管継手
【課題】円形管と非円形管とを接続した場合も連結障壁部の問題が生じにくい管継手を提供する。
【解決手段】一方側に円形管11が内挿される円形筒部1が設けられ、他方側に非円形管12が内挿される非円形筒部12が設けられ、これらの円形筒部11と非円形筒部12とを対向させるように連結する対向壁3には、前記双方の管11、12の有効部分を連通する連通空間部3aと、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部3bとが形成され、この連結障壁部3bに、該連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、内挿物を案内する案内部3cを設けた。
【解決手段】一方側に円形管11が内挿される円形筒部1が設けられ、他方側に非円形管12が内挿される非円形筒部12が設けられ、これらの円形筒部11と非円形筒部12とを対向させるように連結する対向壁3には、前記双方の管11、12の有効部分を連通する連通空間部3aと、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部3bとが形成され、この連結障壁部3bに、該連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、内挿物を案内する案内部3cを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管や配線を地中埋設する場合に、これらを保護するために用いられる地中埋設管やその他の、円形管などと非円形管とを接続するのに用いられる管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に配管や配線を埋設する場合には、これらを保護するのに地中埋設管が用いられることがあり、この地中埋設管は、多くは、屈曲可能なように蛇腹タイプとなっている。
【0003】
このような蛇腹タイプの地中埋設管を接続する管継手としては、特許文献1に記載されたものが提案されており、図11(a)は、その使用態様を示す斜視図、(b)は同接続状態の管継手の縦断面図である。
【0004】
この管継手30は、継手本体25と、二分割され、一体化された際には継手本体25の端部を抱き込む止具21とを備えている。
【0005】
継手本体25は、全体が蛇腹状の円形管P(山部をPm、谷部をPvとする。)を内部に挿入可能とされた筒状体であって、筒軸中央部分内側に、両側から挿入された円形管Pの端面が当接する対向壁28が設けられ、外周両端付近には、止具21を填まり込ませる係合環状凸凹部27が設けられ、この環状凸凹部27の継手本体25の筒軸中央側には、一体化前の止具21を非拘束状態で保持する保持係止部26が設けられている。
【0006】
対向壁28は、両側に挿入される円形管Pの内部有効空間を連通する連通空間部28aを備えている。
【0007】
止具21は、継手本体25の係合環状凸凹部27に填まり込むような係合環状凹凸部24、また、その二分割された一方側だけには、一体化された際に、管継手30に挿入された円形管Pの谷部Pvに填まり込む環状の止突起23、一体化前の状態で、継手本体25の保持係止部26と係合して、止突起23が円形管Pの管継手30への挿脱に支障にならないように非拘束状態に保持する保持突起22が設けられている。
【0008】
このような構成で、この管継手30によれば、止具21の保持突起22が継手本体25の保持係止部26に係止された非拘束状態(図11(b)の右側)では、その状態が自立保持され、作業者は、円形管Pを両手を使って挿脱できる。
【0009】
円形管Pの挿入、セットが完了した後には、止具21を一体化すると、止突起23が円形管Pの谷部Pvに填まり込む拘束状態(図11(b)の左側)となり、管継手30による円形管Pの連結が完了する。この状態では、円形管Pが管継手30から抜け落ちることがない。
【0010】
また、止具21の保持突起22は弾性的に屈曲可能で、拘束状態では、図のような管継手30の内部側には障害とならない屈曲状態となり、拘束状態から解放すると、非拘束状態の起立状態となり得、繰り返し使用が可能である。
【0011】
このように、この管継手30は、同じ管径の円形管Pを連結する場合には、便利なものであったが、円形管Pと非円形管とを連結することはできなかった。
【0012】
一方、近年、地中埋設管としては、円形管だけでなく、特許文献2、3、4に記載されているように、角形管などの非円形管も用いられるようになった。
【0013】
例えば、角形管は、円形管に比べ、施行面に対して設置する場合の安定性が良く、また、複数を密接させて並列可能であるため施工性もよく、加えて、円形管に比べて内部空間を広くもうけることができるため、特に、地中埋設管として優れている。
【0014】
しかし、角形管と円形管を単純に連結するとしても、その断面形状の相違から、連結部分に生じる段差が、一方の管から他方の管に呼び線やケーブルなどの挿入物を送り込み又は引き込む際の障害となる連結障壁部となり、作業性が悪いという問題があった。
【0015】
また、角形管を、ハンドホール等の地中埋設箱、分電箱等に接続させる場合、そのハンドホール等にはホルソー等の穿孔具により円形の接続孔が形成されていることが多いが、この円形の接続孔と角形管の断面形状との相違から生じる連結障壁部もまた、挿入物の引き込み等の障害となっていた。
【0016】
この問題は、上記特許文献1はもとより、特許文献2、3、4においても解決されていなかった。
【0017】
また、この問題は、地中埋設管に限られず、一般に、蛇腹状でないものも含め、円形管と非円形管、あるいは、円形孔と非円形管とを接続する管継手にも同様に生じるものである。
