説明

管端部接続体及びゼオライト分離膜エレメント

【課題】 第1の管状部材と第2の管状部材を、シール性を確保しながら接続する管端部接続体を提供する。
【解決手段】 本発明に係る管端部接続体は、ゼオライト膜付きセラミック管1の端部と金属管5の端部を接続した状態で、ゼオライト膜付きセラミック管1の端部の外側面及び金属管5の端部の外側面それぞれを被覆するテフロン製の熱収縮チューブ4bと、ゼオライト膜付きセラミック管1及び金属管5それぞれの外側面と前記熱収縮チューブ4bとの間に配置された耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有するフッ素ゴム熱収縮チューブ3bと、を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管端部接続体及びゼオライト分離膜エレメントに係わり、特に、第1の管状部材と第2の管状部材を、シール性を確保しながら接続する管端部接続体及びゼオライト分離膜エレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトは分子程度の大きさの細孔を有する結晶性アルミノケイ酸塩であり、ゼオライトからなる膜は分子のサイズや形状の違いにより選択的に分子を通過させる性質を有するので、分子ふるいとして広く利用されている。水と有機溶媒系混合液の分離にゼオライト膜を使用するとエネルギー効率のよいことが知られている。
【0003】
ゼオライト膜は単体では十分な機械的強度を有さないので、一般的に多孔質セラミック管の表面にゼオライト膜が形成される。このようなゼオライト膜付きセラミック管をモジュールに組み込む場合、そのセラミック管の端部に金属管を接続することが多い。これによりモジュールへの組み込みが容易となるからである。
【0004】
ゼオライト膜付きセラミック管と金属管とを接続する従来の方法について説明する。
ゼオライト膜付きセラミック管と、このセラミック管とほぼ同じ外径の金属管を準備する。また、金属管の外径よりやや大きい内径を有する熱収縮チューブを準備する。
【0005】
次いで、熱収縮チューブの一方端からゼオライト膜付きセラミック管の端部を挿入し、熱収縮チューブの他方端から金属管の端部を挿入する。そして、熱収縮チューブを加熱することにより、熱収縮チューブを内径が小さくなる方向に収縮させ、ゼオライト膜付きセラミック管と金属管を接続する(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平8−131782号公報(第8段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記熱収縮チューブには硬くて弾性が無いという欠点がある。金属管の表面及びゼオライト膜付きセラミック管の表面それぞれは、通常、鏡面になっておらず平滑性が悪く、微視的には凹凸のある表面状態である。また、ゼオライト膜付きセラミック管の外形は真円でない上、個々のゼオライト膜付きセラミック管の外形にはバラツキがあるため、セラミック管と金属管の外径が完全には一致しない。従って、弾性の無い熱収縮チューブでは、ゼオライト膜付きセラミック管と金属管の接続部分において十分にシール性を確保することができない。
【0008】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、第1の管状部材と第2の管状部材を、シール性を確保しながら接続する管端部接続体及びゼオライト分離膜エレメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る管端部接続体は、第1管状部材の端部と第2管状部材の端部を接続した状態で、前記第1管状部材の端部の外側面及び前記第2管状部材の端部の外側面それぞれを被覆する被覆部材と、
前記第1管状部材及び前記第2管状部材それぞれの外側面と前記被覆部材との間に配置された耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有する部材と、
を具備することを特徴とする。
【0010】
上記管端部接続体によれば、第1管状部材及び第2管状部材それぞれの外側面と被覆部材との間に耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有する部材を配置している。このため、第1管状部材及び第2管状部材それぞれの外表面が微視的には凹凸のある状態であったり、また外形が真円でなかったり、また第1管状部材と第2管状部材の外径が一致しなくても、前記部材の溶媒に対する膨潤性による自己シール機能により、第1の管状部材と第2の管状部材を、シール性を確保しながら接続することができる。
【0011】
また、本発明に係る管端部接続体において、前記第1管状部材は、多孔質体上にゼオライト結晶が形成されてなるゼオライト分離膜であり、前記第2管状部材は金属管であることも可能である。
また、本発明に係る管端部接続体において、前記第2管状部材を略円柱部材に置き換えることも可能である。
【0012】
また、本発明に係る管端部接続体において、前記部材の膨潤による体積増加率は2%以上15%以下であることが好ましい。体積増加率が2%未満であると十分な自己シール機能及び自己修復機能が得られず、体積増加率が15%を超えると使用時に膨潤し過ぎて耐久性(即ち使用可能期間)が低下するからである。
【0013】
また、本発明に係る管端部接続体において、前記部材は、50〜200℃の温度範囲で耐熱性を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る管端部接続体において、前記部材は、第1部材と、前記第1部材の両側に配置された第2部材とを有するものであることも可能である。前記第2部材は、前記第1管状部材の端部と前記第2管状部材の端部との接続部分より離れた側に位置している。
