説明

管腔内治療パッチ

本発明に従う装置は、管腔及び膨張可能な治療送達用具内に適合する大きさである、管腔内パッチを含むことができる。本実施態様におけるパッチは、露出表面上に粘着部位及び露出部位と一体となった薬物リザーバー部位を有することができる。比較すると、本発明を採用する方法は、膨張可能な送達装置上に管腔内パッチを配置し、送達装置及び膨張可能なパッチを標的部位に前進させ、パッチが標的部位に粘着するように送達装置を膨張させ、並びに送達装置を収縮させ及び後退さすること、を含むことができる。そうすることにおいて、パッチは、持続時間中、標的部位に薬物を放出し続けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、治療的送達に関する。より具体的には、本発明は、患者の体内の標的部位に治療薬を送達し、次いで治療薬を標的部位に配置すること、ここで、治療薬は配置可能なパッチを有する標的部位に運ばれる、による治療薬の送達に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
患者の体内の標的部位又は領域への治療薬の送達は、現代医学で通常反復される手段である。現代的な治療送達技術は、身体の外側で行われる皮下注射から、患者の体内の深くのインプラント設置に至まであり得る。想像できるように、前者は、実際上、非-侵襲的であるが、後者の方法は侵襲性が高い。
【0003】
場合によっては、治療薬は、わずかに侵襲的な技術により送達することもできる。これらは、体内の病気血管への被覆ステントの管腔内送達を含む。これらのステントは、体内にバルーン・カテーテルの位置合わせ及び膨張により送達することができる。この例では、他の被覆インプラントと同様に、インプラント自体は、一般的に体内に長期間設置することを意図した堅い構造である。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
本発明は、治療薬を送達するための装置、方法及び用具を含む。本発明に従う装置は、管腔内に適合する大きさの管腔内パッチ、及び膨張可能な治療薬送達装置を含む。本実施態様におけるパッチは、露出表面上に粘着部位、及び露出表面と一体となった薬物リザーバー部位を有してもよい。比較すると、本発明を採用する方法は、膨張可能な送達装置上に管腔内パッチを置き;送達装置及び膨張可能なパッチを標的部位に前進させ;標的部位にパッチが粘着するように送達装置を膨張させ;及び送達装置を伸縮すること、を含むことができる。そうすることにおいて、パッチは、持続期間中、標的部位に治療薬を放出し続けることができる。
【0005】
本発明を採用する別の方法は、管腔内パッチを標的部位に送達し、そして結合させることを含むことができる。そうすることにおいて、治療薬の標的部位への送達に加えて、水分も、パッチにより吸収され、標的部位から取れる。
【0006】
詳細な説明
図1は、本発明の実施態様に従う治療送達装置107である。図1の送達装置107において、管腔内パッチ102は、送達カテーテル100の膨張可能なバルーン101上に置かれる。管腔内パッチ102は、バルーンが標的部位の近傍に位置付けられ、次いで膨張されるときに、標的部位に対して押し付けることができるように、送達装置107に位置合わせをすることができる。標的部位上に一旦押し付けられると、管腔内パッチは、治療薬を送達するためにそこに残ってもよく、望ましくない出血を止めてもよく又は他の所望の機能を果たしてもよい。管腔内パッチ102は、標的部位にパッチ102を固定するために粘着剤を含んでもよい。この粘着は、好ましくは、パッチ102を標的部位に堅く固定するために十分に強力であり、部分的出血を遅らせ又は止め、同時に短時間又は長時間、当該部位に治療薬を送達することもする。粘着剤は、パッチの末端に沿ってパッチ上に置いてもよく、その表面の他の部分上に置いてもよい。粘着剤は、パッチ上に加えられた力の量がパッチと標的部位との粘着力に影響を与えるので、感圧性である。パッチが標的部位に対して位置付けられ粘着されるので、膨張可能バルーンによりパッチ上に加えられた力は、標的部位においてパッチを位置付けるように働くだけでなく、パッチ102の背後から残りの体液を流出させるように働くことができる。
【0007】
膨張可能なバルーン101は、PET、ポリウレタン、PVC又はナイロンを含む、様々な熱可塑性樹脂系材料からつくられる。代替的に、バルーン101は、ラテックス、シリコーン又はスチレンブロックコポリマーを含む他の材料からつくることができる。他のカテーテル又は膨張可能な装置は、管腔内パッチ102を運び及び送達するために使用することもできる。各々の場合には、パッチは標的部位に粘着して固定されることになるので、装置は、パッチに圧力を適用するのに適し、又はそうでなくても標的部位の方にそうさせるのに適していることが好ましい。
【0008】