【特許文献1】特開2000−283353号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開平10−215514号公報(図1)
【特許文献3】特開平10−322867号公報(図1)
【特許文献4】特開2003−235123号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、円形管あるいは円形孔と非円形管とを接続した場合も連結障壁部の問題が生じにくい管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1記載の管継手は、一方側に円形管が内挿されるべく、内周が円形に形成された円形筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、
前記円形筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする。
【0020】
ここで、連結障壁部は、円形管、非円形管の管径(有効径)、それぞれの形状に応じて、円形管から非円形管への挿入時、あるいは、その反対方向の挿入時、あるいは、双方向の挿入時のいずれの場合にも生じ得るものである。
【0021】
請求項2記載の管継手は、請求項1に従属し、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の管継手は、請求項1に従属し、前記案内部は、その連結障壁部の形状が前記内挿物を前記挿入方向にかつ前記連通空間部へ案内するように構成されたものであることを特徴とする。
【0023】
請求項4記載の管継手は、請求項1から3のいずれかに従属し、前記非円形管がその断面形状が正方形である四角管を含む多角形管であって、前記非円形筒部もこれに対応したものとなっていることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の管継手は、請求項1から4のいずれかに従属し、前記円形筒部、前記非円形筒部の端部には、それぞれ前記円形管、前記非円形管の前記前記円形筒部、前記非円形筒部からの脱落を防止する止具を設けたことを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の管継手は、請求項1から5のいずれかに従属し、前記管が地中埋設管であり、前記管継手もこれに対応したものであることを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の管継手は、一方側に、地中埋設箱等の円形開口に取着される接続筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、前記接続筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする。
【0027】
ここで、連結障壁部は、円形開口、非円形管の管径(有効径)、それぞれの形状に応じて、円形開口から非円形管への挿入時、あるいは、その反対方向の挿入時、あるいは、双方向の挿入時のいずれの場合にも生じ得るものである。
【0028】
請求項8記載の管継手は、請求項7に従属し、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
請求項1記載の管継手によれば、連結障壁部に、該連結障壁部が内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたので、連結障壁部が内挿物の挿入の支障となる問題を解決することができる。
【0030】
請求項2記載の管継手によれば、請求項1の効果に加え、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されるようにしたので、その効果を確実に発揮し、また、案内部を形成する材料を節約することができる。
【0031】
請求項3記載の管継手によれば、請求項1の効果に加え、前記案内部は、その連結障壁部の形状が前記内挿物を前記挿入方向にかつ前記連通空間部へ案内するように構成されたものであるので、案内部の成形が容易である。
【0032】
請求項4記載の管継手によれば、請求項1から3のいずれかの効果に加え、前記非円形管がその断面形状が正方形である四角管を含む多角形管であって、前記非円形筒部もこれに対応したものとなっているので、管継手の適用範囲が広くなる。
【0033】
請求項5記載の管継手によれば、請求項1から4のいずれかの効果に加え、前記円形筒部、前記非円形筒部の端部には、それぞれ前記円形管、前記非円形管の前記前記円形筒部、前記非円形筒部からの脱落を防止する止具を設けたので、挿入された、円形管、非円形管が脱落することがない。
【0034】
請求項6記載の管継手によれば、請求項1から5のいずれかの効果に加え、前記管が地中埋設管であり、前記管継手もこれに対応したものであるので、上記の効果を地中埋設管用として発揮する。
【0035】
請求項7記載の管継手によれば、請求項1の管継手の前記円形筒部が、地中埋設箱等の円形開口に取着される接続筒部となっているので、請求項1の効果を、円形開口との連結についても発揮する。
【0036】
請求項8記載の管継手によれば、請求項7の効果に加え、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されるようにしたので、その効果を確実に発揮し、また、案内部を形成する材料を節約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に、本発明の実施の形態(実施例)について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0038】
