の「処理待ち製品数の増加数」及び「処理待ち時間の増加時間」により、設備停止の影響を評価している。この従来技術では、製品種類の構成が一定でない場合や、過去の設備停止の影響によりその設備への製品の流れ込み量(一定時間当りにその製品に仕掛かる製品数)が一定でない場合、設備の稼動状況(設備停止前、停止後)毎の「処理待ち製品数の増加数」や「処理待ち時間の増加時間」の比較では、停止以外の起因による増加や減少も含んでいるため、設備停止の影響そのものを評価することができないという問題点がある。また、個々の製品に対する設備停止の影響をみることもできない。本発明は、設備停止の影響そのものを評価すること、また、個々の製品に対する設備停止の影響を診ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による算出方法は、設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する方法であって、設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算するステップと、前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算するステップとを有する。
【0009】
また、本発明による算出方法においては、前記仮作業開始時刻を計算するステップが、前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算するステップと、この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップとを有する。また、本発明による算出方法においては、前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップが、前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記設備利用可能時刻を計算するステップが、k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップが、k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する。
【0010】
また、本発明による算出方法においては、前記設備利用可能時刻を計算するステップが、仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記製品並べ替え時刻を計算するステップが、k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップが、k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する。
【0011】
また、本発明による算出方法においては、前記仮作業開始時刻を計算するステップが、設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算するステップを有する。
【0012】
また、本発明によるプラグラムは、設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間を算出するためのプログラムであって、設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算する手順と、前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算する手順とをコンピュータに実行させる。
【0013】
また、本発明によるプラグラムにおいては、前記仮作業開始時刻を計算する手順が、前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算する手順と、この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順とを有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順が、前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記設備利用可能時刻を計算する手順が、k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順が、k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する。
【0014】
また、本発明によるプラグラムにおいては、前記設備利用可能時刻を計算する手順が、仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記製品並べ替え時刻を計算する手順が、k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順が、k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する。
【0015】
また、本発明によるプラグラムにおいては、前記仮作業開始時刻を計算する手順が、設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算する手順を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、設備停止の影響そのものを評価することができ、かつ、個々の製品に対する設備停止の影響を診ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に、当実施の形態の全体構成を示す。図1において、作業履歴読込工程では、計算に必要な情報を取り込む(S1)。製品毎、設備停止毎の設備停止影響時間計算工程では、製品毎、設備停止毎の設備停止影響時間を算出する(S2)。設備停止毎影響度算出工程では、設備停止影響時間計算工程(S2)の算出結果を元に、製品に対する設備停止の平均影響時間を算出する(S3)。製品毎設備停止影響時間算出工程は、設備停止影響時間計算工程(S2)の算出結果を元に、各製品のリードタイムのうちの設備停止影響時間を算出する(S4)。以下、各工程(S1〜4)について詳述する。
【0018】
図2に、作業履歴読込工程の詳細を示す。図2において、計算対象期間に発生した設備の稼動履歴情報を「設備の稼動履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1−01)。ここで、計算対象期間は、手動入力でも良いし、定期的に実行される処理時刻で自動的に計算される期間(例えば、毎日8:00に実行する処理の場合、計算対象期間を前日の0:00から当日の0:00までとするなど)でもよい。取り込む情報は、設備名、設備停止時刻、設備復旧時刻、停止理由を含む設備イベント情報である。「設備イベント情報を保持している場所」として、設備からの稼動履歴情報を保存したり、作業者が端末から報告する状態の情報を保存している「稼動管理システム」における記憶装置などがある。
【0019】
次に、各設備で設備復旧時刻後、次の設備停止時刻までに作業された製品の作業履歴を「製品の作業履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1−02)。取り込む情報は、「製品名、仕掛時刻、作業開始時刻、作業終了時刻」などを含む製品の作業履歴情報である。「製品の作業履歴情報を保持している場所」として、設備からの各製品の作業開始、終了報告を取り込み保存したり、搬送システムからの搬送結果とその時刻を取り込み保存したり、作業者が端末から報告する製品毎の仕掛時刻、作業開始時刻、作業終了時刻の情報を保存する「生産制御システム」や、「生産制御システム」から情報を受け取り保存しているシステムにおける記憶装置などがある。以上で、作業履歴読込工程(S1)を終了し、設備停止影響時間計算工程(S2)に進む。
【0020】
図3に、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す。図3において、まず、設備停止情報を設備毎に時系列に並べ替える(S2−01)。そして、時系列の順番で設備停止情報毎に処理を繰り返す(S2−02)。設備停止毎の繰り返し処理においては、まず、製品の作業履歴情報から、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<同一設備の次の設備停止時刻、を満たす製品を抽出する(S2−03)。続いて、抽出した製品を設備の作業順に並べる(S2−04)。ここで、抽出した各製品について順番に処理を繰り返す(S2−05)。前製品の停止影響時間が空欄であるか否かを判定する(S2−06)。空欄の場合、停止影響時間算出工程Aに進む。空欄でない場合、停止影響時間算出工程Bに進む。
【0021】
図4に、停止影響時間算出工程Aの詳細を示す。図4において、まず、[設備復旧時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2−07)。判定結果が、”はい”である場合、停止影響時間を算出する。一方、判定結果が、”いいえ”である場合、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。ここで、補正値βは、設備毎に決まる一定時間で、仕掛ってから待ちの無い状態で、作業を開始するまでの最短時間である。計算上ゼロとしても構わない。[設備停止時刻>仕掛時刻]を判定する(S2−08)。判定結果が”はい”である場合、[設備停止時刻+一定時間α]を、設備停止が無かったと仮定したならば作業開始できた時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−09)。ここで、補正値αは、設備毎に決まる一定時間で、設備停止報告が実際何時の時点で報告されるかに依存し、設備停止が無かった場合に作業開始されたであろう時刻のα時間前が設備停止開始報告時刻となるようにαを算出する。計算上ゼロとしても構わない。一方、判定結果が”いいえ”である場合、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−10)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2−11)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2−12)。
【0022】
図5に、停止影響時間算出工程Bの詳細を示す。図5において、まず、[前製品作業終了時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2−13)。判定結果が、”いいえ”である場合には、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。一方、判定結果が、”はい”である場合には、停止影響時間を算出する。設備利用可能時刻を、[作業開始時刻−前製品停止影響時間]として算出する(S2−14)。[設備利用可能時刻>仕掛時刻]を判定する(S2−15)。判定結果が”はい”である場合には、[設備利用可能時刻+一定時間γ]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−16)。ここで、補正値γは、設備毎に決まる一定時間で、設備が利用可能になってから、実際に作業が開始されるまでの最短時間である。計算上ゼロとしても構わない。一方、判定結果が”いいえ”である場合には、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−17)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2−18)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2−19)。
【0023】
停止影響時間算出工程A又はBの終了後、未計算製品が残っている場合には、製品の繰り返し(S2−05)に戻る(S2−20)。また、未計算の設備停止情報が残っている場合には、設備停止情報の繰り返し(S2−02)に戻る(S2−21)。これらの繰り返しが完了したら、設備停止影響時間計算工程(S2)を終了する。
【0024】
図6に、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す。図6において、まず、特定時刻で停止している設備と、その設備停止で発生した停止影響時間が正である製品を抽出する(S3−01)。次に、抽出した各製品毎の停止影響時間を累計する(S3−02)。続いて、累計した停止影響時間を、この設備停止の作業開始時刻から次の設備停止時刻までの間に作業された製品数で割ることにより、平均影響時間を算出する(S3−03)。
【0025】
図7に、製品毎設備停止影響時間算出工程の詳細を示す。図7において、まず、計算対象製品の各工程毎の計算結果(設備停止影響時間)を抽出する(S4−01)。次に、投入から入庫までの工程の設備停止影響時間に対して、処理を繰り返す(S4−02)。設備停止影響時間の元となった設備の設備停止理由が「設備故障」であるか否かを判定する(S4−03)。「設備故障」である場合には、設備故障影響時間累計にこの工程の設備停止影響時間を加える(S4−04)。設備停止影響時間の元となった設備の設備停止理由が、「定期点検」であるか否かを判定する(S4−05)。「定期点検」である場合には、定期点検影響時間累計に、この工程の設備停止影響時間を加える(S4−06)。続いて、設備停止影響時間累計にこの工程の設備停止影響時間を加える(S4−07)。繰り返し処理に戻る(S4−08)。入庫まで進んだら計算を終了する。
【0026】
図8に、設備Eq−1の稼動履歴情報の例を示す。図示するように、設備Eq−1は、"2005/8/3 10:16:36〜2005/8/3 11:16:28"までの間、及び、"2005/8/3 15:22:40〜2005/8/3 17:35:21"までの間、稼動を停止している。ここで、第一回目の設備停止、すなわち、"2005/8/3 10:16:36〜2005/8/3 11:16:28"までの間の設備停止に対する、製品の影響を考える。
【0027】
図2〜5のフローチャートに従い説明する。まず、図2に示すように、設備の稼動停止情報を取得する(S1−01)。ここでは、設備Eq−1の停止情報、すなわち、"2005/8/3 10:16:36〜2005/8/3 11:16:28"という情報が取得される。次に、この停止情報に関する製品の作業履歴情報を取得する(S1−02)。図9に、製品の作業履歴情報の例を示す。図示するように、設備Eq−1で作業が行われた製品が10個、製品1〜製品10としてリストアップされている。これらの製品に対する影響を考える。
【0028】