【0015】
また、本発明に係る管端部接続体において、前記部材は、フッ素ゴム熱収縮チューブ又は軟質フッ素樹脂熱収縮チューブからなることも可能である。
また、本発明に係る管端部接続体において、前記第1部材はフッ素ゴム熱収縮チューブからなり、前記第2部材は軟質フッ素樹脂熱収縮チューブからなることも可能である。
前記フッ素ゴム熱収縮チューブとは、フッ素系ゴム材料を主原料として照射架橋の熱収縮チューブで伸びは250%以上、引っ張り強さ10MPa以上の物理特性を有す高耐熱フルオロエラストマーである。
前記軟質フッ素樹脂熱収縮チューブとは、軟質性難燃フッ素樹脂に電子架橋を施した熱収縮チューブで200℃で連続使用可能な柔軟性を有する熱収縮チューブである。
【0016】
また、本発明に係る管端部接続体において、前記被覆部材は、該被覆部材の内側に収縮する力を有していることが好ましい。
また、本発明に係る管端部接続体において、前記被覆部材は熱収縮チューブであることも可能である。
本発明に係るゼオライト分離膜エレメントは、管状多孔質支持体上にゼオライト結晶が形成されてなるゼオライト分離膜と、
前記ゼオライト分離膜の両端部それぞれに接続設置された金属管と、
前記ゼオライト分離膜の両端部それぞれと前記金属管の端部を接続した状態で、前記ゼオライト分離膜の両端部の外側面及び前記金属管の端部の外側面それぞれを被覆する被覆部材と、
前記ゼオライト分離膜及び前記金属管それぞれの外側面と前記被覆部材との間に配置された耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有する部材と、
を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、第1の管状部材と第2の管状部材を、シール性を確保しながら接続する管端部接続体及びゼオライト分離膜エレメントを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による管端部接続体によってゼオライト膜付きセラミック管と金属管及び略円柱部材それぞれとを接続した状態を示す断面図である。
【0019】
外径φ12mm、内径φ8.5mm、長さ500mmの多孔質アルミナ製セラミック支持管の表面にA型ゼオライト膜を形成する。これにより、セラミック支持管にゼオライト膜を付けたゼオライト膜付きセラミック管1を作製する。このゼオライト膜付きセラミック管1は多孔質支持管の表面にゼオライト膜を形成したフィルター材である。換言すれば、ゼオライト膜付きセラミック管1は、多孔質体上にゼオライト結晶が形成されてなるゼオライト分離膜である。また、外径φ12mm、長さ20mmのSUS304の略円柱部材2及びフッ素ゴム熱収縮チューブ(例えば住友電工製フッ素ゴム熱収縮チューブFE3)3aを準備する。
【0020】
次いで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aの一方端にゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部を挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aの他方端に略円柱部材2の一方の端部を挿入し、ゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部に略円柱部材2を、互いの軸が一致するとともにこれらが接続した部分より両側に10mmずつフッ素ゴム熱収縮チューブ3aで被覆されるように配置する。次いで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aをヒートガンで加熱することにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aを熱収縮させる。
【0021】
次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aをゼオライト膜付きセラミック管1及び略円柱部材2に挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aを被覆するとともに前記接続した部分より両側に13mmずつ被覆するように、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aを配置する。次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aをヒートガンで加熱することにより、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aを熱収縮させる。これにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a、略円柱部材2及びゼオライト膜付きセラミック管1を内側に締めつける力が働き、略円柱部材2とゼオライト膜付きセラミック管1を、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aを介して熱収縮チューブ4aによって固定することができるとともに、ゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部を略円柱部材2により封止することができる。
【0022】
次いで、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部に、外径φ12mm、内径φ9mmのSUS304製の金属管5の一方の端部を同様の方法により接続する。
【0023】