図1は、本発明の管継手の一例の正面図、図2(a)は、図1の管継手の右側面図、(b)は(a)のAA断面図、図3は図2のC矢視要部斜視図、図4は、図1の管継手に用いる止具を示すもので、(a)はその前面図、(b)は正面図、(c)は側面図、図5は、図1の管継手に用いる他の止具を示すもので、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のDD断面図、図6は、図1の管継手で接続する円形管の一例を示す図、図7は、図1の管継手で接続する非円形管の一例を示すもので、(a)はその正面図、(b)は前面図である。
【0039】
この管継手5は、地中埋設管として用いる蛇腹状の円形管11(図6)と、同様に蛇腹状の角形管である非円形管12(図7)とを連結するもので、この円形管11が内挿されるべく、内周が円形に形成された円形筒部1と、他方側に非円形管12が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部2とを備え、これらの円形筒部1と非円形筒部2とを対向させるように連結する対向壁3には、前記双方の管11、12の有効部分を連通する連通空間部3aと、その一方の管12から他方の管11への内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部3bとが形成されている。
【0040】
ここで、この管継手5においては、この連結障壁部3bに、図2(b)に示すように、該連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、内挿物を案内する案内部3cを設けたことを特徴とする。
【0041】
この管継手5で連結する一方の円形管11は、図6に示すような蛇腹状であり、その大きい径部分の山部11aと、小さい径部分の谷部11bとが連続形成されている。その内周部の有効部分を11cという。この有効部分11cは、この円形管11で保護される内挿物、配管や配線を挿通し得る最大空間である。
【0042】
この円形管11は、管11の伸長方向に対してどの方向にでも一定程度屈曲できるという特長がある。
【0043】
この管継手5で連結する他方の非円形管12は、図7に示すような蛇腹状の四角形管であり、その大きい径(この管12については対辺寸法を意味する。)部分の山部12aと、小さい径部分の谷部12bとが連続形成されている。その内周部の有効部分を12cという。この有効部分12cは、この非円形管11で保護される内挿物、配管や配線を挿通し得る最大空間である。
【0044】
この非円形管12は、管12の伸長方向に対して、その四角断面の各辺方向には一定程度屈曲可能であるが、それ以外の方向には屈曲できないという特徴があり、また、上述のように、現場での設置面への設置、並列、積み重ねがしやすく、また、密度高く設置できるという特徴もあるものである。
【0045】
この例では、非円形管12の有効部分12cの内接円の径が、円形管11の有効部分11cの径と同じものとなっており、したがって、上記連通空間部3aは、円形管11の有効部分11cと同じであり、一方、上記連結障壁部3bは、非円形管12の四角形状の有効部分12cから内接円の連通空間部3aを除いた四隅の部分となっている。
【0046】
このような連通空間部3aは、非円形管12から円形管11に内挿物を挿通させようとするときに、その挿通の障害となるという問題を有する。
【0047】
しかしながら、この管継手5では、連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、内挿物を案内する案内部3cを設けているので、このような連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならず、連結障壁部3bの問題が生じにくい。
【0048】
案内部3cの具体的な構成としては、この例では、図3の斜視図でより明確に解るように、連結障壁部3bから管挿入に対向する方向に立ち上がり、内挿物を連通空間部3aへ案内する傾斜部3dを備えた複数の突設体3eを用いている。
【0049】
このような構成の案内部3cは、上記効果に加え、案内部3cを設けるための材料を最小にできる。また、その突設体3eと非円形筒部2の内周との隙間には、非円形管12がちょうど填まり込み、好適に非円形管12と係合する。
【0050】
管継手5に円形管11、非円形管12を挿入した後は、止具4(図4)、4′(図5)を、管継手5の止具取付部1a、2aに取着する。
【0051】
この止具4、4′は、図11の従来例の止具21の上半分と同様の機能を果たすものであり、それぞれ、対応する円形管11、非円形管12の谷部11b、12bに填まり込む止突起4a、4cを備え、締め付け孔4b、4dにネジ手段を挿通して、管継手の止具取付部1a、2aにネジ締結されるものである。
【0052】
こうして止具4、4′が、管継手5にネジ締結された後には、挿入された円形管11、非円形管12が管継手5から抜け落ちることがない。
【0053】
円形管11、非円形管12の材料としては、その屈曲性から、ポリエチレン(PE)が、管継手5、止具4、4′の材料としては、その成形性から、ポリ塩化ビニール(PVC)が好適であるが、これに限定されるものではなく、これらの条件を満足する合成樹脂、あるいは、鉄鋼、アルミ、黄銅、銅などであってもよい。
【実施例2】
【0054】
図8は、本発明の管継手の他例を示すもので、(a)はその右側面図、(b)は(a)のBB断面図である。これより、すでに説明した部分と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。また、煩雑さを避けるために、全ての符号を繰り返して記載しない場合がある。
【0055】
この管継手5Aは、図1、2の管継手5に比べ、案内部3fが、突設体で構成されるのではなく、図8(b)に示すように、連結障壁部3fの形状が管継手5の傾斜部3dと同様に内挿物を連通空間部3aへ案内するように構成された点が異なっている。つまり、連結障壁部3fそのものが案内部3fになるように構成されているものである。