図3に進む。まず、設備停止を設備毎に時系列に並べ替え(S2−01)、設備停止に関して処理を繰り返す(S2−02)。次に、設備停止の影響を受けた製品を抽出する(S2−03)。設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を抽出する。まず、設備復旧時刻=<作業開始時刻の製品を選択する。設備復旧時刻は、"11:16:28"であるから、作業開始時刻が、"11:16:28"の製品2、"11:36:23"の製品3、"12:04:27"の製品4、"12:33:53"の製品5、"13:02:30"の製品6、"13:28:24"の製品7、"13:56:21"の製品8、"14:24:50"の製品9、"15:02:20"の製品10が選択される。次に、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を選択する。次の設備停止時刻は、"15:22:40"であるから、作業終了時刻が、"10:16:36"の製品1、"11:34:58"の製品2、"12:02:03"の製品3、"12:31:05"の製品4、"12:58:19"の製品5、"13:26:21"の製品6、"13:54:32"の製品7、"14:23:19"の製品8、"14:55:32"の製品9、"15:20:31"の製品10が選択される。結局、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品として、製品2〜10が抽出される。
【0029】
続いて、抽出された製品2〜10を設備の作業順に並べ替える(S2−04)。作業開始時刻又は作業終了時刻で昇順にソートすると、製品2、製品3、製品4、製品5、製品6、製品7、製品8、製品9、製品10の順番となる。次に、並べ替えた各製品に関して、処理を繰り返す(S2−05)。まず、最初の製品2について、前製品の停止影響時間が空欄か否かの判定を行う(S2−06)。製品2の前に作業が行われた製品は製品1であるが、製品1は計算対象では無い。従って、製品1の停止影響時間は空欄である。よって、図4の処理に進む。
【0030】
図4において、まず、製品2の仕掛時刻に設備が停止中であったか否かを判定する(S2−07)。ここで、設備復旧時刻は、"11:16:28"、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品2の仕掛時刻+一定時間β]が成立する。よって、判定の結果は、”はい”となる。続いて、製品2の仕掛け前に設備Eq−1が停止していたか否かを判定する(S2−08)。設備停止時刻は、"10:16:36"であり、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、[設備停止時刻>仕掛時刻]が成立する。よって、判定の結果は、”はい”となる。次に、製品2の仮作業開始時刻を計算する(S2−09)。設備停止時刻は、"10:16:36"であるから、一定時間αをゼロとすれば、製品2の仮作業開始時刻は、["10:16:36"+ゼロ]で、"10:16:36"となる。次に、製品2の停止影響時間を計算する(S2−11)。製品2の作業開始時刻は、"11:16:28"であり、仮作業開始時刻は、"10:16:36"であるから、製品2の停止影響時間は、["11:16:28"−"10:16:36"]で、"00:59:52"となる。続いて、製品2の停止影響以外待ち時間を計算する(S2−12)。仮作業開始時刻は、"10:16:36"であり、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、製品2の停止影響以外待ち時間は、["10:16:36"−"09:52:43"]で、"00:23:53"となる。次に、全ての製品について処理が終了したかを判定する(S2−20)。製品3〜10についての処理が終わっていないので、製品に関して繰り返しの処理に戻る(S2−05)。
【0031】
製品3の処理を行う。製品2の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2−06)。製品2の停止影響時間は、"00:59:52"であり、空欄ではないため、判定結果は、”いいえ”となる。よって、図5に進む。[製品3の仕掛時刻+一定時間β]が、製品2の作業終了時刻よりも前か否かを判定する(S2−13)。製品3の仕掛時刻は、"10:25:38"であり、製品2の作業終了時刻は、"11:34:58"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[製品2の作業終了時刻>製品3の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、設備利用可能時刻を計算する(S2−14)。製品3の作業開始時刻は、"11:36:23"であり、製品2の停止影響時間は、"00:59:52"であるから、設備利用可能時刻は、["11:36:23"−"00:59:52"]で、"10:36:31"となる。続いて、製品3の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2−15)。製品3の仕掛時刻は、"10:25:38"であり、設備利用可能時刻は、"10:36:31"であるから、[設備利用可能時刻>仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、仮作業開始時刻を計算する(S2−16)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"10:36:31"と計算される。続いて、製品3の停止影響時間を計算する(S2−18)。製品3の作業開始時刻は、"11:36:23"であり、仮作業開始時刻は、"10:36:31"であるから、製品3の停止影響時間は、["11:36:23"−"10:36:31"]であり、"00:59:52"と計算される。続いて、製品3の停止影響以外待ち時間を計算する(S2−19)。仮作業開始時刻は、"10:36:31"であり、製品3の仕掛時刻は、"10:25:38"であるから、製品3の停止影響以外待ち時間は、["10:36:31"−"10:25:38"]で、"00:10:53"となる。
【0032】
以後、同様に計算し、製品4の停止影響時間="00:49:45"、停止影響以外待ち時間="00:00:00"、製品5の停止影響時間="00:49:45"、停止影響以外待ち時間="00:28:02"、製品6の停止影響時間="00:36:58"、停止影響以外待ち時間="00:00:00"。製品7の停止影響時間="00:07:20"、停止影響以外待ち時間="00:00:00"が算出される。
【0033】
製品8の処理を行う。製品7の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2−06)。製品7の停止影響時間は、"00:07:20"であり、空欄ではないため、判定結果は、”いいえ”となる。よって、図5に進む。[製品8の仕掛時刻+一定時間β]が、製品7の作業終了時刻よりも前か否かを判定する(S2−13)。製品8の仕掛時刻は、"13:50:20"であり、製品7の作業終了時刻は、"13:54:32"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[製品7の作業終了時刻>製品8の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、設備利用可能時刻を計算する(S2−14)。製品8の作業開始時刻は、"13:56:21"であり、製品7の停止影響時間は、"00:07:20"であるから、設備利用可能時刻は、["13:56:21"−"00:07:20"]で、"13:49:01"となる。続いて、製品8の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2−15)。製品8の仕掛時刻は、"13:50:20"であり、設備利用可能時刻は、"13:49:01"であるから、[設備利用可能時刻>仕掛時刻]が不成立となる。よって、判定結果は、”いいえ”となる。次に、仮作業開始時刻を計算する(S2−16)。一定時間βをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、製品8の仕掛時刻とイコールであり、"13:50:20"と計算される。続いて、製品8の停止影響時間を計算する(S2−18)。製品8の作業開始時刻は、"13:56:21"であり、仮作業開始時刻は、"13:50:20"であるから、製品8の停止影響時間は、["13:56:21"−"13:50:20"]であり、"00:06:01"と計算される。続いて、製品8の停止影響以外待ち時間を計算する(S2−19)。仮作業開始時刻は、"13:50:20"であり、製品8の仕掛時刻は、"13:50:20"であるから、製品8の停止影響以外待ち時間は、["13:50:20"−"13:50:20"]であり、"00:00:00"となる。
【0034】
製品9の処理を行う。製品8の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2−06)。製品8の停止影響時間は、"00:06:01"であり、空欄ではないため、判定結果は、”いいえ”となる。よって、図5に進む。[製品9の仕掛時刻+一定時間β]が、製品8の作業終了時刻よりも前か否かを判定する(S2−13)。製品9の仕掛時刻は、"14:24:20"であり、製品8の作業終了時刻は、"14:23:19"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[製品8の作業終了時刻>製品9の仕掛時刻]が不成立となる。よって、判定結果は、”いいえ”となる。ここで、製品9についての処理は終了し、ループを抜ける。よって、設備停止の影響を受けた製品は、製品2〜8となる。製品9の停止影響時間は、"00:00:00"であり、停止影響以外待ち時間は、"00:00:30"となる。同様に、製品10の停止影響時間は、"00:00:00"であり、停止影響以外待ち時間は、"00:00:41"となる。
【0035】
図10は、図9に示した各製品についての作業待ち時間を表にしたものである。作業待ち時間は、[作業開始時刻−仕掛時刻]で求めることができる。図11は、上述の通り計算された停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表にしたものである。[作業待ち時間=停止影響時間+停止影響以外待ち時間]の関係がある。当例では、個別の設備停止それぞれについて、製品毎の影響が明示され、個々の製品に対する設備停止の影響を定量的に把握することができる。
【0036】
優先度の異なる製品を同一ライン上で同時に流している場合、上例のように、製品を設備の作業順に並べて計算すると、影響度が過小評価されてしまう場合がある。ただし、上例でも計算は可能であり、計算も複雑でないので、過小評価してしまう点を除けば上例でも問題ない。しかしながら、製品の優先度が異なる場合には、上例の図2の計算を図12のように、図3の計算を図13のように、図4の計算を図14のように、図5の計算を図15のように、図6の計算を図16のように改良することも出来る。なお、図7は、以下の例でもそのまま使用することが可能である。
【0037】
図12に、作業履歴読込工程の詳細を示す。図12において、計算対象期間に発生した設備の稼動履歴情報を「設備の稼動履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1’−01)。取り込む情報は、設備名、設備停止時刻、設備復旧時刻、停止理由を含む設備イベント情報である。次に、各設備で設備復旧時刻後、次の設備停止時刻までに作業された製品の作業履歴を「製品の作業履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1’−02)。取り込む情報は、「製品名、仕掛時刻、作業開始時刻、作業終了時刻に加えて、製品毎の優先度情報」を含む製品の作業履歴情報である。以上で、図12の作業履歴読込工程(S1’)を終了する。
【0038】
図13に、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す。図13において、まず、設備停止情報を設備毎に時系列に並べ替える(S2’−01)。そして、時系列の順番で設備停止情報毎に処理を繰り返す(S2’−02)。設備停止毎の繰り返し処理においては、まず、製品の作業履歴情報から、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<同一設備の次の設備停止時刻、を満たす製品を抽出する(S2’−03)。続いて、設備停止時刻を製品並べ替え時刻とする(S2’−04)。ここで、抽出した製品について処理を繰り返す(S2’−05)。製品に関しての繰り返し処理においては、まず、製品並べ替え時刻に仕掛かっている製品のうち、優先度の高い製品を選択する(S2’−06)。次に、前製品の停止影響時間が空欄であるか否かを判定する(S2’−07)。空欄の場合、停止影響時間算出工程Cに進む。空欄でない場合、停止影響時間算出工程Dに進む。
【0039】
停止影響時間算出工程C又はDが終了したら、製品並べ替え時刻を、[仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻]とする(S2’−21)。続いて、計算に使用した製品を除外して、製品に関しての繰り返し処理に戻る(S2’−22)。製品の繰り返しが終了したら、設備停止に関しての繰り返し処理に戻り、設備停止毎に処理を繰り返す(S2’−23)。
【0040】
図14に、停止影響時間算出工程Cの詳細を示す。図14において、まず、[設備復旧時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2’−08)。判定結果が、”はい”である場合、停止影響時間を算出する。一方、判定結果が、”いいえ”である場合、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。[設備停止時刻>仕掛時刻]を判定する(S2’−09)。判定結果が”はい”である場合、[設備停止時刻+一定時間α]を、設備停止が無かったと仮定したならば作業開始できた時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−10)。一方、判定結果が”いいえ”である場合、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−11)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2’−12)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2’−13)。
【0041】