図2は、管腔内パッチ202を採用する装置207の横断面である。この装置207において、管腔内パッチ202は、膨張可能なバルーン・カテーテル201の周囲に位置付けられる。図に示すように、本実施態様において、管腔内パッチ202は折り畳まれている。従って、バルーン201が拡がると、パッチ202は拡がることができる。
【0009】
パッチが送達バルーンよりも伸縮性が少ないときに、本実施態様において示すように、折り畳まれたパッチを採用することが好ましい。そうするときに、バルーン及びパッチの圧縮サイズは、同様であるが広がった装置に比べて、小さい横断面のサイズを有することがある。
【0010】
折り畳みの一部又は全てが完全に拡がらないとしても、パッチ202は、バルーンから展開することができる。部分的に広がったパッチ202の展開に適応するために、粘着剤は、パッチ202の全ての外面上に置くことができる。そうするときに、粘着剤は、最終的な展開の大きさ及び膨張度にかかわらず、パッチの外側に固定することができる。
【0011】
図3は、管腔内パッチが図1及び2の環としてよりもむしろシートとして形成されている、本発明の実施態様である。図3では、管腔内パッチ307は、リザーバー部位304及び粘着部位303を含む。パッチ307は、図3では、直角プリズムとして示されているが、多くの他の形状でも構成されてよい。これらの形状は、体内の特定の標的部位に適合するように選択し、設計することができる。本実施態様及び他の実施態様において、パッチ307は、膨張可能な送達バルーンにそれを固定することによって送達することができるだけでなく、他の方法及び装置によっても送達することができる。これらの方法は、医療従事者による直接的な配置、及びバルーン・カテーテル以外の医療装置による遠隔配置を含むことができる。
【0012】
図4〜7は、本発明の様々な他の配置及び実施態様を示す。これらの配置及び本明細書で考察する他の配置は、互いに無関係に又は本明細書に記載の様々な組み合わせにおける配置と組み合わせて使用することができる。
【0013】
図4では、管腔内パッチ402は、管状であり、外側の粘着部位403及び内側の管状薬物リザーバー部位404を含む。体液がパッチを通過し、治療薬を下流に運ぶので、本実施態様は、管腔内パッチが展開されるところから下流の部位に治療薬を送達するために有用であり得る。
【0014】
図5では、管腔内パッチ502が、外側の粘着部位503の一部分のみに沿って露出した、薬物リザーバー部位504と共に示される。露出した部分の大きさ及び配置は、治療薬の送達が厳密に管理され及び調整されるために、標的部位での公知の損傷部位と一致し得る。従って、粘着部位503は、パッチ502の中央の外側に示されているが、粘着部位503及び薬物リザーバー部位504の正確な配置は、損傷の形状及び性質により変動してもよい。
【0015】
本発明の管腔内パッチは、標的部位での展開の前、中及び後に、破損からパッチを保護する保護層を有してもよい。当該保護層は、パッチの内側でも外側でもよい。1つのかかる例は、パッチ602の内面に結合した保護層605を示す、図6に示される。保護層605は、パッチ602の表面を水分又は他の破壊効果から保護するために使用することができる。ワックス又は同様の非−吸収性バリア物質は、保護層605として使用することができる。保護層605は、溶解性粉末、フィルム、又はパッチを標的部位に前進させるときまでに実質的になくなる他の非−毒性の生分解性物質を含んでもよい。更に、保護層が薬物リザーバー部位604を覆うときに、放出される治療薬にのみ浸透できる保護層605も使用することができる。更になお、保護層605は、スライド可能な保護鞘を含んでもよい。この鞘は、送達中の好適な時点で、パッチ602により運ばれる治療薬を曝露するためにスライドすることができる。
【0016】
図7は、パッチ702の表面に結合した構造的な支持層706を採用する実施態様を示す。支持層706は、パッチが補強層を有さなかった場合よりも展開中に、パッチ及び標的部位により一定の力を提供するために使用することができる。支持層706は、管腔の運動、屈曲、膨張又は収縮と同時に、堅いが、パッチを標的部位に結合させ続けるくらいに十分に柔軟性を保持する材料からつくることができる。
【0017】
図8〜10は、本発明に従う管腔内パッチを展開するときに採用することができるステップを示す。図8では、膨張可能な治療送達装置808が、管腔809内の標的部位に管腔内パッチ802を位置付けることを示す。送達装置808は、体内の管腔を通って前進した後に標的部位に近づいている。管腔内パッチ802が標的部位に一旦近づくと、バルーン801は、図9に示すように膨らむことができ、粘着部位を標的部位の周囲の組織に接触させ、結合させる。管腔内パッチ802が標的部位にしっかりと固定された後、膨張可能なバルーン801は、図10に示すように収縮し、薬物送達装置808は後退し、管腔内パッチを留置することができる。
【0018】
