説明

管理システム、管理方法、プログラム、管理装置及び車輌搭載機

【課題】複数の駐車エリアを備える物流拠点において、荷捌きを効率的に行う。
【解決手段】配送センタ内には、複数の荷捌き駐車エリア12各々に、それぞれのエリアを識別するためのエリア番号が表示されている。車輌搭載機40は、トラック1にそれぞれ搭載されており、そのトラック1が駐車する荷捌き駐車エリア12のエリア番号を検出する。管理装置20のコントローラ25は、配送センタ内のトラック1にそれぞれ搭載された車輌搭載機40から、そのトラック1が駐車する荷捌き駐車エリア12の指標を受信する。また、コントローラ25は、受信された荷捌き駐車エリア12の指標に基づいて、配送センタ内のトラック1を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理システム、管理方法、プログラム、管理装置及び車輌搭載機に関する。
【背景技術】
【0002】
物流のネットワークは、物流経路と物流拠点により構成される。物流経路は、物流拠点の間を結んでいる。荷物は、運搬車輌などの輸送手段により、物流経路上を、物流拠点から他の物流拠点に運ばれる。物流拠点のうち、企業などによって整備、運用される配送センタ・流通センタは、「物流センタ」とも呼ばれる。
【0003】
物流センタには、商品を配送する多くの運搬車輌が出入りし、そこで、荷物の在庫保管、仕分け、配送、流通加工などが行われる。物流センタには、荷捌きスペースが複数設けられており、それぞれの荷捌きスペースに運搬車輌が駐車して、荷物の積み下ろしが行われる。
【0004】
物流センタで捌かれる荷物は、非常に他品種、大量であるため、荷捌きを効率的に行えるようにすることが絶えず求められている。そこで、物流センタでは、誘導員が配置され、その誘導員により、トラックなどの運搬車輌が所定の荷捌き位置に誘導されるのが一般的となっている。この他、物流センタや路上などにおいて、荷捌きを効率的なものとするためのシステムが種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2008−158932号公報
【特許文献2】特開2004−266642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、誘導員によるトラックの誘導は、人件費などのコスト的な観点からすると、望ましいものではないうえ、誤った位置にトラックが誘導されてしまうおそれもある。また、物流センタの敷地内にループコイルを敷き詰め、物流センタ内の運搬車輌の位置をループコイルによって検出しつつ、運搬車輌を、荷捌きスペースに案内するシステムも考えられる。しかしながら、このようなシステムを構築するには、非常に大規模な工事が必要となる。
【0007】
また、上記特許文献1に開示されたシステムでは、荷捌きスペースに、運搬車輌以外の車輌が駐車しないようにすることはできるが、その運搬車輌を、特定の荷捌き駐車スペースに誘導することはできない。また、上記特許文献2に開示されたシステムでは、車輌に搭載されたカメラで撮像された映像信号を無線信号に変換して、外部に発信する機能が搭載されている。このシステムによれば、同様の機能を有する車輌が同じ場所に集合したときの混線を防止することはできるが、その車輌を特定の場所に誘導することはできない。
【0008】
さらに、物流センタの構内を撮像し、その撮像結果に基づいて、駐車エリアの空き場所を検出し、その検出結果に基づいて、トラックを、空いた駐車エリアへ誘導するシステムも考えられる。しかしながら、倉庫の屋根などに干渉されずに、すべての駐車エリアを撮像するためには、膨大な数、例えば、駐車位置の数だけカメラが必要になる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点において、荷捌きを効率的に行うことができる管理システム、管理方法、プログラム、管理装置及び車輌搭載機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る管理システムは、荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理システムであって、
前記積み下ろし位置には、それぞれ固有の指標が表示され、
複数の前記積み下ろし位置を管理する管理装置と、
前記運搬車輌に搭載され、その運搬車輌が前記積み下ろし位置のいずれかを使用する際に、その積み下ろし位置の指標を検出して前記管理装置に送信する車輌搭載機と、
を備え、
前記管理装置は、
受信された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する使用状況管理部と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する誘導情報生成部と、を備え、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する。
【0011】
前記管理システムにおいて、
前記車輌搭載機は、
その車輌搭載機が搭載された運搬車輌が前記物流拠点に入場する際に、その運搬車輌に関する情報を含む誘導要求を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記車輌搭載機から送信された前記運搬車輌に関する情報に基づいて、前記複数の積み下ろし位置の中から、その運搬車輌が駐車する積み下ろし位置を決定する決定部をさらに備え、
前記使用状況管理部は、
前記決定部により決定された積み下ろし位置が空いている場合、その積み下ろし位置の使用状況を使用中に切り替え、
前記誘導情報生成部は、
誘導要求を送信した車輌搭載機に対し、前記決定部により決定された積み下ろし位置の指標を含むその積み下ろし位置への誘導情報を生成することとしてもよい。
【0012】
前記管理システムにおいて、
前記管理装置は、
前記決定部により決定された積み下ろし位置への誘導情報を送信した後に、その車輌搭載機から、積み下ろし位置の指標を受信すると、受信された指標と、前記誘導情報に含まれる指標とを照合する照合部をさらに備え、
前記使用状況管理部は、
前記照合部において、両指標が合致した場合に、その積み下ろし位置の使用状況を使用中として確定することとしてもよい。
【0013】
前記管理システムにおいて、
前記管理装置は、
同じ前記積み下ろし位置に駐車する運搬車輌の待ち行列を記憶する記憶部をさらに備え、
前記使用状況管理部は、
前記決定部により決定された積み下ろし位置が使用中である場合には、前記誘導要求を送信した車輌搭載機に対応する運搬車輌を、前記待ち行列に登録し、
前記誘導情報生成部は、