詳細には、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bの一方端にゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部を挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bの他方端に金属管5の一方の端部を挿入し、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部に金属管5の一方の端部を、互いの軸が一致するとともにこれらが接続した部分より両側に10mmずつフッ素ゴム熱収縮チューブ3bが被覆されるように配置する。次いで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bをヒートガンで加熱することにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bを熱収縮させる。
【0024】
次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bを金属管5及びゼオライト膜付きセラミック管1に挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bを被覆するとともに前記接続した部分より両側に13mmずつ被覆するように、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bを配置する。次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bをヒートガンで加熱することにより、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bを熱収縮させる。これにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3b、金属管5及びゼオライト膜付きセラミック管1を内側に締めつける力が働き、金属管5とゼオライト膜付きセラミック管1を、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bを介して熱収縮チューブ4bによって固定することができるとともに、前記接続した部分を封止することができる。
【0025】
このようにしてゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部には略円柱部材2が管端部接続体によって接続され、それによりゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部が封止される。また、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部には金属管5が管端部接続体によってシール性良く接続される。
上述したゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部が封止され、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部に金属管5が接続されたものは、水−溶媒(例えばエタノール)分離エレメント、即ち分離器8として用いることができる。
【0026】
次に、上述したテフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4a,4b及びフッ素ゴム熱収縮チューブ3a,3bを有する管端部接続体が優れたシール性を有することについて図2を参照しつつ説明する。図2(A)〜(C)は、管端部接続体の自己シール機能を示す模式図である。尚、図2では、ゼオライト膜付きセラミック管1とフッ素ゴム熱収縮チューブ3aのみを示している。
【0027】
図2(A)は、前述した方法で管端部接続体によりゼオライト膜付きセラミック管1の端部を接続した後に、そのゼオライト膜付きセラミック管1に水とエタノール等の溶媒の混合液を供給した直後の状態を示している。ゼオライト膜付きセラミック管1の外表面は鏡面ではなく凹凸を有するため、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aとゼオライト膜付きセラミック管1との間には微小な隙間が形成され、溶媒を供給した当初はその微小な隙間から溶媒が漏れ出す。その漏れ出した溶媒がフッ素ゴム熱収縮チューブ3aに接触することで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aの膨潤が始まる。
【0028】
図2(B)は、溶媒が供給される時間が経過するにつれて、図2(A)に示す状態よりフッ素ゴム熱収縮チューブの膨潤量が増した状態を示している。膨潤量が増すと、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aとゼオライト膜付きセラミック管1との間の微小な隙間も小さくなる。
【0029】
図2(C)は、図2(B)に示す状態よりフッ素ゴム熱収縮チューブの膨潤がさらに進み、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aとゼオライト膜付きセラミック管1との間の微小な隙間が無くなった状態を示している。この状態になると管端部接続体によるシールが完了する。
【0030】
図2(A)〜(C)に示すように、フッ素ゴム熱収縮チューブは溶媒に接触することで膨潤し、それによりシール性を発揮するという自己シール機能を有している。換言すれば、管端部接続体による接続部分を効率よくシールするには漏れている場所を積極的に封止する必要がある。前記接続部分に空隙があると溶媒と水が空隙を通して漏れ出すが、フッ素ゴム熱収縮チューブは耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有するため、フッ素ゴム熱収縮チューブが溶媒と接触して体積膨張することで前記接続部分の空隙を封止することができる(自己シール機能)。