図15に、停止影響時間算出工程Dの詳細を示す。図15において、まず、[設備復旧時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2’−14)。判定結果が、”いいえ”である場合には、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。一方、判定結果が、”はい”である場合には、停止影響時間を算出する。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。[設備利用可能時刻>仕掛時刻]を判定する(S2’−16)。判定結果が”はい”である場合には、[設備利用可能時刻+一定時間γ]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−17)。一方、判定結果が”いいえ”である場合には、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−18)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2’−19)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2’−20)。
【0042】
図16に、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す。図16において、まず、特定時刻で停止している設備とその設備が再稼動後、次の停止までに作業された優先度毎の製品数、及び、その設備停止で発生した停止影響時間が正である製品の停止影響時間とその製品の優先度を抽出する(S3’−01)。次に、各製品毎の停止影響時間を優先度毎に累計する(S3’−02)。続いて、累計した優先度毎の停止影響時間を、この設備停止の作業開始時刻から次の稼動停止時刻までの間に作業された同じ優先度の製品数で割ることにより、優先度毎の平均影響時間を算出する(S3’−03)。
【0043】
当例は、前例と同様に個々の製品に対する設備停止の影響を算出することが可能になる。特に、異なる優先度の製品を流しているラインの場合や、作業する製品の選択を複雑なルールで運用している場合、製品毎、設備停止毎の設備停止影響時間計算工程(S2)の処理を、実際の製品選択ルールを元にして計算すれば、個々の製品に対する正確な仮作業開始時刻の算出がなされる。従って、停止影響時間、停止影響以外待ち時間を正確に計算することが出来る。
【0044】
図17に、設備Eq−3の稼動履歴情報の例を示す。図示するように、設備Eq−3は、"2005/8/5 10:55:43〜2005/8/5 12:32:24"までの間、及び、"2005/8/5 15:28:40〜2005/8/5 17:29:01"までの間、稼動を停止している。ここで、第一回目の設備停止、すなわち、"2005/8/5 10:55:43〜2005/8/5 12:32:24"までの間の設備停止に対する、製品の影響を考える。
【0045】
図12〜15のフローチャートに従い説明する。まず、図12に示すように、設備の稼動停止情報を取得する(S1’−01)。ここでは、設備Eq−3の停止情報、すなわち、"2005/8/5 10:55:43〜2005/8/5 12:32:24"という情報が取得される。次に、この停止情報に関する製品の作業履歴情報を取得する(S1’−02)。図18に、製品の作業履歴情報の例を示す。図示するように、当例では、各製品に優先度が付されているが、設備Eq−3で作業が行われた製品が9個、製品1〜製品9としてリストアップされている。これらの製品に対する影響を考える。
【0046】
図13に進む。まず、設備停止を設備毎に時系列に並べ替え(S2’−01)、設備停止に関して処理を繰り返す(S2’−02)。次に、設備停止の影響を受けた製品を抽出する(S2’−03)。設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を抽出する。まず、設備復旧時刻=<作業開始時刻の製品を選択する。設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、作業開始時刻が、"13:16:30"の製品1、"12:32:24"の製品4、"12:55:26"の製品5、"14:01:30"の製品2、"13:44:05"の製品6、"14:29:32"の製品7、"14:50:20"の製品8、"15:11:30"の製品9が選択される。次に、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を選択する。次の設備停止時刻は、"15:28:40"であるから、作業終了時刻が、"10:55:43"の製品3、"13:42:39"の製品1、"12:53:41"の製品4、"13:15:40"の製品5、"14:28:00"の製品2、"13:59:31"の製品6、"14:48:21"の製品7、"15:10:03"の製品8、"15:28:40"の製品9が選択される。結局、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品として、製品1,2,4〜9が抽出される。
【0047】
続いて、製品並べ替え時刻を設備停止時刻である"10:55:43"とし(S2’−04)、各製品に関して、処理を繰り返す(S2’−05)。繰り返し処理においては、まず、製品並べ替え時刻に仕掛かっている製品のうち、優先度の高い製品を選択する(S2’−06)。製品並べ替え時刻は"10:55:43"であるから、仕掛時刻が"09:23:41"の製品1と、"09:52:43"の製品2とが候補となるが、優先度の高い製品1が選択される。次に、この製品1について、前製品の停止影響時間が空欄か否かの判定を行う(S2’−07)。前製品の停止影響時間は空欄なので、図14の処理に進む。
【0048】
図14において、まず、[製品1の仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−08)。ここで、設備復旧時刻は、"12:32:24"、製品1の仕掛時刻は、"09:23:41"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品1の仕掛時刻+一定時間β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。続いて、製品1の仕掛時刻が、設備Eq−3の設備停止時刻よりも前か否かを判定する(S2’−09)。設備停止時刻は、"10:55:43"であり、製品1の仕掛時刻は、"09:23:41"であるから、[設備停止時刻>仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、製品1の仮作業開始時刻を計算する(S2’−10)。設備停止時刻は、"10:55:43"であるから、一定時間αをゼロとすれば、製品1の仮作業開始時刻は、["10:55:43"+ゼロ]で、"10:55:43"となる。次に、製品1の停止影響時間を計算する(S2’−12)。製品1の作業開始時刻は、"13:16:30"であり、仮作業開始時刻は、"10:55:43"であるから、製品1の停止影響時間は、["13:16:30"−"10:55:43"]で、"02:20:47"となる。続いて、製品1の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−13)。仮作業開始時刻は、"10:55:43"であり、製品1の仕掛時刻は、"09:23:41"であるから、製品1の停止影響以外待ち時間は、["10:55:43"−"09:23:41"]で、"01:32:02"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["10:55:43"+"13:42:39"−"13:16:30"]を計算して、"11:21:52"となる。計算に使用した製品1を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0049】
更新された製品並べ替え時刻である"11:21:52"に仕掛かっている製品は、仕掛時刻が"11:14:42"の製品4と、"11:16:06"の製品5と、"09:52:43"の製品2である。優先度の高い製品4を選択する(S2’−06)。製品4の処理を行う。前製品である製品1の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2’−07)。空欄ではないので、判定結果は、”いいえ”となり、図15へ進む。
【0050】
製品4の[仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−14)。製品4の仕掛時刻は、"11:14:42"であり、設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品4の仕掛時刻+β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。製品並べ替え時刻は、"11:21:52"であるから、設備利用可能時刻は、"11:21:52"となる。製品4の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2’−16)。製品4の仕掛時刻は、"11:14:42"であり、設備利用可能時刻は、"11:21:52"であるから、[設備利用可能時刻>製品4の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。仮作業開始時刻を計算する(S2’−17)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"11:21:52"となる。製品4の停止影響時間を計算する(S2’−19)。製品4の作業開始時刻は、"12:32:24"であり、仮作業開始時刻は、"11:21:52"であるから、製品4の停止影響時間は、["12:32:24"−"11:21:52"]であり、"01:10:32"と計算される。製品4の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−20)。仮作業開始時刻は、"11:21:52"であり、製品4の仕掛時刻は、"11:14:42"であるから、製品4の停止影響以外待ち時間は、["11:21:52"−"11:14:42"]で、"00:07:10"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["11:21:52"+"12:53:41"−"12:32:24"]を計算して、"11:43:09"となる。計算に使用した製品4を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0051】
更新された製品並べ替え時刻である"11:43:09"に仕掛かっている製品は、仕掛時刻が"11:16:06"の製品5と、"09:52:43"の製品2である。優先度の高い製品5を選択する(S2’−06)。製品5の処理を行う。前製品である製品4の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2’−07)。空欄ではないので、判定結果は、”いいえ”となり、図15へ進む。
【0052】
製品5の[仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−14)。製品5の仕掛時刻は、"11:16:06"であり、設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品4の仕掛時刻+β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。製品並べ替え時刻は、"11:43:09"であるから、設備利用可能時刻は、"11:43:09"となる。製品5の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2’−16)。製品5の仕掛時刻は、"11:16:06"であり、設備利用可能時刻は、"11:43:09"であるから、[設備利用可能時刻>製品5の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。仮作業開始時刻を計算する(S2’−17)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"11:43:09"となる。製品5の停止影響時間を計算する(S2’−19)。製品5の作業開始時刻は、"12:55:26"であり、仮作業開始時刻は、"11:43:09"であるから、製品5の停止影響時間は、["12:55:26"−"11:43:09"]であり、"01:12:17"と計算される。製品5の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−20)。仮作業開始時刻は、"11:43:09"であり、製品5の仕掛時刻は、"11:16:06"であるから、製品5の停止影響以外待ち時間は、["11:43:09"−"11:16:06"]で、"00:27:03"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["11:43:09"+"13:15:40"−"12:55:26"]を計算して、"12:03:23"となる。計算に使用した製品5を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0053】
更新された製品並べ替え時刻である"12:03:23"に仕掛かっている製品は、仕掛時刻が"09:52:43"の製品2である。この製品2を選択する(S2’−06)。製品2の処理を行う。前製品である製品5の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2’−07)。空欄ではないので、判定結果は、”いいえ”となり、図15へ進む。
【0054】