誘導要求を送信した車輌搭載機に対し、待機位置への誘導情報を生成することとしてもよい。
【0014】
前記管理システムにおいて、
前記車輌搭載機は、
前記積み下ろし位置における作業の終了の際に、作業終了通知を、前記管理装置に送信し、
前記管理装置が、前記作業終了通知を受信すると、
前記使用状況管理部は、
前記待ち行列に運搬車輌が登録されていない場合には、その積み下ろし位置の使用状況を空きに切り替え、
前記誘導情報生成部は、
前記待ち行列に運搬車輌が登録されている場合には、前記待ち行列に登録された運搬車輌の中で、最も優先順位の高い運搬車輌に搭載された車輌搭載機に対し、その積み下ろし位置への誘導情報を送信するとともに、その運搬車輌を前記待ち行列から削除することとしてもよい。
【0015】
前記管理システムにおいて、
前記車輌搭載機は、
前記運搬車輌の後方を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像データに基づいて、前記積み下ろし位置に表示されたその積み下ろし位置に固有のマーク像を、前記指標として認識する画像認識部と、
を備えることとしてもよい。
【0016】
前記管理システムにおいて、
前記車輌搭載機は、
前記管理装置から送信された誘導情報を、その車輌搭載機が搭載された運搬車輌の運転手に報知する報知部をさらに備えることとしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係る管理方法は、
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理方法であって、
前記運搬車輌に搭載された車輌搭載機を用いて、その運搬車輌が前記積み下ろし位置のいずれかを使用する際に、その積み下ろし位置に表示された固有の指標を検出する第1の工程と、
検出された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する第2の工程と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する第3の工程と、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する第4の工程と、を含む。
【0018】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記運搬車輌に搭載された車輌搭載機によって検出された積み下ろし位置に固有の指標を受信する手順と、
受信された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する手順と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する手順と、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する手順と、
をコンピュータに実行させる。
【0019】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記運搬車輌の周囲の情報を検出する手順と、
検出された前記運搬車輌の周囲の情報に基づいて、その運搬車輌が駐車する積み下ろし位置に固有の指標を認識する手順と、
認識された指標を、物流拠点内を移動する運搬車輌の積み下ろし位置を管理する管理装置に送信する手順と、をコンピュータに実行させる。
【0020】
本発明の第5の観点に係る管理装置は、
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理装置であって、
前記運搬車輌に搭載された車輌搭載機によって検出された積み下ろし位置に固有の指標を受信する受信部と、
受信された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する使用状況管理部と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する誘導情報生成部と、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する送信部と、
を備える。
【0021】
本発明の第6の観点に係る車輌搭載機は、
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌に搭載された車輌搭載機であって、
前記運搬車輌の周囲の情報を検出する検出部と、
検出された前記運搬車輌の周囲の情報に基づいて、その運搬車輌が駐車する積み下ろし位置に固有の指標を認識する認識部と、
認識された指標を、物流拠点内を移動する運搬車輌の積み下ろし位置を管理する管理装置に送信する送信部と、
を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点において、荷捌きを効率的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係る管理システムは、例えば、図1のレイアウトに示されるような物流拠点としての配送センタ200に出入りする運搬車輌としてのトラック1を管理するのに用いられる。
【0024】
図1に示されるように、配送センタ200は、集荷倉庫10を中心に構成されている。配送センタ200では、この集荷倉庫10に荷物が集められ、この集荷倉庫10内で、荷物の在庫保管、仕分け、配送、流通加工が行われる。集荷倉庫10の倉庫屋根11の軒下には、荷物の積み下ろし位置としての荷捌き駐車エリア12が複数設けられている。トラック1は、この配送センタ200内を移動した後、この荷捌き駐車エリア12に駐車し、駐車したトラック1に対して荷物の積み下ろしが行われる。
【0025】
それぞれの荷捌き駐車エリア12に対し、トラック1はバックで進入する。トラック1は、荷捌き駐車エリア12内で、集荷倉庫10に背を向けた状態で駐車する。この状態で、トラック1の荷台の後方扉が開けられ、トラック1から集荷倉庫10への荷物の搬入や、集荷倉庫10からトラック1への荷物の搬出が行われる。この結果、荷台と集荷倉庫10との間での荷物の積み下ろしが、効率的に行われる。
【0026】
それぞれの荷捌き駐車エリア12には、それぞれのエリアを識別するための固有の指標であるマーク番号(エリア番号)が表示されている。これらのエリア番号は、荷捌き駐車エリア12を識別するために、エリア毎に付されている。
【0027】
配送センタ200には、外部との出入り口として、入場ゲート13が設けられている。トラック1は、この入場ゲート13を通って、配送センタ200に出入りする。
【0028】