【0056】
このようにしても、図1、2の管継手5と同様に、連結障壁部3fの問題を生じにくくすることができる。また、案内部3fの成形が容易である。
【実施例3】
【0057】
図9は、本発明の管継手の他例を示す一部破断の正面図、図10は、図9の管継手に用いるフタを示すもので、(a)はその一部破断の側面図、(b)は正面図である。
【0058】
この管継手5Bは、図1の管継手5に比べ、その円形筒部1に相当する部分が、地中埋設箱13の円形開口13aに取着される接続筒部1′となっている点が異なっている。
【0059】
つまり、この接続筒部1′には、その内周は円形管11が挿入されるものではなく、フタ6の雄ネジ部6bがネジ係合するように、雌ネジ1cが形成されている。
【0060】
フタ6は、図10に示すように、外周に雄ネジ部6bが設けられた円筒の端部に八角形のフランジ6aが設けられたもので、この雄ネジ部6bの外径が、地中埋設箱13の円形開口13aに挿入可能となっている。
【0061】
この管継手5Bを用いる場合は、フタ6の雄ネジ部6bを地中埋設箱13の円形開口13aに挿入し、その円形開口13aからの突出部分に管継手5Bの雌ネジ1cが係合するようにして、フタ6を回転させて、このフタ6と管継手5Bとの間に地中埋設箱13の円形開口13aを挟むようにするのである。
【0062】
連結障壁部3bは、このように円形孔との接続にも生じるものであり、このような管継手5Bは、図7に示すように、その案内部3cにより、その場合にも、図1の管継手5と同様の効果を発揮し、連結障壁部3bの問題を生じにくくする。
【0063】
なお、上記では、非円形管の例として、四角形の角形管について説明したが、非円形管としては、これに限定されず、あらゆる形状の矩形管、円形と矩形の組み合わせの管など、円形管と連結した際に、連結障壁部の生じるような円形でない管の全てを含むものである。
【0064】
この際、連結障壁部は、連結される円形管、円形開口、非円形管の有効径、形状によって、円形管、円形開口から非円形管の方向に内挿物を挿入する場合、また、双方の挿入の場合にも生じ得るものであり、それらの場合にも、本発明の案内部は有効である。
【0065】
また、管は蛇腹状のものに限定されず、蛇腹のような段々のないものであってもよい。さらに、管は、地中埋設管に限定されず、天井配線、壁内配線、外気中配線などの保護に用いる保護管などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の管継手は、円形管などと非円形管とを連結障壁部の問題なく連結することが要請されるあらゆる産業上の分野、特に、地中埋設管に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の管継手の一例の正面図
【図2】(a)は図1の管継手の右側面図、(b)は(a)のAA断面図
【図3】図2のC矢視要部斜視図
【図4】図1の管継手に用いる止具を示すもので、(a)はその前面図、(b)は正面図、(c)は側面図
【図5】図1の管継手に用いる他の止具を示すもので、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のDD断面図
【図6】図1の管継手で接続する円形管の一例を示す図
【図7】図1の管継手で接続する非円形管の一例を示すもので、(a)はその正面図、(b)は前面図
【図8】本発明の管継手の他例を示すもので、(a)はその右側面図、(b)は(a)のBB断面図
【図9】本発明の管継手の他例を示す一部破断の正面図
【図10】図9の管継手に用いるフタを示すもので、(a)はその一部破断の側面図、(b)は正面図
【図11】(a)は、従来の管継手の使用態様を示す斜視図、(b)は同接続状態の管継手の縦断面図
【符号の説明】
【0068】
1 円形筒部
1A 接続筒部
2 非円形筒部
3、3A 対向壁
3a 連通空間部
3b 連結障壁部
3c 案内部
3d 傾斜部
3e 突設体
3f 案内部
4 止具
4′ 止具
5、5A、5B 管継手
6 フタ
11 円形管
12 非円形管
13 地中埋設箱
13a 円形開口
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管や配線を地中埋設する場合に、これらを保護するために用いられる地中埋設管やその他の、円形管などと非円形管とを接続するのに用いられる管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
地中に配管や配線を埋設する場合には、これらを保護するのに地中埋設管が用いられることがあり、この地中埋設管は、多くは、屈曲可能なように蛇腹タイプとなっている。
【0003】
このような蛇腹タイプの地中埋設管を接続する管継手としては、特許文献1に記載されたものが提案されており、図11(a)は、その使用態様を示す斜視図、(b)は同接続状態の管継手の縦断面図である。
【0004】
この管継手30は、継手本体25と、二分割され、一体化された際には継手本体25の端部を抱き込む止具21とを備えている。
【0005】
継手本体25は、全体が蛇腹状の円形管P(山部をPm、谷部をPvとする。)を内部に挿入可能とされた筒状体であって、筒軸中央部分内側に、両側から挿入された円形管Pの端面が当接する対向壁28が設けられ、外周両端付近には、止具21を填まり込ませる係合環状凸凹部27が設けられ、この環状凸凹部27の継手本体25の筒軸中央側には、一体化前の止具21を非拘束状態で保持する保持係止部26が設けられている。
【0006】
対向壁28は、両側に挿入される円形管Pの内部有効空間を連通する連通空間部28aを備えている。