図11は、代替的な実施態様であって、送達装置1100は、潅流1111を有するバルーン1110を含む。潅流1111は、カテーテル1110に流動的に連結し、パッチ上の治療薬及び粘着剤に加えて又はその材料の代わりに、医療処置中に治療薬及び粘着剤を積極的に送達するために使用することができる。
【0019】
図12の実施態様では、パッチ1202は、その両側に、薬物含浸ポリマー樹脂部位1203及び保護部位1204を有する。保護部位1204は、治療薬で含浸させてもよい。代替的に、保護部位1204は、ポリマー樹脂部位の一方の側上にのみ存在すればよい。1超の保護部位1204が使用される場合には、各保護部位1204の組成物は、異なった組成を有することがある。ポリマー樹脂部位1203は、小孔粘着を含む。1つ又は2つの保護部位1204は、標的部位にパッチ1202を適用する前に剥がしてもよい。パッチ1201は、膨張可能な送達装置以外の手段、例えば手動、を用いて標的部位に直接的に適用することができる。
【0020】
図13及び14の実施態様では、パッチ1302は、図8〜10の装置と同様に膨張可能な送達装置1308を用いて送達することができるが、カテーテルは、カテーテル上にスライド可能に配置される、同軸保護鞘1301を有する。展開の前に、図13に示すように、保護鞘は、保護鞘がパッチの外側を覆うまで末端にスライドすることができる。送達装置が標的部位の近くになるとすぐに、保護鞘は、図14に示すように、近くにスライドし、標的部位での環境にパッチを露出することができる。
【0021】
本発明は、様々な医療処置に利用される。例えば、管腔内パッチは、膀胱憩室、ヘルニア輪のための手術中、又はTURP処置中にパッチとして使用して、処置をする部位を覆い及び保護することができる。管腔内パッチは、動脈瘤修復中、又は胃腸修復中に使用することもできる。管腔内パッチは、バリウム、又は蛍光透視法のような手術中に使用するための任意の種類の放射線不透過性材料で満たすこともできる。
【0022】
典型的な標的部位は、血管的、及び非−血管的適用、例えば神経的及び胃腸的適用を含む。本発明は、静脈、動脈、胃腸管又は他の損傷部位における接合にも関する。本発明は、食道における損傷を覆い及びシールすることにも関する。
【0023】
本発明は、ペイビング(paving)中にも使用することができる。ペイビングは、ポリマーが標的部位に位置付けられ、次いで熱を利用して標的部位の形状に形づくられるプロセスである。この熱は、カテーテル上でバルーンにより提供することができる。
【0024】
パッチは、シート、チューブ、又は体内の特定の標的部位で展開するために好適な任意の他の形状で形成することができる。パッチの層は、ポリマーから形成することができる。ポリマーは、溶解性、吸収性、弾力性、通気性又はこれらの性質の任意の組み合わせでよい。
【0025】
パッチの層は、Sahatjian等の米国特許第6,409,716号明細書に開示されている水溶性又は水膨潤性の熱可塑性ポリマーを含む、ハイドロゲルポリマーからつくることもできる。
パッチの層は、Repka等の米国特許第6,375,963号明細書及びDunba等の米国特許第6,162,456号明細書に開示されているヒドロキシプロピルセルロース又はポリエチレンオキシドから形成することもできる。
【0026】
管腔内パッチを形成する層は、例えば、溶媒の非存在下で薬剤と液体ポリマーとを混合して、液体ポリマー/薬剤の混合物を形成することにより、形成されたポリマー性材料/薬剤マトリックスを含んでもよい。混合物の硬化は、典型的には、in-situで起こる。硬化を促進するために、その適用の前に架橋又は硬化剤を混合物に添加してもよい。架橋又は硬化剤の、ポリマー/薬剤の液体混合物への添加は、その適用前に混合物の過度な硬化を避けるために、混合物の適用に極端に先立って行ってはならない。硬化は、管腔表面への適用、放射線、例えば紫外線もしくはレーザー光、熱への適用後に、ポリマー/薬剤の混合物を曝露することにより、又は混合物が管腔表面に適用された部位での代謝液例えば水との接触により、in-situで起こってもよい。本発明と組み合わせて採用されるコーティング装置において、ポリマー性材料は、生体吸収性又は生体安定性のいずれかでよい。液体として調合される本明細書に記載の任意のポリマーは、ポリマー/薬剤の混合物を形成するために使用することができる。
【0027】