配送センタ200には、順番待ちエリア14がさらに設けられている。順番待ちエリア14は、荷捌き駐車エリア12に駐車する順番を待つトラック1が待機する場所である。
【0029】
なお、図1では、トラック1が3台しか示されていないが、実際には、この台数に限るものでは無く、また、荷捌き駐車エリア12の数も、実際には、図1に示される数に限るものでは無い。
【0030】
また、集荷倉庫10内部には、本実施形態に係る管理システム100の一部としての管理装置20が設けられている。図2には、図1の配送センタ200に適用される、本実施形態に係る管理システム100の概略的な構成が示されている。図2に示されるように、本実施形態に係る管理システム100は、管理装置20と、複数の車輌搭載機40と、を備えている。
【0031】
車輌搭載機40は、各トラック1に1台ずつ設けられている。車輌搭載機40は、無線LAN30を介して管理装置20と通信可能である。車輌搭載機40は、そのトラック1が荷捌き駐車エリア12のいずれかを使用する際に、その荷捌き駐車エリア12のエリア番号を検出して送信する。
【0032】
管理装置20は、配送センタ200内のトラック1を管理する。管理装置20は、配送センタ200内のトラック1に搭載された車輌搭載機40と無線通信を行って、そのトラック1に搭載された車輌搭載機40から、そのトラック1が駐車する荷捌き駐車エリア12のエリア番号を受信する。
【0033】
さらに、管理装置20は、受信されたエリア番号に基づいて、複数の荷捌き駐車エリア12の使用状況を管理する。すなわち、管理装置20は、トラック1の車輌搭載機40から得られる情報に基づいて、荷捌き駐車エリア12各々が使用中であるのか、空いているのかを管理する。
【0034】
例えば、図2では、4つの荷捌き駐車エリア12が示されている。これらのうち、3つの荷捌き駐車エリア12には、トラック1が駐車して、作業中である。これら荷捌き駐車エリア12に駐車するトラック1に搭載された車輌搭載機40によって、荷捌き駐車エリア12のエリア番号が検出され、無線LAN30を介して、管理装置20に送信されている。管理装置20は、受信されたエリア番号に基づいて、複数の荷捌き駐車エリア12の使用状況を管理する。
【0035】
管理装置20は、複数の荷捌き駐車エリア12の使用状況に基づいて、誘導対象となるトラック1の誘導情報を送信する。車輌搭載機40は、この誘導情報を受信する。トラック1は、この誘導情報に基づいて、指定された荷捌き駐車エリア12に誘導される。例えば、図2に示されるような状態であれば、荷捌き駐車エリア12に駐車していないトラック1を、上から2番目の空いている荷捌き駐車エリア12に誘導することができる。
【0036】
管理装置20の内部構成についてさらに詳細に説明する。管理装置20は、無線通信部21と、モニタ22と、操作部23と、記憶部24と、コントローラ25と、を備えている。
【0037】
無線通信部21は、無線LAN30を介して車輌搭載機40と無線通信を行う無線通信インターフェイスである。無線通信部21の通信可能エリアは、配送センタ200全体をカバーする。無線通信部21は、配送センタ200内をカバーする電波強度で、ビーコン信号や他のデータ信号を送出している。
【0038】
モニタ22は、配送センタ200の状況を、オペレータが監視するために設けられている。操作部23は、例えばキーボードやマウス等を有しており、オペレータの操作入力を受けつけ、その操作入力情報を出力する。
【0039】
記憶部24は、配送センタ200に出入りするトラック1に関する情報や、集荷倉庫10における荷物の在庫保管、仕分け、配送、流通加工に関する情報が対応付けられて格納されたデータベースである。この記憶部24を参照すれば、トラック1に関する情報、例えば、そのトラック1のナンバーやID又はトラック1が積んでいる積荷などの情報に基づいて、そのトラック1が駐車すべき荷捌き駐車エリア12を特定することができるようになっている。
【0040】
記憶部24には、さらに、各荷捌き駐車エリア12の使用状況、すなわち、使用中か空いているかを示す使用状況テーブルや、荷捌き駐車エリア12の空きを待つトラック1のIDが登録された待ち行列なども格納されている。
【0041】
図3には、このような記憶部24に格納される使用状況テーブル26や、待ち行列27の一例が示されている。図3に示されるように、使用状況テーブル26には、エリア番号1、2、3、4、5、6、…の荷捌き駐車エリア12が使用中であるか否かを示す情報が登録されている。例えば、その荷捌き駐車エリア12が空いていれば、0が登録され、使用予約中であれば1が登録され、使用中であれば2が登録される。図3の使用状況テーブル26では、エリア番号3、4、5の荷捌き駐車エリア12が、使用中(2)であり、エリア番号1の荷捌き駐車エリア12は、使用予約中(1)であり、エリア番号2、6の荷捌き駐車エリア12は、空いている(0)状態である。
【0042】
待ち行列27は、荷捌き駐車エリア12毎に設けられている。図3では、エリア番号3の荷捌き駐車エリア12に対応する待ち行列27には、ID9、ID2のトラック1が、この順で登録されており、エリア番号4の荷捌き駐車エリア12に対応する待ち行列27には、ID8のトラック1が、登録されている。
【0043】
すなわち、本実施形態では、使用状況テーブル26を参照すれば、各荷捌き駐車エリア12が現在使用中であるのか否かがわかるようになっており、待ち行列27を参照すれば、対応する荷捌き駐車エリア12への駐車を待つトラック1を特定することができるようになっている。
【0044】
コントローラ25は、CPU、ROM、RAMなどの主記憶装置(いずれも不図示)などから構成されている。CPUが、主記憶装置に読み込まれたプログラムを実行することにより、コントローラ25の機能が実現される。コントローラ25は、無線通信部21、モニタ22、操作部23、記憶部24を統括制御する制御部である。
【0045】
コントローラ25は、上述したような、記憶部24に格納された使用状況テーブル26及び待ち行列27を参照し、又はそれらの内容を更新することにより、複数の荷捌き駐車エリア12の使用状況を管理し、その使用状況に基づいて、トラック1を誘導する。
【0046】
図4には、トラック1に搭載される車輌搭載機40の構成が示されている。図4に示されるように、車輌搭載機40は、撮像装置としてのカメラ41と、電源部42と、インターフェイス部43と、通信制御部45とを備えている。
【0047】
カメラ41は、トラック1の後方に取り付けられている。カメラ41は、トラック1の後方が、その撮像視野に収まるように取り付けられている。このカメラ41により、トラック1の後方の壁や路面を撮像できるようになっている。このカメラ41としては、バック時に運転手がトラック1の後方を確認するために設けられているバックモニタカメラをそのまま用いることができる。