【0031】
図3(A)〜(C)は、ゼオライト膜付きセラミック管1の外表面の表面粗さのバラツキを模式的に示す断面図である。ゼオライト膜付きセラミック管1の表面粗さは、0.3〜1μm程度のバラツキがある。このようなバラツキのあるゼオライト膜付きセラミック管を管端部接続体によって確実にシールすることは通常困難であるが、前述したようなフッ素ゴム熱収縮チューブの膨潤による自己シール機能を用いることにより優れたシール性を実現することができる。
【0032】
図4(A),(B)は、フッ素ゴム熱収縮チューブの膨潤による自己修復機能を示す断面図である。図4では、ゼオライト膜付きセラミック管1と略円柱部材2との接続部分の一部を図示している。
【0033】
図4(A)は、前述した水−溶媒分離エレメントを例えば50〜200℃程度の高温で用いた場合に、略円柱部材2、ゼオライト膜付きセラミック管1、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a及びテフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aそれぞれの熱膨張係数が異なるため、その熱膨張差によって接続部分に空隙11が発生した状態を示している。
【0034】
図4(A)に示すように空隙11が発生すると、その空隙11から溶媒が漏れ出す。その漏れ出した溶媒がフッ素ゴム熱収縮チューブ3aに接触することで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aの膨潤が生じる。このフッ素ゴム熱収縮チューブの膨潤によって、図4(B)に示すように空隙11が封止される。このようにフッ素ゴム熱収縮チューブ3aは膨潤による自己修復機能を有している。
【0035】
上記実施の形態1によれば、溶媒に対する膨潤性が有り且つ耐溶媒性を有するフッ素ゴム熱収縮チューブ3a,3bを、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4a,4bとゼオライト膜付きセラミック管1との間に配置している。このため、ゼオライト膜付きセラミック管1、金属管5及び略円柱部材2それぞれの表面が微視的には凹凸のある状態であり、またセラミック管1の外形が真円でなく、個々のセラミック管1の外形にバラツキがあり、セラミック管1と金属管5又は略円柱部材2の外径が一致しなくても、フッ素ゴム熱収縮チューブの自己シール機能により、セラミック管1と金属管5及び略円柱部材2それぞれとの接続部分において優れたシール性を確保することができる。尚、前記膨潤性については、膨潤によるフッ素ゴム熱収縮チューブの体積増加率が2〜15%の範囲であることが好ましい。体積増加率が2%未満であると十分な自己シール機能及び自己修復機能が得られず、体積増加率が15%を超えると使用時に膨潤し過ぎて耐久性(即ち使用可能期間)が低下するからである。
【0036】
また、セラミック管1の線膨張係数と金属管5及び略円柱部材2それぞれの線膨張係数とが異なっていても、フッ素ゴム熱収縮チューブの自己修復機能及び耐熱性により、セラミック管1と金属管5及び略円柱部材2それぞれとの接続部分において優れたシール性を確保することができる。従って、温度が変動する環境下においても高いシール性を確保することができる。また、本実施の形態による管端部接続体は耐熱サイクル性(例えば室温と130℃との間の昇降温の耐熱サイクル性)も有している。尚、前記耐熱性は、水と溶媒を分離する際に使用できる温度範囲であればよく、好ましい温度範囲は50〜200℃である。
【0037】
(素材耐久試験)
本実施の形態によるフッ素ゴム熱収縮チューブ3a,3bの素材耐久試験を行い、その試験後の重量変化率を測定したので、試験方法及び試験結果について説明する。
【0038】
90%IPA(イソプロピルアルコール)/10%水を150℃に加熱した蒸気雰囲気にフッ素ゴム熱収縮チューブを1週間曝す素材耐久試験を行った。この試験終了時にフッ素ゴム熱収縮チューブの重量増加率を測定した結果は7.5%であった。試験終了後、空気中に1日放置した後の重量増加率は6.6%であり、試験終了後、空気中に1週間放置した後の重量増加率は4.7%であり、試験終了後、空気中に2週間放置した後の重量増加率は3.8%であった。
【0039】
上記の試験結果によれば、素材耐久試験でフッ素ゴム熱収縮チューブがIPAを吸収して膨潤が起こり、その結果、フッ素ゴム熱収縮チューブの重量が増加したが、その膨潤したフッ素ゴム熱収縮チューブを空気中に放置するとIPAが空気中に徐々に放出されるため、時間が経過するにつれてフッ素ゴム熱収縮チューブの重量増加率が減少することが確認された。
【0040】
(素材耐久試験の比較例)
比較例としてフッ素樹脂及びシリコーンの素材耐久試験を行い、その試験後の重量変化率を測定した。試験方法は前記素材耐久試験と同様であるので説明を省略する。
【0041】
試験終了時のフッ素樹脂の重量変化率は0.2%であり、シリコーンの重量変化率は11.6%であった。試験終了後、空気中に1日放置した後のフッ素樹脂の重量変化率は0.2%であった。試験終了後、空気中に1週間放置した後のフッ素樹脂の重量変化率は0.2%であり、シリコーンの重量変化率は−4.5%であった。試験終了後、空気中に2週間放置した後のフッ素樹脂の重量増加率は0.1%であり、シリコーンの重量変化率は−4.5%であった。
【0042】
上記比較例の試験結果によれば、フッ素樹脂はIPAに対して耐溶媒性を有するが、IPAに接触してもほとんど膨潤することがないことが確認された。また、シリコーンは膨潤性を有しているが、時間が経過するにつれて試験前より少ない重量になることから、IPAによってシリコーンが溶解することが確認され、シリコーンはIPAに対して耐溶媒性を有しないことが確認された。