ポリマーコーティングのポリマーは、生分解性又は非生分解性でもよい。好適な非生分解性ポリマーの非-限定的な例は、ポリスチレン:ポリイソブチレンコポリマー及びスチレン-イソブチレン-スチレンブロックコポリマー、例えばスチレン-イソブチレン-スチレンtert-ブロックコポリマー(SIBS);架橋ポリビニルピロリドンを含むポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール、ビニルモノマーのコポリマー、例えばEVA;ポリビニルエーテル;ポリビニル芳香族化合物;ポリエチレンオキシド;ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステル;ポリアミド;ポリアクリルアミド;ポリエーテルスルホンを含むポリエーテル;ポリプロピレン、ポリエチレン及び高分子量ポリエチレンを含むポリアルキレン;ポリウレタン;ポリカーボネート、シリコーン;シロキサンポリマー;セルロースポリマー、例えば酢酸セルロース;ポリマー分散体、例えばポリウレタン分散体 (BAYHDROL(登録商標)); スクアレンエマルション;前記の任意の混合物、及びコポリマーを、を含む。
【0028】
好適な生分解性ポリマーの非-限定的な例は、ポリカルボン酸、マレイン酸無水物ポリマーを含むポリ無水物;ポリオルソエステル;ポリ-アミノ酸;ポリエチレンオキシド;ポリホスファゼン;ポリアクチン酸、ポリグリコール酸、並びにそれらのコポリマー及び混合物、例えばポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(乳酸-グリコール酸共重合体)、50/50 (DL-ラクチド-グリコリド共重合体); ポリジオキサノン; ポリプロピレンフマル酸; ポリデプシペプチド; ポリカプロラクトン及びコポリマー、並びにそれらの混合物、例えばポリ(D,L-ラクチド-カプロラクトン共重合体)及びポリカプロラクトン-ブチルアクリル酸共重合体;ポリヒドロキシ酪酸-吉草酸及びブレンド;ポリカーボネート、例えばチロシン-誘導ポリカーボネート及びアクリレート、ポリイミノカーボネート及びポリジメチルトリメチルカーボネート;シアノアクリレート;リン酸カルシウム;ポリグリコサミノグリカン;高分子、例えば、多糖(ヒアルロン酸;セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース;ゼラチン;デンプン;デキストラン;アルギン酸塩及びその誘導体を含む)、タンパク質及びポリペプチド;並びに前記の任意の混合物及びコポリマー、を含む。生分解性ポリマーは、表面侵食ポリマー、例えば、ポリヒドロキシ酪酸及びそのコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリ無水物(結晶性及びアモルファス)、無水マレイン酸コポリマー、及びリン酸亜鉛-カルシウム、でもよい。
【0029】
ポリマー層は、体温で柔らかくなり、標的部位の表面の形状に形づくる、低温樹脂から形成することもできる。例えば、標的部位に結合するために、薬物が混合された、粘着剤を含む基質層が使用される、日本の三菱樹脂(Mitsubishi Plastics)製の記憶プラスチックも使用できる。当該記憶プラスチックは、所定の温度でプラスチックが軟化するように設計することができる。例えば、人体内での展開の際に標的部位の形状にプラスチックを適合させるためにパッチは軟化するので、プラスチックは、98°Fで軟化すればよい。記憶プラスチックは、当該温度に従って変動する軟度を有することができる。例えば、温度が高ければ、記憶プラスチックはより柔軟になる。
【0030】
パッチの部位は、成長中の細胞のための多孔性ポリマー基材から形成することもできる。多孔性構造は、パッチが細胞複製のための骨格として使用できる。本実施態様は、標的部位に遺伝子を増やすために、持続期間、標的部位で遺伝子を保持する、様々な遺伝子療法の手段に好適である。一旦パッチが展開されると、パッチは溶解し、標的部位に新しい細胞を留置する。
【0031】
パッチは、ある時間完全に溶解してもよく、又は一部しか溶解しなくてもよく、標的部位にパッチのある部分を残す。ある適用においては、ポリマーは溶解せず、必要がない場合には簡単に除くことができる。
【0032】
管腔内パッチは、パッチを展開するために最初に使用される圧力量に関連する粘着力を有する標的部位でパッチを保持する、感圧な粘着部位を有することがある。粘着部位は、化学的手段により及び高温により活性化してもよい。粘着部位は、粘着剤でも吸収剤でもあるハイドロコロイド性粘着剤でもよい。
【0033】
高水分環境における標的部位に関して、重層化した医療用感圧粘着剤が使用できる。このような状況のため、粘着部位は、損傷部位から水分蒸発を可能にする高水分蒸気伝達能を有する。
【0034】
小孔型の粘着は、典型的には、患者にカテーテルを接続し、張力を緩和するために使用されるが、粘着層で使用することができる。小孔型粘着は、液体環境で使用することができ、標的部位での感染を防止する治療薬を含んでもよい。考察した粘着剤はいずれも、治療薬を含んでもよい。粘着層は、列挙したこれらの種類及び当業者に公知の他の種類の任意の組み合わせを使用することができる。
【0035】
粘着部位に加えて、又は粘着部位に代わって、本発明は、標的部位に他の固定形態を提供することもできる。例えば、縫合は、粘着部位の存在の有無によらず、管腔内パッチを標的部位に結合させるために使用することができる。
【0036】