製品2の[仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−14)。製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であり、設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品2の仕掛時刻+β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。製品並べ替え時刻は、"12:03:23"であるから、設備利用可能時刻は、"12:03:23"となる。製品2の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2’−16)。製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であり、設備利用可能時刻は、"12:03:23"であるから、[設備利用可能時刻>製品2の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。仮作業開始時刻を計算する(S2’−17)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"12:03:23"となる。製品2の停止影響時間を計算する(S2’−19)。製品2の作業開始時刻は、"14:01:30"であり、仮作業開始時刻は、"12:03:23"であるから、製品2の停止影響時間は、["14:01:30"−"12:03:23"]であり、"01:58:07"と計算される。製品2の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−20)。仮作業開始時刻は、"12:03:23"であり、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、製品2の停止影響以外待ち時間は、["12:03:23"−"09:52:43"]で、"02:10:40"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["12:03:23"+"14:28:00"−"14:01:30"]を計算して、"12:29:53"となる。計算に使用した製品2を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0055】
以下同様に計算すると、製品6は、停止影響時間が"01:14:12"、停止影響以外待ち時間が"00:04:21"となる。製品7は、図15のS2’−14において、仕掛時刻が"13:21:04"なので、[設備復旧時刻>仕掛時刻+β]が成立しない。よって、判定結果が”いいえ”となり、図13におけるS2’−23へ進み、S2’−02へ戻る。ここで、S2’−05〜S2’−22の製品に関しての繰り返し処理が終了する。製品7〜9は、[停止影響時間=作業待ち時間]となり、[停止影響以外待ち時間=ゼロ]となる。
【0056】
図19は、図18に示した各製品についての作業待ち時間を表にしたものである。作業待ち時間は、[作業開始時刻−仕掛時刻]で求めることができる。図20は、上述の通り計算された停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表にしたものである。[作業待ち時間=停止影響時間+停止影響以外待ち時間]の関係がある。
【0057】
続いて、設備停止毎影響度算出工程について説明する。図16において、特定時刻を"10:55:43"〜"12:32:24"の間の任意の時刻とすると、まず、ここで発生している設備停止について、再稼動後の製品情報を抽出する(S3’−01)。優先度1の製品として「製品4」の1個、停止影響時間:"00:07:10"、優先度2の製品として「製品5」、「製品8」の2個、停止影響時間はそれぞれ、"01:12:17"、"00:16:00"、優先度3の製品として「製品1」、「製品6」、「製品9」の3個、停止影響時間は、"02:20:47"、"01:14:12"、"00:09:51"、優先度4の製品として「製品2」、「製品7」の2個、停止影響時間は、"01:58:07"、"01:08:28"の情報が抽出される。
【0058】
次に、停止影響時間を優先度毎に累計する(S3’−02)。優先度1の停止影響時間累計:"00:07:10"、優先度2の停止影響時間累計:"01:12:17"+"00:16:00"="01:28:17"、優先度3の停止影響時間累計:"02:20:47"+"01:14:12"+"00:09:51"="03:44:50"、優先度4の停止影響時間累計:"01:58:07"+"01:08:28"="03:06:35"が計算される。
【0059】
続いて、優先度毎の平均影響時間を計算する(S3’−03)。優先度1の製品平均停止影響時間="00:07:10"、優先度2の製品平均停止影響時間="01:28:17"/2="00:44:09"、優先度3の製品平均停止影響時間="03:44:50"/3="01:14:57"、優先度4の製品平均停止影響時間="03:06:35"/2=1:33:18が計算される。
【0060】
上例では、優先度で作業を行う製品を決める制御を行っている製造ラインについて説明したが、仮作業開始時刻を算出するのに、実際の製造ラインの制御を用いることにより、設備停止影響時間の算出がより正確になる。また、この制御を製造ラインで実際に行っている制御に置き換えて実施しても良い。
【0061】
以上説明した実施の形態では、製品の作業履歴情報と設備の稼動履歴情報とを組み合わせて計算しているので、個々の製品に対する個々の設備停止の影響を計算することができる。また、製品の作業待ち時間と設備停止の影響を受けた待ち時間との重複時間を「設備起因の待ち時間」とすることにより、設備停止が製品のリードタイムに影響を与えた「停止影響時間」を明確にすることができる。また、処理待ちの製品が複数ある場合、ひとつの設備停止に対する影響度を影響のある全ての製品に対して計算できる。
【0062】
また、個々の製品に対する設備停止の影響について、設備停止が無かった場合に作業が行われた「仮作業開始時刻」を仮定し、それと実際に作業が行われた作業開始時刻との差分を取ることにより「停止影響時間」が計算できる。また、個々の製品に対する「停止影響時間」を累計することにより、製品のリードタイムに対する設備停止の影響時間を計算できる。また、特定時刻に起こっている設備停止の停止影響時間の累計を計算することにより、設備停止の製品に対する平均影響度を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、当実施の形態の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、作業履歴読込工程の詳細を示す図である。
【図3】図3は、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す図である。
【図4】図4は、停止影響時間算出工程Aの詳細を示す図である。
【図5】図5は、停止影響時間算出工程Bの詳細を示す図である。
【図6】図6は、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す図である。
【図7】図7は、製品毎設備停止影響時間算出工程の詳細を示す図である。
【図8】図8は、設備の稼動履歴情報の例を示す図である。
【図9】図9は、製品の作業履歴情報の例を示す図である。
【図10】図10は、作業待ち時間を表に示した図である。
【図11】図11は、停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表に示した図である。
【図12】図12は、作業履歴読込工程の詳細を示す図である。
【図13】図13は、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す図である。
【図14】図14は、停止影響時間算出工程Cの詳細を示す図である。
【図15】図15は、停止影響時間算出工程Dの詳細を示す図である。
【図16】図16は、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す図である。
【図17】図17は、設備の稼動履歴情報の例を示す図である。
【図18】図18は、製品の作業履歴情報の例を示す図である。
【図19】図19は、作業待ち時間を表に示した図である。
【図20】図20は、停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表に示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する算出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の工場内リードタイム(工場への投入から入庫までの時間)は、工場内の設備の故障による停止が発生すると長くなる。この設備停止が製品リードタイムへ与える影響は、フローショップ型製造ライン(設備が製品の作業工程の順番に並んでいるライン)で追い越し禁止の場合には、明確である。すなわち、設備停止時間だけ、投入工程から停止した設備の工程の間に仕掛っている製品のリードタイムが増加する。しかし、半導体拡散工場を代表とする、ジョブショップ型製造ライン(設備作業種別毎に設備グループとしてまとめてフロアに配置し、製品がその設備グループ間を複数回行き来するライン)では、フローが異なる製品を同一ラインで製造したり、同一製品を同じ設備で複数回処理したりするため、設備停止が各製品のリードタイムにどの程度の影響を与えているか不明確であった。
【0003】
特に、作業工程数が数百工程を超え、リードタイムが数十日かかる製品を生産するラインでは、設備が停止した場合、その設備前で製品の停滞が起こり、次工程への流れ込み量の変動を引き起こす。そして、このような変動が各工程で積み重なっていき、変動がどの原因で発生しているか分からない。また、数日の間に、投入する製品構成を変化させながら生産するラインの場合、製品の各設備への流れ込み変動が前工程の設備停止の影響なのか、投入時の製品構成の変動によるものなのか分からない。よって、結果として生じるリードタイム増加の原因が何であるか全く分からない。設備停止の影響は、停止時点の作業数の減少、仕掛数の増加でしか把握していない。
【0004】
近年、製品リードタイムを短縮する活動において、何が原因でリードタイムが長くなっているのかを定量的に把握する必要が出てきた。例えば、どの設備の何時の停止が、個々の製品のリードタイムにおいてどの程度を占めているかを把握して、リードタイム増に影響のある設備停止に対して今後リードタイムに影響を及ぼさない対策を実施する。結果として、リードタイムの短縮が求められている。
【0005】
特開2002−073143号公報(特許文献1参照)には、製造装置監視方法の発明が記載されている。この製造装置監視方法は、製品の製造に用いられる製造装置の稼動状況を監視することにより、前記製造装置が稼動停止したときに該稼動停止が製品の製造状況に及ぼす影響を停止影響として評価する。そして、前記製造装置が稼動停止した時点以前の特定の時点に前記製造装置において処理待ち状態にあった製品数である第1の処理待ち製品数と、前記製造装置が稼動停止後に再稼動した時点以降の特定の時点に前記製造装置において処理待ち状態にあった製品数である第2の処理待ち製品数との差に基づき前記停止影響を評価する。
【0006】
【特許文献1】特開2002−073143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、設備の稼動状況(設備停止前、停止後)毎の「処理待ち製品数の増加数」及び「処理待ち時間の増加時間」により、設備停止の影響を評価している。この従来技術では、製品種類の構成が一定でない場合や、過去の設備停止の影響によりその設備への製品の流れ込み量(一定時間当りにその製品に仕掛かる製品数)が一定でない場合、設備の稼動状況(設備停止前、停止後)毎の「処理待ち製品数の増加数」や「処理待ち時間の増加時間」の比較では、停止以外の起因による増加や減少も含んでいるため、設備停止の影響そのものを評価することができないという問題点がある。また、個々の製品に対する設備停止の影響をみることもできない。本発明は、設備停止の影響そのものを評価すること、また、個々の製品に対する設備停止の影響を診ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による算出方法は、設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する方法であって、設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算するステップと、前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算するステップとを有する。
【0009】
また、本発明による算出方法においては、前記仮作業開始時刻を計算するステップが、前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算するステップと、この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップとを有する。また、本発明による算出方法においては、前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップが、前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記設備利用可能時刻を計算するステップが、k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップが、k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する。
【0010】
また、本発明による算出方法においては、前記設備利用可能時刻を計算するステップが、仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記製品並べ替え時刻を計算するステップが、k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する。また、本発明による算出方法においては、前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップが、k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する。
【0011】
また、本発明による算出方法においては、前記仮作業開始時刻を計算するステップが、設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算するステップを有する。
【0012】
また、本発明によるプラグラムは、設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間を算出するためのプログラムであって、設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算する手順と、前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算する手順とをコンピュータに実行させる。
【0013】