【0043】
上記の素材耐久試験と比較例の結果から、フッ素ゴム熱収縮チューブは耐溶媒性と膨潤性を兼ね備えているのに対し、フッ素樹脂及びシリコーンは耐溶媒性と膨潤性の両者を兼ね備えてはいないため、フッ素樹脂及びシリコーンを本発明に適用することはできないといえる。
【0044】
(シール性確認試験)
次に、本実施の形態による管端部接続体のシール性を確認する試験を行ったので、試験方法及び試験結果について説明する。
図5は、パーベーパレーション(PV)試験装置を模式的に示す構成図である。この試験装置はコールドトラップ付き真空ラインを備えている。
【0045】
試験装置は、水−エタノール系供給液(エタノール/水の質量比=90/10)の供給を受ける容器7を有している。この容器7の内部には分離器8が設置されている。この分離器8は、管端部接続体によってゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部を略円柱部材2で封止し、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部を金属管5の先端に接続したものである。尚、ゼオライト膜付きセラミック管1はフィルター材である。
【0046】
金属管5の末端はコールドトラップ付きの真空ラインに接続されている。つまり、金属管5の末端は液体窒素トラップ(コールドトラップ)9を介して真空ポンプ10に接続されている。また、前記容器7には、水−エタノール系供給液から分離したエタノールを排出する排出口7aが設けられている。
【0047】
この試験装置の容器7に、70℃の水−エタノール系供給液(エタノール/水の質量比=90/10)を供給し、真空ポンプ10により分離器8内を吸引した。この際の真空度は10〜1000Pa程度である。分離器8を透過した液は液体窒素トラップ9で捕集された。10分毎に液体窒素トラップ9の捕集物の組成をガスクロマトグラフ[(株)島津製作所製 GC-14B]を用いて測定し、分離係数を求めた。この測定結果によれば、捕集物は水とエタノールの混合物からなり、エタノール濃度は初期は1.5%であったが、10時間後は0.05%となり、水とエタノールが一定時間経過後に効率よく分離されることが確認できた。また分離係数αは20000以上であり、高い分離性能を有することが確認された。従って、ゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部と略円柱部材2及びゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部と金属管5それぞれを管端部接続体によって接続している部分はシール性が十分に確保されていることが確認できた。
【0048】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2による管端部接続体は、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a,3bに代えて軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ(例えば住友電工製のフッ素樹脂熱収縮チューブKH200)を用いたものである。即ち、本実施の形態による分離器は、図1に示すフッ素ゴム熱収縮チューブ3a,3bを軟質フッ素樹脂熱収縮チューブに代えた以外は図1と全く同様の構成である。
【0049】
(素材耐久試験)
本実施の形態による軟質フッ素樹脂熱収縮チューブの素材耐久試験を行い、その試験後の重量変化率を測定した。試験方法は実施の形態1における素材耐久試験と同様であるので説明を省略する。
【0050】
試験終了時に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブの重量増加率を測定した結果は5.4%であった。試験終了後、空気中に1日放置した後の重量増加率は4.7%であり、試験終了後、空気中に1週間放置した後の重量増加率は4.2%であり、試験終了後、空気中に2週間放置した後の重量増加率は4.0%であった。
【0051】
上記の試験結果によれば、素材耐久試験で軟質フッ素樹脂熱収縮チューブがIPAを吸収して膨潤が起こり、その結果、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブの重量が増加したが、その膨潤した軟質フッ素樹脂熱収縮チューブを空気中に放置するとIPAが空気中に徐々に放出されるため、時間が経過するにつれて軟質フッ素樹脂熱収縮チューブの重量増加率が減少することが確認された。つまり、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブは耐溶媒性と膨潤性を兼ね備えていることが確認できた。従って、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブは実施の形態1のフッ素ゴム熱収縮チューブと同様に図2に示すような自己シール機能及び図4に示すような自己修復機能を有するといえる。
【0052】
上記実施の形態2によれば、溶媒に対する膨潤性が有り且つ耐溶媒性を有する軟質フッ素樹脂熱収縮チューブを、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4a,4bとゼオライト膜付きセラミック管1との間に配置している。このため、ゼオライト膜付きセラミック管1、金属管5及び略円柱部材2それぞれの表面が微視的には凹凸のある状態であり、またセラミック管F1の外形が真円でなく、個々のセラミック管1の外形にバラツキがあり、セラミック管1と金属管5又は略円柱部材2の外径が一致しなくても、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブの自己シール機能により、セラミック管1と金属管5及び略円柱部材2それぞれとの接続部分において優れたシール性を確保することができる。
