説明

管理機

【課題】移動用車輪が、管理機の牽引力に対する抵抗力を発生させる抵抗棒としての機能も果たすことが可能な管理機を提供する。
【解決手段】車軸作業型の管理機1において、耕耘部9後方に接地車輪43を配置し、接地車輪43の回転に抵抗を付与する抵抗付与手段50を設けるとともに、接地車輪43は左右一対の接地車輪支持アーム41・41に軸架される円筒ドラム形状に形成され、接地する外周面に対地すべり防止手段を設け、接地車輪43の上下昇降位置を調節可能に構成するとともに、接地車輪43を最下位置に調節すると抵抗付与手段50が作用するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場における耕耘作業等の種々の作業を行う際に使用する車軸作業型の管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場において種々の作業を行う車軸作業型の管理機において、例えば耕耘作業を行う際に、前記管理機の後部に抵抗棒を装着し、前記抵抗棒の先端部を接地させながら作業を行うことで前記管理機の牽引力に対する抵抗力を発生させ、前記抵抗力により前記管理機の進行速度及び耕耘深さを調節する技術は公知となっている。
また、圃場間等を移動する際には前記抵抗棒に替えて移動用車輪を装着し、前記移動用車輪を接地させることにより移動を容易に行うことを可能とし、操作性向上やオペレータの疲労低減を図る技術は公知となっている。
上記のような技術において、前記抵抗棒と前記移動用車輪との取り換え作業は煩雑なものであり、オペレータの疲労増大や作業能率の低下を招くものであった。
【0003】
これらの技術に対して、管理機本体の後部側に前後方向へ回動可能に取り付けた抵抗棒と、前記抵抗棒に一体に設けた移動用車輪とを備え、前記抵抗棒を前後に回動させることにより、前記抵抗棒を収納する収納状態と、前記管理機本体の下方へ突出させ作業に用いる作業状態と、を切り換えることを可能とする技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−312362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された構成では、収納状態において前記移動用車輪が前記管理機本体の下方へ突出するよう構成されている。これにより、収納状態においては前記移動用車輪を用いて移動することができる。また、収納状態と作業状態とを操縦ハンドルの操作で迅速に切り換えることができる。
しかし、収納状態と作業状態とにおいて、それぞれ移動用車輪と抵抗棒とが必要となるため、部品点数が増加する点で不利であった。また、前記移動用車輪と前記抵抗棒とを一体に設けるため、一体となった部材が大きくなり作業や収納の際にオペレータの動作を阻害する可能性がある点で不利であった。
【0005】
そこで本発明は、移動用車輪が、管理機の牽引力に対する抵抗力を発生させる抵抗棒としての機能も果たすことが可能な管理機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、車軸作業型の管理機において、耕耘部後方に車輪を配置し、前記車輪の回転に抵抗を付与する抵抗付与手段を設けるとともに、前記車輪は左右一対の支持体に軸架される円筒ドラム形状に形成され、接地する外周面に対地すべり防止手段を設けたものである。
【0008】
請求項2においては、前記車輪の上下昇降位置を調節可能に構成するとともに、前記車輪を最下位置に調節すると前記抵抗付与手段が作用するように構成したものである。
【0009】
請求項3においては、前記対地すべり防止手段は凹凸体であるものである。
【0010】
請求項4においては、前記対地すべり防止手段は軟質部材で円筒面形成であるものである。
【0011】
請求項5においては、前記対地すべり防止手段はスパイク体を多数配置したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1の如く構成したので、抵抗付与手段によって車輪に抵抗を付与し、前記車輪の回転を制止することができる。作業時に制止した前記車輪を接地させることにより、管理機の牽引力に対する抵抗力を発生させ、前記抵抗力により前記管理機の進行速度及び耕耘深さを調節することができる。
【0014】
また、特許文献1に記載されたような管理機に比べて、前記車輪が抵抗棒としての機能も果たすことができるため、部品点数及びコストの削減並びにコンパクト化を図ることができる点で優れている。
【0015】
さらに、前記車輪の周縁の接地面に対地すべり防止手段を設けたことにより、管理機の牽引力に対する抵抗力を増加させることができる。
【0016】
請求項2の如く構成したので、抵抗付与手段を作用させるための構造を別構成で設ける必要がなく、作業時に前記車輪を最下位置に調節するだけで作用させることができる。つまり、上下位置調節手段と抵抗付与手段の操作手段を兼用できる。また、抵抗付与手段を手動操作等で作用させる必要がない。