また、本発明によるプラグラムにおいては、前記仮作業開始時刻を計算する手順が、前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算する手順と、この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順とを有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順が、前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記設備利用可能時刻を計算する手順が、k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順が、k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する。
【0014】
また、本発明によるプラグラムにおいては、前記設備利用可能時刻を計算する手順が、仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記製品並べ替え時刻を計算する手順が、k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する。また、本発明によるプラグラムにおいては、前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順が、k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する。
【0015】
また、本発明によるプラグラムにおいては、前記仮作業開始時刻を計算する手順が、設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算する手順を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、設備停止の影響そのものを評価することができ、かつ、個々の製品に対する設備停止の影響を診ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に、当実施の形態の全体構成を示す。図1において、作業履歴読込工程では、計算に必要な情報を取り込む(S1)。製品毎、設備停止毎の設備停止影響時間計算工程では、製品毎、設備停止毎の設備停止影響時間を算出する(S2)。設備停止毎影響度算出工程では、設備停止影響時間計算工程(S2)の算出結果を元に、製品に対する設備停止の平均影響時間を算出する(S3)。製品毎設備停止影響時間算出工程は、設備停止影響時間計算工程(S2)の算出結果を元に、各製品のリードタイムのうちの設備停止影響時間を算出する(S4)。以下、各工程(S1〜4)について詳述する。
【0018】
図2に、作業履歴読込工程の詳細を示す。図2において、計算対象期間に発生した設備の稼動履歴情報を「設備の稼動履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1−01)。ここで、計算対象期間は、手動入力でも良いし、定期的に実行される処理時刻で自動的に計算される期間(例えば、毎日8:00に実行する処理の場合、計算対象期間を前日の0:00から当日の0:00までとするなど)でもよい。取り込む情報は、設備名、設備停止時刻、設備復旧時刻、停止理由を含む設備イベント情報である。「設備イベント情報を保持している場所」として、設備からの稼動履歴情報を保存したり、作業者が端末から報告する状態の情報を保存している「稼動管理システム」における記憶装置などがある。
【0019】
次に、各設備で設備復旧時刻後、次の設備停止時刻までに作業された製品の作業履歴を「製品の作業履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1−02)。取り込む情報は、「製品名、仕掛時刻、作業開始時刻、作業終了時刻」などを含む製品の作業履歴情報である。「製品の作業履歴情報を保持している場所」として、設備からの各製品の作業開始、終了報告を取り込み保存したり、搬送システムからの搬送結果とその時刻を取り込み保存したり、作業者が端末から報告する製品毎の仕掛時刻、作業開始時刻、作業終了時刻の情報を保存する「生産制御システム」や、「生産制御システム」から情報を受け取り保存しているシステムにおける記憶装置などがある。以上で、作業履歴読込工程(S1)を終了し、設備停止影響時間計算工程(S2)に進む。
【0020】
図3に、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す。図3において、まず、設備停止情報を設備毎に時系列に並べ替える(S2−01)。そして、時系列の順番で設備停止情報毎に処理を繰り返す(S2−02)。設備停止毎の繰り返し処理においては、まず、製品の作業履歴情報から、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<同一設備の次の設備停止時刻、を満たす製品を抽出する(S2−03)。続いて、抽出した製品を設備の作業順に並べる(S2−04)。ここで、抽出した各製品について順番に処理を繰り返す(S2−05)。前製品の停止影響時間が空欄であるか否かを判定する(S2−06)。空欄の場合、停止影響時間算出工程Aに進む。空欄でない場合、停止影響時間算出工程Bに進む。
【0021】
図4に、停止影響時間算出工程Aの詳細を示す。図4において、まず、[設備復旧時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2−07)。判定結果が、”はい”である場合、停止影響時間を算出する。一方、判定結果が、”いいえ”である場合、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。ここで、補正値βは、設備毎に決まる一定時間で、仕掛ってから待ちの無い状態で、作業を開始するまでの最短時間である。計算上ゼロとしても構わない。[設備停止時刻>仕掛時刻]を判定する(S2−08)。判定結果が”はい”である場合、[設備停止時刻+一定時間α]を、設備停止が無かったと仮定したならば作業開始できた時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−09)。ここで、補正値αは、設備毎に決まる一定時間で、設備停止報告が実際何時の時点で報告されるかに依存し、設備停止が無かった場合に作業開始されたであろう時刻のα時間前が設備停止開始報告時刻となるようにαを算出する。計算上ゼロとしても構わない。一方、判定結果が”いいえ”である場合、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−10)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2−11)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2−12)。
【0022】
図5に、停止影響時間算出工程Bの詳細を示す。図5において、まず、[前製品作業終了時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2−13)。判定結果が、”いいえ”である場合には、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。一方、判定結果が、”はい”である場合には、停止影響時間を算出する。設備利用可能時刻を、[作業開始時刻−前製品停止影響時間]として算出する(S2−14)。[設備利用可能時刻>仕掛時刻]を判定する(S2−15)。判定結果が”はい”である場合には、[設備利用可能時刻+一定時間γ]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−16)。ここで、補正値γは、設備毎に決まる一定時間で、設備が利用可能になってから、実際に作業が開始されるまでの最短時間である。計算上ゼロとしても構わない。一方、判定結果が”いいえ”である場合には、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2−17)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2−18)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2−19)。
【0023】
停止影響時間算出工程A又はBの終了後、未計算製品が残っている場合には、製品の繰り返し(S2−05)に戻る(S2−20)。また、未計算の設備停止情報が残っている場合には、設備停止情報の繰り返し(S2−02)に戻る(S2−21)。これらの繰り返しが完了したら、設備停止影響時間計算工程(S2)を終了する。
【0024】
図6に、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す。図6において、まず、特定時刻で停止している設備と、その設備停止で発生した停止影響時間が正である製品を抽出する(S3−01)。次に、抽出した各製品毎の停止影響時間を累計する(S3−02)。続いて、累計した停止影響時間を、この設備停止の作業開始時刻から次の設備停止時刻までの間に作業された製品数で割ることにより、平均影響時間を算出する(S3−03)。
【0025】
図7に、製品毎設備停止影響時間算出工程の詳細を示す。図7において、まず、計算対象製品の各工程毎の計算結果(設備停止影響時間)を抽出する(S4−01)。次に、投入から入庫までの工程の設備停止影響時間に対して、処理を繰り返す(S4−02)。設備停止影響時間の元となった設備の設備停止理由が「設備故障」であるか否かを判定する(S4−03)。「設備故障」である場合には、設備故障影響時間累計にこの工程の設備停止影響時間を加える(S4−04)。設備停止影響時間の元となった設備の設備停止理由が、「定期点検」であるか否かを判定する(S4−05)。「定期点検」である場合には、定期点検影響時間累計に、この工程の設備停止影響時間を加える(S4−06)。続いて、設備停止影響時間累計にこの工程の設備停止影響時間を加える(S4−07)。繰り返し処理に戻る(S4−08)。入庫まで進んだら計算を終了する。
【0026】
図8に、設備Eq−1の稼動履歴情報の例を示す。図示するように、設備Eq−1は、"2005/8/3 10:16:36〜2005/8/3 11:16:28"までの間、及び、"2005/8/3 15:22:40〜2005/8/3 17:35:21"までの間、稼動を停止している。ここで、第一回目の設備停止、すなわち、"2005/8/3 10:16:36〜2005/8/3 11:16:28"までの間の設備停止に対する、製品の影響を考える。
【0027】
図2〜5のフローチャートに従い説明する。まず、図2に示すように、設備の稼動停止情報を取得する(S1−01)。ここでは、設備Eq−1の停止情報、すなわち、"2005/8/3 10:16:36〜2005/8/3 11:16:28"という情報が取得される。次に、この停止情報に関する製品の作業履歴情報を取得する(S1−02)。図9に、製品の作業履歴情報の例を示す。図示するように、設備Eq−1で作業が行われた製品が10個、製品1〜製品10としてリストアップされている。これらの製品に対する影響を考える。
【0028】
図3に進む。まず、設備停止を設備毎に時系列に並べ替え(S2−01)、設備停止に関して処理を繰り返す(S2−02)。次に、設備停止の影響を受けた製品を抽出する(S2−03)。設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を抽出する。まず、設備復旧時刻=<作業開始時刻の製品を選択する。設備復旧時刻は、"11:16:28"であるから、作業開始時刻が、"11:16:28"の製品2、"11:36:23"の製品3、"12:04:27"の製品4、"12:33:53"の製品5、"13:02:30"の製品6、"13:28:24"の製品7、"13:56:21"の製品8、"14:24:50"の製品9、"15:02:20"の製品10が選択される。次に、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を選択する。次の設備停止時刻は、"15:22:40"であるから、作業終了時刻が、"10:16:36"の製品1、"11:34:58"の製品2、"12:02:03"の製品3、"12:31:05"の製品4、"12:58:19"の製品5、"13:26:21"の製品6、"13:54:32"の製品7、"14:23:19"の製品8、"14:55:32"の製品9、"15:20:31"の製品10が選択される。結局、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品として、製品2〜10が抽出される。
【0029】
続いて、抽出された製品2〜10を設備の作業順に並べ替える(S2−04)。作業開始時刻又は作業終了時刻で昇順にソートすると、製品2、製品3、製品4、製品5、製品6、製品7、製品8、製品9、製品10の順番となる。次に、並べ替えた各製品に関して、処理を繰り返す(S2−05)。まず、最初の製品2について、前製品の停止影響時間が空欄か否かの判定を行う(S2−06)。製品2の前に作業が行われた製品は製品1であるが、製品1は計算対象では無い。従って、製品1の停止影響時間は空欄である。よって、図4の処理に進む。
【0030】
図4において、まず、製品2の仕掛時刻に設備が停止中であったか否かを判定する(S2−07)。ここで、設備復旧時刻は、"11:16:28"、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品2の仕掛時刻+一定時間β]が成立する。よって、判定の結果は、”はい”となる。続いて、製品2の仕掛け前に設備Eq−1が停止していたか否かを判定する(S2−08)。設備停止時刻は、"10:16:36"であり、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、[設備停止時刻>仕掛時刻]が成立する。よって、判定の結果は、”はい”となる。次に、製品2の仮作業開始時刻を計算する(S2−09)。設備停止時刻は、"10:16:36"であるから、一定時間αをゼロとすれば、製品2の仮作業開始時刻は、["10:16:36"+ゼロ]で、"10:16:36"となる。次に、製品2の停止影響時間を計算する(S2−11)。製品2の作業開始時刻は、"11:16:28"であり、仮作業開始時刻は、"10:16:36"であるから、製品2の停止影響時間は、["11:16:28"−"10:16:36"]で、"00:59:52"となる。続いて、製品2の停止影響以外待ち時間を計算する(S2−12)。仮作業開始時刻は、"10:16:36"であり、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、製品2の停止影響以外待ち時間は、["10:16:36"−"09:52:43"]で、"00:23:53"となる。次に、全ての製品について処理が終了したかを判定する(S2−20)。製品3〜10についての処理が終わっていないので、製品に関して繰り返しの処理に戻る(S2−05)。
