説明

管理情報読取装置及び棚卸管理システム

【課題】管理情報読取装置により複数の物品に付された管理情報を一括して読み取り、その管理情報をネットワークを介してサーバに送信することにより、複数の管理情報読取装置により読み取られた物品の棚卸し管理を容易に且つ確実に行なう棚卸管理システムを提供する。
【解決手段】このファイル読取装置32は、書類31を収納したホルダ30をセットする物品セット部33と、管理情報をリード、又はライトするための電波を授受するアンテナ9と、IDコードをリードするための電波を受信するアンテナ34と、RFタグ200bとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダライタ100と、操作部44と、ネットワーク41介して図示しない外部サーバと通信を行なう図示しない通信手段43と、リーダライタ100、通信手段43及び操作部44を制御する図示しない制御部40と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理情報読取装置及び棚卸管理システムに関し、さらに詳しくは、管理情報読取装置により読み取られたホルダIDと物品の管理情報に基づいて、棚卸し管理を行なう棚卸管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から会社、店舗等では、夫々が保有、管理する資産、資材、商品、製品等が帳簿上の数量と一致するか否かを確認するために定期的に棚卸が行われる。この棚卸の主たる目的の一つは、資産、商品、製品等が不正持ち出し、盗難等に遭遇して紛失しているか否かをチェックすることにある。また、例えば、会社等では上記の如き資産類に限らず、重要書類等が所定のホルダに保管されているか否かをチェックするためにも定期的な棚卸が重要である。そして、これらのファイルを自動的に管理するために、近年では各ファイルにRFタグを付し、そのRFタグにファイルの管理情報を記録してファイル管理を自動化する動きが活発化している。特に、最近では、トンネルリーダライタ内にRFタグが積層した状態(2mm間隔)において100枚重ね一括同時読み取り・書込みが約1秒で可能なタイプのRFタグが出現している。そこで、積層状態、混載状態にあるRFタグを一括同時読み取り・書込みを行なうために、「ISO18000−3 モード2」の規格に合致したリーダライタが必要となる。
【0003】
しかしながら、これらのファイル管理を確実に実施しようとすると、システムの開発までに多大の時間とコストを要することになる。また、このようなシステムを構築する場合、ファイルを1箇所に集約して管理するのが一般的であり、ファイルの利用者にとっては必ずしも利便性が良いとは限らなかった。即ち、利用者にとっては、日常的に使用するファイルは手元にある方が利便性は高まる。
また、棚卸を管理する従来技術として特許文献1には、物品を収納し、且つRFIDタグに記録されている管理情報を読み書きするための電波を授受するアンテナを有する収納棚と、RFIDタグに対して管理情報の読み書きを行うリーダライタと、このリーダライタを制御する制御PC(制御手段)と、収納棚に収納されているホルダ群の中から希望するホルダを予約する利用者PC(情報処理装置)と、制御PCと利用者PCを接続するネットワークとを備えて構成される物品管理システムについて開示されている。
【特許文献1】特開2005−314012公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている従来技術は、決められた場所に配置された収納棚に収納された物品を管理するものであり、利用者にとっては必ずしも利便性が良いとは限らなかった。
本発明は、かかる課題に鑑み、管理情報読取装置により複数の物品に付された管理情報を一括して読み取り、その管理情報をネットワークを介してサーバに送信することにより、複数の管理情報読取装置により読み取られた物品の棚卸し管理を容易に且つ確実に行なう棚卸管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、管理情報を記録した非接触情報記録媒体を付した物品をセットする物品セット部と、前記非接触情報記録媒体に対して前記管理情報をリード、又はライトするための電波を授受するアンテナと、前記非接触情報記録媒体との間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダ又はリーダライタと、操作部と、ネットワークを介して外部サーバと通信を行なう通信手段と、前記リーダ又はリーダライタ及び前記通信手段を制御する制御部と、を備え、前記物品を前記物品セット部にセットした後、前記操作部を操作することにより読み取りを開始すると、前記制御部は、前記管理情報を前記アンテナを介して前記リーダ又はリーダライタにより読み取り、該管理情報を記憶することを特徴とする。
本発明は、PC等の情報処理装置を必要とせずに、非接触情報記録媒体の記録情報をリーダ又はリーダライタにより読み取って記憶することができる。また、記憶した情報を通信手段により外部のサーバに送信することができる。これにより、読み取った情報をサーバに記憶することができ、物品の棚卸し等を容易に行うことができる。