【0048】
カメラ41と、電源部42と、インターフェイス部43と、通信制御部45との間は、配線44を介して電気的に接続されている。カメラ41で撮像された撮像信号は、配線44を介して、インターフェイス部43と、通信制御部45とに出力される。
【0049】
電源部42は、トラック1の運転席と荷台との間に取り付けられている。電源部42は、配線44を介して、カメラ41、インターフェイス部43、通信制御部45に電力を供給している。
【0050】
インターフェイス部43は、モニタ51と、制御パネル52とを備えている。これらは、トラック1の運転席の前面などに設置されている。
【0051】
モニタ51は、その画面を運転手が見ることができるように取り付けられている。モニタ51には、カメラ41から送られた撮像信号に基づく映像や、管理装置20から送られた情報などが映し出される。制御パネル52には、運転手によって操作される各種操作ボタンが設けられている。
【0052】
通信制御部45は、画像認識部61と、OSD(オンスクリーンディスプレイ)部62と、記憶部63と、無線通信部64と、コントローラ65と、を備えている。
【0053】
画像認識部61は、カメラ41から送られた映像信号に基づく画像に対して画像処理を行い、その画像に含まれる積み下ろし位置を識別するエリア番号の像を抽出する。例えば、荷捌き駐車エリア12の路面に、そのエリアをそれぞれ識別するための固有のエリア番号、例えば、図5(A)に示されるエリア番号”40”が形成されているものとする。荷捌き駐車エリア12にトラック1がバックで駐車しようとする場合には、図5(B)に示されるように、カメラ41の撮像視野71内に、荷捌き駐車エリア12のエリア番号”40”が収まるようになる。このとき、画像認識部61は、得られた画像から、エリア番号の像を抽出し、荷捌き駐車エリア12のエリア番号を認識する。
【0054】
OSD部62は、カメラ41から送られた映像信号を入力し、その映像信号に、オンスクリーンメニューを表示するための映像信号を重ね合わせて、モニタ51に出力する。トラック1の運転手は、例えば、そのモニタ51に表示されたオンスクリーンメニューを見て、駐車すべき荷捌き駐車エリア12の位置、方向又はエリア番号などを知ることができるようになっている。
【0055】
記憶部63には、予め、トラック1のナンバーなどのトラック1の識別情報、トラック1に積載された荷物などのトラック1に関する情報が格納されている。記憶部63に格納された情報は、管理装置20に送られる。
【0056】
無線通信部64は、無線LAN30を介して、管理装置20と通信する。
【0057】
コントローラ65は、CPU、ROM、RAMなどの主記憶装置(いずれも不図示)などから構成されている。CPUが、主記憶装置に読み込まれたプログラムを実行することにより、コントローラ65の機能が実現される。コントローラ65は、画像認識部61と、OSD部62と、記憶部63と、無線通信部64と、を統括制御する。
【0058】
次に、本実施形態に係る管理システム100の動作について説明する。図6には、本実施形態に係る管理システム100の動作の流れを示すシーケンスフローが示されている。
【0059】
図6に示されるように、車輌搭載機40のコントローラ65は、その無線通信部64を介して、管理装置20の無線通信部21から発信されるビーコン信号の電波捕捉待ちとなっている(ステップS11)。トラック1が入場ゲート13を通過して配送センタ200に入場すると、管理装置20の無線通信部21からのビーコン信号の電波が補足されるようになる。すると、車輌搭載機40のコントローラ65は、無線LAN30を介して、管理装置20との間の無線通信チャネルを確立する。以降、管理装置20と車輌搭載機40との送受信は、それぞれの無線通信部21、64と、無線LAN30とを介して行われる。
【0060】
無線通信チャネルの確立後、コントローラ65は、記憶部63に格納されたトラック1のナンバーやIDなどの識別情報と、そのトラック1の積載物などの情報を含む誘導要求を、管理装置20に送信する(ステップS13)。以下では、トラック1の識別情報と、そのトラック1の積載物の情報とを、トラック1の固有情報とも呼ぶ。
【0061】
一方、管理装置20のコントローラ25は、トラック1からの固有情報の受信待ちとなっている(ステップS12)。コントローラ25は、トラック1の固有情報を受信すると、記憶部24を参照し、その固有情報に基づいて、そのトラック1が駐車して荷物の積み下ろしをすべき荷捌き駐車エリア12を決定する(ステップS14)。
【0062】
例えば、トラック1に積載された荷物が、荷物Aであり、その荷物Aが、ある特定の荷捌き駐車エリア12でしか積み下ろしされていない場合には、その特定の荷捌き駐車エリア12が、トラック1が駐車すべきエリアとして決定される。すなわち、本実施形態によれば、ステップS14において、コントローラ25が、決定部として機能する。
【0063】
続いて、コントローラ25は、記憶部24の使用状況テーブル26を参照し、決定された荷捌き駐車エリア12が使用中であるか否かをチェックする。ここで、その荷捌き駐車エリア12が空いていれば、すなわち記憶部24の使用状況テーブル26において、決定された荷捌き駐車エリア12の使用状況が0であれば、コントローラ25は、記憶部24の使用状況テーブルにおけるその荷捌き駐車エリア12の使用状況を、空き(0)から使用予約中(1)に切り替えることにより、使用状況を更新する(ステップS16)。
【0064】
また、コントローラ25は、誘導要求を送信した車輌搭載機40に対し、上記ステップS14において決定された荷捌き駐車エリア12への誘導情報を生成する(ステップS18)。この誘導情報には、決定された荷捌き駐車エリア12のエリア番号が含まれる。
【0065】
一方、記憶部24の使用状況テーブル26における決定された荷捌き駐車エリア12の使用状況が使用予約中(1)又は使用中(2)であれば、その荷捌き駐車エリア12は、他のトラック1に使用されているので、コントローラ25は、誘導要求を送信した車輌搭載機40が搭載されたトラック1のIDを、その荷捌き駐車エリア12の待ち行列27に登録する(ステップS16)。また、コントローラ25は、誘導要求を送信した車輌搭載機40に対し、順番待ちエリア14への誘導情報を生成する(ステップS18)。
【0066】