【0017】
請求項3の如く構成したので、簡単な構成で管理機の牽引力に対する抵抗力を増加させることができる。
【0018】
請求項4の如く構成したので、圃場面を荒らさず管理機の牽引力に対する抵抗力を増加させることができる。
【0019】
請求項5の如く構成したので、抵抗付与手段がスパイク体に当接することによって確実に車輪の回転を停止させるとともに、スパイク体が地面に食い込んで管理機の牽引力に対する抵抗力を増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係る管理機について、図面を参照して説明する。
なお、以下において、図中の矢印F方向を前方とし、前後左右方向を決定する。
【0021】
図1乃至図3を用いて、本発明に係る管理機の一実施例である車軸作業型の管理機の全体構成について説明する。車軸作業型の管理機とは、車軸に爪やロータ等を取り付け、耕耘、砕土、代掻き等の作業を行う管理機である。
【0022】
図1及び図2に示すように、管理機1は、主に機体フレーム2、エンジン3、耕耘部9、ハンドルフレーム15、車輪機構40等から構成されている。
【0023】
機体フレーム2の前部にはエンジン3が搭載されており、エンジン3の後上方には燃料タンク4が配設されている。機体フレーム2の前端部にはバンパー5が固設されている。
エンジン3の右方にはエンジン3を始動するためのリコイルスタータ6が具備されている。エンジン3の左方には、マフラー7及び側部伝動ケース8が配設されている。
【0024】
耕耘部9は、ミッションケース10、車軸11、耕耘爪12、ゲージホイール13から構成されている。
【0025】
ミッションケース10は機体フレーム2の下方へ突設され、ミッションケース10の下端部から機体左右方向へ車軸11が突設されている。車軸11の中途部には耕耘爪12・12・・・が固設されている。また、車軸11の左右両端部には、作業時における管理機1の直進性を向上させるためのゲージホイール13・13が固設されている。
【0026】
機体フレーム2の後部には、ハンドルフレーム基部14が固設され、ハンドルフレーム基部14から後方上方へ向かって平面視略A字状のハンドルフレーム15が延設されている。ハンドルフレーム15の後端部には把持部であるハンドルグリップ16・16が設けられている。
【0027】
ハンドルフレーム15の機体右側後端部でありハンドルグリップ16の近傍には、アクセルレバー17が配設されている。アクセルレバー17の操作により、エンジン3の回転数を調節することができる。
機体左側のハンドルグリップ16の下方には、クラッチレバー18が上下方向回動可能に配設されている。
【0028】
図3に示すように、側部伝動ケース8内には駆動プーリ20、従動プーリ21、伝動ベルト22、テンションプーリ23、テンションアーム24等が具備されている。
【0029】
エンジン3の左側部からは側部伝動ケース8内へ出力軸19が突設されており、出力軸19は駆動プーリ20に軸装されている。駆動プーリ20と従動プーリ21の間には伝動ベルト22が巻回されている。
【0030】
また、テンションアーム24の中途部は機体フレーム2に枢支されている。テンションアーム24の一端にはテンションプーリ23が回転自在に支持され、他端にはクラッチワイヤー25の一端が連結されている。クラッチワイヤー25の他端はクラッチレバー18と連結されている(図1及び図2参照)。クラッチレバー18が上方向へ操作された場合、クラッチワイヤー25を介して、テンションアーム24がテンションプーリ23を伝動ベルト22に押し当てるように回動する。これにより伝動ベルト22は緊張され、駆動プーリ20と従動プーリ21との間の動力伝達が可能となる。
【0031】
出力軸19により取り出されたエンジン3の動力は、駆動プーリ20及び伝動ベルト22を介して従動プーリ21へと伝達される。従動プーリ21へと伝達された動力は、ミッションケース10内の伝動チェーン(図示せず)を介して車軸11へと伝達される。この動力により車軸11は回転し、車軸11とともに耕耘爪12・12・・・が回転することにより耕耘作業を行うことができる。
【0032】
次に、本発明に係る管理機の車輪機構40について図3及び図4を用いて説明する。
【0033】
車輪機構40は、主に接地車輪支持アーム41、接地車輪43、抵抗付与手段50等により構成されている。
【0034】
左右一対の支持体である接地車輪支持アーム41・41は互いに平行であり、耕耘部9の後方に前高後低に配置されている。接地車輪支持アーム41・41の前方上端部は、機体フレーム2の後端に左右方向へ嵌通されているアーム回動軸42によって、それぞれ機体フレーム2の左右両側に上下回動可能に枢支されている。
【0035】
接地車輪支持アーム41・41の後方下端部には、接地車輪43が接地車輪軸44により接地車輪支持アーム41・41間に軸架されている。