これまで考察した管腔内パッチは、薬物リザーバー部位を含むことができる。薬物リザーバー部位からの治療薬の放出は、標的部位からの液体の吸収又は標的部位の環境により引き起こり又は制御することができる。例えば、一旦管腔内パッチがある水分量を吸収すると、薬物は放出することができる。代替的に、水分が吸収される限り、薬物はパッチから放出されるので、水分の管腔内パッチへの吸収は、薬物と置換するように働くことができる。一旦水分の所定の最大量がパッチにより吸収されると、パッチは、その粘着性を徐々に溶解し又は緩和し、そして標的部位から離れることができるが、標的部位又は周囲の部位を損傷しない。
【0037】
本発明は、長い時間に徐々に溶解する複数の薬物又は治療リザーバー部位を有することができる。部位の数は、薬物が標的部位で必要とされる時間までに決定することができる。複数の薬物リザーバー部位は、厚さ及び組成が変動することがある。
【0038】
各薬物又は治療リザーバー部位は、1つの薬物のみ又は薬物の組み合わせを含むことができる。これらの部位は、1つの薬物リザーバー部位が溶け、次の薬物リザーバー部位が露出されるように、ワックスの部位又は他の溶解性ポリマーにより互いに離れることができる。
【0039】
本明細書で用いる用語「薬物」及び「治療薬」は、1以上の「治療剤」又は「薬物」を含む。用語「治療薬」及び「薬物」は、本明細書では交換的に使用され、薬学的に活性な化合物、担体ベクター例えば脂質を有する及び/又は有さない核酸、圧縮剤(例えばヒストン)、ウイルス類(例えば、アデノウイルス及び関連するウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、ウイルス)、ポリマー、ヒアルロン酸、タンパク質、標的配列を有する及び/又は有さない細胞等、を含む。治療剤は、任意の薬学的に許容される薬剤、例えば非-遺伝子性治療剤、生物分子、小分子又は細胞でよい。
【0040】
具体的な非-遺伝性治療剤は、抗-血栓剤、例えばヘパリン、ヘパリン誘導体、プロスタグランジン(ミセル状プロスタグランジンE1)、ウロキナーゼ、及びPPack(デキストロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン・クロロメチルケトン);抗増殖剤、例えばエノキサプリン、アンギオペプチン、シロリムス(ラパマイシン)、タクロリムス、エベロリムス、平滑筋細胞増殖を妨害することができるモノクローナル抗体、ヒルジン、及びアセチルサリチル酸; 抗-炎症剤、例えばデキサメタソン、ロシグリタゾン、プレドニソロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、エストロジオール、スルファサラジン、アセチルサリチル酸、マイコフェノール酸、及びメサラミン; 抗-新生/抗-増殖性/細部分裂抑制剤、例えばパクリタキセル、エポチロン、クラドリビン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、ドキソルビシン、ダウノルビシン、シクロスポリン、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、トライジル、ハロフギノン及びアンギオスタチン; 抗-癌剤、例えばc-myc癌遺伝子のアンチセンスインヒビター; 抗-菌剤、例えばトリクロサン、セファロスポリン、アミノグリコシド、ニトロフラントイン、銀イオン、化合物又は塩; バイオフィルム合成インヒビター、例えば非-ステロイド性抗-炎症剤、及びキレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸、O,O'-ビス(2-アミノエチル)エチレングリコール-N,N,N',N'-四酢酸及びそれらの混合物;抗体、例えばゲンタマイシン、リファマイシン、ミノサイクリン及びシプロフロキサシン(ciprofolxacin);キメラ抗体及び抗体断片を含む抗体;麻酔薬、例えばリドカイン、ブピバカイン、及びロピバカイン; 一酸化窒素; 一酸化窒素(NO)供与体、例えばリシドミン、モルシドミン、L-アルギニン、NO-糖類付加物、ポリマー性又はオリゴマー性NO付加物; 抗-凝固酵素、例えばD-Phe-Pro-Argクロロメチルケトン、RGDペプチド-含有化合物、ヘパリン、アンチトロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗-トロンビン抗体、抗-血小板受容体抗体、エノキサパリン、ヒルジン、ワルファリンナトリウム、ジクマロール、アスピリン、プロスタグランジンインヒビター、血小板凝集インヒビター、例えばシロスタゾール及びダニ抗血小板因子;血管性細胞成長促進因子、例えば成長因子、翻訳活性化因子、及び翻訳促進因子;血管性細胞成長インヒビター、例えば成長因子インヒビター、成長因子受容体アンタゴニスト、翻訳抑制因子、翻訳抑制因子、複製インヒビター、インヒビター抗体、成長因子に対する抗体、成長因子及び細胞毒からなる二機能性分子、抗体及び細胞毒からなる二機能性分子;コレステロール-低下剤; 血管膨張剤;内因性の血管活性メカニズムを妨害する薬剤;熱ショックタンパク質のインヒビター、例えばゲルダナマイシン; アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬; β-遮断薬; bARキナーゼ(bARKct)インヒビター; ホスホランバンインヒビター; 並びに、上記の任意の組み合わせ及びプロドラッグ、を含む。