【0007】
止具21は、継手本体25の係合環状凸凹部27に填まり込むような係合環状凹凸部24、また、その二分割された一方側だけには、一体化された際に、管継手30に挿入された円形管Pの谷部Pvに填まり込む環状の止突起23、一体化前の状態で、継手本体25の保持係止部26と係合して、止突起23が円形管Pの管継手30への挿脱に支障にならないように非拘束状態に保持する保持突起22が設けられている。
【0008】
このような構成で、この管継手30によれば、止具21の保持突起22が継手本体25の保持係止部26に係止された非拘束状態(図11(b)の右側)では、その状態が自立保持され、作業者は、円形管Pを両手を使って挿脱できる。
【0009】
円形管Pの挿入、セットが完了した後には、止具21を一体化すると、止突起23が円形管Pの谷部Pvに填まり込む拘束状態(図11(b)の左側)となり、管継手30による円形管Pの連結が完了する。この状態では、円形管Pが管継手30から抜け落ちることがない。
【0010】
また、止具21の保持突起22は弾性的に屈曲可能で、拘束状態では、図のような管継手30の内部側には障害とならない屈曲状態となり、拘束状態から解放すると、非拘束状態の起立状態となり得、繰り返し使用が可能である。
【0011】
このように、この管継手30は、同じ管径の円形管Pを連結する場合には、便利なものであったが、円形管Pと非円形管とを連結することはできなかった。
【0012】
一方、近年、地中埋設管としては、円形管だけでなく、特許文献2、3、4に記載されているように、角形管などの非円形管も用いられるようになった。
【0013】
例えば、角形管は、円形管に比べ、施行面に対して設置する場合の安定性が良く、また、複数を密接させて並列可能であるため施工性もよく、加えて、円形管に比べて内部空間を広くもうけることができるため、特に、地中埋設管として優れている。
【0014】
しかし、角形管と円形管を単純に連結するとしても、その断面形状の相違から、連結部分に生じる段差が、一方の管から他方の管に呼び線やケーブルなどの挿入物を送り込み又は引き込む際の障害となる連結障壁部となり、作業性が悪いという問題があった。
【0015】
また、角形管を、ハンドホール等の地中埋設箱、分電箱等に接続させる場合、そのハンドホール等にはホルソー等の穿孔具により円形の接続孔が形成されていることが多いが、この円形の接続孔と角形管の断面形状との相違から生じる連結障壁部もまた、挿入物の引き込み等の障害となっていた。
【0016】
この問題は、上記特許文献1はもとより、特許文献2、3、4においても解決されていなかった。
【0017】
また、この問題は、地中埋設管に限られず、一般に、蛇腹状でないものも含め、円形管と非円形管、あるいは、円形孔と非円形管とを接続する管継手にも同様に生じるものである。
【特許文献1】特開2000−283353号公報(図1、図2)
【特許文献2】特開平10−215514号公報(図1)
【特許文献3】特開平10−322867号公報(図1)
【特許文献4】特開2003−235123号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、円形管あるいは円形孔と非円形管とを接続した場合も連結障壁部の問題が生じにくい管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
請求項1記載の管継手は、一方側に円形管が内挿されるべく、内周が円形に形成された円形筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、
前記円形筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする。
【0020】
ここで、連結障壁部は、円形管、非円形管の管径(有効径)、それぞれの形状に応じて、円形管から非円形管への挿入時、あるいは、その反対方向の挿入時、あるいは、双方向の挿入時のいずれの場合にも生じ得るものである。
【0021】
請求項2記載の管継手は、請求項1に従属し、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の管継手は、請求項1に従属し、前記案内部は、その連結障壁部の形状が前記内挿物を前記挿入方向にかつ前記連通空間部へ案内するように構成されたものであることを特徴とする。
【0023】
請求項4記載の管継手は、請求項1から3のいずれかに従属し、前記非円形管がその断面形状が正方形である四角管を含む多角形管であって、前記非円形筒部もこれに対応したものとなっていることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の管継手は、請求項1から4のいずれかに従属し、前記円形筒部、前記非円形筒部の端部には、それぞれ前記円形管、前記非円形管の前記前記円形筒部、前記非円形筒部からの脱落を防止する止具を設けたことを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の管継手は、請求項1から5のいずれかに従属し、前記管が地中埋設管であり、前記管継手もこれに対応したものであることを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の管継手は、一方側に、地中埋設箱等の円形開口に取着される接続筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、前記接続筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする。
【0027】
ここで、連結障壁部は、円形開口、非円形管の管径(有効径)、それぞれの形状に応じて、円形開口から非円形管への挿入時、あるいは、その反対方向の挿入時、あるいは、双方向の挿入時のいずれの場合にも生じ得るものである。