【0053】
また、セラミック管1の線膨張係数と金属管5及び略円柱部材2それぞれの線膨張係数とが異なっていても、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブの自己修復機能及び耐熱性により、セラミック管1と金属管5及び略円柱部材2それぞれとの接続部分において優れたシール性を確保することができる。従って、温度が変動する環境下においても高いシール性を確保することができる。また、本実施の形態による管端部接続体は耐熱サイクル性(例えば室温と130℃との間の昇降温の耐熱サイクル性)も有している。
【0054】
(シール性確認試験)
次に、本実施の形態による管端部接続体のシール性を確認する試験を、図5に示すPV試験装置を用いて行った。試験方法は、実施の形態1におけるシール性確認試験と同様であるので説明を省略する。
【0055】
試験結果によれば、捕集物は水とエタノールの混合物からなり、10時間後のエタノール濃度は2.7%であった。実施の形態1によるフッ素ゴム熱収縮チューブには及ばないが水とエタノールを効率よく分離できることが確認できた。また分離係数αは2000以上であり、高い分離性能を有することが確認できた。従って、ゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部と略円柱部材2及びゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部と金属管5それぞれを管端部接続体によって接続している部分はシール性が十分に確保されていることが確認できた。
【0056】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3による管端部接続体は、実施の形態2による管端部接続体と同様の構成を有する。但し、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブをあらかじめ30℃のエタノールに10分浸漬処理した後、この軟質フッ素樹脂熱収縮チューブを用いた管端部接続体を実施の形態1と同様の方法で図1に示すような分離器に組み込む。この分離器を用いて実施の形態2と同様のシール性確認試験を行った結果、エタノール濃度は初期より0.08%となり、水とエタノールが初期より効率よく分離できることが確認された。
【0057】
上記実施の形態3において初期より高い分離性能が得られる理由は次のとおりである。実施の形態2では、初期の軟質フッ素樹脂熱収縮チューブとゼオライト膜付きセラミック管1との間には図2(A)に示すような微小な隙間が形成されていると考えられる。これに対し、本実施の形態では、あらかじめ溶媒に浸漬処理することで軟質フッ素樹脂熱収縮チューブを膨潤させておくことができる。この膨潤した軟質フッ素樹脂熱収縮チューブを用いることにより、図2(C)に示すような軟質フッ素樹脂熱収縮チューブとゼオライト膜付きセラミック管1との間の微小な隙間が無くなった状態を初期から実現することができる。その結果、溶媒と水を初期より効率よく分離することができる。
【0058】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4による管端部接続体は、実施の形態1による管端部接続体と同様の構成を有する。但し、フッ素ゴム熱収縮チューブをあらかじめ室温のエタノールに10分浸漬処理した後、このフッ素ゴム熱収縮チューブを用いた管端部接続体を実施の形態1と同様の方法で図1に示すような分離器に組み込む。この分離器を用いて実施の形態1と同様のシール性確認試験を行った結果、エタノール濃度は初期より0.1%となり、水とエタノールが初期より効率よく分離できることが確認された。
【0059】
上記実施の形態4において初期より高い分離性能が得られる理由は実施の形態3と同様である。即ち、実施の形態1では、初期のフッ素ゴム熱収縮チューブとゼオライト膜付きセラミック管1との間には図2(A)に示すような微小な隙間が形成されていると考えられるが、本実施の形態では、あらかじめ溶媒に浸漬処理して膨潤したフッ素ゴム熱収縮チューブを用いることにより、図2(C)に示すようなフッ素ゴム熱収縮チューブとゼオライト膜付きセラミック管1との間の微小な隙間が無くなった状態を初期から実現することができる。その結果、溶媒と水を初期より効率よく分離することができる。
【0060】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5による管端部接続体によってゼオライト膜付きセラミック管と金属管及び略円柱部材それぞれとを接続した状態を示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0061】