【0041】
具体的な生体分子は、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質;オリゴヌクレオチド、核酸例えば二本鎖又は単一鎖DNA(ネイキド及びcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸、例えばアンチセンスDNA及びRNA、小干渉RNA(siRNA)及びリボザイム; 遺伝子; 糖類; 成長因子を含む血管由来因子; 細胞周期インヒビター; 及び抗-再狭窄剤、を含む。核酸は、送達装置、例えばベクター(ウイルスベクターを含む)、プラスミド又はリポソームに組み込むことができる。
【0042】
タンパク質の非-限定的な例は、serca-2タンパク質、単球走化性タンパク質(「MCP-1」) 及び骨形成タンパク質(「BMP」)、例えば、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6 (Vgr-1)、BMP-7 (OP-1)、BMP-8、BMP-9、BMP-10、BMP-11、BMP-12、BMP-13、BMP-14、BMP-15を含む。好ましいBMPは、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6及びBMP-7のいずれかである。これらのBMPは、単独で又は他の分子と一緒に、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はそれらの組み合わせとして提供される。代替的に又は加えて、BMPの上流又は下流効果を誘導することができる分子も提供される。かかる分子は、任意の「ヘッジホッグ」タンパク質又はそれらをコードするDNAを含む。遺伝子の非-限定的な例は、細胞死に対して保護するサバイバル遺伝子、例えば抗-アポトーシス、Bcl-2ファミリー因子及びAktキナーゼ; serca2遺伝子; 及びそれらの組み合わせを含む。血管由来因子の非-限定的な例は、酸性及び塩基性の線維芽細胞増殖因子、血管性内皮細胞成長因子、上皮成長因子、形質転換成長因子、血小板-由来内皮細胞成長因子、血小板-由来増殖因子、腫瘍壊死因子、肝細胞成長因子、及びインシュリン様成長因子を含む。細胞周期インヒビターの非-限定的な例は、カテプシンD(CD)インヒビターである。抗-再狭窄剤の非-限定的な例は、p15、p16、p18、p19、p21、p27、p53、p57、Rb、nFkB及びE2Fデコイ、チミジンキナーゼ(「TK」)、並びにそれらの組み合わせ及び細胞増殖を妨害するために有用な他の薬剤を含む。
【0043】
具体的な小分子は、ホルモン、ヌクレオチド、アミノ酸、糖類、及び脂質を含み、化合物は100 kD未満の分子量を有する。
【0044】
具体的な細胞は、幹細胞、前駆細胞、内皮細胞、成人心筋細胞及び平滑筋細胞を含む。細胞は、ヒト由来(自己又は異質遺伝子型)もしくは動物起源(異種)又は遺伝子工学的につくられたものでもよい。細胞の非-限定的な例は、サイドポピュレーション(SP)細胞、Lin-CD34-、Lin-CD34+、Lin-cKit+、リネージ陰性(Lin-)細胞、5-アザを有する間葉細胞を含む間葉幹細胞、臍帯血細胞、心臓性又は他の組織由来幹細胞、全骨髄、骨髄単核細胞、内皮前駆細胞、骨格筋芽細胞又は衛生細胞、筋由来細胞、ゴー細胞(go cells)、内皮細胞、成人心筋細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞、成人心臓性繊維芽細胞+ 5-アザ、遺伝子工学的改変細胞、組織工学移植片、MyoD瘢痕繊維芽細胞、ペーシング細胞、胚幹細胞クローン、胚幹細胞、胎児又は新生児細胞、免疫的に遮断された細胞、及び奇形腫由来細胞を含む。
【0045】
治療剤はいずれも、その組み合わせが生物的にふさわしい程度に組み合わせることができる。
【0046】
上記の治療薬のいずれも、医療装置上のポリマーコーティングに組み込むことができ、又は医療装置上のポリマーコーティングに適用することができる。
【0047】