【0028】
請求項8記載の管継手は、請求項7に従属し、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
請求項1記載の管継手によれば、連結障壁部に、該連結障壁部が内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたので、連結障壁部が内挿物の挿入の支障となる問題を解決することができる。
【0030】
請求項2記載の管継手によれば、請求項1の効果に加え、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されるようにしたので、その効果を確実に発揮し、また、案内部を形成する材料を節約することができる。
【0031】
請求項3記載の管継手によれば、請求項1の効果に加え、前記案内部は、その連結障壁部の形状が前記内挿物を前記挿入方向にかつ前記連通空間部へ案内するように構成されたものであるので、案内部の成形が容易である。
【0032】
請求項4記載の管継手によれば、請求項1から3のいずれかの効果に加え、前記非円形管がその断面形状が正方形である四角管を含む多角形管であって、前記非円形筒部もこれに対応したものとなっているので、管継手の適用範囲が広くなる。
【0033】
請求項5記載の管継手によれば、請求項1から4のいずれかの効果に加え、前記円形筒部、前記非円形筒部の端部には、それぞれ前記円形管、前記非円形管の前記前記円形筒部、前記非円形筒部からの脱落を防止する止具を設けたので、挿入された、円形管、非円形管が脱落することがない。
【0034】
請求項6記載の管継手によれば、請求項1から5のいずれかの効果に加え、前記管が地中埋設管であり、前記管継手もこれに対応したものであるので、上記の効果を地中埋設管用として発揮する。
【0035】
請求項7記載の管継手によれば、請求項1の管継手の前記円形筒部が、地中埋設箱等の円形開口に取着される接続筒部となっているので、請求項1の効果を、円形開口との連結についても発揮する。
【0036】
請求項8記載の管継手によれば、請求項7の効果に加え、前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されるようにしたので、その効果を確実に発揮し、また、案内部を形成する材料を節約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下に、本発明の実施の形態(実施例)について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0038】
図1は、本発明の管継手の一例の正面図、図2(a)は、図1の管継手の右側面図、(b)は(a)のAA断面図、図3は図2のC矢視要部斜視図、図4は、図1の管継手に用いる止具を示すもので、(a)はその前面図、(b)は正面図、(c)は側面図、図5は、図1の管継手に用いる他の止具を示すもので、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のDD断面図、図6は、図1の管継手で接続する円形管の一例を示す図、図7は、図1の管継手で接続する非円形管の一例を示すもので、(a)はその正面図、(b)は前面図である。
【0039】
この管継手5は、地中埋設管として用いる蛇腹状の円形管11(図6)と、同様に蛇腹状の角形管である非円形管12(図7)とを連結するもので、この円形管11が内挿されるべく、内周が円形に形成された円形筒部1と、他方側に非円形管12が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部2とを備え、これらの円形筒部1と非円形筒部2とを対向させるように連結する対向壁3には、前記双方の管11、12の有効部分を連通する連通空間部3aと、その一方の管12から他方の管11への内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部3bとが形成されている。
【0040】
ここで、この管継手5においては、この連結障壁部3bに、図2(b)に示すように、該連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、内挿物を案内する案内部3cを設けたことを特徴とする。
【0041】
この管継手5で連結する一方の円形管11は、図6に示すような蛇腹状であり、その大きい径部分の山部11aと、小さい径部分の谷部11bとが連続形成されている。その内周部の有効部分を11cという。この有効部分11cは、この円形管11で保護される内挿物、配管や配線を挿通し得る最大空間である。
【0042】
この円形管11は、管11の伸長方向に対してどの方向にでも一定程度屈曲できるという特長がある。
【0043】
この管継手5で連結する他方の非円形管12は、図7に示すような蛇腹状の四角形管であり、その大きい径(この管12については対辺寸法を意味する。)部分の山部12aと、小さい径部分の谷部12bとが連続形成されている。その内周部の有効部分を12cという。この有効部分12cは、この非円形管11で保護される内挿物、配管や配線を挿通し得る最大空間である。
【0044】
この非円形管12は、管12の伸長方向に対して、その四角断面の各辺方向には一定程度屈曲可能であるが、それ以外の方向には屈曲できないという特徴があり、また、上述のように、現場での設置面への設置、並列、積み重ねがしやすく、また、密度高く設置できるという特徴もあるものである。
【0045】
この例では、非円形管12の有効部分12cの内接円の径が、円形管11の有効部分11cの径と同じものとなっており、したがって、上記連通空間部3aは、円形管11の有効部分11cと同じであり、一方、上記連結障壁部3bは、非円形管12の四角形状の有効部分12cから内接円の連通空間部3aを除いた四隅の部分となっている。