フッ素ゴム熱収縮チューブ3aの一方端にゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部を挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3aの他方端に略円柱部材2の一方の端部を挿入し、略円柱部材2に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ(例えば住友電工製のフッ素樹脂熱収縮チューブKH200)12aを挿入してフッ素ゴム熱収縮チューブ3aの他方端側に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12aを配置し、ゼオライト膜付きセラミック管1に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12bを挿入してフッ素ゴム熱収縮チューブ3aの一方端側に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12bを配置する。つまり、ゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部に略円柱部材2を、互いの軸が一致するとともにこれらが接続した部分より両側に10mmずつフッ素ゴム熱収縮チューブ3a及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12a,12bが被覆されるように配置する。次いで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12a,12bをヒートガンで加熱することにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12a,12bを熱収縮させる。
【0062】
次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aをゼオライト膜付きセラミック管1及び略円柱部材2に挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12a,12bを被覆するとともに前記接続した部分より両側に13mmずつ被覆するように、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aを配置する。次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aをヒートガンで加熱することにより、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4aを熱収縮させる。これにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12a,12b、略円柱部材2及びゼオライト膜付きセラミック管1を内側に締めつける力が働く。これにより、略円柱部材2とゼオライト膜付きセラミック管1を、フッ素ゴム熱収縮チューブ3a及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12a,12bを介して熱収縮チューブ4aによって固定することができるとともに、ゼオライト膜付きセラミック管1の一方の端部を略円柱部材2により封止することができる。
【0063】
次いで、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部に金属管5の一方の端部を同様の方法により接続する。
【0064】
詳細には、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12cを挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bの一方端にゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部を挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bの他方端に金属管5の一方の端部を挿入し、金属管5に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12dを挿入することにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bの一方端側に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12cを配置し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3bの他方端側に軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12dを配置する。つまり、ゼオライト膜付きセラミック管1の他方の端部に金属管5の一方の端部を、互いの軸が一致するとともにこれらが接続した部分より両側に10mmずつフッ素ゴム熱収縮チューブ3b及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12c,12dが被覆されるように配置する。次いで、フッ素ゴム熱収縮チューブ3b及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12c,12dをヒートガンで加熱することにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3b及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12c,12dを熱収縮させる。
【0065】
次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bを金属管5及びゼオライト膜付きセラミック管1に挿入し、フッ素ゴム熱収縮チューブ3b及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12c,12dを被覆するとともに前記接続した部分より両側に13mmずつ被覆するように、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bを配置する。次いで、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bをヒートガンで加熱することにより、テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ4bを熱収縮させる。これにより、フッ素ゴム熱収縮チューブ3b、軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12c,12d、金属管5及びゼオライト膜付きセラミック管1を内側に締めつける力が働く。これにより、金属管5とゼオライト膜付きセラミック管1を、フッ素ゴム熱収縮チューブ3b及び軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ12c,12dを介して熱収縮チューブ4bによって固定することができるとともに、前記接続した部分を封止することができる。