本発明で用いられるかかるコーティングは、当該分野で任意の公知の方法により形成することができる。例えば、最初にポリマー/溶媒の混合物を形成し、次いで治療薬をポリマー/溶媒混合物に加えることができる。代替的に、ポリマー、溶媒及び治療薬は、同時に加えて混合物を形成することができる。ポリマー/溶媒の混合物は、分散体、懸濁液又は溶液でもよい。治療薬は、溶媒の非存在下で、ポリマーと混合することもできる。治療薬は、混合物又はポリマーを含む真の溶液となるポリマー/溶媒の混合物中又はポリマー中で溶解するか、混合物又はポリマー中で細粒子又は微粒子に分散するか、その溶解性プロファイルに基づいて混合物又はポリマー中に懸濁するか、あるいはミセル-形成化合物、例えば界面活性剤と混合するか又は小担体粒子上で吸収して混合物又はポリマー中で懸濁液をつくることができる。コーティングは、多数のポリマー及び/又は多数の治療薬を含むことができる。
【0048】
コーティングは、浸漬、スプレイ、回転、研磨、静電プレーティング又はスピニング、蒸気蒸着、噴霧式スプレイコーティングを含む空気スプレイ、及び超音波ノズルを用いるスプレイコーティング、を含む当該分野で公知の任意の方法により、管腔内パッチに適用することができる。
【0049】
コーティングは、典型的に、約1〜約50ミクロンの厚さである。非常に薄いポリマーコーティング、例えば約0.2〜0.3ミクロン及び非常に厚いコーティング、例えば約10ミクロン超も可能である。パッチ上にポリマーコーティングの複数の層を適用することも本発明の範囲内である。かかる複数の層は、同一又は異なった治療薬及び/又は同一又は異なったポリマーを含むことができる。異なった放出速度をつくるためにポリマー及び/又は治療剤の種類、厚さ及び他の性質を選択する方法は、当該分野で周知である。
【0050】
管腔内パッチは、挿入する間の及び装置を移植する場所での医療装置の観察を助けるために、その構造内に放射性-不透明剤を含んでもよい。放射性-不透明剤の非-限定的な例は、次炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、三酸化ビスマス、硫酸バリウム、タングステン及びそれらの組み合わせである。
【0051】
管腔内パッチは、身体の管腔及び臓器例えば冠動脈脈管構造、食道、気管、結腸、胆道、尿管、前立腺、脳、肺、肝臓、心臓、骨格筋、腎臓、膀胱、腸、胃、膵臓、卵巣、軟骨、眼、骨等に移植されるか、又はそうでなければ当該管腔及び臓器で利用することができる。
【0052】
管腔内パッチは、望ましくない細胞を破壊するために、局所又は体の他の部分に毒性である薬物を含んでもよい。
【0053】
本発明は、上記の実施態様に限定されない。むしろ、上記の実施態様からの様々な要素は、他の方法と交換し及び組み合わせることができ、これも、同時に本発明の趣旨及び範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明の実施態様に従う膨張可能なバルーン・カテーテルにおおよそ位置付けられる管腔内パッチの透視図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施態様、すなわち折り畳まれた管腔内パッチを含む実施態様の透視図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施態様、すなわちシート-状の管腔内パッチを含む実施態様の透視図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施態様、すなわち管腔内パッチ内に薬物リザーバー部位を含む実施態様の透視図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施態様、すなわち管腔内パッチの外面上に薬物リザーバー部位を含む実施態様の透視図である。
【図6】図6は、管腔内パッチが内部保護層を採用する、本発明の別の実施態様の透視図である。
【図7】図7は、管腔内パッチが内部支持層を採用する、本発明の別の実施態様の透視図である。
【図8】図8は、管腔内パッチが標的部位の方向に前進することを示す、本発明の別の実施態様の透視図である。
【図9】図9は、装置が標的部位で膨張された後の、図8の実施態様の透視図である。
【図10】図10は、装置が標的部位から後退したときの、図8の実施態様の透視図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施態様の透視図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施態様の透視図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施態様の透視図である。
【図14】図14は、保護鞘が管腔内パッチ及び膨張可能バルーンから離れる、ことを示す図13の実施態様の透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの粘着部位及び少なくとも1つの治療リザーバー部位を含む管腔内パッチ、ここで、当該パッチは、ヒトの管腔内に適合するような大きさであり、当該粘着部位は当該パッチの露出面上にある;及び