【0046】
このような連通空間部3aは、非円形管12から円形管11に内挿物を挿通させようとするときに、その挿通の障害となるという問題を有する。
【0047】
しかしながら、この管継手5では、連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、内挿物を案内する案内部3cを設けているので、このような連結障壁部3bが内挿物の円滑な挿入の支障とならず、連結障壁部3bの問題が生じにくい。
【0048】
案内部3cの具体的な構成としては、この例では、図3の斜視図でより明確に解るように、連結障壁部3bから管挿入に対向する方向に立ち上がり、内挿物を連通空間部3aへ案内する傾斜部3dを備えた複数の突設体3eを用いている。
【0049】
このような構成の案内部3cは、上記効果に加え、案内部3cを設けるための材料を最小にできる。また、その突設体3eと非円形筒部2の内周との隙間には、非円形管12がちょうど填まり込み、好適に非円形管12と係合する。
【0050】
管継手5に円形管11、非円形管12を挿入した後は、止具4(図4)、4′(図5)を、管継手5の止具取付部1a、2aに取着する。
【0051】
この止具4、4′は、図11の従来例の止具21の上半分と同様の機能を果たすものであり、それぞれ、対応する円形管11、非円形管12の谷部11b、12bに填まり込む止突起4a、4cを備え、締め付け孔4b、4dにネジ手段を挿通して、管継手の止具取付部1a、2aにネジ締結されるものである。
【0052】
こうして止具4、4′が、管継手5にネジ締結された後には、挿入された円形管11、非円形管12が管継手5から抜け落ちることがない。
【0053】
円形管11、非円形管12の材料としては、その屈曲性から、ポリエチレン(PE)が、管継手5、止具4、4′の材料としては、その成形性から、ポリ塩化ビニール(PVC)が好適であるが、これに限定されるものではなく、これらの条件を満足する合成樹脂、あるいは、鉄鋼、アルミ、黄銅、銅などであってもよい。
【実施例2】
【0054】
図8は、本発明の管継手の他例を示すもので、(a)はその右側面図、(b)は(a)のBB断面図である。これより、すでに説明した部分と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。また、煩雑さを避けるために、全ての符号を繰り返して記載しない場合がある。
【0055】
この管継手5Aは、図1、2の管継手5に比べ、案内部3fが、突設体で構成されるのではなく、図8(b)に示すように、連結障壁部3fの形状が管継手5の傾斜部3dと同様に内挿物を連通空間部3aへ案内するように構成された点が異なっている。つまり、連結障壁部3fそのものが案内部3fになるように構成されているものである。
【0056】
このようにしても、図1、2の管継手5と同様に、連結障壁部3fの問題を生じにくくすることができる。また、案内部3fの成形が容易である。
【実施例3】
【0057】
図9は、本発明の管継手の他例を示す一部破断の正面図、図10は、図9の管継手に用いるフタを示すもので、(a)はその一部破断の側面図、(b)は正面図である。
【0058】
この管継手5Bは、図1の管継手5に比べ、その円形筒部1に相当する部分が、地中埋設箱13の円形開口13aに取着される接続筒部1′となっている点が異なっている。
【0059】
つまり、この接続筒部1′には、その内周は円形管11が挿入されるものではなく、フタ6の雄ネジ部6bがネジ係合するように、雌ネジ1cが形成されている。
【0060】
フタ6は、図10に示すように、外周に雄ネジ部6bが設けられた円筒の端部に八角形のフランジ6aが設けられたもので、この雄ネジ部6bの外径が、地中埋設箱13の円形開口13aに挿入可能となっている。
【0061】
この管継手5Bを用いる場合は、フタ6の雄ネジ部6bを地中埋設箱13の円形開口13aに挿入し、その円形開口13aからの突出部分に管継手5Bの雌ネジ1cが係合するようにして、フタ6を回転させて、このフタ6と管継手5Bとの間に地中埋設箱13の円形開口13aを挟むようにするのである。
【0062】
連結障壁部3bは、このように円形孔との接続にも生じるものであり、このような管継手5Bは、図7に示すように、その案内部3cにより、その場合にも、図1の管継手5と同様の効果を発揮し、連結障壁部3bの問題を生じにくくする。
【0063】
なお、上記では、非円形管の例として、四角形の角形管について説明したが、非円形管としては、これに限定されず、あらゆる形状の矩形管、円形と矩形の組み合わせの管など、円形管と連結した際に、連結障壁部の生じるような円形でない管の全てを含むものである。
【0064】
この際、連結障壁部は、連結される円形管、円形開口、非円形管の有効径、形状によって、円形管、円形開口から非円形管の方向に内挿物を挿入する場合、また、双方の挿入の場合にも生じ得るものであり、それらの場合にも、本発明の案内部は有効である。
【0065】
また、管は蛇腹状のものに限定されず、蛇腹のような段々のないものであってもよい。さらに、管は、地中埋設管に限定されず、天井配線、壁内配線、外気中配線などの保護に用いる保護管などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の管継手は、円形管などと非円形管とを連結障壁部の問題なく連結することが要請されるあらゆる産業上の分野、特に、地中埋設管に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の管継手の一例の正面図
【図2】(a)は図1の管継手の右側面図、(b)は(a)のAA断面図
【図3】図2のC矢視要部斜視図