ステップS18の実行後、管理装置20のコントローラ25は、トラック1を誘導するための誘導情報を、誘導要求を送信した車輌搭載機40に送信する(ステップS20)。上述のように、荷捌き駐車エリア12が空いていた場合には、この誘導情報には、その荷捌き駐車エリア12のエリア番号や位置情報などが含まれている。一方、荷捌き駐車エリア12が空いておらず、順番待ちとなった場合には、順番待ちエリア14で待機する旨の指示を含む情報が含まれている。
【0067】
車輌搭載機40のコントローラ65は、誘導情報の受信待ちとなっている(ステップS21)。誘導情報を受信すると、コントローラ65は、受信された誘導情報が、順番待ちエリア14への誘導情報であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0068】
ここでは、順番待ちでなかったものとする。順番待ちでなければ(ステップS23でNo)、車輌搭載機40のコントローラ65は、OSD部62を制御して、誘導情報に含まれる荷捌き駐車エリア12の位置や方向、エリア番号などをモニタ51に表示させる(ステップS25)。運転手は、表示された荷捌き駐車エリア12に向けてトラック1を移動させる。
【0069】
ここで、車輌搭載機40のコントローラ65は、画像認識部61でのマーク認識待ちとなっている(ステップS27)。荷捌き駐車エリア12にトラック1がバックで進入する状態になると、例えば、図5(B)に示されるように、カメラ41の撮像視野内に、荷捌き駐車エリア12のエリア番号が捉えられるようになる。画像認識部61で、エリア番号が認識されると、次に進む。
【0070】
車輌搭載機40のコントローラ65は、認識されたエリア番号と、誘導情報に含まれる荷捌き駐車エリア12のエリア番号とが一致するか否かを判定する(ステップS29)。ここで、認識されたエリア番号と、誘導情報に含まれる荷捌き駐車エリア12のエリア番号とが一致しなかった場合には、コントローラ65は、その旨を、OSD部62を介してモニタ51に表示させ、運転手に、正しい荷捌き駐車エリア12にトラック1を移動させるように注意を促すこともできる。
【0071】
認識されたエリア番号と、誘導情報に含まれる荷捌き駐車エリア12のエリア番号とが一致した場合には、コントローラ65は、認識されたエリア番号とトラック1のIDとを含む作業開始通知を、管理装置20に送信する(ステップS31)。その後、トラック1を荷捌き駐車エリア12に駐車させた状態で、トラック1に対する荷物の積み下ろしが行われる。
【0072】
一方、管理装置20のコントローラ25は、作業開始通知の受信待ちとなっている(ステップS32)。作業開始通知を受信すると、コントローラ25は、到着確認処理を行う(ステップS34)。
【0073】
この到着確認処理では、作業開始通知に含まれるエリア番号と、誘導情報に含まれる荷捌き駐車エリア12のエリア番号とのマッチングにより、トラック1が、指定した荷捌き駐車エリアに到着したことが確認される。この確認後、コントローラ25は、両エリア番号が合致した場合に、記憶部24の使用状況テーブル26における荷捌き駐車エリア12の使用状況を、使用予約中(1)から使用中(2)に切り替える。すなわち、ここで、荷捌き駐車エリア12の使用状況が、使用中として確定される。
【0074】
到着確認処理を行った後、管理装置20のコントローラ25は、図7に示されるように、作業終了通知の受信待ちとなる(ステップS36)。
【0075】
一方、図7に示されるように、車輌搭載機40のコントローラ65は、作業終了待ちとなっている(ステップS37)。運転手が、制御パネル52を操作して、作業終了を入力すると、車輌搭載機40のコントローラ65は、管理装置20に対して、トラック1のID番号と、荷捌き駐車エリア12のエリア番号とを含む作業終了通知を送信する(ステップS39)。作業終了通知を受信すると、管理装置20のコントローラ25は、使用状況の更新処理を行う(ステップS40)。
【0076】
この使用状況の更新処理において、コントローラ25は、記憶部24のその荷捌き駐車エリア12の待ち行列27にトラック1が登録されていない場合には、その荷捌き駐車エリア12の使用状況を、使用中(2)から空き(0)に切り替え、待ち行列27にトラック1が登録されている場合には、その荷捌き駐車エリア12の使用状況を、使用中(2)から使用予約中(1)に切り替える。
【0077】
さらに、記憶部24のその荷捌き駐車エリア12の待ち行列27にトラック1のIDが登録されている場合(ステップS42でYes)、コントローラ25は、そのトラック1のID番号を、待ち行列27から削除することにより、待ち行列27を更新する(ステップS44)。続いて、コントローラ25は、その待ち行列27に登録されたトラック1の中で、最も優先順位の高いトラック1に搭載された車輌搭載機40に対する、その荷捌き駐車エリア12のエリア番号等を含む誘導情報を生成する(ステップS46)。次に、コントローラ25は、生成した誘導情報を、最も優先順位の高いトラック1に搭載された車輌搭載機40に対して送信する(ステップS48)。ステップS48終了後、及び記憶部24のその荷捌き駐車エリア12の待ち行列27にトラック1のIDが登録されていない場合には(ステップS42でNo)、コントローラ25は、処理を終了する。
【0078】
なお、この優先順位は、先に登録された方が高くなるように設定されるのが通常である。しかしながら、運送する荷物の緊急度、重要度に応じて優先順位を決定するようにしてもよい。
【0079】
一方、図6に戻り、ステップS23において、順番待ちであると判定された場合(ステップS23でYes)、車輌搭載機40のコントローラ65は、OSD部62を制御して、誘導情報に含まれる順番待ちエリア14の位置や方向などをモニタ51に表示させ、順番待ちエリア14で待機するよう表示する(ステップS49)。運転手は、表示された荷捌き駐車エリア12に向けてトラック1を移動させる。この後、そのトラック1の車輌搭載機40は、誘導情報の受信待ちとなっている(ステップS51)。
【0080】
この状態で、荷捌き駐車エリア12のエリア番号を含む誘導情報を受信すると(ステップS48)、車輌搭載機40のコントローラ65は、OSD部62を制御して、誘導情報に含まれる荷捌き駐車エリア12の位置、方向及びエリア番号をモニタ51に表示させる(ステップS25)。運転手は、表示された誘導情報に従って、トラック1を、荷捌き駐車エリア12に移動させる。その後の処理(図6のステップS27以降の処理)は、上述した通りである。
【0081】