【0031】
製品3の処理を行う。製品2の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2−06)。製品2の停止影響時間は、"00:59:52"であり、空欄ではないため、判定結果は、”いいえ”となる。よって、図5に進む。[製品3の仕掛時刻+一定時間β]が、製品2の作業終了時刻よりも前か否かを判定する(S2−13)。製品3の仕掛時刻は、"10:25:38"であり、製品2の作業終了時刻は、"11:34:58"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[製品2の作業終了時刻>製品3の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、設備利用可能時刻を計算する(S2−14)。製品3の作業開始時刻は、"11:36:23"であり、製品2の停止影響時間は、"00:59:52"であるから、設備利用可能時刻は、["11:36:23"−"00:59:52"]で、"10:36:31"となる。続いて、製品3の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2−15)。製品3の仕掛時刻は、"10:25:38"であり、設備利用可能時刻は、"10:36:31"であるから、[設備利用可能時刻>仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、仮作業開始時刻を計算する(S2−16)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"10:36:31"と計算される。続いて、製品3の停止影響時間を計算する(S2−18)。製品3の作業開始時刻は、"11:36:23"であり、仮作業開始時刻は、"10:36:31"であるから、製品3の停止影響時間は、["11:36:23"−"10:36:31"]であり、"00:59:52"と計算される。続いて、製品3の停止影響以外待ち時間を計算する(S2−19)。仮作業開始時刻は、"10:36:31"であり、製品3の仕掛時刻は、"10:25:38"であるから、製品3の停止影響以外待ち時間は、["10:36:31"−"10:25:38"]で、"00:10:53"となる。
【0032】
以後、同様に計算し、製品4の停止影響時間="00:49:45"、停止影響以外待ち時間="00:00:00"、製品5の停止影響時間="00:49:45"、停止影響以外待ち時間="00:28:02"、製品6の停止影響時間="00:36:58"、停止影響以外待ち時間="00:00:00"。製品7の停止影響時間="00:07:20"、停止影響以外待ち時間="00:00:00"が算出される。
【0033】
製品8の処理を行う。製品7の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2−06)。製品7の停止影響時間は、"00:07:20"であり、空欄ではないため、判定結果は、”いいえ”となる。よって、図5に進む。[製品8の仕掛時刻+一定時間β]が、製品7の作業終了時刻よりも前か否かを判定する(S2−13)。製品8の仕掛時刻は、"13:50:20"であり、製品7の作業終了時刻は、"13:54:32"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[製品7の作業終了時刻>製品8の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、設備利用可能時刻を計算する(S2−14)。製品8の作業開始時刻は、"13:56:21"であり、製品7の停止影響時間は、"00:07:20"であるから、設備利用可能時刻は、["13:56:21"−"00:07:20"]で、"13:49:01"となる。続いて、製品8の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2−15)。製品8の仕掛時刻は、"13:50:20"であり、設備利用可能時刻は、"13:49:01"であるから、[設備利用可能時刻>仕掛時刻]が不成立となる。よって、判定結果は、”いいえ”となる。次に、仮作業開始時刻を計算する(S2−16)。一定時間βをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、製品8の仕掛時刻とイコールであり、"13:50:20"と計算される。続いて、製品8の停止影響時間を計算する(S2−18)。製品8の作業開始時刻は、"13:56:21"であり、仮作業開始時刻は、"13:50:20"であるから、製品8の停止影響時間は、["13:56:21"−"13:50:20"]であり、"00:06:01"と計算される。続いて、製品8の停止影響以外待ち時間を計算する(S2−19)。仮作業開始時刻は、"13:50:20"であり、製品8の仕掛時刻は、"13:50:20"であるから、製品8の停止影響以外待ち時間は、["13:50:20"−"13:50:20"]であり、"00:00:00"となる。
【0034】
製品9の処理を行う。製品8の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2−06)。製品8の停止影響時間は、"00:06:01"であり、空欄ではないため、判定結果は、”いいえ”となる。よって、図5に進む。[製品9の仕掛時刻+一定時間β]が、製品8の作業終了時刻よりも前か否かを判定する(S2−13)。製品9の仕掛時刻は、"14:24:20"であり、製品8の作業終了時刻は、"14:23:19"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[製品8の作業終了時刻>製品9の仕掛時刻]が不成立となる。よって、判定結果は、”いいえ”となる。ここで、製品9についての処理は終了し、ループを抜ける。よって、設備停止の影響を受けた製品は、製品2〜8となる。製品9の停止影響時間は、"00:00:00"であり、停止影響以外待ち時間は、"00:00:30"となる。同様に、製品10の停止影響時間は、"00:00:00"であり、停止影響以外待ち時間は、"00:00:41"となる。
【0035】
図10は、図9に示した各製品についての作業待ち時間を表にしたものである。作業待ち時間は、[作業開始時刻−仕掛時刻]で求めることができる。図11は、上述の通り計算された停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表にしたものである。[作業待ち時間=停止影響時間+停止影響以外待ち時間]の関係がある。当例では、個別の設備停止それぞれについて、製品毎の影響が明示され、個々の製品に対する設備停止の影響を定量的に把握することができる。
【0036】
優先度の異なる製品を同一ライン上で同時に流している場合、上例のように、製品を設備の作業順に並べて計算すると、影響度が過小評価されてしまう場合がある。ただし、上例でも計算は可能であり、計算も複雑でないので、過小評価してしまう点を除けば上例でも問題ない。しかしながら、製品の優先度が異なる場合には、上例の図2の計算を図12のように、図3の計算を図13のように、図4の計算を図14のように、図5の計算を図15のように、図6の計算を図16のように改良することも出来る。なお、図7は、以下の例でもそのまま使用することが可能である。
【0037】
図12に、作業履歴読込工程の詳細を示す。図12において、計算対象期間に発生した設備の稼動履歴情報を「設備の稼動履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1’−01)。取り込む情報は、設備名、設備停止時刻、設備復旧時刻、停止理由を含む設備イベント情報である。次に、各設備で設備復旧時刻後、次の設備停止時刻までに作業された製品の作業履歴を「製品の作業履歴情報を保持している場所」から取り込む(S1’−02)。取り込む情報は、「製品名、仕掛時刻、作業開始時刻、作業終了時刻に加えて、製品毎の優先度情報」を含む製品の作業履歴情報である。以上で、図12の作業履歴読込工程(S1’)を終了する。
【0038】
図13に、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す。図13において、まず、設備停止情報を設備毎に時系列に並べ替える(S2’−01)。そして、時系列の順番で設備停止情報毎に処理を繰り返す(S2’−02)。設備停止毎の繰り返し処理においては、まず、製品の作業履歴情報から、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<同一設備の次の設備停止時刻、を満たす製品を抽出する(S2’−03)。続いて、設備停止時刻を製品並べ替え時刻とする(S2’−04)。ここで、抽出した製品について処理を繰り返す(S2’−05)。製品に関しての繰り返し処理においては、まず、製品並べ替え時刻に仕掛かっている製品のうち、優先度の高い製品を選択する(S2’−06)。次に、前製品の停止影響時間が空欄であるか否かを判定する(S2’−07)。空欄の場合、停止影響時間算出工程Cに進む。空欄でない場合、停止影響時間算出工程Dに進む。
【0039】
停止影響時間算出工程C又はDが終了したら、製品並べ替え時刻を、[仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻]とする(S2’−21)。続いて、計算に使用した製品を除外して、製品に関しての繰り返し処理に戻る(S2’−22)。製品の繰り返しが終了したら、設備停止に関しての繰り返し処理に戻り、設備停止毎に処理を繰り返す(S2’−23)。
【0040】
図14に、停止影響時間算出工程Cの詳細を示す。図14において、まず、[設備復旧時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2’−08)。判定結果が、”はい”である場合、停止影響時間を算出する。一方、判定結果が、”いいえ”である場合、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。[設備停止時刻>仕掛時刻]を判定する(S2’−09)。判定結果が”はい”である場合、[設備停止時刻+一定時間α]を、設備停止が無かったと仮定したならば作業開始できた時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−10)。一方、判定結果が”いいえ”である場合、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−11)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2’−12)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2’−13)。
【0041】
図15に、停止影響時間算出工程Dの詳細を示す。図15において、まず、[設備復旧時刻>仕掛時刻+一定時間β]を判定する(S2’−14)。判定結果が、”いいえ”である場合には、繰り返し処理を終了し、ループを抜ける。一方、判定結果が、”はい”である場合には、停止影響時間を算出する。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。[設備利用可能時刻>仕掛時刻]を判定する(S2’−16)。判定結果が”はい”である場合には、[設備利用可能時刻+一定時間γ]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−17)。一方、判定結果が”いいえ”である場合には、[仕掛時刻+一定時間β]を設備停止が無かった場合に作業開始可能な時刻(仮作業開始時刻)とする(S2’−18)。続いて、停止影響時間を、[作業開始時刻−仮作業開始時刻]として求める(S2’−19)。そして、停止影響以外待ち時間を、[仮作業開始時刻−仕掛時刻]として求める(S2’−20)。
【0042】
図16に、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す。図16において、まず、特定時刻で停止している設備とその設備が再稼動後、次の停止までに作業された優先度毎の製品数、及び、その設備停止で発生した停止影響時間が正である製品の停止影響時間とその製品の優先度を抽出する(S3’−01)。次に、各製品毎の停止影響時間を優先度毎に累計する(S3’−02)。続いて、累計した優先度毎の停止影響時間を、この設備停止の作業開始時刻から次の稼動停止時刻までの間に作業された同じ優先度の製品数で割ることにより、優先度毎の平均影響時間を算出する(S3’−03)。
【0043】
当例は、前例と同様に個々の製品に対する設備停止の影響を算出することが可能になる。特に、異なる優先度の製品を流しているラインの場合や、作業する製品の選択を複雑なルールで運用している場合、製品毎、設備停止毎の設備停止影響時間計算工程(S2)の処理を、実際の製品選択ルールを元にして計算すれば、個々の製品に対する正確な仮作業開始時刻の算出がなされる。従って、停止影響時間、停止影響以外待ち時間を正確に計算することが出来る。
【0044】
図17に、設備Eq−3の稼動履歴情報の例を示す。図示するように、設備Eq−3は、"2005/8/5 10:55:43〜2005/8/5 12:32:24"までの間、及び、"2005/8/5 15:28:40〜2005/8/5 17:29:01"までの間、稼動を停止している。ここで、第一回目の設備停止、すなわち、"2005/8/5 10:55:43〜2005/8/5 12:32:24"までの間の設備停止に対する、製品の影響を考える。
【0045】
図12〜15のフローチャートに従い説明する。まず、図12に示すように、設備の稼動停止情報を取得する(S1’−01)。ここでは、設備Eq−3の停止情報、すなわち、"2005/8/5 10:55:43〜2005/8/5 12:32:24"という情報が取得される。次に、この停止情報に関する製品の作業履歴情報を取得する(S1’−02)。図18に、製品の作業履歴情報の例を示す。図示するように、当例では、各製品に優先度が付されているが、設備Eq−3で作業が行われた製品が9個、製品1〜製品9としてリストアップされている。これらの製品に対する影響を考える。
【0046】