【0006】
請求項2は、前記アンテナは、前記物品を前記物品セット部にセットした際に、少なくとも前記物品に付された非接触情報記録媒体との交信が可能な位置に配置されることを特徴とする。
非接触情報記録媒体に記録された情報は、物品を物品セット部にセットした際に確実に読み取られる必要がある。そのためには、アンテナを非接触情報記録媒体との交信が可能な位置に配置する必要がある。
請求項3は、許可された使用者に与えられたIDコードを記録した非接触情報記録媒体から前記IDコードをリードするための電波を受信する他のアンテナを更に備えたことを特徴とする。
本発明の装置を操作する場合、誰が操作したかの履歴を残しておく必要がある。その場合、物品の情報を読み取るアンテナでIDコードを記録した非接触情報記録媒体を読み取りようにしても良いが、操作性を考えた場合、操作がし易い場所に他のアンテナを備えるのがベターである。
【0007】
請求項4は、少なくともホルダを認識するIDを記録した非接触情報記録媒体を付したホルダに前記物品が少なくとも1つ以上収納されている場合、該ホルダを前記物品セット部にセットした後、前記操作部を操作することにより読み取りが開始されると、前記制御部は、前記ホルダID及び前記管理情報を前記アンテナを介して前記リーダ又はリーダライタにより読み取り、前記ホルダIDと前記管理情報とを関連付けて記憶することを特徴とする。
物品が例えば書類や小物である場合、ホルダ等の収容手段に収容した状態で纏めて一括して読み取る方が効率が良い。そこで本発明では、ホルダを認識するIDを記録した非接触情報記録媒体を付したホルダに物品を収納し、ホルダのIDと中身の物品の管理情報を関連付けて記憶しておくものである。
【0008】
請求項5は、少なくとも1つ以上の請求項1乃至4の何れか一項に記載の管理情報読取装置と、サーバと、該サーバと前記管理情報読取装置との通信を仲介するネットワークと、を備え、前記サーバは、前記各管理情報読取装置の前記通信手段により送信される前記管理情報又は前記ホルダID及び前記管理情報を受信することにより、各管理情報読取装置により読み取られた物品の棚卸しを管理することを特徴とする。
本発明は、複数の管理情報読取装置をネットワークに接続して、そこからサーバに送信した管理情報に基づいて物品の棚卸しを行なうシステムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品を物品セット部にセットした後、操作部を操作することにより読み取りを開始すると、制御部は、管理情報をアンテナを介してリーダ又はリーダライタにより読み取り、この管理情報を記憶するので、1つの装置を繰り返し使用することにより、多数の物品の管理情報を記憶して管理することができる。
また、サーバは、各管理情報読取装置の通信手段により送信される管理情報又はホルダID及び管理情報を受信することにより、各管理情報読取装置により読み取られた物品の棚卸しを管理するので、大掛かりなシステムを構築する必要がなく、システムコストを最小限にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、一般的なリーダライタの構成を示すブロック図である。このリーダライタ100は、リーダライタ100との間でデータの授受を行ってシステム全体を制御する制御部40によって制御される。リーダライタ100は、制御部40とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと読み取ったデータを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2により制御された情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICカード(RFタグ)との電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9とを備えて構成されている。
【0011】
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、ICカード(RFタグ)の構成を先に説明しておく。図2は、本発明のICカード(RFタグ)の構成を示すブロック図である。本実施形態のICカード(RFタグ)200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、アンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICカード(RFタグ)200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
【0012】