本実施形態に係る管理システム100では、図6、図7に示される処理が、管理装置20と、複数のトラック1各々に搭載された車輌搭載機40との間で、独立して行われる。すなわち、あるトラック1については、ステップS14で決定された荷捌き駐車エリア12が空いていたので、ステップS23での判定が否定され、その荷捌き駐車エリア12に直接誘導することができる。しかし、それより遅れて、ステップS14で決定された荷捌き駐車エリア12が重複したトラック1については、先行するトラック1の作業が終了するまで、そのトラック1は、順番待ちエリア14に待機する。
【0082】
このように、先行するトラック1の作業が終了しない限り、ステップS14で決定された荷捌き駐車エリア12が重複したトラック1については、待ち行列27に追加登録され、順番待ちエリア14で待機するようになる。先行するトラック1の作業が終了すると、順番待ちエリア14で待機するトラック1のうち、最も優先順位の高いトラック1に誘導情報が送信され、そのトラック1が、荷捌き駐車エリア12に誘導される。
【0083】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、管理装置20のコントローラ25が、使用状況管理部と、誘導情報生成部と、決定部と、照合部とに対応する。より具体的には、ステップS16、S34、S40、S44が使用状況管理部に対応し、ステップS18、S46が誘導情報生成部に対応する。また、ステップS14が決定部に対応し、ステップS34が照合部に対応する。
【0084】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、トラック1の車輌搭載機40によって検出された荷捌き駐車エリア12の指標に基づいて、複数の荷捌き駐車エリア12の使用状況を管理する。そして、その使用状況に基づいて、トラック1の誘導情報を生成する。これにより、誘導員を配置することなく、かつ、大規模な誘導施設を設けることなく、トラック1を、荷捌き駐車エリア12の使用状況に応じて誘導することができるので、配送センタ200における荷捌きが、効率的なものとなる。
【0085】
また、本実施形態によれば、管理装置20のコントローラ25は、車輌搭載機40から送信されたトラック1の識別情報に基づいて、そのトラック1が駐車する荷捌き駐車エリア12を決定する。これにより、トラック1を、積み下ろしをすべき荷捌き駐車エリア12に誘導することができる。
【0086】
また、本実施形態によれば、荷捌き駐車エリア12が空いている場合には、その荷捌き駐車エリア12への誘導情報を生成し、荷捌き駐車エリア12が空いていない場合には、順番待ちエリア14への誘導情報を生成する。このようにすれば、複数台のトラック1が、同一の駐車エリアに重複して誘導されるのを防止することができるので、荷物の積み下ろしの効率的なスケジューリングが可能となる。
【0087】
また、本実施形態によれば、管理装置20のコントローラ25は、車輌搭載機40から送信された作業開始通知に含まれるエリア番号と、誘導情報に含まれていたエリア番号とを照合する。これにより、トラック1が、誘導情報によって示される荷捌き駐車エリア12に指示通り移動したか否かを確認することができるので、荷捌き駐車エリア12の使用状況を、確実に把握することができる。なお、両エリア番号が一致しなかった場合には、トラック1が、正しい荷捌き駐車エリア12に移動できるように、誘導情報を再度送信するようにしてもよい。
【0088】
また、本実施形態によれば、ある荷捌き駐車エリア12に駐車している車輌搭載機40から作業終了通知を受信すると、管理装置20のコントローラ25は、順番待ちエリア14に待機するトラック1に対し、その荷捌き駐車エリア12への誘導情報を送信する。このようにすれば、トラック1の待機時間を最小限に留めることができるので、効率的な荷捌きが可能となる。
【0089】
また、本実施形態によれば、管理装置20は、順番待ちエリア14に待機するトラック1の待ち行列27を格納する記憶部24をさらに有している。そして、コントローラ25は、荷捌き駐車エリア12が空いていない場合には、トラック1を、記憶部24に格納された待ち行列27に登録する。そして、コントローラ25は、車輌搭載機40から作業終了通知を受信すると、記憶部24の待ち行列27に登録されたトラック1の中で、最も優先順位の高いトラック1に搭載された車輌搭載機40に、空いた荷捌き駐車エリア12への誘導情報を送信するとともに、そのトラック1を待ち行列27から消去する。このようにすれば、2台以上のトラック1が、同一の荷捌き駐車エリア12への待機状態となった場合でも、その待ち行列27に従って、トラック1を1台ずつ、案内することができるので、積み下ろしの効率的なスケジューリングが可能となる。
【0090】
また、本実施形態によれば、待ち行列27は、荷捌き駐車エリア12ごとに設けられている。これにより、荷捌き駐車エリア12ごとの管理が可能となる。なお、複数の荷捌き駐車エリア12を、同じ種類の荷物を積み下ろしする近傍のエリアにグループ分けし、グループ毎に待ち行列27を設けるようにしてもよい。このようにすれば、各荷捌き駐車エリア12の柔軟な運用が可能となるので、積み下ろしする荷物の種別に応じた、効率的な荷捌きが可能となる。
【0091】
なお、本実施形態によれば、記憶部24には、荷捌き駐車エリア12の現在の使用状況を示す使用状況テーブル26と、荷捌き駐車エリア12ごとの待ち行列27とを別々に管理したが、これらは統合されていてもよい。この場合、同一の荷捌き駐車エリア12で荷物の積み下ろしを行うトラック1のIDの行列を設け、その先頭に、現在作業中のトラックのIDが登録されるようにすればよい。
【0092】
また、本実施形態によれば、車輌搭載機40は、管理装置20から送信された誘導情報を、トラック1の運転手に表示するためのモニタ51が設けられている。このようにすれば、運転手がモニタ51に表示された誘導情報に従って、トラック1を、荷捌き駐車エリア12等に速やかに移動させることができるようになる。この結果、管理装置20によるトラック1の移動管理が容易となる。
【0093】
なお、トラック1の運転手に誘導情報を報知する報知部としては、モニタ51のような表示装置には限られない。例えば、荷捌き駐車エリア12のエリア番号などを、音声情報によって運転手に知らせる音声出力装置などを用いるようにしてもよい。
【0094】
また、本実施形態によれば、車輌搭載機40は、トラック1の後方を撮像するカメラ41で撮像された画像に基づいて、荷捌き駐車エリア12のエリア番号を検出した。トラック1には、このような後方を撮像するカメラ(バックモニタのカメラ)が設けられていることが多いため、そのようなカメラを利用し、荷捌き駐車エリア12のエリア番号を、効率的に検出することができる。このようにすれば、システムを構築する場合のコストを低減することができる。
【0095】