図13に進む。まず、設備停止を設備毎に時系列に並べ替え(S2’−01)、設備停止に関して処理を繰り返す(S2’−02)。次に、設備停止の影響を受けた製品を抽出する(S2’−03)。設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を抽出する。まず、設備復旧時刻=<作業開始時刻の製品を選択する。設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、作業開始時刻が、"13:16:30"の製品1、"12:32:24"の製品4、"12:55:26"の製品5、"14:01:30"の製品2、"13:44:05"の製品6、"14:29:32"の製品7、"14:50:20"の製品8、"15:11:30"の製品9が選択される。次に、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品を選択する。次の設備停止時刻は、"15:28:40"であるから、作業終了時刻が、"10:55:43"の製品3、"13:42:39"の製品1、"12:53:41"の製品4、"13:15:40"の製品5、"14:28:00"の製品2、"13:59:31"の製品6、"14:48:21"の製品7、"15:10:03"の製品8、"15:28:40"の製品9が選択される。結局、設備復旧時刻=<作業開始時刻、且つ、作業終了時刻=<次の設備停止時刻を満たす製品として、製品1,2,4〜9が抽出される。
【0047】
続いて、製品並べ替え時刻を設備停止時刻である"10:55:43"とし(S2’−04)、各製品に関して、処理を繰り返す(S2’−05)。繰り返し処理においては、まず、製品並べ替え時刻に仕掛かっている製品のうち、優先度の高い製品を選択する(S2’−06)。製品並べ替え時刻は"10:55:43"であるから、仕掛時刻が"09:23:41"の製品1と、"09:52:43"の製品2とが候補となるが、優先度の高い製品1が選択される。次に、この製品1について、前製品の停止影響時間が空欄か否かの判定を行う(S2’−07)。前製品の停止影響時間は空欄なので、図14の処理に進む。
【0048】
図14において、まず、[製品1の仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−08)。ここで、設備復旧時刻は、"12:32:24"、製品1の仕掛時刻は、"09:23:41"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品1の仕掛時刻+一定時間β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。続いて、製品1の仕掛時刻が、設備Eq−3の設備停止時刻よりも前か否かを判定する(S2’−09)。設備停止時刻は、"10:55:43"であり、製品1の仕掛時刻は、"09:23:41"であるから、[設備停止時刻>仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。次に、製品1の仮作業開始時刻を計算する(S2’−10)。設備停止時刻は、"10:55:43"であるから、一定時間αをゼロとすれば、製品1の仮作業開始時刻は、["10:55:43"+ゼロ]で、"10:55:43"となる。次に、製品1の停止影響時間を計算する(S2’−12)。製品1の作業開始時刻は、"13:16:30"であり、仮作業開始時刻は、"10:55:43"であるから、製品1の停止影響時間は、["13:16:30"−"10:55:43"]で、"02:20:47"となる。続いて、製品1の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−13)。仮作業開始時刻は、"10:55:43"であり、製品1の仕掛時刻は、"09:23:41"であるから、製品1の停止影響以外待ち時間は、["10:55:43"−"09:23:41"]で、"01:32:02"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["10:55:43"+"13:42:39"−"13:16:30"]を計算して、"11:21:52"となる。計算に使用した製品1を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0049】
更新された製品並べ替え時刻である"11:21:52"に仕掛かっている製品は、仕掛時刻が"11:14:42"の製品4と、"11:16:06"の製品5と、"09:52:43"の製品2である。優先度の高い製品4を選択する(S2’−06)。製品4の処理を行う。前製品である製品1の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2’−07)。空欄ではないので、判定結果は、”いいえ”となり、図15へ進む。
【0050】
製品4の[仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−14)。製品4の仕掛時刻は、"11:14:42"であり、設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品4の仕掛時刻+β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。製品並べ替え時刻は、"11:21:52"であるから、設備利用可能時刻は、"11:21:52"となる。製品4の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2’−16)。製品4の仕掛時刻は、"11:14:42"であり、設備利用可能時刻は、"11:21:52"であるから、[設備利用可能時刻>製品4の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。仮作業開始時刻を計算する(S2’−17)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"11:21:52"となる。製品4の停止影響時間を計算する(S2’−19)。製品4の作業開始時刻は、"12:32:24"であり、仮作業開始時刻は、"11:21:52"であるから、製品4の停止影響時間は、["12:32:24"−"11:21:52"]であり、"01:10:32"と計算される。製品4の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−20)。仮作業開始時刻は、"11:21:52"であり、製品4の仕掛時刻は、"11:14:42"であるから、製品4の停止影響以外待ち時間は、["11:21:52"−"11:14:42"]で、"00:07:10"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["11:21:52"+"12:53:41"−"12:32:24"]を計算して、"11:43:09"となる。計算に使用した製品4を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0051】
更新された製品並べ替え時刻である"11:43:09"に仕掛かっている製品は、仕掛時刻が"11:16:06"の製品5と、"09:52:43"の製品2である。優先度の高い製品5を選択する(S2’−06)。製品5の処理を行う。前製品である製品4の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2’−07)。空欄ではないので、判定結果は、”いいえ”となり、図15へ進む。
【0052】
製品5の[仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−14)。製品5の仕掛時刻は、"11:16:06"であり、設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品4の仕掛時刻+β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。製品並べ替え時刻は、"11:43:09"であるから、設備利用可能時刻は、"11:43:09"となる。製品5の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2’−16)。製品5の仕掛時刻は、"11:16:06"であり、設備利用可能時刻は、"11:43:09"であるから、[設備利用可能時刻>製品5の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。仮作業開始時刻を計算する(S2’−17)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"11:43:09"となる。製品5の停止影響時間を計算する(S2’−19)。製品5の作業開始時刻は、"12:55:26"であり、仮作業開始時刻は、"11:43:09"であるから、製品5の停止影響時間は、["12:55:26"−"11:43:09"]であり、"01:12:17"と計算される。製品5の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−20)。仮作業開始時刻は、"11:43:09"であり、製品5の仕掛時刻は、"11:16:06"であるから、製品5の停止影響以外待ち時間は、["11:43:09"−"11:16:06"]で、"00:27:03"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["11:43:09"+"13:15:40"−"12:55:26"]を計算して、"12:03:23"となる。計算に使用した製品5を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0053】
更新された製品並べ替え時刻である"12:03:23"に仕掛かっている製品は、仕掛時刻が"09:52:43"の製品2である。この製品2を選択する(S2’−06)。製品2の処理を行う。前製品である製品5の停止影響時間が空欄か否かを判定する(S2’−07)。空欄ではないので、判定結果は、”いいえ”となり、図15へ進む。
【0054】
製品2の[仕掛時刻+一定時間β]が設備復旧時刻よりも前か否かを判定する(S2’−14)。製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であり、設備復旧時刻は、"12:32:24"であるから、一定時間βをゼロとすれば、[設備復旧時刻>製品2の仕掛時刻+β]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。設備利用可能時刻を、製品並べ替え時刻とする(S2’−15)。製品並べ替え時刻は、"12:03:23"であるから、設備利用可能時刻は、"12:03:23"となる。製品2の仕掛時刻が、設備利用可能時刻よりも前か否かを判定する(S2’−16)。製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であり、設備利用可能時刻は、"12:03:23"であるから、[設備利用可能時刻>製品2の仕掛時刻]が成立する。よって、判定結果は、”はい”となる。仮作業開始時刻を計算する(S2’−17)。一定時間γをゼロとすれば、仮作業開始時刻は、設備利用可能時刻とイコールであり、"12:03:23"となる。製品2の停止影響時間を計算する(S2’−19)。製品2の作業開始時刻は、"14:01:30"であり、仮作業開始時刻は、"12:03:23"であるから、製品2の停止影響時間は、["14:01:30"−"12:03:23"]であり、"01:58:07"と計算される。製品2の停止影響以外待ち時間を計算する(S2’−20)。仮作業開始時刻は、"12:03:23"であり、製品2の仕掛時刻は、"09:52:43"であるから、製品2の停止影響以外待ち時間は、["12:03:23"−"09:52:43"]で、"02:10:40"となる。次に、製品並べ替え時刻を更新する(S2’−21)。新しい製品並べ替え時刻は、仮作業開始時刻+作業終了時刻−作業開始時刻であるから、["12:03:23"+"14:28:00"−"14:01:30"]を計算して、"12:29:53"となる。計算に使用した製品2を除外し(S2’−22)、繰り返し処理に戻る(S2’−05)。
【0055】
以下同様に計算すると、製品6は、停止影響時間が"01:14:12"、停止影響以外待ち時間が"00:04:21"となる。製品7は、図15のS2’−14において、仕掛時刻が"13:21:04"なので、[設備復旧時刻>仕掛時刻+β]が成立しない。よって、判定結果が”いいえ”となり、図13におけるS2’−23へ進み、S2’−02へ戻る。ここで、S2’−05〜S2’−22の製品に関しての繰り返し処理が終了する。製品7〜9は、[停止影響時間=作業待ち時間]となり、[停止影響以外待ち時間=ゼロ]となる。
【0056】
図19は、図18に示した各製品についての作業待ち時間を表にしたものである。作業待ち時間は、[作業開始時刻−仕掛時刻]で求めることができる。図20は、上述の通り計算された停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表にしたものである。[作業待ち時間=停止影響時間+停止影響以外待ち時間]の関係がある。
【0057】
続いて、設備停止毎影響度算出工程について説明する。図16において、特定時刻を"10:55:43"〜"12:32:24"の間の任意の時刻とすると、まず、ここで発生している設備停止について、再稼動後の製品情報を抽出する(S3’−01)。優先度1の製品として「製品4」の1個、停止影響時間:"00:07:10"、優先度2の製品として「製品5」、「製品8」の2個、停止影響時間はそれぞれ、"01:12:17"、"00:16:00"、優先度3の製品として「製品1」、「製品6」、「製品9」の3個、停止影響時間は、"02:20:47"、"01:14:12"、"00:09:51"、優先度4の製品として「製品2」、「製品7」の2個、停止影響時間は、"01:58:07"、"01:08:28"の情報が抽出される。
【0058】
次に、停止影響時間を優先度毎に累計する(S3’−02)。優先度1の停止影響時間累計:"00:07:10"、優先度2の停止影響時間累計:"01:12:17"+"00:16:00"="01:28:17"、優先度3の停止影響時間累計:"02:20:47"+"01:14:12"+"00:09:51"="03:44:50"、優先度4の停止影響時間累計:"01:58:07"+"01:08:28"="03:06:35"が計算される。
【0059】
続いて、優先度毎の平均影響時間を計算する(S3’−03)。優先度1の製品平均停止影響時間="00:07:10"、優先度2の製品平均停止影響時間="01:28:17"/2="00:44:09"、優先度3の製品平均停止影響時間="03:44:50"/3="01:14:57"、優先度4の製品平均停止影響時間="03:06:35"/2=1:33:18が計算される。