接地車輪43は、円筒ドラム形状の車輪である。接地車輪43は、接地する面となる外周に対地すべり防止手段として摩擦抵抗が大きく耕耘作業時に耕耘後の圃場を痛めない程度の柔軟性を有する柔軟材が貼設されている。具体的には、スポンジや発泡材やゴム等で構成される。本実施例において、接地車輪43はスポンジ製のローラ43aを被覆した構造である。しかし、本発明はこれに限るものではなく、同形状のゴム製の車輪や合成樹脂製の車輪等を用いても良い。
【0036】
また、対地すべり防止手段は、金属又は合成樹脂材料で構成した円筒ドラムの外周に凹凸体を設ける構成とすることもできる。この凹凸体は例えば、歯車の如く構成することもでき、また、図5(a)に示すように、外周にラグ43b・43b・・・を構成することもできる。こうして、牽引力に対する抗を大きくするようにしている。
また、図5(b)に示すように、対地すべり防止手段は、接地車輪43の外周に円錐台状のスパイク体43c・43c・・を多数配置することも可能である。スパイク体43c・43c・・は一定間隔毎に配置される。スパイク体43cの形状は円錐台状に限らず、円柱や円錐等であっても良い。
【0037】
また、抵抗付与手段50は、接地車輪43の上下位置調節手段も兼ねており、主にリンク支持フレーム51、ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53、ブレーキロッド54、接地車輪支持アーム41に設けたブレーキロッドノッチ長孔55等から構成されている。
【0038】
機体フレーム2の後端下部には、リンク支持フレーム51が固設されている。リンク支持フレーム51の左右方向幅は、機体フレーム2の左右方向幅よりも小さいものであり、リンク支持フレーム51は機体フレーム2の左右中央に配設されている。
【0039】
リンク支持フレーム51にはリンク支持軸52が左右方向へ嵌通されている。リンク支持軸52の左右両端部には、ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53の一端側がリンク支持軸52と直交するように固設されている。ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53は互いに平行に設けられ、ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53間の距離は、接地車輪支持アーム41・41間の距離よりも小さい。つまり、ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53はリンク支持軸52を支点として、接地車輪支持アーム41・41の間を回動可能に設けられている。
【0040】
ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53の他端側にはブレーキロッド54がブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53と直交するように固設されている。
ブレーキロッド54は接地車輪支持アーム41・41間の幅以上の長さを有しており、ブレーキロッド54の両端部は接地車輪支持アーム41・41に穿設された側面視略コ字状のブレーキロッドノッチ長孔55・55に挿通されている。ブレーキロッド54のブレーキロッドノッチ長孔55・55への挿通位置を変えることにより、接地車輪支持アーム41・41の上下回動位置を調節することが可能である。つまり、接地車輪43の上下昇降位置を調節可能である。
【0041】
本実施例において、リンク支持軸52は、機体フレーム2の後端下部に固設されたリンク支持フレーム51に嵌通されているものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、リンク支持フレーム51を用いずに、リンク支持軸52を機体フレーム2に直接嵌通する構成にすることも可能である。また、ブレーキロッドノッチ長孔55は接地車輪支持アーム41自体に設けたが、プレート等の別部材に形成して接地車輪支持アーム41に固設する構成であっても良い。
【0042】
本実施例において、リンク支持軸52の左右両端部にブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53の一端側を固設するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、リンク支持軸52に対してブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53は回動可能に支持されるものであっても良い。