【図4】図1の管継手に用いる止具を示すもので、(a)はその前面図、(b)は正面図、(c)は側面図
【図5】図1の管継手に用いる他の止具を示すもので、(a)はその正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のDD断面図
【図6】図1の管継手で接続する円形管の一例を示す図
【図7】図1の管継手で接続する非円形管の一例を示すもので、(a)はその正面図、(b)は前面図
【図8】本発明の管継手の他例を示すもので、(a)はその右側面図、(b)は(a)のBB断面図
【図9】本発明の管継手の他例を示す一部破断の正面図
【図10】図9の管継手に用いるフタを示すもので、(a)はその一部破断の側面図、(b)は正面図
【図11】(a)は、従来の管継手の使用態様を示す斜視図、(b)は同接続状態の管継手の縦断面図
【符号の説明】
【0068】
1 円形筒部
1A 接続筒部
2 非円形筒部
3、3A 対向壁
3a 連通空間部
3b 連結障壁部
3c 案内部
3d 傾斜部
3e 突設体
3f 案内部
4 止具
4′ 止具
5、5A、5B 管継手
6 フタ
11 円形管
12 非円形管
13 地中埋設箱
13a 円形開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側に円形管が内挿されるべく、内周が円形に形成された円形筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、
前記円形筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項3】
前記案内部は、その連結障壁部の形状が前記内挿物を前記挿入方向にかつ前記連通空間部へ案内するように構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項4】
前記非円形管がその断面形状が正方形である四角管を含む多角形管であって、前記非円形筒部もこれに対応したものとなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の管継手。
【請求項5】
前記円形筒部、前記非円形筒部の端部には、それぞれ前記円形管、前記非円形管の前記前記円形筒部、前記非円形筒部からの脱落を防止する止具を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の管継手。
【請求項6】
前記管が地中埋設管であり、前記管継手もこれに対応したものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の管継手。
【請求項7】
一方側に、地中埋設箱等の円形開口に取着される接続筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、
前記接続筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする管継手。
【請求項8】
前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする請求項7記載の管継手。
【請求項1】
一方側に円形管が内挿されるべく、内周が円形に形成された円形筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、
前記円形筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項3】
前記案内部は、その連結障壁部の形状が前記内挿物を前記挿入方向にかつ前記連通空間部へ案内するように構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項4】
前記非円形管がその断面形状が正方形である四角管を含む多角形管であって、前記非円形筒部もこれに対応したものとなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の管継手。
【請求項5】
前記円形筒部、前記非円形筒部の端部には、それぞれ前記円形管、前記非円形管の前記前記円形筒部、前記非円形筒部からの脱落を防止する止具を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の管継手。
【請求項6】
前記管が地中埋設管であり、前記管継手もこれに対応したものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の管継手。
【請求項7】
一方側に、地中埋設箱等の円形開口に取着される接続筒部が設けられ、他方側に非円形管が内挿されるべく、内周が非円形に形成された非円形筒部が設けられ、
前記接続筒部と前記非円形筒部とを対向させるように連結する対向壁には、前記双方の管の有効部分を連通する連通空間部と、前記一方側と他方側との間の内挿物の円滑な挿入の支障となる連結障壁部とが形成され、
この連結障壁部に、該連結障壁部が前記内挿物の円滑な挿入の支障とならないように、前記内挿物を案内する案内部を設けたことを特徴とする管継手。
【請求項8】
前記案内部は、前記連結障壁部から前記内挿物の挿入に対向する方向に立ち上がり、前記内挿物を前記連通空間部へ案内する傾斜部を備えた突設体で構成されることを特徴とする請求項7記載の管継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−214482(P2006−214482A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26329(P2005−26329)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]