次に、図1と図2を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICカード(RFタグ)200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を交互に電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。次に、ICカード(RFタグ)200がリーダライタ100に近接すると、アンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、RFタグ内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。
【0013】
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICカード(RFタグ)200が規格に合致したICカード(RFタグ)であると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICカード(RFタグ)200の間でポーリングが行われる。
【0014】
図3は本発明の一実施形態に係るファイル読取装置の外観斜視図である。このファイル読取装置(管理情報読取装置)32は、管理情報を記録したRFタグ200bを付した書類(物品)31を収納したホルダ30をセットする物品セット部33と、RFタグ200bに対して管理情報をリード、又はライトするための電波を授受するアンテナ9と、許可された使用者に与えられたIDコードを記録したICカードに対してIDコードをリードするための電波を受信するアンテナ(他のアンテナ)34と、RFタグ200bとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダライタ(又はリーダ)100と、テンキー36、スタートボタン38、ストップボタン39及び表示部35とブザー37を備えた操作部44と、ネットワーク41介して図示しない外部サーバと通信を行なう図示しない通信手段43(図4参照)と、リーダライタ100、通信手段43及び操作部44を制御する図示しない制御部40(図4参照)と、を備えて構成されている。尚、ホルダ30には、ホルダを認識するIDを記録したRFタグ200aが付されている。また、アンテナ9は物品セット部33の一部として構成され、ホルダ30を物品セット部33にセットした際に、少なくともホルダ30及び書類31に付されたRFタグ200a、200bとの交信が可能な位置に配置される。この実施形態では、物品セット部33の側壁面に備えられている。また、装置前面にネットワーク41と接続するためのインターフェース42を備えている。
【0015】
そしてホルダ30を物品セット部33に矢印の方向からセットした後、操作者がICカードをアンテナ34に近接してIDコードを認証させ、操作部44のスタートボタン38を押すことにより読み取りを開始する。制御部40は、RFタグ200a、200bに記録されている管理情報をアンテナ9を介してリーダライタ100により読み取り、この管理情報を棚卸し情報として制御部40内のメモリに記憶する。尚、メモリは記憶容量を節約するために、所定の容量を超過した場合は、通信手段43によりネットワーク41を介して外部のサーバに記憶するようにしても良い。また、棚卸しの時期になった場合は、テンキー36により棚卸しのコードを入力することにより、物品セット部33にセットされた物品の情報をネットワーク41を介してサーバに送信することができる。
【0016】
図4は本発明の一実施形態に係るファイル読取装置の機能ブロック図である。このファイル読取装置32は、RFタグ200bに対して管理情報をリード、又はライトするための電波を授受するアンテナ9と、許可された使用者に与えられたIDコードを記録したICカード200に対してIDコードをリードするための電波を受信するアンテナ34と、RFタグ200bとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダライタ100と、各コマンドをコードで入力するテンキー36と、読み取りの開始を指示するスタートボタン38と、操作を途中で中断するストップボタン39と、LCD等で構成される表示部35と、異常状態を報知するブザー37と、を有する操作部44と、ネットワーク41介して図示しない外部サーバと通信を行なう通信手段43と、リーダライタ100、通信手段43及び操作部44を制御する制御部40と、を備えて構成されている。尚、アンテナ34はアンテナ9を共通に使用した場合は無くても構わない。
【0017】