また、本実施例において、リンク支持軸52とブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53とは別部材により構成するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、2つの丸棒部材をそれぞれ同様に略L字状に折り曲げ成形し、その一端をリンク支持フレーム51の左右からそれぞれ嵌通させることで、リンク支持軸52とブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53とを一体的に構成しても良い。
【0043】
本実施例において、ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53は接地車輪支持アーム41・41の間を回動する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53が接地車輪支持アーム41・41の機体左右方向外側を回動する構成としても良い。この場合、ブレーキ・アーム回動調節兼用リンク53・53とブレーキロッド54とは、接地車輪支持アーム41・41の機体左右方向外側において固設される。
【0044】
上述したような構成の管理機1における、接地車輪43のブレーキオンとブレーキオフとの切り換え操作について図1、図6及び図7を用いて以下に説明する。
【0045】
図1及び図6(a)に示すように、ブレーキロッド54がブレーキロッドノッチ長孔55の下側の一端であるブレーキオン位置55aに挿通されている状態をブレーキオン状態と呼ぶ。
【0046】
ブレーキオン状態において、ブレーキロッド54がブレーキロッドノッチ長孔55のブレーキオン位置55aに挿通されることで、接地車輪支持アーム41を回動不可能とし、接地車輪支持アーム41は位置決めされる。ブレーキオン状態においては、接地車輪43は調節可能な上下昇降位置のうち最下位置に位置している。
また、ブレーキオン状態において、ブレーキロッド54は接地車輪43の外周面を押圧している。これにより、接地車輪43の回転に抵抗を付与し、回転を制動している。
【0047】
耕耘作業等を行う場合は、管理機1をブレーキオン状態にすることによって、接地車輪43の回転を制動する。つまり、接地車輪43を最下位置に調節すると抵抗付与手段50が作用し、接地車輪43の回転を制動する。回転を制動された接地車輪43を接地させながら作業を行うことで管理機1の牽引力に対する抵抗力を発生させ、前記抵抗力により管理機1の進行速度及び耕耘深さを調節することが可能となる。つまり、従来の管理機に用いられている抵抗棒としての機能を接地車輪43により果たすことが可能となる。
【0048】
さらに、図5(a)及び(b)に示した如く、接地車輪43の外周面にラグ43b・43b・・・を設けることにより、又は、スパイク体43c・43c・・・を配置することにより、ブレーキオン状態において回転を制動した接地車輪43を接地させた場合に発生する管理機1の牽引力に対する抵抗力を増加させることができる。よって作業時において、作業者がハンドルフレーム15を下方へ押し付ける力を軽減することができる。
【0049】
また、図6(b)及び図7に示すように、ブレーキロッド54を、ブレーキロッドノッチ長孔55内のブレーキオン位置55aからブレーキオフ位置55bまでスライドさせることにより、ブレーキロッドノッチ長孔55の他端であるブレーキオフ位置55bに挿通することができる。この状態をブレーキオフ状態と呼ぶ。
【0050】
ブレーキオフ状態において、ブレーキロッド54がブレーキロッドノッチ長孔55のブレーキオフ位置55bに挿通されることで、接地車輪支持アーム41を回動不可能とし、接地車輪支持アーム41は位置決めされる。ブレーキオフ状態においては、接地車輪43は調節可能な上下昇降位置のうち最上位置に位置している。
また、ブレーキオフ状態においては、ブレーキロッド54は接地車輪43の外周面から離隔される。これにより、接地車輪43は接地車輪軸44を軸として回動可能となる。
【0051】
管理機1を移動させる場合は、管理機1をブレーキオフ状態にすることによって、接地車輪43は回動可能となる。回動可能となった接地車輪43を接地させながら管理機1を移動させることにより、移動を容易に行うことを可能とし、操作性向上やオペレータの疲労低減を図ることが可能となる。
なお、接地車輪支持アーム41と機体フレーム2の間にバネ取り付けステー56、57、及びバネ58を介装して、接地車輪支持アーム41がアーム回動軸42を軸として左側面視反時計回りに回転するように付勢することで、ブレーキロッド54をブレーキオン位置55a及びブレーキオフ位置55bに確実に保持することができる(図6参照)。また、本実施例においてはバネ58を用いたが、接地車輪支持アーム41がアーム回動軸42を軸として左側面視反時計回りに回転するように付勢することができれば、ゴム等の弾性部材を用いても良い。
【0052】
上述した通り、本実施例に係る管理機は、車軸作業型の管理機1において、耕耘部9後方に接地車輪43を配置し、接地車輪43の回転に抵抗を付与する抵抗付与手段50を設けるとともに、接地車輪43は左右一対の接地車輪支持アーム41・41に軸架される円筒ドラム形状に形成され、接地する外周面に対地すべり防止手段を設けたものである。