また、荷捌き駐車エリア12の識別情報は、バックモニタカメラにより、検出される必要はなく、トラック1の前方や側方を撮像するカメラにより、検出されるようにしてもよい。すなわち、荷捌き駐車エリア12の識別情報を撮像するカメラは、トラック1の周囲を撮像可能なカメラであればよい。
【0096】
また、上記実施形態では、荷捌き駐車エリア12の路面に、そのエリアの指標として、エリア番号が表示されているものとしたが、本発明はこれには限られない。例えば、このようなエリア番号は、バック駐車の体勢となったトラック1におけるカメラ41の撮像視野内に収まる位置に表示されていればよく、例えば、集荷倉庫10の壁面や、倉庫屋根11からつり下げられている看板に表示されていてもよい。また、荷捌き駐車エリア12が車庫となっている場合には、エリア番号を、その車庫の車室面などに表示するようにしてもよい。
【0097】
また、このような荷捌き駐車エリア12の指標は、エリア番号には、限られず、例えば、バーコード、QRコードであってもよい。要は、荷捌き駐車エリア12ごとに固有の指標であって、車輌搭載機40によって検出可能な指標であればよい。
【0098】
また、トラック1に搭載され、荷捌き駐車エリア12の識別情報を検出することができる検出部は、カメラには限られず、荷捌き駐車エリア12の識別するための固有の指標が検出できるようなセンサであれば、利用することが可能である。このようなセンサの種類は、荷捌き駐車エリア12の指標の種別に依存する。例えば、荷捌き駐車エリア12の指標が磁気などである場合には、磁気センサをトラック1に取り付け、その磁気センサの検出結果に基づいて荷捌き駐車エリア12の指標を検出するようにすればよい。
【0099】
なお、上記実施形態では、トラック1に搭載された車輌搭載機40が、配送センタ200に入場したことを自動検出した。しかしながら、トラック1が入場ゲート13を通過する際に、運転者が制御パネル52を操作することにより、車輌搭載機40から管理装置20に対して、トラック1が入場したことを通知するようにしてもよい。
【0100】
また、本実施形態によれば、車輌搭載機40のコントローラ65は、誘導情報を受信した後に、荷捌き駐車エリア12のエリア番号を認識すると、そのエリア番号を含む作業開始通知を、管理装置20に送信する。このように、作業開始通知が自動的に管理装置20に送信されるので、運転手の作業負担を軽減することができる。なお、トラック1がバックしている時、すなわちバックギアに入っている時に、荷捌き駐車エリア12のエリア番号を認識したことを、作業開始のトリガとして検出するようにしてもよい。
【0101】
このように、上記実施形態では、トラック1の荷物の積み下ろし作業の作業開始を、自動検出して、作業開始通知を管理装置20に送信した。しかしながら、これを、運転手の操作入力により行うようにしてもよい。
【0102】
逆に、本実施形態では、運転手の操作入力により、トラック1の荷物の積み下ろし作業の作業終了通知を、管理装置20に送信したが、荷物の積み下ろし作業の作業終了通知を自動検出するようにしてもよい。この場合、トラック1のモニタ51の視野内に捉えられていた荷捌き駐車エリア12のエリア番号が捉えられなくなったことをトリガとして、作業終了を検出することができる。
【0103】
また、上記実施形態では、管理装置20、車輌搭載機40は、ソフトウエアプログラムとハードウエアとの協調動作で実現するようにしても、ハードウエアのみで実現するようにしてもよい。ソフトウエアプログラムとハードウエアとの協調動作の場合には、管理装置20、車輌搭載機40のCPUが、これらの装置内のROM等の記憶装置に格納されたソフトウエアプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0104】
この場合、管理装置20、車輌搭載機40としては、汎用のコンピュータを用いることが可能である。この場合、コンピュータの記憶装置に格納されるソフトウエアプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical disc)、フレキシブルディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布され、管理装置20、車輌搭載機40にインストールされるようになっていてもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置に格納された当該プログラムが、当該コンピュータにダウンロードして、管理装置20、車輌搭載機40にインストールされるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】配送センタのレイアウト図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る管理システムの概略的な構成を示す図である。
【図3】使用状況テーブル及び待ち行列の一例を示す図である。
【図4】車輌搭載機の概略的な構成を示す図である。
【図5】図5(A)は、荷捌き駐車エリアの一例を示す図であり、図5(B)は、荷捌き駐車エリア付近を撮像したカメラの撮像結果の一例を示す図である。
【図6】図2の管理システムのシーケンスフロー(その1)である。
【図7】図2の管理システムのシーケンスフロー(その2)である。
【符号の説明】
【0106】
1 トラック
10 集荷倉庫
11 倉庫屋根
12 荷捌き駐車エリア
13 入場ゲート
14 順番待ちエリア
20 管理装置
21 無線通信部
22 モニタ
23 操作部
24 記憶部
25 コントローラ
26 使用状況テーブル
27 待ち行列
30 無線LAN
40 車輌搭載機
41 カメラ
42 電源部
43 インターフェイス部
44 配線
45 通信制御部
51 モニタ
52 制御パネル
61 画像認識部
62 OSD部
63 記憶部
64 無線通信部
65 コントローラ
71 撮像視野
100 管理システム
200 配送センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理システムであって、
前記積み下ろし位置には、それぞれ固有の指標が表示され、
複数の前記積み下ろし位置を管理する管理装置と、
前記運搬車輌に搭載され、その運搬車輌が前記積み下ろし位置のいずれかを使用する際に、その積み下ろし位置の指標を検出して前記管理装置に送信する車輌搭載機と、
を備え、
前記管理装置は、
受信された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する使用状況管理部と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する誘導情報生成部と、を備え、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する管理システム。