図5は本発明の一実施形態に係るファイル読取装置の動作について説明するフローチャートである。この実施形態ではファイル管理とその棚卸しについて説明する。まず管理対象の書類に、その書類の管理情報(例えば、書類名、作成者、作成日等)を記録したRFタグ200bを取り付ける(S1)。この動作を全ての書類について行い、例えば関連ある書類を1つのホルダに収納する。このときホルダにホルダ名が認識できるIDを記録したRFタグ200aを取り付ける(S2)。次に操作する人が所持するICカード200をアンテナ34に近接してその人のIDコードを読み取らせる(S3)。制御部40はそのIDコードを記憶して、これから始まる操作が誰によって行なわれたかを記憶する。次にホルダ30を物品セット部33にセットして(S4)、スタートボタン38を押す(S5)。この信号を受信した制御部40は、リーダライタ100を駆動して各書類のRFタグの情報を読み取りメモリに記憶する(S6)。またホルダ30に付されたRFタグ200aの情報を読み取って記憶する(S7)。このとき制御部40は書類の管理情報とホルダ情報を関連付けてメモリに記憶していく(S8)。1つのホルダ内の情報を全て読み取ると、表示部35にその旨を表示する(S9)。ここで、全ての書類の読み取りが完了したかをチェックし(S10)、他のホルダがある場合は、物品セット部33からホルダを取り出して次のホルダを用意して(S13)ステップS4に戻って繰り返す。一方ステップS10において、全ての書類の読み取りが完了すると(S10でYESのルート)、制御部のメモリには読み取った管理情報がホルダ情報と関連付けて記憶されている。ここで、棚卸しを行なう場合は(S11でYESのルート)、テンキー36によりそのコードを入力することにより、制御部40はメモリに記憶されている情報を通信手段43によりネットワーク41を介してサーバに送信する(S12)。一方、ステップS11で棚卸しを行なわないのであれば(S11でNOのルート)、メモリに記憶した状態で終了する。
【0018】
図6は本発明の一実施形態に係る棚卸管理システムのブロック図である。この棚卸管理システム300は、複数のファイル読取装置(A〜X)32と、サーバ45と、サーバ45とファイル読取装置(A〜X)32との通信を仲介するネットワーク41と、を備えて構成される。そしてサーバ45は、各ファイル読取装置(A〜X)32の通信手段43により送信される管理情報又はホルダID及び管理情報を受信することにより、各ファイル読取装置(A〜X)32により読み取られた物品の棚卸しを管理するものである。例えば、各ファイル読取装置(A〜X)32が各部署に設置され、会社全体のファイルの棚卸しを行なう場合、図5に示した手順に従って各部署単位にホルダに収納された書類の管理情報をネットワーク41を介してサーバ45に送信する。サーバ45では、各部署から送られた情報を棚卸しファイル形式に従って処理して、会社全体のファイルの棚卸し結果を出力する。尚、本実施形態では棚卸しの場合について説明したが、棚卸しに限らず、日常的な書類の管理をリアルタイムに行うこともできる。
【0019】
図7は本発明の一実施形態に係る棚卸管理システムにより処理された棚卸管理表の一例を示す図である。この棚卸し管理表には、部署名60、ホルダ名61、書類名62、棚卸履歴63が表示されるようになっている。例えば、部署名60には、「総務部」、「開発部」といった部署名が表示され、「総務部」で管理しているホルダ名61が「人事関係」、「勤務」が表示され、「開発部」で管理しているホルダ名61が「設計書」、「企画書」、「計画書」が表示される。例として「総務部」の棚卸について説明すると、「人事関係」のホルダに収納されている書類を読み取ることにより、書類名62として、「履歴書」「職歴書」「賞罰」の書類がホルダに収納されているのがわかる。また「勤務」のホルダに収納されている書類を読み取ることにより、書類名62として、「残業記録」「勤務状態」の書類がホルダに収納されているのがわかる。そして棚卸履歴63の欄には、例えば3ヶ月毎に棚卸を実施した記録が、「○:棚卸OK」、「×:棚卸NG」のマークとして表示される。ここで履歴書の書類の棚卸履歴は全て○であるので、紛失等がなく管理されていることがわかる。また職歴書は1〜3月の棚卸では○であるが、4〜6月の棚卸で×となり、この間に紛失したことが分かる。そして次の7〜9月の棚卸で発見されて○となっているのが分かる。このように、本発明の棚卸管理表は各棚卸実施時期の結果が一目瞭然とわかり、棚卸業務を容易に且つ確実に実施することができる。尚、この棚卸管理表は一例であり、他のフォーマットにより表示されても構わない。
【0020】
以上の通り本発明によれば、書類31を物品セット部33にセットした後、操作部44を操作することにより読み取りを開始すると、制御部40は、管理情報をアンテナ9を介してリーダ又はリーダライタ100により読み取り、この管理情報を記憶するので、1つの装置を繰り返し使用することにより、多数の書類の管理情報を記憶して管理することができる。
また、アンテナ9は、書類31を物品セット部33にセットした際に、少なくとも書類31に付されたRFタグ200bとの交信が可能な位置に配置されるので、書類31を物品セット部33にセットした際に確実に管理情報を読み取ることができる。
また、許可された使用者に与えられたIDコードを記録したICカード200に対してIDコードをリードするための電波を受信する他のアンテナ34を更に備えたので、利用者の操作性を高めることができる。
【0021】