これにより、抵抗付与手段50によって接地車輪43に抵抗を付与し、接地車輪43の回転を制止することができる。作業時に制止した接地車輪43を接地させることにより、管理機1の牽引力に対する抵抗力を発生させ、前記抵抗力により管理機1の進行速度及び耕耘深さを調節することができる。
また、接地車輪43が抵抗棒としての機能を果たすことができるため、別途抵抗棒を具備する必要がなく、部品点数及びコストの削減並びにコンパクト化を図ることができる。
さらに、接地車輪43の周縁の接地面に対地すべり防止手段を設けたことにより、管理機1の牽引力に対する抵抗力を増加させることができる。
【0053】
また、本実施例に係る管理機は、接地車輪43の上下昇降位置を調節可能に構成するとともに、接地車輪43を最下位置に調節すると抵抗付与手段50が作用するように構成したものである。
これにより、抵抗付与手段50を手動操作等で作用させる必要がなく、作業時に接地車輪43を最下位置に調節するだけで作用させることができ、操作性の向上及びオペレータの疲労低減を図ることができる。
【0054】
本実施例において、接地車輪43の対地すべり防止手段としてローラ43aを貼設した構造としたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、接地車輪43の接地面に凹凸体を設けたものや、前記接地面を凹凸形状に形成したものでも良い。さらに、対地すべり防止手段の材質は接地車輪43と同様のものに限らず、例えば接地車輪43と異なる軟質部材で円筒面形成の別部材を配置したもの等でも良い。つまり、本発明における対地すべり防止手段は、ブレーキオン状態において回転を制動した接地車輪43を接地させることにより、管理機1の牽引力に対する抵抗力を十分に発生させることができる構成であれば良い。
【0055】
本実施例において、ブレーキロッドノッチ長孔55は、側面視略コ字状のものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、側面視略ヨ字状に形成する等、接地車輪43の上下昇降位置を調節可能な段数を増やすことも可能である。つまり、ブレーキロッドノッチ長孔55は、接地車輪43の上下昇降位置が調節可能であって、接地車輪43を最下位置に調節すると抵抗付与手段50が作用し、接地車輪43の回動を制動することができる形状であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施例に係る管理機の全体的な構成を示した全体側面図。
【図2】同じく全体平面図。
【図3】同じく拡大側面図。
【図4】車輪機構を示した背面図。
【図5】(a)対地すべり防止手段の他の実施例を示した斜視図、(b)対地すべり防止手段の他の実施例を示した斜視図。
【図6】(a)ブレーキオン状態の車輪機構を示した拡大側面図、(b)ブレーキオフ状態の車輪機構を示した拡大側面図。
【図7】ブレーキオフ状態の管理機を示した全体側面図。
【符号の説明】
【0057】
1 管理機
9 耕耘部
40 車輪機構
41 接地車輪支持アーム(支持体)
43 接地車輪(車輪)
43a ローラ(対地すべり防止手段)
50 抵抗付与手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸作業型の管理機において、
耕耘部後方に車輪を配置し、
前記車輪の回転に抵抗を付与する抵抗付与手段を設けるとともに、
前記車輪は左右一対の支持体に軸架される円筒ドラム形状に形成され、接地する外周面に対地すべり防止手段を設けた
ことを特徴とする管理機。
【請求項2】
前記車輪の上下昇降位置を調節可能に構成するとともに、
前記車輪を最下位置に調節すると前記抵抗付与手段が作用するように構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の管理機。
【請求項3】
前記対地すべり防止手段は凹凸体である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管理機。
【請求項4】
前記対地すべり防止手段は軟質部材で円筒面形成である
ことを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の管理機。
【請求項5】
前記対地すべり防止手段はスパイク体を多数配置した
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−65865(P2009−65865A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235695(P2007−235695)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】