【0060】
上例では、優先度で作業を行う製品を決める制御を行っている製造ラインについて説明したが、仮作業開始時刻を算出するのに、実際の製造ラインの制御を用いることにより、設備停止影響時間の算出がより正確になる。また、この制御を製造ラインで実際に行っている制御に置き換えて実施しても良い。
【0061】
以上説明した実施の形態では、製品の作業履歴情報と設備の稼動履歴情報とを組み合わせて計算しているので、個々の製品に対する個々の設備停止の影響を計算することができる。また、製品の作業待ち時間と設備停止の影響を受けた待ち時間との重複時間を「設備起因の待ち時間」とすることにより、設備停止が製品のリードタイムに影響を与えた「停止影響時間」を明確にすることができる。また、処理待ちの製品が複数ある場合、ひとつの設備停止に対する影響度を影響のある全ての製品に対して計算できる。
【0062】
また、個々の製品に対する設備停止の影響について、設備停止が無かった場合に作業が行われた「仮作業開始時刻」を仮定し、それと実際に作業が行われた作業開始時刻との差分を取ることにより「停止影響時間」が計算できる。また、個々の製品に対する「停止影響時間」を累計することにより、製品のリードタイムに対する設備停止の影響時間を計算できる。また、特定時刻に起こっている設備停止の停止影響時間の累計を計算することにより、設備停止の製品に対する平均影響度を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、当実施の形態の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、作業履歴読込工程の詳細を示す図である。
【図3】図3は、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す図である。
【図4】図4は、停止影響時間算出工程Aの詳細を示す図である。
【図5】図5は、停止影響時間算出工程Bの詳細を示す図である。
【図6】図6は、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す図である。
【図7】図7は、製品毎設備停止影響時間算出工程の詳細を示す図である。
【図8】図8は、設備の稼動履歴情報の例を示す図である。
【図9】図9は、製品の作業履歴情報の例を示す図である。
【図10】図10は、作業待ち時間を表に示した図である。
【図11】図11は、停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表に示した図である。
【図12】図12は、作業履歴読込工程の詳細を示す図である。
【図13】図13は、設備停止影響時間計算工程の詳細を示す図である。
【図14】図14は、停止影響時間算出工程Cの詳細を示す図である。
【図15】図15は、停止影響時間算出工程Dの詳細を示す図である。
【図16】図16は、設備停止毎影響度算出工程の詳細を示す図である。
【図17】図17は、設備の稼動履歴情報の例を示す図である。
【図18】図18は、製品の作業履歴情報の例を示す図である。
【図19】図19は、作業待ち時間を表に示した図である。
【図20】図20は、停止影響時間と、停止影響以外待ち時間とを表に示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する方法であって、
設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算するステップと、
前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算するステップと
を有する算出方法。
【請求項2】
前記仮作業開始時刻を計算するステップは、
前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算するステップと、
この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップと
を有する請求項1記載の算出方法。
【請求項3】
前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップは、
前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算するステップを有する請求項2記載の算出方法。
【請求項4】
前記設備利用可能時刻を計算するステップは、
k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項2又は3記載の算出方法。
【請求項5】
前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップは、
k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項4記載の算出方法。
【請求項6】
前記設備利用可能時刻を計算するステップは、
仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算するステップを有する請求項2又は3記載の算出方法。
【請求項7】
前記製品並べ替え時刻を計算するステップは、
k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項6記載の算出方法。
【請求項8】
前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップは、
k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項7記載の算出方法。
【請求項9】
前記仮作業開始時刻を計算するステップは、
設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算するステップを有する請求項1記載の算出方法。
【請求項10】
設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間を算出するためのプログラムであって、
設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算する手順と、
前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算する手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
前記仮作業開始時刻を計算する手順は、
前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算する手順と、
この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順と
を有する請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順は、
前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算する手順を有する請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記設備利用可能時刻を計算する手順は、
k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項11又は12記載のプログラム。
【請求項14】
前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順は、
k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記設備利用可能時刻を計算する手順は、
仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算する手順を有する請求項11又は12記載のプログラム。
【請求項16】
前記製品並べ替え時刻を計算する手順は、
k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順は、
k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
前記仮作業開始時刻を計算する手順は、
設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算する手順を有する請求項10記載のプログラム。
【請求項1】
設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間をコンピュータによって算出する方法であって、
設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算するステップと、
前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算するステップと
を有する算出方法。
【請求項2】
前記仮作業開始時刻を計算するステップは、
前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算するステップと、
この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップと
を有する請求項1記載の算出方法。
【請求項3】
前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算するステップは、
前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算するステップを有する請求項2記載の算出方法。
【請求項4】
前記設備利用可能時刻を計算するステップは、
k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項2又は3記載の算出方法。
【請求項5】
前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップは、
k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項4記載の算出方法。
【請求項6】
前記設備利用可能時刻を計算するステップは、
仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算するステップを有する請求項2又は3記載の算出方法。
【請求項7】
前記製品並べ替え時刻を計算するステップは、
k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項6記載の算出方法。
【請求項8】
前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップは、
k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算するステップを有する請求項7記載の算出方法。
【請求項9】
前記仮作業開始時刻を計算するステップは、
設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算するステップを有する請求項1記載の算出方法。
【請求項10】
設備の稼動停止に起因する製品の停滞時間を算出するためのプログラムであって、
設備の稼動停止が無かったと仮定したならば製品の作業が行われていた仮作業開始時刻を計算する手順と、
前記製品の作業開始時刻と前記仮作業開始時刻との差に基づいて、前記製品が前記設備の前記稼動停止の影響を受けた停止影響時間を計算する手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
前記仮作業開始時刻を計算する手順は、
前記設備の前記稼動停止が無かったと仮定したならば前記設備を利用できた設備利用可能時刻を計算する手順と、
この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順と
を有する請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記この設備利用可能時刻に基づいて、前記仮作業開始時刻を計算する手順は、
前記設備利用可能時刻と前記製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて前記仮作業開始時刻を計算する手順を有する請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記設備利用可能時刻を計算する手順は、
k番目の製品の”停止影響時間(k)”に基づいて、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項11又は12記載のプログラム。
【請求項14】
前記”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順は、
k+1番目の製品の作業開始時刻から、k番目の製品の”停止影響時間(k)”だけ遡らせた時刻を基準として、k+1番目の製品の”設備利用可能時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項13記載のプログラム。
【請求項15】
前記設備利用可能時刻を計算する手順は、
仕掛中の製品の中から所望の製品を選択する製品並べ替え時刻を計算する手順を有する請求項11又は12記載のプログラム。
【請求項16】
前記製品並べ替え時刻を計算する手順は、
k番目の製品の”仮作業開始時刻(k)”に基づいて、k+1番目に選択する製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順は、
k番目の製品の作業開始時刻から作業終了時刻までの”作業時間(k)”に基づき、”仮作業開始時刻(k)”から”作業時間(k)”だけ経過した時刻を基準として、k+1番目の製品の”製品並べ替え時刻(k+1)”を計算する手順を有する請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
前記仮作業開始時刻を計算する手順は、
設備の稼動停止時刻と1番目の製品の仕掛時刻とを比較し、いずれか遅い方の時刻に基づいて1番目の製品の仮作業開始時刻を計算する手順を有する請求項10記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−65691(P2008−65691A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−244381(P2006−244381)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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