また、少なくともホルダ30を認識するIDを記録したRFタグ200aを付したホルダ30に書類31が少なくとも1つ以上収納されている場合、このホルダ30を物品セット部33にセットした後、操作部44を操作することにより読み取りが開始されると、制御部40は、ホルダID及び管理情報をアンテナ9を介してリーダ又はリーダライタ100により読み取り、ホルダIDと管理情報とを関連付けて記憶するので、ホルダ30と中身の書類31との紐付けが行なわれ、どの書類がどのホルダに収納されているかを明確に認識することができる。
また、サーバ45は、各ファイル読取装置32の通信手段43により送信される管理情報又はホルダID及び管理情報を受信することにより、各ファイル読取装置により読み取られた書類の棚卸しを管理するので、大掛かりなシステムを構築する必要がなく、システムコストを最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】一般的なリーダライタの構成を示すブロック図である。
【図2】ICカード(RFタグ)の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るファイル読取装置の外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るファイル読取装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るファイル読取装置の動作について説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る棚卸管理システムのブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る棚卸管理システムにより処理された棚卸管理表の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
30 ホルダ、31 書類、32 ファイル読取装置、33 物品セット部、9、34 アンテナ、35 表示部、36 テンキー、37 ブザー、38 スタートボタン、39 ストップボタン、40 制御部、41 ネットワーク、42 通信インターフェース、43 通信手段、44 操作部、45 サーバ、100 リーダライタ(又はリーダ)、200a、200b RFタグ、200 ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理情報を記録した非接触情報記録媒体を付した物品をセットする物品セット部と、前記非接触情報記録媒体に対して前記管理情報をリード、又はライトするための電波を授受するアンテナと、前記非接触情報記録媒体との間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うリーダ又はリーダライタと、操作部と、ネットワークを介して外部サーバと通信を行なう通信手段と、前記リーダ又はリーダライタ及び前記通信手段を制御する制御部と、を備え、
前記物品を前記物品セット部にセットした後、前記操作部を操作することにより読み取りを開始すると、前記制御部は、前記管理情報を前記アンテナを介して前記リーダ又はリーダライタにより読み取り、該管理情報を記憶することを特徴とする管理情報読取装置。
【請求項2】
前記アンテナは、前記物品を前記物品セット部にセットした際に、少なくとも前記物品に付された非接触情報記録媒体との交信が可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の管理情報読取装置。
【請求項3】
許可された使用者に与えられたIDコードを記録した非接触情報記録媒体から前記IDコードをリードするための電波を受信する他のアンテナを更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の管理情報読取装置。
【請求項4】
少なくともホルダを認識するIDを記録した非接触情報記録媒体を付したホルダに前記物品が少なくとも1つ以上収納されている場合、該ホルダを前記物品セット部にセットした後、前記操作部を操作することにより読み取りが開始されると、前記制御部は、前記ホルダID及び前記管理情報を前記アンテナを介して前記リーダ又はリーダライタにより読み取り、前記ホルダIDと前記管理情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の管理情報読取装置。
【請求項5】
少なくとも1つ以上の請求項1乃至4の何れか一項に記載の管理情報読取装置と、サーバと、該サーバと前記管理情報読取装置との通信を仲介するネットワークと、を備え、
前記サーバは、前記各管理情報読取装置の前記通信手段により送信される前記管理情報又は前記ホルダID及び前記管理情報を受信することにより、各管理情報読取装置により読み取られた物品の棚卸しを管理することを特徴とする棚卸管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−233768(P2007−233768A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55579(P2006−55579)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】