膨張可能なバルーンを有する膨張可能な送達用具、ここで、当該管腔内パッチは当該膨張可能なバルーン上に配置される、
を含む治療送達装置。
【請求項2】
前記管腔内パッチの少なくとも1つの部位が水に溶解性である、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項3】
前記管腔内パッチが少なくとも1つの保護部位を更に含み、当該保護部位が前記粘着部位を覆う、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項4】
前記管腔内パッチの少なくとも1つの部位が、予め設定された割合で溶解する、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項5】
前記管腔内パッチが少なくとも1つの支持部位を更に含み、当該支持部位が当該パッチに更なる強度を提供する、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項6】
前記管腔内パッチの少なくとも1つの部位が、成長中の細胞のための多孔性ポリマー基材から形成される、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項7】
前記管腔内パッチの少なくとも1つの部位が、その温度によって変動する軟度を有する記憶プラスチックである、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項8】
前記管腔パッチが、前記バルーン上に配置されるときに、折り畳まれる、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項9】
前記バルーンが複数のマイクロオリフィスを特徴付ける、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項10】
薬物部位からの薬物の放出が放出制御剤により影響される、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項11】
カテーテル上にスライド可能に配置された鞘を更に含み、当該鞘は、管腔内パッチ上をスライドするように位置付けられる、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項12】
前記パッチの少なくとも1つの部位がポリマーから形成される、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項13】
前記粘着部位が感圧粘着剤から形成される、請求項1記載の治療送達装置。
【請求項14】
以下のステップ:
管腔内パッチを膨張可能な送達装置上に置き、当該膨張可能な送達装置は、伸縮位置を有する;
当該送達装置を標的部位に前進させ;
当該パッチが当該標的部位に粘着するように当該送達装置を膨張させ;
当該パッチを有する周囲の部位から、当該標的部位を離し;
当該送達装置を収縮そして後退させ、当該標的部位に当該パッチを留置し;及び
持続期間中、当該標的部位に当該管腔内パッチから薬物を放出すること
を含む、治療薬の送達方法。
【請求項15】
前記標的部位からの水分を前記管腔内パッチへ吸収することを更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記標的での送達の前に前記管腔内パッチを覆うように、カテーテルの遠心端上にスライド可能に配置されている鞘をスライドし;及び
当該鞘を近くにスライドすることにより、前記管腔内パッチを前記標的部位に露出すること、
を更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項17】
以下のステップ:
複数の部位を有する管腔パッチを標的部位に送達し;
当該管腔パッチを標的部位に結合させ;
水分を当該管腔パッチに吸収させ;及び
当該水分が当該管腔パッチにより吸収されるとき、当該管腔パッチから当該標的部位に薬物を放出すること
を含む、治療薬の送達方法。
【請求項18】
前記管腔内パッチの少なくとも1つの部位を溶解することを更に含む、請求項17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−515598(P2008−515598A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536774(P2007−536774)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/036343
【国際公開番号】WO2006/044308
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(506383711)ボストン サイエンティフィック リミティド (36)
【Fターム(参考)】