【0066】
上記実施の形態5においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0067】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1による管端部接続体によってゼオライト膜付きセラミック管と金属管及び略円柱部材それぞれとを接続した状態を示す断面図である。
【図2】(A)〜(C)は、管端部接続体の自己シール機能を示す模式図である。
【図3】(A)〜(C)は、ゼオライト膜付きセラミック管1の外表面の表面粗さのバラツキを模式的に示す断面図である。
【図4】(A),(B)は、フッ素ゴム熱収縮チューブの膨潤による自己修復機能を示す断面図である。
【図5】パーベーパレーション(PV)試験装置を模式的に示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態5による管端部接続体によってゼオライト膜付きセラミック管と金属管及び略円柱部材それぞれとを接続した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1…ゼオライト膜付きセラミック管
2…円柱部材
3a,3b…フッ素ゴム熱収縮チューブ
4a,4b…テフロン(登録商標)製の熱収縮チューブ
5…金属管
7…容器
7a…排出口
8…分離器
9…液体窒素トラップ(コールドトラップ)
10…真空ポンプ
11…空隙
12a,12b,12c,12d…軟質フッ素樹脂熱収縮チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管状部材の端部と第2管状部材の端部を接続した状態で、前記第1管状部材の端部の外側面及び前記第2管状部材の端部の外側面それぞれを被覆する被覆部材と、
前記第1管状部材及び前記第2管状部材それぞれの外側面と前記被覆部材との間に配置された耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有する部材と、
を具備することを特徴とする管端部接続体。
【請求項2】
前記第1管状部材は、多孔質体上にゼオライト結晶が形成されてなるゼオライト分離膜であり、前記第2管状部材は金属管であることを特徴とする請求項1に記載の管端部接続体。
【請求項3】
前記第2管状部材を略円柱部材に置き換えることを特徴とする請求項1又は2に記載の管端部接続体。
【請求項4】
前記部材の膨潤による体積増加率は2%以上15%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管端部接続体。
【請求項5】
前記部材は、50〜200℃の温度範囲で耐熱性を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管端部接続体。
【請求項6】
前記部材は、第1部材と、前記第1部材の両側に配置された第2部材とを有するものであり、前記第2部材は、前記第1管状部材の端部と前記第2管状部材の端部との接続部分より離れた側に位置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管端部接続体。
【請求項7】
前記部材は、フッ素ゴム熱収縮チューブ又は軟質フッ素樹脂熱収縮チューブからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管端部接続体。
【請求項8】
前記第1部材はフッ素ゴム熱収縮チューブからなり、前記第2部材は軟質フッ素樹脂熱収縮チューブからなることを特徴とする請求項6に記載の管端部接続体。
【請求項9】
前記被覆部材は、該被覆部材の内側に収縮する力を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の管端部接続体。
【請求項10】
前記被覆部材は熱収縮チューブであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の管端部接続体。
【請求項11】
管状多孔質支持体上にゼオライト結晶が形成されてなるゼオライト分離膜と、
前記ゼオライト分離膜の両端部それぞれに接続設置された金属管と、
前記ゼオライト分離膜の両端部それぞれと前記金属管の端部を接続した状態で、前記ゼオライト分離膜の両端部の外側面及び前記金属管の端部の外側面それぞれを被覆する被覆部材と、
前記ゼオライト分離膜及び前記金属管それぞれの外側面と前記被覆部材との間に配置された耐溶媒性及び溶媒に対する膨潤性を有する部材と、
を具備することを特徴とするゼオライト分離膜エレメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−46755(P2007−46755A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234209(P2005−234209)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(502205145)株式会社物産ナノテク研究所 (101)
【Fターム(参考)】