【請求項2】
前記車輌搭載機は、
その車輌搭載機が搭載された運搬車輌が前記物流拠点に入場する際に、その運搬車輌に関する情報を含む誘導要求を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記車輌搭載機から送信された前記運搬車輌に関する情報に基づいて、前記複数の積み下ろし位置の中から、その運搬車輌が駐車する積み下ろし位置を決定する決定部をさらに備え、
前記使用状況管理部は、
前記決定部により決定された積み下ろし位置が空いている場合、その積み下ろし位置の使用状況を使用中に切り替え、
前記誘導情報生成部は、
誘導要求を送信した車輌搭載機に対し、前記決定部により決定された積み下ろし位置の指標を含むその積み下ろし位置への誘導情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記決定部により決定された積み下ろし位置への誘導情報を送信した後に、その車輌搭載機から、積み下ろし位置の指標を受信すると、受信された指標と、前記誘導情報に含まれる指標とを照合する照合部をさらに備え、
前記使用状況管理部は、
前記照合部において、両指標が合致した場合に、その積み下ろし位置の使用状況を使用中として確定することを特徴とする請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
同じ前記積み下ろし位置に駐車する運搬車輌の待ち行列を記憶する記憶部をさらに備え、
前記使用状況管理部は、
前記決定部により決定された積み下ろし位置が使用中である場合には、前記誘導要求を送信した車輌搭載機に対応する運搬車輌を、前記待ち行列に登録し、
前記誘導情報生成部は、
誘導要求を送信した車輌搭載機に対し、待機位置への誘導情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記車輌搭載機は、
前記積み下ろし位置における作業の終了の際に、作業終了通知を、前記管理装置に送信し、
前記管理装置が、前記作業終了通知を受信すると、
前記使用状況管理部は、
前記待ち行列に運搬車輌が登録されていない場合には、その積み下ろし位置の使用状況を空きに切り替え、
前記誘導情報生成部は、
前記待ち行列に運搬車輌が登録されている場合には、前記待ち行列に登録された運搬車輌の中で、最も優先順位の高い運搬車輌に搭載された車輌搭載機に対し、その積み下ろし位置への誘導情報を送信するとともに、その運搬車輌を前記待ち行列から削除することを特徴とする請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記車輌搭載機は、
前記運搬車輌の後方を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置の撮像データに基づいて、前記積み下ろし位置に表示されたその積み下ろし位置に固有のマーク像を、前記指標として認識する画像認識部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記車輌搭載機は、
前記管理装置から送信された誘導情報を、その車輌搭載機が搭載された運搬車輌の運転手に報知する報知部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理方法であって、
前記運搬車輌に搭載された車輌搭載機を用いて、その運搬車輌が前記積み下ろし位置のいずれかを使用する際に、その積み下ろし位置に表示された固有の指標を検出する第1の工程と、
検出された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する第2の工程と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する第3の工程と、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する第4の工程と、を含む管理方法。
【請求項9】
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記運搬車輌に搭載された車輌搭載機によって検出された積み下ろし位置に固有の指標を受信する手順と、
受信された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する手順と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する手順と、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記運搬車輌の周囲の情報を検出する手順と、
検出された前記運搬車輌の周囲の情報に基づいて、その運搬車輌が駐車する積み下ろし位置に固有の指標を認識する手順と、
認識された指標を、物流拠点内を移動する運搬車輌の積み下ろし位置を管理する管理装置に送信する手順と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌を管理する管理装置であって、
前記運搬車輌に搭載された車輌搭載機によって検出された積み下ろし位置に固有の指標を受信する受信部と、
受信された指標に基づいて、複数の前記積み下ろし位置の使用状況を管理する使用状況管理部と、
複数の前記積み下ろし位置の使用状況に基づいて、誘導対象の運搬車輌に対する誘導情報を生成する誘導情報生成部と、
生成された誘導情報を、誘導対象の運搬車輌に搭載された車輌搭載機に送信する送信部と、
を備える管理装置。
【請求項12】
荷物の積み下ろし位置が複数設けられた物流拠点内の運搬車輌に搭載された車輌搭載機であって、
前記運搬車輌の周囲の情報を検出する検出部と、
検出された前記運搬車輌の周囲の情報に基づいて、その運搬車輌が駐車する積み下ろし位置に固有の指標を認識する認識部と、
認識された指標を、物流拠点内を移動する運搬車輌の積み下ろし位置を管理する管理装置に送信する送信部と、
を備える車輌搭載機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−152728(P2010−152728A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331210(P2008−331210)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)
【Fターム(参考)】